JPH06336331A - ローラコンベアの物品移載装置およびその物品移載方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はローラコンベアの物品移載装置およ
びその物品移載方法に関し、物品がローラ上に載置され
た状態で格別な機器、設備を必要とせずに迅速且つ確実
に作業効率が良く物品の移載を行うことを目的とする。 【構成】 フレーム２に装架された回転可能なローラシ
ャフト３′と該ローラシャフトに緩挿され物品Ｔの負荷
により摩擦、係合して回転し、物品が載置されるとロー
ラシャフトの軸長方向に移動可能なローラ４′とで形成
される移載機構部１２を搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ の一部に
含み、物品を他の搬送ラインに移載する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はローラコンベアの物品移
載装置およびその物品移載方法に関し、物品を搬送する
ための搬送ラインを任意の搬送ラインに対応する位置か
ら所望列の他の搬送ラインに対応する位置に移送させる
物品の移載装置や振り分け装置、さらには退避装置とし
て最適に使用される。

【０００２】

【従来の技術】従来、ローラコンベアにはフレームの側
壁間にローラシャフトを回転自在に装架し、モータの駆
動力をプーリ、ベルト；チェーン、チェーン・ホイール
等の動力伝達部品を介してローラシャフトをローラと一
体に回転させて物品を強制的に搬送させるものがあっ
た。またローラコンベアの他の従来例として、例えば特
公昭５５−１６９３２号に見られる構成の如く、駆動源
としてのモータにてフレーム内の長手方向に配設した共
用の駆動軸を先ず回転、駆動させ、次いでこの駆動力を
適宜の動力伝達部品を介して受動し、その後前記駆動軸
に捲回した多数のトロイド・ベルトを通じてローラを緩
挿した多数のローラシャフトを回転させ、そしてこのロ
ーラシャフトとローラとの摩擦、係合により搬送力を生
じさせ、物品を搬送させるものがある。

【０００３】ところで物品をコンベアの任意の搬送ライ
ンから所望列の他の搬送ラインに移載する場合、または
任意のコンベアの搬送ラインから所望の作業対象機械に
移載する場合に使用されるものとして物品移載装置が使
用される。この物品移載装置には従来、例えば図９およ
び図１０に示すようなものがある。すなわちコンベアＫ
の複数の搬送ラインＬ′₁ ，Ｌ′₂ に略交叉する方向に
設けられ、駆動源としての昇降シリンダーＳ′によって
上下方向に昇降可能となるフレームｆと、該フレームｆ
の対向する前後の側壁ｆａ，ｆａ間に回転可能に装架し
た多数のローラシャフトａと、該ローラシャフトａに取
付けたれたローラｂと、回転駆動源としてのモータＭ′
₁ と、該モータＭ′₁ の回転力をスプロケットｃ，
ｃ′；該スプロケットｃ，ｃ′間に捲回されるチェーン
ｄ等の動力伝達部品を介して受動し回転される駆動シャ
フトｅと、該駆動シャフトｅの前後端に装着された駆動
プーリｇ，ｇと、方向変更用のプーリｈ，ｈと、前記側
壁ｆａ，ｆａの前後端に設けたプーリｉ，ｉ；ｊ，ｊと
に捲回され、前記モータＭ′₁ の回転駆動力を受動して
回転する移載ベルトｋ，ｋとから形成されるものであっ
た。

【０００４】そして物品Ｔはローラｂ′が回転すること
によりコンベアＫの任意の搬送ラインＬ′₁ を矢印イに
示すように搬送され、その後物品移載装置のローラｂお
よび移載ベルトｋ，ｋ上に搬送されて来たことをセンサ
ーｓ₁ によって検知すると、このローラｂの回転が停止
して物品Ｔの搬送は停止する。その後、昇降シリンダー
Ｓ′が駆動することにより物品移載装置のローラｂ上に
載置されたままの物品ＴはコンベアＫの搬送ラインＬ′
₁ に対して上昇される（図９に示す想像線位置参照）。

【０００５】次いでモータＭ′₁ が駆動してそのモータ
シャフトに装着されているスプロケットｃが回転するの
で、このスプロケットｃに捲回されているチェーンｄを
介してスプロケットｃ′が回転され、このスプロケット
ｃが装着されている駆動シャフトｅは回転される。従っ
て駆動シャフトｅの前後端に装着された駆動プーリｇ，
ｇに捲回されている移載ベルトｋ，ｋはプーリｉ，ｉ；
ｊ，ｊ、方向変更用のプーリｈ，ｈを介して回転駆動す
るので、移載ベルトｋ，ｋ上に載置されている物品Ｔは
搬送されて来た搬送ラインＬ′₁ に対応する位置から隣
接する他の搬送ラインＬ′₂ に一致する位置まで矢印ロ
方向に移送される。

