JP4694028B2 - 立体型防水シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は天窓、太陽電池、換気設備などの設置物が設けられた屋根に使用される屋根用立体型防水シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物の屋根は、通常、屋根の下地である野地板上にシート状のアスファルトルーフィングを敷き、これを釘、タッカーなどで固定することにより防水処理し、その上に瓦などの屋根葺きを行うことにより施工されている。ところが最近では、建築物の屋根の天場あるいは傾斜部に、太陽電池、換気設備、天窓などの設置物を設け、屋根上のスペースを活用する場合が増加している。そのため、野地板上に単にシート状のアスファルトルーフィングを敷設するだけの方法では、屋根を防水できない場合が多くなってきている。
【0003】
すなわち、設置物を屋根に設ける場合には、まず、設置物を取付るための取付土台を野地板上に形成する必要がある。取付土台は棟台、足場などと呼ばれ、木材などの建材からなり、設置物に応じた形状に野地板上に形成されたもので、野地板上に突出した状態であることが多い。このような取付土台が形成されると、野地板上が平坦でなく凹凸形状になるため、単にシート状のアルファルトルーフィングを敷設する方法では対応できない。
そこで、設置物を屋根上に設ける場合、野地板上の設置物を設置しない部分にはアルファルトルーフィングを敷設し、一方、取付土台と野地板との接合部分周辺や、取付土台の周面などには複数枚の防水シートをこれら凹凸形状にあわせて継ぎ接ぎして貼り付けたり、粘着テープを貼り付けたり、あるいはこれらにコーキング剤を塗布したりして防水処理を行うことが多い。
【0004】
ところが、これらの方法は煩雑で作業効率が低いうえ、高所において長時間の作業を要してしまう。また、現場での作業であるために作業精度が低く、防水シートを継ぎ接ぎして貼り付けても隙間が生じてしまう場合があった。さらに、作業者によって技術の熟練度や施工方法が異なるため、一定の防水性能が安定に得られない場合があった。
そのため、例えば特開平9−184263号公報には、棟台の上面まで覆う形状にあらかじめ成形された成形防水シートを使用して、棟台周辺を防水する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−184263号公報に開示されているような成形防水シートを製造する際には、通常、各面を構成するための複数枚の防水シートを用意し、これらを継ぐことにより行う。そのため、成形防水シートの製造には手間や時間がかかり、生産性が不十分であった。また、このように複数枚の防水シートを継いだ形態では継ぎ目から雨水などが浸入しやすく、防水性も十分ではなかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、設置物を屋根に設ける場合でも、現場での作業が簡単で、要する時間が非常に短く、かつ、作業者によらずに安定して一定の防水性能が得られるとともに、簡単に製造でき、非常に防水性に優れた立体型屋根用防水シートを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の立体型防水シートは、屋根に設置物が設けられる際に使用される屋根用立体型防水シートであって、一枚の防水シートが裁断され、切り込まれ、折曲されて立体成形され、前記防水シートの少なくとも一部は重なって、粘着テープにより接合され、前記設置物が取り付けられる取付土台に被さる形状に、あらかじめ立体成形されていることを特徴とする。
前記切り込まれた切り込み部の端部にはラップテープが披着されていることが好ましい。
前記取付土台は野地板上に形成されていて、前記立体型防水シートは前記野地板上にも延出していることが好ましい。
【0008】
また、本発明の立体型防水シートは、四角形の上板と、該上板の第1辺に連続した第1側面片と、前記第1辺に対向する第2辺に連続した第2側面片と、前記第1辺と交わる第3辺および第4辺にそれぞれ連続した第3側面片および第4側面片とを有し、前記第1側面片の外方には第1延出片が連続して形成され、前記第2側面片の外方には第2延出片が連続して形成され、前記第3側面片の外方には第3延出片が連続して形成され、前記第4側面片の外方には第4延出片が連続して形成された防水シートの、前記第1側面片と前記第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1側面片と前記第4側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2側面片と前記第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2側面片と前記第4側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第3延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第4延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2延出片と前記第3延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2延出片と前記第4延出片の少なくとも一部どうしが重ねられて立体に形成されているものが好ましい。
