JPH0627929Y2 - インダクタンス素子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ハイブリッドＩＣ基板上に装着したり、電子
機器のプリント基板上に装着したりするのに適したパル
ストランス、チョークコイル等のインダクタンス素子に
関する。

（従来の技術及び問題点） 従来のインダクタンス素子は、プリント基板に差し込ん
で取り付けるためのピンを具備したピン付ボビンに巻線
を施し、さらに必要に応じてコアを設けた構造のものが
一般的であった。この種のピン付ボビンを用いたインダ
クタンス素子は、比較的大形のものであり自動挿入装置
を用いた自動挿入に対する考慮はなされていなかった。

ところで、高周波用の超小形のインダクタンス素子の場
合には、手作業による挿入では極めて作業能率が悪くな
るため、インダクタンス素子を台紙上に一定間隔で配列
して電子部品連となしたもの（いわゆるテーピング）を
用いたり、あるいはインダクタンス素子を筒状のマガジ
ンに一定姿勢で収納しておいたりして電子部品自動装着
装置にてプリント基板に装着することが考慮されてい
る。この場合には、プリント基板に差し込んで装着する
ピン付きボビンはかえって不都合である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記の点に鑑み、筒状部両端につばを形成
し、両方のつばに前記筒状部の軸芯の平行面上に位置す
る駒を形成し、該駒にチップ端子を植設した端子付ボビ
ンに巻線を施した構成において、前記駒は各つばにそれ
ぞれ複数形成され、かつ各駒の装着側底面間に凹溝が形
成されており、前記チップ端子を前記筒状部の軸芯に略
平行で前記駒に埋設される部分に当該駒への係止部を形
成してなる基部と、該基部より折曲げられる折曲部と、
該折曲部先端に前記筒状部軸芯に略平行に形成される先
端装着部とで構成することにより、上記のごとき自動装
着に適した超小形のインダクタンス素子を提供しようと
するものである。

（作用） 本考案は、従来のピン付ボビンの代わりに、ボビン筒状
部の軸芯に略平行で一部が前記駒に埋設される基部と、
該基部より斜め下方、略直角なクランク状、又は一部円
弧状等に折曲げられるいわゆる折曲部と、該折曲部先端
に前記筒状部軸芯に略平行に形成される先端装着部とを
有するチップ端子を具備した端子付ボビンを用いてお
り、この結果、チップ部品として自動装着装置を利用し
て基板上に自動装着可能である。

（実施例） 以下、本考案に係るインダクタンス素子の実施例を図面
に従って説明する。

第１図乃至第３図において、インダクタンス素子は、端
子付ボビン１と該端子付ボビン１の筒状部２に巻装され
る巻線３と該端子付ボビン１の周囲に配置されるＥ型コ
ア４Ａ，４Ｂとから構成されている。

前記端子付ボビン１は、前記筒状部２の両端につば５を
有し、両方のつば５に対して前記筒状部２の軸芯の平行
面上に位置する駒６がそれぞれ複数形成されている。ま
た、各駒６の装着側底面間には凹溝１６が形成されてい
る。そして、駒６にはそれぞれチップ端子７が植設され
ている。ここで、各チップ端子７は、前記筒状部２の軸
芯に略平行で一部が前記駒６外側面に埋設される基部８
と、該基部８より斜め下方、略直角なクランク状、又は
一部円弧状等に折曲げられた折曲部９と、該折曲部先端
に前記筒状部軸芯に略平行に形成される先端装着部１０
を有するごとく金属舌片を折曲げ加工したものである。
なお、各チップ端子７の基部９は、駒６に埋設される部
分に当該駒６への係止部（例えば両側をＶ字状に切り欠
いたもの）１７が形成されている。また、前記駒６の一
端には装着方向識別用の凸部１５が形成されている。

このような端子付ボビン１の筒状部２に所定の巻線３を
施し、各巻線端を所定の凹溝１６を通して引き出し所定
のチップ端子７に接続固定した後、第２図のごとく端子
付ボビン１の両側よりＥ型コア４Ａ，４Ｂをそれぞれ嵌
込み接着剤もしくは機械的締め付け具で一体化すること
によりインダクタンス素子を完成する。なお、１１は端
子付ボビン１の内周穴であり、Ｅ型コア４Ａ，４Ｂの中
足が内周穴１１に嵌合するようになっている。

上記インダクタンス素子のプリント基板への取り付け
は、チップ端子７の先端装着部１０をプリント基板上の
パターンに対しろう付けもしくははんだ付けすることに
より行なわれる。なお、その際端子付ボビン１の駒６の
底面に対接する基板面に予め接着剤を塗布しておいてイ
ンダクタンス素子の仮止を行なうようにすれば、インダ
クタンス素子の位置決め及びはんだ付けの自動化等の場
合に便利である。

なお、上記実施例ではＥ型コア４Ａ，４Ｂを組み合わせ
て磁気回路を構成したが、Ｅ型コアとＩ型コアを組み合
わせて磁気回路を構成することも可能であり、さらに必
要に応じ端子付ボビン１の内周穴１１内にＩ型コアのみ
を挿入固定するようにした構造を採用することもでき
る。また巻線の詳細は省略したが、必要に応じ複数の巻
線を多層に巻装しても良いこと明らかである。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案のインダクタンス素子は、
チップ端子を有する端子付ボビンを用いた構造であり、
台紙テープ上に一定間隔で配列して電子部品連となした
り、筒状のマガジン内に一定姿勢で配列したりして電子
部品自動装着装置に供給することが可能であり、ハイブ
リッドＩＣ基板あるいは電子機器のプリント基板等に自
動装着するのに極めて好都合である。また、各チップ端
子の基部は、駒に埋設される部分に当該駒への係止部が
形成されており、各チップ端子の駒への固定が確実であ
る。さらに、各巻線端を駒間に形成された所定の凹溝を
通して引き出し所定のチップ端子に接続固定でき、各巻
線端相互の絶縁等を確実に図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るインダクタンス素子の実施例を示
す正面図、第２図はコア部分を分解して示す底面図、第
３図は実施例で用いる端子付ボビンの側面図である。 １……端子付ボビン、２……筒状部、３……巻線、４
Ａ，４Ｂ……Ｅ型コア、５……つば、６……駒、７……
チップ端子、８……基部、９……折曲部、１０……先端
装着部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状部両端につばを形成し、両方のつばに
   前記筒状部の軸芯の平行面上に位置する駒を形成し、該
   駒にチップ端子を植設した端子付ボビンに巻線を施した
   インダクタンス素子であって、 前記駒は各つばにそれぞれ複数形成され、かつ各駒の装
   着側底面間に凹溝が形成されており、 前記チップ端子は前記筒状部の軸芯に略平行で前記駒に
   埋設される部分に当該駒への係止部を形成してなる基部
   と、該基部より折曲げられる折曲部と、該折曲部先端に
   前記筒状部軸芯に略平行に形成される先端装着部とから
   成っていることを特徴とするインダクタンス素子。