【０００６】その後昇降シリンダーＳ′が駆動してロー
ラｂおよび移載ベルトｋ，ｋがコンベアＫの搬送ライン
Ｌ′₂ に一致する高さまで降下する。そしてコンベアＫ
の搬送ラインＬ′₂ における下流側のローラｂ′が回転
することにより、物品Ｔは再びコンベアＫの下流側に搬
送されるものであった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら図９およ
び図１０に示す従来の上記物品移載装置は、搬送される
任意の搬送ラインＬ′₁ に対して他の搬送ラインＬ′₂
や作業対象機械に物品Ｔを移載する場合に、搬送ライン
Ｌ′₁ における搬送面に対して物品Ｔを一度、上昇さ
せ、次いで他の搬送ラインＬ′₂ に移載する。そして移
載後においては再び物品Ｔを他の搬送ラインＬ′₂ の搬
送面に対して降下させるという動作および工程を必要と
していた。従って物品Ｔを任意の搬送ラインに対応する
位置から他の搬送ラインに対応する位置に移載する場合
には多くの手間および時間を必要とし、作業効率が悪か
った。

【０００８】そこで本発明は物品をローラ上に載せたま
ま迅速且つ確実に作業効率が良く物品の移載を行なえる
ようにすることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、フレームに装架された回転可能なローラシ
ャフトと、該ローラシャフトに緩挿され、物品の荷重に
よりローラシャフトに摩擦、係合して回転力を受動する
ことにより回転可能であり、且つ搬送路から物品が載置
されると前記ローラシャフトの軸長方向に移動可能にな
るローラとにより形成される移載機構部から成り、該移
載機構部をコンベアの搬送ラインの一部に含むという手
段を採用した。

【００１０】また本発明はフレームに回転可能にローラ
シャフトを装架し、該ローラシャフトには、そのローラ
シャフトの軸長方向に移動させる移載機構部により移動
可能となるローラを配置し、該ローラは任意の搬送ライ
ンに対応する位置から他の搬送ラインに対応する位置に
移動して物品の搬送状態を変更可能とするという手段を
採用した。

【００１１】また本発明は、フレームに回転可能に装架
したローラシャフトに緩挿するローラを保持体により保
持し、駆動源を駆動させることによりローラをローラシ
ャフトの軸方向に移動させて物品を移載するという手段
を採用した。

【００１２】

【作用】物品Ｔがコンベア１の任意の搬送ラインＬ₁ 上
を移載機構部１２まで搬送されて来ると、ローラ４′の
回転が止まって物品Ｔの搬送が停止する。次いで駆動源
が駆動することにより、ローラ４′は物品Ｔを載置した
ままローラシャフト３′に対して軸長方向へ移動するの
で、物品Ｔは搬送された来た任意の搬送ラインＬ ₁ に対
応する位置から他の搬送ラインＬ₂ に対応する位置に移
載される。

【００１３】

【実施例】以下図１乃至図４に従って本発明の第１実施
例を説明する。１はコンベアであり、このコンベア１は
フレーム２の対向する側壁２ａ，２ａ間に回転可能に装
架される多数のローラシャフト３と、該ローラシャフト
３に緩挿され、物品Ｔが載置されて荷重が加わると摩
擦、係合することにより回転されて物品Ｔを搬送するた
めの多数のローラ４と、該ローラ４を回転するための駆
動源としてのモータＭ₁ と、前記フレーム２の長手方向
に沿って回転可能に設けられた共用の駆動軸５と、前記
駆動軸５と前記ローラシャフト３の一端に装着されたプ
ーリ６とに捲回されることにより前記モータＭ₁ の回転
力を受動してローラシャフト３を回転させるための多数
のトロイド・ベルト７とからなるいわゆるスリップトル
ク形式のコンベアである点は公知のコンベアと同様であ
る。

【００１４】またモータＭ₁ の回転力を前記駆動軸５に
伝達するのには例えばモータＭ₁ のモータシャフトに装
着されたスプロケット８と前記駆動軸５に装着されたス
プロケット９とに動力伝達部品としてのチェーン１０を
捲回すことにより動力は伝達される。

【００１５】しかしながら本実施例のコンベア１は図１
乃至図３に示すように単一のコンベア１のフレーム２の
側壁２ａ，２ａ間に中仕切部品１１を長手方向に設ける
ことにより左右のローラシャフト３，３の一端部をコン
ベア１の側壁２ａ，２ａによって支持するとともにロー
ラシャフト３，３の他端部を中仕切部品１１によってコ
ンベア１の略中間部において支持することにより単一の
コンベア１に循環形式の複数列、例えば２列の搬送ライ
ンＬ₁ ，Ｌ₂ を設けている。

【００１６】そして前記ローラシャフト３はステンレス
のような金属によって形成され、またこのローラシャフ
ト３に回転可能に緩挿されるローラ４は例えば硬質のプ
ラスチックによって略円筒形に形成される。

