JPH04365838A - 熱間加工性ならびに高温強度に優れたフェライト系耐熱鋼 - Google Patents

熱間加工性ならびに高温強度に優れたフェライト系耐熱鋼

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JPH04365838A
JPH04365838A JP16896991A JP16896991A JPH04365838A JP H04365838 A JPH04365838 A JP H04365838A JP 16896991 A JP16896991 A JP 16896991A JP 16896991 A JP16896991 A JP 16896991A JP H04365838 A JPH04365838 A JP H04365838A
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steel
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temperature
ferritic heat
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JP16896991A
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Akishi Sasaki
佐々木 晃史
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、■蒸発管や加熱器管、
再熱器管、主蒸気配管、管寄せ管などの火力発電用の超
臨界圧ならびに超々臨界圧用ボイラの材料、■加熱器管
や熱交換器管などの化学工業用プラントの材料、■蒸気
発生器管や加熱器管などの高速増殖炉の材料、■各融合
炉第一炉壁材等に用いて好適な、熱間加工性ならびに高
温強度に優れたフェライト系耐熱鋼に関するものである
【0002】
【従来の技術】従来、火力発電用ボイラとして、超臨界
圧ボイラが用いられているが、最近では、熱効率を上げ
て燃料の節減を図るために、超々臨界圧用ボイラへの転
用が図られている。このような超々臨界圧用ボイラは、
電力需要の少ない夜間の操業をダウンさせているため、
高温−低温の熱サイクル操業が不可避となり、使用材料
もそれなりに優れたものが必要とされている。
【0003】ところで、このようなボイラ用材料として
は、従来、オーステナイト系ステンレス鋼が用いられて
いた。しかしながら、この鋼種は、熱膨張率が大きく、
熱疲労やスケール剥離の問題がある。とくに剥離したス
ケールは、鋼管ベンド部に堆積して局部的な高温を招き
、そのために破裂を招いたり、またこのスケールがター
ビンに達することもあって、種々の弊害をもたらす問題
があった。
【0004】また、前記ボイラ用材料としては、フェラ
イト系耐熱鋼も知られている。この耐熱鋼の場合、上記
オーステナイト系ステンレス鋼に比べると、熱膨張率が
小さいばかりでなく、高温での応力腐食割れや粒界腐食
が軽減され、熱伝導率が高く、しかも低廉であるという
長所を備えている。このことから、従来、フェライト系
耐熱鋼が、上述した超臨界圧ならびに超々臨界圧用ボイ
ラの材料や、化学工業用各種機器の材料などとして賞用
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
上記フェライト系耐熱鋼、例えば、9Cr−1Mo〜2
Mo系鋼は、21/4 Cr−1Mo鋼などに比べると
耐酸化性は優れているものの、高温強度が低いので、使
用上の制約があった。
【0006】また、上記21/4 Cr−1Mo鋼やS
TBA26鋼 (9Cr−1Mo鋼)、火STBA27
鋼 (9Cr−2Mo鋼)の高温強度を改善した鋼とし
て、スーパー9Cr鋼, すなわちASTM A213
 T91 鋼(9Cr−1Mo−Nb−V鋼)も知られ
ている。しかしながら、このT91 鋼は、従来鋼に比
べるとある程度の高温強度は改善されたが、まだ不十分
であり、蒸気温度の一層の上昇に対応するべき材料の開
発が求められていた。
【0007】このような要請に対し、従来、9〜12C
r鋼にNbやVの添加、あるいはWを添加することによ
り、高温強度の改善を図ることが行われており、さらに
は、Ti, B,Wの如き各種の元素の適切な組合わせ
による複合添加で高温強度の一層の改善を図ったフェラ
イト鋼が、特開昭63−65059 号公報、特開昭6
3−76854 号公報などに開示されている。しかし
、これらのフェライト鋼では、超超臨界圧発電用ボイラ
チューブなどに使用するには、なお一層の高温強度の改
善が必要であった。
【0008】しかも、これらの鋼(9〜12Cr系鋼)
 は、高温強度を改善するために、Mo, W,Nb,
 V等の元素を添加しているために、熱間変形能すなわ
ち熱間加工性の低下を招き、ひいては製造性が悪くなる
という問題があった。すなわち、熱間変形能の低下は製
造性に悪い影響を与え、例えば、厚板や鍛鋼製品だけで
なく、加工条件の苛酷な鋼管の場合は、とりわけその影
響が大きい。とくに、継ぎ目無鋼管をマンネスマン方式
で製造する場合、前記9〜12Cr鋼はMo, W, 
Nb, V等の元素を添加しているために熱間加工性が
悪く、そのために、造管時に疵が発生し易く、生産能率
や歩留りが低下し、製造コスト上昇の問題を生じる。
【0009】以上説明したように、上記9〜12Cr鋼
は、高温強度とくにクリープ破断強度の改善が達成され
たが、十分に高いものとは言えないことに加え、熱間加
工性が悪いという課題を抱えており、そこで本発明は、
このような課題を克服して高温強度と熱間加工性とがと
もに優れる鋼を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現すべく
鋭意研究した結果、本発明者らは、W添加の高Crフェ
ライト鋼について、それの熱間加工性を改善すると同時
に、高温強度についても高いレベルのものが得られるこ
とを前提に検討した結果、種々の元素のうちとくにB,
 Ca, Taを複合添加すると効果的であることを知
見した。 すなわち、本発明鋼の合金設計の基本は、適量のMo,
 W, VならびにNbを添加した9〜12Cr鋼につ
いて、さらにB, Ca, Taを複合添加することに
より熱間加工性改善と高温強度の両方が改善されること
を知見し、本発明を完成させたのである。
【0011】すなわち、本発明は、C:0.03〜0.
