JPH06351250A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JPH06351250A
JPH06351250A JP25570593A JP25570593A JPH06351250A JP H06351250 A JPH06351250 A JP H06351250A JP 25570593 A JP25570593 A JP 25570593A JP 25570593 A JP25570593 A JP 25570593A JP H06351250 A JPH06351250 A JP H06351250A
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JP
Japan
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inductor
capacitor
rectifier
power supply
current
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JP25570593A
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Inventor
Sadao Okochi
貞男 大河内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高調波電流抑制型の電源装置にあって、二次
側平滑用コンデンサの小形化により装置の小形化、低コ
スト化を実現する。また出力電圧に含まれるリップル電
圧成分によるPWM制御への悪影響を排除する。 【構成】 一次側にコンデンサCA 、インダクタLA お
よびダイオードDA を設け、トランジスタQのオン期間
にインダクタLA に蓄えられたエネルギーをトランジス
タQのオフ期間にコンデンサCA に移し、トランジスタ
Qのオン期間にコンデンサCA の放電電流をインダクタ
電流iLAと共にインダクタ(トランス)LB の一次巻線
Np に流す。また、出力電圧のフィードバック処理系に
ノッチフィルタBEFを介挿し、フィードバック電圧k
VO に含まれる商用電源周波数の2倍の周波数のリップ
ル電圧成分をこれで除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高調波電流抑制型の電
源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器が発生する商用交流電源
の高調波歪みの抑制化が力率の改善と共に問題視されて
いる。高調波は電子機器の電源入力部が持つ整流平滑回
路の構造に起因し、整流平滑回路内のコンデンサに突入
電流が商用周波のサイクルごとに流れることによって発
生する。
【0003】この高調波抑制型の電源装置としては、例
えば、昇圧コンバータとフライバックコンバータとを併
用したものが知られている。この方式において、昇圧コ
ンバータは、商用電源周波数の1/2サイクル期間中の
パルスオン幅(デューティ比)を一定に保ちつつつ、全
波整流後の脈流電圧を一定のスイッチング周波数で全周
期に渡ってスイッチングする。これにより、各スイッチ
ング周期の入力電流の平均値波形を入力電圧波形と比例
した正弦波にし、フライバックコンバータに入力する。
フライバックコンバータは入力した正弦波電圧を一定の
周波数でスイッチングし、出力電圧を常に一定化するよ
うパルスオン幅を制御する。
【0004】この方式は比較的容量の大きな電源装置で
利用されている。しかし、独立動作する2つのコンバー
タを利用するため回路規模が大きく、よってコスト高と
なる。そこで、フライバックコンバータを用いた次のよ
うな簡易型、高調波電流抑制型の電源装置が注目されて
いる。
【0005】図7はこのフライバックコンバータの構成
を示す図である。このフライバックコンバータは、整流
器Rec1 により全波整流後の脈流電圧VIdi をスイッチ
ングする際、商用電源周波数の1/2サイクル期間中の
デューティ比を一定に保ちつつ、出力電圧VO のフィー
ドバック信号Vf を基に出力電圧VO を一定化するよ
う、スイッチング用のトランジスタQに供給する駆動信
号のパルス幅変調(PWM)制御を行う。このように商
用電源周波数の1/2サイクル期間中のデューティ比を
一定に保つことで、前記昇圧コンバータの機能と同様、
各スイッチング周期の入力電流の平均値波形を入力電圧
波形と比例させて高調波抑制と力率の改善を実現する。
【0006】しかしながら、この方式では、出力電圧に
商用電源周波数の2倍の周波数の大きなリップル電圧を
含んでいると言う問題がある。平滑用コンデンサCF は
このリップル電圧成分を含んだ出力電圧を平滑化するた
めのものであるが、リップルを完全には消去しきれな
い。出力電圧に大きなリップル電圧が含まれていると、
PWM制御系がこのリップル電圧にまで応答してしま
い、商用電源周波数の1/2サイクル期間中のパルスオ
ン幅が変化してしまう。この結果、入力電流の平均値波
形が入力電圧波形に比例しなくなり、高調波抑制効果が
損われてしまうなど弊害が生じる。
【0007】また、平滑用コンデンサCF は、商用電源
の瞬停時に出力電圧VO に変動が生じない程度にその容
量を大きくする必要がある。したがって、コンデンサC
F の体積は非常に大きなものとなり、これが電源装置の
小形化、低コスト化の妨げる原因の一つとなっていた。
また、商用電源瞬停時の出力電圧変動を押さえる方法と
して、フライバックコンバータの出力側にDC/DCコ
ンバータを接続する方法があるが、やはり装置サイズ、
