JPH06277624A - 小型アクチュエータ - Google Patents

小型アクチュエータ

Info

Publication number
JPH06277624A
JPH06277624A JP5070181A JP7018193A JPH06277624A JP H06277624 A JPH06277624 A JP H06277624A JP 5070181 A JP5070181 A JP 5070181A JP 7018193 A JP7018193 A JP 7018193A JP H06277624 A JPH06277624 A JP H06277624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
cantilever
cantilever beams
base sheet
small
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5070181A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotsugu Takagi
博嗣 高木
Yoshiki Uda
芳己 宇田
Masahiro Fushimi
正弘 伏見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP5070181A priority Critical patent/JPH06277624A/ja
Publication of JPH06277624A publication Critical patent/JPH06277624A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動体を利用することで大きな駆動力が得ら
れ、しかもリニア型のアクチュエータとした場合には大
きな変位量が得られる。 【構成】 基板1の外周部には、自由端が−x方向に延
びる複数の片持ち梁2と、自由端が+x方向に延びる複
数の片持ち梁3と、自由端が+y方向に延びる複数の片
持ち梁4と、自由端が−y方向に延びる片持ち梁5とが
形成される。各片持ち梁2、3、4、5はそれぞれ固有
振動数が異なる。基板1の中央部には、厚み方向に分極
され、出力周波数が可変の交流電源(不図示)に接続さ
れた圧電体6が固定される。この基板1を基台(不図
示)に載置し、圧電体6に所定の交流電圧を印加し、基
板1を片持ち梁2の固有振動数と等しい振動数で振動さ
せると、片持ち梁2は共振し、基板1が−x方向に移動
する。同様に、基板1を+x方向、+y方向、および−
y方向にも移動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、片持ち梁の振動を利用
した小型アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロマシンと呼ばれる微小な機械
は、医療分野や管内作業ロボット等、狭所作業用機械と
して注目されている。こうした微小な機械を移動させた
り作業させるための駆動機構として、従来の機械と同様
な電磁モータを微小化することも行なわれている。とこ
ろが、電磁モータは小さくなると駆動力や効率が極端に
低下するので、電磁力にかわり、静電力を用いた櫛歯型
のリニアアクチュエータやマイクロモータが提案されて
いる。
【0003】静電力を用いた従来の櫛歯型のリニアアク
チュエータの構造を図8に示す。図8に示すように、基
板に固定された2つの固定部53はそれぞれ支持部52
を空中に支持しており、各支持部52により、互いに連
結されてかつ櫛歯51aが形成された2つの可動部51
が図示左右方向に移動可能に支持されている。そして、
各可動部51の櫛歯51aには、それぞれ基板に固定さ
れた歯54が互い違いに2μmのギャップをあけて挿入
されている。ここが静電駆動部となり、可動部51の櫛
歯51aと固定された歯54との間に電圧を印加する
と、両者の重なりが大きくなる方向の力が働く。
【0004】また、静電力を用いた従来のマイクロモー
タの構造を図9に示す。図9に示すように、ロータ10
3は基板上にピンジョイント102により回転自在に軸
支されている。また、複数のステータ101が、ロータ
103の回転中心を挟んで放射状に配置されており、そ
の対向するもの同志(例えば、U−U’)が一対の電極
を構成している。各ステータ103は、ロータ103の
中心に近い部位が基板から数ミクロンm浮き上がり、そ
の下をロータ103が通過できるようになっている。こ
こで、例えばU−U’の一対のステータ101に電圧を
印加すると、静電力に引かれてロータ103は電圧を印
加されたステータ101の下に吸い込まれる。その動き
