JPH0629212B2 - 2−(2−フルオロアルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン誘導体 - Google Patents

2−(2−フルオロアルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン誘導体

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JPH0629212B2
JPH0629212B2 JP61258305A JP25830586A JPH0629212B2 JP H0629212 B2 JPH0629212 B2 JP H0629212B2 JP 61258305 A JP61258305 A JP 61258305A JP 25830586 A JP25830586 A JP 25830586A JP H0629212 B2 JPH0629212 B2 JP H0629212B2
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光代 松本
三千代 鈴木
正子 大崎
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式 (式中、R1は水素原子または水酸基を表わし、R2及び
3は結合している炭素と一体となって環式あるいは非
環式アセタールを形成し、または、R2及びR3は一体と
なって酸素原子を表わす。)で表わされる2−(2−フ
ルオロアルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン誘導体に関する。
本発明の一般式(I)で表わされる2−(2−フルオロ
アルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン誘
導体は、ダウノサミン誘導体とのグリコシル化反応によ
り、優れた制癌活性を有する14−フルオロ−4−デメ
トキシダウノルビシンに導くことができる重要合成中間
体である。
〔従来の技術〕
優れた制癌剤の開発は社会の強力な要請であり、急務を
有する事項である。アドリアマイシンに代表されるアン
トラサイクリン誘導体は、その強力な制癌活性により制
癌剤として医薬における重要な位置をしめており、現在
までに数多くのアントラサイクリン誘導体が開発されて
いる。しかしながら、それらの誘導体は制癌活性と脱
毛、心筋毒性等の副作用の関連などにおいて、実際の癌
の治療に使用するには未だ不満足なものである。この事
からより優れた特徴的な制癌活性を示す新規なアントラ
サイクリン類縁体の開発が強く望まれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の背景にあって、本発明者らは、優れた制癌活性を
有する新規なアントラサイクリン類縁体を探索した結
果、新規な14−フルオロ−4−デメトキシダウノルビ
シンが強力な制癌活性を有することを見い出し本発明を
完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
前記一般式(I)で表わされる新規な2−(2−フルオ
ロアルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン誘導体は、以下の反応式に従い製造することができ
る。
(式中、R4及びR5は結合している炭素と一体となって
環式あるいは非環式アセタールを形成する。) 〔第1工程〕 本工程は(R)−2−アセチル−2,5,12−トリヒ
ドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−
6,11−ジオン(7−デオキシ−4−デメトキシダウ
ノマイシノン)(II)と臭素化剤を反応させ、反応成績
体として得られる2−ブロモアセチル体を、一般式 M−F −(III) (式中、Mは四級アンモニウムまたは金属原子を表わ
す。)で表わされるフッ化物と反応させることにより、
前記一般式(Ia)で表わされる(R)−2−(2−フ
ルオロアセチル)−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン(7−デオキシ−14−フルオロ−4−デメトキ
シダウノマイシノン)を製造するものである。
本発明の原料である前記一般式(II)で表わされる
(R)−2−アセチル−2,5,12−トリヒドロキシ
−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11
−ジオンは、(±)−2−アセチル−2,5,12−ト
リヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセ
ン−6,11−ジオンの光学活性アセタールによる光学
分割(K.Tamoto,et al.,Tetrah
edron,40,4167(1984)参照。)、ま
たは(R)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン−
2−カルボン酸からの変換(Y.Kimura,et
al.,Bull.Chem.Soc.Jpn.,
,415(1986)参照。)等により容易に合成で
きる化合物である。IIの臭素化に用いられる臭素化剤と
しては、臭素、ピリジニウムブロミドペルブロミド、フ
ェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド等が例示で
きる。反応は溶媒中で行うことが望ましく、反応溶媒と
しては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラ
ン等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる。反応温度
は、0℃〜50℃で円滑に進行する。
前記一般式(III)で表わされるフッ化物としては、フ
ッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化テトラエチルア
ンモニウムなどの四級アンモニウム塩、および、フッ化
リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化
セシウム、フッ化銀などが例示できる。また、IIの臭素
化で得られる2−ブロモアセチル体にフッ化を物反応さ
せる際、無機または有機酸あるいはその塩を共存させる
ことにより、目的物を収率よく得ることができる。使用
できる酸としては塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸など
の無機酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、
コハク酸、安息香酸、メタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機
酸が例示でき、また、これらの酸との塩としては、ピリ
ジン、トリブチルアミン、トリエチルアミンなどの塩基
から形成されるアンモニウム塩などが例示できる。本反
応は溶媒中で行うことが望ましく、溶媒としてはテトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジグライム
等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の非プロトン
性溶媒が好適である。反応は0℃〜100℃で円滑に進
行する。
〔第2工程〕 本工程は、第1工程で得られた(R)−2−(2−フル
オロアセチル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,
2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオ
ン(7−デオキシ−14−フルオロ−4−デメトキシダ
ウノマイシノン)(Ia)の2位のカルボニル基をアセ
タール基の形で保護し、アセタール体(Ib)を得るも
のである。アセタール化反応は、たとえば、トリメチル
シリルトリフレート存在下、トリアルコキシメタンを作
用させることによって行われる。トリアルコキシメタン
としては、トリメトキシメタン、トリエトキシメタン、
トリプロポキシメタンなどが例示できる。本工程は溶媒
中で行なうことが望ましく、メタノール、エタノール、
プロパノール等のアルコール系溶媒、塩化メチレン、
1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒,テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒、あるいは、これらの混合
溶媒が用いられる。反応温度は、0℃〜室温で円滑に進
行する。
また、ここで得られた非環式アセタール誘導体は、エチ
レングリコール、トリメチレングリコール、2,2−ジ
メチルプロパン−1,3−ジオールなどのジオール類を
用いて、酸触媒存在下、アセタール交換反応を行うこと
により、環式アセタール誘導体に効率よく導くことがで
きる。アセタール交換反応に用いられる酸触媒として
は、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの
スルホン酸、硫酸、塩酸などの無機酸が例示できる。ま
た、反応溶媒としては、塩化メチレン、1,2−ジクロ
ロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素系溶媒、または、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素系溶媒が好ましく用いられる。反応
温度は0℃〜100℃で円滑に進行する。
〔第3工程〕 本工程は、一般式(Ib)で表わされる化合物の4位を
臭素化し、得られた臭化物の水酸化物への変換、さら
に、アセタール基の除去により、一般式(Ic)で表わ
される(2S,4S)−2−(2−フルオロアセチル)
−2,5,4,12−テトラヒドロキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン(14
−フルオロ−4−デメトキシダウノマイシノン)を製造
するものである。
臭素化は、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒中、臭
素、N−ブロモコハク酸イミド、N−ブロモアセトアミ
ド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン
などを臭素化剤に用いて行われる。反応は0℃〜100
℃で円滑に進行する。臭化物を水酸基で置換する反応は
臭素化反応の反応液を0.1〜1.0Mのアルカリ水溶
液で処理することによって行われる。反応は0℃〜50
℃で円滑に進行する。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化バリウムなどの水溶液が例示できる。
アセタールの脱保護は、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、1,2−ジメトキシメタン等の溶媒中、酸性条件下
に行うことができる。酸性条件に用いられる酸として
は、塩酸、硫酸などが好ましく用いられる。反応は室温
〜100℃の間で行われる。
以下、参考例、実施例、試験例により本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、例中の略号の意味は次のとおりである。
THF:テトラヒドロフラン pNB:p−ニトロベンゾイル基 PPTS:ピリジニウムp−トルエンスルホネート 実施例1 (R)−7−デオキシ−4−デメトキシダウノマイシノ
ン204mg(0.578mmol)をTHF20mに
溶解し、ピリジニウムブロミドペルブロミド242mg
(0.756mmol)を加えて室温で2時間攪拌し
た。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、50%食塩水、
飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥した。溶媒を減圧下留去し、粗製の7−デオキシ−
14−ブロモ−4−デメトキシダウノマイシノンを燈色
粉末として得た。このものをTHF40mに懸濁し、