【0009】
あるいは、本発明の立体型防水シートは、四角形の上板と、該上板の第1辺に連続した第1側面片と、前記第1辺に対向する第2辺に連続した第2側面片と、前記第1辺と交わる第3辺および第4辺にそれぞれ連続した第3側面片および第4側面片とを有し、前記第1側面片は、第1辺の方向に第1片と第2片とに分けられ、前記第2側面片は、第2辺の方向に第3片と第4片とに分けられ、前記第1片の外方には第1延出片が連続して形成され、前記第2片の外方には第2延出片が連続して形成され、前記第3片の外方には第3延出片が連続して形成され、前記第4片の外方には第4延出片が連続して形成され、前記第3側面片の外方には第5延出片が連続して形成され、前記第4側面片の外方には第6延出片が連続して形成されたも防水シートの、前記第1片と前記第2片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第3片と前記第4片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1片と第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2片と第4側面片の一部どうしが重ねられ、前記第3片と第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第4片と第4側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第5延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2延出片と前記第6延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第3延出片と前記第5延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第4延出片と前記第6延出片の一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第2延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第3延出片と前記第4延出片の少なくとも一部どうしが重ねられて立体に形成されているものが好ましい。
また、前記上板には開口部が形成されていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の立体型防水シート10の一形態であって、図2に示す形態の換気設備20を設置物として屋根上に設ける場合に使用されるものである。図3および図4は、図1の立体型防水シート10を使用して、図2の換気設備20を屋根の天場に設置した状態を示す斜視図および縦断面図である。この例においては、野地板21上にアスファルトルーフィング27を介して取付土台22が固定され、この取付土台22の上に図1の立体型防水シート10が被せられている。そして、その上に換気設備20が笠木23を介してネジ24で取り付けられている。取付土台22は一般には、棟台、足場などと呼ばれるものであり、取り付けられる設置物の種類や形状に応じて、木材や建材が組立加工されたものである。また、符号25は瓦、符号26は棟面戸である。
【0011】
図1の立体型防水シート10は、換気設備20が取り付けられる取付土台22に被さる形状に、あらかじめ立体成形されているものであり、この例のものは取付土台22に被さるとともに野地板21上にまで延出し、取付土台22とその周辺とを防水するものである。この例の立体型防水シート10は、図2に示す形態の換気設備20を設ける際に使用されるものであるので、換気に必要な開口部11が形成されている。
このような立体型防水シート10は、例えば図5に示すように、ゴムシート12の一方の面にゴム系接着剤13を含浸させた布帛14が積層した形態の一枚の防水シート15を裁断し、切り込み、折曲して立体成形される。なお、ここで一枚の防水シート15は、複数枚の防水シートを継いだものではなければ制限はなく、その構造は、図5のような積層構造でも一層構造でもよい。
【0012】
ゴムシート12としては、例えばEPDM(エチレン・プロピレンゴム)とブチルゴムのブレンドゴムからなるものが使用される。このようなブレンドゴムを使用すると平滑性の良好なゴムシート12が得られ好ましい。また、ゴムシート12の厚みは300〜700μm程度が好ましい。300μm未満では、十分な防水性と強度とが得られない場合がある。一方、700μmを超えると、このゴムシート12を備えた防水シート15の加工性が低下し、立体型防水シート10を立体成形することが難しくなる場合があり、また、折曲箇所において反発力が発生し隙間が生じたり、接合箇所において段差が生じ、ここから水が浸入しやすくなる場合などがある。
ゴムシート12の一方の面に設けられる布帛14としては、例えばポリエステル織布が挙げられる。ポリエステル織布は耐熱性が優れ、100℃で1000時間養生した場合でも寸法変化が認められないため好適である。布帛14の厚みは100〜300μmである。100μm未満では、引張応力が低く切れやすくなる傾向があり、一方300μmを超えると、この布帛14自体が吸水し易くなるとともに、後述するように、布帛14に粘着テープを貼った場合に粘着テープと布帛14との間に隙間ができやすくなる傾向がある。
