JPH06239192A - エアバッグシステム用パッドカバー - Google Patents

エアバッグシステム用パッドカバー

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JPH06239192A
JPH06239192A JP50A JP2422193A JPH06239192A JP H06239192 A JPH06239192 A JP H06239192A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 2422193 A JP2422193 A JP 2422193A JP H06239192 A JPH06239192 A JP H06239192A
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pad cover
tear line
cover
groove
airbag
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Yasusuke Matsushima
庸介 松島
Yoshihiko Muto
吉彦 武藤
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲雰囲気の変化に関わらず、ティアライン
の開裂を所望の部位まで到達させ、ティアラインの開裂
を所望の領域を大きく超えて進行させず、しかも、開裂
したカバー部分を円滑且つ完全に拡開させることができ
るエアバッグシステム用パッドカバーを提供する。 【構成】 パッドカバー1の側面部3には、展開促進部
10が設けられる。展開促進部は、H形ティアラインの
横溝6と略平行に配向された溝11を備える。溝は、所
定の長さに亘って端壁部3aの裏面に形成され、ティア
ラインと不連続の脆弱部分を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグシステム用
パッドカバーに関するものであり、より詳細には、エア
バッグシステムのエアバッグ収納領域を形成する天面部
及び側面部を有し、エアバッグ展開時にパッドカバーの
開裂を促進するティアラインを少なくとも天面部に備え
たエアバッグシステム用パッドカバーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】乗員保護のために自動車等の車両のステ
アリングホイール又はインストルメントパネル等に配置
されるエアバッグシステムが広く実用に供されている。
エアバッグシステムは一般に、車両に不意な衝撃又は急
激な減速が生じた際に、袋体からなるエアバッグを膨張
させ、衝撃を緩和するエアクッションを運転者とステア
リングホイール等との間に形成する。エアバッグシステ
ムは概して、エアバッグモジュール又はエアバッグユニ
ットなどと称される車載可能なユニットとして構成され
ており、比較的高圧なガスを発生させるインフレータ
(ガス発生器)と、折り畳まれた状態で装置内に収納さ
れたエアバッグと、車室に面するパッドカバーとを備え
ている(例えば、特公昭61−44708号公報、特開
平3−167045号公報、実開平2−91051号公
報等参照)。
【0003】インフレータは、ガスを発生させる化学物
質と、衝撃検出センサからの信号に基づき化学物質に着
火するイグナイタとを備え、化学物質より発生したガス
をエアバッグ内に導入する。装置内に収納されたエアバ
ッグは、発生したガスを密封すべく袋体に形成されてお
り、ガスの導入により、ほぼ瞬時に膨張し、パッドカバ
ーを破断し、ステアリングホイール等と運転者との間に
展開する。
【0004】パッドカバーは一般に、収納パッド、モジ
ュールカバー又はリッドなどと呼ばれ、常時は、エアバ
ッグを収納するケース又はハウジングとして機能し、エ
アバッグ展開時には、エアバッグの膨張により比較的容
易に破断され、エアバッグの円滑な膨張を保証する。確
実且つ迅速なパッドカバーの破断を確保すべく、パッド
カバーの比較的容易な開裂を促す開裂部、即ち、ティア
ラインがパッドカバーの所定の部位に設けられる。ティ
アラインは一般に、開裂用スリット又は溝をパッドカバ
ーの裏面に形成し、パッドカバーを局所的に薄肉化する
ことにより形成される。或る形式のパッドカバーでは、
ティアラインは天面部にH形をなして配置される。
【0005】或る従来設計のパッドカバーでは、開裂し
たカバー部分が車室に向かって大きく拡開するように、
H形ティアラインの両縦線部が天面部を超えて側壁部に
延び、パッドカバーのアンダーカット部又は側壁の端縁
まで達している。また、他の従来設計のパッドカバーで
は、H形ティアラインの両縦線部は天面部の縁部領域に
て終端する一方、開裂したカバー部分がエアバッグの膨
張により円滑に拡開するように、カバー部分の回動軸線
