JPH0642323A - 横形エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容装置 - Google Patents

横形エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容装置

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JPH0642323A
JPH0642323A JP4218661A JP21866192A JPH0642323A JP H0642323 A JPH0642323 A JP H0642323A JP 4218661 A JP4218661 A JP 4218661A JP 21866192 A JP21866192 A JP 21866192A JP H0642323 A JPH0642323 A JP H0642323A
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oil
crank chamber
chamber
crank
outside
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Application number
JP4218661A
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English (en)
Inventor
Masahiro Akeda
正寛 明田
Kazutoshi Okamoto
一利 岡本
Shuichi Yamada
修一 山田
Nobuhiro Yamamoto
信裕 山本
Shoichi Yamamoto
昌一 山本
Yutaka Watanabe
豊 渡辺
Akira Hayatani
章 早谷
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】クランク室外オイル収容室の横外方への出張り
を少なくし、さらに、簡単な構造で、クランク室内に脈
動圧力が発生しない多気筒エンジンにも適用でき、しか
も、オイル劣化を少なくしてオイルの寿命を長くする。 【構成】横形エンジン(E)のクランク室(51)のシリンダ
(21)側とは反対側の側面外部にクランク室外オイル収容
室(58)を付設する。このクランク室外オイル収容室(52)
のシリンダ(21)から遠い側の側壁(60)をシリンダ軸心(2
0)の軸直交面にほぼ沿わせて形成する。クランク室(51)
内にクランク室内オイル受け室(52)を設け、室間連通部
(61)を介してクランク室外オイル収容室(58)に連通させ
る。クランク室(51)内に発生するブローバイガス圧力(P
b)を利用して室間オイル移送手段(P)を構成し、クラン
ク室(51)内のオイルをクランク室外オイル収容室(58)へ
移送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、横形エンジンの潤滑装
置において、クランク室内の下部のオイルをクランク室
外のオイル収容室に移送して収容するようにした、クラ
ンク室外オイル収容装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】この種のエンジンの潤滑装置
のオイル収容装置として、傾斜型エンジンではあるが、
例えば図5に示すように、エンジン(E)のクランク室(5
1)のシリンダ側とは反対側の側面に収容室タンク(57)を
取付けてこの収容室タンク(57)内にクランク室外オイル
収容室(58)を形成し、クランク室(51)の内部下方にクラ
ンク室内オイル受け室(52)を設け、このクランク室内オ
イル受け室(52)とクランク室外オイル収容室(58)とを、
室間連通部(61)を介して互いに連通させて構成したもの
がある(特開昭59−5820号公報)。
【0003】上記従来技術では、クランク室外オイル収
容室(58)のシリンダから遠い側の側壁(60)が、シリンダ
軸心の軸直交面に対して下部を大きく横外方へ突出させ
て構成してある。
【0004】このため、上記従来技術のものを横形エン
ジンに適用した場合には、クランク室外オイル収容室(5
8)が横外方へ大きく突出し、エンジン(E)全体の横幅が
大きくなる問題点があった。
【0005】また、この従来技術のものでは、クランク
室内オイル受け室(52)のオイルをクランク室外オイル収
容室(58)へ移送する室間オイル移送手段(P)が、ピスト
ン(115)の往復運動によるクランク室(51)の脈動圧力(11
1)の正圧成分(112)を利用して構成してある。