そして、この布帛14をゴムシート12の一方の面に設ける場合には、あらかじめこの布帛14にゴム系接着剤13を含浸させ、このゴム系接着剤13の接着性により布帛14とゴムシート12とを接着し、一体化する。ゴム系接着剤13としては、接着性に優れ、水と相溶しないブチルゴム系接着剤が好ましく、布帛14の重量に対するゴム系接着剤の含浸量は、0.1〜0.3kg/m2 程度である。
【0013】
このような防水シート15は、高い防水性を備えていることはもちろん、ゴムシート12の一方の面に布帛14が備えられているので、ゴムシート12の弾性が抑えられ立体成形しやすい。また、布帛14にはゴム系接着剤13が含浸されているので、ゴムシート12と布帛14とが良好に一体化するとともに、布帛14にも防水性が与えられ、より防水性の優れた防水シート15となる。また、布帛14に含浸されたゴム系接着剤13によって布帛14自体が接着性を備えるため、この布帛14側が取付土台22に接するように、すなわち内側になるようにして立体型防水シート10を立体成形すると、これを取付土台22に被せた場合に立体型防水シート10が取付土台22や、図4の例においては野地板21上のアスファルトルーフィング27にも密着し、防水性がより高まる。また、防水シート15の厚みが0.5mm以下であると、この防水シート15を裁断および折曲して立体成形し、防水シート15の一部を重なり合わせて接合した場合でも厚みを小さくでき、段差が抑えられるため好ましい。
【0014】
この図1の例の立体型防水シート10は、例えば、上述の防水シート15を図6に示すように太実線に沿って裁断あるいは切り込みし、破線を山折りとし、一点破線を谷折りとして折曲することにより立体成形できる。
図6の防水シート15は、四角形の上板40と、この上板40の第1辺41に連続した第1側面片42と、第1辺41に対向する第2辺43に連続した第2側面片44と、第1辺41と交わる第3辺45および第4辺46にそれぞれ連続した第3側面片47および第4側面片48とを有している。そして、第1側面片42は、第1辺41の方向に第1片42aと第2片42bとに分けられ、これら第1片42aと第2片42bの外方には第1延出片49と第2延出片50とがそれぞれに連続して形成されている。また、第2側面片44は、第2辺43の方向に第3片44aと第4片44bとに分けられ、これら第3片44aと第4片44bの外方には第3延出片51と第4延出片52とがそれぞれに連続して形成されている。一方、第3側面片47の外方には第5延出片53が連続して形成され、前記第4側面片48の外方には第6延出片54が連続して形成されている。
このような防水シート15の第1片42aと第2片42bの少なくとも一部どうしを重ね、第3片44aと第4片44bの少なくとも一部どうしを重ね、第1片42aと第3側面片47の少なくとも一部どうしを重ね、第2片42bと第4側面片48の一部どうしを重ね、第3片44aと第3側面片47の少なくとも一部どうしを重ね、第4片44bと第4側面片48の少なくとも一部どうしを重ねる。また、第1延出片49と第5延出片53の少なくとも一部どうしを重ね、第2延出片50と第6延出片54の少なくとも一部どうしを重ね、第3延出片51と第5延出片53の少なくとも一部どうしを重ね、第4延出片52と第6延出片54の一部どうしを重ねる。そして、第1延出片49と第2延出片50の少なくとも一部どうしを重ね、第3延出片51と第4延出片52の少なくとも一部どうしを重ねることによって、図1の立体型防水シート10を形成できる。
なおこの例の防水シート15は、換気設備20を設置する際に使用するものなので、上板には開口部11が形成されている。
【0015】
また、図6中、斜線部は立体成形することによって他の部分と重なる部分であり、この部分は両面に粘着性を有する粘着テープにより接合される。斜線部のうち実線の斜線部においては、防水シート15の外面側に粘着テープを貼着し、この上に対応する他の部分を貼りあわせる。一方、破線斜線部においては、防水シート15の内面側に粘着テープを粘着し、その下から対応する他の部分を貼りあわせる。
また、図6中、符号Aの線条部と符号A’の線条部とが一体となり立体型防水シートの辺を形成する。符号BとB’、符号CとC’、・・・・、符号LとL’も同様である。
また、防水シート15として、図5のようなゴムシート12の一方の面にゴム系接着剤13を含浸させた布帛14が積層した形態の防水シート15を使用する場合には、布帛14側が内側になるようにする。その結果、外側のゴムシートが確実に水をはじくとともに、立体型防水シート10を取付土台22に被せた場合に内側の布帛14が、取付土台22やアスファルトフーフィング27に密着し、防水性が高まる。
【0016】
防水シート15の少なくとも一部を重ね、そこを接合する際に使用する粘着テープとしては、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン共重合体)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン共重合体)などからなるテープを使用できる。これらのなかでは、特に粘着性に優れ、耐候性、耐熱性、耐火性なども良好で、かつ、安価であることからブチルゴムを使用することが好ましい。テープの厚みは0.2〜0.5mm程度である。こうしてブチルゴムテープなどの粘着テープを使用して接合することによって、重なった部分からの水の浸入も防止することができる。
