JPH0621882U - 二軸手首モジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的小型かつ軽量で、しかも構造が比較的
簡単な自蔵式二軸手首モジュールを提供する。 【構成】 二軸手首モジュールは、第１の軸線（Ａ−
Ａ）の周りに回転でき、減速機として機能する第１のハ
ーモニックドライブユニット（４２）を介して結合され
たシャフト（３８）及び中空シャフト部分（４４）によ
り駆動されるロール部（１４）と、軸線（Ｂ−Ｂ）の周
りに回転自在にロール部により支持されている屈曲部
（１６）とを有し、屈曲部は、減速機として機能する第
２のハーモニックドライブユニット（５６）により屈曲
部に結合されているシャフト（６８，７２）により駆動
される。手首モジュール全体は、二軸運動を生じさせる
電動機（１８，２２）が手首モジュールの動力ハウジン
グ（１０）内に収納され、手首モジュールに機械的に伝
達される動力系統とは無関係である点において、自蔵式
である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえば溶接及び物品ハンドリング作業を行なう産業用ロボット等 に用いることのできるような多軸型手首モジュールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

米国特許第３，８２６，３８３号及び４，０６８，５３６号明細書により例示 されるように、多軸型手首は当該技術分野において知られており、当該特許には ３つの異なる軸の周りで運動可能な装置の記載がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、比較的小型、低重量で、比較的簡単な構造を有し、実質的に 流体の透過しない構造にするのに便利で、二軸運動を得るための駆動手段がモジ ュールそれ自身内にあるという意味において基本的に自蔵式である二軸手首モジ ュールを提供することにある。更に、本考案の実施例では、手首モジュール内に ハーモニックドライブユニットが比較的高い減速比を得るために設けられ、その ため駆動手段として高速で低トルクのモータを用いることができる手首モジュー ルが提供される。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による二軸手首モジュールは、４つの主要ハウジング、即ち第１及び第 ２の駆動モータ手段を収容する動力部ハウジング、その動力部ハウジングに取付 けた両端開口形の中空駆動部ハウジングと、駆動部ハウジングの開放端部により 回転自在に支持され第１の軸の周りに回転可能なロール部と、前記第１の軸に関 し斜めの第２の軸の周りに回転自在に前記ロール部に取付けたハウジングを有す る屈曲部とより成る。駆動部ハウジングは減速手段として作用するハーモニック ドライブユニットを有し、現在好ましい実施例ではそのハーモニックドライブユ ニットのカップが手首ロール部に結合され、第１のモータ手段の動作によりその ロール部が回転する。手首の屈曲部は減速手段として働くように取付けた第２の ハーモニックドライブユニットを有し、現在好ましい実施例ではそのハーモニッ クドライブユニットのカップは手首ロール部に固定され、動力部ハウジングライ ン内の第２のモータ手段が第１の軸線上にあって第２の軸線上の軸に結合された 軸を駆動し、この第２の軸線上の軸がハーモニックドライブ手段のウェーブ発生 器を駆動し、その結果、外側の円形スプラインが屈曲部へ固定接続されているた めその屈曲部を回転させることになる。

【０００５】 以下、添付図面を参照して、本考案の実施例を詳細に説明する。

【０００６】

【実施例】

手首の主要部分としては、動力部ハウジング１０、駆動部ハウジング１２、ロ ール部１４、及び屈曲部１６がある。動力部ハウジングは密閉型である。

【０００７】 動力部ハウジング１０は、第１及び第２のモータ手段を収容し、それらはたと えばプーリ２０を駆動する電気モータ１８とプーリ２４を駆動する電気モータ２ ２より成る。駆動プーリとは反対側のモータ端部には、プーリ及びベルト手段３ ０及び３２を介してそれぞれレゾルバ２６及び２８のような位置フィードバック 手段が結合される。

【０００８】 両端が開口した中空駆動部ハウジング１２は開口部３６を有する動力ハウジン グ１０の端壁３４へ固定され、その開口部３６内へは第１の中空回転軸３８が設 けられ、その軸の一端にはプーリ４０が固定されて、タイミングベルトにより第 １モータのプーリ２０から動力を受ける。駆動部ハウジング１２は４２で示す第 １のハーモニックドライブユニットを収容し、そのユニットは軸３８の出力端部 をロール部１４と減速関係に結合し、その中空軸部分４４は駆動部ハウジング１ ２の開口端内に回転可能に取付けられている。ハーモニックドライブユニットは 当該技術分野で良く知られており、ＵＳＭのハーモニックドライブ事業部から市 販されている。米国特許第２，９０６，１４３号明細書は本考案に用いることの できるような普通の型のハーモニックドライブユニットを開示するが、かかるユ ニットはウェーブ発生器、フレックススプライン（ｆｌｅｘｓｐｌｉｎｅ）及び 円形スプラインの３つの主要構成要素を含み、これら構成要素の作用については 当業者に良く知られている。

