JPH06345770A - 新規13−エステルミルベマイシン類縁化合物 - Google Patents

新規13−エステルミルベマイシン類縁化合物

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JPH06345770A
JPH06345770A JP13851693A JP13851693A JPH06345770A JP H06345770 A JPH06345770 A JP H06345770A JP 13851693 A JP13851693 A JP 13851693A JP 13851693 A JP13851693 A JP 13851693A JP H06345770 A JPH06345770 A JP H06345770A
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JP
Japan
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compound
formula
group
isopropyl
phenyl
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Application number
JP13851693A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sato
佐藤  一雄
Shinji Yokoi
進二 横井
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化6】 [式中、−X−Y−は、−CH2 CH2 −、−CH2
H(OH)−、−CH=CH−又はCH2 −CO−を示
しR1 は、sec−ブチル基又は式−C(CH3 )=C
H−R3 を示し(式中、R3 はメチル基、エチル基又は
イソプロピル基を示す。)、R2 は、フェニル基又は低
級アルキル基を示し、Aは、フェニル基又は窒素原子を
2ないし3個含む6員芳香族複素環基を示し、Wは、酸
素原子又は硫黄原子を示す。]で表わされる新規13−
エステルミルベマイシン類縁化合物。 【効果】本類縁化合物は殺ダニ、殺虫及び駆虫活性を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺虫、殺ダニ、駆虫活
性を示す新規13−エステルミルベマイシン類縁化合物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ミルベマイシン類、アベルメクチン類お
よびLL−F28249類は一連の16員マクロライド
化合物であり、例えば特開昭50−29742号、同5
6−32481号、同54−61198号、同61−1
0589号公報等に記載されている。
【0003】上記のマクロライド化合物は、いずれも優
れた殺虫、殺ダニ、駆虫活性を有することが知られてお
り、活性を増強するために種々の部位の変換が行われ、
特に、13位に種々の置換基を導入した半合成ミルベマ
イシン類は多数報告されている。
【0004】13位にエステル結合を有するミルベマイ
シン類としては、特開昭61−180787号公報にお
いて、種々のアルカン酸との13−エステルミルベマイ
シン化合物が記載されている。また、特開平1−104
078号公報においては、アルカン酸のカルボン酸部分
のα位にアルキル基側鎖を有することを特徴とする13
−エステルミルベマイシン類が記載されているが、本発
明の、アルカン酸のカルボン酸部分のα位に複素環基を
含む13−エステルミルベマイシン化合物は未だ報告さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】防除の難しいダニ類、
植物害虫や動物寄生虫に対して高活性及び広範囲なスペ
クトルを有する新規な防除剤を開発することである。
【0006】
【発明の構成】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より強い
殺虫、殺ダニ、駆虫等の生物活性を示すミルベマイシン
化合物を探索するため、13−エステルミルベマイシン
類に着目し、鋭意研究を重ねた結果、新たに以下に示さ
れるアルカン酸のカルボン酸部分のα位に複素環基を含
む13−エステルミルベマイシン類縁体に強い殺虫、殺
ダニ、駆虫活性を見い出し本発明を完成した。
【0008】本発明の新規13−エステルミルベマイシ
ン類縁体は、一般式(I)
【0009】
【化2】
【0010】[式中、R1 は、sec−ブチル基又は式
−C(CH3 )=CH−R3 を示し(式中、R3 はメチ
ル基、エチル基又はイソプロピル基を示す。)、R
2 は、フェニル基又は低級アルキル基を示し、Aは、フ
ェニル基又は窒素原子を2ないし3個含む6員芳香族複
素環基を示し、Wは、酸素原子又は硫黄原子を示し、−
X−Y−は、−CH2 CH2 −、−CH2 CH(OH)
−、−CH=CH−又はCH2 −CO−を示す。]で表
わされる新規13−エステルミルベマイシン類縁化合物
に関するものである。以下に詳細に説明する。
【0011】上記一般式(I)において、R2 の定義に
おける低級アルキル基とは、C1 −C4 の直鎖又は分枝
