JPH0656910B2 - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ素子及びその製造方法

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JPH0656910B2
JPH0656910B2 JP33412888A JP33412888A JPH0656910B2 JP H0656910 B2 JPH0656910 B2 JP H0656910B2 JP 33412888 A JP33412888 A JP 33412888A JP 33412888 A JP33412888 A JP 33412888A JP H0656910 B2 JPH0656910 B2 JP H0656910B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低雑音特性,低発振閾値を有する半導体レーザ
素子及びその製造方法に関する。
(従来の技術) ビデオディスクプレーヤ等の分野で使用される半導体レ
ーザには,極めて低雑音であることが要求される。この
ような低雑音特性の要求に対して,自励発振現象を利用
した半導体レーザ素子がしばしば用いられる。自励発振
現象を利用すれば,発振スペクトルがマルチ縦モード化
する。さらに各縦モードのスペクトル幅が広くなり,低
雑音特性が得られる。このような自励発振半導体レーザ
素子に関する提案がいくつかなされている(例えば,林
他,信学技報MW84−24,P.65(1984),
構造が若干異るものとして,鈴木他,信学技報OQE8
4−57,P.39(1984))。
第6図に従来の自励発振半導体レーザ素子の一例を示
す。この半導体レーザ素子はVSIV(V−channeled
Substrate Inner Stripe)構造を有する。p−GaAs
基板41上にn−GaAs電流阻止層42が形成され,
その表面から基板41に達するV字溝50が形成されて
いる。その上方にp−AlGaAsクラッド層43,A
lGaAs活性層44,n−AlGaAsクラッド層4
5,n−GaAsキャップ層46がエピタキシャル成長
によって形成され,更にn側電極47,p側電極48が
設けられている。自励発振現象は電流狭窄のためのV字
溝50の両外側のクラッド層43の層厚dを大きくして
屈折率導波機構を弱め,発光スポットを大きくすること
によって起こされる。しかしこのような半導体レーザ素
子では光の分布が大きくなること,およびこれによって
電流阻止層42による光吸収が大きくなることにより,
発振閾値電流が大きくなってしまうという欠点がある。
第6図の半導体レーザ素子の発振閾値電流は約50mAで
あり,大きな値となっている。また,この半導体レーザ
では屈折率導波機構が弱いため,非点隔差が大きくなる
という欠点がある。
(発明が解決しようとする課題) 発振閾値電流を低減するために,活性層を量子井戸構造
にすることが考えられる。量子井戸構造は通常層厚制御
性の良いMBE(Molecular Beam Epitaxy)法又はMO
CVD(Metalorganic chemical)Vapor Deposition)
法によって形成される。ところが第6図の半導体レーザ
素子は液相成長法によって形成されるが,この液相成長
法を用いると成長層厚の制御性が悪いので,量子井戸活
性層のように薄い層を形成することは困難である。
この問題点を回避するため,MBE法やMOCVD法に
よって量子井戸構造を形成した後に電流狭窄構造を形成
することが考えられる。第5図にその一例を示す。n−
GaAs基板21上にMBE法によりn−GaAsバッ
ファ層22,n−AlGaAsクラッド層23,AlG
aAs傾斜屈折率型光ガイド層24,AlGaAs多重
量子井戸活性層25,AlGaAs傾斜屈折率型光ガイ
ド層26,p−AlGaAsクラッド層27,p−Ga
Asキャップ層28を連続的に形成する。傾斜屈折率型
光ガイド層24及び26のAl混晶比は活性層に遠い方
から近い方へ向って徐々に小さくなっている。次にフォ
トリソグラフィとリアクティブイオンビームエッチング
法を用いてストライプ状のリッジ部32(幅W=2.