【００１７】１２はコンベア１の前記搬送ラインＬ₁ ，
Ｌ₂ の一部、例えば上流端Ｒ₁ と下流端Ｒ₂ とに設けた
移載機構部であり、この移載機構部１２は前記フレーム
２の上流側Ｒ₁ および下流側Ｒ₂ の側壁２ａ，２ａ間に
回転可能に装架された前記ローラシャフト３の略２倍の
長さの複数本のローラシャフト３′と、該ローラシャフ
ト３′に回転可能に緩挿され、しかも搬送路に対応して
搬送されて来る物品Ｔが載置されると、ローラシャフト
３′の軸長方向に移動可能となるローラ４′と、該ロー
ラ４′の左右の側面４′ａ，４′ｂに係合可能になる側
板部１３ａ，１３ｂを対向して設けた正面略コ字状の保
持体１３と、該保持体１３を介して前記ローラ４′をロ
ーラシャフト３′の軸長方向に移動可能とする駆動源と
してのシリンダー１４とから形成される。

【００１８】この際ローラ４，４′と、このローラ４，
４′に緩挿されるローラシャフト３，３′との関係は、
物品Ｔがそれぞれローラ４，４；４′，４′上に載置さ
れた場合に、物品Ｔがローラ４，４；４′，４′の間に
落下することなく、しかも物品Ｔの受渡しが円滑かつ安
定に行われるのに充分な設置個数を必要とし、例えば図
４に示すように搬送すべき１つの物品Ｔに対し少なくと
もローラ４，４；４′，４′は２個乃至３個が同時に物
品Ｔの底面に当接する大きさを有するとともに所定の間
隔をもって配置される。このうちローラ４′はローラシ
ャフト３′のローラ４′が緩挿されていない非装填部分
３′ａに対して軸長方向に移動される。

【００１９】前記ローラ４′をローラシャフト３′に対
して回転駆動させるための駆動機構は、回転駆動源とし
てのモータＭ₂ と、該モータＭ₂ のモータシャフトに装
設されたプーリ１５と、ローラシャフト３′の一端に装
設されたプーリ６′との間に捲回された動力伝達部品と
してのベルト１６とから形成される。

【００２０】Ｓ₁ は搬送ラインＬ₁ の下流端に設けたセ
ンサーであり、このセンサーＳ₁ はコンベア１の搬送ラ
インＬ₁ 上を物品Ｔが移載機構部１２まで搬送されて来
て載置されると、それを検知することによってコンベア
１の多数のローラ３を回転駆動するためのモータＭ₁ の
回転を停止するとともにシリンダー１４に信号を発して
駆動し、そのシリンダー・ロッド１４ａを伸長するよう
になっている。

【００２１】Ｓ₂ は搬送ラインＬ₂ の上流端（搬送ライ
ンＬ₁ の下流端に位置する）に設けたセンサーであり、
このセンサーＳ₂ は搬送ラインＬ₁ に対応する位置にお
ける移載機構部１２のローラ４′上に載置された物品Ｔ
がローラシャフト３′の軸長方向にローラ４′と一緒に
任意の搬送ラインＬ₁ に対応する位置から他の搬送ライ
ンＬ₂ に対応する位置まで移載されると、保持体１３を
移動するためのシリンダー１４の駆動を停止する信号が
発せられるとともに移載機構部１２のモータＭ ₂ が逆転
してローラシャフト３′を逆転する。このように搬送ラ
インＬ₂ におけるコンベア１のローラシャフト３が、モ
ータＭ₁ が駆動して回転されることにより、ローラシャ
フト３′およびローラシャフト３に摩擦、係合するロー
ラ４，４′は逆転し、搬送ラインＬ₂ 上を物品Ｔが搬送
される。

【００２２】この場合、一方の搬送ラインＬ₁ と他方の
搬送ラインＬ₂ とのローラシャフト３の一端に装設した
プーリ６と共用の駆動軸５との間に捲回されるトロイド
・ベルト７の捲回方向を逆にすれば、搬送ラインＬ₁ の
ローラシャフト３と搬送ラインＬ₂ のローラシャフト３
との回転方向をそれぞれ逆方向にすることができる。

【００２３】しかも図１および図２においては１本の共
用の駆動軸５を搬送ラインＬ₂ におけるフレーム２の側
壁２ａ側に設けているので、搬送ラインＬ₁ におけるト
ロイド・ベルト７の方が搬送ラインＬ₂ のトロイド・ベ
ルト７よりも長いものを使用するように図示されてい
る。しかしこの駆動軸５をフレーム２の側壁２ａ，２ａ
の略中間部に配置する場合には搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ に
おいてそれぞれ使用されるトロイド・ベルト７，７の長
さを同じくすることができる。