【0006】即ち、室間連通部(61)の出口側に逆止弁(1
14)が設けてあり、この逆止弁(114)は、クランク室(51)
の脈動圧力(111)の正圧成分(112)で開弁し、負圧成分(1
13)で閉弁するように構成してあり、これにより、正圧
成分(112)でクランク室内オイル受け室(52)内のオイル
がクランク室外オイル収容室(58)へ移送され、クランク
室外オイル収容室(58)内の油面(L2)がクランク室内オイ
ル受け室(52)内の油面(L1)よりも高く保持される。
【0007】このため、上記従来技術では、オイル移送
用ポンプなどの装置を必要とせず、室間オイル移送手段
が簡単に構成されるが、次の問題がある。
【0008】即ち、多気筒エンジンでは、振動の低減を
重視する面から各ピストンの往復運動の位相をずらせる
ので、このピストンの往復運動によるクランク室内の容
積変化がなく、脈動圧力を殆ど生じないように構成され
るものが多い。このようにクランク室内に脈動圧力が生
じない多気筒エンジンに対しては、上記従来技術は、ク
ランク室内オイル受け室内のオイルをクランク室外オイ
ル収容室に送り込めないので、適用することができな
い。
【0009】また、上記従来技術の傾斜型エンジンを横
形エンジンに適用した場合に、クランク室内の油面がク
ランクアームの下面より上方に位置すると、エンジンの
運転によりオイルがクランクアームに掻き回されて早期
に劣化する問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、クラ
ンク室外オイル収容室の横外方への出張りを少なくし、
さらに、簡単な構造でありながら、クランク室内に脈動
圧力が発生しない多気筒エンジンにも適用でき、しか
も、オイル劣化を少なくしてオイルの寿命を長くする事
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、次のように構成したことを特徴とする。
【0012】◎発明1 横形エンジン(E)のクランク室(51)のシリンダ(21)側と
は反対側の側面外部にクランク室外オイル収容室(58)を
付設し、クラク室(51)の内部下方にクランク室内オイル
受け室(52)を設け、クランク室内オイル受け室(52)とク
ランク室外オイル収容室(58)とを室間連通部(61)を介し
て連通させるとともに、この横形エンジン(E)に室間オ
イル移送手段(P)を設け、この室間オイル移送手段(P)
の作動により、クランク室内オイル受け室(52)内のオイ
ルを室間連通部(61)からクランク室外オイル収容室(58)
へ移送して、クランク室外オイル収容室(58)内の油面(L
2)をクランク室内オイル受け室(52)内の油面(L1)よりも
高く保持するように構成した、横形エンジンの潤滑装置
のクランク室外オイル収容装置において、クランク室外
オイル収容室(52)の前記シリンダ(21)から遠い側の側壁
(60)を、シリンダ軸心(20)の軸直交面にほぼ沿わせて形
成したしたものである。
【0013】◎発明2 上記発明1において、室間オイル移送手段(P)を、横形
エンジン(E)の運転に伴ってクランク室(51)内に発生す
るブローバイガス(BG)の圧力(Pb)を利用して構成したも
のである。
【0014】
【作用】クランク室外オイル収容室内では、シリンダ軸
心の軸直交面にほぼ沿った外側の側壁と、クランク室の
シリンダとは反対側の側面との間の略全空間を利用して
オイル収容空間が形成される。この結果、クランク室外
オイル収容室内に所定のオイル収容空間を確保する場
合、上記外側の側壁とクランク室の上記側面との間の間
隔を最も小さくすることができる。
【0015】また、横形エンジン(E)の運転に伴ってク
ランク室(51)内に発生するブローバイガス圧力(Pb)を利
用して室間オイル移送手段(P)を構成する場合には、室
間オイル移送手段(P)が次のように作用する。
【0016】横形エンジン(E)の運転開始とともに燃焼
室内からクランク室(51)内へブローバイガス(BG)が流入
しはじめ、クランク室内のブローバイガス圧力(Pb)が高
まっていく。そして、横形エンジン(E)の運転中は、ブ
ローバイガス(BG)がクランク室(51)内へ流入し続けるの
で、上記ブローバイガス圧力(Pb)が常に高められ、過剰
となったブローバイガス(BG)のみがクランク室(51)外へ
排出される。
【0017】この結果、クランク室(51)内のブローバイ
ガス圧力(Pb)はエンジンの回転速度や負荷状態が変化し
ても減圧されることがなく、常に高い圧力状態に維持さ
れるので、クランク室内オイル受け室(52)内の油面(L1)
