JPH0637149Y2 - 陸屋根等における防水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、陸屋根等における防水装置に関する。

従来の技術 従来、人が歩行し得る陸屋根の防水には、例えば強度の
大きいポリ塩化ビニル被覆鋼板（以下、塩ビ鋼板と記
す）よりなる防水シートが使用されており、陸屋根の防
水すべき壁の表面に、所要数の矩形防水シートが隣接す
るもの同志相互間に所定幅の間隙をあけて敷き並べら
れ、間隙にシール材が充填されるとともに、各防水シー
トの４つの側縁部が開脚釘等の固定具によってそれぞれ
防水すべき壁に固定され、隣接防水シートの互いに連結
すべき側縁部の上側に、間隙を跨いでポリ塩化ビニル製
帯状連結シートがのせられて、帯状連結シートが接着剤
を介して隣接防水シートの側縁部にそれぞれ接合されて
いた。

しかしながら、一般に塩ビ鋼板は、金属である鋼板を芯
材とするため、昼夜の温度差あるいは季節の変化に基づ
く温度差によって膨脹収縮の非常に大きいものであり、
従ってこのような温度差によって防水シートにいわゆる
脹れが生じて、人の歩行が困難になったり、また外観が
非常に悪くなり、あるいはまた防水シートの収縮によっ
て固定具が外れて、防水性が損われるという問題があっ
た。また隣接防水シートの連結側縁部同志の間の間隙に
充填されたシール材並びにこれに被覆された帯状連結シ
ートは、いずれも可燃性物質であるため、難燃基準に適
合する陸屋根の難燃防水施工ができないという問題があ
った。

考案の目的 この考案の目的は、上記の問題を解決し、強度の大きい
塩ビ鋼板等合成樹脂被覆金属板よりなる防水シートを用
いて陸屋根等の壁を防水施工することができ、しかも該
防水シートの温度差による膨脹収縮を阻害することな
く、すぐれた防水性を長期間保持することができるうえ
に、外観が非常にきれいでデザイン性にすぐれており、
さらに難燃防水施工が可能である陸屋根等における防水
装置を提供しようとするにある。

考案の構成 この考案は、上記の目的を達成するために、陸屋根等の
防水すべき壁の表面に、合成樹脂被覆金属板よりなる所
要数の矩形防水シートが隣接するもの同志相互に所定間
隙をあけて敷き並べられ、隣接防水シートの互いに連結
すべき側縁部の下側に、間隙を跨いで伸縮性を有する帯
状連結シートが配置され、各防水シートの４つの側縁部
のうちの一側縁部または直角に配された２つの側縁部の
下側において連結シートの同側縁部が固定具によって壁
に固定されるとともに、残りの側縁部の下側の帯状連結
シートは壁に固定されておらず、隣接防水シートの互い
に連結すべき側縁部がこれらの下側において間隙を跨ぐ
固定もしくは非固定帯状連結シートにそれぞれ接合さ
れ、隣接防水シートの間隙内にシール材が充填されてい
る、陸屋根等における防水装置を要旨としている。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

この明細書において、前後および左右は第２図を基準と
し、前とは第２図下側、後とは同上側、左とは同図左
側、右とは同右側をいうものとする。

この考案の第１実施例を示す第１図と第２図において、
陸屋根の防水すべき壁（１）の表面に、例えば長さ2mお
よび幅1mを有しかつポリ塩化ビニルまたはフッ素樹脂等
によって被覆せられた鋼板等の合成樹脂被覆金属板より
なる所要数の矩形防水シート（２）が隣接するもの同志
相互に所定間隙（３）をあけて敷き並べられている。こ
こで間隙（３）は温度差による防水シート（２）の膨脹
収縮を許容し得る幅を有するものである。

隣接防水シート（２）（２）の互いに連結すべき側縁部
（2a）（2a）の下側に、間隙（３）を跨いで伸縮性を有
する帯状連結シート（４）が配置されている。各防水シ
ート（２）の後側縁部（2a）の下側において連結シート
（４）の同側縁部（4a）が開脚釘、カール・プラグ等の
固定具（６）によって壁（１）に固定されるとともに、
残りの側縁部（2a）の下側の帯状連結シート（４）は壁
（１）に固定されておらず、隣接防水シート（２）
（２）の互いに連結すべき側縁部（2a）（2a）がこれら
の下側において間隙（３）を跨ぐ固定もしくは非固定帯
状連結シート（４）に接着剤（７）を介してそれぞれ接
合されている。隣接防水シート（２）（２）の間隙
（３）内にシール材（５）が充填されている。

