JPH0630324U - 建築用薄板製木タイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】木材を有効に使用して外観は良好であり、且つ
木材の伸縮を防止して密着度を良好にする。 【構成】木で作製した四角形の薄板（１）の裏面に、該
薄板（１）の木材繊維方向の数個の接着剤充填溝（２）
を適当間隔に並設して建築用薄板製木タイル（ａ）を構
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築物の外壁、内壁、床、廊下等の表面に貼付ける建築用薄板製木 タイルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建築物の外壁、内壁、床、廊下等は、適当厚さに製材した多数の一枚板 を並列して桟木等に釘付け固定したり、あるいはそれらの下地上に多数の陶器タ イルを接着剤により貼付けて構成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の前者の多数の一枚板を釘付け固定するものは、製材の歩留りが悪く てコストが高い上に、滑るおそれがあり、且つ長年使用すると板が痛んで表面が 非衛生的となり、更に板の取替えが大変である点である。

【０００４】 上記従来の後者の陶器タイルを貼付けるものは、陶器タイルが高価であり、且 つ重くて取扱い難い上に輸送コストが高く、更に陶器タイルの裏面は平坦で接着 力に確実性を欠く点である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

自然の木には至るところに節や傷がある

【０００６】 また、木の板は木材繊維方向には伸縮が無いけれども、その木材繊維方向と直 角の横方向には板幅の一割弱の伸縮がある。

【０００７】 本考案は、上記の木の状態を考慮に入れ、木材を有効に使用して外観は良好で あり、且つ木材の伸縮を防止して密着度を良好にすることを目的とする。

【０００８】 すなわち、木で作製した四角形の薄板（１）の裏面に、該薄板（１）の木材繊 維方向の数個の接着剤充填溝（２）を適当間隔に並設して建築用薄板製木タイル （ａ）を構成し、木材を有効に使用して外観は良好であり、且つ木材の伸縮を防 止して密着度を良好にする目的を、木製薄板より成る木タイルの木材繊維方向の 数個の接着剤充填溝内に接着剤を充填し、建築物の下地上に接着剤を塗り、順次 上記木タイルを並べて貼付けてゆくことにより実現した。

【０００９】

【実施例】

図１乃至図５は、本考案の第一実施例を示し、その構成を図面について説明す れば、（ａ）は建築用薄板製木タイルで、木、例えばひば材で作製した板厚が５ ｍｍ、大きさが１８０ｍｍ角の四角形の薄板（１）の裏面に、該薄板（１）の木 材繊維方向の数個の接着剤充填溝（２）を適当間隔に並設して成る。（３）は薄 板（１）の表面周縁の面取りである。

【００１０】 そして、木タイル（ａ）が長持ちして綺麗であるように、木タイル（ａ）の下 塗り時は木タイル（ａ）を樹脂製塗料内にどぼ漬けにしてその木タイル（ａ）内 に塗料を良好に浸透させ、木タイル（ａ）の表面および裏面に塗料を塗つて仕上 げる。

【００１１】 （４）は建築物の壁等の下地、（５）は接着剤、（６）は木タイル（ａ）、（ ａ）間の隙間である。

【００１２】 その木タイル（ａ）の施工法を説明する。図２乃至図５に示すように、下地（ ４）上に接着剤（５）を塗り、一方、木タイル（ａ）の溝（２）内に接着剤（５ ）を充填して順次木タイル（ａ）を下地（４）の接着剤（５）上に並置して押付 けてゆくと、その木タイル（ａ）は、下地（４）上の接着剤（５）、木タイル（ ａ）の溝（２）内の接着剤（５）および木タイル（ａ）、（ａ）間に侵入した接 着剤（５）によつて下地（４）に貼付けられる。

【００１３】 その際、浴室内、外壁等湿気や水の当る場所においては、図４に示すように木 タイル（ａ）、（ａ）間に隙間（６）を形成して図２に示すように目合わせ張り 、または図３に示すように目違い張りに貼付ける。

【００１４】 室内の壁、床、廊下等においては、図５に示すように木タイル（ａ）、（ａ） 間に隙間を形成することなく木タイル（ａ）、（ａ）を接触させて貼付ける。

【００１５】 そうすると、各木タイル（ａ）はその数個の溝（２）内に充填した接着剤（５ ）による固定により薄板（１）の伸縮の力が溝（２）、（２）間毎に分散されて 弱まり、薄板（１）の伸縮が最小限に止められて木タイル（ａ）は良好に接着保 持される。

