JPH0649792A - 古紙処理方法 - Google Patents

古紙処理方法

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JPH0649792A
JPH0649792A JP19809392A JP19809392A JPH0649792A JP H0649792 A JPH0649792 A JP H0649792A JP 19809392 A JP19809392 A JP 19809392A JP 19809392 A JP19809392 A JP 19809392A JP H0649792 A JPH0649792 A JP H0649792A
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JP
Japan
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pulp
paper
ink
bleaching
waste paper
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JP19809392A
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English (en)
Inventor
Shunji Omori
俊二 大森
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新聞、上質古紙を脱墨処理するに際し、高白色
度、且つ残インキ、未剥離インキ数の少ない印刷用脱墨
パルプを得る。 【構成】新聞、上質古紙の脱墨処理において、離解後、
洗浄し、過酸化水素、NaOH、ケイ酸ソ−ダ、脱墨剤
の1種以上を添加してニ−ディングし、漂白し、フロ−
テ−ションをこの順序で行う工程を2回または3回繰り
返す。これらの工程において、初段で加えるべき漂白剤
の30%以上から70%未満の量を初段で添加し、ニ−
ディングを行う装置として、マイカプロセッサ−を使用
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、古紙再生に用いられる
古紙処理方法に関する。さらに詳しくは、新聞、上質古
紙を脱墨処理するに際して、高白色度、且つ残インキ、
未剥離インキ数の少ない印刷用脱墨パルプを得るための
古紙処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の上質系古紙の用途は、主たるもの
がトイレットペ−パ−であり、次いで白板紙、雑誌等下
級紙への混入、フェイシャルティシュ−への利用であっ
た。最近、OA機器から出される上質系古紙の廃棄物処
理が問題となり、急速にその再利用が要望されている。
しかし、漂白したパルプに代替して、上質系の紙に脱墨
パルプを用いるには、脱墨処理設備、処理条件の選択を
行わなければならない。
【0003】例えば、特開昭54−120705号公報
では、第1段階で脱墨剤と共にアルカリを添加し、3時
間以上熟成後、パルプ繊維から浮き上がったインクを引
き剥すために、ニ−ダ−でニ−ディング処理を行うこと
により残インクの減少を図る脱墨方法を提案している。
該公報中の熟成とは、NaOH、ケイ酸ソ−ダなどのビ
ルダ−に加え、界面活性剤等よりなる脱墨剤を添加し
て、常温或は加温下で一定時間滞留することによって脱
墨を促進することを云う(過酸化水素を添加して同時に
漂白を行う場合も含める)。これは、本発明の第2の工
程における反応槽での保持に相当するものである。ニ−
ディングとは、パルプ繊維に印刷付着したインク、塗被
液などに各種の機械的応力を与え、繊維からのインク剥
離、インクの細分化を行うことを云い、そのための装置
をニ−ダ−と云う。これは、本発明の第2の工程におけ
る紙料への剪断力の付与に相当するものである。
【0004】又、特開昭55−40850号公報では、
オフセット印刷による印刷古紙に脱墨剤及びH22漂白
剤を添加し、約15%以上のパルプ濃度並びに5.0g
/l(NaOHとして)以上のアルカリ濃度においてニ
