JPH0633732A - 縦軸エンジンの潤滑装置のオイル収容装置 - Google Patents

縦軸エンジンの潤滑装置のオイル収容装置

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JPH0633732A
JPH0633732A JP20745692A JP20745692A JPH0633732A JP H0633732 A JPH0633732 A JP H0633732A JP 20745692 A JP20745692 A JP 20745692A JP 20745692 A JP20745692 A JP 20745692A JP H0633732 A JPH0633732 A JP H0633732A
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JP
Japan
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chamber
oil
crank
crank chamber
outside
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Application number
JP20745692A
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English (en)
Inventor
Masahiro Akeda
正寛 明田
Kazutoshi Okamoto
一利 岡本
Shuichi Yamada
修一 山田
Nobuhiro Yamamoto
信裕 山本
Shoichi Yamamoto
昌一 山本
Akira Hayatani
章 早谷
Yutaka Watanabe
豊 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構造で確実にオイルをクランク室内から
クランク室外オイル収容室へ移送でき、しかも、クラン
ク室外オイル収容室内でのオイル劣化を少なくしてオイ
ルの寿命を長くする。 【構成】クランク室内オイル受け室(52)とクランク室外
オイル収容室(58)とを室間連通部(61)を介して連通す
る。クランクケース(7)下側に配置したギヤケース(15)
内で、室間連通部(61)とクランク室外オイル収容室(58)
との間にガス分離室(66)を設ける。ガス分離室(66)内で
流入したブローバイガス(BG)とオイルとを分離可能に構
成する。ガス分離室(66)の上部に分離ガス出口(68)を設
け、この分離ガス出口(68)よりも下方に油孔(67)を開口
する。この油孔(67)を介してガス分離室(66)とクランク
室外オイル収容室(58)とを連通する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦軸エンジンの潤滑装
置において、クランク室内の下部のオイルをクランク室
外のオイル収容室に移送して収容するようにした、オイ
ル収容装置に関する。
【0002】
【従来技術】この種のエンジンの潤滑装置のオイル収容
装置として、例えば図7に示すように、エンジン(E)の
クランク室(51)の内部下方にクランク室内オイル受け室
(52)を設け、クランク室外に取付けた収容室タンク(57)
内にクランク室外オイル収容室(58)を設け、このクラン
ク室内オイル受け室(52)とクランク室外オイル収容室(5
8)とを室間連通部(61)を介して互いに連通させ、室間オ
イル移送手段(P)を設けて、クランク室内オイル受け室
(52)内のオイルを室間連通部(61)からクランク室外オイ
ル収容室(58)へ移送するとともに、クランク室外オイル
収容室(58)内の油面(L2)をクランク室内オイル受け室(5
2)内の油面(L1)よりも高く保持するように構成したもの
がある(特開昭59−5820号公報)。
【0003】上記従来技術は横軸エンジンであるが、ク
ランク室外オイル収容室(58)が次のように構成されてい
る。
【0004】即ち、エンジン(E)は全体が傾斜させてあ
り、シリンダブロック(11)は、シリンダ部(21)とは反対
側のクランクケース(7)側壁を開口し、この開口にバッ
フル板(116)を挟んで上記収容室タンク(57)が付設して
