JPH06239256A - 車両の前後輪操舵装置 - Google Patents

車両の前後輪操舵装置

Info

Publication number
JPH06239256A
JPH06239256A JP5155793A JP5155793A JPH06239256A JP H06239256 A JPH06239256 A JP H06239256A JP 5155793 A JP5155793 A JP 5155793A JP 5155793 A JP5155793 A JP 5155793A JP H06239256 A JPH06239256 A JP H06239256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel steering
rear wheel
angle sensor
motor
electromagnetic clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5155793A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Nakamura
三津男 中村
Yoshihiko Tsuzuki
嘉彦 都築
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP5155793A priority Critical patent/JPH06239256A/ja
Publication of JPH06239256A publication Critical patent/JPH06239256A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】システム内センサーのみで、車両前後輪操舵制
御の初期自己診断、制御結果のチェック、制御切り換わ
り時のチェックを行う。 【構成】図1は前後輪操舵装置の構成図で、この機構
で、低速時、前輪パワーステアリングが行われ、中高速
時に後輪操舵が行われる。各センサーの出力を基にEC
U15により想定される故障モードに対して自己診断機
能を踏まえた制御を実行させる。先ずイニシャルチェッ
クを行い、正常ならパワステ制御モードになる。車速が
所定値以下の時パワステ制御を継続し、制御ごとに制御
結果のチェックを行う。所定速度を越えたら前輪用電磁
クラッチ8の切離しを確認し、後輪操舵制御モードに入
る。所定速度より大きい間は後輪操舵制御を継続し、制
御ごとに結果をチェックする。所定速度以下になれば、
後輪用電磁クラッチ10の切離しを確認し、再びパワス
テ制御を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の車輪操舵装置に関
し、いわゆる4WS(四輪ステアリング)と呼ばれる機
構を備える車両のうちで、一つのモーター動力を前輪操
舵(前輪パワーステアリング)と後輪操舵とに切り換え
て使用する操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として、特公平4-63771 号公
報に示される四輪操舵装置がある。これは上記装置の基
本構造を発明したものであり、車両の低速走行時、前輪
操舵に合わせて動力を前輪操舵機構にクラッチでつなげ
て操舵援用装置(前輪パワーステアリング)として用
い、中高速走行時には動力を後輪操舵機構に別のクラッ
チでつなげて前輪操舵に対応させて後輪操舵を行い、車
両の走行性能を向上させようとするものである。この装
置の制御を行うために車速センサー、操舵角センサー、
トルクセンサー、後輪舵角センサー、及びモーターの回
転角センサーが備付けられた構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記装
置は動力伝達機構であるクラッチの異常時に対する対策
がなく、例えばクラッチの焼付け固着などが生じた場合
の検出は行われていない。
【0004】従って本発明の目的は、本システムにおい
てフェールセーフを考慮した安全性の高いシステム動作
を有する装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め請求項1記載の構成は、一つのモーターと前輪用電磁
クラッチと後輪用電磁クラッチとを有して前輪操舵機構
と後輪操舵機構とに前記モーターの出力を伝達する構造
であり、車速センサー、モーターの回転角センサー、前
輪操舵機構に設けられた操舵角センサーと、後輪操舵機
構に設けられた後輪舵角センサーを有する車両の前後輪
操舵装置において、該車両のエンジン始動後および走行
