JPH0572593U - 自動車の光照明グリル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車に設けられる光照明グリルの電球を不
要とし、かつ構造を簡略化し、しかも均一な照明を可能
にする。 【構成】 自動車の灯具（前照灯２）に隣接配置された
グリルボディ４１と、このグリルボディ４１の前面開口
に取着されたレンズ４１と、灯具の光の一部をグリルボ
ディ内に導入させるように開設した連通窓２４と、グリ
ルボディ４１の内面に貼り付けたライトアングルフィル
ム５とを備えており、連通窓２４からグリルボディ４１
内に導入される光をライトアングルフィルム５で反射さ
せ、レンズ４２を通して外部に照射させることで、ライ
トアングルフィルムの光反射特性によって光照明グリル
の均一な照明を可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車に設けられるグリルに関し、特に光照明を行うようにしたグリ ルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、自動車のデザイン効果を高める目的で、自動車の前照灯の下側に配設さ れるグリルを光照明するようにしたものが提案されている。例えば、グリルの前 面パネルを光透過性材料で形成するとともに、その内部に灯室を画成し、この灯 室内に設けた小電球を点灯して前面パネルを照明している。又、前照灯の光の一 部をグリルの灯室内に導光して照明を行うようにしたものもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このようなグリル構造において、前者の小電球を用いたものでは、前面パネル を全長にわたって照明するためには複数個の電球が必要とされる上に、電球が外 部から見えないようするための拡散板が必要となり、消費電力が増大するととも に、構造が複雑になり、高重量になるという問題がある。又、後者の構成では前 照灯が配設された自動車の左右側から中央側に向けて光を導くことが困難であり 、結果として両側に比較して中央部が暗いという照明むらが生じ、外観上の見栄 えが悪いという問題がある。 本考案の目的は、電球を用いることなく、かつ構造を複雑化することなく、し かも均一に照明することを可能にした光照明グリルを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、自動車の灯具に隣接配置されたグリルボディと、このグリルボディ の前面開口に取着されたレンズと、灯具の光の一部をグリルボディ内に導入させ るようにグリルボディの一部に開設した連通窓と、グリルボディの内面に貼り付 けたライトアングルフィルムとを備えており、連通窓からグリルボディ内に導入 される光をライトアングルフィルムで反射させ、レンズを通して外部に照射させ るように構成する。

【０００５】

【実施例】

次に、本考案について図面を参照して説明する。図２は本考案が適用される自 動車の正面図であり、自動車ボディ１の前面左右にはそれぞれ前照灯２及び車幅 灯３が配設され、これら前照灯２及び車幅灯３の下側には自動車ボディ１の略全 幅にわたって光照明グリル４が設けられる。図１は図２のＡ−Ａ線拡大断面図で あり、図３は一部を破断した概略斜視構成図である。前記前照灯２は、所謂角型 ランプとして構成され、上下面が平坦に形成された灯具ボディ２１の内面が反射 面として構成され、かつ灯具ボディ２１内に電球２２が支持される。又、灯具ボ ディ２１の前面開口にレンズ２３が取着される。

【０００６】 前記光照明グリル４は、前記前照灯２の灯具ボディ２１の下側部に隣接して設 けられ、自動車の車幅方向に延設されて両端が閉塞された樋状のグリルボディ４ １を前記前照灯２の灯具ボディ２１と一体に有している。ここでは、左右の前照 灯２にそれぞれ対応して設けた左右の光照明グリル４を車幅の半分の長さに形成 し、両グリルを合わせて全車幅にわたって構成している。このグリルボディ４１ の前側部分は開口され、ここに所要の色に着色したグリルレンズ４２を装着して いる。又、グリルボディ４１の内側の上面、下面、及び側面にはそれぞれ反射型 のライトアングルフィルム５が貼り付けてあり、更にグリルボディ４１の上面部 、換言すればこの実施例では前記前照灯２の灯具ボディ２１の下面部にはグリル ボディ４１の内部に連通する連通窓２４を部分的に開設している。

