JPH06270963A

JPH06270963A - バッグインカートン

Info

Publication number: JPH06270963A
Application number: JP8268693A
Authority: JP
Inventors: Hiroko Tsukada; 博子塚田
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1993-03-17
Filing date: 1993-03-17
Publication date: 1994-09-27
Anticipated expiration: 2016-06-18
Also published as: JP3177057B2

Abstract

(57)【要約】【目的】高粘度流体を収容可能な且つコンパクトに積
み重ね可能なバッグインカートン（ＢＩＣ）を提供す
る。【構成】直方体の１端面２ｆの一部を斜面２ｇとした
形状のカートン２内に可撓性の内袋３を収容し、その斜
面２ｇに、内袋３に連通した注出口５を配置することに
よって、ＢＩＣを積み重ねる際に注出口５が邪魔になら
ないようにし、更に、内袋３の注出口５を連結した側の
約半分をカートン内面に貼り付けて固定するが他の約半
分は移動可能としておき、注出口５から内容物を吸い出
した時に、内袋３の移動可能な部分が移動して、カート
ン内面に固定された部分にはまり込み、内容物吸い出し
に応じて内袋の内容積が減少するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカートン内面に内袋を貼
り付けてなるバッグインカートン（以下ＢＩＣという）
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、液体包装容器としてＢＩＣが使用
されている。通常、ＢＩＣのカートンは、平坦な底面及
び頂面と、その間の平坦な４側面とを有する直方体形状
をなしており、内袋はカートンの４側面の内面に貼り付
けられている。このＢＩＣは、一般にジュース、酒等の
粘度の低い液体包装用として使用されており、内容物の
取り出しの際には、内容物の排出に伴い、その排出分に
相当する空気がＢＩＣ内に入るように取り扱われてい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、このＢ
ＩＣの低コスト及び液体包装の確実さに着目し、これを
インキ等の高粘度の液体包装用に使用する検討を行っ
た。ところが、高粘度液体では取り出しに当たって液体
を注出口から吸引して取り出す必要があり、その際空気
を内袋内に入れることが困難であるので、内袋を、内容
物の取り出しに応じて容積が減少するように変形させる
必要が生じた。このため、従来のように内袋をカートン
の４側面に貼り付けた形式のＢＩＣでは、内容物の取り
出し時に内袋が変形できず、結局、そのままでは高粘度
液体の包装には用いることができなかった。また、高粘
度液体に限らず、空気に接触することを嫌う液体を入れ
た時にも、内容物の取り出し時に内袋を変形させる必要
があるため、やはり従来のＢＩＣは使用できなかった。

【０００４】更に、従来のＢＩＣは外形が直方体形状で
あるので、その一つの面に注出口を取り付けた時、その
注出口が出っぱってしまい、多数のＢＩＣを積み重ねる
際に邪魔になるという問題もあった。

【０００５】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、インキ等の高粘度液体や空気への接触を嫌
う液体の包装に好適に使用可能な、かつ嵩張ることなく
積み重ね可能なＢＩＣを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべくな
された本発明は、直方体の一端面の一部を斜面とした形
状のカートンと、その内部に収容された可撓性の内袋
と、前記カートンの斜面に配置され、前記内袋に連通す
る注出口とを備え、前記内袋は、前記注出口を取り付け
た側の半分の領域がカートン内面で拘束されるよう、カ
ートン内面に貼り付けられ、他の半分は自由に移動可能
となっていることを特徴とするバッグインカートンを要
旨とする。