中に、車速センサーの所定の速度値に応じて前輪操舵モ
ードと後輪操舵モードとを切換えて、前後輪操舵装置の
制御を行う制御手段と、前輪操舵モード中繰り返される
前輪操舵の制御一回ごとに、操舵角センサーの出力と回
転角センサーの値から操舵速度とモーター速度とを求
め、両速度の比較で前記前輪用電磁クラッチの接続が確
実か否かを診断する第一診断手段と、後輪操舵モード中
繰り返される後輪操舵の制御一回ごとに、後輪舵角セン
サーの出力と回転角センサーの値から前記モーターの位
置と後輪舵角位置とを求め、両位置の比較で後輪用電磁
クラッチの接続が確実か否かを診断する第二診断手段と
を有することを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の構成は、一つのモー
ターと前輪用電磁クラッチと後輪用電磁クラッチとを有
して前輪操舵機構と後輪操舵機構とに前記モーターの出
力を伝達する構造であり、車速センサー、モーターの回
転角センサーとモーター駆動電流検出手段、前輪操舵機
構に設けられた操舵角センサーとトルクセンサー、前輪
用電磁クラッチ駆動電流検出手段、後輪操舵機構に設け
られた後輪舵角センサー、および後輪用電磁クラッチ駆
動電流検出手段を有する車両の前後輪操舵装置におい
て、該車両の使用開始時、制御装置に電源が通電された
時に前記各センサーの出力が正常範囲内の値か否かを判
定するセンサー診断手段と、前輪用、後輪用の両電磁ク
ラッチが回転未伝達の制御状態にてモーターを駆動し、
回転角センサーの出力とモーター駆動電流値で無負荷状
態か否かを判定し、負荷がかかっていると判定された場
合には後輪舵角センサーおよび操舵角センサーとトルク
センサーの出力を検知して、どちらの電磁クラッチが異
常かを判定するクラッチオフ診断手段と、後輪用電磁ク
ラッチのみを接続状態にし、後輪舵角センサーの値及び
回転角センサーの値及び後輪用電磁クラッチの駆動電流
値の大きさで後輪用クラッチ接続が確実か否かを判定す
る後輪用クラッチ接続診断手段と、前輪用電磁クラッチ
のみを接続状態にして前輪用電磁クラッチの駆動電流値
の大きさで前輪用電磁クラッチが正常に動作しているか
否かを判定する前輪用クラッチ接続診断手段とで構成さ
れた初期自己診断手段を有することを特徴とする。
【0007】請求項3記載の構成は、一つのモーターと
前輪用電磁クラッチと後輪用電磁クラッチとを有して前
輪操舵機構と後輪操舵機構とにモーターの出力を伝達す
る構造であり、車速センサー、モーターの回転角センサ
ーとモーター駆動電流検出手段を有する車両の前後輪操
舵装置において、該車両のエンジン始動後および走行中
に、車速センサーの所定の速度値に応じて前輪操舵モー
ドと後輪操舵モードとを切換えて前後輪操舵装置の制御
を行う制御手段と、前輪操舵モードから後輪操舵モード
に制御が移る間に、両電磁クラッチが回転未伝達の制御
状態で、モーター駆動電流検出手段の出力、及び回転角
センサーの出力で前輪用電磁クラッチの切離しが確実か
否かを判定する第一判定手段と、後輪操舵モードから前
輪操舵モードに制御が移る間に、両電磁クラッチが回転
未伝達の制御状態で、モーター駆動電流検出手段の出
力、回転角センサーの出力で後輪用電磁クラッチの切離
しが確実か否かを判定する第二判定手段とを有すること
を特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、前輪操舵モードの操
舵制御としてモーターから前輪操舵機構へアシストトル
クが出力される。そのステップが実行された後、モータ
ーの回転角センサーの出力結果と操舵角センサーの出力
結果とで求められる速度を演算比較し、両者が適性な範
囲内で一致すれば異常なく制御されたと判定され、制御
を続行する。後輪操舵モードの操舵制御として、モータ
ーの回転力が後輪操舵機構の駆動源となり、前輪操舵に
対応した角度だけ回転させる。そのステップが実行され
た後、モーターの回転角センサーの出力結果と後輪舵角
センサーの出力結果とで求められる角度を演算比較し、
両者が適性な範囲内で一致すれば異常なく制御されたと
判定され、制御を続行する。いずれも異常と判定された
場合はクラッチの伝達が異常であるので警告ランプを点
灯して制御を中止する。
【0009】請求項2記載の発明では、前後輪操舵装置
を初めて使用する場合、装置全体の状況をチェックする
ために、システムが通電されてすぐにイニシャルチェッ
クを行う。まず各センサーの出力値が適性かどうかを検
知する。次にモーターが正常かどうか空回転させてその
電流値が無負荷値の範囲内か判定する。次に各クラッチ
