JPH0651718A - 階調表示マトリクス型表示装置の駆動法 - Google Patents

階調表示マトリクス型表示装置の駆動法

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JPH0651718A
JPH0651718A JP18779592A JP18779592A JPH0651718A JP H0651718 A JPH0651718 A JP H0651718A JP 18779592 A JP18779592 A JP 18779592A JP 18779592 A JP18779592 A JP 18779592A JP H0651718 A JPH0651718 A JP H0651718A
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Hiroshi Yamazoe
博司 山添
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尚英 脇田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マトリクス型液晶表示装置の表示性能、特に
中間調表示性能の向上をはかる。 【構成】 直交関数により走査側電圧パターンを決定す
る駆動法において、信号側供給電圧を補正することによ
り、均一な中間調表示を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、階調表示マトリクス型
表示装置の駆動法に関係する。
【0002】この明細書では、以降、マトリクス型単純
液晶表示装置について、述べるが、この本質はすべての
電圧実効値応答が支配的なメカニズムであるようなマト
リクス型表示装置にあてはまる。
【0003】
【従来の技術】液晶表示装置等、表示装置は、マン・マ
シーン・インターフェースとしては、是非必要となる技
術である。特に、最近、コンピューター端末等におい
て、ダウン・サイジングの意味からも、液晶表示装置は
必須となってきた。そのうちでも、マトリクス型単純液
晶表示装置は、価格等、妥当な範囲にあり、幅広く使わ
れようとしている。
【0004】従来、これらマトリクス型単純液晶表示装
置の駆動法は、電圧平均化法にのっとり、走査線の線順
次走査が使われている。この方法においては、数学的に
は、以下の様に考えられる。各瞬間に一本の走査線を選
ぶことは、全体として直交関数を発生させることに相当
し(関数間の積を妥当に定義して)、しかも、可能な有
限の表示パターン、ここでは表示装置のある一つの列の
表示に対応するベクトルを要素とする集合ないし数学的
空間に対して、この走査さるべき全体の走査線の内、一
本を選択する関数の全体は、数学的に完備したものとな
っている。
【0005】すなわち、線順次走査に対応する基底ベク
トルを考えることが出来る。ここで、全走査線数をM本
とする。従来の線順次走査に対応する基底ベクトル、こ
れは互いに直交かつ、完備である。すなわち1フレーム
内で、走査線のうち、n本目を選択している時は、 基底ベクトル{0,0,……,0,1(n個目),0,……,0} ・・・(1) に対応する。これらM個のベクトルは、ベクトルの積を
通常の内積で定義するとき、互いに直向しているのがわ
かる。また、表示さるべき、表示パネルの各列の画素の
状態(この1フレーム内で、ONであるか、OFFであ
るかの状態−例えば、ONであれば−1に対応させ、O
FFなら+1に対応させる)を、M次のベクトルで表現
するとき、常にM個の基底ベクトル(1)の一次結合で
表せる。このベクトルを要素とする空間に対して、M個
のベクトル(1)は、完備である。すなわち、知らず知
らず、今まで、直交関数を使って、走査線全体に電圧を
与え、駆動していたのである。
【0006】この駆動法は、従来、すべてに用いられて
きた。この方法は、いわゆる電圧平均化法、またはアル
ト・プレシコ法といわれるものである。
【0007】数学的に、有限要素を包含する関数空間
の、各要素の直交完備なベース関数による展開等は、
「解析概論」、高木貞治著、岩波書店刊に詳しい。ま
た、電圧平均化法については「液晶エレクトロニクスの
基礎と応用」、佐々木昭夫編、オーム社刊に詳しい。行
列論については、「行列と行列式」、浅野啓三著、共立
出版刊に詳しい。
【0008】さらに最近、他の直交、完備な数学的空間
理論を使って、駆動法が工夫されている。例えば、ティー.
