JPH0625378B2 - 高速炉炉心用フェライト系構造部材の製造法 - Google Patents

高速炉炉心用フェライト系構造部材の製造法

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JPH0625378B2
JPH0625378B2 JP62180869A JP18086987A JPH0625378B2 JP H0625378 B2 JPH0625378 B2 JP H0625378B2 JP 62180869 A JP62180869 A JP 62180869A JP 18086987 A JP18086987 A JP 18086987A JP H0625378 B2 JPH0625378 B2 JP H0625378B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、クリープ強度に優れた高速炉炉心用構造部材
の製造法に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 高速炉炉心用構造部材、即ち燃料被覆管やラッパー管等
の材料は、液体ナトリウム中で高速中性子の照射を受け
ながら 650℃に達する高温と多方向からの力の下で使用
されるため、その使用条件は極めて苛酷である。
したがって、かかる用途に使用される材料に要求される
性質としては、液体ナトリウムに対する耐食性、高速高
密度中性子照射に対する耐スエリング性(スエリングと
は核***により結晶を構成する原子のはじき出しが生
じ、材料に気泡、空洞が発生して膨張する現象をい
う)、および優れた高温強度特性が必要とされる。更
に、最終仕上げ部材とした時の寸法精度についての要求
も、一般の部材に比較して極めて厳しいからすぐれた冷
間加工性も必要である。
従来、高速炉炉心用構造部材として、液体ナトリウムに
対する耐食性に優れ、高温強度と加工性も優れた 316型
のオーステナイト系耐熱鋼が用いられて来た。ところ
が、この鋼種は高速中性子照射下でのスエリングが大き
い点が問題であり、使用末期(中性子照射量、約 2.0×
1023n/cm2)でのスエリング量は約15%を超える場合が
ある。中性子照射量の異なる炉心用構造部材では、位置
によってスエリング量も異なり、部材の変形を生ずる。
このため、例えばラッパー管では変形によって燃料交換
時に支障を来し、燃料被覆管では、外径の膨れと変形と
により燃料ピン間の間隔が狭くなり冷却能の低下を引き
起こす場合が想定される。
上記のようなオーステナイト系材料の耐スエリング性の
改善を目的とした種々の提案がなされている。(たとえ
ば、特開昭56−126794号公報、同61−87853 号、特公昭
58−56024 号公報参照。)しかしながら、将来の実証炉
や商用炉においては経済性の観点から高速中性子照射量
が 2.5〜5.0 ×1023n/cm2、温度650 〜675 ℃で 3〜5
年の使用に耐える炉心用構造部材の開発が必要とされて
いるのに対し、従来のオーステナイト系耐熱鋼の改良で
は限界があり、これに代わる優れた耐スエリング性を有
する高速炉炉心用構造部材の開発が待望されている。
ところで、フェライト系耐熱鋼(以下、フェライト鋼と
いう)は、前記のオーステナイト系耐熱鋼(以下、オー
ステナイト鋼という)に比較して格段に優れた耐スエリ
ング性を有することが知られている。
第4図は、代表的なオーステナイト鋼とフェライト鋼の
スエリング性を示すものであり(B.A.Chinet al,Nuclear
Technology, Vol.57,1982,P.426)、耐スエリング性に
おいては、フェライト鋼の方がオーステナイト鋼よりも
はるかに優れていることが明らかである。これは、両鋼
種の結晶構造に起因するもので、成分や製造法の相違に
よる多生の差違はあるが、フェライト鋼の優位性は変わ
らないとされている。
また、高速炉炉心用構造部材に要求される他の性質とし
て、液体ナトリウムに対する耐食性がある。
第5図は、フェライト鋼(9Cr-1Mo鋼) とオーステナイト
鋼の液体ナトリウム中に脱浸炭挙動に関する研究の一例
