JPH06228215A - 感温性多孔質重合体の製造方法 - Google Patents

感温性多孔質重合体の製造方法

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JPH06228215A
JPH06228215A JP1607693A JP1607693A JPH06228215A JP H06228215 A JPH06228215 A JP H06228215A JP 1607693 A JP1607693 A JP 1607693A JP 1607693 A JP1607693 A JP 1607693A JP H06228215 A JPH06228215 A JP H06228215A
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JP
Japan
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temperature
energy rays
monomer
sensitive
polymer
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JP1607693A
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English (en)
Inventor
Kazunari Sakai
一成 酒井
Rika Kimura
理香 木村
Takanori Anazawa
孝典 穴澤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エネルギー線の照射により重合可能な感温性
モノマー、エネルギー線の照射により架橋可能なモノマ
ーおよび/またはオリゴマー、およびこれらの混合物と
相溶し、該混合物にエネルギー線を照射することにより
生成した重合体と相溶せず、かつエネルギー線に対して
不活性な化合物とを含有した均一な重合性液体にエネル
ギー線を照射することにより、温度応答性の多孔質重合
体を得る。 【効果】 本発明は、高い濾過速度、吸着速度、放出速
度を有し、温度変化に対する応答速度が早く、また容易
に任意の形状の多孔質体を成形することができる多孔質
重合体の製造方法を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品工業、医薬品工
業、電子工業、排水処理、人工臓器、海水の淡水化等の
種々のプロセスにおいて、タンパク、コロイド、バクテ
リヤ、ウイルス、塩等の分離の目的で使用される限外濾
過膜、逆浸透膜、精密濾過膜、吸着剤、クロマトグラフ
ィー用充填剤等、薬剤の徐放の目的で使用されるドラッ
グデリバリーシステム等に用いられるの感温性多孔質重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、上記産業分野等におけるプロセス
の高度化により、単なるろ過分離、吸着等では、充分ニ
ーズに対応してゆくことができなくなりつつある。その
ような背景から、外部からの信号および刺激に対し自ら
の機能を変化させるという刺激応答性材料によるインテ
リジェントシステムの開発が注目を集めている。刺激応
答性材料の1つとして、温度変化により膨潤収縮を行う
含水ゲル状重合体が発見され、ドラッグデリバリーシス
テム、ろ過膜等への応用が盛んに研究されている。
【0003】例えば、特開昭64−58303、特開昭
63−278502、特開昭63−134008、特開
昭61−263603、特開昭60−250017、特
開昭60−250015、特開昭60−188411、
JOURNAL OF CHEMICAL ENGIN
EERING OF JAPAN,23,447(19
90)、にろ過膜、吸着材、クロマトグラフィー用充填
剤への応用が記述されている。また、JOURNAL
OF CONTROLLED RELEASE,16,
(1991)215−227、JOURNAL OF
CONTROLLED RELEASE,13,(19
90)21−31、JOURNAL OF CONTR
OLLED RELEASE,11(1990)255
−265
【0004】POLYMER JOURNAL,23,
(1991)1179−1189にドラグデリバリーシ
ステムへの応用につき記載されている。これらの例で
は、感温性モノマーと架橋可能なモノマーおよび/また
はオリゴマーの混合物の熱重合により含水ゲル状重合体
を成形していることから、その構造にはゲル網目より大
きな孔を有していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の含水ゲル状重合
体は、実用に供する上で充分な性能を有するとは言えな
い。即ち、含水ゲル状重合体をろ過膜、吸着剤、ドラッ
グデリバリーシステム等に用いた場合、孔を有さない構
造である為、ろ過速度、吸着速度、放出速度等が重合体
内での水や薬剤の拡散に支配されるため、非常に遅いと
いう問題点を有する。
【0006】また、温度変化に応答して、ろ過速度、吸
着速度、放出速度等が変化するのに時間がかかり過ぎる
という問題点も有する。本発明の目的は、ろ過膜、吸着
剤、ドラッグデリバリーシステム等に用いた場合、ろ
過、吸着、放出等に充分な速度を有し、温度の変化によ
りろ過速度、吸着速度、放出速度等が変化するのに要す