シ゛ェイ.シェファー イーティーシー.エスアイテ゛ィー 92 タ゛イシ゛ェスト ヒ゜ーヒ゜ー 228
(T.J.Scheffer etc.SID 92 DIGEST pp228)。これは、ウ
オルシューアダマール変換理論を使ったものである。こ
こにおいて、画素にかかる電圧は、線順次のいわゆる電
圧平均化法に比べて、電圧波高値は下げられ、この点か
ら、クロストークやフレームレスポンスが削減しうると
いう優位点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近、コンピューター
端末等に使われる液晶表示装置において、高品位表示の
要求が現実のものとなってきた。これらの液晶表示装置
においては、STN等、単純モードの液晶表示装置が主
に使われている。これらの液晶表示装置には、表示にお
いて、クロストーク現象等、表示の質の低下が見られる
が、現状では仕方なく使われている。
【0010】まず、いわゆる電圧平均化法、またの名を
アルト・プレシコ法について述べる。この方法は以下に
述べる問題点もあいまって、すなわち、クロストークや
フレームレスポンスの故に、中間調表示においては、問
題が多い。現実には、16階調程度が精一杯である。な
ぜなら、上記の故に、表示においてコントラストがとれ
ず、16以上の多階調にしても、意味が無いのが実状で
ある。
【0011】高速STNにおいては、液晶の動きは、電
圧平均化法の想定からはずれ、電圧の波高値に若干、応
答する。この場合、黒レベルも、半選択電圧への液晶の
応答のため、黒状態において若干光が漏れる。すなわち
コントラストは期待に比べて、かなり劣るようになる。
【0012】従来の線順次走査において、比較的波高値
の大きい選択された走査線に加わる走査電圧のため、し
かも、1フレームに一度、瞬時に比較的大電圧が加わる
ため、明るさは、液晶の高速応答のため、1フレーム内
で、一瞬明るくなり、あとすぐ暗くなる。通常の液晶表
示では、液晶の緩慢な動きのため、瞬時の大電圧パルス
により明るくなると、この状態は1フレーム以上保持さ
れる。これらの、液晶表示の振舞いはいわゆるフレーム
レスポンスに由来する。フレームレスポンスとは、いま
まで述べてきたような現象を言う。
【0013】この様な事態をある程度避けるため、すな
わち、表示の質を上げるため、以下の工夫が提案されて
いる。
【0014】さらに最近、上記の通り、種々の直交、完
備な数学的空間理論を使って、優れた駆動法が工夫され
ている。すなわち、駆動の際、1フレーム内で、各画素
にかかる実効電圧を分散させており、従って、クロスト
ークやフレームレスポンスの削減、ひいては画質の向上
に寄与している。この方法は、思想をウオルシューアダ
マール変換に依拠しており、根底のアダマール行列が使
われる。
【0015】まず、N次ウオルシュ−アダマール変換行
列Wについて述べる。N次ウオルシュ−アダマール変換
行列Wについては、 N=2w なる、自然数が存在するNについて、行列Wの構成法が
知られている。勿論、ユニタリー性は W・tW=tW・W=E 行列Wの各要素は、1または−1のみで構成される。勿
論、行列Wは正方行列である。
【0016】この方法は、前記フレームレスポンスやク
ロストークを一般には削減する。すなわち、一般の表示
パターンではコントラストは向上し、16以上の多階調
が現実的と思われる環境を作った。けれども、特殊パタ
ーンにはまだ問題を残している。ここでは、この問題に
は、これ以上立ち入らない。
【0017】この種の駆動法には、階調表示の考えを許
容する余地が厳しい他の事情がある。実際、この種の駆
動法で無理やり、中間調データを表示すると、表示装置
の列毎に、例えば完全ON表示のレベルが異なる、すな
わち完全ON表示の実効値が列毎に異なり、表示が筋状
に見える。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は前述のような課
題を解決するために、各要素が+1、0、−1からな
り、すべての列ベクトルまたは行ベクトルが同一個、β
個の0値を有し、異なる列ベクトル同士または異なる行
ベクトル同士は、ベクトル間の乗算を適宜に定義すると
き、直交するようなN次の正方の変換行列Hの発生器を
備え、1フレームの表示パターンに対応するN行M列の
表示行列Aを行列Aの行及び列が、マトリクス表示装置
の行及び列にこの順に対応するように、2値表示の際、
完全ON画素には−1が、完全OFF画素には+1が対
応するように定義し、行列の乗法により、 H・A=B 表示行列Aを変換して、変換行列Bを得、1フレーム期
間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期間T=t
n−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、…
…、tn-1〜tn、のタイミングで全画素への印加電圧を
