JP2000248482A - 印刷古紙脱墨方法 - Google Patents

印刷古紙脱墨方法

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JP2000248482A
JP2000248482A JP5048099A JP5048099A JP2000248482A JP 2000248482 A JP2000248482 A JP 2000248482A JP 5048099 A JP5048099 A JP 5048099A JP 5048099 A JP5048099 A JP 5048099A JP 2000248482 A JP2000248482 A JP 2000248482A
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ink
pulp
ozone
ozone gas
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Takeshi Takahashi
高橋  毅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷古紙のインクの剥離・除去が十分に行え
る印刷古紙脱墨方法を提供する。 【解決手段】 印刷古紙が離解工程10で水と混合され
てパルプ状にされ、脱水工程11で脱水されることによ
り、古紙パルプが機械的に剪断されてインク粒子が細分
化された後、オゾン処理工程12が施されるので、印刷
古紙に用いられたインクあるいはインクバインダが酸化
分解して古紙パルプからインクトナーが分離、除去され
る。この結果、インクの剥離・除去が十分に行える印刷
古紙脱墨方法の提供を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフィス等で発生
する印刷古紙のインクを剥離、除去する印刷古紙脱墨方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】地球規模での環境対策の一つとして古紙
リサイクルが注目されている。国内では新聞古紙の紙、
板紙への古紙利用率は約90%に達し、これ以上の利用
率向上は困難であるとされている。一方、昨今の急速な
OA化に伴い、印刷・情報用紙の需要は増大している
が、紙への古紙利用率は30%に満たない。印刷・情報
用紙の古紙利用率が伸び悩んでいるのは大きく分けて二
つの問題点がある。
【0003】一つは、オフィス古紙にはPPCや連続伝
票だけでなく着色したものも多く含まれ性状も安定しな
いため均一な性状の再生パルプを製造するのは非常に難
しい点である。
【0004】もう一つは、PPC等に印刷されたインク
トナーは、プリンタやコピー機の高速化に伴い、速乾性
と紙への粘着性とが向上し、脱墨(脱インク)工程にお
いて剥がしにくく、細分化しにくい等の特性を示すた
め、従来の脱墨工程ではインクを完全に剥離・除去する
ことが難しい点である。
【0005】これらの理由により、PPC等の上質古紙
は紙として再生利用されないことが多い。
【0006】そこで、上記技術的な問題点を解決するた
めに、非常に強い酸化力を有するオゾンを古紙パルプに
添加し、漂白効果のみならず、古紙に混入する着色成分
やインクトナーの樹脂バインダの酸化分解効果の確認
と、古紙脱墨工程に組み込むためのシステム検討を行う
必要がある。
【0007】図10は従来の印刷古紙脱墨方法の工程図
である。
【0008】オフィス等で発生する印刷古紙と水とをパ
ルプ離解装置(パルパー)で攪拌してパルプ状に離解し
(パラメータとしてのパルプ濃度5〜10%、離解工程
100)、得られた古紙パルプを遠心脱水機で脱水し
(パルプ濃度20〜30%、脱水工程101)、スクリ
ーニングを行い(ホッチキスやクリップ等の異物の除
去、スクリーニング工程102)、苛性ソーダや過酸化
水素等の薬剤を加えて古紙パルプの繊維からインクが剥
がれやすいように膨潤させる(薬剤混合工程103)。
古紙パルプを60〜100℃の温度で数時間(2時間)
保持し(アルカリソーキング工程104)、得られた古
紙パルプを過酸化水素あるいはFAS(フォルムアミジ
ンスルフィン酸)で漂白し(漂白工程105)、脱墨剤
を用いてフローテーションを行い(フローテーション工
程106)、水で洗浄することにより古紙パルプが得ら
れる(洗浄工程107)。
【0009】ここでフローテーション工程106は、例
えば水の入った容器内で脱墨剤と古紙パルプとを混合
し、容器の下から空気を供給して泡を発生させ、その泡
にインクを付着させて剥離する工程をいう。浮上したイ
ンクはすくい取り、残ったもの(古紙パルプ)が再利用
される(特開平7−189154号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の方法では、ある程度の白色度は得られるが、プリン
タや印刷機の高速化に伴うインクトナーの粘着性の向上