コストが大きくなってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決すべくなされたもので、商用電源瞬停対策用の
コンデンサを一次側に設けることができ、これにより二
次側の平滑用コンデンサの小形化を図れると共に、一次
側と二次側とを合わせたトータル的なコンデンサの体積
も縮小することができ、装置全体としての小形化、低コ
スト化を図ることのできる高調波電流抑制型の電源装置
の提供を目的としている。
【0009】また本発明は、出力電圧に商用電源周波数
の2倍の周波数の大きなリップル電圧が含まれていて
も、PWM制御系にその悪影響が及ぶことを阻止するこ
とのできる高調波電流抑制型の電源装置の提供を目的と
している。
【0010】さらに本発明は、エネルギー損失が少な
く、効率の優れた高調波電流抑制型の電源装置の提供を
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は上記した目
的を達成するために、高調波電流抑制型の電源装置にお
いて、商用電源を整流する第1の整流器と、この整流器
に接続された第1のインダクタと、第1のインダクタに
並列に接続された第1のコンデンサと、第1のインダク
タおよび第1のコンデンサにそれぞれ直列に接続された
スイッチ素子と、第1の整流器から第1のコンデンサへ
の逆方向電流を防止する逆流防止手段と、第1のインダ
クタおよび第1のコンデンサにそれぞれスイッチ素子を
通じて直列に接続された一次巻線、並びに二次巻線を有
する第2のインダクタと、第2のインダクタの二次巻線
に直列に接続された第2の整流器と、第2のインダクタ
の二次巻線に並列に接続された第2のコンデンサと、出
力電圧または電流を検出してフィードバック信号を生成
する検出手段と、スイッチ素子に供給する駆動信号パル
スのオン幅を商用電源周波数の1/2サイクル期間ごと
にほぼ一定に保ちつつ、検出手段からのフィードバック
信号を基に出力電圧または電流が一定となるよう駆動信
号パルスのオン幅を制御する制御手段とを具備してい
る。
【0012】また第2の発明は上記した目的を達成する
ために、高調波電流抑制型の電源装置において、商用電
源を整流する第1の整流器と、この整流器に接続された
一次巻線、並びに二次巻線を有するインダクタと、この
インダクタに直列に接続されたスイッチ素子と、インダ
クタの二次巻線に直列に接続された第2の整流器と、イ
ンダクタの二次巻線に並列に接続された平滑用コンデン
サと、出力電圧または電流を検出してフィードバック信
号を生成する検出手段と、この検出手段より出力される
フィードバック信号から商用電源周波数のほぼ2倍の周
波数成分を除去するフィルタ手段と、スイッチ素子に供
給する駆動信号パルスのオン幅を商用電源周波数の1/
2サイクル期間ごとにほぼ一定に保ちつつ、フィルタ手
段を通して入力されるフィードバック信号を基に出力電
圧または電流が一定となるよう駆動信号パルスのオン幅
を制御する制御手段とを具備している。
【0013】さらに第3の発明は上記した目的を達成す
るために、高調波電流抑制型の電源装置において、商用
電源を整流する第1の整流器と、この整流器に直列に接
続された一次巻線、並びに二次巻線を有する第1のイン
ダクタと、前記第1のインダクタの二次巻線に直列に接
続された第2の整流器と、前記第1のインダクタの一次
巻線に直列に接続されたスイッチ素子と、前記第1のイ
ンダクタの一次巻線に並列に接続された第1のコンデン
サと、前記第1の整流器から前記第1のコンデンサへの
逆方向電流を防止する逆流防止手段と、前記第1のイン
ダクタの一次巻線に前記スイッチ素子を通じて直列に接
続された一次巻線、並びに二次巻線を有する第2のイン
ダクタと、前記第2のインダクタの二次巻線に直列に接
続された第3の整流器と、前記第1のインダクタの二次
巻線に前記第2の整流器を通じて並列に接続され、且
つ、前記第2のインダクタの二次巻線に前記第3の整流
器を通じて並列に接続された第2のコンデンサと、出力
電圧または電流を検出してフィードバック信号を生成す
る検出手段と、前記スイッチ素子に供給する駆動信号パ
ルスのオン幅を前記商用電源周波数の1/2サイクル期
間ごとにほぼ一定に保ちつつ、前記検出手段からのフィ
ードバック信号を基に前記出力電圧または電流が一定と
なるよう前記駆動信号パルスのオン幅を制御する制御手
段とを具備している。
【0014】さらに第4の発明は前記第3の発明の構成
に、商用電源の停電を検出する停電検出手段と、停電検
出手段によって停電が検出されたとき、スイッチ素子に
供給する駆動信号パルスの周波数を所定の値に切り替え
る手段をさらに具備してなるものである。
【0015】
【作用】第1の発明では、スイッチ素子のオン期間に、
第1の整流器からの脈流が第1のインダクタに流れる。
さらにスイッチ素子のオン期間に、第1のコンデンサの
電荷の一部が電流となってインダクタ電流と共に第2の
インダクタの一次巻線に流れ、この一次巻線に磁気エネ
ルギーとして蓄積される。
【0016】またスイッチ素子がオフになると、第1の
インダクタに蓄えられた磁気エネルギーは第1のコンデ
ンサに移されると共に、第2のインダクタの一次巻線に
蓄えられた磁気エネルギーが二次巻線に伝達される。二
次巻線に誘起された電圧は、第2の整流器により整流さ
れた後、第2のコンデンサで平滑化され、負荷に供給さ
れる。
【0017】スイッチ素子のスイッチングは、商用電源
周波数の1/2サイクル期間中のパルスオン幅(デュー
ティ比)を一定に保ちつつ、一定のスイッチング周波数
で、出力電圧VO が一定化になるようパルスオン幅を制
御して行われる。
【0018】このようにして、商用電源周波数の1/2
サイクル期間中のパルスオン幅を一定に保ってスイッチ