更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにおいて、走
査線、及び信号電極、個々に指定された電圧を、しかも
全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加し、この
際、k行の走査線には、前記変換行列Hのk列、i行の
数値、Hikに比例した走査電圧を印加し、j番目の信号
電極には同一タイミングで前記変換行列Bのうち、i行
目、j列目の数値Bijに比例した信号電圧を印加して、
表示が最適となるようになし、その際の走査電圧をk・
b・Hik、信号電圧をVb・Bijなるように、比例定数
k、Vbを前もって決定しておき、次に、階調表示を具
現する場合、完全ON画素には−1が、完全OFF画素
には+1が対応し、中間調表示の画素には、その中間調
に対応して、−1から+1までの実数値を対応させるよ
うな表示行列Aを構成し、次に、Σは、行列AのAij
属する列すべてに亘るとして、 −2k・αj+Σ(Aij+αj2=N を満たしかつ、負数であるαjを行列Aの列毎に演算
し、 Aij+αj をi行、j列の要素とする補正行列Cを構成し、行列C
を行列の乗法により H・C=D のごとく変換して、変換補正行列Dを得、1フレーム期
間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期間T=t
N−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、…
…、tN-1〜tN、のタイミングで全画素への印加電圧を
更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにおいて、走
査線、及び信号電極、個々に指定された電圧を、しかも
全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加し、この
際、k行の走査線には、前記変換行列Hのk列、i行の
数値、Hikに比例した走査電圧を印加し、j番目の信号
電極には同一タイミングで前記変換補正行列Dのうち、
i行目、j列目の数値Dijに比例した信号電圧を印加す
るような階調表示マトリクス型表示装置の駆動法を提案
する。
【0019】この際、フレーム毎に、走査側電位と信号
側電位を反転させるのが望ましい。
【0020】
【作用】ここにおいて、行列の行、列の定義は、数学で
なされているものとし、マトリクス形表示装置のパネル
における行と、列の定義は、走査線に行を対応させ、信
号線に列を対応させる。
【0021】本発明は、一部は実効値応答するマトリク
ス型表示装置に、本質的に関係している。
【0022】任意の次数を持つ直交(完備に自動的にな
る)性を有する列ベクトルないし行ベクトルからなる正
方行列において、構成する各ベクトルの要素として、含
む0の個数を同一とすると、勿論、このようなベクトル
の長さは等しい。ベクトルの長さとは、ベクトル自身と
の内積の平方根と定義されている。
【0023】ウオルシュ関数(アダマール行列Wの列ベ
クトルないし行ベクトルで表されるものを、このように
も称する)は、各要素は+1と−1の2値のみからな
る。このような行列は、数学的にはこの種のもののみで
ある。
【0024】発明者等は、洞察の結果、表示装置の場合
には、各要素が、+1と0と−1の3値のみからなるベ
クトルを考える方が、自由度を増し、しかも現実化が容
易であると考えるに至った。数学的には、各要素が3値
を取り得る、直交完備な空間の基底ベクトルの構成法は
十分は、明らかにされていない。しかし、アダマール行
列に比べ、個数も大きく、それだけ、駆動法の構築にお
いて、柔軟性がある。
【0025】すなわち、ウオルシュ関数を用いた駆動で
は、OA用途の表示によく出て来るベタ表示や縦罫線
等、特異パターン表示の際、 (+1,+1,……,+1) なる基底ベクトル、すなわち走査側印加電圧のパターン
の際に、印加電圧が集中し、結果として、この時の駆動
電圧が上がる。この際にのみではあるが、クロストーク
やフレームレスポンスが大きくなる。これを見れば、分
かるように、ベクトルの要素が3値、特に0も取れるよ
うにし、このようなベクトルが基底ベクトルでないよう
にする可能性があれば、この事態は防げる。現実に、各
要素が3値を取り得るようにすれば、この事態が防げる
ことが分かった。
【0026】本発明は、アルト・プレシコ法による多階
調表示は可能性がなく、触れない。適当な、アルト・プ
レシコ法以外の直交関数系ないし直交行列を使った、駆
動法に基礎を置いている。
【0027】本発明の、より深い洞察を述べる。以下で
は、各要素が+1、0、−1からなる直交行列について
述べるが、特別の場合として、アダマール行列をも含む
ものである。すなわち、アダマール行列の場合、各要素
が0値を0個取る場合とする。以下の思想は、アダマー
ル行列にも、まったく適合する。本発明は、すなわち、