に合わせてV−V’、W−W’というように順番に電圧
を印加するステータ101を切り替えていけば、ロータ
103は連続的に回転する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た静電力を用いた従来の櫛歯型のリニアアクチュエータ
は、その変位量は櫛歯の長さで規制されるので大きな変
位を得ることができなかった。また、マイクロモータに
ついていえば、その駆動源となる静電力はロータの表面
積に依存しており、この構造を小型化にすればするほど
ロータの表面積は小さくなり、その結果大きな回転力が
得られなくなってしまうという問題点があった。
【0006】一方、微小な機械に対しては摩擦力の影響
が通常の大きさの機械に比べると常に大きいため、振動
体を用いた駆動方式が有効な動力源となりうることが知
られている。しかし、微小機械の動力として適した振動
の利用法はあまり提案されていない。
【0007】そこで本発明は、振動体を利用することで
大きな駆動力が得られ、しかもリニア型のアクチュエー
タとした場合には大きな変位量が得られる小型アクチュ
エータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の小型アクチュエータは、先端部が他の平板部材
に当接可能な片持ち梁が形成された基板と、前記基板を
前記片持ち梁の固有振動数と略等しい振動数で振動させ
るための励振手段とを有することを特徴とする。
【0009】また、前記基板には、それぞれ固有振動数
が異なる4種類の片持ち梁が、互いに自由端の向きを逆
向きとした2種類ずつを互いに直交して配置されるとと
もに、前記励振手段は、前記基板を前記4種類の片持ち
梁のそれぞれの固有振動数で振動させるものとしたもの
であってもよいし、あるいは、前記基板には、それぞれ
固有振動数の異なる2種類の片持ち梁が複数個ずつ、互
いに自由端の向きを逆向きとして円周方向に配置されて
いるとともに、前記励振手段は、前記基板を前記2種類
の片持ち梁のそれぞれの固有振動数で振動させるものと
したものであってもよい。
【0010】さらに、前記基板は単結晶シリコンからな
るものとしたり、前記励振手段を周波数可変のものとし
たものであってもよい。
【0011】
【作用】上記のとおり構成された本発明の小型アクチュ
エータでは、基板を他の平板部材に載置して、励振手段
により片持ち梁の固有振動数と略等しい振動数で振動さ
せる。これにより片持ち梁は基板の振動と共振して固定
端を中心に大きく振動し、先端部で他の平板部材をたた
く。このとき他の平板部材には片持ち梁の自由端側から
固定端側に向かう向きの力が作用するとともに、基板と
他の平板部材との間に摩擦力が作用する。従って、他の
平板部材の位置を固定していれば、基板が片持ち梁の固
定端側から自由端側へ向かって移動するし、基板の向き
を上下逆向きにしてその位置を固定し基板上に平板部材
を載置すれば、平板部材が片持ち梁の自由端側から固定
端側へ向かって移動する。
【0012】また、基板にはそれぞれ固有振動数が異な
る4種類の片持ち梁が、互いに自由端の向きを逆向きと
した2種類ずつを互いに直交して配置され、この基板を
4種類の片持ち梁のそれぞれの固有振動数で振動させる
ことで、この小型アクチュエータをxyステージに利用
できる。さらに、基板にはそれぞれ固有振動数の異なる
2種類の片持ち梁が複数個ずつ、互いに自由端の向きを
逆向きとして円周方向に配置され、この基板を2種類の
片持ち梁のそれぞれの固有振動数で振動させることで、
この小型アクチュエータをマイクロモータに利用でき
る。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】(第1実施例)図1は、本発明の小型アク
チュエータの第1実施例の平面図である。この小型アク
チュエータは図1に示すように、それぞれ固有振動数が
異なる4種類の片持ち梁2、3、4、5が5つずつ形成
された基板1と、基板1の中央部に固定された励振手段
としての、厚み方向に分極した圧電体6とで構成され
る。各片持ち梁2、3、4、5のうち、自由端が−x方
向に向かって延びる5つの片持ち梁2の固有振動数はそ
れぞれf1で、自由端が+x方向に向かって延びる5つ
の片持ち梁3の固有振動数はそれぞれf2となってい
る。また、自由端が+y方向に向かって延びる5つの片
持ち梁4の固有振動数はそれぞれf3で、自由端が−y
方向に向かって延びる5つの片持ち梁5の固有振動数は
それぞれf4となっている。
【0015】各片持ち梁2、3、4、5のうち固有振動
数がf1の片持ち梁2の形状は、図2に示すように、そ
の中間部の厚みtが基板1の厚みに対して薄く形成され
ている。その他の片持ち梁3、4、5の形状についても
同様であり、各片持ち梁2、3、4、5は、中間部の厚
