JPH0632416U - カートン垂直循環搬送コンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】カートン垂直循環搬送コンベアにおいて、バケ
ットが、エンドレスチェーンの回転送行円外に向かって
低く傾斜するのを抑制することによって、バケットのセ
ンター位置をより安定化させ、水平搬送コンベアからの
カートン受け渡しにおけるカートンの破損を防止するこ
とにある。 【構成】一対のエンドレスチェーン１に上部支持板２と
下部支持板３とにより構成されるカートン保持用の複数
のバケット４を平行等間隔に架設したカートン垂直循環
搬送コンベアにおいて、各バケット４の各々間隙部５内
の下部支持板３と上部支持板２とに、それらバケット４
の垂直送行時においてバケット４を水平に保持するため
のスペーサー６，７を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ゲーブルトップ型、フラットトップ型などの液体充填用の紙容器（ カートン）に液体内容物を自動充填するための液体充填装置等におけるカートン 垂直循環搬送コンベアの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記カートン垂直循環搬送コンベアは液体充填装置内に設置され、図５の正面 図に示すように、駆動回転する上部回転軸２０ａに軸支固定する左右両側のスプ ロケット２０，２０と、下部回転軸２０ｂに軸支回転する左右両側のスプロケッ ト２０，２０とにそれぞれ巻回された左側のエンドレスチェーン２１ａと、右側 のエンドレスチェーン２１ｂとにより構成され、垂直方向にエンドレス送行する 一対のエンドレスチェーン２１に、上部支持部２２（カートンの上部保持とカー トン導入ガイドを兼ねる板状体又は組合せ板状体）と、下部支持部２３（カート ンの下部保持とカートン導入ガイドを兼ねる板状体又は組合せ板状体）とにより 構成されるバケット２４を複数等間隔に取り付けたものであり、スリーブ状に立 ち起こした直方体形状の角筒状紙容器Ａ（カートン）をバケット２４内に送り込 むことができるものである。

【０００３】 水平方向、若しくは水平より僅かに搬送方向に高く傾斜する方向にカートンＡ を押し爪３２などによって押送搬送する水平方向搬送コンベア３１から、水平方 向若しくは垂直方向にカートンＡをバケット２４内に受け取った後に、図６の側 面図に示すように、エンドレスチェーン２１を送行させて、該カートンＡを、殺 菌処理液槽、洗浄処理液槽など処理液槽２６内に垂直方向に浸漬及び搬出して、 該カートンＡを循環搬送処理するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記水平搬送コンベア３１より垂直循環搬送コンベア２５へのカートン受け渡 しは、その水平搬送コンベア３１側より搬送されるカートンＡのセンターと、垂 直循環搬送コンベア２５のカートン受け取り用のバケット２４（カートン保持器 ）のセンターとが互いに合致していないと、受け渡されるカートンＡが、バケッ ト２４のカートン導入口に衝突して、カートンＡを破損したりして、充填時にト ラブルを生じ易い。

【０００５】 上記エンドレスチェーン２１は間欠送行動作して、該チェーン２１に取付けら れたバケット２４は、水平搬送コンベア３１からカートンＡを受け取る際は、そ の送行を一旦停止した状態でカートンＡを受け取リ、受け取る時のバケット２４ の位置は、そのセンターが水平搬送コンベア３１搬送路のラインセンターと一致 していなければならない。

【０００６】 しかしながら、従来のカートン垂直循環搬送コンベアは、エンドレスチェーン ２１の回転送行円外側に向かって水平姿勢にあるべきバケット２４が、その垂直 方向送行時において、そのバケット２４の自重や、エンドレスチェーン２１の弛 みによって傾斜してセンター位置が不安定になったり、あるいはバケット本体が 上部ガイド（上部支持部）と下部ガイド（下部支持部）とにより構成される構造 のバケットの場合には、その構造欠陥からバケットが変形したり、上下部支持部 に開きが生じ、水平搬送コンベア３１からのカートン受け渡しにおいてカートン Ａを破損したり、受け渡しが円滑に行かないなどの心配があった。