【００１６】 図６乃至図８は、本考案の第二実施例を示し、その木タイル（ａ１）は、上記 第一実施例の木タイル（ａ）を長方形、例えば１８０ｍｍと３６０ｍｍの長方形 に形成したものである。その他の符号は図１乃至図５におけると同一部分を示す 。

【００１７】 この構成のものにおいても、上記実施例と同様にして図７に示すように目違い の縦張り、または図８に示すように目違いの横張りに貼付ける。

【００１８】 図９は、本考案の第三実施例を示し、その木タイル（ａ２）は、上記第一実施 例の木タイル（ａ）の裏面に、接着剤充填溝（２）と直交する数個の接着剤充填 溝（７）を適当間隔に設けたものである。

【００１９】 図１０は、本考案の第四実施例を示し、その木タイル（ａ３）は、上記第二実 施例の木タイル（ａ１）の裏面に、接着剤充填溝（２）と直交する数個の接着剤 充填溝（７）を適当間隔に設けたものである。

【００２０】 上記木タイル（ａ２）および木タイル（ａ３）においては、木タイル（ａ２） 、（ａ３）を壁面に貼付ける場合に、木タイル（ａ２）、（ａ３）の溝（７）内 の接着剤（５）の接着力が木タイル（ａ２）、（ａ３）のずり落ち防止作用を助 長する。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の建築用薄板製木タイルは、下記のような利点がある。

【００２２】 （１）木の板の節や傷の間で木タイルを切取ることができるので、歩留りが良 くてコストも安くなる。

【００２３】 （２）木タイルをその木材繊維方向の数個の溝内に充填した接着剤および壁等 の下地上に塗つた接着剤によつて下地に貼付けるから、

【００２４】 （イ）木タイルの接着剤との接触面積が広くて木タイルの密着度は良好であり 、木タイルを壁に貼付けてもずり落ちることが無い。

【００２５】 （ロ）木タイルは、その数個の溝内に充填した接着剤による固定により薄板の 伸縮の力が各溝間毎に分散されて弱まり、薄板の伸縮が最小限に止められて木タ イルを良好に接着保持できる。

【００２６】 （３）接着剤で貼付けるだけであるから、作業性が良い。

【００２７】 （４）無機質化粧板、天然石材、人造大理石、大型陶器タイル、装飾硝子、木 質床上にも貼付けることができる。

【００２８】 （５）建築物の外壁から浴室、洗面、洋間、廊下と広範囲にわたつて使用でき る。

【００２９】 （６）改装工事にも使用できて汎用性が大である。

【００３０】 （７）耐水、耐熱、耐寒、耐候性がある。

【００３１】 （８）軽くて取扱い易く、輸送コストが安い。

【００３２】 （９）木製であるため、見た目が綺麗である。

【００３３】 （１０）万一の取替えものみで削り取ることができるので、簡単に木タイルと 接着剤で修理ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例に係る建築用薄板製木タイ
ルの正面図である。

【図２】同上木タイルを目合わせ張りした壁の一部の正
面図で、一部を切欠して示す。

【図３】同上木タイルを目違い張りした壁の一部の正面
図で、一部を切欠して示す。

【図４】同上壁の一部の拡大平断面図である

【図５】同上木タイルを接触して貼付けた壁の一部の平
断面図である。

【図６】本考案の第二実施例に係る建築用薄板製木タイ
ルの正面図である。

【図７】同上木タイルを縦張りした壁の一部の正面図で
ある。

【図８】同上木タイルを横張りした壁の一部の正面図で
ある。

【図９】本考案の第三実施例に係る建築用薄板製木タイ
ルの正面図である。

【図１０】本考案の第四実施例に係る建築用薄板製木タ
イルの正面図である。

【符号の説明】

ａ，ａ１，ａ２，ａ３ 薄板製木タイル １ 薄板 ２ 接着剤充填溝 ３ 面取り ４ 下地 ５ 接着剤 ６ 隙間 ７ 接着剤充填溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 木で作製した四角形の薄板の裏面に、該
   薄板の木材繊維方向の数個の接着剤充填溝を適当間隔に
   並設してなる建築用薄板製木タイル。