JPH0648192Y2 - 湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置 - Google Patents

湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置

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JPH0648192Y2
JPH0648192Y2 JP1987156491U JP15649187U JPH0648192Y2 JP H0648192 Y2 JPH0648192 Y2 JP H0648192Y2 JP 1987156491 U JP1987156491 U JP 1987156491U JP 15649187 U JP15649187 U JP 15649187U JP H0648192 Y2 JPH0648192 Y2 JP H0648192Y2
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hydraulic pressure
pressure
oil
clutch
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雅夫 嶋本
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置、特
に湿式発進クラッチへの潤滑油量を自動調整するための
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、自動変速機の一種である無段変速機において、発
進クラッチとして湿式クラッチを使用したものがある
(特開昭61-193936号公報)。
この種の湿式発進クラッチ付自動変速機の場合、発進前
や発進途中では発進クラッチが僅かにあるいはある程度
締結した半クラッチ状態にあり、クラッチディスク同士
が滑っているので、発熱しやすい。したがって、このよ
うな半クラッチ状態では出来るだけ発進クラッチへの潤
滑油量を増やす必要がある。
〔考案が解決しようとする課題〕
そこで、特開昭58-102827号公報のように、クラッチ圧
によって切り換わる流量調整弁によってクラッチへの潤
滑油量を調整するようにしたものがある。この場合に
は、クラッチの遮断時および締結時には潤滑油量を零も
しくは僅少とし、半クラッチ時には多量の潤滑油をクラ
ッチへ供給できる。
しかし、この場合には、流量調整弁がクラッチ圧を供給
する作動油路から分岐した油路中に設けられているの
で、潤滑時(半クラッチ時)にクラッチ圧が低下する恐
れがあり、最も微妙な制御が必要な半クラッチ時の油圧
制御に悪影響を及ぼすという欠点がある。
本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的
は、簡素な構成で、必要時のみ発進クラッチへの潤滑油
量を増やし、発進クラッチの耐久性向上を実現できる湿
式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置を提供すること
にある。
また、他の目的は、潤滑時にクラッチ圧が低下するのを
防止できる湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案にかかる湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装
置は、オイルポンプの吐出圧を所定の油圧に調圧する調
圧弁の潤滑油供給ポートと発進クラッチの潤滑部位との
間を結ぶ潤滑油路中に、この油路を開閉する潤滑開閉弁
と、この潤滑開閉弁と並列にオリフィスとを設ける一
方、高速比域と低速比域とで異なる油圧を潤滑開閉弁へ
信号油圧として供給する油圧発生手段を設け、上記潤滑
開閉弁は油圧発生手段から低速比域の油圧が導かれた時
に潤滑油路を開き、高速比域に比べて多量の潤滑油を発
進クラッチの潤滑部位に導くように構成したものであ
る。
〔作用〕
発進前や発進途中においては変速比が必ず低速比域にあ