又は展開支軸線を形成するスリット又は溝が、天面部の
裏面に配設される。かかる回動軸線は、例えば、H形テ
ィアラインの横方向に延びる中央横線部と略平行に、テ
ィアラインの両側に配置され、H形の両縦線部の上端と
上端、及び下端と下端とを夫々連結するように位置決め
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、端縁ま
で延在するティアラインの縦線部を備えた上記従来構造
のパッドカバーでは、殊に高温雰囲気、例えば90℃の
酷暑雰囲気におけるエアバッグの展開時に、ティアライ
ンの開裂がアンダーカット部又は側壁の端縁を超えて進
行し、パッドカバーの取付部又は支持部を損傷させ、或
いは、破壊してしまう虞がある。また、拡開したカバー
部分の回動軸線を天面部に備えた上記従来構造のパッド
カバーでは、殊に低温雰囲気、例えば−40℃の寒冷雰
囲気におけるエアバッグの展開時に、ティアラインの開
裂が十分に進行せず、円滑且つ完全なカバー部分の拡開
を達成し得ない虞がある。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、周囲雰囲気の変化に
関わらず、ティアラインの開裂を所望の部位まで到達さ
せ、ティアラインの開裂を所望の領域を大きく超えて進
行させず、しかも、開裂したカバー部分を円滑且つ完全
に拡開させることができるエアバッグシステム用パッド
カバーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、エアバッグシステムのエアバッグ収納領
域を形成する天面部及び側面部を有し、エアバッグ展開
時にパッドカバーの開裂を促進するティアラインを少な
くとも前記天面部に備えたエアバッグシステム用パッド
カバーにおいて、前記ティアラインと不連続の脆弱部分
を備えた展開促進部を有し、該脆弱部分は、前記ティア
ラインの端部から所定の距離だけ離間した位置にて側面
部に配置され、開裂したカバー部分の展開時に該カバー
部分の回動中心を構成する回動軸線と実質的に平行に配
向されることを特徴とするエアバッグシステム用パッド
カバーを提供する。
【0009】本発明の好ましい実施態様においては、前
記脆弱部分は、前記回動軸線と実質的に同じ領域に配置
されたU形又はV形断面形状の溝を有する。また、他の
実施態様においては、脆弱部分は、所定のピッチを有す
る所謂ダム状の凹凸、セレーション、或いは、鋸歯状段
部により形成される。本発明の他の好ましい実施態様に
おいては、前記展開促進部は、前記天面部と前記側面部
との連接部から測定して、前記側面部の全高さの約1/
4乃至2/3の範囲内の位置に配置される。更に好まし
くは、前記脆弱部分と前記ティアラインとの間の距離
は、パッドカバーの表面に沿って約10mm乃至55mmに
設定される。
【0010】パッドカバーの成形材料として、熱可塑性
エラストマー及び熱可塑性樹脂を好ましく用いることが
できる。また、パッドカバーは、好ましくは、一色成形
法又は二色成形法により射出成形機にて一体成形され
る。熱可塑性エラストマーとしては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系エラストマー;ポリ
スチレン、ポリメチルスチレン、水素添加ポリスチレン
等のポリスチレン系エラストマー;ポリウレタン系エラ
ストマー;塩化ビニル系エラストマー;ポリエステル系
エラストマー;ポリアミド系エラストマー等が挙げら
れ、これらのエラストマーは、単独で使用しても2以上
のエラストマーを組み合わせて使用してもよい。
【0011】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹
脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロ
ン6,6、ナイロン6,10、ナイロン4,6等のポリアミド系
樹脂のほか、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリエーテルスルホン樹脂、エチレン−ビニルアル
コール樹脂、ABS樹脂、アクリル−アクリロニトリル
−スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エチ
レン−アクリル酸エチル樹脂、エチレン−メタクリル酸
エチル樹脂、メタクリル−スチレン樹脂、液晶性ポリマ
ー等が挙げられる。これら樹脂は、単独で使用しても2
以上を組み合わせて使用してもよい。
【0012】これら熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラスト
マーには、必要に応じて、増量、難燃性、成形性、寸法
安定性、外観、耐候性、開裂性、軽量性等の向上を目的
として、充填剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、着色剤、紫外線吸収剤、発泡剤等を添加してもよ