【００２４】また単一のコンベア１の複数の搬送ライン
Ｌ₁ ，Ｌ₂ に別個に共用の駆動軸５，５を配置し、そし
てこの駆動軸５，５と搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ におけるロ
ーラシャフト３，３の一端に設けたプーリ６，６との間
に個別にトロイド・ベルト７，７を捲回すことにより、
搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ におけるそれぞれのローラシャフ
ト３およびローラ４を回転することもできる。

【００２５】またＳ₃ は搬送ラインＬ₂ の下流端（搬送
ラインＬ₁ の上流端に相当する）に位置して設けられた
センサーであり、このセンサーＳ₃ は搬送ラインＬ₂ に
対応する上流側から下流側に物品Ｔがコンベア１の上流
側Ｒ₁ に設けた移載機構部１２のローラ４′上に搬送さ
れて来ると、モータＭ₂ の回転を停止して物品Ｔの搬送
を停止するとともに駆動源としてのシリンダー１４が駆
動してローラ４′をローラシャフト３′の軸長方向へ移
動させる信号を発するようになっている。

【００２６】Ｓ₄ は搬送ラインＬ₂ の下流端（搬送ライ
ンＬ₁ の上流端に位置する）に設けられたセンサーであ
り、このセンサーＳ₄ によってローラ４′がローラシャ
フト３′の軸長方向に保持体１３を介して任意の搬送ラ
インＬ₂ に対応する位置から他の搬送ラインＬ₁ に移載
される位置に移動されると、駆動源としてのシリンダー
１４の駆動を停止するためのものである。

【００２７】本発明の第１実施例は上記構成からなり、
物品Ｔを搬送するのには先ずコンベア１の搬送ラインＬ
₁ におけるモータＭ₁ が駆動すると、このモータＭ₁ の
モータシャフトに装着されたスプロケット８と駆動軸５
に装設されたスプロケット９とに捲回されたチェーン１
０を介してモータＭ₁ の回転駆動力は共用の駆動軸５に
受動され、駆動軸５は回転される。

【００２８】そしてフレーム２の一方の側壁２ａと中仕
切部品１１との間に装架された多数のローラシャフト３
の一端に装設されたプーリ６と共用の駆動軸５との間に
捲回されたトロイド・ベルト７を介して駆動軸５の回転
はプーリ６に受動され、多数のローラシャフト３はそれ
ぞれ回転される。この際、一方の搬送ラインＬ₁ と他方
の搬送ラインＬ₂ とのローラシャフト３と共用の駆動軸
５とに捲回されるトロイド・ベルト７との捲回方向は逆
方向であるので、搬送ラインＬ₁ のローラシャフト３と
搬送ラインＬ₂ のローラシャフト３との回転方向は逆方
向となる。従って任意な搬送ラインＬ₁ のローラシャフ
ト３に緩挿されたローラ４は物品Ｔの荷重が加わること
によりローラシャフト３に対して摩擦、係合するので、
ローラ４上に載置された物品Ｔはコンベア１の搬送ライ
ンＬ₁ を上流側Ｒ₁ から下流側Ｒ₂ に向かって矢印イに
示す如く搬送されて行く。

【００２９】そして搬送ラインＬ₁ の下流端に設けた移
載機構部１２の搬送路に対応するローラ４′上に物品Ｔ
が搬送されて来たことがセンサーＳ₁ によって検知され
ると、回転駆動源としてのモータＭ₂ はセンサーＳ₁ か
ら発する停止信号により回転が停止する。そして同時に
シリンダー１４が駆動される。従ってこのシリンダー１
４のシリンダー・ロッド１４ａに連結された平面略コ字
状の保持体１３の側板１３ａ，１３ｂに側面４′ａ，
４′ｂが係合している複数個のローラ４′はシリンダー
１４のシリンダー・ロッド１４′ａが伸長することによ
り物品Ｔが載置された状態で複数本のローラシャフト
３′の軸長方向へ保持体１３に係合して矢印ロに示すよ
うに移動される。

【００３０】こうして単一のコンベア１に設けられた複
数の搬送ラインのうちの任意の搬送ラインＬ₁ に対応す
る位置に搬送されて来た物品Ｔは他方の搬送ラインＬ₂
に対応する位置に移載される。この場合、ローラシャフ
ト３′はステンレス等の金属にて形成され、しかもロー
ラ４′は硬質のプラスチックにて形成されて摩擦に対す
る抵抗が小さく滑動し易いのと、ローラシャフト３′に
対してローラ４′の内周面は図４に示すように線接触す
ることにより抵抗が少ないので、ローラ４′の移動は速
やかに且つ円滑に行なえる。

【００３１】このように一方の搬送ラインＬ₁ に対応す
る位置から他方の搬送ラインＬ₂ に対応する位置に物品
Ｔが移載されたことがセンサーＳ₂ によって検知される
と、移載機構部１２のモータＭ₂ が逆転して複数本のロ
ーラシャフト３′が回転するので、このローラシャフト
３′に緩挿しているローラ４′はローラシャフト３′に
対して摩擦、係合することにより逆方向に回転される。

