JPH0570452A - 光学活性化合物の製造法 - Google Patents

光学活性化合物の製造法

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JPH0570452A
JPH0570452A JP25868591A JP25868591A JPH0570452A JP H0570452 A JPH0570452 A JP H0570452A JP 25868591 A JP25868591 A JP 25868591A JP 25868591 A JP25868591 A JP 25868591A JP H0570452 A JPH0570452 A JP H0570452A
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清 川村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光学活性な3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキ
シ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランに四級ア
ンモニウム塩の存在下、光学活性なグリシドールを反応
させて光学活性な3,4−ジヒドロ−8−(2,3−ジ
ヒドロキシプロポキシ)−3−ニトロキシ−2H−1−
ベンゾピランを得、このものにチオニルハライドを反応
させ、次いで塩化ルテニウムの存在下にメタ過ヨウ素酸
ナトリウムで酸化し、更にイソプロピルアミンを反応さ
せた後、含水硫酸を作用させる。 【効果】 ラセミ化がほとんど認められない光学活性な
ニプラジロールが高収率で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、循環系薬剤として有用
な光学活性なニプラジロールの新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】ニプラジロールは下記
の式で表され、高血圧、狭心症などの循環系疾患の治療
剤として有用である(特公昭60−54317号及び特
公平1−53245号各公報参照)。
【化1】
【0003】この化合物はベンゾピランの第3位及び側
鎖の第2位に不斉炭素原子を有するため、4種の光学異
性体、すなわち(2′S),(3R)−化合物、(2′
S),(3S)−化合物、(2′R),(3R)−化合
物及び(2′R),(3S)−化合物が存在すること、
それらのβ−遮断作用及び血管拡張作用の強さがそれぞ
れ異なるため、患者の症状に合わせて使い分けることが
できることが知られている(特開昭60−208973
号公報参照)。
【0004】これら光学異性体の製造法としては、グリ
シジルエーテルを経由する方法が知られている(例え
ば、特開昭60−208973号、特開平2−2566
72号等の公報参照)が、何れも反応工程が複雑である
か、光学純度が低い等の欠点を有しており、工業的に実
施する為には困難を伴う。本発明の目的化合物に類似し
た化合物の不斉合成方法としてジオールを経由する下記
の方法が知られているが、副反応、ラセミ化、低収率な
どの欠点を有している。
【0005】(1)ジオールの製造: J.Org.Chem.51,3710−3712
(1986)
【化2】 この方法によれば、フェノール体を無機強塩基である水
素化ナトリウムでナトリウム塩とすることが必要であ
り、本発明のように塩基に弱いフェノール体を原料とす
る場合には、副反応が問題となる。
【0006】 Agric.Biol.Chem.4
6(5),1153−1157(1982)
【化3】 この方法は前記方法と同様に、塩基に弱いフェノール体
を用いる場合は、副反応の問題がある。また記載されて
いる収率も非常に低い(52%)。
【0007】 特開昭63−502585号
【化4】 この方法も前記二方法と同様に副反応の問題がある。
【0008】(2)ジオールから目的物の製造: Chem.Pharm.Bull.29(12),
3593−3600(1981)
【化5】 この方法によれば、使用するメシルクロリドないしトシ
ルクロリドが選択性が高い試薬ではない為に、ジアシル
体がかなり生成すること、さらに目的とするモノアシル
体の他に生成する不要なモノアシル体(2級アルコール
のアシル体)を完全に除去できない場合は、光学純度の
低下をひき起こす。
【0009】 特開昭63−502585号
【化6】 この方法によれば、ジオール体からアリールオキシプロ
パノールアミンが短工程で得られるが、クロル化後に副
成する多量のトリフェニルホスフィンオキシドを除去す
る必要があること、またエポキシ体製造工程は強い塩基
条件下で行う為、本発明の目的化合物のように強い塩基
条件下では不安定な骨格を有する化合物への適用は副反
応の問題がある。更に、この方法は収率が低いので、工