るので、油圧発生手段から低速比域の油圧が導かれた潤
滑開閉弁は潤滑油路を開き、オリフィスと並行して潤滑
油を発進クラッチに導く。したがって、多量の潤滑油が
発進クラッチに供給され、発熱を未然に防止できる。ま
た、走行状態に移行して高速比域へ到達すれば、潤滑開
閉弁は潤滑油路を閉じ、オリフィスのみを介して潤滑油
を発進クラッチに導く。つまり、高速比走行時には発進
クラッチは締結状態にあり、殆ど潤滑する必要がないの
で、オリフィスを介して微量ずつ潤滑油を発進クラッチ
に供給し、潤滑油の粘性による駆動損失を低減するとと
もに、潤滑油の無駄を軽減できる。
〔実施例〕
第1図は本考案にかかる自動変速機の一例であるVベル
ト式無段変速機の概略構成を示す。
図面において、エンジン1のクランク軸2はフライホイ
ール3およびダンパ機構4を介して入力軸5に接続され
ている。入力軸5上には直結クラッチ6と、回転自在な
直結駆動ギヤ7とが設けられており、直結クラッチ6は
直結駆動時に直結駆動ギヤ7を入力軸5に対して連結す
る。入力軸5の端部には外歯ギヤ8が固定されており、
この外歯ギヤ8は無段変速装置10の駆動軸11に固定され
た内歯ギヤ9と噛み合い、入力軸5の動力を減速して駆
動軸11に伝達している。
無段変速装置10は駆動軸11に設けた駆動側プーリ12と、
従動軸13に設けた従動側プーリ14と、両プーリ間に巻き
掛けたVベルト15とで構成されている。駆動側プーリ12
は固定シーブ12aと可動シーブ12bとを有しており、可動
シーブ12bの背後には変速比を制御するための変速比制
御用油室16が設けられている。一方、従動側プーリ14も
駆動側プーリ12と同様に、固定シーブ14aと可動シーブ1
4bとを有しており、可動シーブ14bの背後にはトルク伝
達に必要な負荷推力をVベルト15に与える負荷推力制御
用油室17が設けられている。上記変速比制御用油室16お
よび負荷推力制御用油室17の油圧は、後述する油圧制御
装置により制御される。
従動軸13の外周には中空軸19が回転自在に支持されてお
り、従動軸13と中空軸19とは発進クラッチ20によって断
続される。この発進クラッチ20はベルト駆動時に締結あ
るいは緩係合され、直結駆動時には遮断される。前進用
ギヤ21は従動軸13上に、後進用ギヤ22は中空軸19上にそ
れぞれ回転自在に支持されており、前後進切換用ドッグ
クラッチ23によって前進用ギヤ21又は後進用ギヤ22のい
ずれか一方を中空軸19と連結するようになっている。後
進用アイドラ軸24には後進用ギヤ22に噛み合う後進用ア
イドラギヤ25と、別の後進用アイドラギヤ26とが固定さ
れている。また、減速軸27には上記直結駆動ギヤ7と前
進用ギヤ21と後進用アイドラギヤ26とに同時に噛み合う
減速ギヤ28と、終減速ギヤ29とが固定されており、終減
速ギヤ29はディファレンシャル装置30のリングギヤ31に
噛み合い、動力を出力軸32に伝達している。
上記直結機構付無段変速機において、入力軸5、直結ク
ラッチ6、直結駆動ギヤ7、減速ギヤ28、終減速ギヤ2
9、ディファレンシャル装置30、出力軸32は直結駆動経
路を構成し、入力軸5、外歯ギヤ8、内歯ギヤ9、無段
変速装置10、発進クラッチ20、前進用ギヤ21、減速ギヤ
28、終減速ギヤ29、ディファレンシャル装置30、出力軸
32は無段変速経路(前進時)を構成している。そして、
直結駆動経路における入力軸5と出力軸32間の直結伝達
比iDは、無段変速経路における入力軸5と出力軸32間の
最高速比iminの近傍に設定されている。
第2図は油圧制御装置を示し、大略、第1調圧弁100
マニュアル弁110、第2調圧弁120、直結制御弁130、三
方弁140、前後進切換ピストン150、クラッチ制御弁16
0、潤滑開閉弁180、変速比制御弁190、コーストダウン
制御弁200、負荷推力制御弁210、コントローラ300、変
速比制御用電磁弁(油圧発生手段)301、負荷推力制御
用電磁弁302、直結制御用電磁弁303で構成されている。
オイルポンプ33は油溜34から吸い上げた油を第1調圧弁
100の右端ポート101と中間ポート102に吐出しており、