みtを変えたり梁の長さLを変えること等により、それ
ぞれの固有振動数を変えている。
【0016】また、基板1としては、金属あるいは合金
材料や高分子材料等、薄板状に形成される材料を使用す
ることが可能であり、各片持ち梁2、3、4、5の形成
方法としても、放電加工やレーザ加工やエッチング技術
を利用することができる。この中でも、上述したように
多数個の微細な片持ち梁2、3、4、5を寸法精度よく
形成するためには、基板1としてシリコンウエハを用
い、エッチング技術により各片持ち梁2、3、4、5を
形成するのが最も適している。
【0017】さらに、圧電体6には出力周波数が可変な
交流電源(不図示)が電気的に接続されている。この交
流電源により圧電体6に交流電圧を印加すること、その
周波数に応じた周波数で圧電体6が振動し、それに伴っ
て基板1が振動する構成となっている。
【0018】上述した構成に基づき、圧電体6を上方に
向けた状態で基板1を平板部材としての基台(不図示)
上に載置しておき、交流電源により基板1を例えば周波
数f1で振動させると、基板1の振動に伴って各片持ち
梁2、3、4、5もその固定端を中心に振動し(図2に
おいて矢印B方向)、それぞれの先端部で基台をたた
く。この際、各片持ち梁2、3、4、5の中でも固有振
動数がf1の片持ち梁2が基板1の振動と共振し、他の
片持ち梁3、4、5よりも大きな振幅で振動するので、
基台には固有振動数がf1の片持ち梁2による力が最も
強く作用することになる。固有振動数がf1の片持ち梁
2が振動してその先端部が基台をたたくことにより、固
有振動数がf1の片持ち梁2は図2において右斜め下向
きの力を基台に作用させる。ところが、基板1は非常に
軽く、しかも基台は固定されているものなので、この片
持ち梁2は基台からの反作用を受け、また基台との摩擦
力により基板1自体が図2において左方に移動すること
になる。すなわち、図1においては基板1は−x方向に
移動することになる。このとき、上述したように基板1
は非常に軽く、それにより基台との摩擦力の影響も大き
くなるので、基板1の駆動力は大きいものとなる。
【0019】同様に、固有振動数がf2の片持ち梁3を
共振させることにより基板1は+x方向に移動する。さ
らに、固有振動数がf3の片持ち梁4を共振させること
により基板1は+y方向に移動し、固有振動数がf4の
片持ち梁5を共振させることにより基板1は−y方向に
移動する。これらの移動を適宜組み合せることで基板1
をxy方向に任意に移動させることができ、この小型ア
クチュエータをxyステージとして使用することが可能
となる。しかも、この小型アクチュエータの駆動源は一
つでよいので、その構造が簡単になるし、制御も容易で
ある。
【0020】次に、本実施例の小型アクチュエータの製
造方法の一例について説明する。
【0021】基板1としては、大きさが12mm×8m
m、厚さが525μmの(100)方位のシリコンウエ
ハを用い、まず、その基板1の一方の面の、中央部の圧
電体固定部位および各梁形成予定部位を、それぞれKO
H水溶液により厚み200μmまでエッチングした。次
に、基板1の両面にLPCVD法によりSi−N膜を
0.15μmの厚みで形成し、両面のSi−N膜にそれ
ぞれ各片持ち梁2、3、4、5のくり抜きパターンを形
成する。そして、Si−N膜をマスクとして基板1の両
面からKOH水溶液により各片持ち梁2、3、4、5の
外形を形成する。各片持ち梁2、3、4、5の外形が形
成されたら、基板1の全体を熱酸化し基板1の端面を酸
化膜で保護した後、基板1の他方の面の、各片持ち梁
2、3、4、5の中間部となる部位のSi−N膜を除去
し、これら各部位をKOH水溶液でエッチングする。こ
れにより、図2に示した形状で各片持ち梁2、3、4、
5が形成される。
【0022】このようにして形成された各片持ち梁2、
3、4、5の形状は以下のとおりとした。すなわち、図
3に示す幅aが200μm、先端部の凸部の長さbが1
00μm、厚みtが50μmである。また、各片持ち梁
2、3、4、5の固有振動数は、それぞれ梁の長さLが
異なるものとすることで変えており、Lの値をそれぞれ
300μm、320μm、340μm、370μmとし
た。
【0023】各片持ち梁2、3、4、5が形成された
ら、圧電体固定部位に、厚み方向に分極した圧電体6と
して、大きさが2mm×3mm、厚みが0.5mmのP
ZT圧電体をエポキシ系接着剤により接着固定した。
【0024】以上のようにして作製された小型アクチュ
エータを、圧電体6を上方に向けて基台上に載置し、圧
電体6に各片持ち梁2、3、4、5の固有振動数に対応
する交流電圧を印加することで、小型アクチュエータは
基台上を自由に移動した。ちなみに、各片持ち梁2、
3、4、5の共振周波数は、梁の長さLが300μmの