上記陸屋根の防水すべき壁（１）は、通常コンクリート
製であるが、その他プレキヤストコンクリート板、軽量
気泡コンクリート板等によりつくられていてもよい。

上記帯状連結シート（４）としては、軟質ポリ塩化ビニ
ル等の熱可塑性合成樹脂製シート、あるいは非加硫ゴム
系シート等を使用するが、とくに接着性の点で軟質ポリ
塩化ビニル製シートを使用するのが好ましい。この帯状
連結シート（４）は、例えば幅100mm、厚さ約1.0〜2.0m
mである。

防水シート（２）と帯状連結シート（４）を接合する接
着剤としては、シリコーン系、ウレタン系およびゴム系
接着剤等を使用し得るが、とくに防水シート（２）と連
結シート（４）の接合面が共に塩化ビニル樹脂からなる
場合には、塩化ビニル樹脂、または塩化ビニルと酢酸ビ
ニル、エチレンもしくはプロピレンとの共重合物を、テ
トラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、トルエン
およびシクロヘキサノン等の単独ないし混合溶剤で溶解
し、その粘度が1500〜5000cps、好ましくは2000〜4000c
psである溶液型接着剤を使用するのが望ましい。この接
着剤の塗布量は、100〜600g/m²、好ましくは300〜400g/
m²である。

上記塩化ビニル樹脂またはその共重合物を含む溶液型接
着剤の粘度が1500cps未満であれば、隙間充填性が悪
く、接着後に充分な水密性が得られない。また5000cps
を越えると、粘性が高すぎて、塗布作業性が悪くなるの
で好ましくない。

また同接着剤の塗布量が100g/m²未満であれば、充分な
接着強度が得られないばかりか、水密性が充分でなく、
漏水のおそれがある。また600g/m²を越えると接着剤中
の溶剤により塩ビ鋼板表面の塩化ビニル樹脂被覆層が膨
潤して巻き上がり、これが剥がれてくるので、好ましく
ない。

なお、帯状連結シート（４）は隣り合う防水シート
（２）（２）に渡されて、その上面の略全面が防水シー
ト（２）（２）に接合されているが、これに限らず、隣
り合う防水シート（２）（２）の連結側縁部に、例えば
連結シート（４）の幅よりも狭い幅を有するクラフト紙
等よりなる非接合用シート（図示略）を予め粘着剤を介
してそれぞれ張り付けておき、この非接合シートに対応
する帯状連結シート（４）の幅中央部分を接合すること
なく、連結シート（４）の両側縁部のみを接着剤層
（７）を介して防水シート（２）に接合する場合もあ
る。後者によれば、クラフト紙等よりなる非接合用シー
トの幅分に対応する連結シート（４）の非接合部分が大
きくなる。連結シート（４）の接続側縁部の大部分は防
水シート（２）と接着されており、接着部分は防水シー
トと一体となって膨脹伸縮が行なわれるが、非接合用シ
ートの幅分に対応する連結シート（４）の非接合部分は
いわばフリーの状態となっており、その分連結シート
（４）の伸び量が大きくなる。その結果、連結シート
（４）は、防水シート（２）の膨脹収縮に追従しやすく
なるという利点がある。

また上記シール材（５）としては、例えば塩化ビニル樹
脂と溶剤とを含む上記溶液型接着剤と同素材よりなるも
のであって、さらに粘度の高いものを使用すればよく、
また一般のシリコン系、アクリル系あるいはウレタン系
等のシール材を使用しても勿論よい。

第３図は、この考案の第２実施例を示すものである。こ
こで、上記第１実施例の場合と異なる点は、陸屋根の防
水すべき壁（１）の表面に敷設された各防水シート
（２）の直角に配された２つの後側縁部（2a）と右側縁
部（2a）の下側において連結シート（４）の同側縁部
（4a）が固定具（６）によって壁（１）に固定されてい
る点にある。

