JPH06323415A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JPH06323415A
JPH06323415A JP4316976A JP31697692A JPH06323415A JP H06323415 A JPH06323415 A JP H06323415A JP 4316976 A JP4316976 A JP 4316976A JP 31697692 A JP31697692 A JP 31697692A JP H06323415 A JPH06323415 A JP H06323415A
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JP
Japan
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torque
switching element
transmission path
automatic transmission
positive
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JP4316976A
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Yasushi Mori
泰志 森
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動変速機の変速制御に資する入力トルクの
正負、つまりパワーオン走行か、惰性走行かの判別を正
確に行い得るようにし、この判別結果に基づく好適な変
速制御ロジックを提案する。 【構成】 プラネタリギヤセット10,11を含むトル
ク伝達経路の出力トルクT0 をセンサ62で検出し、該
出力トルクの極性から変速機入力トルクの正負、つまり
パワーオン走行か、惰性走行かを判定する。自動変速機
は、パワーオン走行中の1→2変速時は、先ずバンドブ
レーキ14を締結進行させ、トルクフェーズ終了時にロ
ー&リバースブレーキ13を解放し、惰性走行中の1→
2変速時は両ブレーキの締結解放を逆の順序で行うロジ
ックで変速を行い、いずれの走行中も滑らかな変速が可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動変速機のアップ
シフト時の油圧制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、プラネタリギヤセット1組を用
いた前進2段の変速機である。1は入力軸、2は出力
軸、3はプラネタリギヤセットで、プラネタリギヤセッ
ト3はサンギヤ3S、リングギヤ3R、キャリア3C、
ピニオンギヤ3Pから成り、入出力軸1,2はそれぞれ
サンギヤ3S、キャリア3Cに結合している。また、4
はバンドブレーキ、5はトランスミッションケースで、
バンドブレーキ4はリングギヤ3Rのケース5への固
定、解放を行う。6は油圧クラッチで、入力軸1とリン
グギヤ3Rの締結、解放を行う。
【0003】プラネタリギヤセットの各回転要素の回転
数ωの関係は、
【数1】αωS +βωC +ωR =0 である。但し、ωの添字S,C,Rはそれぞれプラネタ
リギヤセット3の各要素の添字と同一であり、またα,
βはギヤの歯数によって決まる数値で、リングギヤ3
R、サンギヤ3Sの歯数をそれぞれZR ,ZS とした
時、
【数2】α=Zs/ZR , β=−(1+α) である。また、入出力軸1,2の回転数ωi ,ω0 は、
もちろん
【数3】ωi =ωS , ω0 =ωC である。
【0004】この変速機は、バンドブレーキ4によりリ
ングギヤ3Rがケース5に固定されて停止すると、ギヤ
比GL は、−β/α>1.0となり、また、クラッチ6
によりリングギヤ3Rが入力軸1に結合されると、ギヤ
比GH は、1.0となる。また、各回転部の慣性質量
は、サンギヤ3Sを含む入力回転部の慣性質量をI i
リングギヤ3Rを含む回転部の慣性質量をIR 、キャリ
ア3Cを含む出力回転部の慣性質量をI0 とする。但
し、ピニオンギヤ3Pの慣性質量は無視する。入力軸1
に加わる入力トルクはTi 、出力軸から車輪へ伝わる出
力トルクはT 0 で表わし、バンドブレーキ4の伝達トル
クはTSB、クラッチ6の伝達トルクはTCLで表わす。
