JPH062682B2 - アセチレンの精製法およびそれに用いる装置 - Google Patents

アセチレンの精製法およびそれに用いる装置

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JPH062682B2
JPH062682B2 JP60159283A JP15928385A JPH062682B2 JP H062682 B2 JPH062682 B2 JP H062682B2 JP 60159283 A JP60159283 A JP 60159283A JP 15928385 A JP15928385 A JP 15928385A JP H062682 B2 JPH062682 B2 JP H062682B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアセチレンの精製法およびそれに用いる装置に
関する。
〔従来の技術〕
従来よりアセチレンがアセチレン熔接の分野や化学工業
における原料などとして使用されている。
アセチレン熔接の分野や化学工業における原料などとし
て使用されるアセチレンは、カーバイドや石油を原料と
して製造されており、製造直後の粗なカーバイドアセチ
レンや石油アセチレンから、人体に有害であったり熔接
用に用いたばあいに強度を低下させたりするPH3、H2S、
NH3、ASH3などや、化学反応の触媒毒となるO2、PH3、H2
Sなどを除去し、JIS K 1901、1902に規定されているよ
うに、98容量%以上の純度になるように精製されてい
る。
たとえば、通常市販のカーバイドを原料にした溶解アセ
チレンのばあいには、アセチレンが98.0〜99.5容量%含
有されており、空気からの不純物であるN2、O2、Arなど
が主要不純物として混入し、この他に原料に起因するNH
3、PH3、H2S、H2、CH4などが不純物として混入してい
る。溶解アセチレンのガス組成の大阪環境技術センター
での測定データの一例として、アセチレン99.45容量
%、H2 0.01容量%、N2 0.2844容量%、O2 0.0756容量
%、CO 0.01容量%未満、CO2 0.01容量%未満、CH4 0.1
3容量%なる結果が報告されている。また、石油を原料
にした市販の石油アセチレンのばあいには、回収された
アセチレンは約99.5容量%含有されており、不純物とし
てC2 H4やCO2などが含まれている。
最近の技術進歩にともなってアセチレンを原料として新
規材料が製造されるようになってきている。
たとえば導電性有機物であるポリアセチレンや感光性有
機物であるアセチレン誘導体などの原料としてアセチレ
ンが利用されるようになってきている。またファインセ
ラミックスと称される機能材料としての高純度の炭化物
の炭素源として、あるいは太陽電池の窓側半導体として
多く用いられている太陽光の変換効率の高いa-SiC:Hを
製造するばあいの原料として、反応性の高いアセチレン
が利用されるようになってきている。
これらの新規材料に要求される特性をうるためには新規
材料の組成などが厳密に制御される必要があり、それら
の原料となるアセチレンにも高純度のものが要求される
ようなってきている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
新規材料の製造に用いるような精製アセチレンをうる方
法としては、液化チッ素浴でアセチレンを約-150℃以下
に冷却して固体アセチレンをつくり、気相分を真空引き
して充分蒸気分を除去したのち蒸発させて精製アセチレ
ンをうるという、小規模で研究用に適した方法がある
が、圧力が1.4kg/cm2・abs.以上になると分解爆発の危
険性があり、工業用に必要な量を安全かつ経済的に供給
しうるものではない。
本発明は安全かつ工業的に必要な量の精製アセチレンを
うることを目的としてなされたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、アセチレンを選択吸収する溶剤にアセチレン
を吸収させ、温度差による溶解量の差を利用して回分的
または連続的に放散・回収し、精製アセチレンを製造す
る際に、溶剤温度-20〜-81.8℃でアセチレンを吸収させ
たのち-10〜+20℃に昇温し、拡散したアセチレンを-50