ものでは59kHz、梁の長さLが320μmのもので
は45kHz、梁の長さLが340μmのものでは36
kHz、梁の長さLが370μmのものでは27kHz
であった。また、この小型アクチュエータを上下逆向き
にしてその端部を固定し、さらに基板1上に薄板を載置
することにより、この薄板をxy方向に任意に移動させ
ることもでき、薄板をxyステージとして使用すること
もできる。
【0025】基板1を振動させるときの基板1の周波数
は、用いる励起手段や電源により使用可能な範囲に設定
できることはもちろんであるが、これが可聴帯域である
と騒音の発生源となるので、可聴帯域外であることが望
ましい。
【0026】本実施例では、同じ固有振動数の片持ち梁
をそれぞれ5つずつ形成したものの例を示したが、これ
に限らず、同じ固有振動数の片持ち梁の数は必要に応じ
て増減することができる。
【0027】(第2実施例)図4は、本発明の小型アク
チュエータの第2実施例の断面図であり、図5は、図4
に示した小型アクチュエータの基板を下方から見た図で
ある。本実施例においては、基板11は図5に示すよう
に円盤状の部材であり、基板11には、それぞれ固有振
動数が異なる2種類の片持ち梁12、13が複数個ず
つ、基板1の円周方向に沿って、かつ一つおきに配置さ
れているとともに、円環状の溝11aが形成されてい
る。各片持ち梁12、13の形状はそれぞれ第1実施例
のものと同様の形状であり、それぞれ自由端の向きが互
いに逆向きとなっている。また、各片持ち梁12、13
の梁の長さL(図2参照)を互いに異なるものとするこ
とで、それぞれの固有振動数を変えている。
【0028】また、図4に示すように固定台20は、そ
の中央部に、基板11の各片持ち梁12、13が形成さ
れている部位にはめ込まれて各片持ち梁12、13の先
端部と接触する円形状の中央凸部20aが形成されてい
るとともに、外周部には、基板11の溝11aにはめ込
まれる円環状の外周凸部20bが形成されている。これ
により、基板11は固定台20に回転自在に支持される
構成となっている。
【0029】一方、基板11の図示上面にはパイレック
スガラス板17が接合されている。パイレックスガラス
板17の中央部の、基板11との対向面には、基板11
の各片持ち梁12、13が形成されている部位の面積よ
りも大きな面積の凹部17aが形成されている。この凹
部17a内において、基板11とパイレックスガラス板
17との対向面には、それぞれ励振手段としての電極1
8、19が設けられている。各電極18、19は、外部
で出力周波数が可変な交流電源(不図示)と電気的に接
続されており、この交流電源により各電極18、19に
交流電圧を印加すると、その周波数に応じて基板11の
中央部が振動する構成となっている。各電極18、19
にかえて、導電性を有する基板を用いたり、表面が導体
化された基板を用いてもよい。
【0030】上述した構成に基づき、交流電源により各
電極18、19に交流電圧を印加し、一方の片持ち梁1
2を共振させる振動を基板11に与えると、第1実施例
で述べた原理と同様の原理により基板11は矢印C方向
(図5参照)に回転する。また、他方の片持ち梁13を
共振させる振動を基板11に与えることにより、基板1
1は矢印D方向に回転する。これにより、この小型アク
チュエータをマイクロモータとして使用することが可能
となる。
【0031】次に、本実施例の小型アクチュエータの製
造方法の一例について説明する。
【0032】基板11としては、厚さが525μmの
(100)方位のシリコンウエハを用い、まず、その基
板11の一方の面の、中央部の片持ち梁形成予定部位を
円形状におよびその外方を円環状に、それぞれKOH水
溶液により厚み300μmまでエッチングして中央部の
凹部および溝11aを形成した。次に、基板11の両面
にLPCVD法によりSi−N膜を0.15μmの厚み
で形成し、第1実施例と同様の工程により基板11の中
央部の凹部に各片持ち梁12、13を形成する。
【0033】このようにして形成された各片持ち梁1
2、13の形状は以下のとおりとした。すなわち、図3
に示す幅aが100μm、先端部の凸部の長さbが10
0μm、厚みtが100μmである。また、各片持ち梁
12、13の固有振動数は、それぞれ梁の長さLが異な
るものとすることで変えており、Lの値をそれぞれ24
0μm、280μmとした。
【0034】各片持ち梁12、13が形成されたら、基
板11の他方の面に、真空蒸着法により厚みが0.1μ
mのAl膜を成膜し、電極19を形成する。
【0035】一方、厚みが1mmのパイレックスガラス
板17の中央部をフッ酸でエッチングして深さが2μm
の凹部17aを形成する。その後、この凹部17aの底
壁に、真空蒸着法およびフォトリソグラフィ法により厚