により、印刷・情報用紙へリサイクルする場合を考える
とインクの剥離・除去が十分であるとはいえないという
問題があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、印刷古紙のインクの剥離・除去が十分に行える印刷
古紙脱墨方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の印刷古紙脱墨方法は、オフィス等で発生する
印刷古紙のインクを剥離、除去する印刷古紙脱墨方法に
おいて、印刷古紙と水とをパルプ離解装置で攪拌してパ
ルプ状に離解し、得られた古紙パルプを脱水機で脱水
し、脱水した古紙パルプを攪拌混合器内でオゾン発生器
からのオゾンガスと撹拌混合し、撹拌混合された古紙パ
ルプのインクをミキサで分散させ、古紙パルプと脱墨剤
とをフローテータで混合してインクを除去し、得られた
古紙パルプを水で洗浄するものである。
【0013】上記構成に加え本発明の印刷古紙脱墨方法
は、攪拌混合器で古紙パルプとオゾンガスとを混合した
後、排気ガス分離器で古紙パルプと残留オゾンガスとを
分離し、得られた残留オゾンガスを除湿器で除湿し、除
湿した残留オゾンガスをオゾン分解装置で分解して得ら
れた酸素をオゾン発生器に戻して酸素のリサイクルを行
ってもよい。
【0014】上記構成に加え本発明の印刷古紙脱墨方法
は、攪拌混合器と排気ガス分離器とを複数台用いて複数
段の酸素のリサイクルを行ってもよい。
【0015】上記構成に加え本発明の印刷古紙脱墨方法
は、脱水機で脱水した後に、古紙パルプに残留したホッ
チキス針やクリップ等の異物をスクリーニングした後で
オゾンガスと撹拌混合を行ってもよい。
【0016】上記構成に加え本発明の印刷古紙脱墨方法
は、スクリーニングを行った後、古紙パルプをフラッフ
ィング工程でほぐした後でオゾンガスと撹拌混合を行っ
てもよい。
【0017】ここで、本発明の原理について説明する。
【0018】図6は本発明の原理を説明するための実験
系の概念図である。
【0019】本実験系は、オゾン原料としての酸素ガス
を収容した酸素ボンベ1と、酸素ボンベ1からの酸素を
原料としてオゾンガスを発生させるオゾン発生器2と、
オゾン発生器2からのオゾンガスの濃度を計測するオゾ
ン濃度計3と、脱墨すべき印刷古紙(OA古紙)4を収
容するポリエチレンバッグ5と、ポリエチレンバッグ5
内のオゾン濃度を計測するオゾン濃度計6と、オゾンガ
スを排気するポンプ7とで構成されている。
【0020】このような実験系を用いた印刷古紙の脱墨
方法について説明する。
【0021】(準備)ブレーキング(脱水過程でフロッ
ク化したパルプをほぐし、インクの分散効果を向上させ
るため図にはない撹拌装置で撹拌すること)後の古紙パ
ルプ4をポリエチレンバッグ5内に入れた後、密閉して
ポンプ7でポリエチレンバッグ5内の空気を排気する。
【0022】(オゾン処理)一定温度に保持した恒温水
槽(図示せず)に古紙パルプ4の入ったポリエチレンバ
ッグ5を浸し、古紙パルプ4の温度調節を行う。ポリエ
チレンバッグ5の排気側のラインLoを閉じた状態で、
ポリエチレンバッグ5の吸気側のラインLiを開けて酸
素ボンベ1から酸素をオゾン発生器2に供給し、オゾン
ガス濃度を調整した後、ポリエチレンバッグ5にオゾン
ガスを充填させる。オゾンガスの封入が終了した時点で
ポリエチレンバッグ5を密閉し、手動でポリエチレンバ
ッグ5を矢印8方向に振動させて撹拌する。
【0023】(後処理)ポリエチレンバッグ5の排気側
のラインLoを開け、ポンプ7で残留オゾンガスを排気
する。この残留オゾンガスの排気の際にオゾン消費量を
計測するためオゾン濃度計6でオゾンガス濃度を計測す
る。
【0024】オゾン処理の条件を以下に示す。
【0025】オゾン添加率は0.3〜0.5wt%(パ
ルプ絶乾重量)、パルプ濃度は30%、オゾン処理温度
は40℃、オゾンガス濃度は120g/Nm3 、オゾン
処理時間は60sec、オゾン処理時のpHは7であ
る。
【0026】(実験結果)図7は脱水後及びブレーキン
グ後の古紙パルプ上の残インクの占める面積率とインク
粒径との関係を示す図であり、横軸がインク粒径、縦軸
が面積率ARである。
【0027】同図より、脱水後の残インク面積は、イン
ク粒子径で100μmが最も多く200μmも存在して
いる。これに対してオゾン処理を試みたが粒子径の低減
効果は見られなかった。そこで、脱水後に古紙パルプ用
高濃度ミキサでブレーキング(撹拌)を施し、さらにオ
ゾン処理を行ったところ、インク粒子径と残インク面積
の低減効果が確認された。よって、オゾン処理の前処理
工程としてブレーキングによりインク粒子径を100μ
m以下にする必要がある。
【0028】図8はオゾン処理による白色度の改善効果
を示す図である。
【0029】オゾン処理を行わずに直接フローテーショ
ンを行った場合(F/T)の白色度は約5ポイント(ブ
ランク:74.6、フローテーションF/T:80.