右端ポート101の油圧によりスプール103はスプリング10
4に抗して左方へ移動し、スプール103のランド103aが図
面で示す位置に達すると中間ポート102とドレンポート1
05とが連通し、油はオイルポンプ33の吸い込み側へ戻さ
れる。したがって、スプール103はこの位置で釣り合
い、オイルポンプ33の吐出油圧は所定のライン圧PLに調
圧される。なお、中間ポート102の対応位置に設けたポ
ート107とポート108は潤滑油供給ポートであり、潤滑油
はオリフィスを有する潤滑ポート107を介して常時供給
され、エンジン高回転時にはオリフィスを有しない潤滑
ポート108も開いて多量の潤滑油が供給される。上記ス
プリング104を収容した背圧室109には後述する負荷推力
制御弁210から負荷推力制御油圧P8が導かれ、ライン圧P
Lを負荷推力制御油圧P8とスプリング104の荷重との和に
釣り合った油圧に調圧している。したがって、負荷推力
制御油圧P8が上昇するとライン圧PLも上昇し、これに伴
って負荷推力制御油圧P8は相乗的に上昇し、低速比への
変速を迅速化できる。
マニュアル弁110は、シフトレバーと連動してP,R,N,D,L
の各位置に作動されるスプール111を有しており、この
スプール111により入力ポート112から2個の出力ポート
113,114へ油路を選択的に切り換えるようになってい
る。例えばDレンジにおいては図示するようにポート11
3からライン圧が出力され、ポート114はドレンされる。
LレンジはDレンジと同様であり、Rレンジではポート
113がドレンされ、ポート114からライン圧が出力され
る。さらに、Pレンジではランド111aによって入力ポー
ト112が閉じられ、Nレンジでは入力ポート112と出力ポ
ート113,114の間がランド111a,111bによって遮断される
ので、いずれの出力ポートもドレンされる。
第2調圧弁120のスプール121はスプリング122により左
方へ付勢されており、スプール121は第1調圧弁100から
ライン圧が入力された入力ポート123とドレンポート124
とを選択的に開閉し、出力ポート125より油圧P0を出力
している。出力油圧P0はスプール121の内部に設けた連
通孔121aを介して左端室126にフィードバックされてお
り、これにより出力油圧P0はスプリング荷重のみに釣り
合った一定圧に調圧される。上記出力油圧P0は3個の電
磁弁301,302,303に入力されている。
直結制御弁130は直結クラッチ6を制御するための弁で
あり、スプリング132にて左方へ付勢されたスプール131
を有している。直結駆動時(図面下半分に示す)には、
上記スプリング荷重と、左端室133に導かれる直結制御
用電磁弁303の信号油圧P3とが対向して、スプール131は
マニュアル弁110からライン圧が入力される入力ポート1
34とドレンポート135とを選択的に開閉し、出力ポート1
36より油圧P5を直結クラッチ6と後述するクラッチ制御
弁160のポート162とに出力している。出力油圧P5はスプ
ール131の内部に設けた連通孔131aを介してスプリング1
32を配置した右端室137にフィードバックされており、
これにより出力油圧P5とスプリング荷重との和と、信号
油圧P3とが釣り合う。なお、上記入力ポート134にはマ
ニュアル弁110の出力ポート113から前進時(D,L)のみ
ライン圧PLが入力されるので、その他のレンジ、特にR
レンジにおいては信号油圧P3に関係なく出力油圧P5は零
となり、直結駆動にはならない。ベルト駆動時(図面上
半分に示す)には、ポート138にクラッチ制御弁160の出
力油圧P4が入力されるので、スプール131は強制的に左
端位置に移動せしめられ、直結制御用電磁弁203の作動
に関係なく直結クラッチ6の油圧P5はドレンされる。
なお、直結制御弁130は、万一Vベルト15が破損して通
常の発進が不可能となった場合に、直結制御用電磁弁30
3をヂューティ制御することにより、直結クラッチ6へ
の油圧P5を緩やかに立ち上げ、直結駆動経路を介して緊
急発進を行うことが可能である。
三方弁140は、マニュアル弁110の出力ポート113から直