鎖アルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、ter−ブチル基であり、好適にはイソプロピル、
イソブチル、sec−ブチル、ter−ブチル基であり
得、更に好適には、イソプロピル基である。
【0012】上記一般式(I)において、R3 の定義に
おける低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
ter−ブチル基であり得、好適にはイソプロピル基で
ある。
【0013】上記一般式(I)において、Aの定義にお
ける窒素原子を2乃至3個を含む6員芳香族複素環基
は、例えば、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2
−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニ
ル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、2−(1,3,
5−)トリアジニル、3−(1,2,4−)トリアジニ
ル、5−(1,2,4−)トリアジニル、6−(1,
2,4−)トリアジニル基であり得、好適には、窒素原
子を2個含む6員芳香族複素環基であり得、更に好適に
は、ピリミジニル基であり得、最適には2−ピリミジニ
ル基である。
【0014】上記一般式(I)で示される本発明の化合
物は、ミルベマイシン骨格の13位の立体配位に関し
て、αまたはβ配位をとりうる。それ故、本発明はそれ
ぞれの異性体およびそれらの化合物を包含する。
【0015】本発明の好適な化合物としては、 1)R1 がsec−ブチル基又はR3 がイソプロピル基
である式:−C(CH3)=CH−R3 基である化合
物、 2)R2 がイソプロピル基であり、A−W−が2−ピリ
ミジニルチオ基である化合物、 3)R2 がフェニル基であり、A−W−がフェノキシ又
は2−ピリミジニルチオ基である化合物、 4)−X−Y−が−CH2 CH2 −、−CH=CH−、
−CH2 CHOH−、−CH2 CO−基である化合物、
更に好適な化合物としては、 5)−X−Y−が、−CH=CH−基である化合物、特
に好適な化合物としては、 7)R2 がフェニル基であり、A−W−が2−ピリミジ
ニルチオ基である化合物を挙げることができる。
【0016】次に、本発明の化合物の具体例を表1に示
すが、表中、R2 、R3 、X−Y、A及びWは一般式
(I)中に示されたものとそれぞれ同一である。
【0017】また、化合物番号中にKとあるのは、一般
式(I)においてR1 がsec−ブチル基であるもの、
Lとあるのは式−C(CH3 )=CH−R3 であるもの
を示す。
【0018】
【化3】
【0019】
【表1】 ─────────────────────────────────── 化合物 番号 X−Y R3 2 A−W ─────────────────────────────────── K-1 CH=CH − イソプロピル 2−ピリミジニルチオ K-2 CH=CH − フェニル 2−ピリミジニルチオ K-3 CH=CH − フェニル 3−ピリダジニルチオ K-4 CH=CH − フェニル 3−ピリダジニルオキシ K-5 CH=CH − エチル 2−ピリミジニルチオ K-6 CH=CH − イソプロピル フェニルチオ K-7 CH=CH − イソプロピル フェノキシ K-8 CH=CH − フェニル フェニルチオ K-9 CH=CH − フェニル フェノキシ K-10 CH2CH2 − イソプロピル 2−ピリミジニルチオ K-11 CH2CH2 − フェニル 2−ピリミジニルチオ K-12 CH2CH2 − フェニル 3−ピリダジニルチオ K-13 CH2CH2 − フェニル 3−ピリダジニルオキシ K-14 CH2CH2 − イソプロピル フェノキシ K-15 CH2CH2 − フェニル フェノキシ L-16 CH2CH2 イソプロピル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-17 CH2CH2 イソプロピル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-18 CH2CH2 イソプロピル フェニル フェノキシ L-19 CH2CH2 メチル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-20 CH2CH2 メチル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-21 CH2CH2 メチル フェニル フェノキシ L-22 CH=CH イソプロピル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-23 CH=CH イソプロピル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-24 CH=CH イソプロピル フェニル フェノキシ L-25 CH=CH メチル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-26 CH=CH