【0005】つぎに上記変速機の各状態における挙動を
説明する。以下簡単のために(d/dt)ω0 =0とす
る。低速ギヤ位置で、TSBはTi によって一義的に決ま
るケース5からの反力で、
【数4】 TSB=[(−β/α)−1]Ti =(1/α)Ti 但し、TCL=0 である。また、高速ギヤ位置で、TCLは、
【数5】TCL=(−1/β)Ti 但し SB=0 となる。
【0006】変速中は、(1) バンドブレーキ4が締結で
クラッチ6が滑っている状態、(2)バンドブレーキ4が
滑っていてクラッチ6が締結している状態、(3) 両方と
も滑っている状態があり、出力トルクT0 、入力軸1の
回転数変化速度(d/dt)ωi 、バンドブレーキ反力
SBあるいはクラッチ伝達力TCLは、図1に示す表のよ
うになる。
【0007】ここで低速ギヤ位置から高速ギヤ位置への
アップシフト変速の場合について説明する。変速前のバ
ンドブレーキ反力TSBは(1/α)Ti 、また、変速後
のクラッチ伝達力TCLは−(1/β)Ti である。この
とき、バンドブレーキ4を締結したままクラッチ6を滑
り結合させ、あるところでバンドブレーキ4を滑らせて
解放させる方法〔(1) の状態から(3) の状態への変化〕
と、逆にバンドブレーキ4を滑らせてからクラッチ6を
滑り結合させつつ締結していく方法〔(3) の状態から
(2) の状態への変化〕とがある。
【0008】これらの状態を、パワーオン走行中、つま
りTi >0である時のアップシフト変速について考え
る。前者の方法では、クラッチ6の油圧PCLを上げてい
くと、出力トルクT0 は減少し、バンドブレーキ4の反
力TSBも減少していく。TSB=0付近でバンドブレーキ
4の油圧PSBを抜いて0にすると、入力軸1の回転変化
が始まる。この時、(d/dt)ωi <0であり、入力
回転の低下を生ずる。ところで一般に、入力軸1にはト
ルクコンバータなど慣性質量の大きな部品が係合されて
いるため、出力トルクT0 は増加する。そして、変速の
終了とともに高速ギヤ位置対応のトルク値になる。一
方、後者の方法では、バンドブレーキ4の油圧PSBがク
ラッチ6の油圧PCLより相対的に高いと、(d/dt)
ωi >0となりエンジンが空吹けし、出力トルクT0
減少してしまう。従って一般にアップシフト変速では、
前者のように制御するのが普通である。このときの挙動
を図2に示す。
【0009】次に、Ti <0となる惰性走行中のアップ
シフト変速について考える。前者の方法では、上記パワ
ーオン走行中のアップシフト変速と同じように、クラッ
チ6の油圧の上昇につれてバンドブレーキ反力TSB、出
力トルクT0 が減少する。しかして、バンドブレーキ4
の反力TSBは、もともと負であるため、パワーオン走行
時と同じロジック、つまりTSB=0でバンドブレーキ4
の油圧PSBを0にするというロジックは使えないことに
なる。一方、後者の方法では、バンドブレーキ4の油圧
SBをクラッチ6の油圧PCLに対して相対的に抜くこと
によって、(d/dt)ωi <0となる。入力軸回転数
ωi が高速ギヤ位置対応の回転数になったところで、ク
ラッチ6を締結すれば前者に比べてショックを小さくで
きる。このときの挙動を、図3に示す。尚、惰性走行時
に前者の方法で制御を行なった場合の一例を図4に示
す。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記に代表さ
れる従来の自動変速機にあっては、例えば1984年1
月発行の三菱重工技報Vol. 21 No.1 第104頁
に記載の電子制御式4段オートマチックトランスミッシ
ョンに示されるように、エンジンスロットル開度によっ
てパワーオン走行か、惰性走行かの判定を行うしかな
く、同技報にも述べられている通り、補機駆動負荷や経
時変化あるいは路面傾斜がある時、上記の判定を正しく
行うことができない、という問題があった。本発明は、
トルク伝達経路の出力トルクを検出し、その極性からト
ルク伝達経路への入力トルクの正負を判断し、パワーオ
ン走行か、惰性走行かの判定を行うようにすることで、
当該判定を正確に行い得るようになし、もって上述の問
題を解消することを目的とする。本発明は同時に、変速
に当たって締結・解放の掛け換えを行うべき両要素の、
上記の判定結果に基づく適切な掛け換え制御を提供する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