〜-81.8℃に再冷却して溶剤などを凝縮させ、さらに多
孔質物質充填部を通すことによって吸着により共存する
溶剤などを除去し、純度99.99容量%以上にすることを
特徴とするアセチレンの精製法、および-20〜-81.8℃で
アセチレンを選択吸収する溶剤にアセチレンを吸収せし
めるアセチレン吸収塔、アセチレンを選択吸収する溶剤
に吸収せしめたアセチレンを-10〜+20℃で放散せしめる
アセチレン放散塔、放散せしめられたアセチレンを-50
〜-81.8℃に再冷却する冷却塔および冷却せしめられた
アセチレン中の不純物を除去するための多孔質物質を充
填した吸着塔からなり、アセチレン吸収塔内のアセチレ
ンを吸収した前記溶剤をアセチレン放散塔に送るための
手段およびアセチレン放散塔でアセチレンを拡散した前
記溶剤をアセチレン拡散塔からアセチレン吸収塔にもど
すための手段が設けられていることを特徴とするアセチ
レン精製装置に関する。
〔実施例〕
本発明においては、アセチレンを選択吸収する溶剤(以
下、アセチレン吸収溶剤という)にアセチレンを吸収さ
せ、温度差による溶解量の差を利用して回分的または連
続的に放散せしめることにより精製アセチレンが取得さ
れる。
アセチレン吸収溶剤に吸収せしめられるアセチレンと
は、カーバイドや石油を分解して製造した粗なアセチレ
ンであってもよく、PH3、H2S、NH3、ASH3などを除去し
てJIS K 1901、1902の規定に適合するように精製したア
セチレンでもよく、アセチレンを運搬などする際にその
分解爆発の危険性を低下せしめるために多孔質物質を溶
剤に浸漬含浸させたものを入れた容器に溶解させた溶解
アセチレンでもよく、その純度、原料などによって規定
されるものではない。しかし、精製アセチレンを効率よ
くえられるという観点からすると、カーバイドアセチレ
ンのばあいには特許第203622号明細書などのアセチレン
の液体式精製法(通称「エキセイ」という装置を用いた
方法)により前処理したものであることが好ましい。
本明細書にいう精製アセチレンとは、合計不純物量が10
0ppm以下のアセチレンを意味し、たとえばH2 0.5ppm未
満、O2 1.0〜2.5ppm、N2 1.0〜2.5ppm、CO 0.5ppm以
下、CO2 1.0ppm以下、PH3、AsH3および溶剤はいずれも
検出されず(0.1ppm検出限界)のごとき組成のものであ
る。
前記アセチレンを溶剤に吸収させる際の温度としては、
溶解量および溶解速度を増加させ、かつアセチレンを液
化させない(アセチレンのの液化温度-81.8℃、760mmH
g)で経済的に吸収させるという点から-20〜-81.8℃で
あることが必要であり、なかんずく-40〜-60℃であるこ
とが好ましい。また吸収させる温度が-20℃をこえるば
あいには、えられるアセチレン純度が99.9容量%程度の
ものしかえれなくなる。
また前記アセチレンを溶剤に吸収させる際の圧力として
は、溶剤と共存するときのアセチレンの分解爆発の危険
性の少ない7.0kg/cm2・abs.以下であればとくに限
定はないが、アセチレンの供給源によりおのずからその
範囲はきまる。たとえばカーバイドアセチレンや石油ア
セチレンのばあいには1.02〜1.5kg/cm2・abs.程度、溶
解アセチレンのばあいには1.2〜1.5kg/cm2・ab
s.程度に圧力調整器で減圧して使用するのが一般的であ
る。
アセチレン吸収溶剤は前記のごとき条件下で液体として
存在し、アセチレンを選択吸収し、-10〜+20℃好ましく
は-5〜+10℃でアセチレンを放散してアセチレンを精製
することができ、アセチレンと反応したりすることのな
い溶剤であればとくに限定はない。このような溶剤の具
体例としては、アセチレンの選別吸収性の高いアセト
ン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロ
リドンなどがあげられ、これらは単独で用いてもよく、
2種以上併用してもよい。
なお前記アセチレンを選択吸収するとは、不純物として
存在するO2、N2、CO、H2などとアセチレンとの溶解度に
著しい差があること、たとえばDMFについては第1表に
示すように溶解度に著しい差があることを意味し、アセ
チレンを放散するとは、吸収されたアセチレンのうちの
少なくとも溶剤1当りアセチレンを標準状態で約70