この第２実施例のその他の点は、上記第１実施例の場合
と同様であるので、図面において同一のものには同一の
符号を付した。

上記２つの実施例において、この考案による防水装置に
よれば、合成樹脂被覆鋼板よりなる防水シート（２）の
一側縁部（2a）または直角に配された２つの側縁部（2
a）が、固定具（６）により止められた帯状連結シート
（４）の固定接続側縁部に接着剤層（７）を介して接合
されて陸屋根の防水すべき壁（１）に止められており、
防水シート（２）の残りの三方の側縁部（2a）または二
方の側縁部（2a）は帯状連結シート（４）の非固定接続
側縁部に接合されて、いわばフリーの状態となされてい
る。しかも隣り合う防水シート（２）の側縁部（2a）同
志の間に間隙（３）が設けられている。従って、環境に
温度差が生じると、防水シート（２）の鋼板よりなる芯
材が膨脹収縮するが、この場合、固定具（６）により止
められた帯状連結シート（４）の固定接続側縁部に接着
剤層（７）を介して接合された防水シート（２）の一側
縁部（2a）または直角に配された２つの側縁部（2a）の
膨脹伸縮は抑えられ、防水シート（２）の残りの三方の
側縁部（2a）または二方の側縁部（2a）と防水シート
（２）の中間の大部分とがいわばフリーの状態となされ
ていて、しかも隣り合う側縁部同志の間の間隙（３）が
いわば逃げの作用を果たすため、防水シート（２）の鋼
板よりなる芯材が、若干の変形を伴いながら（固定側縁
部は膨脹伸縮しないので）、充分に膨脹収縮することが
できるものである。従って従来のように、防水シートの
４つの側縁部を固定具によってそれぞれ防水すべき壁に
固定していた場合のように、膨脹により防水シート
（２）が脹れ上がったり、あるいは収縮により固定具
（６）が外れたりするようなことは全くないものであ
る。

第４図は、この考案を陸屋根の難燃性防水施工に適用し
た第３実施例を示すものである。この第３実施例におい
ては、上記第１実施例のシール材（５）のうち、接着性
を有するシール材（５）が用いられるとともに、隣接防
水シート（２）（２）の連結側縁部に、両面がポリ塩化
ビニルまたはフッ素樹脂等によって被覆せられた合成樹
脂被覆鋼板よりなる難燃性帯状被覆シート（８）が被せ
られ、この帯状被覆シート（８）がシール材（５）に接
合せられている。従ってこの場合、シール材（５）が屋
根の表面に表われないので、陸屋根全体が建物の難燃基
準に適合するものとなる。

また帯状被覆シート（８）は、シール材（５）に接合せ
られているだけで、防水シート（２）（２）の連結側縁
部には接合されていないので、上記防水シート（２）
（２）の温度差による膨脹収縮は、全く同様に自由に行
なわれるものである。

なおこの場合、隣接防水シート（２）（２）の連結側縁
部上面に、予めフッ素樹脂やシリコーン樹脂等の非接着
性樹脂塗料を塗布して、離型処理を施したのち、帯状被
覆シート（８）とシール材（５）とを互いに接合するの
が望ましい。

この第３実施例のその他の点は、上記第１実施例の場合
と同様であるので、図面において同一のものには同一の
符号を付した。

第５図と第６図は、上記第３実施例の変形例を示すもの
である。ここで、上記第３実施例の場合と異なる点は、
連結シート（４）のうち、防水すべき壁（１）に固定さ
れる側縁部分が硬質合成樹脂板や鋼板等の金属板よりな
る補強板（９）によって補強されている点にある。すな
わち、第５図の変形例では、連結シート（４）の固定側
縁部内に補強板（９）が埋め込まれており、第６図の変
形例では、連結シート（４）の固定側縁部の下面に補強
板（９）が接合されている。

これらの変形例のその他の点は、上記第３実施例の場合
と同様であるので、図面において同一のものには同一の
符号を付した。

なお、これら第５図と第６図の変形例の補強板（９）付
き連結シート（４）は、上記第１図〜第３図に示す第１
実施例と第２実施例にも全く同様に使用されるものであ
る。

また第４図に示す第３実施例においては、陸屋根の防水
すべき壁（１）の中央部分に配置された防水シート
（２）が図示されているが、陸屋根周縁部の防水すべき
壁（１）には防水シート（２）が次のようにして取り付
けられる。

すなわち、まず第７図に示すように、陸屋根の周縁部に
おいては、通常の防水シート（２）と同素材よりなりか
つ先端に水切り部（14）を有する垂下壁（11a）および
水平壁（11b）によって構成された横断面略Ｌ形の端末
用防水シート（11）が用いられて、これの水平壁（11
b）が、固定具（６）によって防水すべき壁面（１）に
固定された帯状連結シート（４）の上面左半部に接着剤
（図示略）を介して接合され、この端末用防水シート
（11）に隣接する通常の平たい防水シート（２）の側縁
部（2a）が帯状連結シート（４）の上面右半部に接着剤
を介して接合されている。

そして隣接防水シート（11）（２）の連結側縁部同志の
間の間隙（３）に接着性を有するシール材（５）が充填
され、このシール材（５）を跨ぐようにして難燃性帯状
被覆シート（８）が被せられて、帯状被覆シート（８）
がシール材（５）に接合せられているものである。

