JPH062908Y2 - 簡易重箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、熱可塑性合成樹脂からなる薄底板に発泡合成
樹脂の帯状板からなる縁枠の端面を接合した単位箱体を
複数積み重ねた使い捨て簡易重箱に関する。

〔従来の技術〕

従前、使い捨ての食品用簡易容器として発泡樹脂材料を
一体成形した発泡プラスチック製容器が用いられてい
た。

ところが、この容器は成形上壁部を垂直に成形するのが
不可能であり、壁面、底面の厚みが厚く収納容積の割に
外形が大きくなり、しかも、強度が弱く、さらには外観
も良くない。

この従前の使い捨て容器の欠点を解消するために、本考
案者は先に実公昭59-11888号公報において記載の、上面
に区画壁を設けた一体成形の緻密質熱可塑性合成樹脂か
らなる薄底板に、発泡合成樹脂からなる帯状材の縁枠を
熱接合した容器を提供した。

この接合型の使い捨て簡易容器は、外観もよく、適度の
強度を有し、さらには、外形なりの食品収納空間を形成
できるため、近年その需要は急激に伸びつつある。

〔考案が解決しようとする課題〕

この需要の中で、この種の接合型の使い捨て簡易容器に
おいて、食生活の多様化により、おせち料理の場合のよ
うに多種類のおかず類を多く収納し、そのままの状態で
食に供することができる簡易重箱のニーズが高まって来
た。

しかしながら、上記接合型の使い捨て簡易容器を単に積
み重ねただけでは、積み重ね容器相互間の結合関係が維
持できず、また、積み重ねのための結合材を別途に設け
たのでは、構造も複雑となり取扱いも不便となって簡易
容器としての意味を成さなくなる。

本考案において解決すべき課題は、上記公報にも記載の
接合型の使い捨て簡易容器の基本構成を何等変更するこ
となく、この簡易容器を重ね合わせてもそれなりの強度
が得られ、比較的簡単に重合状態を得る簡易重箱を完成
することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、熱可塑性合成樹脂からなる薄底板に発泡合成
樹脂の帯状材からなる縁枠の端面を接合した単位箱体を
複数積み重ねた簡易重箱において、同単位箱体の縁枠を
内縁枠とし、同内縁枠の外面に同内縁枠と略同じ幅を有
する外縁枠をその上端縁を内縁枠の上端縁よりずらせて
外嵌して、前記内縁枠の上端縁外面に段差を形成して嵌
合凸部を形成すると共に前記内縁枠の下端縁外面に外縁
枠によって突出部を有する嵌合凹部で段差を形成してな
り、且つ、それぞれの単位箱体の嵌合凸部と嵌合凹部と
を嵌合せしめてなることを特徴とする簡易重箱である。

〔作用〕

外縁枠が重箱としての補強材として作用し、単位箱体の
上端の段差と下端部の突出がそのまま上下の単位箱体の
嵌合部として利用されるばかりではなく、使用時に各単
位箱体を重箱から取り出した場合、外縁枠を前記内縁枠
の下端より下方への突出部が簡易容器自体の安定と強度
の増大に寄与し、とくに野外での使用に好適に使用でき
ることになる。

また、単位箱体の製造過程で、単位箱体の内縁枠の幅と
外縁枠との幅が同一であるため、重箱としても各段の箱
体の製造工程がそのまま適用できるので、通常の簡易容
器の製造工程を一工程付加しただけで簡単に製造でき
る。

〔実施例〕

以下に、本考案の特徴を実施例によって具体的に説明す
る。

第１図は、第３図及び第４図で示す三段重ねの重箱を上
から順次、蓋２、上中段の単位箱体1a，1b及び下段の単
位箱体1cに一部分離して示すものである。

第2a図及び第2b図で示すように、例えば単位箱体1bは、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の非発
泡の熱可塑性合成樹脂を成形加工して区画壁7bを設けた
底板4bの外周縁上面に、ポリスチレンボード等の発泡合
成樹脂の帯状材からなる内縁枠５の下面を接合して形成
した単位箱体３と発泡合成樹脂の帯状材からなる外縁枠
6aとから形成される。第2b図で示すように、単位箱体３
の内縁枠５に前記内縁枠と略同じ高さを有する外縁枠6a
を外嵌して、前記内縁枠５の上端縁外面に段差を有する
嵌合凸部８を形成し、且つ内縁枠５の下端縁に外縁枠6a
の下端を突出した嵌合凹部９を生成した積み重ね用の単
位箱体1bを得る。

第３図において、単位箱体1aは異なった形状の二条の平
行な低い区画壁7aを設けた底板4aを除いては、単位箱体
1bと同一の外形を有する。

また、単位箱体1cは重箱の最下段を形成するもので、そ
の外縁枠6bの下縁に「足くり」10を形成し、これによっ
て、重箱としての豪華なイメージを創りだすことができ
る。

重箱を構成する各単位箱体は以上のような構造を有する
ものであるから、第１図及び第４図に示すように、単位
箱体1a,1b,1cは、それぞれの箱の内縁枠５と外縁枠6aま
たは6bとの段差によって形成された嵌合凸部８及び嵌合
凹部９により、相互に嵌合して積重ねることが可能であ
る。

単位箱体1a,1b,1cは外縁枠6aまたは6bと内縁枠５との二
重壁構造を有しており、且つ正四角形その他の無駄のな
いコンパクトな形状を有するので、極めて丈夫であり、
食品を収納したそれぞれの箱を手に持っても変形が極め
て少ない。従って、これらの箱を積重ねても殆ど変形を
生じない。

以上、本考案の簡易重箱を三段重ねのものについて説明
したが、それ以上の段数のものとすることもできる。ま
た、最も普遍的な四角形の重箱について説明したが、そ
の他の多角形、円形等の変わった外形を有する重箱を形
成することもできる。

更に、本考案の簡易重箱は、各単位箱体1a,1b,1cと蓋２
とを組合わせることによって、それぞれ個々の箱、即ち
独立の容器として利用することもできる。

〔考案の効果〕

本考案の簡易重箱は、外周が二重壁構造となっており、
簡単な構造で且つ軽量でありながらきわめて丈夫であ
る。外壁部は直立した壁部を有し、印刷等により模様等
も施せるので美しい見栄えを有する。加えて、製造が容
易なため安価に供給できるという顕著な効果を奏するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の簡易重箱を一部分離して示す断面図、
第2a図は組立中の箱を示す斜視図、第2b図は組立てられ
た箱を一部切欠いて示す斜視図、第３図は簡易重箱を各
箱に分離して示す斜視図、第４図は同じく重合した状態
で示す斜視図である。 1a,1b,1c：単位箱体、２：蓋 ３：単位箱体、4a,4b：底板 ５：内縁枠、6a,6b：外縁枠 7a,7b：区画壁、８：嵌合凸部 ９：嵌合凹部、10：足くり

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱可塑性合成樹脂からなる薄底板に発泡合
   成樹脂の帯状材からなる縁枠の端面を接合した単位箱体
   を複数積み重ねた簡易重箱において、同単位箱体の縁枠
   を内縁枠とし、 同内縁枠の外面に同内縁枠と略同じ幅を有する外縁枠を
   その上端縁を内縁枠の上端縁よりずらせて外嵌して、 前記内縁枠の上端縁外面に段差を形成して嵌合凸部を形
   成すると共に前記内縁枠の下端縁外面に外縁枠によって
   突出部を有する嵌合凹部で段差を形成してなり、 且つ、それぞれの単位箱体の嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌
   合せしめてなる簡易重箱。