ある。
【0005】収容室タンク(57)内には、バッフル板(11
6)に沿って仕切り壁(118)が下部より所定の高さまで立
設してあり、この仕切り壁(118)のバッフル板(116)側に
通路(119)が、その反対側に前記クランク室外オイル収
容室(58)が形成してある。
【0006】バッフル板(116)の下部には前記室間連通
部(61)が開口してあり、この室間連通孔(61)の出口側に
逆止弁(114)が付設してある。上記クランク室内オイル
受け室(52)は、この室間連通部(61)と上記通路(119)と
を順に介してクランク室外オイル収容室(58)に連通して
ある。
【0007】上記逆止弁(114)は、クランク室(51)内に
生じる脈動圧力(111)のうち、正圧成分(112)で開き、負
圧成分(113)で閉じる。これにより、上記室間オイル移
送手段(P)がこの正圧成分(112)で構成され、クランク
室内オイル受け室(52)内のオイルが前記通路(119)へ圧
送されて、ブローバイガスとともに通路(119)内を押し
上げられたのち、仕切り板(118)の上端を越えてクラン
ク室外オイル収容室(58)へ送り込まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、ク
ランク室(51)内のオイルがブローバイガスとともに通路
(119)内を上昇してクランク室外オイル収容室(51)内へ
流入するため、次の問題点がある。
【0009】即ち、通路(119)内に流入したブローバイ
ガスは、通路(119)内のオイルに十分触れながら上昇
し、通路(119)上端に形成されたガス出口(68)からクラ
ンク室外オイル収容室(58)内の上部空間内に導かれる。
一方、エンジンの各部を潤滑したのちクランク室内オイ
ル収容室(52)に戻されたオイルは、室間連通部(61)から
通路(119)へと送り出される。そして、通路(119)内でブ
ローバイガスに長く触れ、劣化し易くなったオイルが上
記ガス出口(68)から仕切り壁(118)の上端を越えて順次
クランク室外オイル収容室(58)内へ流入する。この結
果、クランク室外オイル収容室(58)内のオイルは、順次
流入するこの劣化し易くなったオイルと混合されるの
で、オイル全体が早期に劣化してしまう問題がある。
【0010】また、上記従来技術では、室間オイル移送
手段(P)がクランク室(51)内に生じる脈動圧力(111)の
うちの正圧成分(112)で構成されるため、次の問題があ
る。
【0011】即ち、多気筒エンジンでは、振動の低減を
重視する面から各ピストンの往復運動の位相をずらせる
ので、このピストンの往復運動によるクランク室内の容
積変化がなく、脈動圧力を殆ど生じないように構成され
るものが多い。このようにクランク室内に脈動圧力が生
じない多気筒エンジンに対しては、上記従来技術は、ク
ランク室内オイル受け室内のオイルをクランク室外オイ
ル収容室に送り込めないので、適用することができな
い。
【0012】本発明の課題は、簡単な構造で確実にオイ
ルをクランク室内からクランク室外オイル収容室へ移送
でき、しかも、クランク室外オイル収容室内でのブロー
バイガスによるオイルの劣化を少なくして、オイルの寿
命を長くする事にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、前記の基本構造において、次のように構成
したことを特徴とする。
【0014】◎発明1 縦軸エンジン(E)のクランクケース(7)の下側にギヤケ
ース(15)を配置し、このギヤケース(15)内で、上記室間
連通部(61)とクランク室外オイル収容室(58)との間にガ
ス分離室(66)を設けて、クランク室(51)内から室間連通
部(61)を経て流出するブローバイガス(BG)とオイルとを
このガス分離室(66)内で分離可能に構成し、ガス分離室
(66)の上部に分離ガス出口(68)を設け、この分離ガス出
口(68)よりも下方に油孔(67)を開口し、この油孔(67)を
介してガス分離室(66)とクランク室外オイル収容室(58)
とを連通して構成した。
【0015】◎発明2 上記の発明1において、ガス分離室(66)とクランク室内
オイル受け室(52)とを区画する隔壁(69)を、ギヤケース