−ダ−を使用し、加温下で圧縮力を与えながら行う印刷
古紙の脱墨方法を提案している。この提案は、脱墨と漂
白を同時に行う際に、ニ−ダ−などを使用するものであ
るが、その目的はインクをパルプ繊維から剥離するため
であり、ニ−ディング後に熟成、フロ−テ−ションと脱
墨工程が続くものである。該公報中でフロ−テ−ション
とは、脱墨剤、ビルダ−などを添加して起泡分離によっ
てインクを除去することを云い、そのための装置をフロ
−テ−タ−と云う。これは、本発明の第3の工程に相当
するものである。
【0005】更に、その改良として、特開昭63−28
992号公報では、ニ−ディング後、熟成を行ない、再
度ニ−ディングを行う印刷古紙の脱墨方法を提案してい
るが、これもインクをパルプ繊維より剥離するか、分散
させることを主眼としている。特に、この場合では古紙
パルプの残インクは、減少し得るが、一方で処理濃度を
上げると、インクの細分化とパルプ繊維への練り込みが
起こり、白色度が低下してしまい、このためニ−ディン
グは、25%以下で行うことを提案している。実際、こ
れらの方法では、新聞古紙を処理した場合、65%以上
の白色度を得ることはできず、上、中質紙に配合するパ
ルプとしては極めて限られたものになる。
【0006】脱墨パルプは、脱墨を進め、白色度を高く
すると共に残インキが目だつという性質がある。このた
め、上質系の紙に混入する高白色度脱墨パルプは、脱墨
を可能な限り進めることが肝要である。このような観点
から、上質系に配合するための脱墨パルプを得るため
に、従来より提案されてきた処理設備のフロ−1〜2
(出典1〜2)は、次のようなものがある。
【0007】フロ−1:原料新聞古紙の離解を行い、離
解を終了した後に希釈し、フロ−テ−ションを行い、離
解によって剥離したインキを分離する。次に、剥離して
いる残留インキを更に洗浄によって分離した後、脱水濃
縮を行い、30%前後の濃度に濃縮後、アルカリを加え
てニ−ディングを行い、未剥離のインキを剥離する。ニ
−ディングを終了した後、所定の時間滞留させて熟成を
なす。熟成を終了した後に、1%程に希釈し、フロ−テ
−ションを行い、ニ−ディング、熟成で剥離したインキ
を分離する。フロ−テ−ションを終了したパルプからス
クリ−ン、クリ−ナ−等で異物を分離する。更に、フロ
−テ−ションで分離できなかった剥離インキは、再洗浄
によって除去する。再洗浄を終了したパルプは、30%
前後に濃縮し、再びニ−ディングを行う。この時も、先
のニ−ディングと同様にニ−ディングに先だって漂白薬
品を添加し、ニ−ディングと共に薬品の攪拌効果を得る
ようにする。再ニ−ディングを終了したパルプは、再び
2時間程の漂白反応を行う。再漂白を終了したパルプを
最終洗浄することによって全工程は終了する。
【0008】フロ−2:原料古紙の離解を行い、次に剥
離してきたインキを洗浄によって分離した後、10%濃
度に濃縮して、パルプを反応塔に2時間滞留させて熟成
反応をなす。その後、更に脱水濃縮を行い、30%程に
濃縮し、脱墨剤を加えてニ−ディングを行い、未剥離の
インキを剥離する。ニ−ディングを終了した後に、1%
前後に希釈し、フロ−テ−ションを行い、熟成、ニ−デ
ィングで剥離したインキを分離する。フロ−テ−ション
を終了したパルプからスクリ−ン、クリ−ナ−等で異物
を分離する。更に、フロ−テ−ションで分離できなかっ
た剥離インキは、再洗浄によって除去する。再洗浄を終
了したパルプは、10%に濃縮脱水し、漂白薬品を添加
して後、ニ−ディングを行い、パルプを反応塔に2時間
前後滞留させて漂白反応を行う。漂白を終了したパルプ
を最終洗浄することによって全工程は終了する。 フロ−1出典:紙パ技協紙1990/9,p21〜36
(上質系古紙より広葉樹漂白クラフトパルプに代替でき
る脱墨パルプの製造) フロ−2出典:アルファ1990/7,p12〜18
(上質紙系への古紙利用上の若干の留意点)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】紙の品質設計からは、
古紙パルプであっても上質系用紙に配合するための古紙
パルプならば、通常の化学漂白パルプに相当する白色
度、脱墨度が要求される。また、新聞古紙からの再生古