【0017】
また、こうして得られた立体型防水シート10において、特に防水シート15が切り込まれた切り込み部16の端部には、図7に示すようにラップテープ17を披着することが好ましい。このように切り込み部16の端部にラップテープ17を披着することによって、切り込み部16からの雨水の浸入をより確実に防止できるとともに、重なった部分に貼着された粘着テープが、長期間のうちに外部からの応力などで剥がれた場合やずれが生じた場合でも、防水性を維持することができる。なお、粘着テープとして、0.3〜0.5mm程度の比較的厚みの大きな粘着テープを使用する場合には、粘着テープの一部がラップテープ17とも直接接合するように、粘着テープを図6斜線部よりも若干はみ出すように貼着させることが好ましい。
【0018】
ラップテープ17としては、図8に例示するような、例えば無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aの一方の面に粘着層17bを備えたものが好ましい。
無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aとしては、キャスティングポリプロピレン樹脂(CPP)フィルムなどが挙げられ、50モル%以上のプロピレン単位成分を有する結晶性混合物を、配向させることなく無延伸状態で均一な厚みにフィルム化したものなどを使用する。このような無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aは、ある程度までの伸びには復元性があるが一定の伸びを超えると復元しない。例えば、厚みが50μmの無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aは、30%までの伸びには復元するが、それより大きな伸びには復元せず、残留応力を持たない。よって、このような無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aを備えたラップテープ17を使用すると、立体型防水シート10のに応力が加わって重なった部分の粘着テープが剥がれそうになっても、このラップテープ17がその応力に対応してある程度まで伸び、切れないため、立体型防水シート10の防水性を維持できる。また、この無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aは、ある一定の伸び以上になると残留応力を持たなくなるので、収縮しようとして剥がれてしまうこともない。さらにこのような無延伸ポリプロピレン樹脂シート17aは、−30℃程度の低温から+150℃程度の高温までの広い範囲において、優れた耐衝撃性、物理特性を示すうえ、寸法の変化が少ない。よって、屋外での使用(−20℃〜+80℃)に十分に適する。
【0019】
一方、ラップテープ17の粘着層17bには、水と相溶せず、粘着性、流動性の大きなブチルゴムやゴムアスファルトなどの粘着材が使用される。これらは凝集力が大きく、−20℃〜+80℃の範囲では常に軟質で応力によって流動する。よって、立体型防水シート10の切り込み部16近傍に応力が加わっても、その応力に対応して流動し、小さな隙間も埋めることができる。粘着材としては、1mm厚でのインチ平方の断面でのずり応力が5〜10kg/インチ2 で、この時の伸びが1000%以上であるものが適している。
【0020】
次に図9〜図10を示し、図1の例の立体型防水シート10を使用して図2の換気設備20を屋根の天場に設置する工程を説明する。
まず、図9(a)に示すように、野地板21の上にアスファルトルーフィング27を敷設し、その上にあらかじめ木材が組立加工されて形成された取付土台22を載置し、図示略のネジなどで固定する。取付土台22には、この上に設置する換気設備20の用途および形状に対応して開口部22aが形成されている。
ついで、この取付土台22上に、図9(b)〜(c)に示すように図1の立体型防水シート10を被せ、テープ29でこれをアスファルトルーフィング27に固定するとともに、図示略のタッカーなどの締結具を使用して、立体型防水シート10を適宜野地板21と、野地板21の下方にある図示略の垂木とに固定する。
【0021】
ついで、図10(a)に示すように、取付土台22の取り付けられていない棟部分に4本の木桟28を取り付けて固定するとともに、アスファルトルーフィング27における、取付土台22の開口部22aおよび立体型防水シート10の開口部11に対応する不要部分27aを切り取る。そして、図示は略すが、アスファルトルーフィング27上および立体体型防水シート10の延出している部分の上に瓦を葺く。
そして、図10(b)に示すように、立体型防水シート10および木桟28上の所定位置に2枚の笠木23を取付け、その上に、2枚の棟包み30を固定し、さらにこれら2枚の棟包み30の間に、開口部31aが形成された1枚の棟包み31を固定する。
ついで図10(c)に示すように、換気設備20の下部材20a、上部材20bを順次載置して固定することにより、図3および図4のように屋根の天場に換気設備20を設置することができる。
【0022】
また、本発明の立体型防水シート10は、設置物として換気設備20を設ける場合だけでなく、例えば、太陽電池、天窓など様々な設置物を設ける場合に最適である。
