JPH062504U - 車両用照明灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の車両用照明灯具においては、反射鏡の
光軸と略平行に設けられた枠部により上向き光を生じて
対向車に眩惑を感じさせる問題点を生ずるものとなって
いた。 【構成】 本考案により、車両用照明灯具１の少なくと
も枠部３からの反射光が透過するレンズ５の背面部分な
どには水平光は透過させ上向き光は拡散するように透過
角度に対して異なる特性を有する視界制御フィルタ６が
設けられている車両用照明灯具１としたことで、路面を
照射するための配光特性に何等の影響を与えることな
く、上向き光のみを拡散するものとして、この上向き光
の到達距離を減衰させて防幻効果を高め課題を解決する
ものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えば車両用の前照灯、フォグランプなど照明用の車両用灯具に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の車両用照明灯具９０の構成の例を示すものが図３であり、低く 広くの自動車デザインの傾向に従い車両用照明灯具９０の形状も垂直方向の高さ が狭められ、これにより反射鏡９１も上下端が切り取られて枠部９１ａを設けた ものが採用されることが通常となっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記した従来の車両用照明灯具９０においては、電球９２から の光の前記枠部９１ａに反射した反射光、特に下側の枠部９１ａからの反射光が 上向きの光となり、対向車に対する眩惑光となる問題点を生じ、この点の解決が 課題とされるものとなっていた。尚、前記電球９２に、この電球９２からの光が 枠部９１ａに達することを防止するフードを設ける手段も前記眩惑光の防止手段 として採用されているが、この場合には前記したフード及び取付手段などにより 本来の照射光が減少するなど新たな問題点を生ずるものとなり、本質的な解決手 段とは成らないものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、反射鏡に 光軸と略平行となる枠部が設けられて成る車両用照明灯具において、前記車両用 照明灯具の少なくとも前記枠部からの反射光が透過する部分には水平光は透過さ せ上向き光は拡散するように透過角度に対して異なる特性を有する視界制御フィ ルタが設けられていることを特徴とする車両用照明灯具を提供することで、前記 した上向き光を拡散させ眩惑光と成らないものとして、従来の課題を解決するも のである。

【０００５】

【実施例】

つぎに、本考案を図に示す実施例に基づいて詳細に説明する。 図１に符号１で示すものは本考案に係る車両用照明灯具であり、この車両用照 明灯具１には枠部３を有する反射鏡２が採用され、電球４からの光の前記枠部３ での反射、特に下側の枠部３での反射により対向車に対し眩惑光となる上向き光 を生ずるものとなっている点は従来例と同様である。

【０００６】 しかしながら、本考案により前記車両用照明灯具１のレンズ５の少なくとも下 側の枠部３からの反射光が透過する位置には視界制御フィルタ６が貼着など適宜 な手段により取付けられるものとされ、該視界制御フィルタ６により前記反射鏡 ２からの光はその儘に透過させ、前記枠部３からの光はほぼ完全な拡散光とする ものとされている。

【０００７】 ここで、前記視界制御フィルタ６について更に詳細に説明を行えば、この視界 制御フィルタ６は商品名「ルミスティ」（住友化学工業株式会社）として市販さ れているものの一方向不透明型（Ｙタイプ）若しくは両方向不透明型（Ｚタイプ ）と称せられるものであり、これらは何れも正面方向からの光に対しては全くの 透明体として透過させるが、一方向或いは両方向の斜め方向に透過する光に対し てはほぼ完全な拡散体として作用するものであり、従って、本考案においては前 記視界制御フィルタ６は上方に向かう光に対して拡散を行うように前記反射鏡２ に対して略直角となるように方向をセットされている。

【０００８】 次いで、上記の構成とした本考案の作用及び効果について説明を行えば、前記 視界制御フィルタ６が設けられたことで、路面を照射するための前記反射鏡２か らの反射光は前記視界制御フィルタ６を正面方向の角度から透過するものとなり 、配光特性に何等の影響も受けることのないものとなるが、前記枠部３からの反 射光は前記視界制御フィルタ６を斜め方向の角度から透過するものとなり完全に 拡散され、直進光に比較して到達距離を大幅に減ずるものとなる。

【０００９】 このことは即ち、同じ量の上向き光を生じているときにも対向車に対する眩惑 の発生の度合いが大幅に減ずるものとなり、その目的を達する。尚、視界制御フ ィルタ６は上記した拡散を生ずる角度に対しては射出、入射の何れの方向からの 光に対しても同じ作用を行うので、一般的に目の位置よりも下方にある車両用照 明灯具１の内部を見せないようにする作用も同時に奏するものとなる。

【００１０】 尚、上記の実施例はレンズ５の少なくとも下側の枠部３からの反射光が透過す る位置に視界制御フィルタ６を貼着した例で説明したが、例えば上記したように 車両用照明灯具１の内部の透視を避けることも目的とする場合にはレンズ５の全 面に貼着しても良いものであり、更には前記視界制御フィルタ６は図２に示すよ うにレンズ５と別体に設けても良いものである。

【００１１】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案により、車両用照明灯具の少なくとも枠部からの 反射光が透過する部分には水平光は透過させ上向き光は拡散するように透過角度 に対して異なる特性を有する視界制御フィルタを設けた車両用照明灯具とするこ とで、配光特性に何等の影響を与えることなく、上向き光のみを拡散するものと して、この上向き光の到達距離を減衰させて防幻効果を高めるものであり、以て 、この種の車両用灯具の性能向上に極めて優れた効果を奏するものである。

【００１２】 また、上記の作用を利用して所定の方向から観視したときの車両用照明灯具の 内部構造を透視させることをなくし、例えば美観の向上を可能とするなど新たな 効果も奏するものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る車両用照明灯具の一実施例を示
す断面図である。

【図２】 同じく本考案に係る別の実施例を示す断面図
である。

【図３】 従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１……車両用照明灯具 ２……反射鏡 ３……枠部 ４……電球 ５……レンズ ６……視界制御フィルタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 反射鏡に光軸と略平行となる枠部が設け
   られて成る車両用照明灯具において、前記車両用照明灯
   具の少なくとも前記枠部からの反射光が透過する部分に
   は水平光は透過させ上向き光は拡散するように透過角度
   に対して異なる特性を有する視界制御フィルタが設けら
   れていることを特徴とする車両用照明灯具。