業的生産には問題がある。
【0010】 Agric.Biol.Chem.4
6(5),1153−1157(1982)
【化7】 この方法のブロモヒドリンを得る工程は、臭化水素/酢
酸条件で行われているが、アリール基中に電子供与性基
を有する本発明のジオール化合物への適用においては、
核にブロム基が導入されるため、この方法を用いること
ができない。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記の欠
点を解決するため、種々検討した結果、下記に示す方法
が、全工程を通じて高収率かつラセミ化が殆ど認められ
ない優れた光学活性なニプラジロールの製造法であるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0012】本発明は、光学活性な3,4−ジヒドロ−
8−ヒドロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピ
ランに四級アンモニウム塩の存在下、光学活性なグリシ
ドールを反応させて光学活性な3,4−ジヒドロ−8−
(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−3−ニトロキシ
−2H−1−ベンゾピランを得、このものにチオニルハ
ライドを反応させ、次いで塩化ルテニウムの存在下にメ
タ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化し、更にイソプロピルア
ミンを反応させた後、含水硫酸を作用させることを特徴
とする、光学活性なニプラジロールの製造法に関する。
【0013】本発明のうち、例えば(2′R),(3
R)−ニプラジロールの製造法を式示すると、下記のと
おりである。
【化8】 上記反応は、対応する光学活性な原料を用いることによ
り他の異性体の合成に適用することができる。すなわ
ち、化合物(1)のR体と化合物(2)のS体を用いる
と、(2′S),(3R)−ニプラジロールが、化合物
(1)のS体と化合物(2)のR体を用いると、(2′
R),(3S)−ニプラジロールが、化合物(1)のS
体と化合物(2)のS体を用いると、(2′S),(3
S)−ニプラジロールが得られる。
【0014】以下に(2′R),(3R)体を例とし
て、上記各反応について詳述する。 (I)(3R)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−
3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピラン(1)に四級
アンモニウム塩触媒の存在下、(R)−グリシドール
(2)を反応させると3,4−ジヒドロ−8−[(2
R),3−ジヒドロキシプロポキシ]−(3R)−ニト
ロキシ−2H−1−ベンゾピラン(3)が得られる。四
級アンモニウム塩としてはテトラ低級アルキルアンモニ
ウムハライドが好ましく、テトラブチルアンモニウムブ
ロミドが特に好ましい。化合物(1)及び(2)を触媒
と共に溶媒の存在下又は非存在下に0.5乃至10時
間、室温乃至150℃で反応させることによって化合物
(3)が生成する。溶媒としては、例えばテトラヒドロ
フラン、ジオキサン、クロロホルム、酢酸エチル、アセ
トン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等を用いることができるが、
原料化合物の混合物をそのまま加熱することによっても
反応は進行する。反応生成物の分離精製は通常の方法を
適用することができる。
【0015】(II)化合物(3)にチオニルハライドを
反応させると環状亜硫酸エステル(4)が生成する。こ
のとき用いるチオニルハライドとしては、チオニルクロ
ライドが特に好ましい。反応は溶媒中で塩基の存在下又
は非存在下で行うことができる。溶媒としては、例えば
塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化エチレ
ン等のハロゲン化炭化水素の他、酢酸メチル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどが用いられ、塩基として
は、例えばトリエチルアミン、ピリジン、ルチジン、N
−メチルピペリジン等の有機アミンなどが用いられる。
反応は塩基を用いる場合は低温下で行うことが好まし
く、例えば氷水冷却下に行うことが特に好ましい。ま
た、塩基を用いない場合は40乃至100℃で行うのが
好ましい。生成物の分離精製は通常の方法を利用するこ
とができる。
【0016】(III) 化合物(4)を塩化ルテニウム触
媒の存在下にメタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化すると、
環状硫酸エステル(5)が得られる。塩化ルテニウムと
しては、三塩化ルテニウム1〜3水和物を用いることが
