JP2568790B2 - マトリクス型表示装置の駆動法 - Google Patents

マトリクス型表示装置の駆動法

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JP2568790B2
JP2568790B2 JP4183362A JP18336292A JP2568790B2 JP 2568790 B2 JP2568790 B2 JP 2568790B2 JP 4183362 A JP4183362 A JP 4183362A JP 18336292 A JP18336292 A JP 18336292A JP 2568790 B2 JP2568790 B2 JP 2568790B2
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博司 山添
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマトリクス型表示装置の
駆動法に大きくは関係する。少なくとも、かなりの部
分、電圧実効値で表示の応答が支配されるような、マト
リクス型表示装置に関する。
【0002】この明細書では、以降、マトリクス型単純
液晶表示装置について、述べるが、この本質はすべての
電圧実効値応答が支配的なメカニズムであるようなマト
リクス型表示装置にあてはまる。
【0003】
【従来の技術】液晶表示装置等、表示装置は、マン・マ
シーン・インターフェースとしては、是非必要となる技
術である。特に、最近、コンピューター端末等におい
て、ダウン・サイジングの意味からも、液晶表示装置は
必須となってきた。そのうちでも、マトリクス型単純液
晶表示装置は、価格等、妥当な範囲にあり、幅広く使わ
れようとしている。
【0004】従来、これらマトリクス型単純液晶表示装
置の駆動法は、電圧平均化法にのっとり、走査線の線順
次走査が使われている。この方法においては、数学的に
は、以下の様に考えられる。各瞬間に一本の走査線を選
ぶことは、全体として直交関数を発生させることに相当
し(関数間の積を妥当に定義して)、しかも、可能な有
限の表示パターン、ここでは表示装置のある一つの列の
表示に対応するベクトルを要素とする集合ないし数学的
空間に対して、この走査さるべき全体の走査線の内、一
本を選択する関数の全体は、数学的に完備したものとな
っている。
【0005】すなわち、線順次走査に対応する基底ベク
トルを考えることが出来る。ここで、全走査線数をM本
とする。従来の線順次走査に対応する基底ベクトル、こ
れは互いに直交かつ、完備である。すなわち1フレーム
内で、走査線のうち、n本目を選択している時は、基底
ベクトル{0,0,……,0,1(n個目),0,…
…,0}・・・(8)に対応する。これらM個のベクト
ルは、ベクトルの積を通常の内積で定義するとき、互い
に直向しているのがわかる。また、表示さるべき、表示
パネルの各列の画素の状態(この1フレーム内で、ON
であるか、OFFであるかの状態−例えば、ONであれ
ば−1に対応させ、OFFなら+1に対応させる)を、
M次のベクトルで表現するとき、常にM個の基底ベクト
ル(17)の一次結合で表せる。このベクトルを要素と
する空間に対して、M個のベクトル(17)は、完備で
ある。すなわち、知らず知らず、今まで、直交関数を使
って、走査線全体に電圧を与え、駆動していたのであ
る。
【0006】数学的に、有限要素を包含する関数空間
の、各要素の直交完備なベース関数による展開等は、
「解析概論」、高木貞治著、岩波書店刊に詳しい。ま
た、電圧平均化法については「液晶エレクトロニクスの
基礎と応用」、佐々木昭夫編、オーム社刊に詳しい。行
列論については、「行列と行列式」、浅野啓三著、共立
出版刊に詳しい。
【0007】さらに最近、他の直交、完備な数学的空間
理論を使って、駆動法が工夫されている。例えば、ティー.
