JPH0648608A - 印刷機における印刷製品の搬送の監視法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 変化する条件のもとで、印刷物の前縁および
後縁の位置の上側および下側限界値を連続的に適合調整
できる印刷物の搬送の監視法を提供する。 【構成】 第１ステップにおいて、所定数の印刷物１に
対して、印刷物の前縁と後縁に対する監視領域と、印刷
物の存在しない領域１４と、印刷物領域とを形成し、第
２ステップにおいて、全部の以後の印刷物１に対して前
縁と後縁の実際位置を求め、これらの側縁がないし印刷
物１が所定の監視領域内に存在するか否かを検査する。
さらに側縁に対する位置の値の分散を監視し、搬送速度
の変化が所定の値を上回わる時は、前記の方法ステップ
を反復して実施する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、個々に相次いで搬送さ
れる印刷製品を架に固定された走査検出装置と制御装置
を用いて、これらの印刷物が所定の時点に所定の個所に
存在するか否か、および印刷物の長さがならびに印刷物
と印刷物との間隔が所定の目標値から偏差するか否かを
検査する形式の、印刷物の搬送を監視する方法に関す
る。この方法は、例えば印刷機における枚葉紙のような
単層の印刷物の監視のためにも、例えば折りたたみ機の
出力装置における折りたたみ製品のような多層の印刷物
の監視のためにも、適用可能である。

【０００２】

【従来技術】ドイツ連邦共和国特許第３７３０６８３Ａ
１号公報に、対象をその長さにわたり走査検出し、この
走査検出の際に得られた値を限界値と比較する形式の、
対象の監視法が示されている。対象は搬送路に沿って走
査検出装置を通過して案内され、この際に対象の長さに
わたる複数個の測定値が求められる。限界値を上回わる
かまたは下回わると、制御装置において信号が発生され
る。この限界値は、基準対象をその長さにわたり走査検
出することにより得られた値に依存して変化される。そ
の結果、実際に対象のその全長にわたる各々の点へ、こ
の点に期待されるべき信号に正確に適合調整された限界
値が、配属される。この解決手段の欠点は、限界値が１
回設定されてしまうと以降の変化が設けられないことで
ある、即ち進行中の、作業条件への適合調整が行なわれ
ない点にある、例えば搬送速度への限界値の適合調整が
行なわれない点にある。

【０００３】さらにこの方法では、対象のほとんどすべ
ての点が、限界値を上回わるか下回わるかに関して監視
される。このことは制御装置における著しく高い費用の
原因となる。この際に考慮すべきことは、走査検出装置
からの信号をエラーなく処理できる位に、搬送速度を高
く設定してよいことである。限界値を正確に基準対象か
ら導出することにより、この方法は融通性がない。何故
ならばこれらの限界値−これらは記憶される−は、対象
が平均してこの基準状態に相応する場合の追従命令に対
してしか用いられないからである。しかしこのことは実
際はまれにしか生じない。

【０００４】さらにこの方法は、監視されるべき対象そ
のものだけを考慮し、搬送全体−対象が走査検出装置に
より検出されない領域を含めて−の監視は考慮しない。

【０００５】周期的に反復される生産工程の監視法が、
ドイツ連邦共和国特許出願公開公報第２６４３７５９Ａ
１号公報に示されている。この方法の場合は、外部で求
められたまたは前もって与えられた目標値を用いること
を基本とする。この方法によれば、正常に進行する生産
シーケンスの間中にデータが記憶されて、実際に近似す
る目標値として後続サイクルの際に用いられる。その都
度の実際値をこれらの目標値と比較することにより、許
容偏差を上回わると信号が送出される。この信号は例え
ば機械の停止を、即座にまたは遅延の下に段階的に開始
できる。この方法の場合、目標値は、実際の生産シーケ
ンスに相応するデータから直接得られるものであり、１
回の基準サイクルのデータだけからは得られるものでは
ない。しかしまだ欠点がある。即ち目標値は、これが使
用可能な即ち実際に近いものとしてひとたび記憶されて
しまうと、条件−この条件の下で周期的にくり返される
生産工程が進行する−が変化した時に、目標値が以後は
変化されない点にある。

【０００６】さらに解決手段がある（ドイツ連邦共和国
特許第３６１３９６９Ｃ２号公報、第３８３６３１０Ａ
１号公報、第３７２０２７２Ａ１号公報、第３４１１７
４２Ａ１号公報、実用新案登録第７７００３４０号公
報、日本国特許第１−３０６２４７号）。これらの公報
においては、印刷機内部で、枚葉紙の存在のまたは長さ
および位置の監視の目的で、その都度に前縁または後縁
を検出する１つまたは複数個の走査検出装置が設けられ
ている。制御装置において、走査検出装置から発生され
た側縁信号が枚葉紙搬送装置からの位置信号と共に処理
される。位置信号は例えばインクリメント式角度発信器
により得られる。この種の枚葉紙監視装置の校正の目的
で、次の方法も提案されている。即ち比較的多くの枚数
の枚葉紙に対する走査検出装置の位置を、工程に近似す
る条件の下で検出し、次に平均化して目標位置として固
定する方法が提案されている。この方法および枚葉紙監
視装置の場合も側縁信号が、その時間的な発生に関し
て、目標値と比較される。この目標値は監視プロセスの
間中は、変化してゆく方法条件へ適合化はされない。