結制御弁130の入力ポート134を介して前進時のライン圧
PLが導かれる入力ポート141と、マニュアル弁110の出力
ポート114から後述する潤滑開閉弁180を介して後退時の
ライン圧PLが導かれる入力ポート142と、クラッチ制御
弁160の入力ポート163に油圧を出力する出力ポート143
とを有し、上記入力ポート141,142に選択的に入力され
る油圧によりボール144が反転動作し、油圧を選択的に
出力する。
前後進切換ピストン150は左右の油室151,152に作用する
油圧によって移動しうるピストン部材153を有し、この
ピストン部材153には前後進切換用ドッグクラッチ23を
作動させるフォークシャフト154が連結されている。フ
ォークシャフト154はスプリング155によって常に前進位
置(F)方向へ付勢されている。上記右室152にマニュ
アル弁110の出力ポート113から直結制御弁130の入力ポ
ート134を介して前進時にライン圧PLが導かれた時には
図面上半分に示す状態となり、左室151にマニュアル弁1
10の出力ポート114から後述する潤滑開閉弁180を介して
後退時にライン圧PLが導かれた時には図面下半分に示す
状態となる。なお、右室152は一方弁156を介して外部の
油中と接続されており、RレンジからPまたはNレンジ
に切り換えた時、スプリング155によりピストン部材153
が前進位置へ動作する際の油の吸入を容易にし、作動時
間を短縮している。
クラッチ制御弁160は発進クラッチ20を制御するための
弁であり、合計6個のポート162〜167を形成したスリー
ブ161を有し、スリーブ161内にはスプール168が摺動自
在に配置されている。スプール168は左方から第1スプ
リング169にて付勢され、右方から第2スプリング170お
よび第3スプリング171にて付勢され、第2,第3スプリ
ング170,171の荷重の和は第1スプリング169の荷重より
大きい。ポート162には直結制御弁130より油圧P5が入力
され、入力ポート163には三方弁140から前進油圧または
後退油圧が入力され、ポート164は発進クラッチ20と直
結制御弁130の信号油圧ポート138とに油圧P4を出力し、
ポート165はドレンポートである。また、ポート166は後
述するコーストダウン制御弁200の出力ポート206と接続
され、右端のポート167には負荷推力制御用電磁弁302か
ら信号油圧P2が導かれている。なお、電磁弁302とポー
ト167との間にはオリフィス35と一方弁36とが並列に接
続され、オリフィス35が信号油圧P2の脈動を低減すると
ともに、電磁弁302がOFFした時に信号油圧P2を一方弁36
を介してドレンするので、発進クラッチ20の切れ不良を
解消できる。第1スプリング169を収容した室172には出
力油圧P4がスプール168の内部に形成した連通孔168aを
介してフィードバックされている。また、スプール168
の右端部には第4スプリング173を間にしてピストン174
が摺動自在に配置され、右端ポート167に入力された信
号油圧P2はピストン174および第4スプリング173を介し
てスプール168を左方へ押し、信号油圧P2の脈動を一種
のアキュムレータ機構により吸収している。なお、第4
スプリング173を収容した室はスプール168の連通孔168b
を介してドレンポート165と連通している。
第1スプリング169の背後は、スリーブ161の左端部に摺
動自在に嵌合したプラグ175により支持されており、プ
ラグ175の背後はクリープ調整ボルト176にて支持されて
いる。そして、ボルト176を回すことにより第1スプリ
ング169の荷重を増減し、発進クラッチ20のクリープト
ルクを微調整し得るようになっている。
クラッチ制御弁160の第2図上半分はベルト駆動の発進
時を示し、ベルト駆動時には直結制御用電磁弁303がOFF
(P3=0)、負荷推力制御用電磁弁302が作動中(P2
0〜3kg/cm2)であるため、発進クラッチ20には負荷推
力制御用電磁弁302の信号油圧P2と第2,第3スプリング1
70,171の荷重の和と、第1スプリング169の荷重と室172