つぎに第８図に示すように、陸屋根のパラペット部（1
0）を有する周縁部においては、上記端末用防水シート
（11）の水平部（11b）が、パラペット部（10）の上端
部において固定具（６）によって固定された帯状連結シ
ート（４）の上面左半部に接合されるとともに、通常の
防水シート（２）と同素材よりなりかつ上部水平部（12
a）と垂直部（12b）と下部水平部（12c）とによって構
成された立上がり壁用防水シート（12）がパラペット部
（10）の内側に沿わせられ、その上部水平部（12a）が
上記パラペット部（10）の上端部において補強のために
やはり固定具（６）によって固定された帯状連結シート
（４）の上面右半部に接合され、かつその下部水平部
（12c）が、陸屋根の防水すべき壁（１）に固定具
（６）によって固定された帯状連結シート（４）の上面
左半部に接合される。そしてこの立上がり壁用防水シー
ト（12）に隣接する通常の平たい防水シート（２）の側
縁部（2a）が、上記防水すべき壁（１）の帯状連結シー
ト（４）の上面右半部に接着剤を介して接合されてい
る。

そして同様に、隣接防水シート（11）（12）および（1
2）（２）の連結側縁部同志の間の間隙（３）に接着性
を有するシール材（５）がそれぞれ充填され、各シール
材（５）を跨ぐようにして難燃性帯状被覆シート（８）
が被せられて、帯状被覆シート（８）がシール材（５）
に接合せられているものである。

また第９図に示すように、建物の２階等の側壁（15）と
交わった陸屋根の周縁部においては、通常の防水シート
（２）と同素材よりなりかつ垂直部（13a）と水平部（1
3b）とによって構成された横断面略Ｌ形の立上がり壁用
防水シート（13）が側壁（15）の内側に沿わせられ、そ
の垂直部（13a）が側壁（15）に固定具（６）によって
固定された帯状連結シート（４）の表面に接合されて止
められている。垂直部（13a）の上端は合成樹脂被覆金
属板等よりなる水切りカバー（16）によって覆われてい
る。またその水平部（13b）が、陸屋根の防水すべき壁
（１）に固定具（６）によって固定された帯状連結シー
ト（４）の上面左半部に接合される。そしてこの立上が
り壁用防水シート（13）に隣接する通常の平たい防水シ
ート（２）の側縁部（2a）が、上記防水すべき壁（１）
の帯状連結シート（４）の上面右半部に接着剤を介して
接合されている。なお、隣接防水シート（13）（２）の
連結側縁部同志の間の間隙（３）には、同様に接着性を
有するシール材（５）が充填されて、このシール材
（５）に難燃性帯状被覆シート（８）が被せられて接合
されているものである。

なお、上記第８図と第９図においては、立上がり壁用防
水シート（12）（13）の上下両側縁部が、固定具（６）
によって固定された帯状連結シート（４）に接合されて
止められているが、これらの場合には、立上がり壁用防
水シート（12）（13）は中間で屈曲部しているので、温
度差による膨脹収縮はそれらの屈曲部で吸収され、大き
な変形が生じないものである。

上記第７図〜第９図のその他の点は、上記第４図に示す
第３実施例の場合と同様であるので、図面において同一
のものには同一の符号を付した。

なお、これら第７図〜第９図に示す防水シート（２）の
端末処理方法は、上記第１図〜第３図に示す第１実施例
と第２実施例にも全く同様に適用されるものである。

なお、上記各実施例および変形例においては、この考案
による防水装置を陸屋根に適用した場合について説明し
たが、この考案はその他建物の通常の屋根、外壁、ある
いはまたプール、受水槽もしくは蓄熱槽の内壁等にも適
用されるものである。