【０００７】

【作用】上記構成のバッグインカートン即ちＢＩＣは、
カートン内面に内袋を貼り付けた構成であるので、従来
のＢＩＣと同様に安価に製造可能である。使用に際して
は、内袋の注出口側とは反対側の約半分の部分が自由に
移動可能となっているので、内容物を注出口から吸引等
により取り出すのに連れて、その移動可能な部分（以下
可動部分という）が変形し、内袋容積を小さくすること
ができ、内袋内に空気を入れることなく内容物を取り出
すことができる。そして、最終的には、内袋の可動部分
がカートン内面に貼り付けられている約半分の部分（以
下固定部分という）の中にはまり込む状態となり、ほぼ
全部の内容物を取り出すことができる。また、注出口は
カートンの斜面に取り付けられているので、多数のＢＩ
Ｃを、輸送、保管等のために積み重ねる際に注出口が邪
魔にならず、このため多数のＢＩＣを嵩張ることなく積
み重ねることができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。図
１は本発明の実施例によるＢＩＣの概略断面を示すもの
で、（ａ）は内容物を満たした状態を、（ｂ）はその内
容物を吸い出した状態を示している。図２はそのＢＩＣ
の概略斜視図である。図１、図２において、全体を参照
符号１で示すＢＩＣは、外容器を構成するカートン２
と、その内部に収容された可撓性の内袋３を有してお
り、その内袋３内にインキ等の液体からなる内容物４が
収容されている。カートン２は、直方体の一端面の一部
を斜面とした形状のものである。すなわち、カートン２
は、平坦な四つの側面２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄと両端の
端面２ｅ、２ｆを有する直方体の、一方の端面２ｆの一
部を斜面２ｇとしたものである。

【０００９】カートン２の斜面２ｇには、内袋３に連通
するように注出口５が取り付けられ、且つキャップ６で
閉じられている。この注出口５は、内袋３内に延びる筒
状部５ａを有しており、その筒状部５ａの側面に液体を
通過させるための溝状の通路５ｂが形成されている。こ
の通路５ｂを形成したことにより、例え、筒状部５ａの
先端が内袋３で塞がれたとしても、内容物４を注出口５
に吸い込むことが可能である。注出口５のカートン２か
らの突出高さは、キャップ６を取り付けた状態でそのキ
ャップ６が、側面２ａ及び端面２ｆの各延長面で囲まれ
た領域内に入るように定められている。この構成によ
り、多数のＢＩＣ１を並べ且つ積み重ねることができ
る。

【００１０】内袋３はカートン２の内面に対して一部が
貼り付けられ、動かないように固定されている。ここ
で、内袋３のカートン２に対して固定された部分即ち固
定部分は、図１（ａ）、図２に示す二点鎖線８よりも注
出口側の部分であり、反対側の部分は自由に移動できる
可動部分である。内袋３の固定部分と可動部分との境界
となる二点鎖線８の位置は、内袋３をほぼ二つに分割す
る位置、好ましくは、注出口側である固定部分よりも、
反対側の可動部分の方が若干小さくなるように分割する
位置であればよい。本実施例では図１に示すように、Ｂ
ＩＣ１を注出口５を下にして置いた時に、内袋３を可動
部分と固定部分とに分割する二点鎖線８が、側面２ｄ
〔及び２ｂ（図２参照）〕をほぼ中央で左右に、注出口
側が若干大きくなるように分割する位置で、且つ上端よ
りも下端が端面２ｆよりも遠くなるように傾斜した位置
としている。更に具体的には、二点鎖線８は、その上端
と端面２ｆとの距離ｄ₁が、端面２ｅ、２ｆ間の距離ｄ
の１／２もしくはそれよりわずかに（１〜１０ｍｍ程
度）大きく選定され、二点鎖線８の下端と端面２ｆとの
距離ｄ₂は、上端側の距離ｄ₁よりわずかに（１ｍｍ〜
１５ｍｍ程度）大きく選定されている。この構成とする
と、内容物の取り出し時に、内袋３の可動部分が固定部
分内にうまくはまり込むことができ、且つ、あまり早い
段階では注出口５の近くに移動せず、内袋３内の内容物
をほとんど取り出すことが可能となる。

【００１１】内袋３の固定部分は、通常、その一部がカ
ートン２の内面に貼り付けられることにより、カートン
２内面に固定される。ここで、内袋３を貼り付けるカー
トン２の内面は、内袋３の固定部分に面する側面２ａ〜
２ｄ、端面２ｆ、斜面２ｇの全部とする必要はなく、本
実施例では、側面２ａ、２ｂ、２ｄと斜面２ｇとしてい
る。図２において、符号９は内袋３をカートン２の内面
に貼り付ける糊付け位置を示している。かくして、内袋
３は、注出口を取り付けた側の約半分がカートン内面で
拘束され、他の領域はカートン内面に拘束されず自由に
移動可能な可動部分となっている。なお、この実施例で
は、図２に示すように、糊付け位置９を複数の帯状とし
ているが、その帯状の糊付け位置９の位置や個数は適宜
変更可能であり、また帯状に代えて点状に糊付けを行っ
てもよい。