5μm)を形成し,SiNx絶縁膜29を形成する。そ
の後に,p側電極30及びn側電極31を設ける。
この半導体レーザ素子でも,リッジ部32の両外側に於
ける光ガイド層26及びクラッド層27の層厚dが大き
いので,電流注入路32の存在する領域とその両外側の
電流注入路32の存在しない領域との間の等価屈折率差
が小さい。そのため,自励発振による低雑音特性が得ら
れる。そして活性層が量子井戸構造を有するため,ま
た,電流阻止層が存在しないため,レーザ光の吸収が小
さく発振閾値電流の低減が可能である。しかし,この半
導体レーザ素子では第6図の半導体レーザ素子と同様に
屈折率導波機構が弱いため,レーザ光の特性はやはり利
得導波機構によるレーザ光の特性に近い。そのため非点
隔差が非常に大きく,30μm以上となっている。
非点隔差を小さくするために第4図に示すような半導体
レーザ素子が考えられる。この半導体レーザ素子は第5
図に示す半導体レーザ素子と同様の積層構造を有してい
るが,リッジ部32の両外側に於いて一方の出射端面近
傍領域での光ガイド層26及びクラッド層27の層厚d
は,出射端面近傍以外の領域の光ガイド層26及びク
ラッド層27の層厚dよりも薄くなっている。第4図
(a)及び(b)はそれぞれ出射端面近傍以外の領域及び出射
端面近傍の領域における断面図である。このような構造
により,出射端面近傍以外の領域では第5図の半導体レ
ーザ素子と同様に屈折率導波機構が弱くなって自励発振
が起こる。一方,出射端面近傍の領域ではリッジ部32
の存在する領域とそれ以外の領域との間の等価屈折率差
が大きいので屈折率導波機構が強くなる。そのため非点
隔差を小さくすることができる。
このように,出射端面の近傍領域とそれ以外の領域と
で,リッジ部32の外側のクラッド層27の厚さを変え
ると非点隔差を小さくすることができるが,このような
形状を形成する上での問題点がある。以下にリッジ部3
2の形成工程を示す。n−GaAs基板21上にMBE
法によりn−GaAsバッファ層22,n−AlGaA
sクラッド層23,AlGaAs傾斜屈折率型光ガイド
層24,AlGaAs多重量子井戸活性層25,AlG
aAs傾斜屈折率型光ガイド層26,p−AlGaAs
クラッド層27,p−GaAsキャップ層28を連続的
に形成した。次にフォトリソグラフィ法により,第8図
に示す幅Wのストライプ状のレジストマスクを平行に
多数形成する。各ストライプ間のピッチは,製造する半
導体レーザ素子の幅Wに相当する。その後,リアクティ
ブイオンビームエッチング法により,リッジ部以外の領
域のエッチングを行い,リッジ部を形成する。エッチン
グは,光ガイド層26及びクラッド層27の残厚dが
0.55μmとなるまで行う。次にレジストマスクを除
き,新たに上述のリッジ部と,リッジ部以外の領域で出
射端面以外の領域となる部分とにレジストマスクを形成
する。第4図(b)に示す構造を有する出射端面近傍の領
域の共振方向の奥行をD,共振器長をLとすると,第8
図に斜線で示すようにレジストマスクは上述のストライ
プ状のリッジ部と,リッジ部の間の長さ2L−2Dの領
域に形成される。長さ2L−2Dの領域のストライプ方
向のピッチは2Lである。この後,リアクティブイオン
ビームエッチング法によりエッチングを,光ガイド層2
6及びクラッド層27の残厚dが0.25μmとなる
まで行う。
レジストマスクをこのような形状に正確に形成するに
は,レジスクマスクを形成するためのフォトマスクの位
置を厳密に合わせなければならない。特に出射端面近傍
領域のリッジ部となる部分に形成されるレジストマスク
には高度の位置精度が要求される。この位置合わせが正
確に行われないと,リッジ部の形状が乱れ,半導体レー
ザの特性が低下し,歩留りも低くなる。このようにフォ
トマスクの位置合わせは高精度で行う必要があるので非
常に面倒な工程となっている。
本発明の目的は,低雑音特性,低発振閾値電流を有し,
非点隔差が小さく,しかも製造が容易な構造を有する半