の自動変速機は、トルク伝達経路をトルク伝達経路切替
要素により切り替えることによって多段の変速比を実現
し、前記トルク伝達経路切替要素の伝達トルクを任意に
制御可能な自動変速機において、前記トルク伝達経路の
出力トルクを検出する出力トルク検出手段と、この手段
により検出した出力トルクの極性からトルク伝達経路へ
入力されるトルクの正負を判別する正負トルク判別手段
と、この手段により判別した入力トルクの正負に応じ、
正の時は、変速に当り締結すべきトルク伝達経路切替要
素を先ず締結進行させ、トルクフェーズ終了時に、該変
速時解放すべきトルク伝達経路切替要素の解放を行わせ
るようにし、入力トルクが負の時は、解放すべきトルク
伝達経路切替要素の解放を先ず行わせた後に、締結すべ
きトルク伝達経路切替要素を締結するようになす切替要
素掛け換え制御ロジック変更手段とを具えるものであ
る。
【0012】又、第2発明は第1発明の自動変速機にお
いて、切替要素掛け換え制御ロジック変更手段を特に以
下の構成とする。即ち、第2発明において切替要素掛け
換え制御ロジック変更手段は、前記入力トルクが正の時
に締結進行させるべきトルク伝達経路切替要素の締結油
圧を、前記出力トルク検出手段の検出値に応じて決定す
るよう構成する。
【0013】更に第3発明は、第1発明又は第2発明の
自動変速機において、切替要素掛け換え制御ロジック変
更手段を以下の構成とする。即ち、第3発明において、
切替要素掛け換え制御ロジック変更手段は、前記出力ト
ルク検出手段の検出値が、変更開始値前の出力トルク及
び変更前後ギヤ比の比から判るトルクフェーズ終了時の
出力トルク値に達した時をもって、前記トルクフェーズ
の終了を判断するトルクフェーズ終了制御手段を具え
る。
【0014】なお第4発明では、変速開始から、車速及
びエンジン負荷毎の設定時間が経過した時をトルクフェ
ーズ終了と判断するタイマを、第3発明における上記ト
ルクフェーズ終了判別手段に置き換えて構成する。
【0015】
【作用】第1発明の自動変速機は、トルク伝達経路をト
ルク伝達経路切替要素により切り替えて、各変速段への
変速を行うが、この変速時においてトルク伝達経路切替
要素の掛け換え制御ロジックを決定するに当り用いるト
ルク伝達経路への入力トルクの入力正負を以下の如くに
判定する。つまり、トルク伝達経路の出力トルクを出力
トルク検出手段で検出し、この手段により検出した出力
トルクの極性から正負トルク判別手段は、トルク伝達経
路へのトルクの正負を判定する。よって、入力トルクの
正負を、従来のようにエンジンスロットル開度等のエン
ジン負荷から判断するものに較べ、外乱に影響されるこ
となく正確に判定することができ、パワーオン走行か、
惰性走行かの判定が正確となって、これに基づく変速時
における切替要素の掛け換え制御ロジックの決定を一層
適正なものにし得る。
【0016】変速に当り切替要素の掛け換え制御ロジッ
ク変更手段は、正負トルク判別手段により判別された入
力トルクの正負(パワーオン走行か、惰性走行か)に応
じ、正の時は、変速に当り締結すべきトルク伝達経路切
替要素を先ず締結進行させ、トルクフェーズ終了時に、
該変速時解放すべきトルク伝達経路切替要素の解放を行
わせ、又入力トルクが負の時は、解放すべきトルク伝達
経路切替要素の解放を先ず行わせた後に、締結すべきト
ルク伝達経路切替要素を締結するが如き、切替要素掛け
換え制御ロジックを実行する。よって、パワーオン走行
時も、惰性走行時も前記理論説明した通りにショックの
ない滑らかな変速を可能ならしめる。
【0017】この際第2発明の自動変速機においては、
切替要素の掛け換え制御ロジック変更手段が特に以下の
作用を行う。即ち該手段は、前記入力トルクが正の時の
変速に際し締結進行させるべきトルク伝達経路切替要素
の締結油圧を、前記出力トルク検出手段の検出値に応じ
て決定する。よって、変速ショックに大きく関与するこ
の締結油圧が常に出力トルクに対応した値にされ、対応
する切替要素の締結容量を過不足のない状態にして変速
ショックの一層の軽減に寄与する。
【0018】第3発明の自動変速機では、切替要素の掛
け換え制御ロジック変更手段が以下の如くに作用するト
ルクフェーズ終了判別手段を具える。この手段は出力ト
ルク検出手段の検出値が変速開始直前の出力トルク及び