20wt%、  Si:1.0 wt%以下、Mn:0
.1 〜1.5 wt%、  Cr:7.0 〜13.
0wt%、Mo:0.4〜2.5 wt%、W:0.0
5〜2.50wt%、  V:0.02〜0.35wt
%、  Nb:0.01〜0.15wt%、B:0.0
008〜0.0100wt%、  Ta:0.010 
〜0.100 wt%、Ca:0.0005〜0.01
50wt%、N:0.005 〜0.080 wt%を
含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを
特徴とする熱間加工性ならびに高温強度に優れたフェラ
イト系耐熱鋼、およびさらに、Ti:0.01〜0.4
0wt%もしくはNi:0.1 〜1.0 wt%以下
の1種または2種を含有する熱間加工性ならびに高温強
度に優れたフェライト系耐熱鋼である。
【0012】
【作用】上記のように本発明は、各種の合金元素が熱間
加工性ならびに高温強度の改善に及ぼす影響を詳細に検
討した結果、適量のMo, W, V, Nbを含む高
Cr鋼において、さらに適量のB, CaおよびTaを
複合して添加することにより、熱間加工性改善に併せて
高温強度とくに高温クリープ破断強度も向上することが
判った。
【0013】図1は、0.10wt%( 以下は「%」
で示す) C−0.18%Si−0.41%Mn−11
.9%Cr−0.47%Mo−0.09%Nb−0.2
1%V−2.1 %W−0.04%N鋼に0.0032
%B−0.0021%Ca− 0.016%Taを含有
する鋼( A1鋼) と、同一成分系でのB, Caお
よびTaを含まない鋼( A2鋼)とについての熱間変
形能(加工性)の比較グラフである。この熱間変形能は
、上記A1鋼, A2鋼の鋼塊を高周波炉にて製造し、
この鋼塊を熱間圧延して20mm厚みの鋼板とし、その
後次のようなグリーブル試験を行うことにより得られる
。このグリーブル試験は、平行部6mmφの丸棒引張試
験片について、平行部を1250℃に加熱後、各温度に
温度低下させその温度で引張試験を行い、試験後破断部
の直径減少率の値で評価したものである。直径減少率が
大きいほど熱間変形能が優れている。
【0014】また、高温強度レベルを明らかにするため
に、クリープ破断試験を行った。この試験は、上記鋼板
をさらに1050℃で焼ならしし、引続き760℃で1
時間の焼もどし処理を行い、その後この処理鋼板より平
行部6mmφの丸棒試験片を採取して行ったものである
。図1に示す結果から判るように、B, CaおよびT
aを複合添加したA1鋼は、これらの添加がないA2鋼
に比べて、直径減少率すなわち熱間加工性が大きく向上
することが明白である。
【0015】次に、図2は、Cr含有の0.11%C−
0.16%Si−0.45%Mn−0.51%Mo−0
.08%Nb−0.22%V−1.9 %W−0.04
%N鋼に、0.0029%Bと0.0018%Caおよ
び0.022 %Taを含有させた鋼(B1鋼)と、そ
れと同一の成分系でB, Ca, Taを含まない鋼(
B2鋼)とについて、Cr量を変えて直径減少率(熱間
加工性)の評価をグリーブル試験にて行った結果を示し
ている。成分は試験した試料によって若干の変動はあっ
たが、上述の値にほぼ近いものとなった。この図から判
るように、B, CaおよびTaを含有するB1鋼の場
合、直径減少率が65〜85%と良好なのに対して、こ
れらの元素を含まないB2鋼は大きく劣っていることが
明白である。
【0016】これらの試験結果から判るように、適量の
Nb, Vを含む高Cr−Mo−W鋼において、さらに
適量のB, CaおよびTaを複合添加することにより
熱間加工性、すなわち製造性も大きく改善されることが
確かめられた。なお、A1鋼, B1鋼のように加工性
が良好な鋼種は、マンネスマン方式で疵の発生なく造管
できるものである。
【0017】次に、高温強度について調査したのでその
結果について説明する。この調査は、クリープ破断特性
についてのものである。図3は、Cr含有の0.10%
C−0.15%Si−0.43%Mn−0.49%Mo
−0.09%Nb−0.21%V−2.0 %W−0.