(15)の底壁(30)と一体に形成する構成を追加した。
【0016】◎発明3 発明1の縦軸エンジンの潤滑装置のオイル収容装置にお
いて、クランクケース(7)の下側にギヤケース(15)を配
置してこのギヤケース(15)内にガス分離室(66)を設ける
構成に代えて、クランクケース(7)内の下部空間内で、
室間連通部(61)とクランク室外オイル収容室(58)との間
にガス分離室(66)を設けて構成した。
【0017】◎発明4 上記発明1ないし発明3のいずれかの発明において、室
間オイル移送手段(P)を、縦軸エンジン(E)の運転に伴
ってクランク室(51)内に発生するブローバイガス(BG)の
圧力(Pb)を利用して構成した。
【0018】
【作用】クランク室(51)内からガス分離室(66)に流入し
たブローバイガス(BG)は、オイルから分離され、クラン
ク室外オイル収容室(58)に流入せずに、ガス分離室(66)
の上部の分離ガス出口(68)からクランク室(51)外へ導出
される。一方、ガス分離室(66)内に順次流入してくるオ
イルは、ブローバイガスと分離されて下方の油孔(67)か
ら速やかにクランク室外オイル収容室(58)内へ移送され
る。このとき、ガス分離室(66)内で油孔(67)よりも上部
に位置するオイルは、ブローバイガスと長く触れても、
ガス分離室(66)内に滞留してクランク室外オイル収容室
(58)内に流入することがない。
【0019】また、ガス分離室(66)とクランク室内オイ
ル受け室(52)とを区画する隔壁(69)を、ギヤケース(15)
の底壁(30)と一体に形成した場合には、この隔壁(69)に
よりギヤケース(15)の底壁(30)が補強される。
【0020】また、縦軸エンジン(E)の運転に伴ってク
ランク室(51)内に発生するブローバイガス圧力(Pb)を利
用して室間オイル移送手段(P)を構成する場合には、室
間オイル移送手段(P)が次のように作用する。
【0021】縦軸エンジン(E)の運転開始とともに燃焼
室内からクランク室(51)内へブローバイガス(BG)が流入
しはじめ、クランク室内のブローバイガス圧力(Pb)が高
まっていく。そして、縦軸エンジン(E)の運転中は、ブ
ローバイガス(BG)がクランク室(51)内へ流入し続けるの
で、上記ブローバイガス圧力(Pb)が常に高められ、過剰
となったブローバイガス(BG)のみがクランク室(51)外へ
排出される。
【0022】この結果、クランク室(51)内のブローバイ
ガス圧力(Pb)はエンジンの回転速度や負荷状態が変化し
ても減圧されることがなく、常に高い圧力状態に維持さ
れるので、クランク室内オイル受け室(52)内の油面(L1)
は規定油面(L0)に押し下げられてその高さ位置が保持さ
れる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成し作用する
ことから、次の効果を奏する。
【0024】(イ) クランク室外オイル収容室内のオイ
ルは、その内部をブローバイガスが通過しないうえ、油
孔から流入するオイルがガス分離室内でブローバイガス
と長く接触していないので、これによって劣化されるこ
とがない。一方、ガス分離室内でブローバイガスと長く
接触するオイルは、エンジンの運転中、ガス分離室内に
滞留してクランク室外オイル収容室内のオイルと混るこ
とがなく、クランク室外オイル収容室内のオイルを汚損
しない。
【0025】(ロ) また、ガス分離室内でブローバイガ
スと長く接触するオイルは、エンジンの運転停止時にク
ランク室内へ戻っても、その油量がクランク室内オイル
受け室内へ戻るオイル全量に対して僅かであるため、こ
れによってオイル全体が汚損される割合が極めて少なく
すむ。この結果、オイル全体のブローバイガスによる劣
化が少なくすみ、オイルの寿命を長くできる。
【0026】(ハ) ガス分離室がギヤケース内か、ある
いはこれに代えてクランクケース内に形成してあるの
で、室間連通部とクランク室外オイル収容室との間にガ
ス分離室を有するにもかかわらず、エンジンの外形を小
形にまとめることができる。
【0027】(ニ) ガス分離室とクランク室内オイル受
け室とを区画する隔壁を、ギヤケースの底壁と一体に形
成した場合には、この隔壁でギヤケース底壁が補強され
るので、ギヤケースの強度を向上できるうえ、ガス分離