い。充填剤としては、酸化鉄、アルミナ、マグネシア、
酸化亜鉛等の金属酸化物;ニッケル、亜鉛、銅、タング
ステン等の金属粉;タルク、マイカ、ワラストナイト等
のケイ酸塩;硫化カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸
塩;チタン酸カリウム、チタン酸バリウム等のチタン酸
塩のほか、フェライト、グラファイト、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、グラスバブルス等
が挙げられ、難燃剤としては、酸化アンチモン、酸化ジ
ルコニウム等無機系難燃剤;リン酸エステル等の有機系
難燃剤が挙げられる。酸化防止剤としてはフェノール系
化合物が挙げられ、帯電防止剤としては各種界面活性剤
が挙げられ、着色剤としてはカドミウムイエロー、難燃
性アゾ染料、赤色着色剤等が挙げられ、紫外線吸収剤と
してはアクリロニトリル系、トリアゾール系、サリチル
酸系化合物等が挙げられる。また、発泡剤としては、ア
ゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニ
ルヒドラジド等の有機系化合物が挙げられる。
【0013】また、本発明の或る実施態様では、側面部
を構成する両端壁部に夫々、展開促進部が設けられる。
しかしながら、展開促進部の配置は、かかる配置に限定
されるものではなく、例えば、一方の端壁部にのみに展
開促進部を設けても良く、或いは、側面部が周壁、例え
ば円周壁である場合に、周壁の全周又は一部に亘って展
開促進部を設けても良い。
【0014】
【作用】パッドカバーは一般に、低温雰囲気下で開裂し
難く、高温雰囲気下で開裂し易い傾向があるが、本発明
によるパッドカバーによれば、脆弱部分を設けたことに
より、低温雰囲気下において、開裂が脆弱部分に至らな
いまでも、ティアラインの開裂が促進され、他方、高温
雰囲気下では、ティアラインの端部と脆弱部分との間の
不連続領域にて開裂の進行が消勢され、開裂の過剰な進
行が阻止される。例えば、本発明のパッドカバーによれ
ば、−40℃の寒冷雰囲気及び90℃の酷暑雰囲気の双
方において、ティアラインに沿う開裂が所望の部位まで
進行し、しかも、開裂は、所望の領域を超えて進行しな
い。また、開裂したカバー部分は、上記寒冷雰囲気及び
酷暑雰囲気の双方において、エアバッグの展開を妨げる
ことなく、しかも、取付部を損傷又は破損させることな
く、円滑且つ確実に拡開する。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の好まし
い実施例について詳細に説明する。図1及び図2は、本
発明の第1実施例に係るエアバッグシステム用パッドカ
バーを示す全体斜視図及び部分拡大斜視図である。ま
た、図3は、図1のA─A線におけるパッドカバーの断
面図である。
【0016】図1に示すエアバッグシステム用パッドカ
バー1は、一色成形法により射出成形機で一体的に成形
されており、車室に面する天面部2、天面部2から下方
に延びる側面部3とを備えている。天面部2は、縁部又
は境界7、8にて、側面部3の端壁部3a及び側壁部3
bと夫々連接しており、天面部2、端壁部3a及び側壁
部3bは、エアバッグシステム(図示せず)に取付けら
れたときにエアバッグの収納領域を形成すべく、エアバ
ッグシステムの内方に向かって全体的に湾曲又は屈曲し
ている。
【0017】天面部2の裏面には、エアバッグ展開時に
パッドカバー1の開裂を促すV形又はU形断面形状の連
続の溝、即ち、ティアライン4(破線で示す)が形成さ
れている。ティアライン4は、全体的にH形をなして天
面部2の裏面に配置されており、天面部2を局所的に薄
肉化し、エアバッグ展開時に天面部2の開裂を誘発す
る。ティアライン4は、H形形状の各縦線部を構成する
縦溝5、5と、縦溝5、5と略直交する方向に延び、H
形形状の中央横線部を構成する横溝6とから構成され
る。図2に示すように、各縦溝5は、縁部7に達する直
前にて終端し、縦溝5の終端部と、縁部7とは、距離L
を隔てて離間している。本例では、縦溝5の終端部と、
縁部7との間の距離Lは、約10mmに設定されている。
【0018】各端壁部3aには、横溝6と略平行に延び
る展開促進部10が設けられる。展開促進部10には、
図3に示すように、横溝6と略平行に配向された脆弱部
分、即ち、U形断面形状の溝11が配設され、溝11
は、所定の長さに亘って端壁部3aの裏面に形成され
る。溝11の全長は、縦溝5、5の間隔よりも約20mm
長く、縦溝5、5に対して左右に夫々、約10mm突出し
ている。また、縁部7から溝11までの距離hは、好ま
しくは、縁部7から測定して、端壁部3aの全高さHの
約1/4乃至2/3の範囲内に設定され、溝11と縦溝
5の終端部との間の距離Sは、好ましくは、パッドカバ