以上を-10〜+20℃で放散することを意味する。なおDMF
1当り-40℃で標準状態で約238、-60℃で標準状態
で約382程度のアセチレンが吸収される。
溶剤に吸収されたアセチレンが放散される温度が-10〜+
20℃のばあいには、吸収時との温度差による溶解度差が
大きいため、回収効率が高く、経済的に好ましい。とく
に熱エネルギー効率の点からは-10〜0℃程度が好まし
く、アセチレンの精製量の点からは−5〜+10℃が好ま
しい。
また放散時のアセチレンの圧力は、純粋なアセチレンの
みで取扱うばあいには空気を吸込まず、かつまちがって
点火可能なエネルギーが加わっても分解が伝播しない。
1.0〜1.2kg/cm2・ads.であることが好ましい。
このようにして精製されたアセチレンには精製に用いた
溶剤などが混入しているため、アセチレンが液化せず、
しかも共存する溶剤などの上記の含有量をできるだけ低
下させるために-50〜-81.8℃に冷却させ、溶剤やその凝
縮物を吸着除去するために多孔質物質充填部を通過させ
られる。
前記多孔質物質充填部とは、活性炭、モレキュラーシー
ブ、シリカゲルなどから形成された孔径が5Å程度で4
〜14メッシュ程度の多孔体を、たとえば円筒形の筒に入
れた通常の冷却可能な充填塔に入れたようなものであ
る。
多孔質物質充填部に通すアセチレンの量や滞留時間など
を目的とするアセチレンの純度や精製効率などを考慮し
て適宜選択すればよいが、通常使用されるのは多孔質吸
着剤単位容積当り、吸着ガス容積が時間当り10,000倍以
下が適当である。
このような方法により、たとえば98〜99.5容量%のアセ
チレンを99.99〜99.9999容量%程度まで精製することが
できる。
精製したアセチレンはそのまま使用されたり、ボンベな
どに充填されたり、さらには一層精製するため再度本発
明の方法を適用して、従来えられなかった9(セブン
ナイン)以上というような精製アセチレンをうることが
できる。
本発明の方法は、第2図に示すように同一の槽中でアセ
チレンの吸収および放散を行なわしむる回分的方法であ
ってもよく、また第1図に示すように1つの槽中でアセ
チレンの吸収を行なわしめ、アセチレンを吸収した溶剤
を連続的に他の槽に移し、該他の槽でアセチレンの放散
を行なわしむる連続的な方法であってもよい。
つぎに本発明の方法を第1図にもとづき説明する。
(吸収工程) 1 冷却槽(6)でアセチレン吸収塔(1)内のアセチレン吸
収溶剤(2)を-20〜-81.8℃に冷却し、アセチレン吸収塔
(1)内のアセチレン吸収溶剤(2)にアセチレンを吸収させ
る。またアセチレンが吸収されるときに発熱するため、
冷却槽(6)はこの熱を除去し、アセチレン吸収溶剤(2)の
温度を-20〜-81.8℃の所定の温度に保つようにする。
アセチレンの吸込みはアセチレン吸収塔(1)の底に近い
部分で行ない、アセチレンはアセチレン吸収溶剤(2)の
中を上昇する際に吸収される。
2 アセチレン吸収溶剤(2)として、とくにアセチレン
を溶解するものが使用され、混入しているO2、N2、CO、
H2などの不純物ガスの多くはアセチレン吸収溶剤(2)に
吸収されずアセチレン吸収塔(1)の上部にたまる。これ
は、一部のアセチレンとともに排出弁(11)の操作により
排出口(10)より排出される。
3 アセチレン吸収溶剤(2)の冷却は、冷却槽(6)にメタ
ノールにドライアイスを加えるとか、液化窒素をエチレ
グリコール水溶液に滴下するなどして冷却した低温液を
つくり、アセチレン吸収塔(1)の壁を介して冷却しても
よく、またアセチレン吸収塔(1)内に冷却管を設置し
て、これに上述の低温液を通して冷却してもよい。
4 -20〜-81.8℃においてアセチレンを充分吸収溶解し
たアセチエン吸収溶剤(2)はアセチレン吸収塔(1)の上部
気相に存在する不純物ガスが混入しないように、たとえ
ばアセチレン吸収溶剤(2)の液中の下部まで達している
配管および定量ポンプ(9)よりなる手段、あるいは前記
配管および流量調整弁を用い、アセチレン吸収塔(1)内
の圧力>アセチレン放散塔(3)内の圧力になるようにし
た手段などを用い、アセチレン放散塔(3)内に移送され
る。
(放散工程) 1 アセチレン放散塔(3)に移送されたアセチレン吸収
溶剤(2)は-10〜+20℃程度の範囲まで加温され、この温