室を安価に製造することができる。
【0028】(ホ) エンジンの運転に伴ってクランク室
内に発生するブローバイガス圧力を利用して室間オイル
移送手段を構成した場合には、従来技術と異なり、クラ
ンク室内にピストンの往復運動による脈動圧力が生じな
い多気筒エンジンであっても、クランク室内にブローバ
イガス圧力が発生することから本発明を適用でき、しか
も室間オイル移送手段はブローバイガス圧力を利用する
だけであるので、極めて簡単な構造で実施できる。
【0029】(ニ) さらにこの場合、クランク室内のブ
ローバイガス圧力はエンジンの回転速度や負荷が変化し
ても減少することがなく、常にクランク室内オイル受け
室の油面を十分低く押し下げることができる。この結
果、クランク室内のオイルは、クランクアーム等の回転
運動部で異常に跳ね飛ばされ続けることが無く、この分
オイルの過熱を防止して潤滑不良やオイル劣化を解消で
きる。
【0030】
【実施例】図1乃至図4は本発明の実施例を示し、強制
水冷横形縦軸2気筒頭上弁うず室式ディーゼルエンジン
の潤滑装置のクランク室外オイル収容装置である。
【0031】[A]縦軸エンジン本体の基本構造 図1は縦軸エンジン本体の中央縦断正面図、図2はギヤ
ケース部での横断底面図である。
【0032】図1に示すように、この縦軸エンジン(E)
は、シリンダブロック(11)の左側にシリンダヘッド(12)
及びヘッドカバー(13)が順に固定され、そのシリンダブ
ロック(11)の下側にギヤケース(15)、下壁外面に潤滑ポ
ンプ(19)が、それぞれ固設されている。また、図2に示
すように、シリンダブロック(11)の後側面の下半部にフ
ランジ形燃料噴射ポンプ(17)のポンプハウジングが形成
してある。
【0033】2つのシリンダ孔(21)には、それぞれピス
トン(22)が左右摺動自在に内嵌してある。各ピストン(2
2)は、それぞれコンロッド(23)を介して、クランク軸(2
4)のクランクピン(25)に連接してあり、両クランクピン
(25)は、回転の位相が互いに180度異なる。
【0034】クランク軸(24)は、クランクケース(7)お
よびギヤケース(15)内を上下に貫通し、クランクケース
(7)の下壁(26)・中間壁(27)・及び上壁(28)にトンネル
形軸受装置(29)を介して、回転自在に枢支してある。こ
のクランク軸(24)に、ギヤケース(15)の底壁(30)外でフ
ァン駆動プーリ(34)が、ギヤケース(15)内でクランクギ
ヤ(36)が、クランクケース上壁(28)外でフライホイル(3
5)が、それぞれ固定してある。
【0035】ギヤケース(15)内には、調時伝動ギヤ(36
〜39)と、潤滑ポンプ(19)と、ガバナ装置(49)とが収容
してある。この調時伝動ギヤ(36〜39)は、クランクギヤ
(36)にアイドルギヤ(37)を介して動弁カムギヤ(38)と燃
料噴射カムギヤ(39)とを連動連結し、また、クランクギ
ヤ(36)にオイルポンプギヤ(41)を介して潤滑ポンプ(19)
を連動連結したものからなる。
【0036】[B]潤滑装置のオイル収容装置の構造 図3は縦軸エンジン本体のシリンダブロック部の縦断面
図、図4はガス分離室周辺の拡大図である。
【0037】図3に示すように、クランク室(51)の下部
と連通するギヤケース(15)内に、クランク室内オイル受
け室(52)が設けてあり、クランク室(51)の下側に配置し
た調時伝動ギヤ(36〜39)のうち、最下位に位置するクラ
ンクギヤ(36)の下面よりも少し高い位置に規定油面(L0)
が設定してある。
【0038】シリンダブロック(11)の右側面およびギヤ
ケース(15)の右側面に亘って収容室タンク(57)がガスケ
ット(56)を介して固設してある。この収容室タンク(57)
はクランク室(51)側を開口した箱形に形成してあり、上
記ガスケット(56)によりクランク室(51)内およびギヤケ
ース(15)内と区画されて、内部にクランク室外オイル収
容室(58)が形成される。
【0039】なお、収容室タンク(57)の上面にはブリー
ザパイプ(77)を開口させて付設してあり、クランク室外
オイル収容室(58)の気層空間(59)がブリーザパイプ(77)
を介して図外のオイル分離装置に連通させてある。
【0040】また、収容室タンク(57)の周壁のうち、前