シ゛ェイ.シェファー イーティーシー.エスアイテ゛ィー 92 タ゛イシ゛ェスト ヒ゜ーヒ゜ー228
(T.J.Scheffer etc.SID 92 DIGEST pp228)。これは、ウ
オルシューアダマール変換理論を使ったものである。こ
こにおいて、画素にかかる電圧は、線順次のいわゆる電
圧平均化法に比べて、電圧波高値は下げられ、この点か
ら、クロストークやフレームレスポンスが削減しうると
いう優位点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近、コンピューター
端末等に使われる液晶表示装置において、高品位表示の
要求が現実のものとなってきた。これらの液晶表示装置
においては、STN等、単純モードの液晶表示装置が主
に使われている。これらの液晶表示装置には、表示にお
いて、クロストーク現象等、表示の質の低下が見られる
が、現状では仕方なく使われている。
【0009】また、高速STNにおいては、液晶の動き
は、電圧平均化法の想定からはずれ、電圧の波高値に若
干、応答する。この場合、黒レベルも、半選択電圧への
液晶の応答のため、黒状態において若干光が漏れる。す
なわちコントラストは期待に比べて、かなり劣るように
なる。従来の線順次走査において、比較的波高値の大き
い選択された走査線に加わる走査電圧のため、しかも、
1フレームに一度、瞬時に比較的大電圧が加わるため、
明るさは、液晶の高速応答のため、1フレーム内で、一
瞬明るくなり、あとすぐ暗くなる。
【0010】通常の液晶表示では、液晶の緩慢な動きの
ため、瞬時の大電圧パルスにより明るくなると、この状
態は1フレーム以上保持される。これらの、液晶表示の
振舞いはいわゆるフレームレスポンスに由来する。フレ
ームレスポンスとは、いままで述べてきたような現象を
言う。
【0011】さらに上記の種々の直交、完備な数学的空
間理論を使った駆動法は優れている。すなわち、駆動の
際、1フレーム内で、各画素にかかる実効電圧を分散さ
せており、従って、クロストークやフレームレスポンス
の削減、ひいては画質の向上に寄与している。この方法
は、思想をウオルシューアダマール変換に依拠してお
り、根底のアダマール行列が使われる。
【0012】まず、N次ウオルシュ−アダマール変換行
列Wについて述べる。N次ウオルシュ−アダマール変換
行列Wについては、 N=2w なる、自然数が存在するNについて、行列Wの構成法が
知られている。勿論、ユニタリー性は W・tW=tW・W=E 行列Wの各要素は、1または−1のみで構成される。勿
論、行列Wは正方行列である。
【0013】行列Wの行ベクトルまたは列ベクトルが、
瞬時の走査側電極群全体の印加電圧パターンを表すが、
このベクトルの次数が、走査側電極の本数と合致するの
が望ましい。さもないと、画素のON状態の電圧とOF
F状態の電圧の到達し得る比(ON−OFF選択比)が
小さくなる。ところが、前述の如く、行列Wを構成する
行ベクトルまたは列ベクトルの次数は任意に選べないと
いう、大きな制約がある。
【0014】また、OA用表示装置でよく出て来る、特
定表示パターン、特にベタ表示や縦罫線等の表示の際、
電圧値がかなり高くなり、この表示の際にはクロストー
クやフレームレスポンスが厳しくなる場合がある。
【0015】また、例えば、480×600画素の2
連、マトリクス型液晶表示装置の場合、駆動としては、
240×600画素を考えるわけであるが、このように
走査線が240本ある場合、このようなウオルシューア
ダマール変換を援用した駆動をすると、走査側電圧、あ
るいは駆動側電圧がかなり上昇し、駆動用ICに高耐圧
用設計を強いることになる。すなわち、この駆動法を使
う限り、ICの電圧に関して、最適な走査線数が存在す
る。この事実は有難くないことである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前述のような課
題を解決するために、各要素が−1と0と+1の3値を
取り得、値−1を取る要素、値0を取る要素、及び値+
1を取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、すべて
の列ベクトルまたは行ベクトルが同一長さを有し、異な
る列ベクトルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗算を