無水p−トルエンスルホン酸310mg(1.80mmo
l)、テトラブチルアンモニウムフルオリド−THF1
M溶液2.9m(2.90mmol)を順次加えて室
温で30分間攪拌した後、加熱還流を行った。1時間
後、テトラブチルアンモニウムフルオリド0.6mを
追加し、さらに3時間加熱還流を行った。冷却後、反応
混合物を50%食塩水中に注加し、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫
酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留去して得ら
れた赤色残渣239mgをカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル、ベンゼン−酢酸エチル20:1)を用いて精
製し、(R)−7−デオキシ−14−フルオロ−4−デ
メトキシダウノマイシノン149mg(69%)を朱色粉
末として得た。このものの一部をトルエンから再結晶し
て赤色針状結晶を得、分析用サンプルとした。
mp.251〜255℃. 〔α〕D 20−34.8°(c0.058,ジオキサ
ン). NMR(CDCl):δ=1.98〜2.22(2
H,m),2.80(1H,s),2.85〜3.28
(4H,m),5.44(2H,d,J=47Hz),
7.73〜7.96(2H,m),8.26〜8.52
(2H,m),13.50(2H,s). IR(KBr):3510,1735,1625,15
90cm-1. MS(m/e):370〔M〕,352,309. 元素分析値:C2015FO6として 計算値:C,64.87;H,4.08%. 分析値:C,64.78;H,4.17%. 実施例2 (R)−7−デオキシ−4−デメトキシダウノマイシノ
ン10.7mg(0.0304mmol)をTHF1m
に溶解し、ピリジニウムブロミドペルブロミド13.5
mg(0.0422mmol)を加えて室温で2.5時間
反応した。実施例1と同様に処理して得た粗製の7−デ
オキシ−14−ブロモ−4−デメトキシダウノマイシノ
ンを2mのTHFに溶解し、PPTS24.3mg
(0.0967mmol)、テトラブチルアンモニウム
フルオリド−1MTHF溶液0.18m(0.18m
mol)を順次加えて室温で30分間、次いで1時間加
熱還流した。実施例1と同様に処理し、得られた残渣を
カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン−酢
酸エチル20:1)にて精製して(R)−7−デオキシ
−14−フルオロ−4−デメトキシダウノマイシノン
6.1m(54%)を赤色固体として得た。このもの
のNMRスペクトルは、実施例1で得たものに一致し
た。
実施例3 (R)−7−デオキシ−14−フルオロ−4−デメトキ
シダウノマイシノン337mg(0.909mmol)を
塩化メチレン67mに懸濁し、オルトギ酸メチル2.
0m(18.3mmol)、トリメチルシリルトリフ
レート−ヘキサン1M溶液0.18m(0.18mm
ol)を加えて氷冷下30分間、室温で2時間攪拌し
た。反応液を飽和重曹水中に注加し、塩化メチレンで抽
出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫
酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留去し、赤色
固体残渣368mgをカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル、ベンゼン−酢酸エチル100:1)にて精製し
て、(R)−2−(2−フルオロ−1,1−ジメトキシ
エチル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン3
31mg(88%)を赤色粉末として得た。
mp.206.5〜209.5℃. NMR(CDCl):δ=1.62〜2.37(2
H,m),2.53(1H,s),2.60〜3.30
(4H,m),3.56(3H,s),3.60(3
H,s)4.62(2H,d,J=47Hz),7.72
〜7.95(2H,m),8.22〜8.57(2H,
m),13.53(1H,s),13.58(1H,
s). IR(KBr):3600,3470,1620,15
85cm-1. MS(m/e):416〔M〕,107. 実施例4 (R)−7−デオキシ−14−フルオロ−4−デメトキ
シダウノマイシノン4.5mg(0.0122mmo
l)、オルトギ酸メチル0.12m、THF1m、
メタノール0.5mの混合物に、触媒量のトリメチル
シリルトリフレートを加え、0℃で30分間、室温で2
2時間攪拌した。反応混合物を飽和重曹水中に注ぎ、塩
化メチレンで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウム上
で乾燥し、溶媒を減圧下留去して、粗製の(R)−2−
(2−フルオロ−1,1−ジメトキシエチル)−2,
5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタセン−6,11−ジオンを得た。このものを
ベンゼンに溶解し、エチレングリコール、触媒量のカン
ファースルホン酸を加えて18時間加熱還流を行った。
反応混合物を飽和重曹水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留去し、得られた
残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼ
ン−酢酸エチル20:1)を用いて精製して、(R)−
2−(2−フルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2
−イル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン
4.9mg(97%)を橙色固体として得た。
mp.218〜221.5℃. NMR(CDCl):δ=1.60〜2.48(2
H,m),2.06(1H,s),2.55〜3.33
(4H,m),4.02〜4.45(4H,m),4.