【００３２】しかもコンベア１の搬送ラインＬ₂ におけ
るモータＭ₁ が駆動してスプロケット８，９、チェーン
１０等の動力伝達部品を介して共用の駆動軸５が回転す
ると、この共用の駆動軸５に一側において捲回され且つ
他側がプーリ６に捲回されたたトロイド・ベルト７を通
じてプーリ６を一端に装設した搬送ラインＬ₂ における
多数のローラシャフト３が回転される。この際、搬送ラ
インＬ₁ のローラシャフト３と搬送ラインＬ₂ のローラ
シャフト３との回転方向は共用の駆動軸５に対するトロ
イド・ベルト７の捲回方向が逆になることにより逆方向
になる。従って搬送ラインＬ₂ のローラシャフト３に摩
擦、係合することによりローラ４は回転され、物品Ｔは
搬送ラインＬ₂ 上を矢印ハ方向へ搬送されて行く。

【００３３】図示の実施例では物品Ｔを任意の１つの搬
送ラインＬ₁ と他の搬送ラインＬ₂とを搬送するのに、
その一方の搬送ラインＬ₁ と他方の搬送ラインＬ₂ とは
共用の１本の駆動軸５に対するトロイド・ベルト７の捲
回方向を逆方向に捲回することにより、図１の矢印イ，
ハに示すように相互に逆方向に物品Ｔを搬送するように
しているが、同方向に物品Ｔを搬送することも容易であ
る。これには駆動軸５に対するトロイド・ベルト７の捲
回方向を搬送ラインＬ₁ と搬送ラインＬ₂ とで同方向に
捲回することにより容易に達成される。

【００３４】そして物品Ｔが搬送ラインＬ₂ の下流側に
設けた移載機構部１２のローラ４′上に搬送されて来た
ことをセンサーＳ₃ によって検知すると、移載機構部１
２のモータＭ₂ の回転が停止する。同時にシリンダー１
４が駆動して保持体１３はシリンダー・ロッド１４ａが
伸長することにより矢印ニ方向に移動する。従ってこの
保持体１３の側板部１３ａ，１３ｂに側面４′ａ，４′
ｂが係合されているローラ４′は物品Ｔが載置された状
態でローラシャフト３′の軸長方向に保持体１３に係合
されたまま一方の搬送ラインＬ₂ に対応する位置から他
方の搬送ラインＬ₁ に対応する位置に移動される。

【００３５】このように搬送ラインＬ₁ にローラ４′が
移動され、物品Ｔが一方の搬送ラインＬ₂ に対応する位
置から他方の搬送ラインＬ₁ に対応する位置に移載され
たことがセンサーＳ₄ にて検知されると、シリンダー１
４の駆動は停止し、モータＭ ₂ が逆転する。こうして移
載機構部１２のローラシャフト３′が逆転するので、こ
のローラシャフト３′に緩挿されているローラ４′は再
び矢印イに示す方向に回転することによりコンベア１の
搬送ラインＬ₁ 上を物品Ｔは搬送されて行く。こうして
単一のコンベア１に設けた複数の搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂
に物品Ｔは上流側から下流側へ、また下流側から上流側
へと順次移送されて循環されることになる。

【００３６】またこの実施例においては単一のコンベア
１に２列の搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ を設けているが、３個
以上の複数列の搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ …を設けることも
できる。そして物品Ｔを順次、隣接する搬送ライン
Ｌ₁ ，Ｌ₂ …に移載したり、または１列置きまたは数列
置きの搬送ラインに移載機構部１２を使用して物品Ｔを
移載し、搬送することもできる。

【００３７】しかもコンベア１は回転可能なローラシャ
フト３に対してローラ４を緩挿して物品Ｔの荷重が加わ
ることにより摩擦、係合させてモータＭ₁ からの受動力
を得て物品Ｔを搬送でき、また負荷が加わった場合には
ローラシャフト３に対してローラ４が空転する形式のス
リップトルクのコンベアであるので、移載機構部１２に
おけるコンベアの搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ での物品Ｔの移
載は物品Ｔが衝突する場合には衝突した物品Ｔ相互はロ
ーラ４上において静止する。また何等の衝突がない場合
には物品Ｔはローラ４上を円滑に搬送するから物品Ｔ相
互が混乱（ジャム）することないとともに物品Ｔが衝突
することによって傷付く等の支障はなく、円滑且つ確実
に搬送が行える。また共用の駆動軸５に多数のトロイド
・ベルト７を捲回することによりローラ４を緩挿した多
数のローラシャフト３を回転することができる構造であ
るので、搬送する物品Ｔの速度制御も容易且つ確実に行
なえる。