みが0.1μmのAl膜を成膜し、電極18を形成す
る。
【0036】そして、電極19が形成された基板11と
電極18が形成されたパイレックスガラス板17とを、
各電極18、19を互いに対向させて陽極接合法により
接合する。これを、予め中央凸部20aおよび外周凸部
20bが形成された固定台20にはめ込むことで、本実
施例の小型アクチュエータが作製される。実際的には、
例えば直径が4インチの基板に複数のパターンを形成
し、複数の小型アクチュエータを一枚の基板に同時に作
製する方法が用いられる。そしてこの基板は、パイレッ
クスガラスが接合されてから所定の部位でダイシングソ
ーにより切断されて一つ一つに分離される。
【0037】以上のようにして小型アクチュエータを作
製し、各電極18、19に各片持ち梁12、13の固有
振動数に対応する交流電圧を印加することで、基板11
は固定台20に対して任意の方向に回転した。ちなみ
に、各片持ち梁12、13の共振周波数は、梁の長さL
が240μmのものでは120kHz、梁の長さLが2
80μmのものでは75kHzであった。
【0038】以上説明した各実施例では、励振手段とし
て圧電体に交流電圧を印加するものや対向電極間に交流
電圧を印加するものの例を示したが、これに限られるも
のではない。
【0039】例えば、図6に示すように、片持ち梁(不
図示)を形成した基板21の外周部に、スペーサ23を
介してパイレックスガラス板等からなる板部材24を接
合し、基板21の板部材24との対向面の中央部に永久
磁石22を固定するとともに、板部材24の図示上面に
コイル状導体25を設けたものが挙げられる。この場
合、コイル状導体25に交流電圧を印加することにより
基板21の中央部が振動し、その振動により片持ち梁を
共振させることで、この小型アクチュエータは片持ち梁
の固定端側から自由端側に向かう向きに移動する。そし
て、片持ち梁を図1に示したものと同様に直交配置する
ことでxyステージとして利用できるし、図5に示した
ものと同様に円周方向に向かって配置することでマイク
ロモータ用のロータとして利用できる。
【0040】さらに、励振手段としては図7に示すよう
に積層型のピエゾ素子32を用いたものでもよい。この
場合は、片持ち梁(不図示)が形成された基板31は、
その外周部において複数の積層型のピエゾ素子32を介
して板部材34に接合されており、各ピエゾ素子32に
交流電圧を印加して各ピエゾ素子32を伸縮させること
で基板31の中央部が振動する。これにより、図6に示
したものと同様にこの小型アクチュエータをxyステー
ジとして利用したりマイクロモータ用のロータとして利
用できる。
【0041】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0042】片持ち梁が形成された基板と、この基板を
片持ち梁の固有振動数と略等しい振動数で振動させる励
振手段とを有という簡単な構造で、基板の振動に伴う片
持ち梁の共振を利用して基板と他の平板部材とを相対的
に移動させる小型アクチュエータを得ることができる。
また、基板と平板部材のうち移動される物体が軽量だと
他方の物体との摩擦力の影響が大きくなるので、静電力
を利用した小型アクチュエータに比較して大きな駆動力
が得られる。さらに、移動される物体の移動方向は片持
ち梁の形成方向によって決まるので、基板を振動させる
だけで移動される物体は所定の方向に移動され、制御も
容易である。
【0043】また、それぞれ固有振動数が異なる4種類
の片持ち梁が、互いに自由端の向きを逆向きとした2種
類ずつを互いに直交して配置された基板を用い、この基
板を4種類の片持ち梁のそれぞれの固有振動数で振動さ
せることで、この小型アクチュエータをxyステージに
利用することができる。この場合には、移動される物体
の移動量は特に制限されないので、大きな移動量のxy
ステージを得ることができる。
【0044】さらに、それぞれ固有振動数の異なる2種
類の片持ち梁が複数個ずつ、互いに自由端の向きを逆向
きとして円周方向に配置され他基板を用い、この基板を
2種類の片持ち梁のそれぞれの固有振動数で振動させる
ことで、この小型アクチュエータをマイクロモータに利
用することができる。
【0045】加えて、基板を単結晶シリコンからなるも
のとすることで、片持ち梁の形成をフォトリソグラフィ
技術を用いて行なうことができ、寸法精度のよい片持ち
梁を形成することができる。これは特に、多数個の片持
ち梁を形成する場合に有効である。
【0046】そして、励振手段を周波数可変のものとす
ることで、複数種の振動数で基板を振動させることを一
つの励振手段で行なうことができ、基板にそれぞれ異な
る複数種の固有振動数を有する片持ち梁を形成した場合