導体レーザ素子及びその製造方法を提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の半導体レーザ素子は,半導体基板上に,第1の
クラッド層と活性層と第2のクラッド層とキャップ層と
を有する積層構造,及び該キャップ層と該第2のクラッ
ド層とを含んで形成されたリッジ部を備え,少なくとも
一方の端面の近傍領域に於ける該リッジ部の外側での該
活性層の該第2のクラッド層側の界面から該第2のクラ
ッド層の表面までの厚さd,該リッジ部の内部での該
キャップ層の厚さc,及び該リッジ部の内側での該活
性層の該第2のクラッド層側の界面から該第2のクラッ
ド層の該活性層とは反対側の界面までの厚さl,並び
に該端面の近傍領域以外の領域に於ける該リッジ部の外
側での該活性層の該第2のクラッド層側の界面から該第
2のクラッド層の表面までの厚さd,該リッジ部の内
部での該キャップ層の厚さc,及び該リッジ部の内側
での該活性層の該第2のクラッド層側の界面から該第2
のクラッド層の該活性層とは反対側の界面までの厚さl
が, d>d, c>C,及び l=l の関係をみたしており,そのことにより上記目的が達成
される。また,前記厚さd及びdを 0.2μm≦d≦0.8μm 0.1μm≦d≦0.5μm とすることもでき,さらに,前記厚さcを c=0 とすることもできる。
そして本発明の半導体レーザ素子の製造方法は,半導体
基板上に第1のクラッド層,活性層,第2のクラッド
層,及びキャップ層を積層する工程,該積層構造のキャ
ップ層をエッチングしてストライプ状の溝を形成する工
程,該溝に直交するストライプ状領域以外の領域を該第
2のクラッド層に達するまでエッチングしてリッジ部を
形成する工程,並びに該溝の中央の該リッジ部のストラ
イプ方向に垂直な面,及び該ストライプ状領域以外の領
域の該ストライプの方向に平行で該基板に垂直な面で分
割する工程を包含し,そのことによっても上記目的が達
成される。
また,半導体基板上に第1のクラッド層,活性層,第2
のクラッド層,及びキャップ層を積層する工程,該積層
構造のキャップ層をエッチングして平面視矩形状の凹所
を形成する工程,該矩形凹所の対向する一組の辺に直交
し,該辺の長さと実質的に等しい幅の第1のストライプ
状領域に於いて,該辺の中央部を通って該辺に直交し,
該辺の長さより短い幅の第2のストライプ状領域以外の
領域を該第2のクラッド層に達するまでエッチングして
リッジ部を形成する工程,並びに該凹所の中央の該リッ
ジ部のストライプ方向に垂直な面,及び該第1のストラ
イプ状領域以外の領域の該ストライプ方向に平行で該基
板に垂直な面で分割する工程を包含する製造方法とする
こともできる。
(実施例) 本発明を実施例について以下に説明する。
第1図は本発明の半導体レーザ素子の一実施例を示す断
面図である。第1図(a)及び(b)はそれぞれ出射端面近傍
以外の領域,及び出射端面近傍領域に於ける断面図であ
る。以下製造工程に従って説明する。MBE法によりn
−GaAs基板1上にn−GaAsバッファ層2(厚さ
1μm),n−AlGaAsクラッド層3(厚さ1.2
μm),AlGaAs傾斜屈折率型光ガイド層4(厚さ
0.2μm),AlGaAs単一量子井戸活性層5(厚
さ70Å),AlGaAs傾斜屈折率型光ガイド層6
(厚さ0.2μm),p−AlGaAsクラッド層7
(厚さ1.2μm),p−GaAsキャップ層8(厚さ
=0.5μm)を連続的に形成した。傾斜屈折率型
光ガイド層4及び6のAl混晶比は活性層5に遠い方か
ら近い方へ向って徐々に小さくなっている。
次にリッジ部を形成するためのエッチングを行った。第
2図(a)は前述の積層工程が終了した段階を示す断面図
である。第1図(b)に示す構造を有する一方の端面近傍
の領域の端面からの奥行をD(=20μm),半導体
レーザ素子の共振器長をL(=250μm)とする。ま
ず,幅2L−2Dのストライプ状のレジストマスクを
ピッチ2Lで形成した。その後,リアクティブイオンビ