メチル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-27 CH=CH メチル フェニル フェノキシ L-28 CH2CH(OH) イソプロピル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-29 CH2CH(OH) イソプロピル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-30 CH2CH(OH) イソプロピル フェニル フェノキシ L-31 CH2CH(OH) メチル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-32 CH2CH(OH) メチル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-33 CH2CH(OH) メチル フェニル フェノキシ L-34 CH2CO イソプロピル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-35 CH2CO イソプロピル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-36 CH2CO イソプロピル フェニル フェノキシ L-37 CH2CO メチル イソプロピル 2−ピリミジニルチオ L-38 CH2CO メチル フェニル 2−ピリミジニルチオ L-39 CH2CO メチル フェニル フェノキシ ─────────────────────────────────── 上記化合物のうち、好適には、化合物番号K−1、K−
2、K−9、K−10、K−11、K−15、L−1
6、L−17、L−18、L−22、L−23、L−2
4、L−28、L−29、L−30、L−34、L−3
5、L−36の化合物を挙げ得、更に好適には、化合物
番号K−1、K−2、K−9、L−22、L−23、L
−24の化合物を挙げ得、特に好適には、化合物番号K
−2、L−23の化合物を挙げ得る。
【0020】本発明の式(I)に示す化合物は、次の工
程図に示すA法、B法の2方法により製造することがで
きる。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】(上記式中、R1 、R2 、X−YおよびA
は前記したものと同意義を有する。)本製造法の出発物
質である式(II)の化合物は、ジャ−ナル オブ メデ
ィシナル ケミストリー、第32巻、375頁(198
9年)[Journal of Medici-nal Chemistry,32,375〜38
1(1989)]、やACSシンポジウムシリーズ第504号
(1992年,アメリカ化学会刊行)第21章(226
〜238頁)に記載の13−ヒドロキシ体で5位が水酸
基の化合物を、特開平1−197487号公報に記載の
二酸化マンガンを用いる酸化反応などの常法によって5
位の水酸基をオキソ基へ変換することにより容易に得る
ことができる。
【0024】A法における、第A1工程は、一般式(I
I)で表される化合物を、一般式(V)で表されるカルボ
ン酸もしくはその反応性誘導体と反応させることにより
13−エステル体(III)を製造する工程である。
【0025】 BrCH(R2 )COOH (V ) (式中、R2 は前記したものと同意義を有する。)本A
工程は、化合物(II)の13位における水酸基と、カル
ボン酸(V )とのエステル化反応であって、それ故、エ
ステル化反応としてそれ自体知られた公知の方法によっ
て行われる。カルボン酸(V )の反応性誘導体として
は、たとえば、酸ハライド(酸クロリド、酸ブロミド、
酸ヨーダイド等)、酸無水物、混合酸無水物、活性エス
テル(たとえば、p−ニトロベンジルエステル)、活性
アミド等、エステル化に通常用いられるものがあげられ
る。
【0026】カルボン酸(V )自体を用いる場合には、
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、2−クロ
ロ−1−メチルピリジニウムヨーダイド、p−トルエン
スルホン酸、硫酸などの脱水剤が使用される。
【0027】カルボン酸(V )の酸ハライドを用いる場
合は、反応は好適には塩基の存在下で行われ、好適な塩
基としては、たとえば、トリエチルアミン、N,N−ジ
メチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジ
ン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5
(DBN)または1,8−ジアザビシクロ〔5.4.
0〕ウンデセン−7(DBU)のような有機塩基や、炭
酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムの
ような無機塩基をあげることができる。
【0028】カルボン酸(V )の酸ハライドは、通常1
ないし10当量、そして塩基は、通常2−8当量使用さ
れる。
【0029】反応は、通常は溶媒中で行われる。溶媒の
種類は、反応に関与しないものであれば特に限定はな
く、たとえば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、o−
