JPH0629589Y2 - 配管の擬似結合防止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は、例えば自動車のフュエルパイプ，エアチュー
ブ等の連結にあたり、その擬似結合を防止するための構
造に関する。

b.従来の技術及びその課題 一般に、自動車のフュエルパイプ，エアチューブ等は多
数の装備品の間を通って配管されているため、その連結
を容易にすべく、雄，雌両部材を互いにワンタッチにて
連結できるように構成し、その連結時に発生する音によ
って連結を確認している。

しかしながら、工場内など騒音のある場所では、音によ
って連結を確認することは困難であり、その連結が不完
全な場合には、後日液漏れ等の原因となり、不測の事故
を起す憂いがある。

本考案は、上述した課題に鑑みなされたものであって、
その目的は、雄，雌両部材を連結するにあたり、その連
結が完全に行われたことを目視によって容易に確認する
ことができる配管の擬似結合防止構造を提供することに
ある。

c.課題を解決するための手段 本考案は、上述した課題を解決するため、雄部材を雌部
材に所定の矩離嵌入することによって両部材を互に結合
させる構造の配管の疑似結合を防止構造において、上記
雄部材に環状突条を有するホルダーを装着し、該ホルダ
ーに前記環状突条を乗り越え係止する弾性体で形成され
たＣ字状リング部を有する確認部材を配置し、該確認部
材が上記雄部材を上記雌部材に上記所定の矩離嵌入した
時点で前記雌部材の先端により押圧されるように構成
し、該押圧力により前記確認部材のＣ字状リング部が上
記ホルダーの環状突条を再び乗り越え前記係止が解除さ
れ、該確認部材が前記ホルダーから飛び出すように構成
した。

d.実施例 以下、本考案の実施例を添付図面に従って詳細に説明す
る。

ここで、第１図は本考案にかかる擬似結合防止構造を有
する配管の連結部を示した半断面図である。図中１は外
周にフランジ状突条２を有する管状の雄部材、３は内周
に前記フランジ状突条２を係止する係止爪４を備えた管
状の雌部材である。

上記雄，雌両部材１，３は、雄部材１を雌部材３に所定
の矩離嵌入することにより、上記雌部材の係止爪４が上
記雄部材のフランジ状突条２を係止し、両部材１，３が
結合されるように構成されている。

なお、図中５は結合した両部材１，３のシール性を確保
するためのＯリング、６はスペーサ、７は前記Ｏリング
３及び上記係止爪４を所定の位置に保持するためのスト
ッパーである。

８は上記雄部材２に装着された円柱状のゴム部材で形成
されたホルダーである。該ホルダー８は、第２図〜第４
図に示した如く前方側に上記雌部材３の先端部3aが嵌入
し得る凹部９が形成され、後方側には後記する確認部材
10が挿入し得る環状凹部11が形成されている。また、前
記環状凹部11の内周壁面端部には前記確認部材10を係止
する環状突条12が形成され、さらに該環状凹部11と前記
前方側に形成された凹部９とを連通する透孔13が同一円
周上に３本形成されている。

10は前記ホルダー８に係止される確認部材であり、該確
認部材10は、第２図に示されている如くスリット14を有
するＣ字状リング部15と、該Ｃ字状リング部15から前方
に突出し、上記ホルダー８に形成された透孔13に沿って
嵌入する３本の脚部16と、前記スリット14と対向する位
置に外方に向かって突出して設けられた撮み部17とから
構成され、硬質弾性材料、例えば硬質弾性プラスチック
で一体的に形成されている。

上記確認部材10のＣ字状リング部15は、第１図に示した
如くその内周壁面が山形状の傾面18に形成され、ホルダ
ー８の環状突条12に押圧される際、その内径が押し広げ
られ、該環状突条12を乗り越え、ホルダー８の環状凹部
11内に係止されると共に、該確認部材10の脚部16は、ホ
ルダー８の透孔13に沿って嵌入し、前方側に形成された
凹部９に突出した状態となる。