適宜に定義するとき、直交するような変換行列Uを、3
進法を使い、構成するような新規の直交行列の構成法を
提案する。
【0017】さらに、本発明は、各要素が−1と0と+
1の3値を取り得、値−1を取る要素、値0を取る要
素、及び値+1を取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存
在し、すべての列ベクトルまたは行ベクトルが同一長さ
を有し、異なる列ベクトルまたは行ベクトルは、ベクト
ル間の乗算を適宜に定義するとき、直交するような変換
行列Uから、より高次の、各要素が−1と0と+1の3
値を取り得、値−1を取る要素、値0を取る要素、及び
値+1を取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、す
べての列ベクトルまたは行ベクトルが同一長さを有し、
異なる列ベクトルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗
算を適宜に定義するとき、直交するような変換行列Vを
【0018】
【数2】
【0019】に従って得るような直交行列の構成法を提
案する。さらに、本発明は各要素が−1と0と+1の3
値を取り得、値−1を取る要素、値0を取る要素、及び
値+1を取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、す
べての列ベクトルまたは行ベクトルが同一長さを有し、
異なる列ベクトルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗
算を適宜に定義するとき、直交するような変換行列Hの
発生器を備え、1フレームの表示パタ−ンに対応するN
行M列の行列Aを行列Aの行及び列が、マトリクス表
示装置の行及び列にこの順に対応するように、しかも、
ON画素には−1、OFF画素には+1が対応、または
ON画素には+1、OFF画素には−1が対応の何れか
の対応関係になるように、定義し、
【0020】
【数3】 H・A=B
【0021】の如く、この変換行列Hで変換して変換表
示パターン行列Bを得、1フレーム期間TをN個のスロ
ットに分割し、1フレーム期間T=tn−t0において、
0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、……、tn-1〜tn、の
タイミングで全画素への印加電圧を更新するにおいて、
タイミングti-1〜tiにおいて、走査線、及び信号電
極、個々に指定された電圧を、しかも全体、同時に、走
査電圧及び信号電圧を印加し、この際、k行の走査線に
は、前記変換行列Hのk列、i行の数値に比例した走査
電圧を印加し、j番目の信号電極には同一タイミングで
前記変換表示パターン行列Bのうち、i行目、j列目の
数値に比例した信号電圧を印加するようなマトリクス型
表示装置の駆動法を明かにする。
【0022】この際、フレーム毎に、走査側電位と信号
側電位を反転させるのが望ましい。
【0023】
【作用】ここにおいて、行列の行、列の定義は、数学で
なされているものとし、マトリクス形表示装置のパネル
における行と、列の定義は、走査線に行を対応させ、信
号線に列を対応させる。
【0024】本発明は、一部は実効値応答するマトリク
ス型表示装置に、本質的に関係している。
【0025】まず、課題のうち、任意の次数を持つ直交
(完備に自動的になる)性を有する列ベクトルないし行
ベクトルからなる正方行列の構成法について述べる。勿
論、このようなベクトルの長さは等しい。ベクトルの長
さとは、ベクトル自身との内積の平方根と定義されてい
る。
【0026】このようにすることにより、表示装置の走
査線数に次数を合致させることも出来、公知例に比べ
て、ON−OFF選択比を高めうる。
【0027】ウオルシュ関数(アダマール行列Wの列ベ
クトルないし行ベクトルで表されるものを、このように
も称する)は、各要素は+1と−1の2値のみからな
る。このような行列は、数学的にはこの種のもののみで
ある。
【0028】発明者らは、考察の結果、表示装置の場合
には、各要素が、+1と0と−1の3値のみからなるベ
クトルを考える方が、自由度を増し、しかも現実化が容
易であると考えるに至ったことが本発明の端緒である。
数学的には、各要素が3値を取り得る、直交完備な空間
の基底ベクトルの構成法は明らかにされていない。すな