ング制御を行うことで、第1のインダクタを流れる電流
の瞬時値を常に脈流電圧の瞬時値に比例させることがで
き、脈流電圧の1サイクル期間中の入力電流の平均値の
波形を入力電圧波形と比例させることができる。
【0019】したがって、この発明によれば、一次側に
商用電源の瞬停対策用のコンデンサ(第1のコンデン
サ)を配置することが可能になる。瞬停対策用のコンデ
ンサを一次側に設けたことで、同じ瞬停耐力を二次側の
コンデンサ(第2のコンデンサ)に頼る場合に比べ、所
要のコンデンサの体積を小さく済ますことが可能にな
る。 また第2の発明では、フィルタ手段にて、検出手
段より出力される二次側出力電圧のフィードバック信号
から、商用電源周波数のほぼ2倍の周波数のリップル電
圧成分を除去する。そしてリップル電圧成分を除去した
フィードバック信号を基を出力電圧または電流の定値制
御のための制御手段に供給する。
【0020】したがって、この発明によれば、リップル
電圧成分によるパルス幅変調制御系の誤動作を防止で
き、脈流電圧1サイクル期間中のパルスオン幅を一定に
保つことができる。
【0021】さらに第3の発明では、スイッチ素子のオ
ン期間に第1の整流器からの脈流が第1のインダクタの
一次巻線に流れ、一次巻線に磁気エネルギーとして蓄積
される。スイッチ素子がオフになると、第1のインダク
タの一次巻線に蓄えられた磁気エネルギーは二次巻線に
伝達され、第2の整流器を通じて負荷側に放出される。
その際、第1のインダクタの一次巻線に蓄積された磁気
エネルギーの一部は二次巻線に伝達しきらず一次巻線に
止まり、この部分の磁気エネルギーは第1のコンデンサ
に移って蓄積される。この第1のコンデンサに蓄積され
た磁気エネルギーは、スイッチ素子がオンの期間に第2
のインダクタの一次巻線に伝達され蓄積される。そして
この第2のインダクタの一次巻線に蓄積された磁気エネ
ルギーは、スイッチ素子がオフの期間に二次巻線に伝達
され、第3の整流器を通じて負荷側に放出される。
【0022】この発明によれば、第1の発明と同様、一
次側に商用電源の瞬停対策用のコンデンサ(第1のコン
デンサ)を配置することが可能になる。さらにこの発明
によれば、エネルギー蓄積箇所の移動回数が少ない第1
のインダクタの一次/二次巻線間で負荷側へのエネルギ
ー伝達を補助することによって、全体のエネルギー損失
を減らすことができる。
【0023】さらに第4の発明では、停電が検出された
とき、スイッチ素子に供給する駆動信号パルスの周波数
を定常運転時のそれよりも低い設定値に切り替えること
で、第2のインダクタを通して負荷側へ伝達される磁気
エネルギーを定常運転時より増大させることができる。
したがって、第3の発明で、より高いエネルギー損失低
減効果を得るために、第2のインダクタのインダクタン
スを第1のインダクタのそれよりも十分大きくしたとし
ても、第2のインダクタを通して所要の電力を負荷側へ
供給することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0025】図1は本発明に係る一実施例の高調波電流
抑制型のフライバックコンバータの構成を示す図であ
る。
【0026】同図において、Vi は商用電源である。L
PFはローパスフィルタであり、フライバックコンバー
タから商用電源系統へのスイッチングノイズの帰還を阻
止する。Rec1 は商用電源Vi を整流して脈流電圧VId
i に変換する整流器である。LA はインダクタ、CA は
インダクタLA に並列に接続された商用電源瞬停対策用
のコンデンサである。このコンデンサCA は、トランジ
スタQのオン期間にインダクタLA に蓄積済みの磁気エ
ネルギーをトランジスタQのオフ時に蓄積するものとな
っている。DA はダイオードであり、トランジスタQの
オン期間にコンデンサCA に不要動作電流(逆電流)が
流れるのを防止する。LB は一次側回路から二次側回路
にエネルギーを伝達するためのインダクタ(トランス)
である。Qはスイッチング用のトランジスタであり、脈
流電圧VIdi およびコンデンサCA の直流電圧をスイッ
チングして、インダクタ(トランス)LB の一次巻線N
pに印加する高周波電圧を発生する。DB はダイオード
であり、インダクタLA 、コンデンサCA を経由してイ
ンダクタ(トランス)LB の一次巻線Np に逆電流が流
れるのを防止する。また、Rec2 はインダクタ(トラン
ス)LB の二次巻線Ns に誘起された電圧を整流し、脈
流電圧を生成する整流器である。CF は整流器Rec2 で
整流後の電圧を平滑する平滑用コンデンサである。Rは
出力電圧VOを消費する負荷である。
【0027】図2はこのフライバックコンバータにおけ
る出力電圧のフィードバック処理系並びにPWM制御系
の構成を示すブロック図である。
【0028】同図において、R1 、R2 は、出力電圧V
O つまり負荷Rの両端から取り出した電圧Vs+、Vs-を
分圧してフィードバック処理に適した値に変換するため
の抵抗である。CRは誤差増幅器を構成する可変ツェナ
ーダイオードであり、分圧した電圧と内蔵基準電圧とを
比較してその誤差に応じた逆電流をカソードより出力す
る。R3 は可変ツェナーダイオードCRを流れる電流を
制限する抵抗である。PCはホトカプラであり、可変ツ
ェナーダイオードCRのカソード電流を電気的に絶縁し
てこれをフィードバック信号としてPWM制御系に伝達
する。R4 はホトカプラPC内の出力電流をレベルシフ
ト増幅器SAへの印加電圧に変換する抵抗である。BE
Fはノッチフィルタであり、フィードバック信号から商
用電源周波数の2倍の周波数成分を除去する。SAはレ
ベルシフト増幅器であり、ノッチフィルタBEFを通し
て入力されたフィードバック電圧と基準電圧VB とを比