つぎに、上述の如く構成された配管の連結部の作用につ
いて、第５図〜第７図に従って説明する。

まず、雄部材１に装着されたホルダー８に、第５図に示
すように前記確認部材10を係止させた状態とする。

つぎに、第６図に示す如く雄部材１を雌部材３に所定の
矩離嵌入し、該雄部材１に形成されたフランジ状突条２
を雌部材３側に設けられた係止爪４に係止させる。この
際、同時に雌部材３の先端部3aは、上記ホルダー８の前
方側に形成された凹部９に入り込み、該凹部９に突出し
た状態で存在する確認部材10の脚部16を押圧し、該確認
部材10のＣ字状リング部15が再びホルダー８の環状突条
12を乗り越え、その係止が解除される。

ホルダー８との係止が解除された上記認定部材10は、第
７図に示すようにＣ字状リング部15が前記環状突条12を
乗り越える際、その内径が押し広げられることにより内
部に蓄積される歪エネルギーにより、ホルダー８からそ
の後方側に飛び出し、雄部材１が雌部材３に所定の矩離
嵌入し、その結合が完全になされたことを目視により確
認できる。

その後、確認部材10の撮み部17を持って撮み上げること
により、該確認部材10を雄部材１から取り除く。

本考案にかかる配管の擬似結合防止構造は、上述した如
く配管の連結手段２，４等とは別個に確認部材10を配管
に付属して設け、該確認部材10が配管の完全結合時にそ
の有する弾性によって飛び出すように構成したため、該
雄，雌両部材１，３が完全に結合されたことを目視によ
って確認でき、必要以上に配管に力を加えることがな
く、しかも完全に配管を連結させることができる。

また、上記実施例の如く雌部材３の先端部3aが、雄部材
１に装着されたホルダー８の凹部９に嵌入し得るように
構成すると、この部分においてもシール効果が発揮さ
れ、ゴミ等が管内に侵入するのを防止することができ
る。

さらに、実施例の如く確認部材10に、該確認部材10のＣ
字状リング部15のスリット14と対向する位置に撮み部17
を設けると、該撮み部17を持って撮み上げることにより
確認部材10を配管から容易に取り除くことができる。

以上、本考案の一実施例につき説明したが、本考案は既
述の実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的
思想に基づいて、各種の変形及び変更が可能である。

例えば、上記実施例においては、３本の脚部16を有する
確認部材10につき説明したが、該脚部16を増減させるこ
とは自由であり、また該脚部16を無くし、直接雌部材３
の先端部3aで確認部材10のＣ字状リング部15を押圧する
構成としても良い。

e.考案の効果 本考案にかかる配管の擬似結合防止構造によれば、配管
の結合が完全に行われたことを外部からの目視によって
容易に確認することができ、その結合作業性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものであって、第１図は
雄・雌両部材の連結部を示した半断面図、第２図は雄部
材側の分解斜視図、第３図及び第４図は、各々第２図の
Ａ−Ａ線及びＢ−Ｂ線に沿う断面図である。第５図〜第
７図は、雄・雌両部材の連結操作を説明した工程図であ
る。 １……雄部材、２……フランジ状突条、 ３……雌部材、４……係止爪、 ８……ホルダー、10……確認部材、 12……環状突条、15……Ｃ字状リング部、 16……脚部、17……撮み部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】雄部材を雌部材に所定の矩離嵌入すること
   によって両部材を互に結合させる構造の配管の擬似結合
   の防止構造において、上記雄部材に環状突条を有するホ
   ルダーを装着し、該ホルダーに前記環状突条を乗り越え
   係止する弾性体で形成されたＣ字状リング部を有する確
   認部材を配置し、該確認部材が上記雄部材を上記雌部材
   に上記所定の矩離嵌入した時点で前記雌部材の先端によ
   り押圧されるように構成し、該押圧力により前記確認部
   材のＣ字状リング部が上記ホルダーの環状突条を再び乗
   り越え前記係止が解除され、該確認部材が前記ホルダー
   から飛び出すように構成したことを特徴とする配管の擬
   似結合防止構造。