る時間が短いという特徴を有する感温性多孔質重合体の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、エネルギー線の照射によ
り重合可能な感温性モノマー(A)と、エネルギー線の
照射により架橋可能なモノマーおよび/またはオリゴマ
ー(B)と、これらの混合物(A+B)と相溶し、該混
合物(A+B)にエネルギー線を照射することにより生
成したポリマーと相溶せず、かつエネルギー線に対して
不活性な化合物(C)とを含有した均一な重合性液体に
エネルギー線を照射した後、必要に応じ該化合物(C)
を除去することを特徴とする感温性多孔質重合体の製造
方法、感温性多孔質重合体カプセルの製造方法を提供す
るものである。
【0008】ここで云う感温性モノマー(A)とは、該
モノマーの重合体が温度変化に応じて溶解/析出、膨潤
/収縮、他の物質と結合/解離などの変化を発現する
(以下、この変化現象を転移と称する。)モノマーのこ
とであり、例えば、該モノマーの直鎖状重合体が温度変
化に応じて溶解/析出し、架橋重合体が温度変化に応じ
て膨潤/収縮する感温性モノマーの例として、N−置換
アクリルアミドやN−置換メタアクリルアミド、例えば
N−アルキル(メタ)アクリルアミドおよび/またはN
−アルキレン(メタ)アクリルアミドを挙げることがで
きる。
【0009】N−アルキル(メタ)アクリルアミドおよ
び/またはN−アルキレン(メタ)アクリルアミドの例
としては、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,
N−メチルエチルアクリルアミド、N−イソプロピルア
クリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−
イソプロピルメタクリルアミド、N−n−プロピルメタ
クリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタ
クリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、
N−メタクリロイルピペリジン等をあげることができ
る。なかでも、種々の用途に応用するに際し、室温付近
で転移が起こることから、N−イソプロピルアクリルア
ミドが好ましい。
【0010】エネルギー線により架橋可能なモノマー
(B)は、通常用いられるエネルギー線により架橋可能
なモノマーは、特に制限無く、いずれも本発明に用いる
ことが出来るが、感温性モノマー(A)と相溶するもの
が好ましく、代表的には1分子内に2個以上の二重結合
を有するモノマー、例えば、メチレンビスアクリルアミ
ド、エチレンビスアクリルアミド、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、
【0011】1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキ
シポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2’−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレン
オキシフェニル)プロパン等の2官能モノマー、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールエタントリ(メタ)アクリレート、
【0012】イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレー
ト等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、ジペンタエ
リスリト−ルヘキサアクリレート等の6官能モノマー等
が挙げられる。これらのモノマーを混合して用いること
も勿論可能である。
【0013】エネルギー線照射により架橋可能なオリゴ
マー(B)は、特に制限無く、通常用いられる架橋可能
なオリゴマーは、いずれも本発明に用いることが出来る
が、感温性モノマー(A)と相溶するものが好ましく、
通常は1分子内に2個以上の二重結合を有する、重量平
均分子量が500〜50000のオリゴマーであり、よ
り具体的には、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ
ブタジエン樹脂またはポリウレタン樹脂等のエネルギー
線照射により架橋可能なオリゴマー、
【0014】例えばエポキシ樹脂のアクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂のアク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、ポリブタ
ジエン樹脂のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステル、分子末端にアクリル基またはメタクリル基を有
するポリウレタン樹脂等を挙げることができる。もちろ
んこれらのオリゴマ−同士を混合して用いることもでき
るし、モノマーと混合して用いることもできる。
【0015】本発明においては、感温性多孔質重合体の
強度、伸度、硬度、膨潤度、応答温度、応答速度などを
調節する目的で、モノマーおよび/またはオリゴマー
(B)以外に、エネルギー線重合性のモノマーおよび/