は常に低く押し下げられ、その高さ位置が低く保持され
続ける。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成し作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0019】(イ) クランク室外オイル収容室は、所定
の収容空間を確保する場合に、外側の側壁の横外方への
突出量を最も少なくでき、この結果、エンジン全体の横
幅を小さくすることができる。
【0020】(ロ) エンジンの運転に伴ってクランク室
内に発生するブローバイガス圧力を利用して室間オイル
移送手段を構成した場合には、従来技術と異なり、クラ
ンク室内にピストンの往復運動による脈動圧力が生じな
い多気筒エンジンであっても確実にオイルを移送するこ
とができ、しかもブローバイガス圧力を利用するだけで
あるので、極めて簡単な構造で実施できる。
【0021】(ハ) さらにこの場合、クランク室内のブ
ローバイガス圧力はエンジンの回転速度や負荷が変化し
ても減少することがなく、常にクランク室内オイル受け
室の油面を十分低く押し下げることができる。この結
果、クランク室内のオイルは、クランクアーム等の回転
運動部で異常に跳ね飛ばされ続けることが無く、この分
オイルの過熱を防止して潤滑不良やオイル劣化を解消で
きる。
【0022】
【実施例】図1乃至図3は本発明の第1実施例を示し、
強制水冷横形縦軸2気筒頭上弁うず室式ディーゼルエン
ジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容装置である。
【0023】[A]横形エンジン本体の基本構造 図1は横形エンジン本体の中央縦断正面図、図2はギヤ
ケース部での横断底面図である。
【0024】図1に示すように、この横形エンジン(E)
は、シリンダブロック(11)の左側にシリンダヘッド(12)
及びヘッドカバー(13)が順に固定され、シリンダブロッ
ク(11)の下側にギヤケース(15)、下壁外面に潤滑ポンプ
(19)が、それぞれ固設され、シリンダブロック(11)の右
側に収容室タンク(57)が付設してある。また、図2に示
すように、シリンダブロック(11)の後側面の下半部にフ
ランジ形燃料噴射ポンプ(17)のポンプハウジングが形成
してある。
【0025】2つのシリンダ(21)には、それぞれピスト
ン(22)が左右摺動自在に内嵌してある。各ピストン(22)
は、それぞれコンロッド(23)を介して、クランク軸(24)
のクランクピン(25)に連接してあり、両クランクピン(2
5)は、回転の位相が互いに180度異なる。
【0026】クランク軸(24)は、クランクケース(7)お
よびギヤケース(15)内を上下に貫通し、クランクケース
(7)の下壁(26)・中間壁(27)・及び上壁(28)にトンネル
形軸受装置(29)を介して、回転自在に枢支してある。こ
のクランク軸(24)に、ギヤケース(15)の底壁(30)外でフ
ァン駆動プーリ(34)が、ギヤケース(15)内でクランクギ
ヤ(36)が、クランクケース上壁(28)外でフライホイル(3
5)が、それぞれ固定してある。
【0027】ギヤケース(15)内には、調時伝動ギヤ(36
〜39)と、潤滑ポンプ(19)と、ガバナ装置(49)とが収容
してある。この調時伝動ギヤ(36〜39)は、クランクギヤ
(36)にアイドルギヤ(37)を介して動弁カムギヤ(38)と燃
料噴射カムギヤ(39)とを連動連結し、また、クランクギ
ヤ(36)にオイルポンプギヤ(41)を介して潤滑ポンプ(19)
を連動連結したものからなる。
【0028】[B]潤滑装置のオイル収容装置の構造 図3は横形エンジン本体のシリンダブロック部の縦断面
図である。
【0029】図3に示すように、クランク室(51)の下部
と連通するギヤケース(15)内に、クランク室内オイル受
け室(52)が設けてあり、クランクギヤ(36)の下面よりも
僅かに上方に規定油面(L0)が設定してある。
【0030】前記収容室タンク(57)はクランク室(51)側
を開口した箱形に形成してあり、シリンダブロック(11)
の右側面およびギヤケース(15)の右側面に亘ってガスケ
ット(56)を介して固設してある。そして、上記ガスケッ
ト(56)によりクランク室(51)内およびギヤケース(15)内
と区画されて、内部にクランク室外オイル収容室(58)が
形成してある。
【0031】この収容室タンク(57)の周壁のうち、前記
シリンダ(21)から遠い側壁であるタンク外側壁(60)は、
シリンダ軸心(20)と直交する軸直交面にほぼ沿う形に形
成してあり、クランク室外オイル収容室(58)の右横方向