較し、その誤差に応じた電圧を誤差信号として出力す
る。PWMはパルス幅変調器であり、レベルシフト増幅
器SAからの誤差信号に応じて出力電圧VO が常に一定
になるようトランジスタQに供給する駆動信号のパルス
オン幅を制御する。OSCはパルス幅変調器PWMに一
定の周波数の三角波信号を供給する定周波発振器であ
る。Dはパルス幅変調器PWMからのパルス信号をトラ
ンジスタQの駆動に適したレベルに増幅する駆動回路で
ある。AUXは補助電源であり、入力脈流電圧VIdc 、
あるいはインダクタ(トランス)LB に設けた補助巻線
NA から補助電圧Vccやレベルシフト増幅器SAの基準
電圧VB 等を生成する。
【0029】図3は各部の信号波形を示している。同図
において、(A) は整流器Rec1 から出力される脈流電圧
VIdi である。この脈流電圧VIdi の値は21/2 E|si
n ωt|で表される。ここでEは商用電源Vi の実効
値、ωは角速度でありω=2πfL (fL は商用周波
数)で表される。またTL は商用電源Vi の半周期であ
る。 また(B) において、iLAはトランジスタQのオン
期間にインダクタLA を流れる電流、iCA(斜線部)は
トランジスタQのオフ期間にインダクタLA からコンデ
ンサCA に供給される電流、iAVは入力電流(iLA+i
CA)の平均値、Δi1 はインダクタ電流iLAの瞬時値、
TはトランジスタQのスイッチング1周期、TONはトラ
ンジスタQのオン期間、TOFF1はトランジスタQのオフ
期間中にインダクタLA がエネルギーを放出する期間、
Td1はインダクタLA のエネルギ放出完了から次にトラ
ンジスタQがオンするまでの期間である。
【0030】(C) において、iNPはトランジスタQのオ
ン期間におけるコンデンサCA の放電によってインダク
タLB の一次巻線Np に流れる電流、iNSはトランジス
タQのオフ期間にインダクタLB の二次巻線NS に流れ
る電流である。なお、図中示されるこの電流iNSは、コ
ンデンサCA の放電電流iNPによってインダクタLBの
一次巻線Np に蓄積されたエネルギーが、トランジスタ
Qのオフ期間にインダクタLB の二次巻線NS に伝達さ
れることによって流れた成分だけを示している。 (D)
において、VCAは一次側のコンデンサCA の端子電圧で
ある。
【0031】(E) において、V0 は平滑用コンデンサC
F の出力電圧、ΔV0 は出力電圧V0 の商用電源周波数
の2倍の周波数成分である。
【0032】(F) において、kV0 はノッチフィルタB
EFへの入力電圧、Vf はノッチフィルタBEFの出力
電圧である。
【0033】次に本実施例の動作を以上の各図を参照し
つつ説明する。
【0034】まず商用電源Vi は整流器Rec1 により整
流されて、図3(A) に示すような脈流電圧VIdi に変換
される。インダクタLA にはトランジスタQのスイッチ
ングによって方形波電圧が印加され、トランジスタQの
オン期間に図3(B) に示すような電流iLAがインダクタ
LA に流れる。このインダクタLA を流れる電流iLAの
瞬時値Δi1 は(VIdi /L)TONで与えられ、つまり
入力脈流電圧VIdi と比例した値となる。さらにトラン
ジスタQのオン期間に、コンデンサCA の電荷の一部が
図3(C) に示すような電流iNPとなって、インダクタ電
流iLAと共にインダクタ(トランス)LB の一次巻線N
p に流れ、このインダクタLB の一次巻線Np に磁気エ
ネルギーとして蓄積される。このときコンデンサCA の
出力電圧は、図3(D) に示すように、ほぼ直流であり、
商用電源の瞬停対策のためコンデンサCA に十分な静電
容量を持たせた場合、小さなリップル電圧が認められる
程度である。
【0035】またトランジスタQがオフになると、イン
ダクタLA に蓄えられた磁気エネルギーはコンデンサC
A に移されると共に、トランジスタQのオン期間にイン
ダクタ(トランス)LB の一次巻線Np に蓄えられた磁
気エネルギーが二次巻線NSに伝達される。
【0036】なお、以上の動作において、各インダクタ
LA 、LB を流れる電流はスイッチングの1サイクル期
間中で零から始まり零で終わるようにする必要がある。
本実施例では、図3(B) および(C) に示すように、イン
ダクタLA がエネルギーを放出する期間TOFF1の後にT
d1の電流零期間を、インダクタLB がエネルギーを放出
する期間TOFF2の後にTd2の電流零期間を設け、これら
Td1およびTd2の電流零期間が入力電圧および負荷の変
動範囲内で確保できるかまたは零になるようにしてい
る。この条件は、各インダクタLA 、LB のインダクタ
ンスを、各インダクタLA 、LB を流れる電流が零から
始まり零で終わる限界のインダクタンス以下にすること
で実現される。
【0037】トランジスタQのスイッチングは、脈流電
圧VIdi の1サイクルつまり商用電源周波数の1/2サ
イクル期間中のパルスオン幅(デューティ比)を一定に
保ちつつ、一定のスイッチング周波数で、出力電圧VO
が一定化になるようパルスオン幅を制御して行われる。
【0038】このように脈流電圧VIdi の1サイクル期
間中はパルスオン幅を一定に保ってスイッチング制御を
行うことで、インダクタLA を流れる電流iLAの瞬時値
Δi1 を常に脈流電圧VIdi の瞬時値に比例させること
ができ、脈流電圧VIdi の1サイクル期間中の入力電流
(iLA+iCA)の平均値iAVの波形を入力電圧波形と比
例させることができる。
【0039】インダクタ(トランス)LB の二次巻線N
s に誘起された電圧は、整流器Rec2 により整流された
後、平滑用コンデンサCF で平滑化され、負荷Rに供給
される。
