JPH0647617B2 - 溶融法によるポリカ−ボネ−トの製造方法 - Google Patents

溶融法によるポリカ−ボネ−トの製造方法

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JPH0647617B2
JPH0647617B2 JP60062915A JP6291585A JPH0647617B2 JP H0647617 B2 JPH0647617 B2 JP H0647617B2 JP 60062915 A JP60062915 A JP 60062915A JP 6291585 A JP6291585 A JP 6291585A JP H0647617 B2 JPH0647617 B2 JP H0647617B2
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許志 石倉
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリカーボネート樹脂の製造方法に関するも
のである。
更に詳しくは、溶融法によるけん化安定性および機械強
度に優れたポリカーボネート樹脂の製造方法に関する。
(従来の技術とその問題点) 芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐熱性および機械物性
に優れたエンジニアリングプラスチックであるが、カー
ボネート結合を有するため、けん化安定性が問題とな
る。例えば、この樹脂の成形においては、ペレットの乾
燥が不充分な場合には、加熱溶融されると加水分解によ
る分子量の低下を引き起こし、諸物性が低下する。
また、成形品においても、経時的に加水分解が起こり、
ソリや機械物性の低下が生じる。このような問題を解決
するため、けん化安定性を向上させる為の対策が種々な
されてきた。たとえば、ドイツ特許公開明細書2063
050号、2211957号に明示されているように、
ビスフェノールAベースのポリカーボネートの合成にお
いて、芳香族ビスヒドロキシ化合物成分として、2,2
−ビス(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下、テトラアルキル置換ビスフェノー
ルAという)を含有させることは、けん化安定性に対し
ては有効との提案がなされている。しかしテトラアルキ
ル置換ビスフェノールAは、その剛直な分子構造の為
に、多量に含有させると生成ポリマーがもろくなる。
また、テトラアルキル置換ビスフェノールAは、その分
子構造に由来する立体障害とアルキル基の電気的効果に
より、ビスフェノールAに比べて反応性に乏しいためこ
れを含有するポリカーボネートは、溶融法では高分子量
化されにくく、通常は溶剤法により合成されている。と
ころが、溶剤法においては、カーボネート源としてホス
ゲンを用いる場合が多く、その場合には、次のような問
題点を有する。イ )ホスゲンは毒性が強く取扱いに注意を要する。ロ )反応副生物(HCl)を回収再利用することが困難であ
る。ハ )ホスゲンは、法律により移動・搬出が禁止されてお
り、原料入手が困難である。ニ )生成ポリマーの洗浄による精製工程が必要である。
(発明の目的) 本発明は、かかる問題点を解決せんとして研究がなされ
たものであり、その目的は、溶融法により、耐熱性を損
うことなく、けん化安定性および機械物性の優れたポリ
カーボネートを合成することにある。
そこで本発明者らは、鋭意検討した結果、ビスヒドロキ
シ化合物成分として、ビスフェノールAに、テトラアル
キル置換ビスフェノールAおよび脂環式ビスヒドロキシ
化合物を添加することにより、芳香族ポリカーボネート
が有する優れた物性を損うことなく、上記の問題点を解
決できるという驚くべき事実を見出し本発明を完成する
に致った。
(発明の構成) 即ち、本発明は、ビスヒドロキシ化合物と炭酸エステル
との溶融反応によるポリカーボネートの製造法におい
て、ビスヒドロキシ化合物成分として、ビスフェノール
Aおよびテトラアルキル置換ビスフェノールAとかなる
芳香族ビスヒドロキシ化合物と、芳香族ビスヒドロキシ
化合物に対して1〜40モル%の脂環式ビスヒドロキシ
化合物とを用いることを特徴とするけん化安定性および
機械物性の優れたポリカーボネートの製造方法である。
本発明において用いられる、テトラアルキル置換ビスフ
ェノールAとは次の一般式において示される。
(Rは−C、−C、−C、又は−C