紙パルプであっても、これを印刷グレ−ドの上質紙に配
合しようとすると、これまでの方法では必要な白色度、
脱墨度が得られなかった。敢えて配合する場合でも、紙
への配合は制限されていた。即ち、本発明は、新聞、上
質系古紙等の古紙原料、又はそれらの混合物の全てを脱
墨することを特徴とし、しかも再生紙への高率配合を可
能にする古紙処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】これまで、印刷古紙より
高白色度のパルプを得ようとする試みは、種々なされて
おり、熟成において漂白剤を脱墨剤と共に使用する方
法、又、それをフロ−テ−ション後に再漂白する事も知
られている。更に、ニ−ダ−で機械的処理を行うことも
知られているが、これもオフセット印刷のような難脱墨
性の印刷インクを機械的にパルプ繊維から引き剥した
り、或はインクを目立たぬ大きさにまで細分化するとい
う目的のためであって、この方法のみでは、新聞古紙で
65%以上、又、色上古紙で80以上であるが、中質
紙、上質紙では、30%以上配合できる高白色度古紙パ
ルプは得られない。
【0011】以下、本発明の古紙処理方法について説明
する。即ち、本発明における古紙処理方法においては、
古紙原料をまず水媒体中で離解、洗浄し、次いで過酸化
水素、NaOH、ケイ酸ソ−ダ等のビルダ−、脱墨剤を
添加後に、ニ−ディングし、次いで熟成し、その後フロ
−テ−ションを行う。この順序で行う工程を2回、又は
3回繰り返すことを特徴とするものである。好ましく
は、加えるべき漂白剤の30%〜70%の量を初段で添
加する。更に好ましくは、ニ−ディングを行う装置とし
て、マイカプロセッサ−を使用する。
【0012】上記の処理工程により、新聞、上質系古紙
の2種の古紙原料又はそれらの混合物全てを脱墨するこ
とで高白色度古紙パルプを得ることができる。本発明の
古紙処理方法の特徴は、洗浄、ニ−ディング、熟成とい
う手順を繰り返すことにある。この繰り返しによって、
従来、到底得られなかった高度の白色度、脱墨度が得ら
れるようになったものである。以下、本発明の作用につ
いて、詳細に説明する。
【0013】本発明者は、白色度上昇を阻害する要因に
は、2つの要因があると推定した。即ち、その1つは、
本来古紙に含有されるインクは極めて難漂白であり、こ
れは現状の如何なる漂白剤を以てしても有効には漂白、
脱墨はできない。従って、漂白、脱墨に先立ってこのイ
ンクを除去することが必要であり、これを除去すること
をまず第一に考えた。これらのインクは、上質系塗被紙
にあっては、最初の離解操作によって相当量のインク
が、容易にパルプ繊維より細分化、剥離する。
【0014】本発明者は、ここで一旦剥離したインク、
塗液成分を洗浄により除去することで、その後の工程で
の白色度上昇が著しく改善されることを見出した。これ
は、溶出した有機成分が漂白を妨げること、剥離したイ
ンク粒子がニ−ディングで、再度、機械的な応力を受け
て細分化し、フロ−テ−ションで除去率の高い10ミク
ロン以上の粒子が減少してしまうこと、10ミクロン以
下の粒子が増加してしまうことに原因がある。
【0015】この原料古紙の離解に引き続く洗浄操作の
増白に与える効果は、新聞古紙についても同様である。
これは、以後の工程においても同様であり、インクがパ
ルプ繊維より剥離するステップ、つまりニ−ダ−、高速
ニ−ダ−(マイカプロセッサ−)等でインクの分散と剥
離の操作を行った後には、必ず洗浄操作を組み合わせる
必要があり、本発明は、古紙原料の有するこのような特
徴を鑑みて開発したものである。
【0016】更に、本発明者は、白色度上昇を阻害する
第2の要因として、漂白、脱墨で充分な白色度が得られ
ず飽和してしまう点に着目した。例えば、新聞古紙にお
いては、まず一般的に行われる10%程度のパルプ濃度
で、H22を用いた酸化漂白について検討したが、H2
2添加率を増加させても、この工程のみでは充分な白
色度は得られない。つまり、高白色度を得るためには、
漂白時のパルプ濃度をできるだけ高濃度とし、漂白薬品
濃度を高くするのが効果的である。しかし、漂白時のパ
ルプ濃度と白色度の関係を調べると、パルプ濃度25%