度差により生ずるアセチレンの溶解度差の分に当るアセ
チレンがアセチレン吸収溶剤(2)から放散せしめられ
る。
2 前記アセチレン吸収溶剤の加温方法に使用された溶
剤の1部は、アセチレン吸収塔(1)からアセチレン放散
塔(3)内に導入された-20〜-81.8℃のアセチレン吸収溶
剤とアセチレン放散塔(3)の底部液溜部で-10〜+20℃と
なりアセチレンを放散したものから定量ポンプ(8)によ
り吸い上げられたアセチレン吸収塔へもどされるアセチ
レン吸収溶剤とをアセチレン放散塔(3)内の上部に熱交
換部を設け、要すれば充填材などを併用して熱交換させ
るようにすると放散後の溶剤の冷却と導入されるアセチ
レン吸収溶剤の加熱との熱交換の効率を向上させる点か
ら好ましい。
3 アセチレン吸収溶剤からのアセチレンの放散は徐々
に定常的に行なうのが内部圧力の上昇を抑え、安全性の
点から重要であるとともに、熱経済上効率がよい。この
熱交換はアセチレン放散塔(3)内で行なわれ、アセチレ
ン吸収溶剤(2)の温度上昇により放散されるアセチレン
は、冷却塔(4)、吸着塔(5)を経由して回収される。
4 好ましくはアセチレンの放散塔内の上部に設けられ
た熱交換部を経由して底部にためられたアセチレン吸収
溶剤には、要すれば10%エチレングリコール液などの凍
結しない液を加熱用熱交換器(15)に通して熱交換
し、-10〜+20℃の所定の温度まで昇温し、アセチレンを
放散させる。
5 アセチレン放散塔(3)の液溜部の底部にまで達する
配管から大半のアセチレン放散した1部のアセチレン吸
収溶剤を定量ポンプ(8)により吸い上げ、好ましくは前
記熱交換部を経由してアセチレン吸収塔(1)の上部、好
ましくは充填物を充填して冷却効率をよくした上部に導
入し、アセチレン吸収塔(1)内のアセチレン吸収溶剤(2)
の量を一定に保ち、継続して吸収工程、放散工程が行な
えるようにする。
(溶剤蒸気等除去工程) アセチレン放散等(3)で放散せしめられたアセチレンに
は溶剤蒸気などが約30〜180ppm含まれているため、該ア
セチレンを冷却槽(7)で-50〜-81.8℃に冷却中の冷却塔
(4)、好ましくはシリカゲルあるいはSUSの細線などを充
填して冷却効率をよくした冷却塔(4)に導き、含まれて
いる溶剤蒸気などの除去がはかられる。さらにアセチレ
ン中の溶剤蒸気などの除去をさらに完全にするため、活
性炭、モレキュラーシーブ、シリカゲルなどの多孔質物
質を充填した-50〜-81.8℃に冷却せしめられた吸着塔
(5)を通される。
冷却塔(4)や吸着塔(5)は2組並列に設け、切換うるよう
にするのが好ましい。
前記のような操作によりアセチレン吸収溶剤1当り標
準状態で約55〜650のアセチレンを精製することがで
きる。
えられたアセチレンは99.99〜99.9999容量%の精製アセ
チレンである。
前記冷却塔、吸着塔としては、-50〜-81.8℃に効率よく
冷却することができ、ガス中の溶剤蒸気を捕集すること
ができるものであればとくに限定はなく、たとえばエチ
レングリコールあるいはメタノールにドライアイスある
いは液体窒素を滴下するなどの方法により冷却される。
上記説明においては、連続法による精製アセチレンの製
法についてのべたが、第2図に示すような回分式の装置
を用いても同様にして高純度アセチレンが製造される。
第2図に示すような装置を用いたばあいには、温度調節
管(13)によりアセチレン吸収分離塔(12)内のアセチ
レン吸収溶剤(2)を冷却してアセチレンを吸収せしめた
のち、あるいは吸収せしめながらアセチレン吸収溶剤上
の不純物ガスおよびアセチレンをバルブ(11)の操作に
より排出口(10)から排出し、さらに真空ポンプ(14)
により排気し、気相中の不純物ガスを除去する。ついで
温度調節管(13)によりアセチレンを吸収させたアセチ
レン吸収溶剤の温度を上昇せしめ、放散したアセチレン
を冷却塔(4)および吸着塔(5)を通すことにより精製アセ
チレンがえられる。
つぎに本発明の方法および装置を実施例にもとづき説明
する。
実施例1 第1図に示すごとき装置を用いた。
アセチレン吸収塔は直径10cm、高さ50cm、内容積3925cm
3の円筒状のステンレススチール製の塔で、アセチレン
吹込みラインの開口、アセチレン放散塔からアセチレン
吸収溶剤をもどすラインの開口およびアセチレン放散塔
ヘアセチレン吸収溶剤を送るラインの開口がそれぞれ底