【００３８】図５および図６に示すものは本発明の第２
実施例を示す。この実施例においては上流側に設けた寡
列、例えば１列のコンベア１と下流側に設けた複数列、
例えば３列のコンベア１Ａ，１Ｂ，１Ｃとの接続部２０
に移載機構部１２を設けたものである。そして上流側の
寡列のコンベア１のローラ４上を搬送される物品Ｔが、
移載機構部１２の複数本のローラ４′上に搬送され、載
置されると、このローラ４′を保持している保持体１３
はシリンダー１４のシリンダー・ロッド１４ａが伸長す
るかまたは収縮することによりローラ４′に係合してロ
ーラシャフト３′の軸長方向に移動する。従ってローラ
４′に載置された物品Ｔは下流側の中間（ニュートラ
ル）位置とその左右位置との合計３位置に設けられた下
流側の複数列のコンベア１Ａ，１Ｂ，１Ｃの何れかに対
応する位置を選択して移載される。

【００３９】またこの第２実施例では上流側の寡列の搬
送ラインＬ₁ に対して下流側には複数のコンベア１Ａ，
１Ｂ，１Ｃを設けることにより搬送すべき物品Ｔを複数
のコンベア１Ａ，１Ｂ，１Ｃの何れかに対応する位置に
移載機構部１２により物品Ｔを移載することにより振り
分けて物品Ｔを搬送できる。従って下流側の搬送ライン
において物品Ｔを組立たり、検査する等の作業を行う場
合に、物品Ｔを作業状況に合わせて振り分けるのに好適
であり、しかも物品Ｔが混乱（ジャム）することがなく
なるので、物品Ｔ相互が接触することにより傷が付くの
が防止される。

【００４０】また図には示さないが上流側の寡列のコン
ベア１の搬送ラインに用途、種類等が異なる物品Ｔを多
列に搬送するとともに、その後移載機構部１２のシリン
ダー１４を駆動することにより保持体１３に係合された
ローラ４′をローラシャフト３′の軸長方向に移動さ
せ、下流側のコンベア１Ａ，１Ｂ，１Ｃに対して用途、
種類を異にする毎に物品Ｔを移載することにより振り分
けて搬送させる場合に好適である。

【００４１】また図７および図８に示すものは本発明の
第３実施例を示したものであり、この実施例においては
コンベア１の長手方向に略交叉する左右の側面方向にコ
ンベア１の搬送ラインＬ₁ の幅の約３倍ほどの長さの複
数本のローラシャフト３″を延設し、しかも搬送ライン
Ｌ₁ の幅に対して約２倍ほどの長さのローラ４′をロー
ラシャフト３″の軸長方向に移動可能に緩挿する構成に
なした。

【００４２】そしてコンベア１のローラ４上を上流側Ｒ
₁ から搬送されて来た所望の物品Ｔが移載機構部１２の
ローラ４′に載置されると、この移載機構部１２に設け
たシリンダー１４のシリンダー・ロッド１４ａをそれぞ
れ伸長するかまたは収縮させてローラシャフト３″の軸
長方向に物品Ｔが載置された状態のローラ４′を保持体
１３を介して移動されるようにしたものである。

【００４３】この際、物品Ｔをコンベア１の右側（手前
側）に移載して退避する場合には搬送ラインＬ₁ の幅の
約２倍ほどの長さを有する移載機構部１２のローラ４′
はコンベア１の搬送ラインＬ₁ に対して実線に示す位置
から手前側に保持体１３により変位されて搬送ラインＬ
₁ 上に位置するので、移載機構部１２において退避され
ない後続の物品Ｔはローラ４，４′が回転することによ
りコンベア１の下流側にそのまま搬送されて行く。また
物品Ｔをコンベア１の左側（向側）に移載して退避する
場合には移載機構部１２のローラ４′をコンベア１の搬
送ラインＬ₁ に対して手前側に予め変位させておき、ロ
ーラ４′を物品Ｔとともに保持体１３により移載後にお
いてもローラ４′は搬送ラインＬ₁ 上に位置しているの
で、移載機構部１２において退避されない後続の物品Ｔ
はローラ４，４′が回転することによりコンベア１の下
流側にそのまま搬送されて行く。

【００４４】そして本実施例においては図示ではコンベ
ア１に物品Ｔを１列に搬送する場合を図示しているが、
多列に多数の物品Ｔを搬送させて物品Ｔの検査、組立等
を行う場合に物品Ｔ相互の混乱を生ずることなく検査、
組立を確実且つ効率的に行うのに本実施例は有効であ
る。

【００４５】また図１乃至図４に示す上記第１実施例に
おいては単一のコンベア１に２列の搬送ラインＬ₁ ，Ｌ
₂ を設けているが、図には示さないがコンベア１を複数
列設することによって複数列の搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ …
を設け、そして隣接する搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ …の相互
にわたって移載機構部１２を設けることにより、ローラ
４′をローラシャフト３′の軸長方向に移動させて物品
Ｔを任意の搬送ラインＬ₁ に対応する位置から他方の搬
送ラインＬ₂ …に対応する位置に移載することも本発明
の適用範囲である。