への出張りを少なくして、エンジン全体の横幅を小さく
してある。
【0032】なお、収容室タンク(57)の上面にはブリー
ザパイプ(77)を開口させて付設してあり、クランク室外
オイル収容室(58)の気層空間(59)がブリーザパイプ(77)
を介して図外のオイル分離装置に連通させてある。
【0033】上記ギヤケース(15)には、右側端部から離
隔した位置に底壁(30)から上方へ隔壁(69)が一体に突設
してあり、隔壁(69)上端は上方に位置するクランクケー
ス下壁(26)下面に接当してある。そして、ギヤケース(1
5)右側端を区画する前記ガスケット(56)と上記隔壁(69)
との間にガス分離室(66)が形成される。
【0034】この隔壁(69)には室間連通孔(61)が一側面
から他側面に亘って透設してあり、この室間連通孔(61)
の連通入口(62)が、前記規定油面(L0)よりも下方に位置
させてクランク室内オイル受け室(52)内に開口してあ
る。
【0035】ガス分離室(66)の右横側面の下部には、ガ
スケット(56)に油孔(67)が開口してある。これにより、
クランク室内オイル受け室(52)は、室間連通孔(61)、ガ
ス分離室(66)、及び油孔(67)を順に介して、クランク室
外オイル収容室(58)に連通される。
【0036】ガス分離室(66)の上面を区画するクランク
ケース下壁(26)には分離ガス導出管(86)が上方に向けて
立設してある。この分離ガス導出管(86)の上部は、クラ
ンクケース(7)の中間壁(27)と上壁(28)との間で収容室
タンク(57)側に曲げられ、ガスケット(56)の上寄部を突
き抜けて、先端の分離ガス出口(68)がクランク室外オイ
ル収容室(58)内の気層空間(59)内に開口している。
【0037】[C]室間オイル移送手段の構成 この横形エンジン(E)は、運転に伴ってクランク室(51)
内にブローバイガス(BG)が発生するが、このブローバイ
ガス(BG)の圧力(Pb)を利用して室間オイル移送手段(P)
が構成される。
【0038】即ち、エンジン(E)の運転とともにクラン
ク室(51)内にブローバイガス(BG)が溜められ、この滞留
したブローバイガス(BG)の圧力(Pb)により、クランク室
内オイル受け室(52)内のオイルが、上記連通入口(62)か
ら室間連通孔(61)、ガス分離室(66)、および油孔(67)を
順に介して、クランク室外オイル収容室(58)へ移送され
る。
【0039】一方、クランク室(51)内からは、ギヤケー
ス(15)内、室間連通孔(61)、ガス分離室(66)、分離ガス
導出管(86)及びクランク室外オイル収容室(58)の気層空
間(59)を順に介して、図外のオイル分離装置へ連通する
ブリーザ導出経路(75)が構成してある。これにより、室
間連通孔(61)がオイルで塞がれている間はクランク室(5
1)内にブローバイガス(BG)が滞留する。
【0040】クランク室(51)内のブローバイガス(BG)の
うち、オイル移送手段(P)としては過剰となったブロー
バイガス(BG)は、上記ブリーザ導出経路(75)からオイル
分離装置へ導かれる。
【0041】なお、図1に示すように、収容室タンク(5
7)の上壁には検油口(78)が設けてあり、この検油口(78)
に固定された検油管(79)内に検油棒(80)の棒先端側の検
油部(81)が挿入されているが、この検油口(78)には、ク
ランク室(51)内の圧力を維持するため、検油棒(80)の棒
基端側に固設した検油口キャップ(82)が開閉可能に蓋し
てあり、クランク室(51)内のブローバイガス(BG)がこの
検油口(78)から漏れないように密封してある。
【0042】[D]潤滑装置のオイル収容方法 次に、横形エンジンの潤滑装置のオイル収容方法を説明
する。
【0043】[D1]オイルのクランク室内侵入状態 横形エンジン(E)が運転を停止している状態では、クラ
ンク室(51)内およびクランク室外オイル収容室(58)内が
いずれも大気圧状態となっている。このため、クランク
室内オイル受け室(52)内のオイルの油面(L1)は、クラン
ク室外オイル収容室(58)内のオイルの油面(L2)と同じ高
さにまで上昇しており、規定油面(L0)よりも高くなって
クランク室(51)内に侵入している。
【0044】[D2]オイルの押出しによる移送 横形エンジン(E)が運転を開始すると、燃焼室内の膨張
ガスの一部がピストン(22)とシリンダ孔(21)との摺動面
間から洩れ、これがブローバイガス(BG)となってクラン
ク室(51)内へ流入し始め、クランク室(51)の内圧が上昇
していく。
【0045】クランク室(51)内のオイルはこのブローバ