H(CHの同一の基又は相異なる基を表わす。) これらの中で、とりわけRが−CHの場合が、反応性
が高く、また生成ポリマーの熱安定性が高いので好まし
い。
本発明で用いられる、ビスフェノールAと、テトラアル
キル置換ビスフェノールAとの配合モル比は、99/1
〜50/50の範囲内であれば良く、σ,σ,σ′,
σ′−テトラアルキル置換されたビスフェノールAの含
量が、この範囲よりも多くなると、高分子量物が得られ
難くなり、機械物性の低下の原因ともなり、この範囲よ
り少ない場合には、顕著なけん化安定性の効果が見られ
ないので好ましくない。
本発明において用いられる脂環式ビスヒドロキシ化合物
としては、 1,2−シクロヘキサンジオール 1,3−シクロヘキサンジオール 1,4−シクロヘキサンジオール 4−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)シクロヘキサノ
ール 3−(3−ヒドロキシシクロヘキシル)シクロヘキサン
サノール 2,6−ジヒドロキシデカリン 2,7−ジヒドロキシデカリン などがあるが、これらに限定されるものではない。ま
た、これらの脂環式ビスヒドロキシ化合物の中でも、耐
熱性の良い生成物を与える。1,3−シクロヘキサンジオ
ール、もしくは、1,4−シクロヘキサンジオールを用い
るのが特に好ましい。
本発明において用いられる脂環式ビスヒドロキシ化合物
の添加量としては、芳香族ビスヒドロキシ化合物に対し
て、1〜40モル%の範囲内で使用する。40モル%以
上になると、生成物の耐熱性が悪くなる。そして、脂環
式ビスヒドロキシ化合物の添加量が、特に1〜10モル
%の範囲内で優れた物性を有する生成物が得られるので
好ましい。
本発明において用いられる炭酸エステルとしては、ビス
ヒドロキシ化合物とエステル交換反応を起こし、生成モ
ノヒドロキシ化合物が容易に減圧等の方法で反応系外へ
除去できるものであれば良く、例えば、ジアルキルカー
ボネート、ジシクロアルキルカーボネート、ジアリール
カーボネートおよび芳香族ビスヒドロキシ化合物のビス
アルキルカーボネート並びに対応するビスシクロアルキ
ル又はビスアリールカーボネートがある。これらの中で
も、熱的に安定で生成モノヒドロキシ化合物の反応系外
への除去が容易である。
ジアリールカーボネートおよび芳香族ビスヒドロキシ化
合物のビスアリールカーボネートを使用するのが好まし
く、例えば、ジフェニルカーボネート、ジクレシルカー
ボネート、ビス−(4−クロロフェニル)カーボネー
ト、ハイドロキノンのビス−フェニルカーボネート、レ
ゾルシンのビス−フェニルカーボネート、ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンのビスフェニルカーボネ
ート、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンのビスフェニルカーボネート、ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのビスフェニ
ルカーボネート等がある。
本発明の重合方法としては従来法と何ら異なることな
く、芳香族ビスヒドロキシ化合物と脂環式ビスヒドロキ
シ化合物、そしてこれらのビスヒドロキシ化合物の等モ
ル〜1.2倍モル量、好ましくは1.0〜1.1倍モル量の炭
酸エスエルを仕込み、これに通常のエステル交換反応に
用いられる触媒を加えてエステル交換反応が起こる温度
まで昇温し、その後、生成するモノヒドロキシ化合物を
穏やかに反応系外に留出させるべく、温度を真空度を調
節し、最終的に250〜350℃、真空度1mmHg以下で
留出物がなくなるまで反応させれば良い。
本発明において用いられる触媒は、通常のエスエル交換
反応触媒で良く、例えば、アルカリ金属またはアルカリ
土類金属の単体、その酸化物、水酸化物、水素化物、ア
ミド化物、炭酸塩、酢酸塩、アルコラート、フェノラー
ト、あるいはZnO、PbO、Sbのような塩基
性金属酸化物またはトリメチルフェニルアンモニウムク
ロライドやテトラブチルアンモニウムヒドロキシドのよ
うな4級アンモニウム化合物等がある。
(発明の効果) 本発明の製造方法により得られる生成ポリマーは、洗浄
等の精製工程を必要とせず、そのままペレット化もしく
は成形機で成形することができる。また、けん化安定性
に優れている為、成形時に、従来のように水分管理に注
意を払う必要がない。更に、従来の溶融法によって得ら
れるポリマーに比べて、分子量が高く、更に、耐熱性を
損うことなく、高いけん化安定性および機械物性を有す