75(2H,d,J=48Hz),7.65〜8.00
(2H,m),8.24〜8.57(2H,m),1
3.51(1H,s),13.54(1H,s). IR(KBr):3460,1620,1590cm-1. MS(m/e):414〔M〕,105. 実施例5 (R)−2−(2−フルオロ−1,1−ジメトキシエチ
ル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン301mg
(0.722mmol)、クロロホルム30m、四塩
化炭素15m、水22.5mの混合物に臭素−四塩
化炭素0.067M溶液5.8mを加え、白色光照射
下、60℃油浴上で加熱還流を行った。15分後さらに
臭素溶液1.7mを加え、次いで5分毎に1.65m
ずつ4回、計14.1m(0.939mmol)を
加えて2時間反応を行った。冷却後、10%水酸化ナト
リウム水溶液1.5m(3.75mmol)を加えて
0℃で10分、さらに室温で25分間攪拌した。反応混
合物に1M塩酸3.8mを加えて中和した後、クロロ
ホルムで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留
去して得た赤色残渣をTHF30mに溶解し、濃塩酸
6mを加えて室内で16.5時間攪拌した。反応混合
物を水で希釈し、クロロホルムで抽出した。抽出液を
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル、ベンゼン−酢酸エチル20:
1→10:1)を用いて分離精製して、(+)−14−
フルオロ−4−デメトキシダウノマイシノン171mg
(61%)を朱色粉末として得た。このものをベンゼン
およびベンゼン−ヘキサン混合溶媒から再結晶して、分
析用サンプルを得た。
mp.129.5〜132℃. 〔α〕D 20+162°(c0.111,ジオキサン)N
MR(CDCl):δ=2.23(1H,dd,J=
14および5Hz),2.42(1H,dt,J=14お
よび2Hz),3.04(1H,d,J=19Hz),3.
27(1H,dd,J=19および2Hz),3.36
(1H,t,J=3Hz),4.63(1H,s),5.
33〜5.48(1H,m),5.57(2H,d,J
=48Hz),7.75〜8.02(2H,m),8.2
5〜8.53(2H,m),13.25(1H,s),
13.57(1H,s). IR(KBr):3450,1735,1620,15
85cm-1. MS(m/e):386〔M〕,368,350,3
07. 元素分析値:C2015FO7として 計算値:C,62.18;H,3.91%. 分析値:C,62.18;H,3.92%. 実施例6 (R)−2−(2−フルオロメチル−1,3−ジオキソ
ラン−2−イル)−2,5,12−トリヒドロキシ−
1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
ジオン4.9mg(0.0118mmol)、クロロホル
ム1m、四塩化炭素0.5m、水0.8mの混合
物に、臭素−0.067M四塩化炭素溶液0.23m
(0.0153mmol)を4回に分けて加え、60W
タングステンランプ照射下70分間加熱還流した。冷却
後、0℃にて10%水酸化ナトリウム水溶液0.03m
(0.075mmol)を加え、同温度で15分間、
さらに室温で10分間攪拌した。1M塩酸で中和した
後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を
減圧下留去して得た赤色残渣を次いでTHF1mに溶
解し、濃塩酸2mを加えて16.5時間加熱還流を行
った。反応混合物を水で希釈し、クロロホルムで抽出し
た。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をカ
ラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ベンゼン−酢酸
エチル20:1→10:1)を用いて分離精製して、
(+)−14−フルオロ−4−デメトキシダウノマイシ
ノン0.6mg(13%)を朱色粉末として得た。このも
ののNMRスペクトルは実施例5で得たものに一致し
た。
参考例1 2,3,6−トリデオキシ−1,4−ジ−O−p−ニト
ロベンゾイル−3−トリフルオロアセトアミド−α−L
−リキソヘキソピラノース108mg(0.199mmo
l)、モレキュラーシーブス4A803mg、塩化メチレ
ン10m、エーテル8mの混合物に、アルゴン雰囲
気下、−40℃にてトリメチルシリルトリフレート0.