記シリンダ(21)から遠い側壁であるタンク外側壁(60)
は、シリンダ軸心(20)と直交する軸直交面にほぼ沿う形
に形成してあり、オイル収容室タンク(53)の右横方向へ
の出張りを少なくして、エンジン全体の横幅を小さくし
てある。
【0041】上記ギヤケース(15)には、図4に示すよう
に、右側端部から離隔した位置に底壁(30)から上方へ隔
壁(69)が一体に突設してあり、隔壁(69)上端は上方に位
置するクランクケース下壁(26)下面に接当してある。そ
して、ギヤケース(15)右側端を区画する前記ガスケット
(56)と上記隔壁(69)との間にガス分離室(66)が形成され
る。
【0042】また、隔壁(69)には、室間連通孔(61)が一
側面から他側面に亘って透設してあり、この室間連通孔
(61)の連通入口(62)が、前記規定油面(L0)の下側に位置
させてクランク室内オイル受け室(52)内に開口してあ
る。
【0043】ガス分離室(66)の右横側面の下部には、ガ
スケット(56)に油孔(67)が開口してある。これにより、
クランク室内オイル受け室(52)は、室間連通孔(61)、ガ
ス分離室(66)、及び油孔(67)を順に介して、クランク室
外オイル収容室(58)に連通される。
【0044】ガス分離室(66)の上面を区画するクランク
ケース下壁(26)には分離ガス導出管(86)が上方に向けて
立設してある。この分離ガス導出管(84)の上部は、クラ
ンクケース(7)の中間壁(27)と上壁(28)との間で収容室
タンク(57)側に曲げられ、ガスケット(56)の上寄部を突
き抜けて、先端の分離ガス出口(68)がクランク室外オイ
ル収容室(58)内の気層空間(59)内に開口している。
【0045】この縦軸エンジン(E)は、運転に伴ってク
ランク室(51)内にブローバイガス(BG)が発生するが、こ
のブローバイガス(BG)の圧力(Pb)を利用して室間オイル
移送手段(P)が構成してある。
【0046】一方、クランク室(51)内からは、ギヤケー
ス(15)内、室間連通孔(61)、ガス分離室(66)、分離ガス
導出管(86)及びクランク室外オイル収容室(58)の気層空
間(59)を順に介して、図外のオイル分離装置へ連通する
ブリーザ導出経路(75)が構成してある。
【0047】これにより、室間連通孔(61)がオイルで塞
がれている間はクランク室(51)内にブローバイガス(BG)
が滞留し、この滞留したブローバイガス(BG)の圧力(Pb)
により、クランク室内オイル受け室(52)内のオイルがク
ランク室外オイル収容室(58)へ移送される。
【0048】そして、クランク室(51)内のブローバイガ
ス(BG)のうち、オイル移送手段(P)としては過剰となっ
たブローバイガス(BG)が、上記ブリーザ導出経路(75)か
らオイル分離装置へ導かれる。
【0049】なお、図1に示すように、収容室タンク(5
7)の上壁には検油口(78)が設けてあり、この検油口(78)
に検油棒(80)の棒先端側の検油部(81)が挿入されている
が、この検油口(78)には、クランク室(51)内の圧力を維
持するため、検油棒(80)の棒基端側に固設した検油口キ
ャップ(82)が開閉可能に蓋してあり、クランク室(51)内
のブローバイガス(BG)がこの検油口(78)から漏れないよ
うに密封してある。
【0050】[C]潤滑装置のオイル収容方法 次に、上記の潤滑装置におけるオイル収容方法を説明す
る。
【0051】[C1]オイルのクランク室内侵入状態 縦軸エンジン(E)が運転を停止している状態では、クラ
ンク室(51)内およびクランク室外オイル収容室(58)内が
いずれも大気圧状態となっている。このため、クランク
室内オイル受け室(52)内のオイルの油面(L1)は、クラン
ク室外オイル収容室(58)内のオイルの油面(L2)と同じ高
さにまで上昇しており、規定油面(L0)よりも高くなって
クランク室(51)内に侵入している。
【0052】[C2]オイルの押出しによる移送 縦軸エンジン(E)が運転を開始すると、燃焼室内の膨張
ガスの一部がピストン(22)とシリンダ孔(21)との摺動面
間から洩れ、これがブローバイガス(BG)となってクラン
ク室(51)内へ流入し始め、クランク室(51)の内圧が上昇
していく。
【0053】クランク室(51)内のオイルはこのブローバ