をそれぞれ独立に動作させて各センサーの信号を調べて
結合が確実か確認する。何れも異常があれば警告ランプ
を点灯して制御を中止する。
【0010】請求項3記載の発明では、前輪操舵モード
と後輪操舵モードとの制御切り換わりの際に、両クラッ
チは分離される状態となる。そこで各クラッチの切離し
状態を回転角センサーの出力で確認する。モーターは無
負荷の状態なので回転させて電流値が無負荷状態の範囲
内か判定する。異常ならば警告ランプ点灯となり、制御
が中断される。
【0011】
【発明の効果】以上の作用の結果、請求項1記載の発明
では制御の最中に常にシステムをチェックしているの
で、システムが異常になっても直ちに検出でき、危険な
状態に陥ることがない。請求項2記載の発明ではシステ
ム起動時にチェックするのでやはり危険な状態を避ける
ことができる。請求項3記載の発明では、制御が切り換
わる際にもシステムをチェックするので、制御の切り換
わりを保証する。以上述べたように、装置の故障監視が
制御開始時から働くので、フェールセーフが考慮され安
全性が高められた制御を有する前後輪操舵装置を提供で
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例を示す四輪車両用の前
後輪操舵装置の構成図で、図2はその動力の切換え機構
を模式的に示した説明図である。図1で、ハンドル1は
操舵稈(ステアリングコラム)3につながっており、運
転者のハンドル操作が操舵稈3を通じてピニオンギヤハ
ウジング5内のピニオンとラックギヤ機構を介して前輪
操舵機構4に伝達され、図示していない車輪を動かす構
造となっている。操舵稈3にはハンドル1の回転を検知
する操舵角センサー(ステアリングセンサー)2が装着
されている。また、ここではトルクセンサー6がピニオ
ンギヤハウジング5内に装着され、安全のためにメイ
ン、サブの二系統設置されている。一方、図2のように
モーター7は前輪用クラッチ8と前輪用減速機9、ピニ
オン・ラックギヤ機構19を介して前輪操舵機構4につ
なげられ、また後輪用クラッチ10、後輪用減速機1
1、ピニオン・ラックギヤ機構20を介して後輪操舵機
構13につなげられる構造となっている。後輪操舵機構
13には後輪舵角センサー12が装着されている(図
1)。これらの機構をECU(電子制御ユニット)モー
タードライバー(以下ECUと記す)15が制御する。
そこでこのECU15から各電磁クラッチ8、10、モ
ーター7に通電する配線が成され、上記の各センサーの
信号が接続されている。また車両のエンジンに装着され
ている車速センサー14の信号もECU15に接続され
ている。
【0013】この操舵機構によって、車両の停止時また
は低速走行時は、モーター7が前輪用電磁クラッチ8で
前輪操舵機構4に接続され、運転者がハンドル1を操作
する時に、前輪操舵機構4に含まれるピニオンギヤハウ
ジング5に取りつけられたトルクセンサー6と操舵稈
(ステアリングコラム)3に装着された操舵角センサー
(ステアリングセンサー)2からの信号を基に、ハンド
ル1が楽に操作できるようにモーター7の回転力が援用
される(前輪パワーステアリング)。また、車両が中高
速走行時には、モーター7が前輪操舵機構4から切り離
され、後輪用電磁クラッチ10によって後輪操舵機構1
3に接続され、後輪舵角センサー12の出力を基に前輪
操舵に合わせて後輪操舵が行われる(いわゆる4WS、
四輪操舵)。モーター7の出力は各クラッチ8、10に
よって伝達されるがそのままでは高速すぎるため、各減
速機9、11を用いて伝達される。図2から判るよう
に、操舵角度が左右に振られるためにモーター7は回転
を逆転させるタイプのものが使用される。
【0014】ECU15には図3に示されるような各セ
ンサーが接続され、ECU15によってモーター7、前
輪用電磁クラッチ8、後輪用電磁クラッチ10の電力が
制御される。従ってこれらの駆動電流もECU15によ
って検知される。ECU15に接続された各センサーの
内、操舵角センサー2とモーター内に装着された回転角
センサー16は一回転以上する構造であるなどの理由で
非接触のホトインタラプタ形式のセンサーが使用されて
いる。これらのセンサーは図4に示す二相の矩形信号
A、Bを出力し、この位相検知とパルス数をカウントす
ることで回転量と回転方向を検知する。後輪舵角センサ
ー12は、ここではポテンショメータ式のセンサーを用
いており、その出力は図5(a) に示されるように、出力
範囲が規定されている。トルクセンサー6の出力も図5
(b) に示されるようにやはり出力範囲が規定され、もし
メイン、サブ二つの信号に差が生じた場合は、後述のフ