アダマール行列をも包含するものである。発明者等が推
奨するのは、直交行列の要素において、適当な数、0か
らなることであるが。
【0028】まず、公知の2値表示の方法は以下のとう
りである。この詳細を検討することにより、本発明の着
想が得られた。
【0029】各要素が+1、0、−1からなり、すべて
の列ベクトルまたは行ベクトルが同一個、β個、すなわ
ちβ個の0値を有し、異なる列ベクトル同士または異な
る行ベクトル同士は、ベクトル間の乗算を適宜に定義す
るとき、直交するようなN次の正方の変換行列Hの発生
器を備え、1フレームの表示パターンに対応するN行M
列の表示行列Aを行列Aの行及び列が、マトリクス表示
装置の行及び列にこの順に対応するように、2値表示の
際、完全ON画素には−1が、完全OFF画素には+1
が対応するように定義し、行列の乗法により、 H・A=B 表示行列Aを変換して、変換行列Bを得、1フレーム期
間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期間T=t
n−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、…
…、tn-1〜tn、のタイミングで全画素への印加電圧を
更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにおいて、走
査線、及び信号電極、個々に指定された電圧を、しかも
全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加し、この
際、k行の走査線には、前記変換行列Hのk列、i行の
数値、Hikに比例した走査電圧を印加し、j番目の信号
電極には同一タイミングで前記変換行列Bのうち、i行
目、j列目の数値Bijに比例した信号電圧を印加して、
表示を得る。
【0030】この際、k番目の走査線と、j番目の信号
線の交点の画素の液晶層にかかる1フレームで平均した
実効電圧Vkjの2乗値は、Σはすべてのiに亘るとして Vkj 2={Σ(k・Hij−Bij2・b 2}/N となり、次のように整理される。
【0031】 Vkj 2={k2(N−β)+(N−β)ΣAij 2−2k(N−β)Akj}Vb 2/ N ・・・(2) 上式から分かるように、完全ON状態と完全OFF状態
の2値表示の場合、すなわち、 Aij=±1 である場合、Σがすべてのiに亘るとして、すなわち、
j列全体の和として ΣAij 2=N となり、 Vkj 2={k2(N−β)+(N−β)N−2k(N−β)Akj}Vb 2/N ・・・(3) となる。従って、画素の実効電圧の2乗、Vkj 2はまさ
しく、希望通り、Akjにのみ依存する。
【0032】ところが、表示すべき情報に中間調を許容
すると、すなわち、Aijに±1以外の、−1から+1の
間に分布する数値をとることを、許容すると、 ΣAij 2<N となり、しかも、ΣAij 2は、列のすべてのAijの値に
依存するようになる。以上、まとめると、階調表示の場
合、画素の実効電圧Vkjは希望するAkjのみならず、望
ましくないこのAkjが属する列の他の要素、すなわち他
の表示情報Aijも入ってくること、さらには、表示のこ
の列j全体の実効値が下がり、帯状に暗くなることがわ
かる。
【0033】筆者は、この列j全体の実効値を矛盾なく
かさ上げ出来れば、この問題は解決出来ると着想し、解
を見いだした。
【0034】すなわち、列毎に、下式を満たす、負数の
αを演算する。勿論、この際、k、N、列jの表示情報
ijは既知である。
【0035】 −2k・αj+Σ(Aij+αj2=N・・・(4) このαは、理解されるように、列毎に一定である。この
αを用い、 Akj+αj を、(k,j)要素とする補正行列Cを演算し、行列C
を行列の乗法により H・C=D のごとく変換して、変換補正行列Dを得、1フレーム期
間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期間T=t
N−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、…
…、tN-1〜tN、のタイミングで全画素への印加電圧を
更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにおいて、走
査線、及び信号電極、個々に指定された電圧を、しかも
全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加し、この
際、k行の走査線には、前記変換行列Hのk列、i行の
数値、Hikに比例した走査電圧を印加し、j番目の信号
電極には同一タイミングで前記変換補正行列Dのうち、
i行目、j列目の数値Dijに比例した信号電圧を印加す
るようにすると、簡単な計算により、k番目の走査線
と、j番目の信号線の交点の画素の液晶層にかかる1フ
レームで平均した実効電圧Vkjの2乗値は、(3)式の