イガス圧(Pb)により下方へ押され、連通入口(62)から室
間連通路(61)、ガス分離室(66)及び油孔(67)を順に通っ
て、クランク室外オイル収容室(58)に流れ込む。これに
より、クランク室内オイル受け室(52)の油面(L1)は、規
定油面(L0)にまで押し下げられ、クランク室外オイル収
容室(58)の油面(L2)が押し上げられていく。
【0054】[C3]空気の排出 クランク室外オイル収容室(58)内の油面上の空気は、内
部の油面(L2)の上昇に伴い、ブリーザパイプ(77)および
吸気路を経て燃焼室に吸い込まれる。
【0055】[C4]ブローバイガスの導出 上述の[C2]オイルの押出しによる移送、および[C3]空気
の排出により、規定油面(L0)まで押し下げられた油面(L
1)は、クランク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)がさ
らに高まると、規定油面(L0)よりも低下して、油面(L1)
上に室間連通路(61)の連通入口(62)が開口する。クラン
ク室(51)内のブローバイガス(BG)は、この開口した連通
入口(62)から室間連通路(61)に流れ込み、ブリーザ導出
経路(75)からオイル分離装置へ案内される。このブロー
バイガスの導出はエンジン(E)が停止するまで継続され
る。
【0056】[C5]オイルのクランク室内への逆流 縦軸エンジン(E)が運転を停止すると、クランク室(51)
内は次第に大気圧に戻る。この圧力低下により、クラン
ク室外オイル収容室(58)内へ押し出されていたオイルが
室間連通路(61)を通ってクランク室(61)内に逆流し、ク
ランク室内オイル受け室(52)内の油面(L1)がクランク室
外オイル収容室(58)内の油面(L2)と同じ高さになるまで
上昇するとオイルの逆流が停止する。これにより、上記
[C1]で説明した、オイルのクランク室内侵入状態に戻
る。
【0057】上記実施例ではいずれも強制水冷横型縦軸
デイーゼルエンジンについて説明したが、本発明は、ク
ランク室内にブローバイガスを生じる縦軸エンジンであ
ればよく、空冷エンジンやガソリンエンジンなど、いず
れの形式のエンジンにも適用することができる。
【0058】上記実施例では、ガス分離室とクランク室
内オイル受け室との隔壁を、ギヤケースの底壁から一体
に突設して形成したが、これに代えてクランクケース下
壁から下方に向けて突設して形成してもよい。また、ガ
ス分離室をクランクケース内の下部空間で、室間連通部
とクランク室外オイル収容室との間に形成することもで
きる。
【0059】クランク室外オイル収容室については、ク
ランクケースと別体に形成してもよく、複数設けること
もでき、設置箇所も上記の実施例のものに限定されな
い。
【0060】さらに、室間連通部はクランク室内の配管
や肉壁内、あるいはクランク室外に配管して構成しても
よい。
【0061】なお、上記実施例では、最下位に位置する
クランクギヤ(36)の下面よりも少し高い位置に規定油面
(L0)を設定したが、これに代えて、クランクギヤ(36)の
下面よりも下方に規定油面(L0)を設定してもよい。この
場合には、クランク室内オイル受け室(52)内のオイルが
調時伝動ギヤにより掻き回されることがない。
【0062】分離ガス導出管(86)は、図5に示すよう
に、上端をクランクケース上壁(28)に挿通して、分離ガ
ス出口(68)をクランク室外に開口してもよい。
【0063】収容室タンク(57)の上部は、図6に示すよ
うに、オイル分離装置(76)を設けてクランク室外オイル
収容室(58)の気層空間と連通してもよく、また、オイル
分離装置を省略して、大気に連通させてもよい。
【0064】また、検油口(78)は、図6に示すようにク
ランクケース上壁(28)に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例を示す、縦軸エンジン本体の
中央縦断正面図である。
【図2】ギヤケース部での横断底面図である。
【図3】縦軸エンジン本体のシリンダブロック部の縦断
面図である。
【図4】ガス分離室周辺の拡大図である。
【図5】変形例を示す、オイル収容部の要部縦断正面図
である。
【図6】別の変形例を示す、図10相当図である。
【図7】従来技術を示す、エンジンの潤滑装置のクラン