ー1の表面に沿って約10mm乃至55mmに設定される。
なお、展開促進部10は、側面部3(端壁部3a)に局
部的な脆弱構造を付与し得る構造であれば良く、U形断
面形状の溝11に限定されるものではない。従って、展
開促進部10の構造として、種々の構造を採用すること
ができ、例えば、V形断面形状の溝、或いは、所定のピ
ッチを有する所謂ダム状の凹凸、セレーション、或い
は、鋸歯状段部により展開促進部10を形成しても良
い。
【0019】図4は、本発明の第2実施例に係るパッド
カバーの部分拡大斜視図である。図4に示すパッドカバ
ー1は、上記第1実施例のパッドカバーと実質的に同じ
一般構造を備えており、図4において、上記第1実施例
と実質的に同じ部材又は部位については、同じ参照符号
が付されている。図4に示すパッドカバー1は二色成形
法により射出成形機で一体的に成形されている。本例で
は、H形ティアラインを構成する各縦溝5は、縁部7を
超えて端壁部3aに延び、縦溝5の終端部は、縁部7か
ら距離L′だけ端壁部3aに沿って下方に延在してい
る。端壁部3a上の縦溝5の終端部と、縁部7との間の
距離L′は、約5mmに設定されている。
【0020】また、パッドカバー1は、第1実施例と同
様な展開促進部10を端壁部3aの裏面に備えており、
展開促進部10は、縦溝5と不連続なU形断面形状の溝
11によって形成される。溝11の全長は、縦溝5、5
の間隔に等しく、溝11の各端は、縦溝5、5の延長線
上に位置している。上記第1実施例によるパッドカバー
を実施例1として、また、第2実施例によるパッドカバ
ーを実施例2として、下表1及び2に示す如く夫々製作
した。また、図5に示す構造のパッドカバーを比較例1
として、図6に示す構造のパッドカバーを比較例2とし
て、下表1及び2に示す如く夫々製作した。なお、図5
及び図6において、上記第1及び第2実施例の部材又は
部位と同様な部位又は部材については、同じ参照符号が
付されている。図5及び図6から明らかな通り、比較例
1のパッドカバーは、上記実施例1のパッドカバーと相
応しており、比較例2のパッドカバーは、上記実施例2
のパッドカバーと相応している。しかしながら、これら
比較例のパッドカバーは、上記展開促進部を構成する溝
等を全く備えていない。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】 また、他の比較例として、比較例3乃至5のパッドカバ
ーを以下の通り製作した。 (1) 比較例3 二色成形法により成形されたパッドカバーであり、パッ
ドカバーは、上記展開促進部を構成する溝等を全く備え
ていない。天面部及び端壁部の連接部(上記縁部7に相
当)と、天面部に配置されたH形ティアライン4の縦線
(縦溝5)端部との間の距離(上記距離Lに相当)は、
13mmに設定されている。 (2) 比較例4 比較例3と同様に二色成形法により成形されたパッドカ
バーであり、図7(平面図)に概略的に示すように、上
記展開促進部10の溝11と類似したU形断面形状の溝
9が天面部2に設けられる。溝9は、H形ティアライン
4の横溝6と略平行に配向され、縦溝5、5の各端部よ
りも内方に配置されている。溝9の長さは、縦溝5、5
の間隔よりも左右約5mmずつ(合計約10mm)短く設定
されている。また、縁部7と、縦溝5、5の各端部との
間の距離(上記距離Lに相当)は、13mmに設定に設定
されている。 (3) 比較例5 二色成形法により成形されたパッドカバーであり、パッ
ドカバーは、図8及び図9の部分斜視図及び部分断面図
に示すように、比較例3のパッドカバーと同様に、上記
展開促進部を構成する溝等、或いは、これに類する溝等
を全く備えていない。H形ティアライン4の縦溝5、5
は、アンダーカット部3cまで延び、縁部7と、H形テ
ィアライン4の縦溝5、5の端部との間の距離L′は、
かなり大きく設定されている(L′=35mm)。
【0023】比較例3乃至5のパッドカバーの仕様につ
いて、下表に詳細に示す。
【0024】
【表3】 上記実施例1乃至2及び比較例1乃至5のパッドカバー
を取付けたエアバッグシステムを用いて、寒冷雰囲気及
び酷暑雰囲気にて夫々、均等な条件下にエアバッグ展開
実験を実施し、H形ティアラインに沿う開裂の進行及び
開裂したカバー部分の拡開状態を確認した。エアバッグ
展開実験の結果、上記表1乃至表3に示す試験結果が得
られた。即ち、寒冷雰囲気(−40℃)において、実施
例1及び2のパッドカバーでは、ティアラインの開裂
が、縦線部の端、即ち、縦溝5の端まで進行したのに対
し、比較例1乃至5のパッドカバーでは、ティアライン
の開裂が縦溝5の端に達せず、縦溝5の中途で開裂が止
まった。但し、酷暑雰囲気(90℃)においては、実施
例1及び比較例1のパッドカバーは、開裂したカバー部
分が、ほぼH形ティアラインの縦線端部を結ぶ軸線付近