わち、この発想自身、非常に新規性あるものである。各
要素が3値、特に0を取り得ることが、以下の特徴をも
たらす。
【0029】すなわち、ウオルシュ関数を用いた駆動で
は、OA用途の表示によく出て来るベタ表示や縦罫線
等、特異パターン表示の際、 (+1,+1,……,+1)・・・(9) なる基底ベクトル、すなわち走査側印加電圧のパターン
の際に、印加電圧が集中し、結果として、この時の駆動
電圧が上がる。この際にのみではあるが、クロストーク
やフレームレスポンスが大きくなる。これを見れば、分
かるように、ベクトルの要素が3値、特に0も取れるよ
うにし、(9)のようなベクトルが基底ベクトルでない
ようにする可能性があれば、この事態は防げる。現実
に、各要素が3値を取り得るようにすれば、この事態が
防げることが分かった。
【0030】またウオルシュ関数を用いた駆動では、常
に、走査線には、−1または+1に比例した電圧が印加
されている。このことから、例えば、現実的な240本
の走査線の場合、ドライバーICにかなりの電圧がかか
る。しかし、0に比例した電圧すなわち、瞬間に一部の
走査線を0電位に落し得ることから、現実的な240本
の走査線の場合にも、ドライバーICにかなりの電圧も
かなり下げ得る。これは、計算機シミュレーションで明
らかとなる。
【0031】さて、具体的にこれらの本発明にかかる行
列の構成法について具体的に述べる。
【0032】各要素が−1と0と+1の3値を取り得
値−1を取る要素、値0を取る要素、及び値+1を取る
要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、すべての列ベク
トルまたは行ベクトルが同一長さを有し、異なる列ベク
トルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗算を適宜に定
義するとき、直交するような変換行列Uを、構成する方
法は、数学的にはそれほど明確でない。発明者達は、こ
のような行列を、計算機で具体的に計算する方法を見い
だした。これが本発明の一部である。
【0033】まず、行列を構成する各列ベクトルが同一
の長さ(これは必然的に、各行ベクトルも同一の長さと
なる)になるようにするには、各列ベクトル内の0の要
素の数を同一にすることが必要、十分である。この制約
の上で、例えばある列ベクトル(次数をGとする) (1,−1,0,……,−1)・・・(10)を便宜上
以下のベクトル (2,0,1,……,0)に変換し、このベクトルを、
3進数表現と見て X=2×3G-1+0×3G-2+1×3G-3+……+0×30・・・(11) なる3進数で置き換え、計算を進めることに本発明の基
礎がある。具体的には、実施例で、概略のプログラムを
示す。
【0034】さらに、本発明は、各要素が−1と0と+
1の3値を取り得、値−1を取る要素、値0を取る要
素、及び値+1を取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存
在し、すべての列ベクトルまたは行ベクトルが同一長さ
を有し、異なる列ベクトルまたは行ベクトルは、ベクト
ル間の乗算を適宜に定義するとき、直交するような変換
行列Uから、より高次の、各要素が−1と0と+1の3
値を取り得、値−1を取る要素、値0を取る要素、及び
値+1を取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、す
べての列ベクトルまたは行ベクトルが同一長さを有し、
異なる列ベクトルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗
算を適宜に定義するとき、直交するような変換行列Vを
(数3)に従って得るような直交行列の構成法を提案し
ている。これは、計算により、理解出来る。このよう
な、行列拡大の手続きは、初めて明かにされる。
【0035】次に、これを使っての駆動の概略を述べ
る。本発明は各要素が−1と0と+1の3値を取り得
値−1を取る要素、値0を取る要素、及び値+1を取る
要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、すべての列ベク
トルまたは行ベクトルが同一長さを有し、異なる列ベク
トルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗算を適宜に定
