JPH0648040Y2 - 外壁のコンクリート製出隅コーナパネル取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、プレハブ住宅などにおける外壁のコンクリー
ト製出隅コーナパネル取付構造に関する。

（従来の技術） 従来、外壁のコンクリート製出隅コーナパネル１は、取
付金具２を用いてコーナ柱３および軸組4aに取付けられ
ていた〔第５図（ａ），（ｂ）参照〕。取付金具２は、
コーナ柱３および軸組4aへの綴片５とコンクリート製出
隅コーナパネル１への取付片６とが横断面Ｌ字形に一体
形成された基板７と、取付片６の先端から延設された押
さえ板８とで構成されている。押さえ板８は、固定片９
とコーナ柱３の押さえ片10が弾性板を用いて横断面Ｌ字
形に形成されたものである。固定片９が基板７の取付片
６にビス11を用いて固定され、押さえ片10が基板７の綴
片５と平行に突設されている。固定片９は、取付片６の
内側面と外側面のどちらに固定されていてもよい。押さ
え片10はコーナ柱３の一端片3aを押さえるもので、その
形体は限定しない。この従来例においては、押さえ片10
を上下に二分割し、上部片10aと下部片10bをそれぞれ内
外に開き、これら上部片10aと下部片10bの間にコーナ柱
３の一端片3aを差し込むことができるように形成されて
いる。コーナ柱３は、横断面が四角形の角筒であるが、
その一隅角部（出隅部）を切欠いてなるものである。

基板７の綴片５には、ボルト挿入用の上下方向に長い長
穴12が形成されている。また、基板７の取付片６および
押さえ板８の固定片９を貫いてボルト穴13が形成されて
いる。

このように形成された取付金具２は、まず第５図（ａ）
に示すように、コンクリート製出隅コーナパネル１の内
側面の上下方向の複数箇所に適当な間隔をおいて取付け
られる。コンクリート製出隅コーナパネル１は横断面が
略Ｌ字形に形成されたものである。図中の符号1a,1bは
このコンクリート製出隅コーナパネル１の左右に隣設さ
れるコンクリート製外壁パネルである。

コンクリート製出隅コーナパネル１の内側面における取
付金具２の取付箇所にはインサートナット14が設けられ
ている。

コンクリート製出隅コーナパネル１の内側面に取付金具
２を取付けた状態を第４図の斜視図で示している。取付
金具２の取付けは、取付片６の外側面をコンクリート製
出隅コーナパネル１の内側面にあてがい、インサートナ
ット14と前記したボルト穴13を適合させ、ボルト15をこ
のボルト穴13からインサートナット14に螺入して締め付
けることにより行われる。

このように内側面の上下方向に複数個の取付金具２を取
付けたコンクリート製出隅コーナパネル１を出隅コーナ
部に嵌め入れる〔第５図（ｂ）参照〕。こうすると、各
取付金具２の綴片５はコーナ柱３と軸組4bの間に挿入さ
れるとともに、押さえ板８の上部片10aと下部片10bとで
コーナ柱３の一端片3aを挟持するのである。しかる後、
綴ボルト16を用いて綴片５をコーナ柱３と軸組4bに固定
せしめ、もってコンクリート製出隅コーナパネル１がコ
ーナ柱３および軸組4bに取付けられるのである。綴ボル
ト16はコーナ柱３と軸組4aを連結するもので、コーナ柱
３と軸組4aにはボルト挿通穴が形成されており、綴ボル
ト16は綴片５に形成した長穴12とこれらボルト挿通穴を
挿通してナット17で締め付けられている。