08m(0.414mmol)を加え、氷冷下、40
分間攪拌した。次いで反応液を−20℃に冷却し、
(+)−14−フルオロ−4−デメトキシダウノマイシ
ノン43.4mg(0.112mmol)のTHF溶液6
mを滴下して、−10℃〜−15℃で5.5時間反応
した。反応混合物を飽和重曹水−酢酸エチル混合溶液中
に注加し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥したの
ち、溶媒を減圧下留去して、粗製のグリコシドを得た。
このものを、次にメタノール100mに溶解し、氷冷
下0.1M水酸化ナトリウム水溶液2.0mを加え
て、同温度で20分間攪拌した。10%酢酸で中和した
のち、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を
水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥し、溶媒を減圧下留去して赤色残渣を得た。カラム
クロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム→クロ
ロホルム−アセトン30:1)を用いて分離精製し、
(+)−3′−N−トリフルオロアセチル−14−フル
オロ−4−デメトキシダウノルビシン62.6mg(91
%)を橙色粉末として得た。
mp.161〜163.5℃. 〔α〕D 20+173°(c0.133,ジオキサン). NMR(CDCl):δ=1.33(3H,d,J=
6Hz),1.65〜2.20(2H,m),2.27
(1H,dd,J=15および5Hz),2.40(1
H,dt,J=15および2Hz),3.12((1H,
d,J=19Hz),3.37(1H,dd,J=19お
よび2Hz),3.71(1H,dd,J=9および3H
z),4.06〜4.40(2H,m),4.44(1
H,s),5.37(1H,t,J=4Hz),5.57
(2H,d,J=48Hz),5.58(1H,d,J=
3Hz),6.71(1H,d,J=9Hz),7.78〜
8.03(2H,m),8.30〜8.54(2H,
m),13.36(1H,s),13.67(1H,
s). IR(KBr):3450,1740,1720,16
25,1590cm-1. MS(m/e):611〔M〕,386,368,3
50,307. 元素分析値: C2625NO10・0.75HOとして 計算値: C,53.81;H,4.27;N,2.24%. 分析値: C,53.78;H,4.18;N,2.36%. 参考例2 (+)−3′−トリフルオロアセチル−14−フルオロ
−4−デメトキシダウノルビシン22.9mg(0.03
75mmol)をTHF0.45mに懸濁し、0.0
5M水酸化ナトリウム水溶液3.8mを加えて室温で
40分間攪拌した。反応混合物を1M塩酸を用いてpH9
に調整し、クロロホルムで抽出した。抽出液を水で洗浄
し、無硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧下約2
mに濃縮し、0.25M塩酸−メタノール溶液0.7
5mを加えた後に約30mのエーテルを加えて沈殿
を析出させた。上清をデカンテーションによって除き、
さらにエーテルでトリチュレートすることにより、
(+)−14−フルオロ−4−デメトキシダウノルビシ
ン塩酸塩4.8mg(23%)を橙色粉末として得た。
mp.231〜235℃. 〔α〕20 D+122°(c0.082,メタノール). NMR((CDSO):δ=1.17(3H,
d,J=6.6Hz),1.69(1H,dd,J=1
2.5および4.1Hz),1.89(1H,dt,J=
12.5および3.3Hz),2.15(1H,dd,J
=14.1および5.4Hz),2.23(1H,d,J
=14.1Hz),2.94(1H,d,J=18.4H
z),3.12(1H,d,J=18.4Hz),3.5
6(1H,brd,J=6.0Hz),4.17(1H,
q,J=6.6Hz),4.99(1H,dd,J=5.
4および3.0Hz),5.31(1H,brd,J=
3.3Hz),5.46(1H,d,J=6.0Hz),
5.58(1H,dd,J=47.3および17.5H
z),5.62(1H,dd,J=47.3および1
7.5Hz),5.66(1H,s),7.97〜8.0
4(2H,m),8.27〜8.34(2H,m). IR(KBr):3450,1740,1625,15
90cm-1. 試験例(癌細胞増殖阻害作用) マウスリンパ性白血病培養細胞(p388)を10%仔
牛胎児血清含有のRPMI−1640培養液に加え、培
養細胞数を5×104個/mに調整し、本発明の新規
14−フルオロ−4−デメトキシダウノルビシン塩酸塩
を所定の濃度となるように添加し、37℃で2日間培養
した。コールターカウンターを用い、浮遊細胞数を計数
して、対照区に対する増殖阻害率から、50%細胞増殖
阻害濃度IC50を求めた結果を表1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 15/252 審査官 脇村 善一 (56)参考文献 特開 昭57−42649(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は水素原子または水酸基を表わし、R2及び
    3は結合している炭素と一体となって環式あるいは非
    環式アセタールを形成し、または、R2及びR3は一体と
    なって酸素原子を表わす。)で表わされる2−(2−フ
    ルオロアルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−
    1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−
    ジオン誘導体。
JP61258305A 1986-10-31 1986-10-31 2−(2−フルオロアルキル)−2,5,12−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタセン−6,11−ジオン誘導体 Expired - Lifetime JPH0629212B2 (ja)

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