ローチャートには示していないが、制御中に検出して警
告するようになっている。車速センサー14は、車速に
応じてスイッチの接点がON/OFFするパルス信号を
出すセンサーが利用されている。
【0015】以上のような構成と動作で本装置は機能を
果たすが、その際にシステムの運行上発生すると想定さ
れる故障モードが考えられるため、本発明を特徴づける
自己診断機能を踏まえた制御を実行させる。それをフロ
ーチャートに示したのが図6である。先ず、運転者がイ
グニッションをONさせるとECU15が起動し、後述
するイニシャルチェックをステップ6-1 で行い、正常で
あればステップ6-2 のパワーステアリング制御モードに
なる。ここで車速が所定値以下であればパワーステアリ
ング制御6-22を継続する。ステップ6-22を一回終えるた
びごとにステップ6-24で制御結果のチェックを行う。所
定の車速を越えたらステップ6-3 で前輪用電磁クラッチ
8の切離しを確認後に、ステップ6-4 で後輪操舵制御モ
ードに入る。ここでも車速が所定値より大きい間は後輪
操舵制御6-42を継続する。また制御が一回終了するたび
にステップ6-44で制御結果をチェックする。車速が下が
って所定値以下になったら、ステップ6-5 で後輪用電磁
クラッチ10の切離しを確認後に、再びパワーステアリ
ング制御6-2 を継続する。このフローが車両の電源がO
FFに成るまで続けられる。
【0016】イニシャルチェックのステップでは、シス
テムが正常かどうかを検査していく。それを順を示した
のが図7から図11に示すフローチャートで、まずセン
サー自体のチェックから行い、アクチュエータ類のチェ
ックを行う。イニシャルチェックがスタートすると先ず
内部のチェックフラグをクリアしておく(7-1) 。モータ
ー7の動作を確認するため、安全を確保する意味で車速
が0の状態で検査を行うので、車速が0かどうかを確認
した後(7-2) 、まず後輪舵角センサー12が正常出力範
囲内かどうか(7-3) 、次にトルクセンサー6が正常出力
範囲内かどうかをチェックし(7-4) 、異常ならば図11
のステップに移って、該当するチェックフラグを立てて
(11-1)警告ランプ17を点灯して(11-4)制御を終了す
る。正常ならば、図8のモーター7の検査モードに入
り、両クラッチをOFFした状態(8-1) でモーター7を
駆動させ(8-2) 回転の立ち上がりを待った(8-3) 後にモ
ーター駆動電流値をチェックして電流0かどうか(8-4)
、ロック値以上か(8-5) の異常状態を確認し、また、
正常値であるべき無負荷の範囲かを確認する(8-6) 。何
れも異常ならば図11のステップへ移って対応するチェ
ックフラグを立てて警告終了する。無負荷の範囲でない
場合は、両クラッチ8、10がOFFの状態にもかかわ
らずつながった状態が想定されるので、後輪舵角センサ
ー12(8-7) 及び操舵角センサー2、トルクセンサー6
の出力をチェックし(8-8) どちらのクラッチが異常か判
定し、図11のステップに移る。モーター7が正常であ
ればモーター7に付属の回転角センサー16の出力につ
いてもチェックする(8-9) 。正常ならば図9のステップ
に入って、後輪操舵関係のチェックを行う。なお、ステ
ップ8-8 で操舵角センサー2、トルクセンサー6の出力
が一致しない場合は、図には示していないが、操舵角セ
ンサーの異常と判定される。
【0017】図9で、モーター7を停止(9-1) した後、
後輪用電磁クラッチ10をONし(9-2) 、先ずクラッチ
の駆動電流値を調べ(9-3) 、異常ならば、電流0かどう
かを調べて(9-4) 図11の異常処理ステップへ移る。電
流が正常ならば後輪舵角センサー12の出力を見て、中
立位置かどうかを判定し(9-5) 、中立でなければモータ
ーを駆動させて中立位置にし(9-6) 、またそのことで駆
動制御が正常かどうかも判定する(9-7) 。初めから中立
位置であれば、モーターをわずかに駆動して(9-8) その
移動とセンサーの出力をみて正常に機能するか判定する
(9-9) 。正常ならば後輪を中立位置に戻し(9-10)、図1
0のパワーステアリング側のチェックに入る。異常なら
ばモーター電流を調べる(9-11)。ステップ9-7 で中立位
置でないとされた場合も、ステップ9-11でモーター駆動
電流がロック値かどうか調べ、異常であれば図11の異
常処理ステップへ移る。ロック値ならば後輪が固定され
た状態で正常とみなし、図10へ移る。図10でモータ
ーを停止した(10-1)のち、後輪用電磁クラッチ10をO
FFし(10-2)、次に前輪用電磁クラッチ8をONして(1
0-3)、駆動電流値を調べる(10-4,5)。この際に前輪用ク