義するとき、直交するような変換行列Hの発生器を備
え、1フレームの表示パタ−ンに対応するN行M列の行
列Aを行列Aの行及び列が、マトリクス表示装置の行
及び列にこの順に対応するように、しかも、ON画素に
は−1、OFF画素には+1が対応、またはON画素に
は+1、OFF画素には−1が対応の何れかの対応関係
になるように、定義し、(数3)の如く、この変換行列
Hで変換して変換表示パタ−ン行列Bを得、1フレーム
期間TをN個のスロットに分割し、1フレーム期間T=
n−t0において、t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、・・
・・・・、tn-1〜tn、のタイミングで全画素への印加電圧
を更新するにおいて、タイミングti-1〜tiにおいて、
走査線、及び信号電極、個々に指定された電圧を、し
かも全体、同時に、走査電圧及び信号電圧を印加するに
際し、k行の走査線には、前記変換行列Hのk列、i行
の数値に比例した走査電圧を印加し、j番目の信号電極
には同一タイミングで前記変換表示パタ−ン行列Bのう
ち、i行目、j列目の数値に比例した信号電圧を印加す
るようなマトリクス型表示装置の駆動法を明かにする。
【0036】特徴は前述の如くである。なお、変換行列
Hの各列ベクトルは、ROMメモリーで発生させた。
【0037】また、この発明は、前述のような駆動法に
おいて、フレーム毎に、走査側電位と信号側電位を反転
させることを提案するものである。
【0038】
【実施例】
(実施例1)4行4列からなる本発明に係る行列を、小
型計算機を使い算出した。
【0039】まず、列ベクトルの長さが√3のもの(ベ
クトルの1要素が0からなるに対応)、√2のもの(ベ
クトルの2要素が0になる…このものは存在しない)、
√1のもの(ベクトルの3要素が0となる)に場合分け
して、プログラムを組む。さらに、ベクトルを前述の如
く、3進数で表現し、ベクトルの0なる要素の数の制約
を課しつつ、ベクトルの内積に相当する計算を進め、直
交となる4個の列ベクトルを得る。数学上、この4個の
列ベクトルから、構成した行列の行ベクトルもまた、自
動的に直交している。また、この行列の符号を変えたも
の、行や列を入れ換えたものの、列ベクトル同志、行ベ
クトル同志も長さが同一で、直交している。
【0040】計算で得た、行列の例を
【0041】
【数4】
【0042】に示す。計算では、(数4)のように(イ)
〜(ニ)の4式が得られるが、本発明では上記(ロ)は用い
ない。また、(数2)のように、15次の単位行列Eか
ら、240次の本発明に係る行列を得た。これは、まさ
しく、各列ベクトルの長さが一定であり、お互いに直交
していた。
【0043】(実施例2)以下に本発明の駆動法の実施
例を述べる。ただし、回路はほとんど、論理回路で組ま
れ、その概略を(図1)に示す。(図1)はブロック図
である。同図において、1は240×640−フレーム
−バッファメモリー、2は240×640画素マトリク
ス型単純液晶表示装置、3は行列要素発生ROM、4は
走査側電圧用レジスター、5は信号側信号演算回路、6
は高速ディディタル−アナログ変換器(DAC)、7は
アナログ−信号側−ドライバー、8は3値−走査側−ド
ライバーである。
【0044】現実には、市販のSTNパネル(走査線数
240×信号側線数640)を工夫し、また信号側ドラ
イバーは、市販のアナログ TFT ドライバーを使用
した。また、パネルの走査線側電圧の発生における比例
定数、信号側電圧の発生の際の比例定数は、独立に固定
できるようにした。これらは、液晶パネルのしきい値や
表示の規模により、最適値は異なるようである。
【0045】15次の単位行列Eから、240次の本発
明に係る行列を、
【0046】
【数5】
【0047】の拡張法を4度繰り返すことにより得た。
この行列を変換行列Hとなした。これは文字通り、−1
と0と+1からなる直交行列である。また、各列ベクト
ル同士、または行ベクトル同士は、同一の長さである。
【0048】まず、外部から、1フレームの画像情報が
伝達される。これは、240×640のフレーム−バッ
ファ−メモリー1にストアされる。このストアされた情
報が本明細書では行列Aに対応する。この行列Aを得る
際、ON画素に対しては−1を、OFF画素に対しては
+1を対応させる。行列要素発生ROM3(変換行列H