好ましい。反応は溶媒中で化合物(4)、触媒及び酸化
剤を攪拌することにより進行する。溶媒としては、アセ
トニトリル−四塩化炭素−水の混合溶媒が特に好まし
い。反応は低温下で数分乃至数時間で完了する。生成物
の分離精製は通常の方法で行うことができる。なお化合
物(4)は、前記(II)において、塩基を使用しない反
応条件で合成後、分離精製することなく、直ちに本反応
を行うことができる。
【0017】(IV)化合物(5)にイソプロピルアミン
を反応させた後、硫酸を作用させることにより、目的の
(2′R),(3R)−ニプラジロールが得られる。化
合物(5)とイソプロピルアミンとの反応は、両化合物
を溶媒中で、10乃至100℃にて数分乃至数時間攪拌
することによって進行する。反応終了後、生成化合物は
単離することなく次の工程に用いることが好ましい。す
なわち、上記反応の反応混合物に含水硫酸を加えて、0
乃至100℃で1乃至10時間更に攪拌することにより
目的化合物(7)を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】実施例1 (a)3,4−ジヒドロ−8−[(2R),3−ジヒド
ロキシプロポキシ]−(3R)−ニトロキシ−2H−1
−ベンゾピラン(3)の製造:(3R)−3,4−ジヒ
ドロ−8−ヒドロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベ
ンゾピラン(1)1.08g、(R)−グリシドール
(2)0.755g及びテトラブチルアンモニウムブロ
ミド0.082gの混合物を65℃にて2時間加熱攪拌
した。反応混合物を酢酸エチルに溶解し、1.5N N
aOH、次いで飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウム
にて乾燥した後、溶媒を留去し、残渣をアセトン−ヘキ
サンから再結晶すると無色針状晶の目的化合物(3)
1.28g(収率87.7%)が得られた。
【0020】m.p.131℃ 〔α〕n 22 +14.1°(c=0.83,MeOH) IR値:νmax,KBr,cm-1 3489,1640,1633,1277 1 H−NMR値:δ CD3 OD,ppm 2.92−3.40(2H,m,C4 −H),3.64
−3.72(2H,m,CH2 OH),3.92−4.
10(3H,m,OCH2 CHOH),4.18−4.
52(2H,m,C2 −H),5.50−5.58
(H,m,C3 −H),6.66−6.75(H,m,
Ar−H),6.80−6.86(2H,m,Ar−
H) 元素分析値 : C1215NO7 として C H N 計算値 : 50.53 5.30 4.91 実測値 : 50.53 5.31 4.63
【0021】(b)3,4−ジヒドロ−(3R)−ニト
ロキシ−8−[[(4S)−2−オキソ−4−(1,
3,2−ジオキサチオラニル)]メトキシ]−2H−1
−ベンゾピラン(4)の製造:(a)で得られた化合物
(3)1.00gを塩化メチレン10mlに懸濁し、氷
水冷却攪拌下、トリエチルアミン1.42gを加えたの
ち、塩化チオニル0.63gの塩化メチレン1ml溶液
を5分間要して滴下した。同温度で30分間反応の後、
酢酸エチル及び飽和食塩水を加えて抽出した。酢酸エチ
ル層を分取し、水次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、淡
褐色油状物を得た。更に、酢酸エチル−ヘキサンから再
結晶すると、無色針状晶の目的化合物(4)1.02g
(収率87.8%)が得られた。
【0022】m.p.111〜113℃ 〔α〕D 22 −8.5°(c=3.0,CHCl3 ) IR値:νmax,KBr,cm-1 1620,1486,1277,1208,1110,
855 1 H−NMR値:δ CDCl3 ,ppm 2.98−3.37(2H,m,C4 −H),3.98
−4.58(4H,m,CH2 OAr and C2
H),4.67−5.02(2H,m,CH2 OS
2 ),5.26−5.35(1H,m,CHOS
2 ),5.42−5.50(1H,m,C3 −H),
6.74−6.92(3H,m,Ar−H) 元素分析値 : C1213NO8 Sとして C H N S 計算値 : 43.51 3.95 4.23 9.68 実測値 : 43.58 4.09 4.23 9.74
【0023】(c)3,4−ジヒドロ−8−[[(4
S)−2,2−ジオキソ−4−(1,3,2−ジオキサ
チオラニル)]メトキシ]−(3R)−ニトロキシ−2
H−1−ベンゾピラン(5)の製造:(b)で得られた
化合物(4)1.20gのアセトニトリル12ml溶液
に、四塩化炭素12ml及び水16mlを加えた後、氷
水冷却攪拌下、メタ過ヨウ素酸ナトリウム1.55g及
び三塩化ルテニウム三水和物5mgを加え、1時間反応