【0040】また出力電圧VO つまり負荷R両端の電圧
Vs+、Vs-は抵抗R1 および抵抗R2 によって分圧され
た後、可変ツェナーダイオードCRにて内蔵基準電圧と
比較されて、その誤差に応じた逆方向電流が可変ツェナ
ーダイオードCRのカソードより出力される。このカソ
ード電流は抵抗R4 によってレベルシフト増幅器SAへ
の入力電圧に変換された後、ホトカプラPCを通じて、
図3(F) に示すようなフィードバック電圧kVo となっ
てノッチフィルタBEFに入力される。
【0041】ノッチフィルタBEFはこのフィードバッ
ク電圧kVo から、リップル電圧成分に当たる商用電源
周波数のほぼ2倍の周波数成分を遮断し、リップル電圧
成分を除去したフィードバック電圧Vf をレベルシフト
増幅器SAに与える。レベルシフト増幅器SAは、フィ
ードバック電圧Vf と基準電圧VB との誤差を増幅した
誤差信号をパルス幅変調器PWMに与える。パルス幅変
調器PWMはこの誤差信号を基に次サイクルのパルスオ
ン幅を決定し、駆動回路Dに駆動信号を供給する。
【0042】本実施例のフライバックコンバータの第1
の特徴は、一次側にコンデンサCAと共にインダクタLA
およびダイオードDA を設けことにある。そして、ト
ランジスタQのオン期間にインダクタLA に蓄えられた
エネルギーをトランジスタQのオフ期間にコンデンサC
A に移し、さらにトランジスタQのオン期間にコンデン
サCA の放電電流をインダクタ電流iLAと共にインダク
タ(トランス)LB の一次巻線Np に流すようにしたこ
とにある。これにより、一次側に商用電源の瞬停対策用
のコンデンサCA を配置することが可能になる。瞬停対
策用のコンデンサCA を一次側に設けたことで、同じ瞬
停耐力を二次側のコンデンサCF に頼る場合に比べ、所
要のコンデンサの体積を小さく済ますことが可能にな
る。
【0043】この点についての説明を補足する。一般に
コンデンサの体積Vは定格電圧Eと静電容量Cの積に比
例する。またコンデンサが蓄えるエネルギーWは定格電
圧E2 の二乗と静電容量Cとの積に比例する。したがっ
て、エネルギーW=CE×E=1/k×V×E(k:比
例定数,V:体積)となって、コンデンサが蓄えること
のできるエネルギーWは体積Vと定格電圧Eの積に比例
する。よって、同一のエネルギー量を蓄えることのでき
る定格電圧の異なる2種類のコンデンサがある場合、定
格電圧が高い方が小形になると言える。したがって、一
次側に商用電源の瞬停対策用のコンデンサCA を設ける
ことで、これまで極めて大きな体積となっていた二次側
のコンデンサCF を小形にでき、各コンデンサCA 、C
F の体積のトータルも従来と比べて大幅に縮小できる。
【0044】また本実施例のフライバックコンバータの
第2の特徴は、出力電圧のフィードバック処理系にノッ
チフィルタBEFを介挿し、フィードバック電圧kVO
に含まれる商用電源周波数の2倍の周波数のリップル電
圧成分をこれで除去するようにした点にある。これによ
り、リップル電圧成分によるPWM制御系の誤動作を防
止でき、脈流電圧1サイクル期間中のパルスオン幅を一
定に保つことができる。またリップル電圧の最大許容値
を従来よりも高くできるので、先の効果と併せて平滑用
コンデンサCF のより一層の小形化を図れる。さらに、
リップル電圧成分によるPWM制御への影響を排除でき
ることで、フィードバック処理系の各部のゲインを高め
ることが可能になり、過渡時のPWM制御系の応答を改
善することができる。
【0045】次に本発明の他の実施例を説明する。
【0046】図4はこの実施例の高調波電流抑制型のフ
ライバックコンバータの構成を示す図である。
【0047】同図において、Vi は商用電源である。L
PFはローパスフィルタであり、フライバックコンバー
タから商用電源系統へのスイッチングノイズの帰還を阻
止する。Rec1 は商用電源Vi を整流して脈流電圧VId
i に変換する整流器(第1の整流器)である。LA は第
1のインダクタ(トランス)である。このインダクタL
A はトランジスタQがオフになると、一次巻線NPAに蓄
えた磁気エネルギーを二次巻線NSAに伝達する。CA は
第1のインダクタLA の一次巻線NPAに並列に接続され
た商用電源瞬停対策用のコンデンサである。このコンデ
ンサCA は、トランジスタQのオフ期間に第1のインダ
クタLA の一次巻線NPAから二次巻線NSAに伝達しきら
なかった磁気エネルギーを蓄積する。DA はダイオード
であり、トランジスタQのオン期間にコンデンサCA に
不要動作電流(逆電流)が流れるのを防止する。LB は
一次側回路から二次側回路にエネルギーを伝達するため
の第2のインダクタ(トランス)である。Qはスイッチ
ング用のトランジスタであり、脈流電圧VIdi およびコ
ンデンサCA の直流電圧をスイッチングして、第2のイ
ンダクタLB の一次巻線NPBに印加する高周波電圧を発
生する。DB はダイオードであり、第1のインダクタL
A の一次巻線NPA、コンデンサCA を経由して第2のイ
ンダクタLB の一次巻線NPBに逆電流が流れるのを防止
する。Rec2は第1のインダクタLA の二次巻線NSAに
誘起された電圧を整流し、脈流電圧を生成する整流器
(第2の整流器)である。Rec3 は第2のインダクタL
B の二次巻線NSBに誘起された電圧を整流し、脈流電圧
を生成する整流器(第3の整流器)である。CF は各整
流器Rec2 、Rec3 で整流後の電圧を平滑する平滑用コ
ンデンサである。Rは出力電圧VO を消費する負荷であ
る。
【0048】図5はこのフライバックコンバータにおけ
る出力電圧のフィードバック処理系並びにPWM制御系
の構成を示すブロック図である。本実施例のPWM制御