の内容を発生し得る発生器である)、走査側電圧用レジ
スター4、信号側信号演算回路5を使って、変換表示パ
ターン行列Bを(数3)に従って、実質上、発生させ
る。この演算は、行列H、行列Aとも、中身は−1と0
と+Bからなっており、従って、単純なゲート回路で構
成される。この故に演算は非常に高速でなされる。
【0049】変換行列Hの列行列がいわゆる1H期間の
個々の走査線の電圧を与える。これは、実質的に行列要
素発生ROM3、走査側電圧用レジスター4でなされ
る。
【0050】応答速度(=応答の立ち上がりに要する時
間+信号のoff後、立ち下がりにかかる時間)が、1
20msの高速STN表示装置において、クロストーク
やフレームレスポンスは大幅に改善出来、従来に比べ
て、コントラストは5倍以上、明るさは2倍程度に改善
出来た。この表示装置は、将来動画表示の可能性を印象
づけるものであった。
【0051】表示の際、時間的にほとんど100%、走
査線、信号線に印加される電圧を監視したところ、従来
に比べて、電圧値は1/2〜1/4になっていた。この
ことと轍をともにしていると推測しているが、表示上、
クロストークは著しく減少した。
【0052】前述のシェファー達の駆動法では、OA表
示によく現われる、縦罫線等、特殊パターンにおいて、
ある1Hの期間に信号側への電圧値が非常に大きくする
必要が生じ、クロストークやフレームレスポンス等の悪
影響が出るが、本実施例によれば、この現象が抑圧され
る。これは、変換に使う直交行列Hの要素が、3値、す
なわち−1と0と+1をとり得る故に、列ベクトルの構
成がより多様となり、前記特殊パターンと合致しない列
ベクトルのみで、直交行列が構成出来ることによる。ち
なみに、シェファー達の使った変換行列の要素は−1と
+1からのみから構成され、これは非常に拘束の強い環
境である。
【0053】また、本実施例の変換行列Hの列ベクトル
においては、−1ないし+1の要素の数は16個であ
り、他の224個は0である。この結果として、前述の
シェファーの方法に比べ、走査側の電圧が大幅に下が
る。これも、変換行列Hの要素のとり得る変域を、3値
にしたためである。
【0054】また、前述のシェファー達の方法に比べ、
走査線に沿った、いやゆる横クロストークも大幅に改善
された。これは、シェファー達が使ったアダマール行列
の行ベクトル(これは、個々の走査線の1フレーム内の
時間的電圧推移を表わす)の疑似的周波数(これは、電
圧の時間的推移のフーリエ変換で表わされる)が、走査
線により、大きく異なるが、この場合はこの疑似的周波
数の分布の幅がかなり小さく出来ることによる。これ
は、一に、変換行列Hの要素として3値、すなわち−1
と0と+1を認めたためである。シェファー達は、−1
と+1しか認めていない。なお、走査側ドライバーとし
ては、−1と0と+1に比例した駆動と、−1と+1に
比例した駆動では、ICの構成において、まったく大差
がなく、単純な構成からなる。
【0055】また、1フレーム内の走査において、同時
に、しかも瞬間に印加される走査線全体の電圧パターン
において、周波数成分の著しく低いものに対応する走査
線全体への電圧の印加を省略しても、自然画の場合、全
く差し支えなかった。これは、回路構成に対する要求を
著しく緩和するものであった。
【0056】また、フレーム毎に、走査側電圧、信号側
電圧の極性を反転させた。この方が、液晶表示装置の焼
付けが長時間表示の場合に、少ない傾向にあった。
【0057】(実施例3) 15次の行列F
【0058】
【数6】
【0059】から、240次の本発明に係る行列を、
(数5)の拡張法を4度繰り返すことにより得た。この
行列を変換行列Hとなした。これは文字通り、−1と0
と+1からなる直交行列である。また、各列ベクトル同
士、または行ベクトル同士は、同一の長さである。
【0060】(実施例2)と同様に、240×640画
素マトリクス型液晶パネルを、この変換行列を使って駆
動した。結果は、同様に、大幅な特性向上をみた。
【0061】(実施例4) 4次の行列D
【0062】
【数7】
【0063】から、256次の本発明に係る行列を、
(数5)の拡張法を4度繰り返すことにより得た。この
行列を変換行列Hとなした。これは文字通り、−1と0
と+1からなる直交行列である。また、各列ベクトル同
士、または行ベクトル同士は、同一の長さである。