7)上昇した。またオゾン処理を施した場合(O3 →F
/T)はブランクに比べて約9ポイント上昇した。オゾ
ン処理を付加したことによる白色度の向上は3〜4ポイ
ントであり、改善の効果が明らかになった。印刷・情報
用紙の品質目標は白色度80以上であるため有効と判断
できる。なお、O2 →F/Tは酸素処理を施した場合を
示す。
【0030】図9はオゾン処理とインクの分散の有無に
よる残インク粒子径と残カーボン面積との関係を示す図
である。同図において横軸はインク径を示し、縦軸は残
インクの占める面積率を示す。
【0031】オゾン処理を施さずにフローテーションの
みの場合は、残インク粒子径が20μm及び80μm付
近が多く見られる。オゾン処理を施した場合、例えばオ
ゾン添加率0.5wt%(パルプの絶乾重量に対して)
ではフローテーションのみでは残留していた50〜80
μmのインクが消滅している。また、オゾン添加率0.
3wt%の場合でも同様である。印刷・情報用紙に再生
利用することを考えた場合、肉眼で見て明らかに認識で
きるインク径は50μmであり、本試験条件ではオゾン
添加率0.3wt%以上であれば残インク径の目標値に
達することが示唆された。オゾン処理により残カーボン
粒子径が小さい側にシフトしていることが明らかに認め
られる。これは、オゾンがインクビヒクルに対して酸化
分解反応をし、インク粒子の細分化をもたらしたためと
考えられる。
【0032】この結果、(1) 分別された上質紙古紙の古
紙パルプに対して、オゾン処理効果と古紙パルプ用高濃
度ミキサによるインク分散効果とを組み合わせて印刷・
情報用紙に再生利用できる程度のパルプを製造できるこ
と、(2) オゾンによって低減できるインク粒子径は10
0μm前後でしきい値があることが予想される。従っ
て、機械的剪断力等を利用してインクを分散させる前処
理工程が必要であること、(3) 古紙原料に対しては、オ
ゾン添加率0.3〜0.5wt%(パルプ絶乾重量に対
して)において白色度(80から85)・残カーボン粒
子径(50μm以下)等の印刷・情報用紙の基本的なス
ペックを満たすこと、が分かった。
【0033】すなわち本発明によれば、印刷古紙が離解
工程で水と混合されてパルプ状にされ、脱水工程で脱水
されることにより、古紙パルプで機械的に剪断されて細
分化された後、オゾン処理工程が施されるので、印刷古
紙に用いられたインクあるいはインクバインダが酸化分
解して古紙パルプからインクトナーが分離、除去され
る。この結果、インクの剥離・除去が十分に行える印刷
古紙脱墨方法の提供を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0035】図1は本発明の印刷古紙脱墨方法の一実施
の形態を示す工程図である。
【0036】本印刷古紙脱墨方法は、オフィス等で発生
する印刷古紙と水とをパルプ離解装置(パルパー)で攪
拌してパルプ状にし(離解工程10)、得られた古紙パ
ルプを遠心脱水機で脱水し(脱水工程11)、脱水した
古紙パルプを撹拌混合器に収納してオゾン発生器からの
オゾンガスと古紙パルプとを混合してオゾン処理を施し
(オゾン処理工程12)、古紙パルプ用高濃度ミキサで
分散し(分散工程13)、フローテーターで古紙パルプ
と市販の脱墨剤とを混合させてインクの除去を行い(フ
ローテーション工程14)、古紙パルプを水で洗浄する
(洗浄工程15)方法である。得られた古紙パルプは製
紙工程に送られる。
【0037】本印刷古紙脱墨方法によれば、印刷古紙の
パルプにアルカリを用いずにオゾンを加えることによ
り、インクあるいはインクバインダを酸化分解して古紙
パルプからインクトナーが分離、除去される。また、残
ったインク粒子を目視では判別できない大きさまで細分
化できる。さらに、古紙パルプの白色度の向上を図るこ
とができる。
【0038】なお、オゾン処理を行う前に印刷古紙から
PPC印刷用紙を分別し、ホッチキス針等の異物を除去
する(スクリーニング)のが好ましい。印刷古紙を水で
パルプ化する際の条件は、パルプ濃度5.5%が好まし
い。遠心脱水機でのパルプ濃度は5〜10%が好まし
い。脱水過程でパルプをほぐし(フラッフィング)、イ
ンクの分散効果を高めるための撹拌装置は、インク分散
や薬剤混合に使用される古紙パルプ用高濃度ミキサを用