(C.Tyzack,A.W.Thorley: Proceedings of Internation
al Conference on Ferritic Steels for Fast Reactor
Steam Generators,London,1977,P.190)であるが、ここ
に示されるように液体ナトリウム中における脱浸炭限界
は、フェライト鋼もオーステナイト鋼もほぼ同等で、実
際の脱浸炭量は前者の方が少ないと報告されている。
更に、オーステナイト鋼に較べてフェライト鋼は、熱伝
導性が高く、熱膨張係数が小さいという長所があり、し
かも安価であるから高速炉炉心用構造部材として注目さ
れている。
しかしながら、フェライト鋼は、上記の優れた特性を備
える反面、高温強度と高温使用中の組織安定性、靭性の
点でオーステナイトに比較して劣る。たとえば、ボイ
ラ、原子力用材料として米国で開発された既存フェライ
ト鋼の中では強度の高い鋼の一つであるASTM・A213-T19
(Mod. 9Cr-1Mo鋼)でも、650 ℃×10h クリープ破断
強度は 7.5kgf/mm2であり、12Cr系鋼として広く使われ
ている DIN X20CrMoWV 121の650 ℃×104h、クリープ破
断強度も高々 6kgf/mm程度である。これらの材料は、
600 ℃以下の比較的低温での強度を重視しており、必ず
しも高速炉炉心用構造部材に適用できるものではない。
高速炉炉心用構造部材としてフェライト鋼を使用するた
めには、特にその高温強度の改善が大きな課題となって
いるのである。
本発明の目的は、フェライト鋼で高速炉炉心用構造部材
としても使用することのできる成分系を選定し、特にク
リープ強度(具体的な目標は、650 ℃×104hクリープ破
断強度が 8kgf/mm2以上)を付与するための製造法を提
案することにある。更には、通常の工業製品には要求さ
れないような厳しい寸法規格の高速炉炉心用構造部材の
製造法を提案することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、フェライト系耐熱鋼の高温強度の向上のた
めに、各種の合金成分の調整、特にMoとWの含有量の適
正値を決定した。この鋼種を最強にする熱処理は焼なら
し−焼戻しであるが、この熱処理時に大きな歪が発生す
る。この歪を除去する方法として冷間加工法を採用し、
この冷間加工が実用上適用できる範囲を決定した。即
ち、本発明の要旨は下記のとおりである。
重量%で、 C:0.04〜0.2 %、Si:0.3 %以下、 Mn:1.5 %以下、Ni:0.1 〜1 % Cr:8 〜13%、Mo:0.1 〜2.5 %、 W:0.1 〜4 %、V:0.1 〜0.4 %、 Nb:0.01〜0.2 %、sol.Al:0.03%以下、 N:0.01〜0.08%、 残部Feおよび不可避不純物 から成り、Mo+1/2W:1 〜2.5 %で、かつ不純物中の
PとSとはそれぞれ0.02%以下であるフェライト系の鋼
部材を、その部材の最終熱処理工程において Ac3点から
1200℃までの温度域での焼ならしと 780℃から Ac1点ま
での温度域での焼もどしとを行った後、5 〜20%の冷間
加工を施して仕上げることを特徴とする高速炉炉心用フ
ェライト系構造部材の製造法。
本発明の方法の素材となるフェライト鋼は、上記各成分
に加えて、B:0.001〜0.01%を含有するもの、または、
Ti、Zr、La、Ce、Y 、Caの群のうちの1種以上を合計で
0.05〜0.3 %含有するもの、或いは、B:0.001〜0.01%
とTi、Zr、La、Ce、Y 、Caの群のうちの1種以上を合計
で0.05〜0.3 %含有するもののいずれでもよい。(本明
細書において、「%」は全て重量%を意味する。) (作用) まず、本発明において、合金成分の含有量を特定した理
由を作用効果とともに説明する。
C: オーステナイト安定化元素であり、マルテンサイト
組織を安定化する。マルテンサイト変態による多数の転
位組織は、耐スエリング性改善に寄与する。さらに合金
元素Nb、V、Cr等と結合し、微細炭化物を形成して、ク
リープ破断強度および耐スエリング性を改善するが、0.