【0064】(実施例2)と同様に、240×640画
素マトリクス型液晶パネルを、この変換行列を使って駆
動した。但し、フレーム−バッファー−メモリーとし
て、256×640の表示に対応するエリアを用意し、
241番目以降の架空走査線に対しては、1あるいは−
1の架空データを挿入した。
【0065】結果は、同様に、大幅な特性向上をみた。
本実施例では、いわゆる単連のマトリクス表示装置につ
いて、述べたが、例えば、いわゆる2連マトリクス表示
装置については、このうちの単連づつ、本発明を実施す
ればよいことは勿論である。
【0066】また、液晶表示装置に限って述べたが、論
旨から理解出来るように、マトリクス型の表示装置に
は、すべて適合するものであり、本発明はこの種の表示
装置、すべてを包含するものである。
【0067】
【発明の効果】本発明は、液晶表示装置に限らず、類似
の原理に基づくマトリクス型の表示装置には、適用可能
であり、産業上の価値は大なるものがある。
【0068】従来あるいは公知の直交関数は、関数の変
域として、連続的数値をとるか、離散的変域の場合は、
+1と−1等の2値であるものだけである。
【0069】しかし、工学上、3値(−1と0と+1)
を変域とするものが、利用価値が大なるを見いだした。
これは、他の工学的応用にも資するところ、大なる場合
があると確信する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現するための、システムのブロック
【符号の説明】
1 240×640−フレーム−バッファメモリー 2 240×640画素マトリクス型単純液晶表示装置 3 行列要素発生ROM 4 走査側電圧用レジスター 5 信号側信号演算回路 6 高速ディディタル−アナログ変換器(DAC) 7 アナログ−信号側−ドライバー 8 3値−走査側−ドライバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 尚英 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−27904(JP,A) 特開 平6−27905(JP,A) 特開 平6−27906(JP,A) SID 92 DIGEST、T.J. Scheffer et al、“Ac tive Addressing Me thod for High−Cont rast Video−Rate ST N Displays”、p.228−231

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各要素が−1と0と+1の3値を取り
    、値−1を取る要素、値0を取る要素、及び値+1を
    取る要素がそれぞれ少なくとも1つ存在し、すべての列
    ベクトルまたは行ベクトルが同一長さを有し、異なる列
    ベクトルまたは行ベクトルは、ベクトル間の乗算を適宜
    に定義するとき、直交するような変換行列Hの発生器を
    備え、1フレームの表示パタ−ンに対応するN行M列の
    行列Aを行列Aの行及び列が、マトリクス表示装置の
    行及び列にこの順に対応するように、しかも、ON画素
    には−1、OFF画素には+1が対応、またはON画素
    には+1、OFF画素には−1が対応の何れかの対応関
    係になるように、定義し、 【数1】 H・A=B の如く、この変換行列Hで変換して変換表示パタ−ン行
    列Bを得、1フレーム期間TをN個のスロットに分割
    し、1フレーム期間T=tn−t0において、t0〜t1
    1〜t2、t2〜t3、・・・・・・、tn-1〜tn、のタイミン
    グで全画素への印加電圧を更新するにおいて、タイミン
    グti-1〜tiにおいて、走査線、及び信号電極、個々
    に指定された電圧を、しかも全体、同時に、走査電圧及
    び信号電圧を印加するに際し、k行の走査線には、前記
    変換行列Hのk列、i行の数値に比例した走査電圧を印
    加し、j番目の信号電極には同一タイミングで前記変換
    表示パタ−ン行列Bのうち、i行目、j列目の数値に比
    例した信号電圧を印加することを特徴とするマトリクス
    型表示装置の駆動法。
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