させた。反応後、水及びクロロホルムを加えて抽出し、
有機溶媒層を分取、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムにて乾燥した。溶媒を留去し残渣を酢酸エチル
−ヘキサンから再結晶すると、無色針状晶の目的化合物
(5)1.13g(収率89.8%)が得られた。
【0024】m.p.115℃ 〔α〕D 21 +15.1°(c=3.0,CHCl3 ) IR値:νmax,KBr,cm-1 1630,1483,1388,1280,1213,
870 1 H−NMR値:δ CDCl3 ,ppm 2.96−3.38(2H,m,C4 −H),4.24
−4.50(4H,m,CH2 OAr and C2
H),4.73−4.92(2H,m,CH2 OS
2 ),5.22−5.34(1H,m,CHOS
2 ),5.43−5.52(1H,m,C3 −H),
6.77−6.93(3H,m,Ar−H) 元素分析値 : C1213NO9 Sとして C H N S 計算値 : 41.50 3.77 4.03 9.23 実測値 : 41.54 3.88 4.05 9.11
【0025】(d)3,4−ジヒドロ−8−[(2R)
−ヒドロキシ−3−(イソプロピルアミノ)プロポキ
シ]−(3R)−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピラン
(7)[(2′R),(3R)−ニプラジロール]の
製造:(C)で得られた化合物(5)1.14gのテト
ラヒドロフラン17ml溶液に、イソプロピルアミン
1.94gを加えて室温にて30分間攪拌した。反応物
を減圧濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン30mlに溶
解した後、含水硫酸(c.H2 SO4 ,2.5ml :
2 O,1.0ml)2.3gを加え室温にて2時間
攪拌した。炭酸カリウム水溶液を加えてpH9とした
後、テトラヒドロフランの大部分を減圧留去し、残留物
にクロロホルム及び水を加えて抽出した。クロロホルム
層を分取し、水洗の後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し
た。溶媒を留去し残渣をアルミナカラムクロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=50:1)に付して
目的化合物(7)の粗結晶を得た。これを酢酸エチルよ
り再結晶すると、無色針状晶の純品0.99g(収率9
2.4%)が得られた。
【0026】mp.140.0〜140.5℃ 〔α〕D 22 +14.5°(c=3.0,CHCl3 ) IR値:νmax,KBr,cm-1 1617,1485,1279,1219 1 H−NMR値:δ CDCl3 ,ppm 1.09(6H,d,J=6.4 Hz,CH3 ×
2),2.20−2.50(2H,br s,NH a
nd OH),2.70−2.91(3H,m,CH2
NHCH),2.94−3.35(2H,m,C4
H),3.95−4.07(3H,m,OCH2
H),4.24−4.47(2H,m,C2 −H),
5.41−5.48(1H,m,C3 −H),6.67
−6.90(3H,m,Ar−H) 元素分析値 : C15222 6 として C H N 計算値 : 55.21 6.79 8.58 実測値 : 55.29 6.81 8.55
【0027】実施例2 化合物(3)から化合物(5)の直接合成:化合物
(3)1.00gをクロロホルム5mlに懸濁し、氷水
冷却攪拌下塩化チオニル0.63gのクロロホルム1m
l溶液を加えた後、浴温75℃にて40分間加熱還流し
た。反応液を氷水冷却し、アセトニトリル4.5mlメ
タ過ヨウ素酸ナトリウム1.50g、三塩化ルテニウム
三水和物10mg及び水6mlを加えた後、同温度で3
0分攪拌した。反応後、水及びクロロホルムを加え有機
溶媒層を分取し、亜硫酸水素ナトリウムの希薄水溶液、
次いで食塩水にて洗浄後無水硫酸ナトリウムにて乾燥。
溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム)に付し化合物(5)を無色結晶として
1.02g(収率83.7%)得た。ここで得られた化
合物(5)の物性は、実施例1(C)で得られたものと
一致した。
【0028】実施例3 化合物(5)から化合物(7)の直接合成:化合物
(5)0.60gのメタノール4.0ml及びテトラヒ
ドロフラン2.0mlの混合溶媒溶液にイソプロピルア
ミン308mgを加え室温にて1時間攪拌した。反応
後、含水硫酸(c.H2SO4,2.5ml : H2O,1.0ml )2.90
gを加え浴温55℃にて1時間反応した。炭酸カリウム
水溶液を加えてpH9とした後、有機溶媒の大部分を減圧
留去し、残留物にクロロホルム及び水を加えて抽出。ク
ロロホルム層を分取し、水洗の後無水硫酸ナトリウムに