クロルベンゼン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類等があげられる。
【0030】反応温度は、通常0℃ないし100℃、好
適には20℃ないし50℃であり、反応に要する時間は
通常30分間ないし3時間である。
【0031】A法における、第A2工程は、塩基の存在
下、化合物(III)の13位エステルのα位の臭素を式:
A−SH(Aは前記したものと同じ)で表わされるチオ
ールにより置換する工程である。
【0032】本工程で用いられる塩基としては、第A1
工程で使用したものと同様の有機塩基、無機塩基及び水
素化ナトリウム、水素化カルシウムなどの金属水素化
物、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属、n−ブ
チルリチウムのようなアルキル金属、リチウムジイソプ
ロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミ
ドのようなアルカリ金属アミド、ナトリウムメトキシ
ド、t−ブトキシカリなどのアルカリ金属アルコキシド
のような無機塩基をあげることができる。
【0033】塩基の使用量は、化合物(III)に対して通
常1〜20倍当量、好適には1〜5倍当量である。反応
温度は特に制限がなく、−70〜90℃程度であるが、
好適には0〜50℃程度である。反応時間は通常15分
〜一昼夜である。上記の塩基の使用量、反応温度及び反
応時間は、使用される塩基の種類や化合物(III)及びチ
オールの反応性の違いにより大幅に変わりうる。
【0034】反応は好適には溶媒の存在下でおこなわ
れ、使用される溶媒としては本反応に不活性である限り
特に限定はなく、第A1工程で使用したものと同様の炭
化水素類、化炭化水素類、エーテル類、ニトリル類及び
N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類、ジメ
チルスルホキシドのようなスルホキシド類並びにこれら
の溶媒の混合物があげられる。
【0035】A法における、第A3工程は、化合物(I
V)を還元剤と反応させることにより、5位のカルボニ
ル基を水酸基に還元し、化合物(Ia)を製造する工程で
ある。還元に使用される試剤として、カルボニル基を還
元できて、化合物(IV)の他の官能基に影響を与えない
ものであれば特に限定せずに使用しうる。そのような還
元剤として、ナトリウムボロヒドリドやジボランのよう
な水素陰イオンによる還元剤をあげることができるが、
好適にはナトリウムボロヒドリドである。
【0036】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に限定なく使用しうるが、還元剤としてナト
リウムボロヒドリドを使用した場合は、メタノール、エ
タノール、プロパノール等の低級アルカリの使用が特に
好適である。
【0037】反応は通常、0℃乃至50℃で行なわれ、
反応時間は5分乃至2時間である。B法において、第B
1工程は、一般式(II)で表される化合物を、一般式
(VI) で表されるカルボン酸もしくはその反応性誘導体
と反応させることにより13−エステル体(VII )を製
造する工程である。
【0038】 A−O−CH(R2 )COOH (VI) (式中、R2 及びAは前記したものと同じである。)本
工程は、前記した第A1工程と同様のエステル化反応で
あって、使用される試薬とその量及び溶媒、温度及び時
間等の反応条件は、第A1工程に記載された条件と同じ
である。
【0039】B法において、第B2工程は、化合物(VI
I )を還元剤と反応させることにより、5位のカルボニ
ル基を水酸基に還元し、化合物(Ib)を製造する工程で
あって、使用される試薬とその量及び溶媒、温度及び時
間等の反応条件は、第A3工程に記載された条件と同じ
である。
【0040】各工程の反応終了後、生成物は周知の方法
で反応混合物より回収され、必要に応じてカラムクロマ
トグラフィーのような公知の手段によってさらに精製さ
れる。
【0041】
【発明の効果】前記一般式(I)で表される本発明の1
3−エステルミルベマイシン類縁化合物は殺ダニ剤、殺
虫剤、駆虫剤として有用であり、ダニ類、植物害虫もし
くは動物寄生虫によって引き起こされる種々の病害に対
して優れた防除効果を示す。
【0042】即ち、本発明化合物(I)は果樹、野菜及
び花弁に寄生するナミハダニ類(Tetranychus )、リン
ゴハダニやミカンハダニ(Panonychus)及びサビダニ等
の成虫及び卵、動物に寄生するマダニ科(Ixodidac)、
ワクモ科(Dermanysside)及びヒゼンダニ科(Sarcopti
dae )等に対してすぐれた殺ダニ活性を有している。更
にヒツジバエ(Oestrus )、キンバエ(Lucilia )、ウ
シバエ(Hypoderma)、ウマバエ(Gautrophilus)等及
びのみ、しらみ等の動物や鳥類の外部寄生虫;ゴキブ
リ、家バエ等の衛生害虫;その他アブラムシ類、鱗翅目
幼虫等の各種農園芸害虫に対して活性である。更にまた
土壌中の根こぶ線虫(Meloidogyne )、ネダニ(Phizog
lyphus)等に対しても活性である。
【0043】本発明化合物(I)を殺ダニ剤として使用