例えば、太陽電池や天窓を屋根の傾斜部に設ける場合には、図11に示すような形態の立体型防水シート10を使用する。これを製造する場合には、図12に示すように太実線に沿って裁断され、切り込まれた防水シート15を使用し、これの破線を山折り、一点破線を谷折りとして折曲する。
この図示例の防水シート15は、開口部11が形成された四角形の上板60と、この上板60の第1辺61に連続した第1側面片62と、第1辺61に対向する第2辺63に連続した第2側面片64と、第1辺61と交わる第3辺65および第4辺66にそれぞれ連続した第3側面片67および第4側面片68とを有している。第1側面片62の外方には第1延出片69が連続して形成され、第2側面片64の外方には第2延出片70が連続して形成され、第3側面片67の外方には第3延出片71が連続して形成され、第4側面片68の外方には第4延出片72が連続して形成されている。
そして、第1側面片62と第3側面片67の少なくとも一部どうしを重ね、第1側面片62と第4側面片68の少なくとも一部どうしを重ね、第2側面片64と第3側面片67の少なくとも一部どうしを重ね、第2側面片64と第4側面片68の少なくとも一部どうしを重ねる。そしてさらに、第1延出片69と第3延出片71の少なくとも一部どうしを重ね、第1延出片69と第4延出片72の少なくとも一部どうしを重ね、第2延出片70と第3延出片71の少なくとも一部どうしを重ね、第2延出片70と第4延出片72の少なくとも一部どうしを重ねる。
図12中、斜線部は立体成形することによって他の部分と重なる部分であり、両面に粘着性を有する粘着テープにより接合される。また、切り込み部16の端部にはラップテープを被着することが好ましい。
【0023】
このような立体型防水シート10は、一枚の防水シート15が裁断され、切り込まれ、折曲されて立体成形され、防水シート15の少なくとも一部は重なって、粘着テープにより接合されて、設置物が取り付けられる取付土台22に被さる形状に、あらかじめ立体成形されたものである。よって、これを屋根の所定位置に配置して固定するだけの簡単かつ短時間の作業で、確実な防水処理を行える。そして、特にこの立体型防水シート10は、一枚の防水シート15から形成されているので、従来のように複数枚の防水シートを継いで製造されたものにくらべて非常に防水性が高い。さらに、このような立体型防水シート10を配置、固定する作業は簡単であって熟練を要しないため、作業者によらずに安定して一定の防水性能が得られる。また、短時間の簡単な作業なので高所作業における作業者の安全も高まる。
そして、切り込み部16の端部を覆うようにラップテープ17を披着することにより、長期間の使用のうち粘着テープが外部からの応力などで剥がれた場合やずれが生じた場合でも、防水性を維持できる。
また特に、取付土台22が野地板21上に形成されている場合、防水シート15が野地板21上にまで延出するように立体型防水シート10が形成されていると、凹凸形状で高度に防水するのが困難であり、非常に手間がかかった取付土台22の周辺をも確実に防水できる。
また、この立体型防水シート10は、一枚の防水シート15を、設置物の形状に合った型に裁断し、切り込みを入れた後折曲し、少なくとも一部を重ね、粘着テープで接合するだけの簡単な方法で得られるので、あらかじめ大量に製造することが容易であり、複数の形状の防水シートを裁断、用意し、これを継いで製造していた従来のものに比べて非常に効率的である。また、粘着テープで接合しているので、接合部分の防水性も高く維持できる。
このような立体型防水シート10は、換気設備20だけでなく、太陽電池、天窓など様々な設置物を屋根の天場や傾斜部に設ける場合に有効である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の立体型防水シートを使用することによって、設置物を取り付けるための取付土台が形成された凹凸形状の屋根であっても、簡単かつ短時間の作業で、安全かつ非常に確実に防水処理を行える。また本発明の立体型防水シートは簡単に大量に製造できるので、設置物を設ける形態の屋根の増加にも対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の立体型防水シートの一形態を示す斜視図である。
【図2】 図1の立体型防水シートを使用して設置する換気設備の斜視図である。
【図3】 図1の立体型防水シートを使用して、図2の換気設備を屋根に設置した状態を示す斜視図である。
【図4】 図3のA−A’線に沿う縦断面図である。
【図5】 図1の立体型防水シートに使用する防水シートの一例を示す断面図である。
【図6】 図1の立体型防水シートを形成するための防水シートの形状を示す平面図である。
【図7】 本発明の立体型防水シートの他の形態を示す部分拡大斜視部である。
【図8】 図7の立体型防水シートに使用するラップテープの一例を示す断面図である。
【図9】 図1の立体型防水シートを、屋根の上に取り付ける様子を示す工程図である。
【図10】 図9の工程後、換気設備を設ける様子を示す工程図である。
【図11】 本発明の立体型防水シート他の一形態を示す斜視図である。
【図12】 図11の立体型防水シートを形成するための防水シートの形状を示す平面図である。
【符号の説明】
10…立体型防水シート、15…防水シート、16…切り込み部、21…野地板、22…取付土台、40、60…上板、41、61…第1辺、42、62…第1側面片、42a…第1片、42b…第2片、43、63…第2辺、44、64…第2側面片、44a…第3片、44b…第4片、45、65…第3辺、46、66…第4辺、47、67…第3側面片、48、68…第4側面片、49、69…第1延出片、50、70…第2延出片、51、71…第3延出片、52、72…第4延出片、53…第5延出片、54…第6延出片