ごとくなり、理想的にAkjにのみ依存するようになる。
【0036】勿論、(4)式から分かるように、完全O
Nと完全OFFの2値表示の表示の際には、 αj=0 である。
【0037】本発明は以上の考察に基づいている。特徴
は前述の如くである。なお、変換行列Hの各列ベクトル
は、ROMメモリーで発生させた。
【0038】演算は、メモリー付きの高速CPUで行っ
た。また、この発明は、前述のような駆動法において、
フレーム毎に、走査側電位と信号側電位を反転させるこ
とを提案するものである。
【0039】
【実施例】
(実施例1)以下に本発明の駆動法の実施例を述べる。
ただし、回路はほとんど、論理回路で組まれ、その概略
を(図1)に示す。(図1)はブロック図である。同図
において、1は第1の240×640−フレーム−バッ
ファメモリー、2は第2の240×640−フレーム−
バッファメモリー、3は240×640画素マトリクス
型単純液晶表示装置、4は行列要素発生ROM、5は走
査側電圧用レジスター、6は信号側情報演算回路、7は
信号側出力演算回路、8は高速ディジタル−アナログ変
換器(DAC)、9はアナログ−信号側−ドライバー、
10は3値−走査側−ドライバーである。この場合、数
Nは240である。
【0040】次に、使用する直交行列Hは以下のように
して得た。15次の直交行列U1
【0041】
【数1】
【0042】と定義し、行列U1
【0043】
【数2】
【0044】で拡張しU2を得、行列U2
【0045】
【数3】
【0046】で拡張しU3を得、行列U3
【0047】
【数4】
【0048】で拡張しU4を得、行列U4
【0049】
【数5】
【0050】で拡張し、最終的に行列Hを得た。行列H
は240次の正方直交行列である。この場合、各列また
は各行の0の個数βは、224である。
【0051】この、行列Hの内容が発生し得るよう、R
OM4をプログラムした。次に、この表示シシテムのk
および、Vbを決定する。すなわち、1フレームの表示
パターンに対応するN行M列の表示行列Aを行列Aの行
及び列が、マトリクス表示装置の行及び列にこの順に対
応するように、2値表示の際、完全ON画素には−1
が、完全OFF画素には+1が対応するように、表示情
報を取り込み、フレーム−バッファメモリーに貯え、以
下の行列の乗法 H・A=B を演算器で行い、表示行列Aを変換して、変換行列Bを
得、第2のフレーム−バッファメモリーに貯える。
【0052】次に、以下の過程で、液晶パネルを駆動す
るようにする。1フレーム期間TをN個のスロットに分
割し、1フレーム期間T=tn−t0において、t0〜t
1、t1〜t2、t2〜t3、……、tn-1〜tn、のタイミ
ングで全画素への印加電圧を更新するにおいて、タイミ
ングti-1〜tiにおいて、走査線、及び信号電極、個々
に指定された電圧を、しかも全体、同時に、走査電圧及
び信号電圧を印加し、この際、k行の走査線には、前記
変換行列Hのk列、i行の数値、Hikに比例した走査電
圧を印加し、j番目の信号電極には同一タイミングで前
記変換行列Bのうち、i行目、j列目の数値Bijに比例
した信号電圧を印加する。表示が最適となるようにな
し、その際の走査電圧をk・Vb・Hik、信号電圧をVb
・Bijなるとして、比例定数k、Vbを前もって決定し
ておく。
【0053】次に、現実の階調表示を具現する場合、完
全ON画素には−1が、完全OFF画素には+1が対応
し、中間調表示の画素には、その中間調に対応して、−
1から+1までの実数値を対応させるようにして、表示
行列Aを構成し、この行列の内容を第1のフレーム−バ
ッファメモリーに貯える。
【0054】次に、信号側情報演算回路6により、Σ
は、行列AのAijの属する列すべてに亘るとして、 −2k・αj+Σ(Aij+αj2=N を満たしかつ、負数であるαjを行列Aの列毎に演算す
る。これには、高速の演算素子が必要であるが、回路的
には、Nとkに対して、負数αをまえもって計算してお
き、この対照表をROMに固定しておくのが現実的であ
った。
【0055】次に、 Aij+αj をi行、j列の要素とする補正行列Cを構成し、行列C
を第2のフレーム−バッファメモリーに貯える。
【0056】行列の乗法 H・C=D を、信号側情報演算回路6により行い、実質的に、変換
補正行列Dを得る。この行列Dの内容は順次、信号側出
力演算回路7、高速ディディタル−アナログ変換器(D
AC)8、アナログ−信号側−ドライバー9を通じ、走
査側電圧に同期して液晶パネルの信号側電極に吐出され
る。従って、行列Dの内容をストアするメモリーは特に
必要としない。
【0057】液晶パネルへの駆動のタイミングは以下の
ようである。1フレーム期間TをN個のスロットに分割
し、1フレーム期間T=tN−t0において、t0〜t1、
t1〜t2、t2〜t3、……、tN-1〜tN、のタイミング
で全画素への印加電圧を更新するにおいて、タイミング