変速前後ギヤ比の比から判るトルクフェーズ終了時の出
力トルク値に達した時をもって、前記トルクフェーズの
終了を一層正確に判別することができ、このトルクフェ
ーズ終了時に行うべき切替要素の解放タイミングが常時
適切となり、この点でも変速ショックの軽減を図り得る
【0019】第4発明の自動変速機では、上記トルクフ
ェーズ終了判別手段に代わりタイマが、変速開始から、
車速及びエンジン負荷毎の設定時間が経過した時をもっ
てトルクフェーズ終了時と判断する。この場合、トルク
フェーズの終了を一層安価に判別することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図5〜図9は、本発明の一実施例を示す図
で、前進4段、後退1段の自動変速機である。まず、ト
ルク伝達経路の構成を説明すると、図5において1,2
はそれぞれ入力軸及び出力軸で、5はトランスミッショ
ンケースを示す。10,11はプラネタリギヤセット
で、それぞれサンギヤ10S,11S、キャリア10
C,11C、リングギヤ10R,11R、ピニオンギヤ
10P,11Pからなり、10をフロントプラネタリギ
ヤセット、11をリヤプラネタリギヤセットと呼ぶ。1
2〜16は夫々トルク伝達経路切替要素としての摩擦締
結要素で、12はロークラッチ、13はロー&リバース
ブレーキ、14はバンドブレーキ、15はハイクラッ
チ、16はリバースクラッチを示す。これら締結要素
は、後述する油圧制御弁によって選択的に締結され、図
5に示す締結(○印で示す)の組合せにより前進4段
(D1 〜D4 )、後退1段(R)を実現する。
【0021】図6は、上記自動変速機の油圧制御回路
で、20は図示せざるエンジンにより駆動されるオイル
ポンプを示す。22〜26はそれぞれ、摩擦締結要素1
2〜16を制御する油圧制御弁であり、これらの油圧制
御弁によりポンプ20からのオイルを対応する各摩擦締
結要素に選択的に供給することにより、それぞれの要素
が締結される。これらの油圧制御弁22〜26は、例え
ばソレノイドを有し、電気−油圧制御系をなすものとす
る。
【0022】図7は、前述の油圧制御弁を制御するマイ
クロコンピュータ40で、後述する処から明らかなよう
に正負トルク判別手段切替要素掛け換え制御ロジック変
更手段、トルクフェーズ終了判別手段の用を兼ね、CP
U41、メモリ42、入出力インターフェース43等か
らなる。インターフェース43の出力には、前述の油圧
制御弁22〜26が接続され、CPU41の指令により
これら油圧制御弁を制御する。また、インターフェース
43の入力には、例えば車速センサ50とスロットル開
度センサ51が接続され、車両の運転状態信号をCPU
41へ送る。さらに図5に示すように、自動変速機の入
力回転数NT を検出する回転数センサ61及び自動変速
機の出力トルクT0 を検出する出力トルク検出手段とし
ての出力トルクセンサ62を設け、これらもインターフ
ェース43の入力ポートに接続する。
【0023】次に上記実施例の作用を1速から2速への
アップシフト変速を例にとって説明する。1速の状態で
は、図5の表のようにロークラッチ12とロー&リバー
スブレーキ13が油圧供給を受け、締結されている。こ
こで、車速センサ50及びスロットル開度センサ51か
らの信号を基に2速への変速を判定すると、まず、変速
機出力トルクT0 の極性から変速機入力トルクの正負、
つまりパワーオン走行か惰性走行かを判定し、その判定
結果に応じて後述の変速制御を行う。
【0024】これら判定及び制御のフローチャートを図
8及び図9に示す。このフローチャートの中で用いられ
るFは、変速のシーケンスを示すフラグであり、その意
味は次の通りである。 F=0;非変速中を示す。 F=1;変速開始時にパワーオン走行であることを示
す。 F=2;パワーオン走行時の、所謂トルクフェーズであ
ることを示す。 F=3;パワーオン走行時の、所謂イナーシャフェーズ
であることを示す。 F=4;変速開始時に惰性走行であることを示す。 F=5;惰性走行時の、所謂イナーシャフェーズである
ことを示す。
【0025】図8(a) は、メインルーチンを示し、ステ
ップa1では、センサ51により検出したスロットル開
度等のエンジン負荷と、センサ50により検出した車速
とを読み込み、次のステップa2では、予めメモリして
ある所定の変速パターンを基にエンジン負荷及び車速の