にフィードバックされた出力油圧P4の和とが対向し、出
力油圧P4が調圧される。出力油圧P4は発進クラッチ20の
他に、直結制御弁130のポート138にも入力されるので、
直結制御弁130は第2図上半分に示すように左端位置へ
移動し、直結クラッチ6は必ず遮断される。
走行レンジ(D,L,R)のアイドリング時には、右端ポー
ト167に入力される信号油圧P2が0となるが、第1スプ
リング169と第2,第3スプリング170,171の荷重差に応じ
た油圧P4が発進クラッチ20へ出力されるので、発進クラ
ッチ20は一定のクリープトルクを発生する。特に、第2
スプリング170は形状記憶合金からなり、暖機時にはス
プリング荷重は一定であるが、冷間時には温度の低下に
つれてスプリング荷重が暖機時より低くなるように設定
されているので、クラッチ制御弁160の出力油圧P4も低
く調圧される。したがって、冷間時の摩擦係数やオイル
粘度の上昇によるクリープトルクの上昇を、発進クラッ
チ20の伝達容量を小さくすることにより補正し、冷間
時,暖機時に関係なくほぼ一定のクリープトルクに制御
できる。
また、クラッチ制御弁160の第2図下半分は直結駆動時
を示し、負荷推力制御用電磁弁302がOFF(P2=0)、直
結制御用電磁弁303がON(P3=3kg/cm2)しているので、
直結制御弁130が第2図下半分に示すように作動し、直
結制御弁130の出力油圧P5が信号油圧ポート162に入力さ
れてスプール168が強制的に右端位置に移動せしめられ
る。したがって、直結制御弁130から油圧P5が直結クラ
ッチ6に出力されて直結クラッチ6が締結され、クラッ
チ制御弁160の出力油圧P4はドレンされるので、発進ク
ラッチ20は遮断される。このように直結制御弁130とク
ラッチ制御弁160は、出力油圧P4,P5を互いのポート13
8,162に導くことにより、発進クラッチ20と直結クラッ
チ6のいずれか一方にのみ油圧を供給することができ、
所謂ダブルクラッチを防止できる。
潤滑開閉弁180は後退油路と潤滑油路とを切り換えるた
めの弁であり、第3図に示すようにスプリング181によ
り左方へ付勢されたスプール182を有している。潤滑開
閉弁180は6個のポート183〜188を有し、左端ポート183
には変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1が入力されて
いる。変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1が一定値
(例えば1.3kg/cm2)を越えるまでは、第3図の上半分
に示すようにスプール182は左端位置にある。つまり、
変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1は低速比近傍では
スプリング荷重より低いので、スプール182は左端位置
にあり、ポート184,185を連通させ、マニュアル弁110の
出力ポート114から出力される後退油圧を三方弁140と前
後進切換ピストン150へと供給する。同時にポート186,1
87が連通するので、第1調圧弁100の潤滑ポート107,108
から出力された潤滑油は上記ポート186,187、およびオ
イルクーラー37を介して直接発進クラッチ20に導かれ
る。つまり、低速比位置では発進時のように発進クラッ
チ20は半クラッチ状態にある場合が多いので、多量の潤
滑油を発進クラッチ20に導き、発熱を防止する。
また、変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1が一定値
(例えば1.3kg/cm2)を越えると、第3図の下半分に示
すようにスプール182は右端位置へ移動する。つまり、
高速比へ変速されると、変速比制御用電磁弁301の信号
油圧P1はスプリング荷重より大きくなるので、スプール
182は右端位置へ移動し、ポート184を閉じてポート185
をドレンポート188と連通させる。したがって、高速走
行時にシフトレバーを誤ってDレンジからRレンジへ切
り換えても、後退油圧系は潤滑開閉弁180によって遮断