いるのが好ましい。
【0039】図2は本発明の印刷古紙脱墨方法の他の実
施の形態を示す工程図である。
【0040】図1に示した実施の形態との相違点は、脱
水工程とオゾン処理工程との間にスクリーニング工程と
フラッフィング工程を設けた点である。
【0041】スクリーニング工程16により200〜3
00μmφ以上の大きさのインクあるいはインクバイン
ダが除去される。フラッフィング工程17は、例えばお
から状態の古紙パルプ(パルプ濃度30〜40%)をほ
ぐす工程であり、前処理工程のことである。すなわち、
オゾン処理を施す前に古紙パルプにフラッフィング処理
が施される。
【0042】オゾン処理工程12におけるオゾンのパラ
メータはオゾンガス濃度100〜200g/Nm3 であ
り、オゾン添加率は0.05〜0.50wt%(パルプ
の絶乾重量)である。本印刷古紙脱墨方法におけるパラ
メータとしての白色度は80〜85であり、パルプ濃度
は30〜40%(従来は5〜10%)である。
【0043】本印刷古紙脱墨方法においても、図1に示
した工程と同様の効果が得られる。すなわち、古紙パル
プにオゾンを加えることにより、インクあるいはインク
バインダを酸化分解してパルプからインクトナーが分
離、除去しやすくなり、残留インク粒子も目視では判別
できない大きさまで細分化でき、白色度が向上する。
【0044】図3は本発明の印刷古紙脱墨方法を適用し
たインク細分化装置の一実施の形態を示すブロック図で
ある。
【0045】図1に示した実施の形態との相違点は、オ
ゾン処理における残留オゾンガスを分解して得られた酸
素をオゾン発生器に戻すことによる酸素のリサイクルを
行う点である。
【0046】本装置は、脱水後の古紙パルプをフラッフ
ィングする前処理器(フラッフィング装置)20と、古
紙パルプを貯留する貯留タンク21と、酸素発生器22
と、オゾン発生器23と、古紙パルプとオゾンガスとを
撹拌混合する攪拌混合器24と、残留オゾンガスと古紙
パルプとを分離する排気ガス分離器25と、古紙パルプ
を分散させる分散器26と、洗浄器29と、排気ガス分
離器で分離された残留オゾンガスを除湿する除湿器27
と、除湿された残留オゾンガスを酸素に分解してオゾン
発生器23に戻すオゾン分解器28とで構成されてい
る。洗浄器29で洗浄された古紙パルプは製紙工程へ送
られる。
【0047】排気ガス分離器25と、除湿器27と、オ
ゾン分解器28と、オゾン発生器23とで酸素リサイク
ルラインが形成されている。
【0048】この装置によれば、図1に示した実施の形
態と同様の効果が得られ、しかもオゾン処理における排
気オゾンガスが酸素に無害化されてオゾンガスの原料と
して再利用されるので効率的にオゾン処理が行える。
【0049】ここで、通常、バージンパルプを製造する
場合、木材から直接パルプを製造する工程と、パルプを
オゾンガスで漂白する漂白工程とがあるが、漂白工程に
おいて容器にオゾンガスを封入する際の圧力が数kg/
2 と高いので、オゾン処理容器が高圧容器でなくては
ならず、操作に慎重を要する。これに対して本発明はパ
ルプ濃度を30〜40wt%で実施するため、オゾンガ
スとパルプとを常圧で攪拌混合でき、オゾンガスをオゾ
ン処理容器(撹拌混合容器)内に供給する際の圧力をか
なり低くできる。本発明はパルプ濃度が高く(30〜4
0%)、パルプ中の水分が少ないのでオゾンガスの撹拌
混合容器への供給が容易である。
【0050】図4は本発明の印刷古紙脱墨方法を適用し
たインク細分化装置の他の実施の形態を示すブロック図
である。
【0051】図3に示した実施の形態との相違点は、攪
拌混合器24a、24b及び排気ガス分離器25a、2
5bをそれぞれ2台使用することにより、酸素リサイク
ルラインを2段にした点である。
【0052】本装置は、貯留タンク21と、オゾンガス
と古紙パルプとを攪拌混合する第1の攪拌混合器24a
と、第1の攪拌混合器24aからの排気オゾンガスと古
紙パルプとを分離する第1の排気ガス分離器25aと、
第1の排気ガス分離器25aからの古紙パルプとオゾン
ガスとを攪拌混合する第2の攪拌混合器24bと、第2
の攪拌混合器24bからの排気オゾンガスと古紙パルプ
とを分離する第2の排気ガス分離器25bと、第2の排
気ガス分離器25bからの古紙パルプを分散する分散器