ームエッチング法によりエッチングを行い,幅2D
(=40μm),深さc(=0.3μm)のストライ
プ状溝14を形成した。第2図(b)は溝14のストライ
プ方向に垂直な断面図である。キャップ層8の層厚は
0.4μmであるので,溝14はキャップ層8内に形成
される。次に,レジストマスクを除去した後,溝14に
直角の方向で溝14のほぼ中央に,幅W(=2μm)
のストライプ状のレジストマスクをピッチW(=300
μm)で形成した。このレジストマスクの幅Wは後に
形成されるリッジ部12の幅に相当する。ピッチWは作
製する半導体レーザ素子の幅である。このレジストマス
クの形成には,第4図の半導体レーザ素子の製造時のよ
うに,厳密な位置合わせは不要である。
次にリアクティブイオンビームエッチング法により,ク
ラッド層7に達する深さのエッチングを行う。このエッ
チングにより,リッジ部12が形成される。第2図(c)
及び(d)は,それぞれこのエッチングが行われた後のリ
ッジ部12及びリッジ部12以外の領域の断面図であ
る。次にレジストマスクを除去した後,プラズマCVD
法によりSiNx絶縁膜9を形成した。再びフォトリソ
グラフィ等を用いてリッジ部12の上部平坦部に存在す
るSiNx絶縁膜を除去した。ウェハ全体の厚さが約1
00μmになるまで基板1を研磨し,p側電極10及び
n側電極11を形成した。次に劈開法などにより,長さ
をLとするチップに分割した。分割は第2図(c)及び(d)
の破線で示すように,溝14及び長さ2L−2Dの領
域の中央で行なった。このようにして製造された半導体
レーザ素子では,長さDの領域が出射端面近傍の領域
に,長さL−Dの領域が出射端面近傍以外の領域とな
る。
上述の製造方法では端面近傍の領域のエッチングを行っ
た後,リッジ部2の形成のためのエッチングを行った
が、逆にリッジ部をエッチングによって先に形成した
後,端面近傍領域をさらにエッチングして製造すること
もできる。以下にその製造方法を示す。第2図(a)に示
す積層構造を前述と同じ工程で作製した後,幅W(=
2μm)のストライプ状のレジストマスクをピッチW
(=300μm)で作製した。幅Wは後に形成される
リッジ部12の幅に相当する。Wは作製する半導体レー
ザ素子の幅である。次にリアクティブイオンビームエッ
チング法により,クラッド層7に達するエッチングを行
い,ストライプ状のリッジ部12を形成した。レジスト
マスクを除去した後,リッジ部12に対して直交する幅
2L−2Dのストライプ状の領域にレジストマスクを
ピッチ2Lで形成した。レジストマスクが形成されない
領域は後に端面近傍の領域となる。この領域のリッジ部
の上面はキャップ層8,リッジ部以外の領域の上面はク
ラッド層7である。次に,リアクティブイオンビームエ
ッチング法により,エッチングを行った。このとき,リ
ッジ部ではキャップ層8のみがエッチングされ,リッジ
部以外の領域ではクラッド層7のみがエッチングされ
る。次に,レジストマスクを除去した後,前述と同様の
工程によって第1図の半導体レーザ素子が得られる。
上述のように,リッジ部12以外の領域で且つ出射端面
近傍の領域は2回のエッチングが行われることになる。
そのためリッジ部12以外の領域に於いて,出射端面近
傍の領域での光ガイド層6及びクラッド層7の厚さd
及び出射端面近傍以外の領域での光ガイド層6及びクラ
ッド層7の厚さdは,d>dとなる。本実施例で
は厚さd=0.55μm,厚さd=0.25μmで
あった。リッジ部12の出射端面近傍以外の領域は,全
くエッチングされないので,この領域のキャップ層8の
厚さはc(=0.5μm)のままである。出射端面の
近傍領域でのキャップ層8の厚さcは最初のキャップ
層8の厚さcと溝14の深さcとの差,即ち,c
−cで与えられる。c=0.5μm,c=0.3
μmであるからc=0.2μmである。また,リッジ
部12の内側に於いてはクラッド層7はエッチングされ
ないので,出射端面近傍に於けるクラッド層7の厚さl
及び出射端面近傍以外の領域に於けるクラッド層7の