ク室外オイル収容装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
7…クランクケース、15…ギヤケース、51…クランク
室、52…クランク室内オイル受け室、58…クランク室外
オイル収容室、61…室間連通部(室間連通孔)、66…ガス
分離室、67…油孔、68…分離ガス出口、69…隔壁、E…
エンジン、L1…クランク室内オイル受け室内の油面、L2
…クランク室外オイル収容室内の油面、BG…ブローバイ
ガス、P…室間オイル移送手段、Pb…ブローバイガス圧
力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 信裕 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 山本 昌一 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 早谷 章 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 渡辺 豊 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦軸エンジン(E)のクランク室(51)の内
    部下方にクランク室内オイル受け室(52)を、外部にクラ
    ンク室外オイル収容室(58)をそれぞれ設け、 クランク室内オイル受け室(52)とクランク室外オイル収
    容室(58)とを室間連通部(61)を介して連通させるととも
    に、この縦軸エンジン(E)に室間オイル移送手段(P)を
    設け、 この室間オイル移送手段(P)の作動により、クランク室
    内オイル受け室(52)内のオイルを室間連通部(61)からク
    ランク室外オイル収容室(58)へ移送して、クランク室外
    オイル収容室(58)内の油面(L2)をクランク室内オイル受
    け室(52)内の油面(L1)よりも高く保持するように構成し
    た、縦軸エンジンの潤滑装置のオイル収容装置におい
    て、 縦軸エンジン(E)のクランクケース(7)の下側にギヤケ
    ース(15)を配置し、 このギヤケース(15)内で、上記室間連通部(61)とクラン
    ク室外オイル収容室(58)との間にガス分離室(66)を設け
    て、クランク室(51)内から室間連通部(61)を経て流出す
    るブローバイガス(BG)とオイルとをこのガス分離室(66)
    内で分離可能に構成し、 ガス分離室(66)の上部に分離ガス出口(68)を設け、この
    分離ガス出口(68)よりも下方に油孔(67)を開口し、この
    油孔(67)を介してガス分離室(66)とクランク室外オイル
    収容室(58)とを連通したことを特徴とする、縦軸エンジ
    ンの潤滑装置のオイル収容装置。
  2. 【請求項2】 ガス分離室(66)とクランク室内オイル受
    け室(52)とを区画する隔壁(69)を、ギヤケース(15)の底
    壁(30)と一体に形成した、請求項1に記載の縦軸エンジ
    ンの潤滑装置のオイル収容装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の縦軸エンジンの潤滑装
    置のオイル収容装置において、クランクケース(7)の下
    側にギヤケース(15)を配置してこのギヤケース(15)内に
    ガス分離室(66)を設ける構成に代えて、クランクケース
    (7)内の下部空間内で、室間連通部(61)とクランク室外
    オイル収容室(58)との間にガス分離室(66)を設けて構成
    した、縦軸エンジンの潤滑装置のオイル収容装置。
  4. 【請求項4】 室間オイル移送手段(P)を、縦軸エンジ
    ン(E)の運転に伴ってクランク室(51)内に発生するブロ
    ーバイガス(BG)の圧力(Pb)を利用して構成した請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載の縦軸エンジンの潤
    滑装置のオイル収容装置。
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