26と、洗浄器29と、酸素発生器22と、オゾン発生
器23と、第1及び第2の排気ガス分離器25a、25
bからの排気オゾンガスを除湿する除湿器27と、除湿
された排気オゾンガスを分解して得られた酸素を酸素発
生器22に供給するオゾン分解器28とで構成されてい
る。洗浄器29で洗浄された古紙パルプは製紙工程へ送
られる。
【0053】排気ガス分離器25a、25bと、除湿器
27と、オゾン分解器28と、オゾン発生器23とで2
段の酸素リサイクルラインが形成されている。
【0054】この装置によれば、図1に示した実施の形
態と同様の効果が得られ、しかもオゾン処理における排
気オゾンガスが酸素に無害化されてオゾンガスの原料と
して再利用されるのでより効率的にオゾン処理が行え
る。
【0055】図5は本発明の印刷古紙脱墨方法を適用し
たインク細分化装置の他の実施の形態を示すブロック図
である。
【0056】図3に示した実施の形態との相違点は、攪
拌混合器を3台使用することにより、酸素リサイクルラ
インを3段にした点である。
【0057】本装置は、貯留タンク21と、第1の攪拌
混合器24aと、第1の攪拌混合器24aからの排気オ
ゾンガスと古紙パルプとを分離する第1の排気ガス分離
器25aと、第1の排気ガス分離器25aからの古紙パ
ルプとオゾンガスとを攪拌混合する第2の攪拌混合器2
4bと、第2の攪拌混合器24bからの排気オゾンガス
と古紙パルプとを分離する第2の排気ガス分離器25b
と、第2の排気ガス分離器25bからの古紙パルプとオ
ゾンガスとを攪拌混合する第3の攪拌混合器24cと、
第3の攪拌混合器24cからの排気オゾンガスと古紙パ
ルプとを分離する第3の排気ガス分離器25cと、第3
の排気ガス分離器25cからの古紙パルプを分散する分
散器26と、洗浄器29と、酸素発生器22と、オゾン
発生器23と、第1、第2及び第3の排気ガス分離器2
5a〜25cからの排気オゾンガスを除湿する除湿器2
7と、除湿された排気オゾンガスを分解して得られた酸
素を酸素発生器22に供給するオゾン分解器28とで構
成されている。洗浄器29で洗浄された古紙パルプは製
紙工程へ送られる。
【0058】排気ガス分離器25a〜25cと、除湿器
27と、オゾン分解器28と、酸素発生器22と、オゾ
ン発生器23とで3段の酸素リサイクルラインが形成さ
れている。
【0059】この装置によれば、図1に示した実施の形
態と同様の効果が得られ、しかもオゾン処理における排
気オゾンガスが酸素に無害化されてオゾンガスの原料と
して再利用されるので効率的にオゾン処理が行える。
【0060】
【実施例】(実施例)試験紙(アメリカ合衆国基準TA
PPIに基づいて作成された手すきの15cm角シー
ト、古紙パルプ100g)にオゾン処理を施した場合で
あり、結果を表1に示した。
【0061】(比較例1)試験紙がブランクの場合(オ
ゾン処理及び酸素処理を施さない場合)であり、結果を
表1に示した。
【0062】(比較例2)試験紙に酸素処理のみ施した
場合であり、結果を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】表1においてパルパー出口とは、印刷古紙
を水で溶かしてパルプ状態にした古紙パルプの計測値を
示し、F/T出口とは、フローテータ出口のことであ
り、古紙パルプにフローテーション処理を施した後の計
測値を示す。坪量とは1m2 当たりの試験紙の重さであ
る。比引張り強さとは引張り強さを坪量で割った値であ
る。裂断長とは試験紙が自重で切れるときの長さの値で
ある。
【0065】表1より試験紙にオゾン処理を施すことに
より、坪量、引張り強さ、比引張り強さ及び裂断長にお
いて実施例が優れていることが分かる。
【0066】ここで、従来例と本発明との差について述
べる。
【0067】(1) OA用の上質古紙を再生して上質古紙
に戻すのは困難である。これはインク粒子の径が50μ
m以下に細分化できないためである。最近のプリンタの
高速化に伴いインクトナーに対して速い乾燥速度が要求
されている。また、OA古紙に「100.0」や「i」
を印刷した場合、「100.0」なのか「1000」な
のか、「i」なのか「1」なのかを判別できることが要
求される。
【0068】従来のアルカリ系の薬剤(苛性ソーダ等)