【００４６】また図５および図６に示す上記第２実施例
の物品の振り分け装置においては移載機構部１２に対し
て上流側に１列のコンベア１を設け、下流側には複数
列、例えば３列のコンベア１Ａ，１Ｂ，１Ｃを設けてい
るが、これは例示である。また図には示さないが上流側
に複数列のコンベアを設け、しかも下流側にはそれより
も寡列のコンベアを設けることにより、上流側の複数列
のコンベアから搬送されて来る物品Ｔを移載機構部１２
によって選択的に移載して振分けることにより下流側の
寡列のコンベアに搬送させることもできる。

【００４７】さらに図７および図８に示す第３実施例に
おいてはコンベア１の左右両側にローラシャフト３″を
延設させることによりローラ４′をその軸長方向に移動
可能にしてコンベア１に対して物品Ｔを移載機構部１２
のローラシャフト３″の延設部分において右側または左
側に退避し、搬送されて来る物品Ｔを振分けるようにし
ている。しかし、コンベア１に対して右側または左側の
少なくとも何れか片側方向にローラシャフト３″を延設
し、このローラシャフト３″にローラ４′を緩挿させる
ことにより右側または左側の何れかの片側方向へローラ
４′を移動させて物品Ｔを退避することも本発明の適用
範囲である。

【００４８】また上記第２実施例においては移載機構部
１２のローラ４′を駆動するために同様構造の２つのシ
リンダー１４，１４を対向して配置し、そしてローラ
４′の側面４′ａ，４′ｂに係合する保持体１３にシリ
ンダー・ロッド１４ａ，１４ａを連結しているが、必ず
しも２つのシリンダー１４，１４を用いることなく、左
右方向に伸縮自在になるシリンダー・ロッドを左右に有
する１つの双方向シリンダーを使用することも可能であ
る。この場合には部品点数が少なくなって製作及び組立
は簡単で製作費および設備費は安価になる。

【００４９】また上記第１実施例乃至第３実施例におい
ては保持体１３を移動するための駆動源としてシリンダ
ー１４を使用しているが、駆動源としては上記各実施例
のようにシリンダー１４を用いる機械式のほかに、プラ
ンジャー等の磁気的吸着手段を用いたり、またはまたは
モータを用いてラックとピニオン等の動力伝達部品を用
いて保持体１３をローラシャフト３′，３″の軸長方向
に移動することもできる。

【００５０】また上記何れの実施例もコンベアの各搬送
ラインＬ₁ ，Ｌ₂ のローラシャフト３，３′，３″に緩
挿されるローラ４，４′は搬送ラインＬ₁ ，Ｌ₂ におけ
る略幅寸法をなした略円筒状に形成されたものが図示さ
れているが、ローラは軸長方向において分割された複数
個がローラシャフト３，３′，３″に回転可能に緩挿し
たものを使用することができる。そして移載機構部１２
において分割された複数個のローラを保持体１３によっ
てローラシャフト３′，３″の軸方向に移動可能に係合
することもできる。

【００５１】なお上記第１実施例乃至第３実施例におい
てコンベアは、ローラ４がローラシャフト３に対して緩
挿されることにより回転可能に取付けられ、物品Ｔの荷
重による摩擦、係合によって物品Ｔを搬送するいわゆる
スリップ・トルクのコンベアに移載機構部１２を組付け
ているが、ローラ４がローラシャフト３に嵌入されるこ
とによって一体に回転する形式のローラコンベアにおい
ても移載機構部１２を適用することは本発明の適用範囲
である。

【００５２】

【発明の効果】以上のように本発明はローラシャフトに
緩挿した回転可能なローラを、駆動源を駆動させて軸長
方向に移動させることにより物品がローラ上に載置され
た状態で物品を従来のように上下方向に昇降動作させる
必要がなく、しかも格別な機器や設備を必要とせずに迅
速且つ確実に効率良くコンベアの搬送ライン間において
任意の搬送ラインに対応する位置から他の搬送ラインに
対応する位置へ物品の移載が行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す斜面図である。

【図２】同じく断面図である。

【図３】同じく使用状態を示す説明的な平面図である。

【図４】同じくローラシャフトが緩挿されるローラを示
した断面図である。

【図５】本発明の第２実施例を示す斜面図である。

【図６】同じく使用状態を示す説明的な平面図である。

【図７】本発明の第３実施例を示す斜面図である。

【図８】同じく使用状態を示す平面図である。

【図９】この種、従来の物品移載装置の一例を示す正面
図である。

【図１０】図９のＡ−Ａ方向矢視図である。

【符号の説明】

１ コンベア ２ フレーム ３ ローラシャフト ３′ ローラシャフト ４ ローラ ４′ ローラ １２ 移載機構部 １３ 保持体 １４ シリンダー Ｌ₁ 搬送ライン Ｌ₂ 搬送ライン Ｔ 物品