するには、活性化合物を担体で希釈し、必要に応じて他
の補助剤を加えることにより、粉剤、粗粉剤、粒剤、微
粒剤、水和剤、乳剤、油剤等の散布剤に調製して使用す
ることができる。
【0044】更に本発明化合物(I)は動物及び人間の
駆虫剤としてすぐれた殺寄生虫活性を有している。一般
に寄生虫症として説明されている病気は、蠕虫(Helmin
th)として知られている寄生原虫による動物宿主の感染
による。寄生虫症は豚、羊、山羊、牛、馬、犬、猫及び
鶏のような家畜、家禽及びペットに流行して経済上重大
な被害を与える。蠕虫の内で線虫として説明されている
寄生虫群は種々の動物にはびこりしばしば重大な感染を
引き起す。前述した動物に感染する線虫の最も一般的な
属は、ヘモンクス属(Haemonchus)、トリコストロンギ
ルス属(Trichostrongylus)、オステルターギヤ属(Os
tertagia)、ネマトディルス属(Nematodirus )、クー
ペリア属(Cooperia)、アスカリス属(Ascaris )、ブ
ノストムーム属(Bunostomum)、エソファゴストムーム
属(Oesophagostomum )、チャベルチア属(Chabertia
)、トリキュリス属(Trichuris )、ストロンギルス
属(Strongylus)、トリコネマ属(Trichonema)、ディ
クチオカウルス属(Dictyocaulus)、キャピラリア属
(Capillaria)、ヘテラキス属(Heterakis )、トキソ
カラ属(Toxocara)、アスカリディア属(Ascaridia
)、オキシウリス属(Oxyuris )、アンキロストーマ
属(Ancylostoma )、ウンシナリア属(Uncinaria )、
トキサスカリス属(Toxascaris)及びパラスカリス属
(Parascaris)である。ネマトディルス属、クーペリア
属及びエソファゴストムーム属のある種のものは腸管を
攻撃し、一方ヘモンクス属及びオステルターギア属のも
のは胃に寄生し、ディクチオカウルス属の寄生虫は肺に
見い出される。
【0045】また、フィラリア科(Filariidae)やセタ
リヤ科(Setariidae)の寄生虫は心臓及び血管、皮下及
びリンパ管組織のような体内の他の組織及び器管に見い
出される。
【0046】さらにまた、種々の動物における多くの内
部寄生虫に対して広いスペクトルの活性を有し、例えば
犬のディロフィラリア属(Dirofilaia)、ケッシ類動物
のネマトスピロイデス属(Nematospiroides )、シィフ
ァシア属(Syphacia)及びアスピキュラリス属(Aspicu
luris )にも活性を示す。
【0047】本発明化合物(I)はまた、人間に感染す
る寄生虫に対しても有用であり、人間の消化管の最も普
通の寄生虫は、アンキロストーマ属(Ancylostoma )、
ネカトール属(Necator )、アスカリス属(Ascaris
)、ストロンギロイデス属(Strongyloides )、トリ
ヒネラ属(Trichinella )、キャピラリア属(Capillar
ia)、トリキュリス属(Trichuris )及びエンテロピウ
ス属(Enterobius)である。
【0048】消化管の外に血液又は他の組織及び器管に
見い出される他の医学的に重要な寄生虫は、フィラリア
科のブッヘレリア属(Wuchreria )、ブルージア属(Br
ugia)、オンコセルカ属(Onchocerca)及びロア糸状虫
属(Loa )並びに蛇状線虫科(Dracunculidae )のドラ
クンクルス属(Dracunculus )の寄生虫の外に、腸管内
寄生虫の特別な腸管外寄生状態におけるストロンギロイ
デス属及びトリヒネラ属である。 本発明化合物
(I) を動物及び人における駆虫剤として使用する場合
は、液体飲料として経口的に投与することができる。飲
料は普通ベントナイトのような懸濁剤及び湿潤剤又はそ
の他の賦形剤と共に適当な非毒性の溶剤又は水での溶
液、懸濁液又は分散液である。一般に飲料はまた消泡剤
を含有する。飲料処方は一般に活性化合物を約0.01〜
0.5重量%、好適には0.01〜 0.1重量%を含有する。
【0049】本発明化合物(I) を動物飼料によって投与
する場合は、それを飼料に均質に分散させるか、トップ
ドレッシングとして使用されるか又はペレットの形態と
して使用される。普通望ましい抗寄生虫効果を達成する
ためには、最終飼料中に活性化合物を0.0001〜0.02%を
含有している。
【0050】また、本発明化合物(I) を液体担体賦形剤
に溶解又は分散させたものは、前胃内、筋肉内、気管内
又は皮下に注射によって非経口的に動物に投与すること
ができる。非経口投与のために、活性化合物は好適には
落花生油、棉実油のような適当な植物油と混合する。こ
のような処方は、一般に活性化合物を0.05〜50重量%
含有する。
【0051】本発明化合物(I) はまた、ジメチルスルホ
キシド又は炭化水素溶剤のような適当な担体と混合する
ことによって局所的に投与し得る。この製剤はスプレー
又は直接的注加によって動物の外部表面に直接適用され
る。
【0052】最善の結果を得るための活性化合物の最適
使用量は、治療される動物の種類及び寄生虫感染の型及
び程度によってきまるが、一般に動物体重1kg当り約0.