またはオリゴマー(D)を加えることも好ましい。
【0016】モノマーおよび/またはオリゴマー(D)
としては、感温性モノマー(A)およびオリゴマー
(B)と相溶するものが好ましく、通常は単官能のモノ
マーまたはオリゴマーであり、例えば、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ビ
ニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルア
ミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸エチル(メタ)
アクリレート、
【0017】N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルセロソル
ブ(メタ)アクリレート、n−ビニルピロリドン、イソ
ボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル
(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0018】本発明に用いられる化合物(C)として
は、混合物(A+B)と相溶するが、該混合物(A+
B)にエネルギー線を照射することにより生成したポリ
マーとは相溶せず、かつエネルギー線に対して不活性な
ものであれば特に限定無く本発明に用いることが出来
る。より具体的には水、一価または多価アルコール類、
カプリン酸メチル等のアルキルエステル類、ジイソブチ
ルケトン等のジアルキルケトン類、液状ポリエチレング
リコ−ル、ポリエチレングリコ−ルのモノエステル、
【0019】ポリエチレングリコールのモノエーテル、
ポリエチレングリコールソルビタンモノエステル、ポリ
エチレングリコールソルビタンジエステル、ポリエチレ
ングリコールソルビタントリエステル、ポリエステルポ
リオール、ポリエチレングリコ−ルアミン等のオリゴマ
ー類、酢酸セルロース、エチルセルロース、
【0020】ニトロセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、キトサン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リカ−ボネ−ト、ポリスルホン、ポリエ−テルスルホ
ン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポ
リビニルアルコール等およびこれらの共重合体等のポリ
マー類が挙げられる。
【0021】なかでも、重量平均分子量が200〜10
000であるオリゴマー類が好適に用いられる。もちろ
ん、化合物(C)はこれら同士やこれらを含む混合物で
あってよい。化合物(C)は、エネルギー線照射により
重合体を成形した後、除去されずに用いることもできる
が、必要に応じて除去することもできる。除去は洗浄、
乾燥、置換等の任意の方法を採用しうるが、化合物
(C)を除去する必要がある場合には、化合物(C)が
水溶性であると、除去しやすい為、生産性の面で好まし
い。
【0022】重合性液体の粘度は、目的とする多孔質体
の形状や製膜方法により変わり得るが、25℃において
1〜1000000cpsであることが好ましく、10
0〜10000cpsであることがさらに好ましい。こ
の範囲外では製造条件の制約が強くなる。
【0023】本発明に用いられるエネルギー線として
は、電子線、γ線、X線、紫外線、可視光線等を挙げる
ことが出来る。なかでも装置および取扱いの簡便さから
紫外線が最も好ましい。照射する紫外線の強度は、1〜
5000mw/cm2 が好ましく、照射時間は、0.0
1〜100秒程度である。紫外線の照射を不活性ガス雰
囲気下で行うことによって、重合速度を速めることも好
ましい。エネルギ−線として紫外線を用いる場合には、
重合速度を速める目的で、重合性溶液に紫外線重合開始
剤を含有させることも好ましい。
【0024】本発明に使用される紫外線重合開始剤は、
特に制約は無いが、重合性溶液に溶解可能な物が好まし
く、例えばp−tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン、等のアセトフェノン類;
【0025】ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチル
アミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2
−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロ
ピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベン
ゾインエーテル類;
【0026】ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類等
を挙げることができる。本発明に於いて、エネルギー線
照射により重合体が形成される温度は、モノマーおよび
/またはオリゴマーの混合物(A+B)の重合体と化合
物(C)が相分離する温度であることが好ましい。相分
離しない反応温度での重合で得られた重合体は、多孔質
構造の形成が不完全となり、温度応答性が不十分とな
る。
【0027】成形された重合体に多孔質構造が形成され
たことの確認は、ポリマー分子やコロイド物質などが該