厚さlは等しい。
本実施例の半導体レーザ素子の出射端面近傍領域以外の
領域ではリッジ部12の外側での光ガイド層6及びクラ
ッド層7の層厚d=0.55μmであり,大きく設定
されているので,リッジ部12の存在する領域とその両
外側のリッジ部12の存在しない領域との間の等価屈折
率の差が小さくなっている。そのため屈折率導波機構が
弱くなって光の分布幅は広がる。リッジ部12の幅W
は光の分布より小さくなるように設定されているので,
活性層5での利得の得られる幅よりも光の分布の方が大
きくなる。このようにして自励発振が起る。
出射端面の近傍領域ではリッジ部12の外側での光ガイ
ド層6及びクラッド層7の層厚dが小さいので,リッ
ジ部12の存在する領域とその両外側のリッジ部12の
存在しない領域との間の等価屈折率の差が大きくなって
いる。等価屈折率が大きくなると屈折率導波機構が強く
なるので非点隔差を小さくすることができる。
またこの半導体レーザ素子では活性層5が量子井戸構造
を有しているので発振閾値電流が低減されている。
本実施例の半導体レーザ素子の非点隔差は10μm以下
であり,発振閾値電流は15〜20mAであった。
また,前述のように本実施例の半導体レーザの製造方法
では,出射端面近傍の領域のエッチングと,リッジ部1
2を形成するためのエッチングとが別々に行われる。そ
のため,第4図の半導体レーザ素子を製造する場合のよ
うに,レジストマスク形成のためのフォトマスクの面倒
な位置合わせを行う必要がない。
第3図は本発明の半導体レーザ素子の第2の実施例を示
す図である。第3図(a)及び(b)はそれぞれ出射端面近傍
以外の領域及び出射端面近傍の領域に於ける断面図であ
る。本実施例では,リッジ部12の両側に2本の溝13
を形成し,溝の深さを変えることによって,クラッド層
7の層厚の異なる部分を形成した。溝13のさらに外側
の部分は除去されずに残されている。さらに,両方の端
面近傍領域で第3図(b)に示す構造となるように2つの
溝13の深さを大きくした。そして端面近傍領域では,
キャップ層8はすべて除去されている。以下,本実施例
を製造工程に従って説明する。MBE法によりn−Ga
As基板1上にn−GaAsバッファ層2,n−AlG
aAsクラッド層3,AlGaAs多重量子井戸活性層
15(井戸層…厚さ100Å,層数5,バリア層…厚さ
35Å,層数4),p−AlGaAsクラッド層7(厚
さ1.2μm),p−GaAsキャップ層8(厚さc
=0.3μm)を連続的に形成した。本実施例では活性
層は多重量子井戸構造を有し,光ガイド層を伴っていな
い。溝13及びリッジ部12を次のようにして形成し
た。第3図(b)に示す構造を有する端面近傍の領域の端
面から奥行をD(=20μm),半導体レーザ素子の
共振器長をL(=250μm)とする。また,第3図
(a)および(b)に示すように,2つの溝13,13および
リッジ部12が形成される領域の幅をW2(=30μ
m),レーザ素子の幅をW(=300μm)とする。こ
こで,第3図および後述の第7図に示される幅W2のス
トライプ状領域は,請求項3でいう第1のストライプ状
領域に対応し,第3図および第7図で示される後述の幅
1の領域は,請求項3でいう第2のストライプ状領域
に対応している。第7図は本実施例の半導体レーザ素子
が製造される様子を示す図である。まず,マトリクス状
に点在する幅W,奥行2Dの多数の矩形の領域を除
いてフォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成
した。各矩形の幅方向のピッチはW,奥行方向のピッチ
はLである。次に,ウェットエッチング法によりGaA
sのみを選択的にエッチングして,矩形領域のキャップ
層8をすべて除去した。選択的エッチングの手法を用い
れば,エッチングの条件を厳密にコントロールする必要
がなくなるので,製造工程の管理が容易になる。次にレ
ジストマスクを除去し,第7図に斜線で示すように,奥