付近まではパルプ濃度を上げると共に白色度は上昇する
が、30〜40%とパルプ濃度を上げても白色度は上昇
しなくなる。
【0017】以上のように、白色度の飽和する原因は、
パルプ繊維と漂白剤の接触が不十分になるためである。
この点に着目し、漂白剤を均一にパルプに接触させる方
法、即ち、洗浄を行い、パルプより剥離したインクを取
り除いた後で、紙料を25%以上に濃縮脱水し、常温乃
至加温下で、ニ−ディング混合、漂白することを繰り返
す方法を考えた。
【0018】更に、初段のニ−ディングの工程に添加す
る漂白、脱墨薬品(過酸化水素とNaOH、珪酸ソ−ダ
などのビルダ−)の量は、全工程に添加する量の30〜
70%として振り分けることにより優れた効果を発揮す
るもので、これ以外の比率で振り分ける場合には十分な
効果が得られない。
【0019】漂白又は脱墨等の効果は、漂白剤が添加さ
れた状態でニ−ディングを行い、その後に、漂白反応を
行うステップを踏むことで得られる。従って、このステ
ップを繰り返すことによって、その効果が更に向上す
る。実験では、このステップの繰り返しで3度までは漂
白、脱墨の効果が認められたが、これ以上の繰り返しで
は、漂白、脱墨の効果は認められない。なお、第2から
第4までの繰り返しの工程において、第3の工程である
フロ−テ−ションを除いた場合でも、これに類似した効
果を得ることができ、第3の工程を省力化してもよい。
【0020】通常、古紙処理で使用するニ−ダ−は、パ
ルプ繊維よりインクを剥離するため、パルプに圧縮力を
与えるか、パルプ繊維同志が適度の摩擦を受けることが
望ましいとされ、そのためには、低速で充分パルプ繊維
に圧縮力もしくは摩擦を与えるニ−ダ−が使用され、且
つ処理温度も高温のほうが選択されてきた。ここで、本
発明において使用される用語の意味としてニ−ダ−は、
この内容を意味し、ニ−ダ−で処理することをニ−ディ
ングと表記する。しかし、従来使用されているニ−ダ−
等では、回転するロ−タ−とステ−タ−間でパルプ繊維
が塊をなし、この部分は、ロ−タ−の回転と同時に回転
し、この塊中のパルプ繊維に付着するインクは剥離する
ことがない。又、この塊部分は、未漂白部位となる。
【0021】しかしながら、本発明においては、パルプ
繊維に圧縮力ないしは摩擦力を与えるのではなく、機構
として解繊したパルプ繊維の微少部分に剪断力を与え、
また高濃度のパルプに漂白剤を均一に混合することを目
的としているので、使用する設備は、パルプ繊維に摩擦
を与えぬようロ−タ−又はステ−タ−間に充分空間があ
り、且つ高速で回転して短時間で均一に混合できるタイ
プが望ましい。マイカプロセッサ−(石川島産業機械)
は、ロ−タ−に送り刃と戻し刃を有し、且つステ−タ−
の刃と間隙が充分にあり、ロ−タ−が毎分1000回転
以上の高速回転するような機構により、パルプ繊維塊を
微細化し、またインクの付着したパルプ繊維をミキサ−
内で多数回屈曲させ、このアクションによってパルプ繊
維からのインク剥離を促進し、漂白剤との混合を促進す
ることが可能なために、最も好ましい。同様な機構のも
のとしては、フロ−タ−パルパ−(カミヤ社)がある。
本発明においては、このような設備を高速ニ−ダ−、
又、高速ニ−ダ−で処理することを高速ニ−ディングと
表記する。
【0022】以上の操作によって、従来の漂白方法では
得られない高白色度古紙パルプを得ることができる。一
方、本発明においては、得られる古紙パルプの白色度が
同一であれば、従来の漂白方法に比較して、アルカリ使
用量及びH22使用量を削減することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1〜3(対象、新聞古紙) 15%の濃度にて原料新聞古紙の離解を行い、次に剥離
してきたインキを80メッシュ金網上で十分な流水での
洗浄によって分離した後、遠心脱水を行い、30%濃度
に濃縮後、ニ−ディング(山本百馬社製;ラボニ−ダ−
使用)を行い、未剥離のインキを剥離する。ニ−ディン
グに先立って漂白薬品と脱墨剤を添加しておき、漂白薬
品とパルプの攪拌効果を得るようにする。漂白薬品とし
ては、過酸化水素を対パルプ0.5%、1.5%、2.