イガス圧(Pb)により下方へ押され、連通入口(62)から室
間連通路(61)、ガス分離室(66)及び油孔(67)を順に通っ
て、クランク室外オイル収容室(58)に流れ込む。これに
より、クランク室内オイル受け室(52)の油面(L1)は、規
定油面(L0)にまで押し下げられ、クランク室外オイル収
容室(58)の油面(L2)が押し上げられていく。
【0046】[D3]空気の排出 クランク室外オイル収容室(58)内の油面上の空気は、内
部の油面(L2)の上昇に伴い、ブリーザパイプ(77)から押
し出される。
【0047】[D4]ブローバイガスの導出 上述の[D2]オイルの押出しによる移送、および[D3]空気
の排出により、規定油面(L0)まで押し下げられた油面(L
1)は、クランク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)がさ
らに高まると、規定油面(L0)よりも低下して、油面(L1)
上に室間連通路(61)の連通入口(62)が開口する。クラン
ク室(51)内のブローバイガス(BG)は、この開口した連通
入口(62)から室間連通路(61)に流れ込み、ブリーザ導出
経路(75)からオイル分離装置へ案内される。このブロー
バイガスの導出はエンジン(E)が停止するまで継続され
る。
【0048】[D5]オイルのクランク室内への逆流 横形エンジン(E)が運転を停止すると、クランク室(51)
内は次第に大気圧に戻る。この圧力低下により、クラン
ク室外オイル収容室(58)内へ押し出されていたオイルが
室間連通路(61)を通ってクランク室(61)内に逆流し、ク
ランク室内オイル受け室(52)内の油面(L1)がクランク室
外オイル収容室(58)内の油面(L2)と同じ高さになるまで
上昇するとオイルの逆流が停止する。これにより、上記
[D1]で説明した、オイルのクランク室内侵入状態に戻
る。
【0049】図4は、本発明の第2実施例を示す、上記
第1実施例と同形式のエンジンのヘッドカバーの縦断正
面図である。
【0050】本実施例では、上記第1実施例とは異な
り、ブリーザ導出経路(75)が、クランク室(51)から、ヘ
ッドカバー(13)に付設した移送圧設定用リリーフ弁(85)
を経由して、オイル分離器(76)へ至るように構成してあ
る。
【0051】この移送圧設定用リリーフ弁(85)の開弁作
動圧力は、クランク室(51)内のオイルの油面(L1)を規定
油面(L0)にまで押し下げる圧力とほぼ等しい圧力に設定
してある。
【0052】なお、符号(43)はクランク室内が異常昇圧
する際に開弁作動する安全圧設定リリーフ弁を示す。他
の構成は、上記第1実施例と同じ構造であるので説明を
省略する。
【0053】次に、この第2実施例の装置を用いて、ク
ランク室内オイル受け室内のオイルをクランク室外オイ
ル収容室へ移送する手順を説明する。
【0054】エンジン(E)の運転停止状態では、大気圧
状態のクランク室(51)内に連通している移送圧設定用リ
リーフ弁(85)は閉弁されており、ブリーザ導出経路(75)
は遮断されている。
【0055】エンジン(E)の運転開始とともに、ブロー
バイガス(BG)がクランク室(51)内へ流入し始める。ブリ
ーザ導出経路(75)は閉弁した移送圧設定用リリーフ弁(8
5)で遮断されているので、このブローバイガス(BG)はク
ランク室(51)内に溜まり、クランク室(51)内のブローバ
イガス圧力(Pb)が高まって、クランク室(51)内のオイル
がクランク室外オイル収容室(58)へ移送される。
【0056】クランク室(51)内の油面(L1)が規定油面(L
0)に達するまでブローバイガス圧力(Pb)が高まると、上
記移送圧設定用リリーフ弁(85)が開弁作動し、ブリーザ
導出経路(75)が連通する。
【0057】この結果、クランク室(51)内のブローバイ
ガス(BG)はブリーザ導出経路(75)からクランク室(51)外
へ導出され、クランク室(51)内は圧力がリリーフ設定圧
に保持され、油面(L1)が規定油面(L0)に維持される。
【0058】なお、この第2実施例では、移送圧設定用
リリーフ弁(85)をヘッドカバーに設けたが、これに代え
てギヤケース(15)の上部など、クランク室(51)内と連通
する他の位置に設けてもよい。
【0059】上記実施例ではいずれも強制水冷横形縦軸
デイーゼルエンジンについて説明したが、本発明は、横
形エンジンであればよく、空冷エンジンやガソリンエン
ジンなど、いずれの形式のエンジンにも適用することが
できる。
【0060】また、クランク室内オイル受け室について
は、ギヤケース内に代えてクランクケース内に設けても