されるので、前後進切換ピストン150が後退位置へ変化
しない。同時にポート186も閉じられるので、潤滑油を
オリフィス38を介して発進クラッチ20に導く。つまり、
高速比位置では発進クラッチ20が完全締結しているの
で、潤滑の必要性が低く、オリフィス38を介して微量ず
つ潤滑油を供給し、潤滑油の粘性による駆動損失を低減
するとともに、潤滑油量を減らしてオイルポンプの負担
を軽減できる。なお、直結クラッチ6は、緊急発進時以
外は半クラッチ状態が存在しないので、潤滑油は常にオ
リフィス39を介して微量ずつ供給される。
変速比制御弁190は駆動側プーリ12の変速比制御用油室1
6の油圧を制御する弁であり、スプリング191により左方
へ付勢されたスプール192を有している。左端室193には
変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1が上記潤滑開閉弁1
80のポート183を経由して入力されており、信号油圧P1
が一定値(例えば1.0kg/cm2)以下の時には、スプリン
グ荷重が信号油圧P1より大きいので、スプール192は図
中上半分に示すように左端位置にある。したがって、ラ
イン圧PLが入力された入力ポート194が閉じられ、出力
ポート195がドレンポート196と連通するので、変速比制
御油圧P6はドレンされる。変速比制御用電磁弁301の信
号油圧P1が一定値を越えると、スプール192はスプリン
グ荷重に打ち勝って図中下半分に示すように右方へ移動
し、スプール192が入力ポート194とドレンポート196と
を選択的に開閉する位置の近傍で維持される。そして、
出力油圧P6は信号油圧ポート197にフィードバックされ
ているので、出力油圧P6とスプリング荷重との和と、信
号油圧P1とが釣り合うように調圧される。
コーストダウン制御弁200はコーストダウン時(走行中
にスロットル全閉として急減速を行った時)に強制的に
低速比へ変速するための弁であり、スプリング201によ
り右方へ付勢されたスプール202を有している。信号油
圧ポート203には変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1
上記潤滑開閉弁180のポート183を経由して入力されてお
り、信号油圧P1が一定値(例えば1.0kg/cm2)以下の時
には、図中下半分に示すようにスプール202がライン圧P
Lが入力された入力ポート204とドレンポート205とを選
択的に開閉する位置の近傍で維持される。そして、出力
ポート206から出力される出力油圧P7はスプール202の連
通孔202aを介して右端ポート207にフィードバックされ
るので、出力油圧P7と信号油圧P1との和と、スプリング
荷重とが釣り合うように調圧される。信号油圧P1が一定
値を越えると、スプール202はスプリング荷重に打ち勝
って図中上半分に示すように左端位置へ移動し、入力ポ
ート204を閉じ、出力ポート207がドレンポート205と連
通する。したがって、出力油圧P7は0となる。
上記出力油圧P7は上記クラッチ制御弁160のポート166と
後述する負荷推力制御弁210のポート219とに入力されて
おり、特にクラッチ制御弁160に入力された出力油圧P7
によりスプール168を右方へ付勢し、コーストダウンを
迅速に行うべく発進クラッチ20のクラッチ油圧を一定値
(例えば0.5kg/cm2)下げている。
負荷推力制御弁210は従動側プーリ14の負荷推力制御用
油室17の油圧P8を制御するための弁であり、主スプール
211と副スプール212とを有し、両スプール211,212間に
はスプリング213が介装されている。負荷推力制御弁210
には常時ライン圧PLが入力された入力ポート214と、負
荷推力制御用油室17と第1調圧弁100の背圧室109とに油
圧P8を出力する出力ポート215と、ドレンポート216とが
形成され、出力油圧P8は主スプール211の連通孔211aを
介して右端室217にフィードバックされている。したが
って、出力油圧P8は、副スプール212からスプリング213
を介して主スプール211に作用する右方向の荷重と釣り