【０００７】 前記ライトアングルフィルム５は、図４に示すように、例えばポリカーボネー ト等の薄い板材からなる透明フィルム５１の表面を断面が三角形の縞状に形成し 、かつその裏面にはアルミニウム等の反射膜５２を蒸着等により形成している。 更に、この反射膜５２の裏面には粘着剤５３を塗布し、この粘着剤５３を利用し てグリルボディ４１の内面に貼り付けることができる。尚、透明フィルム５１の 表面の三角形はプリズム５４を構成しており、その頂角は透明フィルム５１の光 屈折率に対応した所要の角度に設定されている。 このようなライトアングルフィルム５は、その表面と略平行に近い角度で照射 された光は、プリズム５４と反射膜５２の作用によって表面に対して略垂直な角 度で反射される。逆に、フィルム表面に略垂直に照射された光は表面に平行に近 い角度に反射される。このような反射型ライトアングルフィルムとしては、例え ば「ソルフ」と称する商品名で市販されているものがある。

【０００８】 このように構成される光照明グリルによれば、図１のように、前照灯２の電球 ２２からの光は、灯具ボディ２１の反射面で反射され、レンズ２３を通して前方 に照射されるが、灯具ボディの下面に向けて照射された光の一部は、連通窓２４ を通してグリルボディ４１内に導入される。そして、このグリルボディ４１の内 面に貼り付けられたライトアングルフィルム５の表面に照射され、ここで反射さ れる。このとき、図３に示すように、グリルボディ４１の下面に貼り付けられた ライトアングルフィルム５には連通窓からの光が略垂直方向に照射されるため、 フィルムの縞方向を車両の左右方向に向けておけば、反射光はフィルム面と略平 行な方向に反射され、自動車の前方に向けて反射される。又、フィルムの縞方向 を車両の前後方向に向けておけば、反射光は自動車の車幅方向に向けて反射され る。

【０００９】 同様に、図示は省略するが、グリルボディ４１の側面に貼り付けたライトアン グルフィルムによっても同様に光を左右方向に反射させることができる。更に、 図１のように、下面のライトアングルフィルム５に照射された一部の光は光の反 射法則に従って上方に向けて反射されるが、この光はグリルボディ４１の上面に 貼り付けたライトアングルフィルム５により前後方向或いは車幅方向に反射され る。又、その反射光の一部は再び下面のフィルムに照射され、前述と同様な光反 射が行われる。

【００１０】 したがって、前照灯２の電球２２からの光をライトアングルフィルム５の特異 な反射特性によって光照明グリル４の全幅方向に反射させながらレンズ４２を通 して外部に照射させることができ、結果として光照明グリル４を自動車の全幅に わたって均一に照明することができる。又、この光照明グリルは電球を必要とし ないため、拡散板等も不要となり、構造の簡略化、軽量化が可能となる。 尚、この光照明グリルは前照灯の電球から下方に向けて照射される光を利用し ているが、角型前照灯においては、このように下方に向けて照射される光は灯具 ボディの反射面において上方に向けて反射されないように遮断しているものであ るため、このような光の一部を光照明グリルに利用しても前照灯の光量が低下さ れるようなことはない。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、灯具の光の一部をグリルボディ内に導入させ、 この光をグリルボディの内面に貼り付けたライトアングルフィルムによって反射 させて外部に照射させるようにしているので、ライトアングルフィルムの光反射 特性によって、特に自動車の車幅方向に均一な照明を行うことができるとともに 、光照明グリルの電球や拡散板等を不要にし、構造の簡略化、軽量化を図ること ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示し、図２のＡ−Ａ線拡大
断面図である。

【図２】本考案が適用される自動車の正面図である。

【図３】一部を破断した概略斜視図である。

【図４】ライトアングルフィルムとその光反射作用を示
す断面図である。

【符号の説明】

２ 前照灯 ４ 光照明グリル ５ 反射型ライトアングルフィルム ２１ 灯具ボディ ２２ 電球 ２４ 連通窓 ４１ グリルボディ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 灯具と隣接する位置に光グリルを配設し
   た自動車において、前記灯具に隣接配置されたグリルボ
   ディと、このグリルボディの前面開口に取着されたレン
   ズと、前記灯具の光の一部をグリルボディ内に導入させ
   るようにグリルボディの一部に開設した連通窓と、前記
   グリルボディの内面に貼り付けたライトアングルフィル
   ムとを備え、前記連通窓からグリルボディ内に導入され
   る光をライトアングルフィルムで反射させ、レンズを通
   して外部に照射させるように構成したことを特徴とする
   自動車の光照明グリル。