5%の3水準添加した。この他にカセイソ−ダ、珪酸ソ
−ダを各々過酸化水素と等量添加した。脱墨剤は、市販
の脱墨剤(花王社製;DI600)を対パルプ0.3%
添加した。ニ−ディングを終了した後のパルプをポリエ
チレン製の袋に脱気して詰め、このまま恒温水槽にて2
時間滞留し脱墨、漂白(H22を添加して漂白効果を得
る)反応させた。
【0025】脱墨、漂白を終了した後に、1%に希釈し
てフロ−テ−ション(極東振興社製ラボフロ−テ−タ
−)を行い、前工程で剥離したインキを分離する。フロ
−テ−ションを終了したパルプからラボフラットスクリ
−ン等で異物を分離する。更に、フロ−テ−ションで分
離できなかった剥離インキは、80メッシュ金網上での
再洗浄によって除去する。かくして得られたサンプル
は、前段処理終了サンプルとして白色度、インキ残留量
(墨染め繊維)を計測する。墨染め繊維の計測法は、以
下の通りである。サンプルパルプより60g/m2のハ
ンドシ−トを作成し、このシ−ト中の墨染め繊維(イン
キ付着繊維)の本数を12倍のル−ペによって測定し、
パルプ100g当りの墨染め繊維本数として表わした。
この段階の結果を、前段として表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】再洗浄を終了したパルプは、遠心脱水によ
り30%に濃縮し、再びニ−ディングを行う。このとき
も、先のニ−ディングと同様にニ−ディングに先立って
漂白薬品を添加し、薬品の攪拌効果を得るようにする。
漂白薬品としては、過酸化水素を対パルプ0.5%、
1.5%、2.5%の3水準添加した。この他にカセイ
ソ−ダ、珪酸ソ−ダを各々過酸化水素と等量添加した。
再ニ−ディングを終了したパルプは、再び2時間程の漂
白反応を行う。再漂白を終了したパルプを80メッシュ
金網上で最終洗浄することによって全工程は終了する。
かくして得られたサンプルは、後段処理終了サンプルと
して白色度、インキ残留量(墨染め繊維)を計測する。
この段階の結果を、後段として表1に示した。
【0028】以上、実験デ−タは、表1中の実施例1〜
3で示した。実施例1は、前段、後段併せて過酸化水素
添加率1%で漂白したもの。以下、実施例2では3%、
実施例3では5%の結果を表1に示した。なお、後記す
るが、実施例19の結果を表1に併せて記載した。
【0029】比較例1〜3(対象、新聞古紙。従来の技
術のフロ−1に相当) 15%の濃度にて原料新聞古紙の離解を行い、離解を終
了した後に、1%に希釈してフロ−テ−ション(極東振
興社製;ラボフロ−テ−タ−)を行い、離解で剥離した
インキを分離する。次に、剥離している残留インキを、
更に80メッシュ金網上で十分な流水での洗浄によって
分離した後、遠心脱水を行い、30%濃度に濃縮後、ニ
−ディング(山本百馬社製;ラボニ−ダ−)を行い、未
剥離のインキを剥離する。ニ−ディングに先立って脱墨
剤、NaOH、ケイ酸ソ−ダ実施例1〜3と同様に添加
しておき、熟成(H22は、無添加)を行う。ここまで
の結果を表1中に前段として示した。ニ−ディングを終
了した後のパルプをポリエチレン製の袋に脱気して詰
め、このまま恒温水槽にて2時間滞留し熟成させた。以
下、実施例1〜3と同様にフロ−テ−ション、洗浄濃
縮、ニ−ディング、漂白を行う。漂白薬品としては、過
酸化水素を対パルプ1.0%、3.0%、5.0%の3
水準添加した。この他にカセイソ−ダ、珪酸ソ−ダを各
々過酸化水素と等量添加した。脱墨剤は、市販の脱墨剤
(花王社製;DI600)を対パルプ0.3%添加し
た。以後は、実施例1と同様に処理し、白色度、インキ
残留量(墨染め繊維)を計測する。ここまでの結果を表
1中に後段として示した。
【0030】以上、実験デ−タは、表1中比較例1〜3
で示した。比較例1は、漂白段で過酸化水素添加率1%
で漂白したもの、以下、比較例2では3%、比較例3で
は5%の結果を表1に示した。
【0031】比較例4〜6(対象、新聞古紙) 処理方法として、熟成(H22は、無添加)と漂白の順
序を入れ換える他は比較例1と同じ。実験デ−タは、表
1中比較例4〜6で示した。比較例4は、過酸化水素添
加率1%で漂白したもの。以下、比較例5では3%、比
較例6では5%の結果を表1に示した。
【0032】以上を比較すると、各レベルの薬品添加率
において、増白、脱墨の効率は、比較例1〜6のいずれ