合うように調圧される。副スプール212はスプリング218
により右方へ付勢されており、このスプリング218を収
容したポート219には上記コーストダウン制御弁200の出
力油圧P7が入力され、さらに上記ポート219に隣接する
ポート220には負荷推力制御用電磁弁302から信号油圧P2
が入力油圧される。したがって、主スプール211に作用
する右方向の荷重は、スプリング218の荷重と信号油圧P
2,P7との和がスプリング213の荷重より小さい時にはス
プリング213の荷重のみで決定され(図面上半分に示
す)、スプリング218の荷重と信号油圧P2,P7との和が
スプリング213の荷重より大きくなると、スプリング218
の荷重と信号油圧P2,P7との和で決定される(図面下半
分に示す)。つまり、負荷推力制御用油室17の油圧P
8は、発進クラッチ20の油圧P4と共に上昇するととも
に、コーストダウン時にはさらに上昇して低速比への変
速を迅速化する。
なお、負荷推力制御弁210の入力ポート214にはマニュア
ル弁110を経由せずに直接ライン圧PLが入力している。
その理由は、高速走行中にNレンジに入れた場合に双方
のプーリ12,14の油圧がOFFとなり、Vベルト15が遠心力
により弛むので、常にライン圧PLを入力することによ
り、プーリ12,14にVベルト15が弛まないだけの最低圧
をかけるためである。
電磁弁301〜303はコントローラ300から入力される制御
信号(例えばデューティ信号)により出力油圧P1,P3
P5を制御し、それぞれ変速制御,発進制御および直結制
御を実行している。上記電磁弁301〜303のうち、負荷推
力制御用電磁弁302,直結制御用電磁弁303は常閉型であ
るのに対し、変速比制御用電磁弁301は常開型である。
したがって、電磁弁302,303は電気信号OFF時においてド
レン、ON時には最大信号油圧を発生するのに対し、電磁
弁301はOFF時において最大信号油圧を発生し、ON時には
ドレンされる。このように変速比制御用電磁弁301を常
開型に構成したのは、万一この電磁弁301が故障した場
合でも信号油圧P1を発生し、変速比制御弁190を作動さ
せて変速比制御油圧P6を高め、常に高速比側へ変速して
急激なシフトダウンに伴うショックを回避するためであ
る。
上記構成の油圧制御装置において、潤滑開閉弁180のポ
ート183には変速比制御用電磁弁301の信号油圧P1が入力
され、この信号油圧P1は低速比では低く、高速比では高
くなるように制御される。したがって、前進高速比走行
時にシフトレバーを誤ってD,LレンジからRレンジへ切
り換えても、後退油圧系は潤滑開閉弁180によって遮断
され、後退駆動へは切り換わらない。また、高速比域で
は発進クラッチ20は締結状態にあるので、潤滑開閉弁18
0が潤滑油路を閉じ、オリフィス38を介して微量ずつ潤
滑油を発進クラッチ20へ供給する。したがって、必要以
上の潤滑油が供給されず、駆動損失を低減できる。
また、発進前や発進途中では変速比は必ず低速比(Lo
w)にあるので、信号油圧P1は低く、潤滑開閉弁180は潤
滑油路を開いている。したがって、オリフィス38を介さ
ずに多量の潤滑油が発進クラッチ20へ供給され、クラッ
チディスクの発熱が未然に防止され、耐久性が向上す
る。
上記のように潤滑開閉弁180はミスシフトに対する安全
弁としての機能と、発進クラッチ20への潤滑油路を開閉
する弁としての機能とを有している。しかも、潤滑開閉
弁180を作動させるために変速比制御用の信号油圧P1
兼用しているので、潤滑開閉弁180を作動させるために
専用の油圧発生手段を設ける必要がない。したがって、
弁の個数を減らして油路構成を非常に簡素化できる。
なお、本考案において、潤滑開閉弁180が潤滑油路を開
く時の変速比は最低速比のみに限らないが、少なくとも
最低速比において潤滑油路を開くように設定すればよ
い。なお、実施例の場合には潤滑開閉弁180が動作する
時の油圧をスプリング荷重で設定できるので、最も簡単
である。
また、上記実施例では油圧発生手段として変速比制御用
電磁弁301を使用したが、電磁弁に限らず、例えば駆動