04%N鋼に0.0031%Bと0.0019%Caお
よび0.034 %Taを添加した鋼 (C1鋼)につ
いて、そのCr含有量を変えて、 650℃で11kg
/mm2の応力をかけたときのクリープ破断特性を評価
したものである。熱処理や試験片採取の要領は、前記グ
リーブル試験の場合と同じである。この図に示すように
、適量のB, CaおよびTaを複合添加したことによ
り、この鋼種はクリープ破断時間すなわちクリープ破断
強度が十分に高いものとなった。
【0018】以上の試験結果ならびに説明から明らかな
ように、適量のNb,V等を含む高Cr−Mo−W鋼に
おいて、さらに適量のB, CaおよびTaを複合添加
することにより、熱間加工性が大きく改善されると共に
、さらにクリープ破断時間すなわちクリープ破断強度も
十分高いものが得られることが判る。
【0019】以下に、本発明にかかるフェライト耐熱鋼
が上述の如き成分組成に限定させる理由について説明す
る。 C:Cは、低温変態生成物の形成ならびに炭化物の析出
を通じてクリープ破断強度の向上に寄与する元素である
。0.20%を越えると、焼入れ性が著しく増し、強度
は増加するが、溶接性、加工性が劣化するので、C含有
量の上限は0.20%以下とした。一方、0.03%未
満では、高温強度の確保が困難となるため、その下限を
0.03%とした。 Si:Siは、脱酸剤として添加するが、多量に用いる
と鋼の靭性が劣化するので、その上限を1.00%とし
た。なお、このSiは、高温長時間強度と靭性向上のた
めには低い方が望ましい。 Mn:Mnは、脱酸や脱硫剤として、また強度や熱間加
工性を改善した適正な組織を得るために有用な元素であ
る。 このMn含有量が 0.1%未満では、上記の効果がな
く、一方、1.5 %を越えると、焼入れ性が高くなり
、強度は上がるものの曲げ等の加工性や靭性の劣化を招
くので、0.1 〜1.5 %とした。 Cr:Crは、耐高温酸化性、高温長時間強度の向上の
ために添加するもので、 650℃以上の高温長時間強
度は、Cr:7.0 〜13.0%のとき高く、そして
このCr含有量が13.0%よりも多くなると、δフェ
ライトが増して高温長時間強度が低下する。一方、7.