ラッチの接続状態を確認することはモーターを駆動させ
てみればわかるが、この時点で車両は停止しており、パ
ワーステアリング装置が前輪操舵機構を駆動することに
なるので、運転者からみると勝手にハンドルが動くこと
になり、運転者に不安を与える可能性がある。そのため
接続状態の確認は走行中のみに限り、ここでは行わな
い。クラッチの電流が正常であればイニシャルチェック
は終了する。そして、低速時の操舵制御ステップへと移
る。
【0018】低速時の前輪操舵制御ステップは図12、
図13のフローチャートで示される。まず車速を調べ(1
2-1)、所定の速度以上であれば前輪操舵制御ステップは
終了させる(12-7,8)。所定速度以下ならば前輪用電磁ク
ラッチをONして(12-2)、トルクセンサーの値を調べ(1
2-3)、運転者の操作によってハンドル1に加わる力に応
じてモーターを駆動する(12-4)。そして、ハンドル1の
操舵角センサー2とモーターの回転角センサー16の図
4に示すA相とB相との信号立上がり、立下がりの時間
間隔を測ることでそれぞれの速度が求められ(12-5)、モ
ーターの速度を前輪操舵機構4の減速関係であるギヤ比
で割った値が操舵速度値と等しいかどうか判定する(12-
6)。もし一致すれば制御は正しく行われたことを意味す
るので再び車速をチェックするステップ12-1に戻る。制
御が異常であれば図13のステップへ移り、どの部位が
不調かを調べて(13-1,2)警告し(13-3 〜8)、制御を中止
終了させる。
【0019】車両の速度が増し中高速状態になると、車
速センサーからの信号で制御が後輪操舵モードに切り替
わる。そしてイニシャルチェックで行ったのと同様な方
法で前輪用電磁クラッチの切離しチェックを行い(図8
のフローチャート)、問題無ければ後輪操舵制御ステッ
プにはいる。図14、図15が後輪操舵制御のフローチ
ャートである。まず車速が所定のしきい値以上かどうか
確かめ(14-1)、しきい値以下なら、フローチャートには
示してないが後輪を中立位置に戻し、後輪操舵制御ステ
ップを終了させる(14-10,11)。しきい値を越えているな
らば後輪用電磁クラッチをONして(14-2)、後輪舵角セ
ンサーの値をチェックし正常値かどうか確認する(14-
3)。初めてこのステップを実行する場合はモーターの絶
対位置を把握する必要があるので、後輪舵角センサーの
値からギヤ比をかけた値をメモリーしておく(14-4,5)。
これはモーターの回転角センサーは相対値しか出力しな
いためである。これにより後輪舵角センサーとの対応を
とり制御に用いる。そして操舵角センサー、回転角セン
サー、車速センサーの信号から前輪操舵量に対応した後
輪操舵量を算出し(14-6)、モーターに出力する(14-7)。
そしてモーター位置が後輪舵角センサー値×ギヤ比の値
と一致していれば正常に制御できたと判定し(14-8)、再
び車速チェックに戻って後輪操舵制御を続ける。もし異
常があれば後輪舵角センサーを調べ(14-9)、図15の警
告ステップへ移ってチェックフラグを立て(15-1)、動力
を切離し(15-2,3)警告ランプを点灯させて(15-4)制御を
中止終了する。
【0020】以上のように、このシステムの制御には、
システム内に含まれるセンサーのみで、車両使用初期及
び車両走行中に絶えずシステムを、特に重要な機能を持
つ二つのクラッチとセンサー類を監視するステップが含
まれているので、本発明により初期自己診断、制御結果
のチェック、制御切り換わり時のチェックという、安全
性の高い前後輪操舵制御が行われることが示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構造図。
【図2】モーター駆動の切換え機構の説明図。
【図3】ECU(電子制御ユニット)の接続図。
【図4】操舵角センサー及び回転角センサーの出力値を
示す説明図。
【図5】後輪舵角センサー及びトルクセンサーの出力値
を示す説明図。
【図6】本発明の全体制御のフローチャート図。
【図7】本発明のイニシャルチェックのフローチャート
図。(センサー診断手段)
【図8】本発明のイニシャルチェックのフローチャート
図。(クラッチオフ診断手段)
【図9】本発明のイニシャルチェックのフローチャート
図。(後輪用クラッチ接続診断手段)
【図10】本発明のイニシャルチェックのフローチャー
ト図。(前輪用クラッチ接続診断手段)
【図11】本発明のイニシャルチェックのフローチャー
ト図。
【図12】本発明のパワーステアリング制御のフローチ
ャート図。
【図13】本発明のパワーステアリング制御のフローチ
ャート図。