01〜100mg、好適には 0.5〜50.0mgを経口投与するこ
とによって得られる。このような使用量は一度に又は分
割した使用量で1〜5日のような比較的短期間にわたっ
て与えられる。
【0053】
【実施例】次に、本発明を、実施例により具体的に説明
する。
【0054】実施例1(第A1工程)α−ブロモフェニル酢酸 5−ケトアベルメクチンB1
aアグリコン エステル(III :R1 =sec−ブチ
ル,R2 =フェニル,X−Y=CH=CH) アベルメクチンB1aアグリコン(0.13g)のジクロル
エタン溶液にピリジン( 0.1ml)を加え、さらにα−ブ
ロモフェニルアセチルクロリド(0.45g)を加えて、室
温で12時間撹拌した。反応終了後、反応液を水にあ
け、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で
洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.
10g(61%)の目的物を得た。 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)δ (CDCl3)ppm : 7.3-7.
65(m,5H),6.68(S,1H),5.14(br.S,1H),4.73(br.S,2H),3.
88(S,1H),3.59(S,1H). 実施例2(第A2工程)α−(2−ピリミジニルチオ)フェニル酢酸 5−ケト
アベルメクチンB1aアグリコン エステル(IV:R1
=sec−ブチル,R2 =フェニル,A=2−ピリミジ
ニル,X−Y=CH=CH) ピリミジン−2−チオール( 0.097g)の水(0.2 ml)
とN,N−ジメチルホルムアミド(1.2 ml)の混合溶液
に、炭酸水素ナトリウム(36mg)を加え、80℃で40
分間撹拌した。放冷後、α−ブロモフェニル酢酸 5−
ケトアベルメクチンB1aアグリコン エステル(0.09
g)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.0ml)溶液を
加え、室温で1晩撹拌した。反応終了後、反応液を水に
あけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水
で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、 0.0
89g(95%)の目的物を得た。
【0055】核磁気共鳴スペクトル(200MHz)δ (CDCl3)
ppm : 8.45-8.59(m,2H),7.49-7.61(m,2H),7.30-7.43(m,
3H),6.95-7.01(m,1H),6.58(S,1H). 実施例3(第A3工程)α−(2−ピリミジニルチオ)フェニル酢酸 アベルメ
クチンB1aアグリコン エステル(化合物番号K−
2、I :R1 =sec−ブチル,R2 =フェニル,A−
W=2−ピリミジニルチオ,X−Y=CH=CH) α−(2−ピリミジニルチオ)フェニル酢酸 5−ケト
アベルメクチンB1aアグリコン エステル( 0.085
g)のメタノール溶液(2ml)に、氷冷下、水素化ホウ
素ナトリウム(2mg)を加え、室温で30分間撹拌し
た。反応終了後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出
した。抽出液を水と飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製して、目的物の一方のジアステレ
オマー(異性体A)を 0.021g(25%)、もう一方の
ジアステレオマー(異性体B)を 0.047g(55%)得
た。
【0056】異性体A 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)δ (CDCl3)ppm : 8.49
(d,2H,J=4.9Hz),7.48-7.59(m,2H),7.28-7.44(m,3H),7.0
0(t,1H,J=4.9Hz),5.60-5.89(m,5H),5.28-5.56(m,3H),5.
23(br.S,1H),4.56-4.79(m,3H),4.30(t,1H,J=6.8Hz),3.9
7(d,1H,J=6.4Hz),3.96(S,1H),3.51-3.71(m,1H),3.38(d,
1H,J=9.9Hz),3.26(m,1H). Mass (m/z) : 794(M+ -18),566,486,468.異性体B 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)δ (CDCl3)ppm : 8.48
(d,1H,J=7.6Hz),7.50-7.64(m,2H),7.30-7.46(m,3H),6.9
5(t,1H,J=4.9Hz),5.35-5.91(m,9H),5.17(S,1H),4.55-4.