よく、この場合には、ギヤケースがクランクケースの上
部に形成されているエンジンや、ギヤケース内がクラン
ク室内と連通していないエンジンにも適用できる。
【0061】さらに、室間連通部はクランク室内の配管
や肉壁内、あるいはクランク室外に配管して構成しても
よい。
【0062】また、ガス分離室は隔壁をクランクケース
下壁から下方に向けて突設して形成したり、あるいはク
ランクケース内の下部空間や、収容室タンク内に設けて
もよく、さらには省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す、横形エンジン本体の中央縦
断正面図である。
【図2】ギヤケース部での横断底面図である。
【図3】横形エンジン本体のシリンダブロック部の縦断
面図である。
【図4】第2実施例を示す、ヘッドカバー部の縦断正面
図である。
【図5】従来技術を示す、エンジンの潤滑装置のクラン
ク室外オイル収容装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
20…シリンダ軸心、21…シリンダ、51…クランク室、52
…クランク室内オイル受け室、58…クランク室外オイル
収容室、60…クランク室外オイル収容室のシリンダから
遠い側の側壁、61…室間連通部、E…横形エンジン、L1
…クランク室内オイル受け室内の油面、L2…クランク室
外オイル収容室内の油面、BG…ブローバイガス、P…室
間オイル移送手段、Pb…ブローバイガス圧力。
フロントページの続き (72)発明者 山本 信裕 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 山本 昌一 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 渡辺 豊 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 早谷 章 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横形エンジン(E)のクランク室(51)のシ
    リンダ(21)側とは反対側の側面外部にクランク室外オイ
    ル収容室(58)を付設し、クラク室(51)の内部下方にクラ
    ンク室内オイル受け室(52)を設け、 クランク室内オイル受け室(52)とクランク室外オイル収
    容室(58)とを室間連通部(61)を介して連通させるととも
    に、この横形エンジン(E)に室間オイル移送手段(P)を
    設け、 この室間オイル移送手段(P)の作動により、クランク室
    内オイル受け室(52)内のオイルを室間連通部(61)からク
    ランク室外オイル収容室(58)へ移送して、クランク室外
    オイル収容室(58)内の油面(L2)をクランク室内オイル受
    け室(52)内の油面(L1)よりも高く保持するように構成し
    た、横形エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容
    装置において、 クランク室外オイル収容室(52)の前記シリンダ(21)から
    遠い側の側壁(60)を、シリンダ軸心(20)の軸直交面にほ
    ぼ沿わせて形成したことを特徴とする横形エンジンの潤
    滑装置のクランク室外オイル収容装置。
  2. 【請求項2】 室間オイル移送手段(P)を、横形エンジ
    ン(E)の運転に伴ってクランク室(51)内に発生するブロ
    ーバイガス(BG)の圧力(Pb)を利用して構成した請求項1
    に記載の横形エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル
    収容装置。
JP4218661A 1992-07-24 1992-07-24 横形エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容装置 Pending JPH0642323A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2166195A2 (en) * 2008-09-18 2010-03-24 United Technologies Corporation Fluid reservoir in a gas turbine engine

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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