JPH0318342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 この考案は包装容器に関する。より詳しくは合
成樹脂シート製の容器であつて特に食品収納に適
する包装容器に関する。

〈従来技術〉 従来より合成樹脂シート製の包装容器にあつて
は、種々のものが提供されており、折箱容器や皿
状のトレーは食品収納用の簡易容器として代表的
なものであり広く普及している。

ところで、上記折箱容器は、食品を収納した後
においてもこれを多段に安定良く積み重ねできる
ので、一時的な保管に際してその保管スペースが
少なくて済むという利点がある反面、店頭におけ
る陳列の際に周側枠が邪魔になつて収納食品の鮮
度等の確認を行い難いという問題がある。また容
器の組立形成が面倒である。

一方、皿状のトレーは収納食品の鮮度等の確認
を一見して行ない得ると共に、製造を容易である
反面、食品を収納した場合、食品がトレー上方よ
り突出するのが通例であるから、これを多段に積
み重ね難く、保管スペースを多く必要とするとい
う問題がある。またラツプ包装した場合、ラツプ
が収納食品に直接触れて収納食品が付着したり、
部分的に収納食品が潰れたりする不都合もある。

〈目的〉 この考案は上記問題点に鑑みてなされたもので
あり、折箱容器の長所とトレーの長所とを兼ね備
えると共にそれぞれの短所を解消できる包装容器
を提供することを目的とする。

〈構成〉 かかる目的を達成するためのこの考案の包装容
器の構成としては、底板の外周辺のうち、対向す
る１対の辺にはそれぞれ起立片を連設起立させ、
他方の辺には起立片を連設せずに開放状態となし
た合成樹脂シート製の外装ケース内に、上記起立
片よりも嵩の低いトレーを、起立片にて挾装状態
となるように収納してなることを特徴とするもの
である。

〈実施例〉 次いでこの考案の実施例について図を参照しな
がら以下に詳述する。

１は合成樹脂シート例えば発泡ポリスチレンシ
ートにて形成された外装ケースであり、底板１１
の両側ａ，ａに一対の起立片１２，１２が形成さ
れており、他方側は起立片が形成されず、開放状
態となつている。この外装ケース１は長方形状に
て平坦な上記シート材の両側部をＶ溝ｖ部分より
直角に起立折曲して形成したものであり、（特に
第２図参照）、起立片１２，１２は底板１１に対
して折曲部が接着剤又は熱融着にて接合固定され
て倒伏しないように起立されている。

上記外装ケース１を構成する合成樹脂シートの
外面には、木目、花柄等の各種模様をプリントし
た合成樹脂フイルム等の薄質体ｈが積層されてお
り、外観性が高められている。（第３図参照）。

さらに図示しない実施例においては起立片１
２，１２の上端両側部ｂ，ｂが傾斜状にカツトさ
れて一層外観性に優れる独特の形状を呈してい
る。

次に、２は起立片１２，１２よりも嵩の低い浅
い皿状のトレーであつて、起立片１２，１２にて
挾装された状態で外装ケース１内に収納されてい
る。このトレー２としては発泡ポリスチレンシー
ト等の合成樹脂シートをプレス成形等にて成形加
工して得られたものであり、その口縁部２１は起
立片１２，１２間に合致する幅に形成されてい
る。

そして、上記した外装ケース１とトレー２との
組合せによる包装容器Ａは、鮮魚、すし、野菜等
の食品をトレー２内に収納した後、全体が例えば
ラツプＲ等にて包装されて店頭陳列等に供され
る。

なお、外装ケース１の起立片１２，１２を起立
固定する手段としては、前述した折曲部の接合手
段に代えて、起立片１２のトレー口縁部２１の対
応位置に内側溝１３を構成し、この内側溝１３を
トレー口縁部２１に嵌合させて固定する手段も考
えられる（第４図参照）。

また、外装ケース１及びトレー２の素材として
は、前述した発泡ポリスチレンシートのほか、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の種々の樹脂から
なる発泡又は非発泡シートが使用でき、特にトレ
ー２としては上記合成樹脂シート以外に紙、アル
ミシート等で形成して実施することもできる。

さらに、起立片１２，１２としては直角に起立
させる場合のほか、上方が幅広に開脚するよう傾
斜状に起立させる場合もあり、この場合において
は外装ケース１自体を相互に重ね合せできること
になり、運搬、保管に際して嵩ばらず、その取扱
いも至便となる（第５図参照）。

〈効果〉 以上のごとく構成されたこの考案による包装容
器によれば、外装ケースの起立片間にそれよりも
嵩の低いトレーを収納したものであるから、食品
を収納した後においてもこれを多段に安定良く積
み重ねでき、一時的な保管に際して保管スペース
が少なくて済むと共に、積み重ね上部の荷重が起
立片で受け止め得るので収納食品が潰れたりする
不都合が生じない好適なものである。

また外装ケースの起立片形成部以外の辺部が開
放されているので収納食品の鮮度等の確認も容易
に行ない得て陳列にも適するほか、ラツプ包装に
際しても起立片にてラツプと収納食品とを隔て得
るので、収納食品がラツプに付着したり、或は収
納食品が部分的に潰れたりする従来トレーにおけ
る不都合を解消でき、ラツプ包装も非常に容易に
行なえることになる。

さらに、製造も容易である等、従来の折箱容器
における不都合を解消できるほか、腰の弱いトレ
ーであつてもこれを補強使用できる至便なものと
なる。

従つて折箱容器の長所とトレーの長所とを兼ね
備えると共にそれぞれの短所を解消できて従来容
器に見受けられない特有の実用的効果を奏するも
のを提供できることになる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すものであり、第１
図はラツプ包装した状態を示す斜視図、第２図は
組立状況を示す斜視図、第３図は断面図、第４図
及び第５図は変更例を示す断面図である。 １……外装ケース、１１……底板、１２……起立
片、１３……内側溝、２……トレー、２１……ト
レーの口縁部、Ａ……包装容器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 底板の外周辺のうち、対向する１対の辺には
   それぞれ起立片を連設起立させ、他方の辺には
   起立片を連設せずに開放状態となした合成樹脂
   シート製の外装ケース内に、上記起立片よりも
   嵩の低いトレーを、起立片にて挾装状態となる
   ように収納してなることを特徴とする包装容
   器。 ２ 起立片は底板に対して折曲部が接合固定され
   て起立されている上記実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の包装容器。 ３ 起立片はその内側溝がトレーの口縁部に嵌合
   されて起立固定されている上記実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の包装容器。 ４ 外装ケースを構成する合成樹脂シートが発泡
   ポリスチレンシートである上記実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の包装容器。