側プーリ12へ油圧P6を供給する変速比制御弁190を使用
してもよい。この場合にも、高速比時に高くなる油圧P6
を潤滑開閉弁180のポート183に入力すれば、同様な機能
を実現できる。なお、実施例のように油圧発生手段が高
速比域において低速比域より高い油圧を発生する場合に
限らず、低い油圧を発生してもよい。
また、上記実施例では発進クラッチが1個の場合を示し
たが、前進用湿式クラッチと後退用湿式クラッチとを有
する自動変速機においては、双方の湿式クラッチへの潤
滑油路中に本考案を適用してもよい。
〔考案の効果〕
以上の説明で明らかなように、本考案によれば低速比域
では潤滑開閉弁が潤滑油路を開き、オリフィスと並行し
て潤滑油を発進クラッチに供給し、一方高速比域では潤
滑開閉弁が潤滑油路を閉じ、オリフィスのみを介して潤
滑油を発進クラッチに供給している。つまり、発進前や
発進途中は必ず低速比域にあるので、多量の潤滑油が潤
滑開閉弁を介して発進クラッチに供給され、クラッチデ
ィスクの発熱を防止でき、高速比走行時には発進クラッ
チは締結状態にあるので、オリフィスを介して微量ずつ
潤滑油を発進クラッチに供給し、潤滑油の粘性による駆
動損失や潤滑油の無駄を軽減できる。したがって、本考
案は簡素な構成で、発進クラッチの耐久性向上を実現で
きる。
また、潤滑油路は調圧弁の潤滑油供給ポートと発進クラ
ッチの潤滑部位との間に設けられるので、クラッチ圧を
供給する作動油路とは別個に構成でき、潤滑時にクラッ
チ圧が変動する恐れがない。そのため、微妙な油圧制御
を必要とする半クラッチ制御に悪影響を及ぼす恐れがな
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一例であるVベルト式無段変速機の一
例の概略構成図、第2図は油圧制御装置の回路図、第3
図は図2の主要部の油圧回路図である。 1……エンジン、5……入力軸、10……無段変速装置、
12……駆動側プーリ、14……従動側プーリ、16……変速
比制御用油室、17……負荷推力制御用油室、20……発進
クラッチ、32……出力軸、100……第1調圧弁、107,108
……潤滑油供給ポート、110……マニュアル弁、150……
前後進切換ピストン、180……潤滑開閉弁、300……コン
トローラ、301……変速比制御用電磁弁(油圧発生手
段)。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式発進クラッチを備えた自動変速機にお
    いて、 オイルポンプの吐出圧を所定の油圧に調圧する調圧弁の
    潤滑油供給ポートと発進クラッチの潤滑部位との間を結
    ぶ潤滑油路中に、この油路を開閉する潤滑開閉弁と、こ
    の潤滑開閉弁と並列にオリフィスとを設ける一方、高速
    比域と低速比域とで異なる油圧を潤滑開閉弁へ信号油圧
    として供給する油圧発生手段を設け、上記潤滑開閉弁は
    油圧発生手段から低速比域の油圧が導かれた時に潤滑油
    路を開き、高速比域に比べて多量の潤滑油を発進クラッ
    チの潤滑部位に導くように構成したことを特徴とする湿
    式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置。
  2. 【請求項2】自動変速機はVベルト式無段変速機であ
    り、油圧発生手段はVベルト式無段変速機の駆動側プー
    リの油圧を制御するための信号油圧を発生する電磁弁で
    あることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項記
    載の湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置。
JP1987156491U 1987-10-13 1987-10-13 湿式発進クラッチ付自動変速機の潤滑装置 Expired - Lifetime JPH0648192Y2 (ja)

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