を中心として拡開し、実施例2及び比較例2のパッドカ
バーでは、ティアラインの開裂が縦溝5の端まで進行
し、従って、実施例1、2と比較例1、2では、実質的
に同じ結果が得られた。また、比較例5のパッドカバー
では、酷暑雰囲気(90℃)において、開裂がティアラ
インの縦線端部を超えて進行してしまい、パッドカバー
の取付部を破壊して、飛散した。
【0025】以上の試験結果から明らかな通り、上記第
1及び第2実施例に係る実施例1、2のパッドカバーで
は、寒冷雰囲気(−40℃)及び酷暑雰囲気(90℃)
の双方において、H形ティアラインの縦溝5に沿う開裂
が所望の部位まで進行し、しかも、開裂は、所望の領域
を超えて進行しない。また、上記試験において、実施例
1、2における開裂したカバー部分は、寒冷雰囲気(−
40℃)及び酷暑雰囲気(90℃)の双方において、エ
アバッグの展開を妨げることなく、しかも、取付部を損
傷又は破損させることなく、具合良く拡開した。
【0026】また、上記比較例3乃至5の試験結果よ
り、以下のことが判明した。即ち、展開促進部10の溝
11と類似した溝9を天面部2に配置したとしても(比
較例4)、かかる溝9を備えないもの(比較例3及び
5)と実質的に同じく、低温の雰囲気下における開裂は
十分に進行しない。従って、展開促進部10は、天面部
2に設けても実質的に意味がなく、側面部3に配設する
必要がある。また、比較例5の試験結果から明らかな通
り、展開促進部10に類するアンダーカット部3cがテ
ィアライン4の端部と接近している場合、高温雰囲気下
で開裂が過剰に進行し、開裂したカバー部分がエアバッ
グの膨張により外方に飛散してしまう。従って、展開促
進部10は、ティアライン4と離間させる必要があると
判った。
【0027】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の上記構成に
よれば、周囲雰囲気の変化に関わらず、ティアラインの
開裂を所望の部位まで到達させ、ティアラインの開裂を
所望の領域を大きく超えて進行させず、しかも、開裂し
たカバー部分を円滑且つ完全に拡開させることができる
エアバッグシステム用パッドカバーを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエアバッグシステム
用パッドカバーを示す全体斜視図である。
【図2】図1に示すパッドカバーの拡大斜視図である。
【図3】図1のA─A線におけるパッドカバーの断面図
である。
【図4】本発明の第2実施例に係るエアバッグシステム
用パッドカバーを示す斜視図である。
【図5】比較例1に係るパッドカバーを示す斜視図であ
る。
【図6】比較例2に係るパッドカバーを示す斜視図であ
る。
【図7】比較例4に係るパッドカバーを示す概略平面図
である。
【図8】比較例5に係るパッドカバーを示す部分斜視図
である。
【図9】図8のB─B線における断面図である。
【符号の説明】
1 エアバッグシステム用パッドカバー 2 天面部 3 側面部 3a 端壁部 3b 側壁部 4 ティアライン 5 縦溝 6 横溝 7、8 縁部 10 展開促進部 11 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグシステムのエアバッグ収納領
    域を形成する天面部及び側面部を有し、エアバッグ展開
    時にパッドカバーの開裂を促進するティアラインを少な
    くとも前記天面部に備えたエアバッグシステム用パッド
    カバーにおいて、前記ティアラインと不連続の脆弱部分
    を備えた展開促進部を有し、前記脆弱部分は、前記ティ
    アラインの端部から所定の距離だけ離間した位置にて側
    面部に配置され、開裂したカバー部分の展開時に該カバ
    ー部分の回動中心を構成する回動軸線と実質的に平行に
    配向されることを特徴とするエアバッグシステム用パッ
    ドカバー。
  2. 【請求項2】 前記脆弱部分は、前記回動軸線と実質的
    に同じ領域に配置された溝を有することを特徴とする請
    求項1に記載のエアバッグシステム用パッドカバー。
  3. 【請求項3】 前記展開促進部は、前記天面部と前記側
    面部との連接部から測定して、前記側面部の全高さの約
    1/4乃至2/3の範囲内の位置に配置されることを特
    徴とする請求項1又は2項に記載のエアバッグシステム
    用パッドカバー。
  4. 【請求項4】 前記脆弱部分と前記ティアラインとの間
    の距離は、パッドカバーの表面に沿って約10mm乃至5
    5mmに設定されることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載のエアバッグシステム用パッドカバ
    ー。
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