から 1cm、49cmおよび11cmのところにあった。またア
セチレン放散塔は直径10cm、高さ50cm、内容積3925cm3
の円筒状のステンレススチール製の塔で、アセチレン吸
収塔からアセチレン吸収溶剤を送るラインの開口および
アセチレン吸収塔へアセチレン吸収溶剤をもどすライン
の開口がそれぞれ底から49cmおよび 1cmのところにあっ
た。さらに冷却塔は直径2.5cm、高さ50cmの円筒状のも
のの内部にシリカゲルを充填したステンレススチール製
の塔で、吸着塔は直径2.5cm、高さ50cmの円筒状のもの
の内部に活性炭を充填したステンレススチール製の塔で
あった。
アセチレン吸収塔およびアセチレン放散塔にアセチレン
吸収溶剤であるDMFをそれぞれ500ml入れて圧力0.5kg/c
m2 G、流量500/hrアセチレンを吸込み、50分後アセ
チレン吸収塔内圧>アセチレン放散塔内圧になり定常的
になったのでアセチレン吸収塔からアセチレン放散塔へ
アセチレンを吸収した溶剤が微量流量調整弁を通って55
ml/minづつ定量的に流れるように弁を開いた。またア
セチレン放散塔からアセチレン吸収塔にアセチレンを放
散したアセチレン吸収溶剤が40ml/minづつ定量ポンプ
によりもどるようにした。
アセチレン吸収塔の冷却は冷却槽(6)の冷媒を-60℃に冷
し、溶解アセチレン容器中のアセチレンを0.5kg/cm2 G
に減圧し、500/hrの割合で吸収させたばあいにアセ
チレン吸収塔の上部液で約-50℃になるように冷却し
た。
アセチレンの溶解速度は非常に速く、最初の約50分はほ
ぼすべてのアセチレンが溶解し、アセチレン吸収塔の内
圧が0.2kg/cm2 Gになるように排出弁(11)を調整し、
昇圧した余分なガスは積算流量計を通して大気中へ放出
した。
アセチレン放散塔に送られた約-50℃のアセチレン吸収
溶剤は、該塔の上部からアセチレン吸収塔にもどす際の
温度が約0℃になるようにアセチレン放散塔内にメタノ
ール10%水溶液(液温約15℃)を流して加温し、その際
放散したアセチレンを冷媒としてメタノールにドライア
イスを加えて-75℃に冷却した冷却塔に送り、含有され
ている溶剤蒸気などを凝縮除去し、さらに吸着塔を通し
て精製アセチレンをえた。
えられた精製アセチレンは、島津GC9A型ガスクロマトグ
ラフTCDおよびFID自動切換検出器を用いた分析の結果、
検出限界3.0ppmにおいてN2 3ppm以下、O2 2ppm、CO23p
pm以下でCOは検出されず、検出限界1.0ppmにおいてP
H3、H2S、AsH3が検出されない純度99.999%の精製アセチ
レンであった。
なお定常状態に達したのちのアセチレン精製量は425
/hr(標準状態)であり、原料アセチレンに対する収率
は85%であった。
実施例2 第2図に示すごとき装置を用いた。
アセチレン吸収拡散塔は直径10cm、高さ50cm、内容積39
25cm3の円筒状のステンレンススチール製の塔で、アセ
チレン吸収溶剤の入る部分には温度調節管が取付けられ
ており、アセチレン吹込みラインの開口はアセチレン吸
収放散塔の底から1cmの位置にあった。また冷却塔およ
び吸着塔として直径2.5cm、高さ30cmの円筒状のものの
内部に活性炭を充填したステンレススチール製の塔を2
段直列に接続したものを用いた。
アセチレン吸収放散塔にアセチレン吸収溶剤であるDMF
を1入れて、冷媒を用いてDMFを-50℃になるように冷
却しながら、NH3、H2S、PH3、AsH3などを前記「エキセ
イ」を通して前処理によって除去した溶解アセチレンを
圧力0.5kg/cm2 Gで流量300/hrで吹込んだ。このと
きアセチレン吸収放散塔内の気相の圧力を0.2kg/cm2 G
に保持するようにバルブ(11)を調整して、昇圧した余
分なガスを積算流量計を通して大気中へ放出した。
約1時間アセチレンを吹込むとアセチレン吸収溶剤はほ
ぼ飽和した。アセチレン吸収放散塔の気相部にはアセチ
レン吸収剤に吸収されにくいアセチレン中の不純物ガス
が多くたまっているため、これを除去するためにアセチ
レン吸収溶剤を約-60℃までさらに冷却したのち真空ポ
ンプ(14)を用いて10-1Torrになるまで真空引きした。
ひきつづぎ高純度Arの注入および真空引きを10回になる
まで繰返し、気相の不純物ガスを排気した。そののちア