では、インク粒子の分解を行うこともバインダをインク
粒子から剥離することもできない。そのためインク粒子
とバインダとが結合したままになってしまい、上述した
ような文字数字の判別が困難となる。
【0069】これに対して本発明のようにオゾンを用い
ることにより、インク粒子の分解はできないもののバイ
ンダをインク粒子から剥離することができる。その結
果、OA古紙に上述したような文字数字を印刷した場合
の判別が可能となる。
【0070】(2) 前処理を行うことによりインク粒子の
径を100μm前後になる。これはインク粒子の径が2
00μm以上では細分化が困難であり、インク粒子径が
150μm以下の場合に有効なためである。従って前処
理を行うことによりインク粒子の細分化が効率的にな
る。
【0071】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0072】印刷古紙のインクの剥離・除去が十分に行
える印刷古紙脱墨方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷古紙脱墨方法の一実施の形態を示
す工程図である。
【図2】本発明の印刷古紙脱墨方法の他の実施の形態を
示す工程図である。
【図3】本発明の印刷古紙脱墨方法を適用したインク細
分化装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の印刷古紙脱墨方法を適用したインク細
分化装置の他の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明の印刷古紙脱墨方法を適用したインク細
分化装置の他の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の原理を説明するための実験系の概念図
である。
【図7】脱水後及びブレーキング後の古紙パルプ上の残
インクの占める面積率とインク粒径との関係を示す図で
ある。
【図8】オゾン処理による白色度の改善効果を示す図で
ある。
【図9】オゾン処理とインクの分散の有無による残イン
ク粒子径と残カーボン面積との関係を示す図である。
【図10】従来の印刷古紙脱墨方法の工程図である。
【符号の説明】
10 離解工程 11 脱水工程 12 オゾン処理工程 13 分散工程 14 フローテーション工程 15 洗浄工程

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オフィス等で発生する印刷古紙のインク
    を剥離、除去する印刷古紙脱墨方法において、上記印刷
    古紙と水とをパルプ離解装置で攪拌してパルプ状に離解
    し、得られた古紙パルプを脱水機で脱水し、脱水した古
    紙パルプを攪拌混合器内でオゾン発生器からのオゾンガ
    スと撹拌混合し、撹拌混合された古紙パルプのインクを
    ミキサで分散させ、古紙パルプと脱墨剤とをフローテー
    タで混合してインクを除去し、得られた古紙パルプを水
    で洗浄することを特徴とする印刷古紙脱墨方法。
  2. 【請求項2】 上記攪拌混合器で古紙パルプとオゾンガ
    スとを混合した後、排気ガス分離器で古紙パルプと残留
    オゾンガスとを分離し、得られた残留オゾンガスを除湿
    器で除湿し、除湿した残留オゾンガスをオゾン分解装置
    で分解して得られた酸素を上記オゾン発生器に戻して酸
    素のリサイクルを行う請求項1に記載の印刷古紙脱墨方
    法。
  3. 【請求項3】 上記攪拌混合器と上記排気ガス分離器と
    を複数台用いて複数段の酸素のリサイクルを行う請求項
    2に記載の印刷古紙脱墨方法。
  4. 【請求項4】 上記脱水機で脱水した後に、古紙パルプ
    に残留したホッチキス針やクリップ等の異物をスクリー
    ニングした後でオゾンガスと撹拌混合を行う請求項1ま
    たは2に記載の印刷古紙脱墨方法。
  5. 【請求項5】 上記スクリーニングを行った後、古紙パ
    ルプをフラッフィング工程でほぐした後でオゾンガスと
    撹拌混合を行う請求項3に記載の印刷古紙脱墨方法。
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