重合体を透過するか否かで判定でき、透過可能な物質の
分子量から、細孔の寸法が判定できる。
【0028】本発明の製造方法により作製される多孔質
重合体の形状については何ら制約はなく、例えば、塊
状、板状、フィルム状、糸状、網状、粒状、中空糸状、
管状、カプセル状その他任意の形状であってよい。所望
する形状に成形した状態でエネルギー線を照射すること
により、あるいはエネルギー線の照射により硬化させた
後整形することにより所望の形状の感温性多孔質重合体
を得ることができる。
【0029】例えば、フィルム状の多孔質体を製造する
場合、金属板などの支持体上に重合性液体をキャスト
し、エネルギー線を照射した後、必要に応じて支持体か
ら剥離して目的物を得ることができる。
【0030】また、二重円環ノズルを用いて重合性液体
を気体中に押し出し、自然落下中にエネルギー線を照射
することにより硬化させて中空糸状、管状、またはカプ
セル状の多孔質重合体を得ることができる。本発明によ
る感温性多孔質重合体からなるカプセルは、温度変化に
依存して、収縮、開孔し、内容物を外部に放出すること
ができ、医薬、農薬用途は無論、化学反応用等の工業用
用途に対しても有用である。
【0031】本発明の多孔質重合体は、補強材により補
強することも可能である。補強材の例としては、糸、
布、不織布、紙、網や、その他の多孔性物質を挙げるこ
とができる。多孔質重合体成形後に補強材と一体化する
ことも可能であるし、重合性液体と補強材とを接触させ
た状態でエネルギー線を照射して、一体成形することも
可能である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲がこれにより限定されるもの
ではない。
【0033】[実施例1] (膜の作製)感温性モノマー(A)としてN−イソプロ
ピルアクリルアミドを80部、架橋可能なモノマーおよ
び/またはオリゴマー(B)としてユニディックS9−
414(大日本インキ化学工業(株)製、分子量894
の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー)を20部、
化合物(C)として分子量10000のポリビニルピロ
リドン(PVP)100部およびN,Nージメチルアセ
トアミド(DMAC)を150部、紫外線重合開始剤と
してイルガキュア184を7部混合した均一な
【0034】重合性液体を硝子板上にキャストし、室
温、窒素雰囲気下て、365nmに於ける紫外線強度が
100mw/cm2 の紫外線を60秒間照射し、水洗し
て、厚み約120μm、直径45mmのフィルム状の多
孔質重合体を得た。照射直後の重合体の温度は37℃で
あった。得られた多孔質重合体は紫外線照射後の段階で
は透明であったが、水洗後は半透明白色となった。
【0035】(測定)得られた多孔質重合体を全濾過型
濾過試験器に装着し、1.0kgf/cm2Gの圧力を
掛けながら20℃〜45℃まで濾過原液温度を昇温させ
たところ、20℃にて10l/m2,h(以下透過流速の
単位は同じ単位とする)であった透過流束は約37℃に
て最大値70にまで増加し、45℃では55となった。
この時、約35℃以上では重合体は白色を呈した。続い
て濾過原液温度を降温させると、透過流速は単純減少を
示し、20℃にて10となった。
【0036】また、濾過原液として分子量150000
のポリエチレングリコ−ルの0.01重量%水溶液を使
用したところ、ロ液のポリエチレングリコ−ル濃度は、
原液と同じ0.01重量%であった。このことから、こ
の膜は分子量150000のポリエチレングリコ−ルが
透過する細孔を有する多孔質体であることが分かる。
【0037】[実施例2] (膜の作製)実施例1で用いたと同じ重合性液体中に不
織布(日本バイリ−ン製、MF−180)を浸し、重合
性液体の容器ごと超音波洗浄機に5分間かけて脱泡した
後、不織布を引き上げて硝子板上に置き、バ−コ−タ−
(#7)にて余分な液を落とした。続いて、室温、窒素
雰囲気下にて、365nmに於ける紫外線強度が100
mw/cm2 の紫外線を60秒間照射し、水洗して、不
織布にて補強された膜を得た。
【0038】(測定)濾過原液の圧力を3.0kgf/
cm2 Gとしたこと以外は実施例1と同様の濾過試験を
行った。20℃にて10l/m2 ,h(以下透過流束の
単位は同じ単位とする)であった透過流束は25℃にて
40、35℃にて800、45℃にて約2000となっ
た。続いて濾過原液温度を降温させると、透過流速は3
5℃までは2000一定であり、25℃にて200、2
0℃にて20となった。
【0039】[比較例1] (膜の作製)PVPおよびDMACを配合しないこと以
外は実施例2と同様にして重合体を得た。
【0040】(測定)実施例3と同様の試験を行った
が、透過流束は非常に小さく、測定限界(約0.1l/
m2,h)以下であった。
【0041】[実施例3] (膜の作製)感温性モノマー(A)としてN−イソプロ
ピルアクリルアミドを90部、架橋可能なモノマーおよ
び/またはオリゴマー(B)としてユニディックV−4
200(大日本インキ化学工業(株)製、平均分子量約
2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー)を
5部およびトリメチロ−ルプロパンジアクリレ−トを5
部、化合物(C)として分子量10000のポリビニル