0 %未満では、Cr炭化物による析出強化、Crの固
溶強化が期待できず、高温長時間強度が低下し、しかも
高温の耐酸化性が低下する。このため、Cr含有量は7
.0 〜13.0%とした。 Mo, W:Mo, Wは、ともに高温長時間強度を著
しく高めるため、耐熱鋼には不可欠の元素である。この
両元素は、鋼中に固溶してこの鋼を強化する他、炭化物
を析出してクリープ強度を向上させるが、0.4 %未
満のMoや0.05%未満のWではその効果がない。一
方、 2.5%を超えるMoあるいは 2.5%を超え
るWは、δフェライト量が増加して高温強度を低下させ
る。しかも、Mo, Wは高価な元素であるからコスト
高となり、経済性の上からも好ましくないので、上限を
 2.5%とした。また、Mo単独添加では、 600
℃を超える温度のクリープ強度が十分でないので、Wは
、少なくとも0.05%添加する必要がある。 Nb, V:Nb, Vは、炭化物もしくは炭窒化物と
して析出し、長時間にわたって高温強度の低下を抑制す
る作用がある。Nb炭化物もしくはNb炭窒化物の溶解
度積は、V炭化物もしくはV炭窒化物の溶解度積より小
さく、析出しやすいので、高温短時間強度を著しく高め
る。しかし、これらの単独添加では、Nb炭化物、Nb
炭窒化物の凝集、粗大化を招きやすく、かつ長時間高温
強度を維持するのが困難となる。すなわち、長時間強度
の向上には、NbおよびVの複合添加が不可欠である。 それは、製造過程で析出したNb (C, N) が、
高温で析出する炭化物: M23C6, M6C の粗
大化を抑制するからである。すなわち、V4C3炭化物
のほかに固溶状態にあるVが上記炭化物 M23C6,
 M6C に拡散することにより、これらの炭化物の粗
大化を抑制するのである。このように、NbおよびVの
複合添加により、微細析出したこれらの析出物、さらに
は長時間経過後に微細析出するM23C6、M6C 、
固溶Vが、高温長時間強度を向上させる。したがって、
V単独では微細炭化物 M23C6、M6C は得られ
ず、長時間強度を改善することはできない。なお、V,
 Nbはいずれも0.02%未満では上記の効果が不十
分である。また、VもしくはNbが多すぎても、炭化物
が著しく粗大化しクリープ破断強度を下げ、しかも切欠
靭性や溶接性を低下させるので、Nbは0.15%以下
、Vは0.35%以下とした。 B:Bは、適量のVおよびNbならびにMoおよびWを
含有する高Cr鋼において、さらに適量のCa, Ta
と共に複合添加することにより、熱間加工性の改善に大
きく寄与し、高温クリープ強度を増加させる。この効果
は、B単独では得られない効果であり、とくにCaおよ
びTaにあわせて複合添加するときに顕著にその効果が
認められる。このような効果を得るためのB含有量は、
少なくとも0.0008%以上の添加が必要であり、一
方、0.01%を超える添加はその効果が飽和するとと
もに、むしろ熱間加工性の低下を招くようになるので、
0.01%以下としなければならない。 Ca, Ta:CaとTaは、適量のNbおよびVなら
びにWを含有する高Cr鋼において、適量のBと共にこ
れらを一緒に複合添加することにより、著しい熱間加工
性の改善および高温クリープ破断強度を改善することが
できる。このように改善効果は、CaおよびTaのみの
添加では得られず、Ca, TaおよびBの三位一体の
複合添加により初めて顕著にその効果が認められるもの
である。この効果を得るためには、Caは0.0005
%以上、Taは0.010 %以上の添加が必要である
。なお、このCaについては、0.0150%を超える
添加、またTaについては、0.100 %を超える添
加の場合、いずれもその効果が飽和し、しかもコスト上
昇になることから、それぞれCaについては0.015
0%以下に、Taについては 0.100%以下を含有
させる。 Ni:Niは、δフェライト量を適正に制御し、高温強
度を維持することと、靭性の改善のために添加する。そ
の量が0.10%未満では効果がなく、一方、1.0 
%を超えると、靭性改善効果が飽和の傾向となる。しか
も、このNiは高価な元素であるので、上限を1.0 
%とした。 Ti:Tiは、適量のNb, V, WおよびMoを含
有する高Cr鋼において、さらにTiを添加することに
より、高温クリープ破断強度が改善できる。この効果を
得るためのTi含有量は、0.01%以上の添加が必要
であり、一方、0.4 %を超える添加は、その効果が
飽和するとともに炭化物が粗大化する傾向がでてくるの
で、0.4%以下にしなければならない。 N:Nは、窒化物もしくは炭窒化物の形成、さらに固有
Nは高温長時間強度を向上させる元素である。このN含
有量は、0.005 %未満ではその効果がなく、一方
、0.08%を超えると溶接時ブローホールが形成され
、著しく溶接性を劣化するので、Nは 0.005〜0
.008 %とした。
【0021】
【実施例】表1は、本発明にかかるフェライト系耐熱鋼
の成分組成ならびにこれらの鋼のクリープ破断時間と直
径減少率の試験結果とを示すものであり、表2は、比較
鋼についてのものを示す。上記の試験結果は、表中の各