なお、取付金具２とは左右が対称な取付金具を用い、イ
ンサートナット14はコンクリート製出隅コーナパネル１
の他方の内側面に設けておくならば、コンクリート製出
隅コーナパネル１はコーナ柱３および軸組4aに取付けら
れるのである。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の従来例によると、左右に隣接される両コンクリー
ト製外壁パネル1aあるいは1b方向へコンクリート製出隅
コーナパネル１の位置を移動させることができないの
で、目地幅寸法の調整ができないという問題があった。
また、コンクリート製出隅コーナパネル１の不陸の調整
が十分にできないという問題があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案外壁のコンクリート製出隅コーナパネル取付構造
は、出隅コーナに沿うように直角に屈曲された外壁のコ
ンクリート製出隅コーナパネルが、このコンクリート製
出隅コーナパネルの内側面に取り付けられた取付金具を
介してコーナ柱および軸組に取付けられるようになって
おり、取付金具は、綴片と取付片とが横断面Ｌ字形に形
成された基板と、取付片の先端から延設された弾性押さ
え板とで構成され、この弾性押さえ板は固定片と押さえ
片とが横断面Ｌ字形に形成され、この固定片が前記した
基板の取付片に固定されることにより、押さえ片が綴片
と平行に突設されており、基板のこの綴片には下縁から
上下方向に長く切り抜くとともに、ボルトの径よりも左
右方向に幅広のボルト挿入用のたて長穴が形成され、基
板の取付片および押さえ板の固定片を貫いて横方向に長
い横長ボルト穴が形成されたもので、 コンクリート製出隅コーナパネルの内側面の上下方向に
複数個の前記した取付金具が取り付けられるが、取付金
具の取付片がコンクリート製出隅コーナパネルの内側面
にあてがわれ、このコンクリート製出隅コーナパネルの
内側面に設けたインサートナットと取付金具の前記した
横長ボルト穴とを適合させてこの横長ボルト穴からイン
サートナットにボルトを螺入して取付金具がコンクリー
ト製出隅コーナパネルに取り付けられており、このよう
に取付金具を取り付けたコンクリート製出隅コーナパネ
ルをコーナ柱に添わせて、取付金具の綴り片がコーナ柱
と軸組との間に挿入され、コーナ柱と軸組とを綴る綴り
ボルトが綴り片のたて長穴に挿入されて締めつけ固定さ
れるとともに、前記した取付金具の押さえ板がコーナ柱
の一端片の内側面に強制的に係止されたものである。

（作用） 取付金具に形成したボルト穴が長穴あるいは幅広穴であ
るので、コンクリート製出隅コーナパネルの位置を左右
に隣接する両コンクリート製外壁パネルの方向へそれぞ
れ独立して自由に調整することができる。また、一方の
ボルト穴あるいは幅広穴は、上下方向にも調整できるよ
うになっているために、コンクリート製出隅コーナパネ
ルの位置を上下方向にも自由に調整できる。

（実施例） 本考案外壁のコンクリート製出隅コーナパネル取付構造
の実施例を第１図に示す。なお、従来例と同じ構成部材
は同一符号を用いている。

第２図ないし第３図は、本考案に係る外壁のコンクリー
ト製出隅コーナパネル取付構造に用いられる取付金具21
を示している。

取付金具21は、コーナ柱３および軸組4aへの綴片22とコ
ンクリート製出隅コーナパネル１への取付片23とが横断
面Ｌ字形に一体形成された基板24と、取付片23の先端か
ら延設された押さえ板25とで構成されている。押さえ板
25は、固定片26とコーナ柱３の押さえ片27が弾性板を用
いて横断面Ｌ字形に形成されたものである。固定片26が
基板24の取付片23にビス28を用いて固定され、押さえ片
27が基板24の綴片22と平行に突設されている。固定片26
は、取付片23の内側面と外側面のどちらかに固定されて
いてもよい。押さえ片27はコーナ柱３の一端片3aを押さ
えるもので、その形体は限定しない。

押さえ片27は、第１図ないし第３図に示すように、平面
で視て、その中程部から先端部にかけて内側へ凹まされ
ており、先端部29はさらに内側へ湾曲形成されている。
押さえ片27の先端部29がコーナ柱３の一端片3aの内側面
に強制的に係止され、取付金具21の位置決めが図られ
る。

基板24の綴片22には、上下方向に長く、左右方向に幅の
あるボルト挿入用のたて長穴30が形成されている。たて
長穴30の下端は綴片22の下縁を切り抜いて形成されてい
る。たて長穴30の横幅は綴ボルト16の径の約２〜４倍く
らいの寸法に形成されている。

また、基板24の取付片23および押さえ板25の固定片26を
貫いて横長ボルト穴31が形成されているが、この横長ボ
ルト穴31は横方向に長い穴に形成されている。この横方
向に長いボルト穴31の横幅は、ボルト15の径の約２〜４
倍くらいの寸法に形成されている。

このように形成された取付金具21は、第３図に示すよう
に、コンクリート製出隅コーナパネル１の内側面の上下
方向の複数箇所に適当な間隔をおいて取付けられる。

取付金具21の取付けは、取付片23の外側面をコンクリー
ト製出隅コーナパネル１の内側面にあてがい、インサー
トナット14と前記した横長ボルト穴31とを適合させ、ボ
ルト15をこの横長ボルト穴31からインサートナット14に
螺入して締め付けることにより行われる。