行方向に並んだ矩形のそれぞれの列の上の幅W(=
2.5μm)のストライプ状領域,及び上記の矩形のそ
れぞれの列の間のストライプ状領域にフォトリソグラフ
ィ法によりレジストマスクを形成した。
矩形の列上のレジストマスクは各矩形の幅Wの辺のほ
ぼ中央に形成される。これら2つのストライプ状のレジ
ストマスク形成時のフォトマスクの位置合わせは,第4
図の半導体レーザ素子の製造時のように高い精度を必要
としない。次にリアクティブイオンビームエッチング法
により,クラッド層7に達するエッチングを行い,溝1
3を形成した。各矩形の領域ではキャップ層8が存在し
ないので溝13は,第3図(b)に示すように,クラッド
層7の残厚d=0.25μmとなるように形成され
る。また矩形以外の領域ではキャップ層8が存在するの
で,溝13は第3図(a)に示すようにクラッド層7の残
厚d=0.55μmとなるように形成される。次にレ
ジストマスクを除去した後,SiNx絶縁膜9を全面に
形成した。再びフォトリソグラフィ法等を用いてリッジ
部12の上部平坦部のSiNx絶縁膜を除去した。さら
にp側電極10,n側電極11を形成した。矩形の奥行
2Dの中央の面及びリッジ部12の間の中央の面で劈
開し,半導体レーザ素子を得た。
上述の製造方法では端面近傍の領域のエッチングを行っ
た後,リッジ部12の形成のためのエッチングを行った
が,逆に,リッジ部形成のためのエッチングを行った後
に,端面近傍の領域のエッチングを行って製造すること
もできる。以下に,その製造工程を説明する。後に溝1
3となる2本一組のストライプ状の領域を除く領域にレ
ジストマスクを形成した。2本のストライプ領域の各組
のピッチWは(=300μm)である。次にリアクティ
ブイオンビームエッチング法により,クラッド層7に達
するまでエッチングを行った。このときクラッド層7の
残厚dが0.55μmとなるように2つの溝13,1
3を形成した。2つの溝13,13の間にはリッジ部1
2が形成される。次にレジストマスクを除き,第7図に
示すマトリクス状に配された幅W奥行2Dの平面視
矩形の領域を除く部分にレジストマスクを形成した。こ
の矩形の奥行方向の対向する一組の辺は,2つの溝1
3,13のそれぞれのリッジ部12とは反対側の辺に一
致している。このマトリクス状の矩形以外の部分に形成
されるレジストマスクを形成するためのフォトマスク
は,前述の製造方法の場合と同様に厳密な位置合せは不
要である。次にリアクティブイオンビームエッチング法
又はウエットエッチング法により,エッチングを行っ
た。この矩形の領域内に於いて,エッチングはリッジ部
12の領域ではキャップ層が全て除去されるまで行わ
れ,同時に溝13,13の領域ではクラッド層7の残厚
が0.25μmとなるまで行われる。次にレジスト
マスクを除去した後,前述と同様の工程によって第3図
の半導体レーザ素子を得た。
本実施例の半導体レーザ素子では,溝13が形成される
ことによってリッジ部12が形成され,溝13の外側の
領域はエッチングされずに残されている。このような形
状にすることにより基板1側とは逆の面をマウント面と
することが可能となる。このようにマウントすることに
より,放熱特性が良くなり,出力特性や信頼性が改善さ
れる。
本実施例の半導体レーザ素子の非点隔差は2〜8μmで
あり,発振閾値電流は15〜20mAであった。
(発明の効果) 本発明の半導体レーザ素子は低発振閾値電流,低雑音特
性を有し,非点融差が小さく,しかも製造が容易な構造
を有しているので,ビデオディスクプレーヤ等の光源と
して適している。また本発明の製造方法を用いれば容易
に上記の半導体レーザ素子を製造でき,自励発振の生ず
る素子の歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の半導体レーザ素子の第1の実施例
の出射端面近傍以外の領域の断面図,第1図(b)は出射
端面近傍の領域の断面図,第2図(a)〜(d)は第1図の実
施例の製造途中の段階を示す図,第3図は本発明の他の