【図14】本発明の後輪操舵制御のフローチャート図。
【図15】本発明の後輪操舵制御のフローチャート図。
【符号の説明】
1 ハンドル 2 操舵角センサー(ステアリングセンサー) 3 操舵稈(ステアリングコラム) 4 前輪操舵機構 5 ピニオンギヤハウジング 6 トルクセンサー 7 モーター 8 前輪用電磁クラッチ 9 前輪用減速機 10 後輪用電磁クラッチ 11 後輪用減速機 12 後輪舵角センサー 13 後輪操舵機構 14 車速センサー 15 ECU(電子制御ユニット)モータードライブ 16 回転角センサー 17 警告ランプ 19、20 ピニオン・ラック機構 ステップ6−2(前輪操舵モード) ステップ6−4(後輪操舵モード) ステップ6−1、及び、図7〜図11(初期自己診断手
段) ステップ6−24、及び、図12〜図13 (第一診断
手段) ステップ6−44、及び、図14〜図15 (第二診断
手段) ステップ6−3 (第一判定手段) ステップ6−5 (第二判定手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 117:00 119:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つのモーターと前輪用電磁クラッチと後
    輪用電磁クラッチとを有して前輪操舵機構と後輪操舵機
    構とに前記モーターの出力を伝達する構造であり、車速
    センサー、前記モーターの回転角センサー、前記前輪操
    舵機構に設けられた操舵角センサーと、前記後輪操舵機
    構に設けられた後輪舵角センサーを有する車両の前後輪
    操舵装置において、 該車両のエンジン始動後および走行中に、前記車速セン
    サーの所定の速度値に応じて前輪操舵モードと後輪操舵
    モードとを切換えて前記前後輪操舵装置の制御を行う制
    御手段と、 前記前輪操舵モード中繰り返される前輪操舵の制御一回
    ごとに、前記操舵角センサーの出力と前記回転角センサ
    ーの値から操舵速度とモーター速度とを求め、両前記速
    度の比較で前記前輪用電磁クラッチの接続が確実か否か
    を診断する第一診断手段と、 前記後輪操舵モード中繰り返される後輪操舵の制御一回
    ごとに、前記後輪舵角センサーの出力と前記回転角セン
    サーの値から前記モーターの位置と後輪舵角位置とを求
    め、両前記位置の比較で前記後輪用電磁クラッチの接続
    が確実か否かを診断する第二診断手段と、を有すること
    を特徴とする車両の前後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】一つのモーターと前輪用電磁クラッチと後
    輪用電磁クラッチとを有して前輪操舵機構と後輪操舵機
    構とに前記モーターの出力を伝達する構造であり、車速
    センサー、前記モーターの回転角センサーとモーター駆
    動電流検出手段、前記前輪操舵機構に設けられた操舵角
    センサーとトルクセンサー、前輪用電磁クラッチ駆動電
    流検出手段、前記後輪操舵機構に設けられた後輪舵角セ
    ンサー、および後輪用電磁クラッチ駆動電流検出手段を
    有する車両の前後輪操舵装置において、 該車両の使用開始時、制御装置に電源が通電された時に
    前記各センサーの出力が正常範囲内の値か否かを判定す
    るセンサー診断手段と、 前輪用、後輪用、両前記電磁クラッチが回転未伝達の制
    御状態にて前記モーターを駆動し、前記回転角センサー
    の出力と前記モーター駆動電流値で無負荷状態か否かを
    判定し、負荷がかかっていると判定された場合には前記
    後輪舵角センサーおよび操舵角センサーとトルクセンサ
    ーの出力を検知してどちらの電磁クラッチが異常かを判
    定するクラッチオフ診断手段と、 前記後輪用電磁クラッチのみを接続状態にし、前記後輪
    舵角センサーの値及び前記回転角センサーの値及び前記
    後輪用電磁クラッチの駆動電流値の大きさで該クラッチ
    接続が確実か否かを判定する後輪用クラッチ接続診断手
    段と、 前記前輪用電磁クラッチのみを接続状態にして前記前輪
    用電磁クラッチの駆動電流値の大きさで前記前輪用電磁
    クラッチが正常に動作しているか否かを判定する前輪用
    クラッチ接続診断手段とで構成された初期自己診断手段
    を有することを特徴とする車両の前後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】一つのモーターと前輪用電磁クラッチと後