Claims (4)
- 屋根に設置物が設けられる際に使用される屋根用立体型防水シートであって、
一枚の防水シートが裁断され、切り込まれ、折曲されて立体成形され、前記防水シートの少なくとも一部は重なって、粘着テープにより接合され、
前記設置物が取り付けられる取付土台に被さる形状に、あらかじめ立体成形され、
前記取付土台は野地板上に形成されていて、当該屋根用立体型防水シートは前記野地板上にも延出し、
前記防水シートは、四角形の上板と、該上板の第1辺に連続した第1側面片と、前記第1辺に対向する第2辺に連続した第2側面片と、前記第1辺と交わる第3辺および第4辺にそれぞれ連続した第3側面片および第4側面片とを有し、前記第1側面片の外方には第1延出片が連続して形成され、前記第2側面片の外方には第2延出片が連続して形成され、前記第3側面片の外方には第3延出片が連続して形成され、前記第4側面片の外方には第4延出片が連続して形成された防水シートの、前記第1側面片と前記第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1側面片と前記第4側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2側面片と前記第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2側面片と前記第4側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第3延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第4延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2延出片と前記第3延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2延出片と前記第4延出片の少なくとも一部どうしが重ねられて立体に形成されていることを特徴とする立体型防水シート。 - 屋根に設置物が設けられる際に使用される屋根用立体型防水シートであって、
一枚の防水シートが裁断され、切り込まれ、折曲されて立体成形され、前記防水シートの少なくとも一部は重なって、粘着テープにより接合され、
前記設置物が取り付けられる取付土台に被さる形状に、あらかじめ立体成形され、
前記取付土台は野地板上に形成されていて、当該屋根用立体型防水シートは前記野地板上にも延出し、
前記防水シートは、四角形の上板と、該上板の第1辺に連続した第1側面片と、前記第1辺に対向する第2辺に連続した第2側面片と、前記第1辺と交わる第3辺および第4辺にそれぞれ連続した第3側面片および第4側面片とを有し、前記第1側面片は、第1辺の方向に第1片と第2片とに分けられ、前記第2側面片は、第2辺の方向に第3片と第4片とに分けられ、前記第1片の外方には第1延出片が連続して形成され、前記第2片の外方には第2延出片が連続して形成され、前記第3片の外方には第3延出片が連続して形成され、前記第4片の外方には第4延出片が連続して形成され、前記第3側面片の外方には第5延出片が連続して形成され、前記第4側面片の外方には第6延出片が連続して形成された防水シートの、前記第1片と前記第2片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第3片と前記第4片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1片と第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2片と第4側面片の一部どうしが重ねられ、前記第3片と第3側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第4片と第4側面片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第5延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第2延出片と前記第6延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第3延出片と前記第5延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第4延出片と前記第6延出片の一部どうしが重ねられ、前記第1延出片と前記第2延出片の少なくとも一部どうしが重ねられ、前記第3延出片と前記第4延出片の少なくとも一部どうしが重ねられて立体に形成されていることを特徴とする立体型防水シート。 - 上板には開口部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の立体型防水シート。
- 前記切り込まれた切り込み部の端部を覆うようにラップテープが披着されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の立体型防水シート。
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