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｇ 47/68 Ｚ 8010−3Ｆ

Claims (15)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレームに装架された回転可能なローラ
   シャフトと、該ローラシャフトに緩挿され、物品の荷重
   によりローラシャフトに摩擦、係合して回転力を受動す
   ることにより回転可能であり、且つ搬送路から物品が載
   置されると前記ローラシャフトの軸長方向に移動可能に
   なるローラとにより形成される移載機構部から成り、該
   移載機構部をコンベアの搬送ラインの一部に含むことを
   特徴としたローラコンベアの物品移載装置。
2. 【請求項２】 前記コンベアは前記フレームに回転可能
   に装架された多数のローラシャフトと、該ローラシャフ
   トに緩挿され、物品が載置されると前記ローラシャフト
   との摩擦、係合によりモータからの回転力を受動して回
   転駆動されるローラとから形成される請求項１に記載の
   ローラコンベアの物品移載装置。
3. 【請求項３】 前記ローラの左右の側面に係合可能にな
   る保持体を設け、該保持体を介して前記ローラをローラ
   シャフトの軸長方向に移動可能とする駆動源としてのシ
   リンダを設けた請求項１に記載のローラコンベアの物品
   移載装置。
4. 【請求項４】 単一の前記コンベアに複数列の搬送ライ
   ンを設け、該搬送ラインの少なくとも隣接する搬送ライ
   ン相互にわたり、移載機構部が設けられたことを特徴と
   する請求項１または請求項２の何れかに記載のローラコ
   ンベアの物品移載装置。
5. 【請求項５】 前記コンベアは複数個が並設されること
   により複数列の搬送ラインが設けられ、該搬送ラインの
   少なくとも隣接する搬送ライン相互にわたり移載機構部
   が設けられたことを特徴とする請求項１または請求項２
   の何れかに記載のローラコンベアの物品移載装置。
6. 【請求項６】 上流側に位置する寡列のコンベアと下流
   側に位置する複数列のコンベアとの接続部に移載機構部
   が設けられた請求項１または請求項２の何れかに記載の
   ローラコンベアの物品移載装置。
7. 【請求項７】 上流側に位置する複数列のコンベアと下
   流側に位置する寡列のコンベアとの接続部に移載機構部
   が設けられた請求項１または請求項２の何れかに記載の
   ローラコンベアの物品移載装置。
8. 【請求項８】 前記コンベアの長手方向に略交叉する少
   なくとも何れか片側方向に前記ローラシャフトを延設
   し、該ローラシャフトに対し前記ローラを軸方向に移動
   可能に緩挿したことを特徴とする請求項１または請求項
   ２の何れかに記載のローラコンベアの物品移載装置。
9. 【請求項９】 前記ローラは分割された複数個が前記ロ
   ーラシャフトの軸長方向に移動可能に緩挿され、且つ複
   数個の該ローラは保持体内に保持されることを特徴とす
   る請求項１または請求項３の何れかに記載のローラコン
   ベアの物品移載装置。
10. 【請求項１０】 下流側の前記搬送ラインは単一のコン
    ベアに複数列が設けられた請求項６に記載のローラコン
    ベアの物品移載装置。
11. 【請求項１１】 フレームに回転可能にローラシャフト
    を装架し、該ローラシャフトにはそのローラシャフトの
    軸長方向に移動させる移載機構部により移動可能となる
    ローラを配置し、該ローラは任意の搬送ラインに対応す
    る位置から他の搬送ラインに対応する位置に移動して物
    品の搬送状態を変更可能とすることを特徴とするローラ
    コンベアの物品移載方法。
12. 【請求項１２】 前記移載機構部は上流側に位置する寡
    列のコンベアと下流側に位置する複数列のコンベアとの
    間に設けられ、物品を複数列の前記コンベアの何れかに
    移載することを特徴とする請求項１１に記載のローラコ
    ンベアの物品移載方法。
13. 【請求項１３】 前記移載機構部は上流側に位置する複
    数列のコンベアと下流側に位置する寡列のコンベアとの
    接続部に設けられ、物品を複数列の前記コンベアの何れ
    かに移載することを特徴とする請求項１１に記載のロー
    ラコンベアの物品移載方法。
14. 【請求項１４】 コンベアの長手方向に略交叉する少な
    くとも何れか片側方向にローラシャフトを延設し、該ロ
    ーラシャフトの軸長方向に対しローラを移動可能に緩挿
    したことを特徴とする請求項１１に記載のローラコンベ
    アの物品移載方法。
15. 【請求項１５】 フレームに回転可能に装架したローラ
    シャフトに緩挿するローラを保持体により保持し、駆動
    源を駆動させることによりローラをローラシャフトの軸
    長方向に移動させて物品を移載することを特徴としたロ
    ーラコンベアの物品移載方法。