【０００７】

【発明の解決すべき問題点】本発明の課題は、常に変化
する方法条件へ、前縁および後縁の位置に対する上側お
よび下側限界値を連続的に適合調整できる構成の、印刷
物の搬送の監視法を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この課題は次のようにし
て解決されている。即ち第１ステップにおいて、印刷物
の通過案内される走査検出装置を用いて、および印刷物
を搬送する装置の位置を検出する位置測定装置を用い
て、前縁と後縁のための監視領域と、印刷物の存在しな
い領域と、印刷物の領域とを形成し、これらの領域を、
所定数の印刷物の前縁と後縁に対する位置測定値から求
めた平均値が所定の許容範囲内に存在する時に、はじめ
て定めることにより、解決されている。

【０００９】本発明の構成によれば、監視領域の形成の
目的で、制御装置の中に記憶されている、時間的に先行
して設けられた所定数の印刷物の搬送からの値が用いら
れる。このことはある程度の時間の節約になる。

【００１０】本発明の方法により第２ステップにおい
て、全部の以後の印刷物に対して側縁の実際位置を求め
て、次の状態を検査する。即ちその都度の側縁が相応の
側縁に対する所定の監視領域内にあるか、印刷物が印刷
物領域の中に存在するか、印刷物非存在領域の中に印刷
物が本当に存在しないかが検査される。この検査に対し
て否定の応答が出ると、機械の迅速な停止が開始され
る。さらに本発明の方法においては、側縁に対する位置
の値の分散が求められて限界値と比較される。この限界
値を上回わると、警報信号が発生される。さらに本発明
の方法は、搬送速度の変化が所定の値を上回わると、前
記の方法ステップが反復される。

【００１１】本発明は印刷物の搬送を、障害なく動作す
るように監視できる。障害発生時には、例えば停滞の発
生または印刷物が走行路から外れた場合は、信号が障害
表示のためにおよび障害除去のために発生される。側縁
の位置の値の分散も評価されることにより、障害が既に
その発生の初期の段階において検出して警報信号として
表示される。搬送の監視は、著しく低い搬送速度の場合
も最大の搬送速度の場合も、可能である。このことは監
視が次のように自己学習をすることにより達せられる。
即ち監視時間の設定と監視の作動をこの方法そのものに
より引き受けることにより、行なう。監視は、変化する
搬送条件へ例えば搬送速度の変化または印刷結果の寸法
の変化へ自動的に設定される。同種の印刷物の列の搬送
中は、監視作用が常にそのものを最適化する。

【００１２】

【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。

【００１３】図１に、折りたたみ装置における折りたた
み製品の搬送を用いて、本発明の方法を実施できる監視
装置が示されている。この実施例によれば、折りたたみ
製品はシリンダ２から搬送ベルト３，４，５と６によ
り、架に固定された走査検出装置７の前方を通過して案
内される。シリンダ２は歯車伝動装置８を介してモータ
９により回転駆動される。搬送ベルト３，４，５および
６の駆動部は、駆動ベルト１０を介して歯車伝動装置８
と結合されている。走査検出装置７とインクリメント式
角度発信器１１は制御装置１２の入力側と接続されてい
る。制御装置１２はモータ９の制御のための出力側と、
表示装置１３と接続されているもう１つの出力側を有す
る。

【００１４】この監視装置によりこの方法が次のように
実施される：第１ステップにおいて、制御装置１２にお
いて監視領域が形成されて記憶される。このことは図２
に示されている。

【００１５】図２に示されているように、折りたたみ製
品１の１監視サイクルのための監視領域列は、折りたた
み製品１の現われてはならない領域１４と、前縁１６が
存在してよい領域１５と、折りたたみ製品１が存在すべ
き領域１７と、折りたたみ製品１の後縁１９が存在して
よい領域１８から形成されている。

【００１６】図３のシーケンス図に、折りたたみ製品１
の本来の監視の作動に至るまでの方法シーケンスが示さ
れている。監視領域の形成のために、図３に示されてい
る様に、１列の折りたたみ製品１に対して走査検出装置
と角度発信器１１を用いて、前縁１６と後縁１９の位置
が求められて記憶される。次に位置平均値が算出され
て、次のことが検査される。即ち前縁１６と後縁１９に
対する個々の位置測定値が、位置平均値を中心とする所
定の許容幅の中に存在するか否かが検査される。この位
置測定値が許容範囲の外側にある時は、または１監視サ
イクルにおいて側縁が走査検出装置７により検査されな
かった時は、制御装置１２の内部で側縁計数器がリセッ
トされて、前記の演算が以後の所定数の折りたたみ製品
１に対して繰り返される。この所定数の折りたたみ製品
１に対して、位置測定値が許容範囲内に存在する時は、
制御装置１２の内部で前述の監視領域が形成されて、折
りたたみ製品１の連続的な監視が作動される。