このように内側面の上下方向に複数個の取付金具21を取
付けたコンクリート製出隅コーナパネル１を出隅コーナ
部に嵌め入れる（第１図参照）。こうすると、各取付金
具21の綴片22はコーナ柱３と軸組4bの間に挿入されると
ともに、押さえ板25の押さえ片27がコーナ柱３の一端片
3aの内側面に強制的に係止されるのである。

しかる後、綴ボルト16を用いて綴片22をコーナ柱３と軸
組4bに固定せしめ、もってコンクリート製出隅コーナパ
ネル１がコーナ柱３および軸組4bに取付けられるのであ
る。

その他、取付金具21とは左右が対称な取付金具を用いて
もよいこと、先の従来例の場合と同じである。

これによると、取付金具21に形成したたて長穴30によっ
て、コンクリート製出隅コーナパネル１は第１図の矢印
Ａ方向への位置の調整ができる。また、横長ボルト穴31
によって、コンクリート製出隅コーナパネル１は第１図
の矢印Ｂ方向への位置の調整ができる。

さらに、たて長穴30によって、コンクリート製出隅コー
ナパネル１は上下方向の位置の調整も可能である。

（考案の効果） 左右に隣接される両コンクリート製外壁パネルの方向へ
コンクリート製出隅コーナパネルの位置を移動させるこ
とができるので目地幅寸法の調整をすることができる。
各外壁パネルの方向それぞれに関する位置の調整は、独
立して行えるために、作業性は著しく向上する。また、
コンクリート製出隅コーナパネルの位置を上下に移動さ
せることができるので、不陸の調整ができる。したがっ
て、優れた外観の建物となすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案外壁のコンクリート製出隅
コーナパネル取付構造の実施例を示し、第１図は横断面
図、第２図は取付金具の斜視図、第３図はこの取付金具
をコンクリート製出隅コーナパネルの内側面に取付けた
斜視図、第４図ないし第５図（ａ），（ｂ）は従来例を
示し、第４図は取付金具をコンクリート製出隅コーナパ
ネルの内側面に取付けた斜視図、第５図（ａ）は同横断
面図、第５図（ｂ）は外壁のコンクリート製出隅コーナ
パネル取付構造を示す横断面図である。 １…コンクリート製出隅コーナパネル 1a,1b…コンクリート製外壁パネル ３…コーナ柱 4a…軸組、21…取付金具 20…たて長穴、31…横長ボルト穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】出隅コーナに沿うように直角に屈曲された
   外壁のコンクリート製出隅コーナパネルが、このコンク
   リート製出隅コーナパネルの内側面に取り付けられた取
   付金具を介してコーナ柱および軸組に取付けられるよう
   になっており、取付金具は、綴片と取付片とが横断面Ｌ
   字形に形成された基板と、取付片の先端から延設された
   弾性押さえ板とで構成され、この弾性押さえ板は固定片
   と押さえ片とが横断面Ｌ字形に形成され、この固定片が
   前記した基板の取付片に固定されることにより、押さえ
   片が綴片と平行に突設されており、基板のこの綴片には
   下縁から上下方向に長く切り抜くとともに、ボルトの径
   よりも左右方向に幅広のボルト挿入用のたて長穴が形成
   され、基板の取付片および押さえ板の固定片を貫いて横
   方向に長い横長ボルト穴が形成されたもので、 コンクリート製出隅コーナパネルの内側面の上下方向に
   複数個の前記した取付金具が取り付けられるが、取付金
   具の取付片がコンクリート製出隅コーナパネルの内側面
   にあてがわれ、このコンクリート製出隅コーナパネルの
   内側面に設けたインサートナットと取付金具の前記した
   横長ボルト穴とを適合させてこの横長ボルト穴からイン
   サートナットにボルトを螺入して取付金具がコンクリー
   ト製出隅コーナパネルに取り付けられており、このよう
   に取付金具を取り付けたコンクリート製出隅コーナパネ
   ルをコーナ柱に添わせて、取付金具の綴り片がコーナ柱
   と軸組との間に挿入され、コーナ柱と軸組とを綴る綴り
   ボルトが綴り片のたて長穴に挿入されて締めつけ固定さ
   れるとともに、前記した取付金具の押さえ板がコーナ柱
   の一端片の内側面に強制的に係止されたことを特徴とす
   る外壁のコンクリート製出隅コーナパネル取付構造。