04%未満では効果が不十分で、δ−フェライト量の増加
により著しく強度と靭性を損なう。靭性は、高速炉炉心
用構造部材の製造において特に必要である冷間加工性の
観点からも、良好である必要があり、また長時間加熱中
の脆化抑制の点からも具備すべき特性の一つである。一
方、0.2 %を超える場合、炭化物が増え、鋼が硬化し、
その加工性、溶接性を損なう。したがって、0.04〜0.2
%がCの適正含有量である。
Si: 脱酸剤として添加されるが含有量が 0.3%を超える
場合は高温加熱中の脆化が著しい。したがって、0.3 %
以下の含有量とするが、好ましくは0.1 %以下にするこ
とにより靭性改善効果が大きい。
Mn: 熱間加工性を改善し、組織の安定化に有効である
が、1.5 %を超えて含有されると硬化相を形成し、靭
性、加工性を損なう。したがって、Mnの適正含有量は1.
5 %以下である。
Ni: オーステナイト安定化元素としてマルテンサイト組
織を安定する成分である。本発明ではδ−フェライト量
を調整し、強度、靭性、加工性を付与するために 0.1%
以上含有させるが、含有量が 1%を超える場合、クリー
プ強度を損ない、さらに変態点が低くなりすぎて熱処理
性および加工性を損なう。したがって、Niの適正含有量
は 0.1〜1 %である。
Cr: 液体ナトリウム中の耐食性、脱炭抵抗性を向上させ
るために不可欠な元素で、8 %未満では効果がなく、65
0 ℃以上の高温使用には不適である。また13%を超える
場合、δ−フェライトが増加し、強度と靭性を損なう。
したがって、Crの適正含有量は 8〜13%である。
Mo、W: ともに固溶強化元素であり、かつ炭化物、金属
間化合物の構成元素としてクリープ強度の向上に寄与す
る。どちらも 0.1%未満では上記効果が得られず、一方
Moが 2.5%を超える場合、またWが 4%を超える場合
は、δ−フェライト量が増加して靭性を損なうばかり
か、さらに高温中で多量の金属間化合物が析出して脆化
する。したがってMoの適正含有量は 0.1〜2.5 %、Wの
適正含有量は 0.1〜4 %である。
更に、本発明者の知見によれば、MoとWとを1 %≦Mo+
1/2W≦2.5 %の範囲で複合含有させることにより、高
温強度の改善効果が著しい。特に高速炉炉心用構造部材
として最高 650℃程度の使用条件を考慮して、上記の範
囲で両成分を併用することとした。
V: C、Nと結合してV(C、N)の微細析出物を形成し、
クリープ強度に寄与する。0.1 %未満では十分な効果が
得られず、0.4 %を超える場合は、かえって強度を損な
う。したがって、Vの適正含有量は0.1 〜0.4 %であ
る。
Nb: V同様にC、Nと結合してNb(C、N)の微細析出物を
形成し、クリープ強度に寄与する。また、組織を微細化
し靭性を改善するにも有効である。0.01%未満では効果
が得られず、一方 0.2%を超える場合は、熱処理中、未
固溶析出物が多量に残存し、クリープ強度を損なう。し
たがって、Nbの適正含有量は0.01〜0.2 %である。
Sol.Al: 脱酸剤として添加されるが、含有量が0.03%を
超える場合、クリープ強度を損なう。したがって、Sol.