組合せから好適ギヤ位置を判定し、次のステップa3
で、現在のギヤ位置から好適ギヤ位置への変速を実行す
る。
【0026】図8(b) は、同図(a) のメインルーチンに
よって1速から2速への変速が判定されたときに1回だ
け実行される。ステップb1では、出力トルクセンサ6
2により検出した変速機出力トルクT 0 を読み込む。次
のステップb2では、ステップa1で読み込んだ出力ト
ルクT0 の正負に応じ制御をステップb3あるいはb4
へ進める。すなわち、T0 >0のパワーオン走行時には
制御はステップb3へ進み、T0 <0の惰性走行時には
制御はステップb4へ進む。ステップb3,b4では、
それぞれの走行状態を示すようにフラグFに“1”ある
いは“4”をセットし、メインルーチンへ戻る。
【0027】図9は、一定時間ごとに繰返し実行される
変速制御用の定時割込みルーチンである。先ずステップ
c1で、フラグFの値を判別し、F=0の非変速中は制
御をそのまま終了するが、Fが0以外なら1〜5の値に
対応したステップc2,c7,c10,c13,c15
のいずれかへ制御を進める。パワーオン走行時の変速で
は、フラグF=1なので制御はステップc2へ進む。こ
のステップc2では、出力トルクT0 の検出値に応じた
変速中におけるバンドブレーキ14の目標油圧PSB0
メモリ42(図7参照)より読み出す。尚、この目標油
圧PSB0 は、予めメモリ42に記憶されているものとす
る。
【0028】次のステップc3では、前速前のギヤ比G
B と変速後のギヤ比GA との比GR(GR =GA
B )を用いて、トルクフェーズ終了時における変速機
出力トルクTEOTFを以下の如くに算出する。このトルク
フェーズ終了トルクTEOTFは今、1速から2速へのアッ
プシフト変速についての説明中であるから、1→2変速
時のトルクフェーズ終了トルクT2 である。ここでT2
は、変速開始直前の出力トルクT0 と上記変速前後ギヤ
比の比GR との積で表され、T2 =GR ・T0 により求
めることができる。ステップc4では、ステップc2で
読み出した目標油圧PSB0 に相当する信号SSBを油圧制
御弁24に出力する。
【0029】ステップc5では、トルクフェーズ中であ
ることを示すようにフラグFを2にセットし、制御を終
える。その後は、トルクフェーズ中のためフラグF=2
なので制御はc1からc7へ進む。このステップc7で
は、センサ62で検出した変速機出力トルクT0 が上記
トルクフェーズ終了トルクTEOTF=T2 に達したか否か
を判別し、トルクフェーズがまだ終了していない場合は
何も行わず、そのまま制御を終える。T0 =T2 になる
トルクフェーズ終了時に、制御はステップc8へ進み、
ロー&リバースブレーキ13の油圧信号SLRを0にし、
同ブレーキを解放する指令を発する。そしてステップc
9では、フラグFをイナーシャフェーズ中であることを
示す“3”にし、制御を終了する。
【0030】イナーシャフェーズでは、上記のようにフ
ラグF=3にされているので、制御はステップc1から
ステップc10へと進む。ステップc10では、例えば
車速とセンサ61で検出した変速機入力回転数NT とか
ら変速が終了したか否かを判定する。変速が終了してい
なければ、制御をそのまま終了させる。変速が終了して
いれば、制御をステップc11へ進め、バンドブレーキ
14の油圧を十分高くすべく油圧制御弁24へ対応した
信号を出力する。次のステップc12では、変速が終了
したので、これを示すようにフラグFを0にし、制御を
終了する。
【0031】惰性走行時には、フラグF=4なのでステ
ップc1はステップc13を選択する。このステップc
13では、ロー&リバースブレーキ13の伝達トルクを
0にするよう油圧制御弁22に信号SLR=0を出力す
る。次のステップc14では、フラグFに、惰性走行時
のイナーシャフェーズであることを示すように、“5”
をセットし、制御を終える。
【0032】その後のイナーシャフェーズでは、F=5
であるが故に制御はステップc1からステップc15へ
進む。ステップc15では、例えば車速と変速機入力回
転数NT とからバンドブレーキ12によって締結される
回転要素の回転数がバンドブレーキ14に同期、すなわ
ちこの場合回転数が0になったか否かを判定する。回転
が同期していなければ、制御をそのまま終了し、同期し