    輪用電磁クラッチとを有して前輪操舵機構と後輪操舵機
    構とに前記モーターの出力を伝達する構造であり、車速
    センサー、前記モーターの回転角センサーとモーター駆
    動電流検出手段を有する車両の前後輪操舵装置におい
    て、 該車両のエンジン始動後および走行中に、前記車速セン
    サーの所定の速度値に応じて前輪操舵モードと後輪操舵
    モードとを切換えて前記前後輪操舵装置の制御を行う制
    御手段と、 前記前輪操舵モードから前記後輪操舵モードに制御が移
    る間に、両前記電磁クラッチが回転未伝達の制御状態
    で、前記モーター駆動電流検出手段の出力、及び前記回
    転角センサーの出力で前記前輪用電磁クラッチの切離し
    が確実か否かを判定する第一判定手段と、 前記後輪操舵モードから前記前輪操舵モードに制御が移
    る間に、両前記電磁クラッチが回転未伝達の制御状態
    で、前記モーター駆動電流検出手段の出力、前記回転角
    センサーの出力で前記後輪用電磁クラッチの切離しが確
    実か否かを判定する第二判定手段と、を有することを特
    徴とする車両の前後輪操舵装置。
JP5155793A 1993-02-16 1993-02-16 車両の前後輪操舵装置 Pending JPH06239256A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5155793A JPH06239256A (ja) 1993-02-16 1993-02-16 車両の前後輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5155793A JPH06239256A (ja) 1993-02-16 1993-02-16 車両の前後輪操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06239256A true JPH06239256A (ja) 1994-08-30

Family

ID=12890299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5155793A Pending JPH06239256A (ja) 1993-02-16 1993-02-16 車両の前後輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06239256A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247077A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP2009179185A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Nissan Motor Co Ltd ステアバイワイヤシステムの診断装置およびステアバイワイヤシステムの診断方法
JP2019182251A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
CN112441110A (zh) * 2019-09-05 2021-03-05 博世华域转向***有限公司 一种电动助力转向***助力模式的状态管理方法
US20210245798A1 (en) * 2020-02-11 2021-08-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Steering device and steering system including steering devices
CN114954646A (zh) * 2022-06-16 2022-08-30 北京理工大学 一种车辆转向***和转向方法
CN115158459A (zh) * 2022-07-11 2022-10-11 上汽通用汽车有限公司 后轮转角控制方法、装置、设备及计算机可读存储介质

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247077A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd 操舵システム
JP4504991B2 (ja) * 2007-03-29 2010-07-14 本田技研工業株式会社 操舵システム
JP2009179185A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Nissan Motor Co Ltd ステアバイワイヤシステムの診断装置およびステアバイワイヤシステムの診断方法