系の構成は図2に示した先の実施例のPWM制御系と次
の点を除いて同じである。
【0049】すなわち、補助電源AUXは、例えば入力
脈流電圧VIdc 等から停電の発生を検出して、停電検出
信号PFを定周波発振器OSCに出力する。そして定周
波発振器OSCは停電検出信号PFを入力すると、発振
周波数を定常運転時より低い停電時用の設定値に切り替
えるよう動作する。
【0050】図6は各部の信号波形を示している。同図
において、(A) は整流器Rec1 から出力される脈流電圧
VIdi である。この脈流電圧VIdi の値は21/2 E|si
n ωt|で表される。ここでEは商用電源Vi の実効
値、ωは角速度でありω=2πfL (fL は商用周波
数)で表される。またTL は商用電源Vi の半周期であ
る。 また(B) において、iLA1 はトランジスタQのオ
ン期間に第1のインダクタLA の一次巻線NPAを流れる
電流、iLA2 はトランジスタQのオフ期間に第1のイン
ダクタLA の二次巻線NSAを流れる電流、Δi1 はiLA
1 の瞬時値(ピーク値)、iAVは入力電流(iLA1 )の
平均値、TはトランジスタQのスイッチング1周期、T
ONはトランジスタQのオン期間、TOFF1はトランジスタ
Qのオフ期間中に第1のインダクタLA の一次巻線NPA
から二次巻線NSAへエネルギーが放出される期間、Td1
は前記一次/二次巻線間のエネルギ伝達完了から次にト
ランジスタQがオンするまでの期間である。すなわち、
T=TON+TOFF1+Td1(但し、Td1≧0)の関係が成
立する。
【0051】(C) において、VCAは一次側のコンデンサ
CA の端子電圧である。
【0052】(D) において、iNPB はトランジスタQの
オン期間におけるコンデンサCA の放電によって第2の
インダクタLB の一次巻線NPBに流れる電流、iNSB は
トランジスタQのオフ期間に第2のインダクタLB の二
次巻線NSBに流れる電流、TOFF2はトランジスタQのオ
フ期間中に第2のインダクタLB の一次巻線NPBから二
次巻線NSBへエネルギーが放出される期間、Td2は前記
一次/二次巻線間のエネルギ伝達完了から次にトランジ
スタQがオンするまでの期間である。すなわち、T=T
ON+TOFF2+Td2(但し、Td2≧0)の関係が成立す
る。また、TF は停電発生時のスイッチング周波数、T
ONF は停電発生時のトランジスタQのオン期間、TOFF2
F は停電発生時において第2のインダクタLB の一次巻
線NPBから二次巻線NSBへエネルギーが放出される期
間、Td2F は停電発生時において前記一次/二次巻線間
のエネルギ伝達完了から次にトランジスタQがオンする
までの期間である。
【0053】次に本実施例の動作を図4乃至図6を参照
しつつ説明する。
【0054】まず商用電源Vi は整流器Rec1 により整
流されて、図6(A) に示すような脈流電圧VIdi に変換
される。第1のインダクタLA の一次巻線NPAにはトラ
ンジスタQのスイッチングによって方形波電圧が印加さ
れ、トランジスタQのオン期間に図6(B) に示すような
電流iLA1 が第1のインダクタLA の一次巻線NPAに流
れる。これによりトランジスタQのオン期間に、第1の
インダクタLA の一次巻線NPAに磁気エネルギーが蓄積
される。なお、この一次巻線NPAを流れる電流iLA1 の
瞬時値Δi1 は(VIdi /LA )TONで与えられ、つま
り入力脈流電圧VIdi と比例した値となる。
【0055】トランジスタQがオフになると、第1のイ
ンダクタLA の一次巻線NPAに蓄積された大部分の磁気
エネルギーは二次巻線NSAに移り、二次巻線NSAに図6
(B)に示すような電流iLA2 が流れる。そしてこの電流
iLA2 は整流器Rec2 を通して負荷側へ供給される。そ
の際、第1のインダクタLA の一次巻線NPAには漏れイ
ンダクタンスがあるため、一次巻線NPAに蓄積された磁
気エネルギーのうち、一部は負荷側へ伝達されずに一次
巻線NPAに止まり、この部分の磁気エネルギーはコンデ
ンサCA に移って電荷となって蓄積される。
【0056】このコンデンサCA に蓄積された電荷の一
部は、トランジスタQのオン期間に、図6(d) に示すよ
うな電流iNPB となってインダクタ電流iLA1 と共に第
2のインダクタLB の一次巻線NpBに流れ、この一次巻
線NPBに磁気エネルギーとして蓄積される。そしてトラ
ンジスタQのオフ期間に、第2のインダクタLB の一次
巻線NPBに蓄積された磁気エネルギーは二次巻線NSBに
移り、整流器Rec3 を通じて負荷側に伝達される。この
ときコンデンサCA の出力電圧VCAは、図6(c) に示す
ように、ほぼ直流であり、商用電源の瞬停対策のためコ
ンデンサCA に十分な静電容量を持たせた場合、小さな
リップル電圧が認められる程度である。
【0057】なお、以上の動作において、各インダクタ
LA 、LB を流れる電流はスイッチングの1サイクル期
間中で零から始まり零で終わるようにする必要がある。
本実施例では、図6(B) および(D) に示すように、第1
のインダクタLA がエネルギーを放出する期間TOFF1の
後にTd1の電流零期間を、第2のインダクタLB がエネ
ルギーを放出する期間TOFF2の後にTd2の電流零期間を
設け、これらTd1およびTd2の電流零期間が入力電圧お
よび負荷の変動範囲内で確保できるかまたは零になるよ
うにしている。この条件は、各インダクタLA 、LB の
インダクタンスを、各インダクタLA 、LB を流れる電
流が零から始まり零で終わる限界のインダクタンス以下
にすることで実現される。
【0058】トランジスタQのスイッチングは、先の実