【００１２】次に、上記構成のＢＩＣ１の製造方法を説
明する。まず、図３において、板紙を所定形状に打ち抜
いて、カートンを形成するためのカートンブランク２′
を準備する。なお、このカートンブランク２′のパネル
２ａ′、２ｂ′、２ｄ′（カートン２の側面２ａ、２
ｂ、２ｄとなる領域）の内面のうち、二点鎖線８の上方
の領域が内袋３を貼り付ける領域である。カートンブラ
ンク２′の製造と並行して、フイルムを筒貼りし（背シ
ールし）、所定の長さに切断した筒状フイルム３′（後
工程でその上下端をシールして内袋となる）を準備す
る。なお、筒状フイルム３′としては、図示したように
背シールしたものに限らず、フイルムを２枚重ね、その
両側をシールすることによって筒状としたものを用いて
もよい。

【００１３】次に、カートンブランク２′のパネル２
ａ′、２ｂ′、２ｄ′、パネル２ｇ′（カートン２の斜
面２ｇとなる領域）、及び糊代２ｊ′に糊（例えば、エ
マルジョン）９を塗布する。この糊塗布はカートンブラ
ンク２′を矢印方向に搬送しながら行うため、糊９は図
示したように直線状に塗布される。なお、カートンブラ
ンク２′の三角形のパネル２ｈ′、２ｉ′はカートンを
組み立てる際、内側に折り込まれる部分であり、この一
方のみに糊９が塗布される。また、同時に糊代２ｊ′の
背面にも糊を塗布する。

【００１４】次に、図４に示すように、そのカートンブ
ランク２′のパネル２ａ′、２ｄ′に糊９を利用して筒
状フイルム３′を貼り付ける。次に、カートンブランク
２′のパネル２ｂ′、２ｃ′を、図５に示すように、折
り重ねて胴貼りし、且つパネル２ｂ′及び糊代２ｊ′を
筒状フイルム３′に貼り付ける。以上により、組み立て
前の偏平なＢＩＣ１′が形成される。

【００１５】次に、偏平なＢＩＣ１′は、組み立て及び
充填工程に送られ、そこで角柱状に起こされ、注出口取
り付け部分が打ち抜かれた後、注出口５が取り付けられ
る。その後、筒状フイルム３′の下端がシールされた
後、カートンブランク２′の底部が組み立てられ、次い
で、筒状フイルム３′の上端がシールされた後、カート
ンブランク２′の頂部が組み立てられ、カートン２内に
内袋３を収容したＢＩＣ１が組み立てられる。なお、こ
れらの工程は、従来行われているＢＩＣ製造技術を適用
して実施できるので、製造設備等についての説明は省略
する。最後に、注出口５から内袋３内の空気を抜いた
後、インキ等の内容物４が充填され、図１（ａ）に示す
状態となる。

【００１６】内容物４を満たしたＢＩＣ１の使用に際し
ては、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、ＢＩＣ１を、
その注出口５が下になる状態で印刷機等の使用機械にセ
ットし、その注出口５に、使用機械側に設けている吸引
装置のコネクタ（図示せず）を接続し、注出口５から内
容物４を吸引して取り出す。この際、内袋３の、注出口
側とは反対側の約半分の可動部分がカートン２内面に貼
り付けられていないため、内容物の吸い出しに連れて、
その可動部分が図１（ｂ）に二点鎖線１１ａ、１１ｂ等
で示すように変形してゆき、内袋内に空気を入れること
なく内容物が取り出される。そして、最終的には、内袋
３の可動部分がカートン内面に貼り付けられている約半
分の固定部分の中にはまり込む状態となり、ほぼ全部の
内容物が取り出される。