Alの適正含有量は 0.3%以下である。
N: V、Nbと結合し、炭窒化物を生成してクリープ強度
の向上に寄与するが、その含有量が0.01%未満では効果
がなく、0.08%を超える場合は加工性、靭性、および溶
接性を低下させる。したがって、Nの適正含有量は0.01
〜0.08%である。
P、S: いずれも靭性、加工性、溶接性に有害な不純物
元素である。不可避的な含有を考慮し、それぞれの上限
を0.02%と定めたが、その含有量は可能な限り低い方が
好ましい。
以上の合金成分を含有し、残部Feと不可避不純物から成
るフェライト鋼が、本発明方法の対象となる基本的なも
のであるが、さらにその性質の改善を目的として、下記
の成分を添加含有させることができる。
B: 微粒添加により、炭化物を分散、安定化させ、クリ
ープ強度の向上に寄与する。0.001 %未満の含有量では
上記の効果がなく、0.01%を超えると、加工性、溶接性
を損なう。したがって、Bを含有させる場合は、その量
を 0.001〜0.01%とする。
Ti、Zr、La、Ce、Y 、Ca: これらの元素の単独または複
合微量添加は、介在物の形態制御と靭性に有害なP、S
の清浄化作用がある。これらの元素の総計含有量が0.05
%未満では上記効果が得られず、また 0.3%を超えると
かえって靭性、加工性に有害となる。したがって、00.5
〜0.3 %が適正な含有量の範囲である。
本発明鋼の熱処理は、強度と靭性の点から Ac3変態点か
ら1200℃までの温度範囲での焼ならし処理とその後の 7
80℃から Ac1変態点までの温度範囲での焼もどしであ
る。
焼ならし処理は、組織をマルテンサイトにして強化する
作用があり、焼戻し処理は、マルテンサイト組織の高温
での組織(即ち、機械的性質)を安定化する作用があ
る。
焼ならし温度は、マルテンサイト組織にするために Ac3
点以上であることが必要である。上限は、δ−フェライ
ト量の抑制と高温酸化の抑制の観点から1200℃とする。
即ち、焼ならし温度の適正範囲は Ac3点〜1200℃であ
る。
焼もどし温度は、使用温度より十分高く、組織を安定に
し高クリープ強度を得るために、780 ℃以上が必要であ
り、高温で変態を防ぐために Ac1点以下とする。即ち、
焼ならしの適正温度は 780℃〜 Ac1点である。
次に、冷間加工について述べる。熱処理された部材は、
その後に機械加工による寸法仕上をした場合、厳しい寸
法規格に合格しないことがある。例えば、燃料被覆管の
場合は、熱処理により曲がりや偏平等の変形が生じ、こ
れを機械加工した場合には、肉厚が変動し品質を低下さ
せる。この場合、抽伸または圧延等の冷間加工により寸
法を正確にすることができる。しかし、クリープ強度を
必要とする燃料被覆管の場合はこの特性が変化する。即
ち、軽度の冷間加工ではクリープ強度は変化しないが、
冷間加工度が大きくなるとマルテンサイト組織の再結晶
が生じてクリープ強度が低下する。高速炉炉心用構造部
材のような寸法精度の要求の極めてきびしい部材では、
5%未満の加工では必要な寸法矯正効果が得られず、20
%を超える加工ではクリープ強度の低下が懸念される。
よって、冷間加工の適正な範囲は 5〜20%であり、好ま
しくは 5〜15%である。
(実施例 1) 本発明方法の効果を具体的に確認するため、第1表に示
す各種の組織をもつ鋼を供試材として試験を行った。
第1表中、A〜Fは既存のボイラ、化学工業、原子力用
フェライト鋼で、AはSTBA26鋼、Bは火力発電用STBA27
鋼、CはASTM・A213-T91鋼、Dはボイラ用9Cr-2Mo-V-Nb
鋼、Eは DIN・X20Cr-MoV121鋼、Fは DIN・X20CrMoWV1
21鋼(通称 HT9)である。
G〜Rは本発明の対象鋼、S〜ZはMoとWの複合効果を
みるために調整した比較鋼である。
これらの供試材は、50kg真空溶解炉で溶製し、20mm厚の
板に鍛造した後、それぞれ下記の熱処理と冷間加工を施
した。
A〜F:950〜1050℃焼ならし+800 ℃焼もどし。(熱処