【０００７】 本考案は、カートン垂直循環搬送コンベアにおいて、バケットが、エンドレス チェーンの回転送行円外に向かって低く傾斜するのを抑制することによって、バ ケットのセンター位置をより安定化させ、水平搬送コンベアからのカートン受け 渡しにおけるカートンの破損を防止して、円滑に受け渡しができるようにするこ とにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の第１の考案は、互いに垂直方向に対向して循環送行する一対のエンド レスチェーン１に、上部支持部２と下部支持部３とにより構成されるカートン保 持用の複数のバケット４を、平行等間隔に架設したカートン垂直循環搬送コンベ アにおいて、一つのバケット４を構成する下部支持部３と、該バケット４の次の バケット４を構成する上部支持部２との各々間隙部５に、各々バケット４を垂直 送行時において水平に保持するためのスペーサー６，７を設け、該スペーサー６ ，７は、それぞれ前記バケット４の各下部支持部３と上部支持部２とに取り付け られていることを特徴とするカートン垂直循環搬送コンベアである。

【０００９】 又、本考案の第２の考案は、互いに垂直方向に対向して循環送行する一対のエ ンドレスチェーン１に、上部支持部２と下部支持部３とにより構成されるカート ン保持用の複数のバケット４を、平行等間隔に架設したカートン垂直循環搬送コ ンベアにおいて、一つのバケット４を構成する下部支持部３と、該バケット４の 次のバケット４を構成する上部支持部２との各々間隙部５に、各々バケット４を 垂直送行時において水平に保持するためのスペーサー８を設け、該スペーサー８ は、前記おのお間隙部５の近傍のエンドレスチェーン１に取り付けられているこ とを特徴とするカートン垂直循環搬送コンベアである。

【００１０】

【実施例】

本考案のカートン垂直循環搬送コンベアを、実施例に従って以下に詳細に説明 する。

【００１１】 図１は、第１の考案の一実施例におけるカートン垂直循環搬送コンベアの部分 拡大側面図であり、駆動回転する上部支軸１０ａに軸支固定された左右一対のス プロケット１０，１０と、下部支軸１０ｂに軸支されて自由回転する左右一対の スプロケット１０，１０とに巻回して回転送行可能な左右一対のエンドレスチェ ーン１の各チェーンジョイント部１１のうち、互いに回転送行方向に隣合う２つ のジョイント部１１，１１を１組として、適宜ジョイント個数だけ等間隔に離間 する複数組の２つのジョイント部１１，１１に、それぞれブラケット１２，１２ が、ネジ１４によって一体に取付けられている。 なお、上部支軸１０ａと下部支軸１０ｂとの間には、適宜に中間スプロケット を設けることは可能である。

【００１２】 それぞれの該両ブラケット１２，１２には、適宜長さを有する側部支持部１３ が、エンドレスチェーン１の回転送行円外側に、該チェーン１に近設して平行に 一体的に取付けられ、それぞれの側部支持部１３には、水平方向に上部支持部２ と下部支持部３とを備え、該側部支持部１３、上部支持部２と下部支持部３とに よって、１つのバケット４を構成する。

【００１３】 なお、上部支持部２は、上板２ａと上ホールド板２ｂより構成され、下部支持 部３は、底板３ａと下ホールド板３ｂにより構成され、前記ブラケット１２と側 部支持部１３と上部支持部２と下部支持部３とは、一体構造であっても、組み合 わせ構造であってもいずれでもよく、側部支持部１３と上部支持部２と下部支持 部３による構造が、図１において、全体的にコの字型構造であって、且つ、□の 字型の一側部が一部分開口するような構造である。

【００１４】 上記のようにして、前記各々の側部支持部１３と前記上部支持部２と下部支持 部３とによって構成されるエンドレスチェーン１に複数等間隔に取り付けられた 各々バケット４内には、角筒状のカートンＡが収納される。

【００１５】 複数等間隔に取付けられた各バケットにおける１つのバケット４の下部支持部 ３と、その下側のバケット４の上部支持部２との間には、それらが互いに離間し ている状態の水平方向に僅かな間隙部５が形成されており、該間隙部５を埋め合 わせるように、各々バケット４の下部支持部３に、スペーサー６を一体的に取付 け、各々バケット４の上部支持部２に、スペーサー７を一体的に取付ける。

【００１６】 これによって、垂直搬送方向（垂直下降方向と垂直上昇方向）にある各々バケ ット４の下部支持部３と上部支持部２との間の離間状態は解消されて、各々下部 支持部３と上部支持部２とは、互いにスペーサー６，７が、全面的に若しくはそ の両端部などの部分個所にて対向接触して平行関係を保持するものである。