セチレン吸収溶剤を温度調節管を空にして徐々に昇温し
て溶解しているアセチレンを放散させた。
放散によりえられたアセチレンをメタノールにドライア
イスを加えて冷媒とした冷却槽を用いて約-75℃に冷却
した2段の吸着塔を通して精製アセチレンをえた。
えられた精製アセチレンは、島津GC9A型ガスクロマトグ
ラフTCDおよびFID自動切換分析器を用いた分析の結果、
検出限界3ppmにおいてN2、O2、CO2、H2はいずれも3ppm
未満、検出限界1ppmにおいてCO、PH3、NH3、AsH3、H2S
は検出されない純度99.999%の高純度アセチレンであっ
た。
なおアセチレンの精製量は2時間を要する1バッチ当り
180(標準状態)であり、原料アセチレンに対する収
率は約60%であった。
〔発明の効果〕
本発明の方法によると従来研究室規模でしかえられなか
った高純度のアセチレンのみならず、従来えられていな
かった9以上のアセチレンをも工業的規模で経済的に
うることができる。また本発明の方法では溶解アセチレ
ンのごとき市販のアセチレンを原料として使用すること
ができるため、高純度アセチレンを使用する場所に本発
明の装置を設置し、本発明の方法により高純度アセチレ
ンを製造すると、輸送比の低減をはかりうる、ボンベ詰
などのばあいに生ずる純度の低下を防止しうる、必要な
量のアセチレンを精製して使用しうるなどの効果がえら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法に用いる本発明の装置の一実施例
態様に関する説明図、第2図は本発明の方法に用いる装
置の他の実施態様に関する説明図である。 (図面の主要符号) (1):アセチレン吸収塔 (2):アセチレン吸収溶剤 (3):アセチレン放散塔 (4):冷却塔 (5):吸着塔
フロントページの続き (72)発明者 山脇 謙治 大阪府堺市平井108の1 (56)参考文献 特公 昭40−26893(JP,B1) 特公 昭37−4851(JP,B1) 特公 昭47−19246(JP,B1)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセチレンを選択吸収する溶剤にアセチレ
    ンを吸収させ、温度差による溶解量の差を利用して回分
    的または連続的に放散・回収し、精製アセチレンを製造
    する際に、溶剤温度-20〜-81.8℃でアセチレンを吸収さ
    せたのち-10〜+20℃に昇温し、放散したアセチレンを-5
    0〜-81.8℃に再冷却し、さらに多孔質物質充填部を通
    し、純度99.99容量%以上にすることを特徴とするアセ
    チレンの精製法。
  2. 【請求項2】前記溶剤がアセトン、N,N−ジメチルホル
    ムアミド、N-メチルピロリドンまたはこれらの混合物で
    ある特許請求の範囲第1項記載の精製法。
  3. 【請求項3】前記吸収時のアセチレンの圧力が0.1〜7.0
    kg/cm2・abs.である特許請求の範囲第1項記載の精製
    法。
  4. 【請求項4】前記放散時のアセチレンの圧力が0.1〜1.4
    kg/cm2・abs.である特許請求の範囲第1項記載の精製
    法。
  5. 【請求項5】前記多孔質物質が活性炭、モレキュラーシ
    ーブまたはシリカゲルである特許請求の範囲第1項記載
    の精製法。
  6. 【請求項6】-20〜-81.8℃でアセチレンを選択吸収する
    溶剤にアセチレンを吸収せしめるアセチレン吸収塔、ア
    セチレンを選択吸収する溶剤に吸収せしめたアセチレン
    を-10〜+20℃で放散せしめるアセチレン放散塔、放散せ
    しめられたアセチレンを-50〜-81.8℃に再冷却する冷却
    塔および冷却せしめられたアセチレン中の不純物を除去
    するための多孔質物質を充填した吸着塔からなり、アセ
    チレン吸収塔内のアセチレンを吸収した前記溶剤をアセ
    チレン放散塔に送るための手段およびアセチレン放散塔
    でアセチレンを放散した前記溶剤をアセチレン放散塔か
    らアセチレン吸収塔にもどすための手段が設けられてい
    ることを特徴とするアセチレン精製装置。
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