理のまゝ) G〜Z:1050 ℃焼ならし+800 ℃焼もどし。10%の冷間
加工のまま。ただし、Jのみ5〜30%冷間加工のまま。
これらの供試材から、 6mmφ×30mmGLの丸棒引張試験片
を作成し、常温引張試験、650 ℃引張試験、および650
℃クリープ破断試験を行った。また、JIS 4号シャルピ
ー衝撃試験片を採取し、0℃にてシャルピー衝撃試験を
行った。その結果を第2表に示す。第2表に明らかなよ
うに、650 ℃×104hクリープ破断強度において、本発明
適用鋼は全て 8.0kgf/mmを超え、既存の鋼A〜Fをは
るかに凌ぐ。
第3図に、本発明適用鋼Iのクリープ破断試験結果を既
存鋼の代表的なものと比較した。第3図に明瞭に示され
るように、本発明適用鋼は、既存鋼では最高強度とされ
るC鋼を大きく上回るクリープ強度を有し、かつ長時間
側まで極めて安定である。
第1図は、MoとWの複合添加の適正範囲を示すものであ
り、第1表のA〜Z鋼のMo+1/2W含有量(%)と650 ℃×
104hクリープ破断強度(kgf/mm2)の関係を示す。本発明
適用鋼は、650 ℃×104hでの目標強度 8kgf/mmを確実
に達成している。
(実施例 2) 第2図は、本発明鋼Jを用いて冷間加工の影響を調べた
結果である。650 ℃×104hクリープ破断強度 8kgf/mm
の目標を上回るためには、冷間加工率を20%以下にすべ
きことがわかる。
20%を超える冷間加工を受けた材料は著しい強度低下を
おこす。この原因は、高い冷間加工歪の蓄積が 650℃以
上の高温クリープ中に焼もどしマルテンサイト組織の再
結晶化を促進した結果と考えられる。
この結果から明らかなように、高速炉炉心用構造部材の
ようにきびしい寸法精度を確保するために冷間加工を必
須とし、かつ高いクリープ強度を必要とする部材におい
てはその加工率を20%以下に選ぶべきである。なお、冷
間加工度の下限は、前述のとおり部材の寸法精度を適正
にするため、5 %である。そして、本発明を適用した部
材では 5〜20%の冷間加工が加えられても必要とするク
リープ破断強度を維持できるのである。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、650 ℃×104hクリープ破断強度
が 8kgf/mm以上という高い高温強度を有するフェライ
ト系構造部材が得られる。そして、この部材はフェライ
ト系であるが故に、耐スエリング性において、オーステ
ナイト系耐熱鋼よりはるかに優れており、高速炉の炉心
用として好適である。更に、かかる用途に用いられる場
合に必須とされる冷間加工についても、その適正な範囲
が確認された。よって、本発明方法は、高速炉炉心用構
造部材の製造法として好適で、炉心用燃料被覆管、ラッ
パー管等の製造法としての利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、MoとWの複合添加量と 650℃×104hクリープ
破断強度との関係を示す図、 第2図は、本発明適用鋼の冷間加工率と 650℃×104hク
リープ破断強度との関係を示す図、 第3図は、本発明適用鋼と既存の鋼の650 ℃でのクリー
プ破断試験結果の例を示す図、 第4図は、フェライト鋼およびオーステナイト鋼につい
て中性子照射量(フルーエンス)とスエリング量との関
係を示す参考図、 第5図は、フェライト鋼とオーステナイト鋼について、
温度とナトリウム中炭素量と浸炭・脱炭作用領域との関
係を示す参考図、である。
フロントページの続き (72)発明者 伊勢田 敦朗 兵庫県尼崎市西長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 吉川 州彦 兵庫県尼崎市西長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社総合技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.04〜0.2 %、Si:0.3 %以下、 Mn:1.5 %以下、Ni:0.1 〜1 % Cr:8 〜13%、Mo:0.1 〜2.5 %、 W:0.1 〜4 %、V:0.1 〜0.4 %、 Nb:0.01〜0.2 %、Sol.Al:0.03%以下、 N:0.01〜0.08%、 残部Feおよび不可避不純物 から成り、Mo+1/2W:1 〜2.5 %で、かつ不純物中の