て乾燥。溶媒を留去し残渣をアルミナカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)に付
し化合物(7)の粗結晶を得た。このものを酢酸エチル
より再結晶すると、無色針状晶の純品0.51g(収率
90.4%)が得られた。ここで得られた化合物(7)
の物性は、実施例1(d)で得られたものと一致した。
【0029】実施例4 (3R)−3,4−ジヒドロ−8−ヒドロキシ−3−ニ
トロキシ−2H−1−ベンゾピラン()に(S)−グ
リシドールをテトラブチルアンモニウムブロミド触媒
下、実施例1−(a)と同様に反応させ、3,4−ジヒ
ドロ−8−[(2S),3−ジヒドロキシプロポキシ]
−(3R)−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランを得
た。これに実施例1−(b)〜(d)の反応を適用する
ことにより(2′S),(3R)−ニプラジロールが得
られた。
【0028】mp.105−105.5℃ 〔α〕D 23 +15.3°(c=3.0,CHCl3) IR値:νmax,KBr,cm-1 1630,1486,1276,1220 1 H−NMR値:δ CDCl3 ,ppm 1.08(6H,d,J=6.1 Hz,CH3 ×
2),1.60−2.45(2H,br s,NH a
nd OH),2.70−2.92(3H,m,CH2
NHCH),2.94−3.36(2H,m,C4
H),3.95−4.08(3H,m,OCH2
H),4.23−4.48(2H,m,C2 −H),
5.40−5.50(1H,m,C3 −H),6.68
−6.90(3H,m,Ar−H) 元素分析値 : C15222 6 として C H N 計算値 : 55.21 6.79 8.58 実測値 : 55.34 6.70 8.60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性な3,4−ジヒドロ−8−ヒド
    ロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランに四
    級アンモニウム塩の存在下、光学活性なグリシドールを
    反応させて光学活性な3,4−ジヒドロ−8−(2,3
    −ジヒドロキシプロポキシ)−3−ニトロキシ−2H−
    1−ベンゾピランを得、このものにチオニルハライドを
    反応させ、次いで塩化ルテニウムの存在下にメタ過ヨウ
    素酸ナトリウムで酸化し、更にイソプロピルアミンを反
    応させた後、含水硫酸を作用させることを特徴とする、
    光学活性なニプラジロールの製造法。
  2. 【請求項2】 (3R)−3,4−ジヒドロ−8−ヒド
    ロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾベンゾピラ
    ン及び(R)−グリシドールを用いて(2′R),(3
    R)−ニプラジロールを製造する請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】 (3R)−3,4−ジヒドロ−8−ヒド
    ロキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピラン及び
    (S)−グリシドールを用いて(2′S),(3R)−
    ニプラジロールを製造する請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 四級アンモニウム塩がテトラ低級アルキ
    ルアンモニウムハライドである請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 四級アンモニウム塩がテトラブチルアン
    モニウムブロミドである請求項1又は4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 チオニルハライドがチオニルクロライド
    である請求項1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 塩化ルテニウムが三塩化ルテニウム1〜
    3水和物である請求項1記載の製造法。
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JP2006315993A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Tokuyama Corp ジヒドロベンゾピラン化合物の製造方法
CN113185384A (zh) * 2021-04-23 2021-07-30 渭南畅通药化科技有限公司 一种高纯度无气味的氯苯甘醚合成方法

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