の小型アクチュエータの制御をより容易にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小型アクチュエータの第1実施例の平
面図である。
【図2】図1に示した小型アクチュエータのA−A線断
面図である。
【図3】図1に示した小型アクチュエータの片持ち梁の
拡大斜視図である。
【図4】本発明の小型アクチュエータの第2実施例の断
面図である。
【図5】図4に示した小型アクチュエータの基板を下方
から見た図である。
【図6】本発明の小型アクチュエータの励振手段として
電磁力を利用したものを用いた場合の、小型アクチュエ
ータの側面図である。
【図7】本発明の小型アクチュエータの励振手段として
ピエゾ素子を利用したものを用いた場合の、小型アクチ
ュエータの側面図である。
【図8】静電力を用いた従来の櫛歯型リニアアクチュエ
ータの平面図である。
【図9】静電力を用いた従来のマイクロモータの斜視図
である。
【符号の説明】
1、11、21、31 基板 2、3、4、5、12、13 片持ち梁 6 圧電体 11a 溝 17 パイレックスガラス板 18、19 電極 20 固定台 20a 中央凸部 20b 外周凸部 22 永久磁石 23 スペーサ 24、34 板部材 25 コイル状導体 32 ピエゾ素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部が他の平板部材に当接可能な片持
    ち梁が形成された基板と、 前記基板を前記片持ち梁の固有振動数と略等しい振動数
    で振動させるための励振手段とを有することを特徴とす
    る小型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記基板には、それぞれ固有振動数が異
    なる4種類の片持ち梁が、互いに自由端の向きを逆向き
    とした2種類ずつを互いに直交して配置されるととも
    に、 前記励振手段は、前記基板を前記4種類の片持ち梁のそ
    れぞれの固有振動数で振動させるものとした請求項1に
    記載の小型アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記基板には、それぞれ固有振動数の異
    なる2種類の片持ち梁が複数個ずつ、互いに自由端の向
    きを逆向きとして円周方向に配置されているとともに、 前記励振手段は、前記基板を前記2種類の片持ち梁のそ
    れぞれの固有振動数で振動させるものとした請求項1に
    記載の小型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記基板は単結晶シリコンからなる請求
    項1、2、または3に記載の小型アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 前記励振手段を周波数可変のものとした
    請求項1、2、3または4に記載の小型アクチュエー
    タ。
JP5070181A 1993-03-29 1993-03-29 小型アクチュエータ Pending JPH06277624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5070181A JPH06277624A (ja) 1993-03-29 1993-03-29 小型アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5070181A JPH06277624A (ja) 1993-03-29 1993-03-29 小型アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06277624A true JPH06277624A (ja) 1994-10-04

Family

ID=13424101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5070181A Pending JPH06277624A (ja) 1993-03-29 1993-03-29 小型アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06277624A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6323578B1 (en) 1999-01-05 2001-11-27 Seiko Instruments Inc. Piezoelectric actuator, piezoelectric actuator driving method and computer readable storage medium stored with program for making computer execute piezoelectric actuator driving method