施例と同様、脈流電圧VIdi の1サイクルつまり商用電
源周波数の1/2サイクル期間中のパルスオン幅(デュ
ーティ比)を一定に保ちつつ、一定のスイッチング周波
数で、出力電圧VO が一定化になるようパルスオン幅を
制御して行われる。
【0059】このように脈流電圧VIdi の1サイクル期
間中はパルスオン幅を一定に保ってスイッチング制御を
行うことで、第1のインダクタLA の一次巻線NPAを流
れる電流iLA1 の瞬時値Δi1 を常に脈流電圧VIdi の
瞬時値に比例させることができ、脈流電圧VIdi の1サ
イクル期間中の入力電流の平均値iAVの波形を入力電圧
波形と比例させることができる。
【0060】このように本実施例によれば、第1のイン
ダクタLA に二次巻線NSAを設け、この二次巻線NSAを
通じて第1のインダクタLA の一次巻線NPAに蓄積され
た磁気エネルギーの大部分を負荷側へ伝達するようにし
た。これにより図1に示した先の実施例に比べエネルギ
ー損失の少ない高効率型のフライバックコンバータを実
現できる。すなわち、エネルギーの損失は、エネルギー
を負荷側へ伝達するまでのエネルギー蓄積箇所の移動回
数が多いほど大きくなる。本実施例における2つのエネ
ルギー伝達経路を比較すると、一方は第1のインダクタ
LA での一次/二次巻線間でのエネルギー伝達のみで済
むのに比べ、他方は第1のインダクタLA の一次巻線N
PA、コンデンサCA 、第2のインダクタLB の一次巻線
NPB、二次巻線NSBのエネルギー伝達経路を辿るため、
エネルギー損失が大きくなることは避けられない。そこ
で本実施例のように、第1のインダクタLA の一次/二
次巻線間で、許される範囲で多くのエネルギーを伝達す
るようにすれば全体のエネルギー損失を減らすことがで
きる。
【0061】ところで、本実施例では、第2のインダク
タLB のインダクタンスを第1のインダクタLA のそれ
よりも十分大きくすることで、より有効なエネルギー損
失低減効果を得ることができる。しかしこの場合、停電
発生によって、負荷側への電力供給をコンデンサCA の
電荷のみに頼る必要が生じたとき、たとえコンデンサC
A に十分な電荷が蓄積されていたとしても、所要の電力
を負荷側に供給できないことが起こり得る。そこで、本
実施例では停電発生時に次の動作を行う。
【0062】停電の発生は補助電源AUXにて、例えば
入力脈流電圧VIdc を監視することによって検出され
る。停電発生を検出すると、補助電源AUXより停電検
出信号PFが出力されて定周波発振器OSCに入力され
る。すると、定周波発振器OSCは発振周波数を定常運
転時より低い停電時用の設定値に切り替え、トランジス
タQのスイッチング周波数を低下させる。
【0063】この結果、図6の(D) に示したように、ス
イッチング周期TF 毎のトランジスタQのオン期間TON
F が長くなり、第2のインダクタLB の一次巻線NPBに
流れる電流iNPB のピーク値が上がって一次巻線NPBに
蓄積される磁気エネルギーが増大する。したがって、停
電時の際のスイッチング周波数を最適に設定しておくこ
とによって、コンデンサCA の電荷を第2のインダクタ
LB を介して伝達する系統だけで、所要の電力を負荷側
に供給することが可能になる。
【0064】なお、以上説明した実施例は、出力電圧を
定値制御する電源装置について説明したが、本発明は出
力電流を定値制御する電源装置についても適用が可能で
ある。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電源装置に
よれば、商用電源瞬停対策用のコンデンサを一次側に設
けることができ、これにより二次側の平滑用コンデンサ
の小形化を図れると共に、一次側と二次側とを合わせた
トータル的なコンデンサの体積も縮小することができ、
装置全体としての小形化、低コスト化を図ることができ
る。
【0066】また、二次側出力電圧のフィードバック信
号から、商用電源周波数のほぼ2倍の周波数のリップル
電圧成分をフィルタ手段にて除去することによって、リ
ップル電圧成分によるパルス幅変調制御系の誤動作を防
止でき、脈流電圧1サイクル期間中のパルスオン幅を一
定に保つことができる。
【0067】さらに、エネルギー蓄積箇所の移動回数が
少ない第1のインダクタの一次/二次巻線間で負荷側へ
のエネルギー伝達を補助することによって、全体のエネ
ルギー損失を減らし、効率の改善を図ることができる。
【0068】また、停電発生時に、スイッチ素子に供給
する駆動信号パルスの周波数を定常運転時のそれよりも
低い設定値に切り替えて、第2のインダクタを通して負
荷側へ伝達される磁気エネルギーを定常運転時より増大
させることで、エネルギー損失低減効果を高めるために
第2のインダクタのインダクタンスを第1のインダクタ
のそれよりも十分大きくしたとしても、第2のインダク
タを通して所要の電力を負荷側へ供給することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の高調波電流抑制型のフ
ライバックコンバータの構成を示す図である。
【図2】図1のフライバックコンバータにおける出力電
圧のフィードバック処理系並びにPWM制御系の構成を
示すブロック図である。
【図3】図1および図2における各部の信号波形を示す
図である。
【図4】本発明に係る他の実施例の高調波電流抑制型の
フライバックコンバータの構成を示す図である。
【図5】図4のフライバックコンバータにおける出力電
圧のフィードバック処理系並びにPWM制御系の構成を
示すブロック図である。
【図6】図4および図5における各部の信号波形を示す
図である。
【図7】従来の高調波電流抑制型のフライバックコンバ
ータの構成を示す図である。
【符号の説明】