【００１７】 なお、各スペーサー６，７は、その構造を特に限定するものではないが、材質 及び形状ともに、比較的軽量化されたもの（アルミ製、樹脂製）が望ましく、下 部支持部３及び、上部支持部２からの突出高さは、間隙部の幅ｄを補間できる程 度の高さである。

【００１８】 図２は、上記一実施例におけるバケットを構成する下部支持部３と上部支持部 ２、及びスペーサー６，７の正面図であり、垂直方向のエンドレスチェーン１， １にバケットは、水平方向に対して５°〜１０°程度傾斜した状体で等間隔に取 り付けられており、前記一方の各スペーサー６は、それぞれ下部支持部３の底板 ３ａ下面に取付けたＬ字型板６ａにより構成され、前記他方の各スペーサー７は 、それぞれ上部支持部２の上板２ａ上面に取付けたＬ字型板７ａにより構成され る。

【００１９】 次に、本考案の第１の考案の他の実施例におけるバケットを構成する下部支持 部３と上部支持部２、及びスペーサー６，７は、例えば、図３（ａ）〜（ｃ）に 示すようなものであってもよい。

【００２０】 例えば、図３（ａ）の側面図に示すように、バケットを構成する下部支持部３ と上部支持部２の各先端部のバケット外側にそれぞれ樹脂製の小片（プロック状 のコマ）６ｃ，７ｃを螺子６ｄ，７ｄにて取付けて、それぞれスペーサー６，７ としたものである。

【００２１】 又、図３（ｂ）の正面図に示すように、バケットを構成する下部支持部３と上 部支持部２の各先端部のバケット外側にそれぞれ樹脂製の小片（プロック状のコ マ）６ｃ，７ｃを螺子６ｃ，７ｃにて取付け、且つ、該小片６ｃ，７ｃを互いに 左右方向にずらした状態で取付けられているものである。

【００２２】 なお、図３（ｃ）は、該スペーサー６，７を構成する小片６ｃ，７ｃの下部支 持部３と上部支持部２への取付け状態の詳細図である。

【００２３】 次に、本考案の第２の考案のカートン垂直循環搬送コンベアを、実施例に従っ て詳細に説明すれば、図４は、第２の考案の一実施例における部分拡大側面図で あり、駆動回転する上部支軸１０ａに軸支固定された左右一対のスプロケット１ ０，１０と、下部支軸１０ｂに軸支されて自由回転する左右一対のスプロケット １０，１０とに巻回して回転送行可能な左右一対のエンドレスチェーン１の各チ ェーンジョイント部１１のうち、互いに回転送行方向に隣合う２つのジョイント 部１１，１１を１組として、適宜ジョイント個数相当分だけ等間隔に離間する複 数組の２つのジョイント部１１，１１に、前述の図１と同様にして、複数のバケ ット４を取付ける。 なお、上部支軸１０ａと下部支軸１０ｂとの間には、適宜に中間スプロケット を設けることは可能である。

【００２４】 このようにして、エンドレスチェーン１に複数等間隔に取付けられた各バケッ トにおける１つのバケット４の下部支持部３と、その下側のバケット４の上部支 持部２との互いに形成される離間している状態の水平方向の僅かな間隙部５を埋 め合わせるように、各バケット４間にあるエンドレスチェーン１のジョイント部 １１，１１に、一体的にネジ止めによってスペーサー８を取付ける。

【００２５】 これによって、垂直搬送方向（垂直下降方向と垂直上昇方向）にある各々バケ ット４の下部支持部３と上部支持部２との間に形成される各間隙部５の離間状態 は解消されて、各々下部支持部３と上部支持部２は、互いに１枚のスペーサー８ に対向接触して平行関係を保持するものである。なお、スペーサー８の形状は特 に限定しないが、材質及び形状ともに比較的軽量化されたもの（例えば、アルミ 製、樹脂製など）が望ましく、間隙部の幅ｄを補間できる程度の厚味である。