    PとSとはそれぞれ0.02%以下であるフェライト系の鋼
    部材を、その部材の最終熱処理工程において Ac3点から
    1200℃までの温度域での焼ならしと 780℃から Ac1点ま
    での温度域での焼もどしとを行った後、5 〜20%の冷間
    加工を施して仕上げることを特徴とする高速炉炉心用フ
    ェライト系構造部材の製造法。
  2. 【請求項2】重量%で、 C:0.04〜0.2 %、Si:0.3 %以下、 Mn:1.5 %以下、Ni:0.1 〜1 %、 Cr:8 〜13%、Mo:0.1 〜2.5 %、 W:0.1 〜4 %、V:0.1 〜0.4 %、 Nb:0.01〜0.2 %、Sol.Al:0.03%以下、 N:0.01〜0.08%、B:0.001〜0.01%、 残部Feおよび不可避不純物 から成り、Mo+1/2W:1 〜2.5 %で、かつ不純物中の
    PとSとはそれぞれ0.02%以下であるフェライト系の鋼
    部材を、その部材の最終熱処理工程において Ac3点から
    1200℃までの温度域での焼ならしと 780℃から Ac1点ま
    での温度域での焼もどしとを行った後、5 〜20%の冷間
    加工を施して仕上げることを特徴とする高速炉炉心用フ
    ェライト系構造部材の製造法。
  3. 【請求項3】重量%で、 C:0.04〜0.2 %、Si:0.3 %以下、 Mn:1.5 %以下、Ni:0.1 〜1 %、 Cr:8 〜13%、Mo:0.1 〜2.5 %、 W:0.1 〜4 %、V:0.1 〜0.4 %、 Nb:0.01〜0.2 %、Sol.Al:0.03%以下、 N:0.01〜0.08%、 Ti、Zr、La、Ce、Y 、Caの群の1種以上の成分:合計で
    0.05〜0.3 % 残部Feおよび不可避不純物 から成り、Mo+1/2W:1 〜2.5 %で、かつ不純物中の
    PとSとはそれぞれ0.02%以下であるフェライト系の鋼
    部材を、その部材の最終熱処理工程において Ac3点から
    1200℃までの温度域での焼ならしと 780℃から Ac1点ま
    での温度域での焼もどしとを行った後、5 〜20%の冷間
    加工を施して仕上げることを特徴とする高速炉炉心用フ
    ェライト系構造部材の製造法。
  4. 【請求項4】重量%で、 C:0.04〜0.2 %、Si:0.3 %以下、 Mn:1.5 %以下、Ni:0.1 〜1 %、 Cr:8 〜13%、Mo:0.1 〜2.5 %、 W:0.1 〜4 %、V:0.1 〜0.4 %、 Nb:0.01〜0.2 %、Sol.Al:0.03%以下、 N:0.01〜0.08%、B:0.001〜0.01%、 Ti、Zr、La、Ce、Y 、Caの群の1種以上の成分:合計で
    0.05〜0.3 % 残部Feおよび不可避不純物 から成り、Mo+1/2W:1 〜2.5 %で、かつ不純物中の
    PとSとはそれぞれ0.02%以下であるフェライト系の鋼
    部材を、その部材の最終熱処理工程において Ac3点から
    1200℃までの温度域での焼ならしと 780℃から Ac1点ま
    での温度域での焼もどしとを行った後、5 〜20%の冷間
    加工を施して仕上げることを特徴とする高速炉炉心用フ
    ェライト系構造部材の製造法。
JP62180869A 1987-07-20 1987-07-20 高速炉炉心用フェライト系構造部材の製造法 Expired - Lifetime JPH0625378B2 (ja)

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