Vi …商用電源、LPF…ローパスフィルタ、Rec1 、
Rec2 、Rec3 …整流器、LA 、LB …インダクタ、C
A …コンデンサ、DA 、DB …ダイオード、Q…トラン
ジスタ、LB …インダクタ、第2のインダクタ、Np 、
NPA、NPB…一次巻線、Ns 、NSA、NSB…二次巻線、
CF …平滑用コンデンサ、R…負荷、R1 、R2 、R3
、R4 …抵抗、CR…可変ツェナーダイオード、PC
…ホトカプラ、SA…レベルシフト増幅器、BEF…ノ
ッチフィルタ、PWM…パルス幅変調器、OSC…定周
波発振器、D…駆動回路、AUX…補助電源。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高調波電流抑制型の電源装置において、 商用電源を整流する第1の整流器と、 この整流器に接続された第1のインダクタと、 前記第1のインダクタに並列に接続された第1のコンデ
    ンサと、 前記第1のインダクタおよび前記第1のコンデンサにそ
    れぞれ直列に接続されたスイッチ素子と、 前記第1の整流器から前記第1のコンデンサへの逆方向
    電流を防止する逆流防止手段と、 前記第1のインダクタおよび前記第1のコンデンサにそ
    れぞれ前記スイッチ素子を通じて直列に接続された一次
    巻線、並びに二次巻線を有する第2のインダクタと、 前記第2のインダクタの前記二次巻線に直列に接続され
    た第2の整流器と、 前記第2のインダクタの前記二次巻線に並列に接続され
    た第2のコンデンサと、 出力電圧または電流を検出し
    てフィードバック信号を生成する検出手段と、 前記スイッチ素子に供給する駆動信号パルスのオン幅を
    前記商用電源周波数の1/2サイクル期間ごとにほぼ一
    定に保ちつつ、前記検出手段からのフィードバック信号
    を基に前記出力電圧または電流が一定となるよう前記駆
    動信号パルスのオン幅を制御する制御手段とを具備する
    ことを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 高調波電流抑制型の電源装置において、 商用電源を整流する第1の整流器と、 この整流器に接続された一次巻線、並びに二次巻線を有
    するインダクタと、 このインダクタに直列に接続されたスイッチ素子と、 前記インダクタの前記二次巻線に直列に接続された第2
    の整流器と、 前記インダクタの前記二次巻線に並列に接続された平滑
    用コンデンサと、 出力電圧または電流を検出してフィードバック信号を生
    成する検出手段と、 この検出手段より出力されるフィードバック信号から前
    記商用電源周波数のほぼ2倍の周波数成分を除去するフ
    ィルタ手段と、 前記スイッチ素子に供給する駆動信号パルスのオン幅を
    前記商用電源周波数の1/2サイクル期間ごとにほぼ一
    定に保ちつつ、前記フィルタ手段を通して入力されるフ
    ィードバック信号を基に前記出力電圧または電流が一定
    となるよう前記駆動信号パルスのオン幅を制御する制御
    手段とを具備することを特徴とする電源装置。
  3. 【請求項3】 高調波電流抑制型の電源装置において、 商用電源を整流する第1の整流器と、 この整流器に直列に接続された一次巻線、並びに二次巻
    線を有する第1のインダクタと、 前記第1のインダクタの二次巻線に直列に接続された第
    2の整流器と、 前記第1のインダクタの一次巻線に直列に接続されたス
    イッチ素子と、 前記第1のインダクタの一次巻線に並列に接続された第
    1のコンデンサと、 前記第1の整流器から前記第1のコンデンサへの逆方向
    電流を防止する逆流防止手段と、 前記第1のインダクタの一次巻線に前記スイッチ素子を
    通じて直列に接続された一次巻線、並びに二次巻線を有
    する第2のインダクタと、 前記第2のインダクタの二次巻線に直列に接続された第
    3の整流器と、 前記第1のインダクタの二次巻線に前記第2の整流器を
    通じて並列に接続され、且つ、前記第2のインダクタの
    二次巻線に前記第3の整流器を通じて並列に接続された
    第2のコンデンサと、 出力電圧または電流を検出してフィードバック信号を生
    成する検出手段と、 前記スイッチ素子に供給する駆動信号パルスのオン幅を
    前記商用電源周波数の1/2サイクル期間ごとにほぼ一
    定に保ちつつ、前記検出手段からのフィードバック信号
    を基に前記出力電圧または電流が一定となるよう前記駆
    動信号パルスのオン幅を制御する制御手段とを具備する
    ことを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の電源装置において、 前記商用電源の停電を検出する停電検出手段と、 前記停電検出手段によって停電が検出されたとき、前記
    スイッチ素子に供給する駆動信号パルスの周波数を所定
    の値に切り替える手段をさらに具備することを特徴とす
    る電源装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7023714B2 (en) 2001-12-05 2006-04-04 Koninklijke Philips Electronics N.V. Voltage converter for a power supply
CN108365765A (zh) * 2018-03-30 2018-08-03 上海理工大学 一种多路输出单端反激式开关电源

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