実施例の断面図,第4図(a)及び(b)は改良例の出射端面
近傍以外の領域及び出射端面近傍の領域の断面図,第5
図は他の改良例の断面図,第6図は従来の自励発振半導
体レーザ素子の断面図,第7図は第3図の実施例の製造
途中の段階を示す平面図,第8図は第4図の改良例の製
造途中の段階を示す平面図である。 1,21,……n−GaAs基板,3,23……n−A
lGaAsクラッド層,4,6,24,26……AlG
aAs傾斜屈折率型光ガイド層,5,25……量子井戸
活性層,7,27……p−AlGaAsクラッド層,
8,28……キャップ層,12,32,……リッジ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細田 昌宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 高橋 向星 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 早川 利郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に,第1のクラッド層と活性
    層と第2のクラッド層とキャップ層とを有する積層構
    造,及び該キャップ層と該第2のクラッド層とを含んで
    形成されたリッジ部を備え,少なくとも一方の端面の近
    傍領域に於ける 該リッジ部の外側での該活性層の該第2のクラッド層側
    の界面から該第2のクラッド層の表面までの厚さd, 該リッジ部の内部での該キャップ層の厚さc,及び 該リッジ部の内側での該活性層の該第2のクラッド層側
    の界面から該第2のクラッド層の該活性層とは反対側の
    界面までの厚さl, 並びに該端面の近傍領域以外の領域に於ける 該リッジ部の外側での該活性層の該第2のクラッド層側
    の界面から該第2のクラッド層の表面までの厚さd, 該リッジ部の内部での該キャップ層の厚さc,及び 該リッジ部の内側での該活性層の該第2のクラッド層側
    の界面から該第2のクラッド層の該活性層とは反対側の
    界面までの厚さl が, d>d, c>C,及び l=l の関係をみたす半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】半導体基板上に第1のクラッド層,活性
    層,第2のクラッド層,及びキャップ層を積層する工
    程, 該積層構造のキャップ層をエッチングしてストライプ状
    の溝を形成する工程, 該溝に直交するストライプ状領域以外の領域を該第2の
    クラッド層に達するまでエッチングしてリッジ部を形成
    する工程,並びに 該溝の中央の該リッジ部のストライプ方向に垂直な面,
    及び該ストライプ状領域以外の領域の該ストライプの方
    向に平行で該基板に垂直な面で分割する工程, を包含する,半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 【請求項3】半導体基板上に第1のクラッド層,活性
    層,第2のクラッド層,及びキャップ層を積層する工
    程, 該積層構造のキャップ層をエッチングして平面視矩形状
    の凹所を形成する工程, 該矩形凹所の対向する一組の辺に直交し,該辺の長さと
    実質的に等しい幅の第1のストライプ状領域に於いて,
    該辺の中央部を通って該辺に直交し,該辺の長さより短
    い幅の第2のストライプ状領域以外の領域を該第2のク
    ラッド層に達するまでエッチングしてリッジ部を形成す
    る工程,並びに 該凹所の中央の該リッジ部のストライプ方向に垂直な
    面,及び該第1のストライプ状領域以外の領域の該スト
    ライプ方向に平行で該基板に垂直な面で分割する工程, を包含する,半導体レーザ素子の製造方法。
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