考案の効果 この考案による陸屋根等における防水装置は、上述のよ
うに、陸屋根等の防水すべき壁（１）の表面に、合成樹
脂被覆金属板よりなる所要数の矩形防水シート（２）が
隣接するもの同志相互に所定間隙（３）をあけて敷き並
べられ、隣接防水シート（２）（２）の互いに連結すべ
き側縁部（2a）（2a）の下側に、間隙（３）を跨いで伸
縮性を有する帯状連結シート（４）が配置され、各防水
シート（２）の４つの側縁部（2a）のうちの一側縁部
（2a）または直角に配された２つの側縁部（2a）（2a）
の下側において連結シート（４）の同側縁部（4a）が固
定具（６）によって壁（１）に固定されるとともに、残
りの側縁部（2a）の下側の帯状連結シート（４）は壁
（１）に固定されておらず、隣接防水シート（２）
（２）の互いに連結すべき側縁部（2a）（2a）がこれら
の下側において間隙（３）を跨ぐ固定もしくは非固定帯
状連結シート（４）にそれぞれ接合され、隣接防水シー
ト（２）（２）の間隙（３）内にシール材（５）が充填
されているものであるから、強度の大きい塩ビ鋼板等合
成樹脂被覆金属板よりなる防水シート（２）を用いて陸
屋根等の壁（１）を防水施工することができる。そし
て、各防水シート（２）の一側縁部（2a）または直角に
配された２つの側縁部（2a）が、固定具（６）により止
められた帯状連結シート（４）の固定接続側縁部に接着
剤層（７）を介して接合されて陸屋根の防水すべき壁
（１）に止められており、防水シート（２）の残りの三
方の側縁部（2a）または二方の側縁部（2a）は帯状連結
シート（４）の非固定接続側縁部に接合されて、いわば
フリーの状態となされている。しかも隣り合う防水シー
ト（２）の側縁部（2a）同志の間に間隙（３）が設けら
れている。従って、環境に温度差が生じると、防水シー
ト（２）の鋼板よりなる芯材が膨脹収縮するが、この場
合、固定具（６）により止められた帯状連結シート
（４）の固定接続側縁部に接着剤層（７）を介して接合
された防水シート（２）の一側縁部（2a）または直角に
配された２つの側縁部（2a）の膨脹伸縮は抑えられ、防
水シート（２）の残りの三方の側縁部（2a）または二方
の側縁部（2a）と防水シート（２）の中間の大部分とが
いわばフリーの状態となされていて、しかも隣り合う側
縁部同志の間の間隙（３）がいわば逃げの作用を果たす
ため、防水シート（２）の鋼板よりなる芯材が、若干の
変形を伴いながら（固定側縁部は膨脹伸縮しないの
で）、充分に膨脹収縮することができ、防水シート
（２）の大部分の温度差による膨脹収縮を阻害すること
なく、すぐれた防水性を長期間保持することができる。
そのうえ、帯状連結シート（４）が隣接防水シート
（２）の下側に配置されているので、外観が非常にきれ
いで、デザイン性にすぐれているという効果を奏する。
またシール材（５）として接着性を有するものを用いる
とともに、隣接防水シート（２）（２）の連結側縁部に
塩ビ鋼板あるいはフッ素樹脂鋼板等よりなる難燃性帯状
被覆シート（８）を被せ止めることにより、陸屋根が全
体として建物の難燃基準に適合するものとなり、難燃防
水施工が可能であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による第１実施例の防水装置を適用し
た陸屋根の要部斜視断面図で、これは第２図I-I線に沿
うものである。第２図は同部分切欠き平面図、第３図は
この考案の第２実施例を示す部分切欠き平面図で、これ
は第２図に対応するものである。第４図はこの考案によ
る第３実施例の防水装置を適用した陸屋根の要部斜視断
面図で、これは第１図に対応するものである。第５図と
第６図は帯状連結シートの２つの変形例を示す陸屋根の
要部斜視断面図である。第７図〜第９図は第３実施例に
おける防水シートの端末処理の例をそれぞれ示す陸屋根
の要部断面図である。 （１）……陸屋根の防水すべき壁、（２）……防水シー
ト（合成樹脂被覆金属板）、（2a）……側縁部、（３）
……間隙、（４）……帯状連結シート、（4a）……側縁
部、（５）……シール材、（６）……固定具、（７）…
…接着剤層、（８）……帯状被覆シート、（９）……補
強板、（11）……端末用防水シート、（12）（13）……
立上がり壁用防水シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】陸屋根等の防水すべき壁（１）の表面に、
   合成樹脂被覆金属板よりなる所要数の矩形防水シート
   （２）が隣接するもの同志相互に所定間隙（３）をあけ
   て敷き並べられ、隣接防水シート（２）（２）の互いに
   連結すべき側縁部（2a）（2a）の下側に、間隙（３）を
   跨いで伸縮性を有する帯状連結シート（４）が配置さ
   れ、各防水シート（２）の４つの側縁部（2a）のうち一
   側縁部（2a）または直角に配された２つの側縁部（2a）
   （2a）の下側において連結シート（４）の同側縁部（4
   a）が固定具（６）によって壁（１）に固定されるとと
   もに、残りの側縁部（2a）の下側の帯状連結シート
   （４）は壁（１）に固定されておらず、隣接防水シート
   （２）（２）の互いに連結すべき側縁部（2a）（2a）が
   これらの下側において間隙（３）を跨ぐ固定もしくは非
   固定帯状連結シート（４）にそれぞれ接合され、隣接防
   水シート（２）（２）の間隙（３）内にシール材（５）
   が充填されている、陸屋根等における防水装置。