よりも、実施例1〜3は優れている。これらのデ−タか
ら、漂白薬品の振り分けの効率的な範囲は、漂白段を2
段(両段にH2O2が入る)に設けた上で、前段:後段=
50%:50%を頂点として、前段:後段=30%:7
0%〜70%:30%の範囲にある。
【0033】比較例7〜9(対象、新聞古紙。従来の技
術のフロ−2に相当) 15%の濃度にて原料新聞古紙の離解を行い、次に、剥
離してきたインキを80メッシュ金網上で十分な流水で
の洗浄によって分離した後、遠心脱水を行い、10%濃
度に濃縮後、パルプをポリエチレン袋に脱気して詰め、
このまま恒温水槽にて2時間滞留し熟成反応させた。そ
の後、更に遠心脱水を行い、30%に濃縮し、ニ−ディ
ング(山本百馬社製;ラボニ−ダ−)を行い、未剥離の
インキを剥離する。ニ−ディングに先立って脱墨剤を添
加しておき、次のフロ−テ−ション操作に備える。ニ−
ディングを終了した後に、1%に希釈してフロ−テ−シ
ョン(極東振興社製;ラボフロ−テ−タ−)を行い、熟
成、ニ−ディングで剥離したインキを分離する。
【0034】フロ−テ−ションを終了したパルプからラ
ボスクリ−ン等で異物を分離する。更に、フロ−テ−シ
ョンで分離できなかった剥離インキは、80メッシュ金
網上での再洗浄によって除去する。かくして得られたサ
ンプルは、前段処理終了サンプルとして、白色度、イン
キ残留量(墨染め繊維)を計測する。再洗浄を終了した
パルプは、遠心脱水により10%に濃縮し漂白薬品を添
加後攪伴を行い、そのパルプをポリエチレン袋に脱気し
て詰め、このまま恒温水槽にて2時間滞留し、漂白反応
を行う。漂白を終了したパルプを80メッシュ金網上で
最終洗浄することによって全工程は終了する。かくして
得られたサンプルは、後段処理終了サンプルとして、白
色度、インキ残留量(墨染め繊維)を計測する。
【0035】以上、実験デ−タは、表2中比較例7〜9
で示した。比較例7は、過酸化水素添加率1%で漂白し
たもの。以下、比較例8では3%、比較例9では5%の
結果を表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】実施例4〜6(対象、上質系古紙) 処理対象古紙として、上質系古紙を使用、インキ残留量
(墨染め繊維)を計測していないこと以外は実施例1と
同じ手順で評価する。実験デ−タは、表3中実施例4〜
6で示した。実施例4は、前段、後段併せて過酸化水素
添加率1%で漂白したもの。以下、実施例5では3%、
実施例6では5%の結果を表3に示した。
【0038】比較例10〜12(対象、上質系古紙) 処理対象古紙として、上質系古紙を使用、インキ残留量
(墨染め繊維)を計測してないこと以外は比較例1と同
じ手順で評価する。実験のデ−タは、表3中比較例10
〜12で示した。比較例10は、漂白段の過酸化水素添
加率1%で漂白したもの。以下、比較例11では3%、
比較例12では5%の結果を表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】比較例13〜15(対象、上質系古紙) 処理対象古紙として、上質系古紙を使用、インキ残留量
(墨染め繊維)を計測してないこと以外は比較例4と同
じ手順で評価する。実験のデ−タは、表3中実施例13
〜15で示した。比較例13は、過酸化水素添加率1%
で漂白したもの。以下、比較例14では3%、比較例1
5では5%の結果を表3に示した。
【0041】以上を比較すると、新聞古紙を対象とした
場合と等しく増白の効率は、実施例4〜6において優れ
ている。これらのデ−タから漂白薬品の振り分けの効率
的な範囲は、漂白段を2段に振り分けた上で、前段:後
段=50%:50%を頂点として、前段:後段=30
%:70%〜70%:30%の範囲にある。
【0042】比較例16〜18(対象、上質系古紙) 処理対象古紙として、上質系古紙を使用、インキ残留量
(墨染め繊維)を計測してないこと以外は比較例7と同
じ手順で評価する。実験のデ−タは、表4中比較例16
〜18で示した。比較例16は、過酸化水素添加率1%
で漂白したもの。以下、比較例17では3%、比較例1
8では5%の結果を表4に示した。
【0043】
【表4】
【0044】実施例7〜12及び比較例19〜24(対
象、新聞古紙) 実施例1(前後段の2段漂白)において、更にもう1回