ti-1〜tiにおいて、走査線、及び信号電極、個々に指
定された電圧を、しかも全体、同時に、走査電圧及び信
号電圧を印加し、この際、k行の走査線には、前記変換
行列Hのk列、i行の数値、Hikに比例した走査電圧を
印加し、j番目の信号電極には同一タイミングで前記変
換補正行列Dのうち、i行目、j列目の数値Dijに比例
した信号電圧を印加するような階調表示マトリクス型表
示装置の駆動法を提案する。
【0058】応答速度(=応答の立ち上がりに要する時
間+信号のoff後、立ち下がりにかかる時間)が、1
20msの高速STN表示装置において、クロストーク
やフレームレスポンスは大幅に改善出来、従来に比べ
て、コントラストは5倍以上、明るさは2倍程度に改善
出来た。この表示装置は、将来動画表示の可能性を印象
づけるものであった。
【0059】表示の際、時間的にほとんど100%、走
査線、信号線に印加される電圧を監視したところ、従来
のいわゆる、アルト・プレシコ法に比べて、電圧値は1
/2〜1/4になっていた。このことと轍をともにして
いると推測しているが、表示上、クロストークは著しく
減少した。
【0060】前述のシェファー達の駆動法では、OA表
示によく現われる、縦罫線等、特殊パターンにおいて、
ある1Hの期間に信号側への電圧値が非常に大きくする
必要が生じ、クロストークやフレームレスポンス等の悪
影響が出るが、本実施例によれば、この現象が抑圧され
る。これは、変換に使う直交行列Hの要素が、3値、す
なわち−1と0と+1をとり得る故に、列ベクトルの構
成がより多様となり、前記特殊パターンと合致しない列
ベクトルのみで、直交行列が構成出来ることによる。ち
なみに、シェファー達の使った変換行列の要素は−1と
+1からのみから構成され、これは非常に拘束の強い環
境である。
【0061】また、本実施例の変換行列Hの列ベクトル
においては、−1ないし+1の要素の数は16個であ
り、他の224個は0である。この結果として、前述の
シェファーの方法に比べ、走査側の電圧が大幅に下が
る。これも、変換行列Hの要素のとり得る変域を、3値
にしたためである。
【0062】また自然画の表示において、液晶パネル内
で中間調の画素の多い列が黒く帯状に見える場合がかっ
てはあったが、これがまさしく解消され、すっきりした
画像が得られた。
【0063】この方法によれば、約128階調も、現実
的と評価されるものであった。また、フレーム毎に、走
査側電圧、信号側電圧の極性を反転させた。この方が、
液晶表示装置の焼付けが長時間表示の場合に、少ない傾
向にあった。
【0064】(実施例2)400×640画素の液晶パ
ネルを用意し、このうち、256×640画素を表示す
るように、実施例1のようなシステムを構築した。ただ
し、フレーム−バファメモリの容量は256×640の
ものを使った。
【0065】使用した直交行列Hは、256次のウオル
シュ−アダマール変換に基づくものである。この場合、
Nは256である。行列Hの各列ベクトルあるいは行ベ
クトルの0要素の数、βは0である。
【0066】(実施例1)のように、表示を実施したと
ころ、優れた表示特性が得られた。コントラストも向上
した。
【0067】また自然画の表示において、液晶パネル内
で中間調の画素の多い列が黒く帯状に見える場合がかっ
てはあったが、これがまさしく解消され、すっきりした
画像が得られた。この方法によれば、約128階調も、
現実的と評価されるものであった。
【0068】また、フレーム毎に、走査側電圧、信号側
電圧の極性を反転させた。この方が、液晶表示装置の焼
付けが長時間表示の場合に、少ない傾向にあった。
【0069】(実施例3) (実施例2)と同様にして、中間調表示を行った。
【0070】使用した直交行列Hは以下のようにして得
た。まず、4次の直交正方行列U1
【0071】
【数6】
【0072】から、(数2)により、8次の直交行列を
得、さらに(数3)により 、16次の直交行列を得、
さらに(数2)により、32次の直交行列を得、さらに
(数3)により、64次の直交行列を得、さらに(数
2)により128次の直交行列を得、さらに(数3)に
より、256次の直交行列Hを得た。この場合Nは25
6であり、直交行列Hの各列ベクトルまたは行ベクトル
の0要素の数、βは32である。
【0073】(実施例1)のように、表示を実施したと
ころ、優れた表示特性が得られた。コントラストも向上
した。
【0074】また自然画の表示において、液晶パネル内
で中間調の画素の多い列が黒く帯状に見える場合がかっ
てはあったが、これがまさしく解消され、すっきりした
画像が得られた。この方法によれば、約128階調も、
現実的と評価されるものであった。
【0075】また、フレーム毎に、走査側電圧、信号側
電圧の極性を反転させた。この方が、液晶表示装置の焼
付けが長時間表示の場合に、少ない傾向にあった。
【0076】
【発明の効果】本発明は、液晶表示装置に限らず、類似