JP2019182251A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
CN112441110A (zh) * 2019-09-05 2021-03-05 博世华域转向***有限公司 一种电动助力转向***助力模式的状态管理方法
CN112441110B (zh) * 2019-09-05 2022-03-18 博世华域转向***有限公司 一种电动助力转向***助力模式的状态管理方法
US20210245798A1 (en) * 2020-02-11 2021-08-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Steering device and steering system including steering devices
US11634172B2 (en) * 2020-02-11 2023-04-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Steering device and steering system including steering devices
CN114954646A (zh) * 2022-06-16 2022-08-30 北京理工大学 一种车辆转向***和转向方法
CN114954646B (zh) * 2022-06-16 2023-10-03 北京理工大学 一种车辆转向***和转向方法
CN115158459A (zh) * 2022-07-11 2022-10-11 上汽通用汽车有限公司 后轮转角控制方法、装置、设备及计算机可读存储介质
CN115158459B (zh) * 2022-07-11 2024-01-16 上汽通用汽车有限公司 后轮转角控制方法、装置、设备及计算机可读存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0139867B1 (ko) 자동차의 전동 파워 스티어링 시스템용 제어 장치
JP2679803B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
US5101922A (en) Rear wheel steering system with fail-safe system
JP2643041B2 (ja) 電動パワーステアリング制御方法
US7127341B2 (en) Failsafe steering device for steer-by-wire system
US5257672A (en) Rear differential gear lock controller including diagnostic system for determining vehicle speed sensor failure
JP2005096745A (ja) 車両用操舵装置
US4842087A (en) Motor driven type power steering control device
JP2836766B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置及び方法
JPH06239256A (ja) 車両の前後輪操舵装置
JP4007200B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPS6320266A (ja) モ−タ駆動式パワ−ステアリング制御装置
JP3578488B2 (ja) 自動操舵装置
JPH0569834A (ja) 車輌の電動補助操舵装置
JPH10322809A (ja) 車 輌
JPH06305439A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JPH06127409A (ja) 車両の後輪操舵装置
JP3731997B2 (ja) 車両のステアリング装置
JP2903794B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2007062655A (ja) 車両用操舵装置
JPH06227421A (ja) 車両の前後輪操舵装置
JP2758166B2 (ja) 車両の後輪操舵装置
JP6101075B2 (ja) デフ・ロック制御装置
JPH10258750A (ja) 操舵制御装置
JPH01182163A (ja) 車両の後輪操舵装置