成分組成の鋼塊を高周波溶解炉にて製造し、この鋼塊を
熱間圧延して20mm厚みの鋼板とし、その後グリーブ
ル試験を行い、熱間加工性を1100℃での直径減少率
(%) にて評価したものである。また、クリープ試験
は、1050℃で焼ならし、 760℃で1時間の焼も
どし処理をしたのち、6mmφの丸棒引張型試験片に加
工して 650℃, 応力11kg/mm2で行い、破
断時間を求めたものである。
【0022】なお、記号A〜Rとして示した本発明鋼と
しては、C, Si,Cr, Mo, Nb, V,W
, B, Ta, Ca, Ti, Niを変化させた
鋼種を例示した。
【0023】比較鋼のうち、イ鋼は、Nb, V, W
を添加した鋼、ロ鋼はNb, V, Wに加えてBを添
加した鋼、ハ鋼はNb, V, Wに加えてBとTaを
添加した鋼、ニ鋼はNb, V, Wに加えてBとCa
を添加した鋼であり、ホ鋼はNb, V, Wに加えて
TaとCaを添加した鋼で、ヘ鋼はNb, V, Wに
加えてTaとCaとBを添加した鋼であるが、本発明鋼
として必要な量に満たないB量の場合の例である。 比較例はいずれも本発明成分に適合していない場合の例
示である。
【0024】表1, 表2に示す結果から、まず本発明
にかかる鋼種はグリーブル試験による1100℃での直
径減少率にて評価した熱間加工性が70%以上を示して
良好であり、しかもクリープ破断時間は4000時間以
上と優れた高温強度を有している。
【0025】一方、表2に示す比較鋼の場合、いずれも
上記本発明鋼に比べてクリープ破断時間は短く劣ってい
る。しかも、グリーブル試験による1100℃での直径
減少率にて評価した熱間加工性についても、本発明鋼に
比べていずれも劣っていることがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】このように本発明鋼は、従来鋼に比べて製
造性に重要な特性である熱間加工性が大幅に優れており
、しかも高温で優れた長時間強度を有する鋼である。 従って、高価な18Cr−8Ni系オーステナイト系ス
テンレス鋼の代替使用が可能で、本発明鋼は熱交換器材
等の耐熱鋼として極めて有用である。
【0029】以上説明したように、本発明にかかるフェ
ライト系耐熱鋼は、従来のフェライト系耐熱鋼に比べ、
製造特性に影響を与える熱間加工性が大幅に改善されて
おり、その上、高温、とくに 600℃以上での強度 
(特にクリープ破断強度) が大幅に改善された鋼であ
る。それ故に、高温、高圧環境下で使用される超超臨界
圧ボイラ材料やFBR用蒸気発生管、加熱器管等に好適
に用いられ、この鋼材の使用によってこれらの器材の薄
肉化、長寿命化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、グリーブル試験で求めた直径減少率に
対するB, Ca, Ta複合添加の有無の効果を比較
したグラフ。
【図2】図2は、Cr量を変えた鋼でグリーブル試験で
求めた直径減少率に対するB, Ca, Taの複合添
加の有無の効果を比較したグラフ。
【図3】図3は、Cr量を変えた鋼でクリープ破断時間
に対するB, Ca, Taの複合添加の有無の効果を
比較したグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  C:0.03〜0.20wt%、  
    Si:1.0wt%以下、Mn:0.1 〜1.5 w
    t%、  Cr:7.0 〜13.0wt%、Mo:0
    .4 〜2.5 wt%、  W:0.05〜2.50
    wt%、V:0.02〜0.35wt%、  Nb:0
    .01〜0.15wt%、B:0.0008〜0.01
    00wt%、  Ta:0.010 〜0.100 w
    t%、Ca:0.0005〜0.0150wt%、およ
    びN:0.005 〜0.080 wt%、を含有し、
    残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
    る熱間加工性ならびに高温強度に優れたフェライト系耐
    熱鋼。
  2. 【請求項2】  C:0.03〜0.20wt%、  
    Si:1.0wt%以下、Mn:0.1 〜1.5 w
    t%、  Cr:7.0 〜13.0wt%、Mo:0
    .4 〜2.5 wt%、  W:0.05〜2.50
    wt%、V:0.02〜0.35wt%、  Nb:0
    .01〜0.15wt%、B:0.0008〜0.01
    00wt%、  Ta:0.010 〜0.100 w
    t%、Ca:0.0005〜0.0150wt%、およ
    びN:0.005 〜0.080 wt%、に加え、T
    i:0.01〜0.40wt%もしくはNi:0.1 
    〜1.0wt%以下の1種または2種を含有し、残部F
    eおよび不可避的不純物からなることを特徴とする熱間
    加工性ならびに高温強度に優れたフェライト系耐熱鋼。
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