ピロリドン(PVP)100部およびN,Nージメチル
アセトアミド(DMAC)を150部、
【0042】紫外線重合開始剤としてイルガキュア18
4を7部混合した均一な重合性液体を、シリコンゴム製
スペ−サ−を介して2枚の硝子板に挟んだ状態で、室温
下て、365nmに於ける紫外線強度が100mw/c
m2 の紫外線を60秒間照射し、水洗して、厚み1m
m、直径25mmのディスク状の多孔質重合体を得た。
得られた多孔質重合体は紫外線照射後の段階では透明で
あったが、水洗後は半透明白色となった。
【0043】(測定)20℃の該多孔質重合体を、30
℃の温水中に投入し、一定時間後に水から引き揚げて、
表面に付着した水をぬぐい去り、該多孔質重合体の重量
変化を時間を追って測定した。投入直前の重量を基準と
して、1分後に93%、10分後に80%、60分後に
60%、120分後に50%となり、それと共に白色化
した。
【0044】[比較例2] (膜の作製)PVPおよびDMACを配合しないこと以
外は実施例3と同様にして重合体を得た。
【0045】(測定)実施例3と同様の試験を行ったと
ころ、1分後に98%、10分後に88%、60分後に
80%、120分後に75%、300分後に70%とな
り、応答速度は多孔質体に比べて遅いものであった。ま
た、30℃にしても白色化することはなかった。
【0046】[実施例6] (膜の作製)20℃にて、直径5mmの二重円環ノズル
の環状スリットから、実施例1で用いたと同じ重合性液
体を窒素雰囲気中に押し出し、二重円環ノズルの中心孔
からは、芯剤として分子量50000のポリエチレング
リコ−ルの0.01%水溶液を押し出し、自然落下させ
つつ、液滴となった付近を360nmにおける強度が6
00mw/cm2 の紫外線を照射することにより、直径
約3mmの球状の、ポリエチレングリコ−ル水溶液を包
含するカプセルを得た。
【0047】(測定)このカプセルを15℃の水中に浸
漬したが、30分後にも浸漬水中にポリエチレングリコ
−ルは検出されなかった。続いてこのカプセルを35℃
の温水中に投入したところ、速やかに白色化すると同時
に、直径約2.5mmに収縮し、1分後には温水中にポ
リエチレングリコ−ルが検出された。
【0048】
【発明の効果】本発明の製造方法により、高い濾過速
度、吸着速度、放出速度を有し、温度の変化に対する応
答速度が高い多孔質重合体、即ち、温度の変化に応じて
濾過速度、吸着速度、放出速度等が変化するのに要する
時間が短い多孔質体を製造できる。また、本法は任意の
形状の多孔質体の成形が簡単である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 20/56 MNC 7242−4J

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギー線の照射により重合可能な感
    温性モノマー(A)と、エネルギー線の照射により架橋
    可能なモノマーおよび/またはオリゴマー(B)と、こ
    れらの混合物(A+B)と相溶し、該混合物(A+B)
    にエネルギー線を照射することにより生成したポリマー
    と相溶せず、かつエネルギー線に対して不活性な化合物
    (C)とを含有した均一な重合性液体にエネルギー線を
    照射した後、必要に応じ該化合物(C)を除去すること
    を特徴とする感温性多孔質重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 感温性モノマー(A)がN−アルキル
    (メタ)アクリルアミドおよび/またはN−アルキレン
    (メタ)アクリルアミドである請求項1記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 N−アルキルアクリルアミドが、N−イ
    ソプロピルアクリルアミドである請求項2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 化合物(C)が水溶性物質である請求項
    1、2または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合性液体が、感温性モノマー(A)お
    よびエネルギー線の照射により架橋可能なモノマーおよ
    び/またはオリゴマー(B)以外に、エネルギー線の照
    射により重合可能なモノマーおよび/またはオリゴマー
    (D)をも含有するものである請求項1〜4の何れか1
    つに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合性液体を補強材と接触させた状態で
    エネルギー線を照射することによって、補強材により補
    強された感温性多孔質重合体を製造することを特徴とす
    る、請求項1〜5の何れか1つに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 エネルギー線が、紫外線または電子線で
    ある請求項1〜6の何れか1つに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1つに記載の製造
    方法による感温性多孔質重合体カプセルの製造方法。
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