US6411010B1 (en) * 1999-05-17 2002-06-25 Seiko Instruments Inc. Piezoelectric actuator
JP2010041792A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Alps Electric Co Ltd 高分子アクチュエータ
JP2010506553A (ja) * 2006-10-02 2010-02-25 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 印刷形成法により製造したエネルギハーベスティング装置
JP4852185B2 (ja) * 2009-11-19 2012-01-11 パイオニア株式会社 駆動装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6323578B1 (en) 1999-01-05 2001-11-27 Seiko Instruments Inc. Piezoelectric actuator, piezoelectric actuator driving method and computer readable storage medium stored with program for making computer execute piezoelectric actuator driving method
US6411010B1 (en) * 1999-05-17 2002-06-25 Seiko Instruments Inc. Piezoelectric actuator
JP2010506553A (ja) * 2006-10-02 2010-02-25 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 印刷形成法により製造したエネルギハーベスティング装置
JP2010041792A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Alps Electric Co Ltd 高分子アクチュエータ
JP4852185B2 (ja) * 2009-11-19 2012-01-11 パイオニア株式会社 駆動装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7161275B2 (en) Actuator
JP3065611B1 (ja) マイクロミラ―装置およびその製造方法
US7382510B2 (en) Actuator
US4742260A (en) Piezoelectrically driving device
US7420315B2 (en) Actuator
EP2360829B1 (en) Piezoelectric oscillator and ultrasonic motor
JP2002182136A (ja) 光偏向器用のミラー揺動体
JP5319939B2 (ja) 光偏向器および光学装置
US20070268549A1 (en) Micro-oscillation element
JP2005128147A (ja) 光偏向器及び光学装置
JPH1047966A (ja) 角速度センサ
JPH06277624A (ja) 小型アクチュエータ
KR100991643B1 (ko) 압전 모터 및 그 구동방법
JP2004263689A (ja) 分子真空ポンプ用の振動ポンピングステージおよび振動ポンピングステージを備えた分子真空ポンプ
JP2006167860A (ja) アクチュエータ
US7046421B1 (en) MEMS scanning mirror with trenched surface and I-beam like cross-section for reducing inertia and deformation
JP2001264676A (ja) 光スキャナ
JPH08182351A (ja) 超音波アクチュエータ
JP2769151B2 (ja) 超音波モータ
US8978215B2 (en) Method of manufacturing piezoelectric actuator
JPH10115527A (ja) 共振子
JPS63277482A (ja) 超音波モ−タ
JP2004187334A (ja) 超音波モータ及び超音波モータ付き電子機器
JP3207488B2 (ja) 超音波アクチュエータ
JPH0223074A (ja) 超音波モータ