る為、ハウジング材料、自動車部品材料、電子部品材料
など種々の用途に対して優れた性能を示すことが期待さ
れる。
(実施例) 以下において実施例を掲げ、本発明を更に具体的に説明
する。尚、実施例、比較例においては特に表示しない限
り全て重量単位を意味する。
実施例1 窒素置換を施した攪拌機付反応器にビスフェノールA4
1.0部、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン5.68部、1,4−シクロヘキサ
ンジオール1.16部、そしてジフェニルカーボネート4
8.3部を仕込み150℃で均一になるまで融解せしめ
た。次に水酸化リチウム0.00005部を添加し30分
攪拌したのち、200℃、100mmHgで1.5時間攪拌し
た。その後、温度を200〜270℃、真空度を100
〜0.1mmHgまで4時間に亘り反応させることにより、約
40m1のフェノールが留出し、分子量30.000(GP
C測定による)のポリカーボネートを得た。
実施例2 実施例1において、1,4−シクロヘキサンジオールの代
わりに、1,3−シクロヘキサンジオール1.16部を用
い、実施例1と同様にして、分子量36,000(GPC
測定による)のポリカーボネートを得た。
実施例3 窒素置換を施した攪拌機付反応器にビスフェノールA3
6.5部、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン11.4部、1,4−シクロヘキサ
ンジオール1.16部、そしてジフェニルカーボネート4
8.3部を仕込み、実施例1と同様にして反応を行ない、
分子量29,000(GPC測定による)のポリカーボネ
ートを得た。
比較例1 窒素置換を施した攪拌機付反応器にビスフェノールA4
5.6部とジフェニルカーボネート46.0部を仕込み、実
施例1と同様にして反応を行ない、分子量24,000
(GPC測定による)のポリカーボネートを得た。
比較例2 窒素置換を施した攪拌機付反応器にビスフェノールA4
5.6部、1,4−シクロヘキサンジオール1.16部、そし
てジフェニルカーボネート48.3部を仕込み実施例1と
同様にして反応を行ない、分子量43,000以上(GP
C測定による)のポリカーボネートを得た。
比較例3 窒素置換を施した攪拌機付反応器にビスフェノールA4
1.0部、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン5.68部そしてジフェニルカー
ボネート46.0部を仕込み実施例2と同様にして反応を
行ない、分子量18,000(GPC測定による)のポリ
カーボネートを得た。
比較例4 窒素置換を施した攪拌機付反応器にビスフェノールA3
6.5部、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン11.4部そしてジフェニルカー
ボネート46.0部を仕込み、実施例1と同様にして反応
を行ない、分子量12,000(GPC測定による)のポ
リカーボネートを得た。
第1表に実施例1〜3、比較例1〜4におけるビスヒド
ロキシ化合物の仕込みモル比ならびに生成ポリマーの分
子量、けん化安定性、耐熱性、及び引張降状強度を示し
た。この表より明らかなようにテトラアルキル置換ビス
フェノールAと脂環式ビスヒドロキシ化合物とを含有す
る系では、これらを含有しない系に比べて、耐熱性を損
なわずに、けん化安定性、機械物性の非常に優れたポリ
カーボネートが得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスヒドロキシ化合物と炭酸エスエルとの
    溶融反応によるポリカーボネートの製造法において、ビ
    スヒドロキシ化合物成分として、ビスフェノールAおよ
    び2,2−ビス(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロパンとからなる芳香族ビスヒドロキシ化
    合物と、芳香族ビスヒドロキシ化合物に対して1〜40
    モル%の脂環式ビスヒドロキシ化合物とを用いることを
    特徴とするけん化安定性および機械物性の優れたポリカ
    ーボネートの製造方法。
JP60062915A 1985-03-27 1985-03-27 溶融法によるポリカ−ボネ−トの製造方法 Expired - Lifetime JPH0647617B2 (ja)

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