【００１７】図４のシーケンス図に示されている様に、
走査検出装置７の前方を通過する全部の折りたたみ製品
１が次の目的で検査される。即ち折りたたみ製品１が領
域１４の中には存在しないか、これが領域１７に中に存
在するか、前縁１６と後縁１９に対する位置測定値が領
域１５と１８の内部に存在するかが検査される。この検
査は、制御装置１２の中へ集積化されている計算器を用
いて、行なわれる。この検査が否定の応答を出した時
は、制御装置１２から信号が表示装置１３へ送出され、
さらに調整信号がモータ９へ与えられる。モータ９は折
りたたみ装置全体の迅速な停止を作動させる。検査が肯
定の応答を出すと、前縁１６と後縁１９のために記憶さ
れている位置測定値から連続的に位置平均値が算出され
る。位置平均値が搬送条件の変化により、例えば搬送速
度、折りたたみ製品１の質量または表面特性の変化によ
り所定値だけ偏差すると、監視領域の新たな設定が上述
のように行なわれる。位置平均値の算出のほかに、複数
個の位置測定値が分散の算出により統計的に評価され
る。その結果、分散が大きすぎる場合は、制御装置１２
により警報信号が表示装置１３を介して送出される。複
数個の列において同時に相並んで搬送される複数個の折
りたたみ製品１の搬送を監視すべき時は、各々の列に対
して１つの別の走査検出装置７を設けることができる。
この複数トラックの搬送に対する監視法は、上述のよう
に行なわれる。幅の広い折りたたみ製品１の側縁へ配向
されている２つの走査検出装置により、折りたたみ製品
１を付加的にその斜め位置に関して監視することも可能
であり、さらに上述の方法ステップも適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】監視装置の長手方向の図である。

【図２】監視領域の説明図である。

【図３】監視装置の作動化するためのシーケンス図であ
る。

【図４】進行中の監視を実施するためにシーケンス図で
ある。

【符号の説明】

１ 折りたたみ製品 ２ シリンダ ３，４，５，６ 搬送ベルト ７ 走査検出装置 ８ 歯車伝動装置 ９ モータ １０ 駆動ベルト １１ 角度発信器 １２ 制御装置 １３ 表示装置 １４，１５，１７，１８ 領域 １６ 前縁 １９ 後縁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷機における印刷製品の搬送を監視す
   る方法であって、該方法においては、 同種の印刷製品を搬送装置により個々に相次いで、架に
   固定された少なくとも１つの、印刷製品の前縁および後
   縁用の走査検出装置の前方を通過して案内し、 印刷機の固定個所に対する搬送装置の位置を、位置検出
   装置により連続的に求め、 走査検出装置と位置測定装置の信号を、計算器を含む制
   御装置へ導びき、 該制御装置において、走査装置と位置測定装置の信号か
   ら、目標位置に対する印刷製品の位置を連続的に求め、 印刷製品の目標位置からの実際位置の偏差から、制御装
   置において、搬送障害の表示のおよび除去のための信号
   を形成し、さらに障害信号を形成するために、 所定数の印刷製品にわたる測定の平均値からの印刷製品
   の位置を用いる形式の、印刷製品の搬送の監視法におい
   て、 第１ステップにおいて、制御装置において印刷製品の前
   縁と後縁に対する監視領域と、印刷物の存在しない領域
   と、印刷物領域とを次のように形成し、即ちまず最初に
   所定数の印刷物に対して前縁の位置と後縁の位置を求め
   て制御装置の中に記憶し、さらに前縁と後縁に対する位
   置測定値から求めた平均値を、この平均値が所定の許容
   範囲を上回わるか否かに関して検査し、該許容範囲を上
   回わりかつ搬送装置の、所定値だけの前進運動の後に走
   査検出装置から信号が発生されない時は、新たに以後の
   所定数の印刷製品に対して前縁と後縁の位置を求めて制
   御装置の中に記憶し、これらの動作を平均値が前記の許
   容範囲内に存在するようになるまで実施し、次に前記の
   領域に対する走査検出装置の信号が存在を許容される監
   視領域を定め、 第２ステップにおいて、全部の以後の印刷製品に対して
   側縁の実際位置を求めて、その都度の側縁が相応の側縁
   に対する所定の監視領域内に存在するか否かを検査し、
   さらに印刷製品が印刷製品領域の中に存在するか否かを
   検査し、さらに印刷製品が印刷製品非存在領域の中に実
   際に存在しないか否かを検査し、検査の結果が否定の応
   答の際は、印刷機の迅速な停止を始動し、 側縁に対する位置の値の分散を求めて限界値と比較し、
   該限界値を上回わると警報信号を発生し、 搬送速度の変化が所定の値を上回わる時は、前記の方法
   ステップを反復して実施することを特徴とする印刷製品
   の搬送の監視法。
2. 【請求項２】 監視領域を形成するために、制御装置の
   中に記憶されている、時間的に先行して設けられる所定
   の寸法の印刷製品の搬送から求めた値を用いる請求項１
   記載の方法。