の原理に基づくマトリクス型の表示装置には、適用可能
であり、産業上の価値は大なるものがある。
【0077】従来このような方法では、中間調が実現し
難く、この発明はこの状況に風穴を開けるものであり、
他の工学的応用にも資するところ、大なる場合があると
確信する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現するための、システムのブロック
【符号の説明】
1 第1の240×640−フレーム−バッファメモリ
ー 2 第2の240×640−フレーム−バッファメモリ
ー 3 240×640画素マトリクス型単純液晶表示装置 4 行列要素発生ROM 5 走査側電圧用レジスター 6 信号側情報演算回路 7 信号側出力演算回路 8 高速ディジタル−アナログ変換器(DAC) 9 アナログ−信号側−ドライバー 10 3値−走査側−ドライバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各要素が+1、0、−1からなり、すべて
    の列ベクトルまたは行ベクトルが同一個、β個の0値を
    有し、異なる列ベクトル同士または異なる行ベクトル同
    士は、ベクトル間の乗算を適宜に定義するとき、直交す
    るようなN次の正方の変換行列Hの発生器を備え、1フ
    レームの表示パターンに対応するN行M列の表示行列A
    を行列Aの行及び列が、マトリクス表示装置の行及び列
    にこの順に対応するように、2値表示の際、完全ON画
    素には−1が、完全OFF画素には+1が対応するよう
    に定義し、行列の乗法により、 H・A=B を用いて表示行列Aを変換して、変換行列Bを得、1フ
    レーム期間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期
    間T=tn−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜
    t3、……、tn-1〜tn、のタイミングで全画素への印
    加電圧を更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにお
    いて、走査線、及び信号電極、個々に指定された電圧
    を、しかも全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加
    し、この際、k行の走査線には、前記変換行列Hのk
    列、i行の数値、Hikに比例した走査電圧を印加し、j
    番目の信号電極には同一タイミングで前記変換行列Bの
    うち、i行目、j列目の数値Bijに比例した信号電圧を
    印加して、表示が最適となるようになし、その際の走査
    電圧をk・Vb・Hik、信号電圧をVb・Bijなるよう
    に、比例定数k、Vbを前もって決定しておき、 次に、階調表示を具現する場合、完全ON画素には−1
    が、完全OFF画素には+1が対応し、中間調表示の画
    素には、その中間調に対応して、−1から+1までの実
    数値を対応させるような表示行列Aを構成し、次に、Σ
    は、行列AのA ijの属する列すべてに亘るとして、 −2k・αj+Σ(Aij+αj2=N を満たしかつ、負数であるαjを行列Aの列毎に演算
    し、 Aij+αj をi行、j列の要素とする補正行列Cを構成し、行列C
    を行列の乗法により H・C=D のごとく変換して、変換補正行列Dを得、1フレーム期
    間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期間T=t
    N−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、…
    …、tN-1〜tN、のタイミングで全画素への印加電圧を
    更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにおいて、走
    査線、及び信号電極、個々に指定された電圧を、しかも
    全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加し、この
    際、k行の走査線には、前記変換行列Hのk列、i行の
    数値、Hikに比例した走査電圧を印加し、j番目の信号
    電極には同一タイミングで前記変換補正行列Dのうち、
    i行目、j列目の数値Dijに比例した信号電圧を印加す
    ることを特徴とする階調表示マトリクス型表示装置の駆
    動法。
  2. 【請求項2】フレーム毎に、走査側電位と信号側電位を
    反転させることを特徴とする請求項1に記載の階調表示
    マトリクス型表示装置の駆動法。
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