77(m,2H),4.30(t,1H,J=6.6Hz). 質量スペクトル (m/z) : 794(M+ -18),566,486,468. 実施例43−メチル−2−(2−ピリミジニルチオ)酪酸 アベ
ルメクチンB1aアグリコン エステル(化合物番号K
−1、I :R1 =sec−ブチル,R2 =イソプロピ
ル,A−W=2−ピリミジニルチオ,X−Y=CH=C
H) A法により、化合物(II:R1 =sec−ブチル)、α
−ブロモフェニル酪酸(V) 及びピリミジン−2−チオー
ルより標記化合物を製造した。
【0057】核磁気共鳴スペクトル(200MHz)δ (CDCl3)
ppm : 8.46-8.58(m,2H),7.00(t,1H,J=4.9Hz),5.97(m,1
H),5.31-5.89(m,6H),4.98-5.22(m,2H),4.93(m,1H). 質量スペクトル (m/z) : 776(M+ -18),760,692,632,56
6,548. 実施例5α−フェノキシフェニル酢酸 アベルメクチンB1aア
グリコン エステル(化合物番号K−9、I :R1 =s
ec−ブチル,R2 =フェニル,A−W=フェノキシ,
X−Y=CH=CH) B法により、化合物(II:R1 =sec−ブチル)及び
α−フェノキシフェニル酢酸(VII)より標記化合物を製
造した。
【0058】核磁気共鳴スペクトル(200MHz)δ (CDCl3)
ppm : ,7.61-7.79(m,2H),7.33-7.48(m,3H),7.21-7.32
(m,2H),6.93-7.03(m,3H),5.60-5.88(m,4H),5.35-5.59
(m,4H),5.16(s)及び5.23(s)(1H),4.99(m,1H). 質量スペクトル (m/z) : 794(M+),666,609,584,566,54
8. 試験例1 コナガに対する殺虫試験 化合物番号K−2の化合物の異性体Aと異性体B、K−
1及びK−9化合物をそれぞれ1%含有する乳剤を、有
効成分濃度が10ppmの濃度になるよう、水で希釈し
た。その薬液にキャベツ葉を10秒間浸漬し、風乾後、
直径8cmのポリエチレンカップに入れた。その中にコ
ナガ3齢幼虫を10頭入れ、蓋をした。その後25℃の
恒温室におき、3日後に死亡率(苦悶虫を含む)を調査
した。試験は2連制で行った。その結果、それぞれの化
合物の死亡率は、100%であった。
【0059】試験例2 ハスモンヨトウに対する殺虫試験 化合物番号K−2の化合物の異性体Aと異性体B、K−
1及びK−9化合物をそれぞれ1%含有する乳剤を、有
効成分濃度が10ppmとなるよう、水で希釈した。そ
の薬液に人工飼料(インセクタL)5gを20秒間浸漬
し、風乾後、直径8cmのポリエチレンカップに入れ
た。その中にハスモンヨトウ3齢幼虫を10頭入れ、蓋
をした。その後25℃の恒温室におき、3日後に死亡率
(苦悶虫を含む)を調査した。試験は2連制で行った。
その結果、それぞれの化合物の死亡率は、100%であ
った。
【0060】試験例3 チャノコカクモンハマキに対する殺虫試験 化合物番号K−2の化合物の異性体Aと異性体B、K−
1及びK−9化合物をそれぞれ1%含有する乳剤を、有
効成分濃度が10ppmとなるよう、水で希釈した。そ
の薬液に人工飼料(インセクタL)5gを20秒間浸漬
し、風乾後、直径8cmのポリエチレンカップに入れ
た。その中にチャノコカクモンハマキ4齢幼虫を10頭
入れ、蓋をした。その後25℃の恒温室におき、5日後
に死亡率(苦悶虫を含む)を調査した。試験は2連制で
行った。その結果、それぞれの化合物の死亡率は、10
0%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1 は、sec−ブチル基又は式−C(C
    3 )=CH−R3 を示し(式中、R3 はメチル基、エ
    チル基又はイソプロピル基を示す。)、R2 は、フェニ
    ル基又は低級アルキル基を示し、Aは、フェニル基又は
    窒素原子を2ないし3個含む6員芳香族複素環基を示
    し、Wは、酸素原子又は硫黄原子を示し、−X−Y−
    は、−CH2 CH2 −、−CH2 CH(OH)−、−C
    H=CH−又はCH2 −CO−を示す。]で表わされる
    新規13−エステルミルベマイシン類縁化合物。
JP13851693A 1993-06-10 1993-06-10 新規13−エステルミルベマイシン類縁化合物 Pending JPH06345770A (ja)

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