【００１７】ここで、上記実施例では、内袋３の可動部
分がカートン内面に貼り付けられている固定部分よりも
若干小さくなっているので、その可動部分が固定部分内
にはまり込んだ際、移動してきた可動部分の一部が固定
部分に密着して内容物を閉じ込めてしまうということが
ほとんどなく、このため、内容物のほとんどを取り出す
ことができる。また、内袋３の可動部分と固定部分との
境界（二点鎖線８で示す位置）を、上端側よりも下端側
が、注出口５からの水平距離が遠くなるようにわずかに
傾斜させているので、内袋３の可動部分の下端部が内容
物吸い出しの早い時期に注出口３の近くに移動して、内
容物の通路を塞いでしまうということがなく、内容物の
ほとんどを良好に取り出すことができる。なお、この境
界の下端位置は、注出口５を内袋３の可動部分で塞ぐこ
とがないようにするには、注出口５から遠く離れている
ことが好ましいが、一方、内容物は内袋３の底部に残留
しがちであるので内袋３の底部面積を極力小さくするこ
とが好ましく、この点からは、この境界の下端位置は、
注出口５に近い方が好ましい。図示実施例は、これらの
両方の要求を満たした好適なものである。

【００１８】なお、上記実施例では注出口５として、内
袋３内に延びる筒状部５ａを備えたものを示したが、注
出口５はこの構成に限らず、筒状部を備えていない通常
のものを用いてもよい。また、内袋３の底部には、内袋
３の可動部分がはまりこんだ時にも内容物の流れる通路
を確実に形成しうるよう適当な通路部材（例えば断面が
Ｈ形の棒状部材等）を挿入しておいてもよい。

【００１９】上記の実施例では、内容物取り出しの際
に、ＢＩＣ１を注出口５が下側になるように機械にセッ
トした場合を説明したが、ＢＩＣ１からの内容物取り出
しはこの状態で行う場合に限らず、ＢＩＣをセットする
機械に応じて、注出口５を上側や側方にする等、適宜変
更可能である。ＢＩＣ１を注出口５が上側になるように
機械にセットした場合には、注出口５からの内容物の液
ダレが防止できる。

【００２０】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明のＢＩＣ
は、カートンブランクに内袋を構成する筒状フイルムを
貼り付け、且つカートンブランクを胴貼りし、その後、
筒状フイルムの上下端をシールし、且つカートンブラン
クの底部、頂部を組み立てることにより形成できるの
で、従来使用されているＢＩＣと同様に安価に製造可能
であり、且つ内袋とカートンの二重構造により、内容物
を確実に保護することができる。しかも、本発明では、
カートンの端面の一部を斜面とし、そこに注出口を配置
したので、並べたり積み重ねたりする際に注出口が邪魔
にならず、従って、多数のＢＩＣをコンパクトにまとめ
ることができ、保管や輸送が容易である。更に、カート
ン内の内袋は、注出口を取り付けている側の約半分の部
分がカートン内面に拘束されて固定部分を構成し、その
他の部分が自由に移動可能な可動部分となっているの
で、内容物の取り出しに当たって、内袋の可動部分を固
定部分の中にはまり込ませながら、内容物のほとんどを
注出口から吸い出すことができ、このため、高粘度液体
や空気に触れることを好まない液体の包装容器として好
適に使用できるという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例によるＢＩＣを示すもので、
（ａ）は内容物を満たした状態を示す概略断面図（ｂ）はその内容物を吸い出した状態を示す概略断面図

【図２】そのＢＩＣの概略斜視図

【図３】上記実施例のＢＩＣを製造するためのカートン
ブランク及び筒貼りしたフイルムを示す概略平面図

【図４】カートンブランクに筒貼りした筒状フイルムを
貼り付けた状態を示す概略平面図

【図５】筒状フイルムを貼り付けたカートンブランクを
胴貼りして示す概略平面図

【符号の説明】

１ＢＩＣ２カートン２ａ、２ｂ、２ｃ、２ｄ側面２ｅ、２ｆ端面２ｇ斜面３内袋４内容物５注出口９糊

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】直方体の一端面の一部を斜面とした形状
のカートンと、その内部に収容された可撓性の内袋と、
前記カートンの斜面に配置され、前記内袋に連通する注
出口とを備え、前記内袋は、前記注出口を取り付けた側
の半分の領域がカートン内面で拘束されるよう、カート
ン内面に貼り付けられ、他の半分は自由に移動可能とな
っていることを特徴とするバッグインカートン。