【００２６】

【作用】 本考案のカートン垂直循環搬送コンベアは、一つのバケット４を構成する下部 支持部３と、該バケット４の次のバケット４を構成する上部支持部２との各々間 隙部５内側の前記各下部支持部３と上部支持部２とに、その各下部支持部３をそ れらバケット４の垂直送行時において水平に保持するためのスペーサー６，７を 設けるか、あるいは、前記各々間隙部５内側に、その各下部支持部３をそれらバ ケット４の垂直送行時において水平に保持するためのスペーサー８を、前記間隙 部５の近傍のエンドレスチェーン１に取付け支持したので、各バケット４の垂直 送行時において、エンドレスチェーン１の回転送行円外側に向かって水平姿勢に あるべきバケット４が、そのバケット４の自重や、エンドレスチェーン１の弛み によって回転円外方に低く傾斜することを抑制できる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案のカートン垂直循環搬送コンベアは、バケットの自重やエンドレスチェ ーンの弛みによって、バケット本体がコンベア回転送行円外方に向かって低く傾 斜するのを抑制でき、水平搬送コンベアからのカートン受け渡しにおけるバケッ トのセンター位置をより安定化させることができ、水平搬送コンベアから受け渡 されるカートンがバケットに衝突することによって発生するカートンの破損など の弊害を減少できるなどの実用的価値がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の考案のカートン垂直循環搬送コンベアの
一実施例における要部拡大側面図である。

【図２】第１の考案のカートン垂直循環搬送コンベアの
一実施例における要部拡大正面図である。

【図３】（ａ）第１の考案のカートン垂直循環搬送コン
ベアの他の実施例におけるバケット要部側面図である。 （ｂ）第１の考案のカートン垂直循環搬送コンベアの他
の実施例におけるバケット要部正面図である。 （ｃ）第１の考案のカートン垂直循環搬送コンベアの他
の実施例におけるバケットの一部要部正面図である。

【図４】第２の考案のカートン垂直循環搬送コンベアの
一実施例における要部拡大側面図である。

【図５】従来のカートン垂直循環搬送コンベアの概要正
面図である。

【図６】従来のカートン垂直循環搬送コンベアの概要側
面図である。

【符号の説明】

Ａ…カートン（紙容器） ｄ…間隙部の幅 １…エンドレスチェーン ２…上部支持部 ２ａ…上板
２ｂ…上ホールド板 ３…下部支持部 ３ａ…底板 ３ｂ…下ホールド板 ４
…バケット ５…間隙部 ６…スペーサー ７…スペーサー ８…ス
ペーサー １０…スプロケット １０ａ…上部支軸 １０ｂ…下部
支軸 １１…ショイント部 １２…ブラケット １３…
側部支持部 １４…取付けネジ ２０…スプロケット ２０ａ…上部支軸 ２０ｂ…下部
支軸 ２１…エンドレスチェーン ２２…上部支持部
２３…下部支持部 ２４…バケット ２５…カートン垂
直循環搬送コンベア ２６…処理液槽 ３１…水平搬送コンベア ３２…押し爪

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに垂直方向に対向して循環送行する一
   対のエンドレスチェーン１に、上部支持部２と下部支持
   部３とにより構成されるカートン保持用の複数のバケッ
   ト４を、平行等間隔に架設したカートン垂直循環搬送コ
   ンベアにおいて、一つのバケット４を構成する下部支持
   部３と、該バケット４の次のバケット４を構成する上部
   支持部２との各々間隙部５に、各々バケット４を垂直送
   行時において水平に保持するためのスペーサー６，７を
   設け、該スペーサー６，７は、それぞれ前記バケット４
   の各下部支持部３と上部支持部２とに取り付けられてい
   ることを特徴とするカートン垂直循環搬送コンベア。
2. 【請求項２】互いに垂直方向に対向して循環送行する一
   対のエンドレスチェーン１に、上部支持部２と下部支持
   部３とにより構成されるカートン保持用の複数のバケッ
   ト４を、平行等間隔に架設したカートン垂直循環搬送コ
   ンベアにおいて、一つのバケット４を構成する下部支持
   部３と、該バケット４の次のバケット４を構成する上部
   支持部２との各々間隙部５に、各々バケット４を垂直送
   行時において水平に保持するためのスペーサー８を設
   け、該スペーサー８は、前記おのお間隙部５の近傍のエ
   ンドレスチェーン１に取り付けられていることを特徴と
   するカートン垂直循環搬送コンベア。