と2回の繰り返しをつけ加えて合わせ、4段階までの処
理を行った。実験デ−タは、表5中の実施例7〜12、
比較例19〜24に示した。実施例7、8及び比較例1
9、20は、1〜4段で併せて過酸化水素添加率1%で
漂白したもの。各段の薬品の振り分けは、等分とした。
以下、実施例9、10及び比較例21、22では3%、
実施例11、12及び比較例23、24では5%の結果
を表5に示した。表5には、初段への薬品振り分け率も
示した。この表5で明かなように、各種の薬品添加率に
おいて漂白段数は、3段前後で最高の増白レベルが得ら
れ、その後はレベルオフする。
【0045】
【表5】
【0046】実施例13〜18、比較例25〜30(対
象、新聞古紙) 2〜4回の繰り返しにおいては、フロ−テ−ション操作
を除き、実施例7〜12及び比較例19〜24と同様に
処理した。これらの実験においても、実施例7〜12と
近似の漂白効果が得られた。これらの結果を表6に示し
た。
【0047】
【表6】
【0048】実施例19(対象、新聞古紙) 実施例3において、ニ−ディング機を、ロ−タ−の回転
数が毎分200回前後の従来型のものから、毎分100
0回転以上の回転で処理するもの(石川島産業機械社
製;マイカプロセッサ−)に変えた場合の結果を表1に
示した。本実施例で明かなように、毎分1000回転以
上で回転するロ−タ−を有するニ−ダ−を採用すること
によって、脱墨効果は一段と上昇する。
【0049】
【発明の効果】以上、本発明によれば、新聞、上質古紙
を脱墨処理するに際し、高白色度、且つ残インキ、未剥
離インキ数の少ない脱墨パルプを得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙処理方法において、古紙を離解し、
    離解された紙料を洗浄して、剥離したインクを含む微細
    固形分をパルプ成分より除く第1の工程、該紙料を25
    %を超える濃度に脱水し、NaOH、珪酸ソ−ダ、過酸
    化水素並びに界面活性剤を成分とする脱墨剤の中から選
    ばれる少なくとも1種以上の薬品を添加し、紙料を高速
    攪拌により相互に激しく衝突させて剪断力を与え、且つ
    薬品との混合を行う装置を通過させた後、反応槽に保持
    し、次いでパルプ成分と共に流動状態に希釈する第2の
    工程、該紙料に空気を混合した後、気泡を分離する装置
    を通して剥離したインクを含む疎水性成分をパルプ成分
    より分離する第3の工程、該紙料を洗浄して、溶解成分
    及びインク粒子を含む微細固形分をパルプ成分より除く
    第4の工程からなる4つの工程により古紙を処理するこ
    とを特徴とする古紙処理方法。
  2. 【請求項2】 第1の工程の後、第2工程から第4工程
    を2回又は3回繰り返すことを特徴とする請求項1記載
    の古紙処理方法。
  3. 【請求項3】 第1から第4の各工程の任意の位置に、
    除塵工程を置くことを特徴とする請求項1又は2記載の
    古紙処理方法。
  4. 【請求項4】 初段に加える過酸化水素の量が、全処理
    工程中に加える量の30〜70%であることを特徴とす
    る請求項1、2、又は3記載の古紙処理方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126776A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Nisshin Kagaku Kenkyusho:Kk 古紙パルプの処理方法および脱墨助剤
JP2007177379A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Daio Paper Corp 古紙パルプの製造方法および古紙パルプ用紙
JP2008169507A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Oji Paper Co Ltd 脱墨パルプの製造方法
JP2011080167A (ja) * 2009-10-07 2011-04-21 Kao Corp 脱インクパルプの製造方法

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