ていればステップc16へ制御を進める。ステップc1
6では、バンドブレーキ14を一気に締結すべく十分高
い油圧に相当する信号SSBを油圧制御弁24に出力す
る。そして次のステップc17で、フラグFに“0”を
セットして変速終了を示すようになす。
【0033】上記では、1→2アップシフト変速につい
て動作説明を行ったが、他の変速時の動作も同様である
ことは言うまでもない。また、フラグF=1およびF=
4のループは夫々、変速開始直後に1回のみ行なわれる
ので、ステップb3の代わりにステップc2〜c5を置
換し、ステップb4の代わりにステップc13〜c14
を置換して、図9から当該ループを省略してもよい。
【0034】図10は図9に対応する制御部分の他の例
を示す。本例ではパワーオン走行時の変速におけるトル
クフェーズの終了を変速開始からの経過時間によって判
別するようになす。これがため、c3に代わるステップ
c18を設定し、ステップc4,c5間にステップc1
9を介挿し、c7に代わるステップc20を設定する。
【0035】ステップc18では、センサ50,51で
検出した車速とスロットル開度からディレイ時間td
読み出す。このディレイ時間td は、油圧信号を出力し
てから実際に油圧が上昇し、いわゆるトルクフェーズが
終了するまでの時間に対応させ、予めメモリ42に記憶
されているものとする。ステップc19では、上記ディ
レイ時間を計測するタイマをスタート(t=0)させ
る。このタイマは、ハードウェアによって一定時間ごと
に1ずつ増加するものとする。
【0036】ステップc20では、上記タイマの値tと
ディレイ時間td とを比較し、t>td ならばトルクフ
ェーズがまだ終了していないと判断して何も行わず、そ
のまま制御を終え、t≧td のときには、トルクフェー
ズが終了したとの判断のもと、制御はステップc8へ進
む。
【0037】尚、タイマは、ハードウェアでなくソフト
ウェアでインクリメントしてもよく、この場合は、例え
ばステップc1の前あるいは直後にt=t+1を実行す
るステップを設ければよい。
【0038】
【発明の効果】かくして本発明の自動変速機は請求項1
に記載の如く、トルク伝達経路の出力トルクを検出し、
その極性からトルク伝達経路への入力トルクの正負を判
断し、パワーオン走行か、惰性走行かの判定を行うよう
構成したから、従来のようにエンジン負荷から当該判定
を行うものに較べ、エンジン補機の駆動負荷や、経時変
化や、路面勾配等の外乱に影響されることなく、正確に
入力トルクの正負、つまりパワーオン走行か、惰性走行
かを判定して、変速制御に資することができる。
【0039】そして請求項1に記載の本発明自動変速機
においては更に、上記の判定結果に応じ、入力トルクが
正のパワーオン走行時は、締結されるべき切替要素を先
ず締結進行させ、トルクフェーズ終了時に、解放すべき
切替要素の解放を行わせ、又入力トルクが負の惰性走行
時は、先ず解放すべき切替要素の解放を行わせた後に、
締結すべき切替要素を締結する、といったような切替要
素の掛け換え制御ロジックを実行するから、パワーオン
走行時も、惰性走行時も、共にショックのない滑らかな
変速を実現させ得る。
【0040】又本発明自動変速機は請求項2に記載の如
く、パワーオン走行中の変速時に締結進行させるべき切
替要素の締結油圧を、前記出力トルクに応じて決定する
から、変速ショックに大きく関与するこの油圧が過不足
のない適正値となり、変速ショックの一層の軽減を図り
得る。
【0041】更に本発明自動変速機は請求項3に記載の
如く、前記出力トルクが変速直前の出力トルク及び変速
前後ギヤ比の比から判るトルクフェーズ終了トルクに達
した時をトルクフェーズ終了と判断するから、この判断
を正確に行い得て、このトルクフェーズ終了時に行う切
替要素の解放タイミングが適正となり、この点でも変速
ショックの軽減を図り得る。
【0042】更に本発明自動変速機は請求項4に記載の
如く、トルクフェーズの終了を上記に代わり、変速開始
からの時間のモニタにより判別する場合、この判別を安
価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラネタリギヤセットを1組用いた一般的な前
進2段の変速機を示す伝動系統図である。
【図2】図1の変速機におけるパワーオン走行状態での
変速を示す動作タイムチャートである。
【図3】図1の変速機におけるパワーオン走行状態での
変速を示す他の制御ロジック採用時の動作タイムチャー
トである。
【図4】図1の変速機における惰性走行状態での変速動
作を示す動作タイムチャートである。
【図5】本発明自動変速機の一実施例を示す伝動系統図
である。
【図6】同例の自動変速機における変速制御用油圧系統
図である。
【図7】同例の自動変速機における変速制御用電子系統
図である。
【図8】同電子制御系が実行する制御プログラムの変速
判定ルーチン及び入力トルク正負判定ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図9】同制御プログラムの変速制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図10】変速制御ルーチンの他の例を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 5 トランスミッションケース 10 フロントプラネタリギヤセット 10S サンギヤ 10C キャリア 10R リングギヤ 11 リヤプラネタリギヤセット 11S サンギヤ 11C キャリア 11R リングギヤ 12 ロークラッチ 13 ロー&リバースブレーキ 14 バンドブレーキ 15 ハイクラッチ 16 リバースクラッチ 20 オイルポンプ 22 油圧制御弁 23 油圧制御弁 24 油圧制御弁 25 油圧制御弁 26 油圧制御弁 30 トルクコンバータ 30P ポンプインペラ 30T タービンランナ 30S ステータ 40 マイクロコンピュータ(正負トルク判別手段;切
替要素掛け換え制御ロジック変更手段;トルクフェーズ
終了判別手段) 41 CPU 42 メモリ 43 入出力インターフェース 50 車速センサ 51 スロットル開度センサ 61 入力回転数センサ 62 出力トルクセンサ(出力トルク検出手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルク伝達経路をトルク伝達経路切替要
    素により切り替えることによって多段の変速比を実現
    し、前記トルク伝達経路切替要素の伝達トルクを任意に
    制御可能な自動変速機において、 前記トルク伝達経路の出力トルクを検出する出力トルク
    検出手段と、 この手段により検出した出力トルクの極性からトルク伝
    達経路へ入力されるトルクの正負を判別する正負トルク
    判別手段と、 この手段により判別した入力トルクの正負に応じ、正の
    時は、変速に当り締結すべきトルク伝達経路切替要素を
    先ず締結進行させ、トルクフェーズ終了時に、該変速時
    解放すべきトルク伝達経路切替要素の解放を行わせるよ
    うにし、入力トルクが負の時は、解放すべきトルク伝達
    経路切替要素の解放を先ず行わせた後に、締結すべきト
    ルク伝達経路切替要素を締結するようになす切替要素掛
    け換え制御ロジック変更手段とを具備することを特徴と
    する自動変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記切替要素掛け換
    え制御ロジック変更手段は、前記入力トルクが正の時に
    締結進行させるべきトルク伝達経路切替要素の締結油圧
    を、前記出力トルク検出手段の検出値に応じて決定する
    よう構成したことを特徴とする自動変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記切替要素
    掛け換え制御ロジック変更手段は、前記出力トルク検出
    手段の検出値が、変速開始直前の出力トルク及び変速前
    後ギヤ比の比から判るトルクフェーズ終了時の出力トル
    ク値に達した時をもって、前記トルクフェーズの終了を
    判断するトルクフェーズ終了判別手段を具えることを特
    徴とする自動変速機。
  4. 【請求項4】 請求項3において、変速開始から、車速
    及びエンジン負荷毎の設定時間が経過した時をトルクフ
    ェーズ終了と判断するタイマを、前記トルクフェーズ終
    了判別手段に置換したことを特徴とする自動変速機。
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