【０００９】 第１のハーモニックドライブユニット４２は、本考案の実施例では、そのウェ ーブ発生器４６が軸３８と共に回転するようにその軸へ固定され、円形スプライ ン４８が駆動部ハウジング１２へ固定されて静止状態にある。非剛性的な円筒状 の薄壁カップであるフレックススプライン５０は、その自由端部がロール部１４ の軸部分４４に固定されている。この構成では、ハーモニックドラインブユニッ トは減速手段として働き、手首モジュールの現在提案されている構成では約１０ ０対１の減速比と増加したトルクが得られる。かくして、第１の軸Ａ−Ａの周り のロール部１４の回転をもたらす第１のモータ１８からの動力の伝達は、プーリ ２０からプーリ４０、中空軸３８、ハーモニックドライブユニット４２、そして 手首モジュールのロール部１４のハウジング部５２と固定関係にある軸４４を介 して行なわれる。

【００１０】 手首モジュールの屈曲部１６は、ロール部１４により回転自在に支持されるハ ウジング５４を含み、そのハウジング内には第２のハーモニックドライブユニッ トが収容される。このユニットはフレックススプライン５８のウェーブ発生器６ ４とは反対側の端部が６２においてロール部に固定され、その円形スプライン６ ４は屈曲部に固定されている。ロール部に対する屈曲部の回転力は、第２のモー タ２２からプーリ２４と調時ベルトによりそのプーリ２４に結合された、動力部 ハウジング内の軸６８の端部に固定したプーリ６６を介して得られる。軸６８は 軸Ａ−Ａに沿い第１の軸３８及び第２の軸４４を貫通してロール部内へ延び、そ こで傘歯車７０により第４の軸７２へ結合され、その第４の軸にはウェーブ発生 器６０が固定されている。第４の軸７２は第１の軸Ａ−Ａに関し斜めの軸Ｂ−Ｂ に沿って延びる。ウェーブ発生器と反対側の第４の軸７２の端部は、ロール部ハ ウジング５２により支持される軸受け７４内に支承される。

【００１１】 図示のような第２のハーモニックドライブユニット５６を用い、フレックスス プライン５８をロール部に関して静止状態に保つと、ウェーブ発生器６０は第４ の軸７２の回転に関し入力として働き、円形スプライン６４は出力として働く。 円形スプライン６４は屈曲部に固定されているため、その屈曲部はその円形スプ ラインと共に回転する。第１のハーモニックドライブユニット４２の構成では、 入力と出力の回転は反対方向であるが、第２のハーモニックドライブユニット５ ６の構成ではその回転は同一方向となる。入力及び出力の相対的な回転方向は円 形スプラインあるいはフレックススプラインのカップを静止状態に保つかどうか により選択することができる。第２のハーモニックドライブユニットはまた、約 １００対１の減速比と増加したトルクを与えるよう選択される。

【００１２】 手首モジュールの内部空間は、動力部ハウジングの端壁３４まで実質的に液体 潤滑剤を充填して可動部分が本質的にその潤滑剤に浸されるようにすることが望 ましいと考えられる。この目的のために、互いに静止関係にあるかあるいは相対 的に回転可能である（共に漏洩の可能性が存在する）部分間のインターフェイス を封止する手段が設けられる。従って、必要と考えられる所にＯリングが設けら れる。番号７６で示すＯリングは相対的に回転可能な部分間にもうけたものであ り、７６で示すＯリングは静止した部品間に設けたものである。

【００１３】 屈曲部１６には取付けフランジ８０が固定され、手首モジュールと共に用いる 特定の工具がそのフランジに取付けられる。屈曲部は３６０度回転可能であり、 ロール部もまた３６０度回転可能であって、取付け用フランジはその点線で示し た範囲を運動できる。

【００１４】 ２つのハーモニックドライブユニットは相当高い減速比を生じさせ、且つその 手首内に収容されて出力運動部に直接結合されるため、永久磁石直流サーボモー タのような高速低トルクモータを用いて手首モジュールを比較的小型で低重量の ものにすることが可能である。手首モジュールは手首の二軸運動を得るための固 有の動力手段を有しその意味において自蔵式であり、モジュールをロボット前腕 の端部に取付けることが可能となるため、二軸運動を得るためその前腕を通して 動力を伝達する必要はない。モジュールは、前腕あるいは図１に示したモジュー ルの右側の裏板８２を介してそのモジュールの運動を制御する装置であれば如何 なる装置にも取付けることができる。また、この構成により手首モジュール全体 を取外したりあるいは取換えたりすることが容易にでき、その際前腕等を介して 伝達される動力手段を切離す必要はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による手首モジュールの断面を
示す側面図である。

【図２】動力部ハウジングの端立面図である。

【符号の説明】

１０ 動力ハウジング １２ 駆動部ハウジング １４ ロール部 １６ 屈曲部 ４２ 第１のハーモニックドライブユニット ５６ 第２のハーモニックドライブユニット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 マーク スティブン スタウタマイヤ アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 カー ネギー リア オーチャード ストリート 732

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二軸手首モジュールが、第１及び第２の
   モータ手段を収容していて、外方の端壁に開口部を有す
   る動力部ハウジングと、前記単壁から突出していて、第
   １のハーモニックドライブユニットを収容する両端が開
   口した中空駆動部ハウジングと、前記端壁の開口部内に
   設けられていて、前記動力部ハウジング内に位置する一
   端が前記第１モータ手段に回転駆動されるよう結合さ
   れ、前記駆動部ハウジング内に位置する他端が前記第１
   ハーモニックドライブユニットのウェーブ発生器部分に
   結合されている第１の中空回転軸と、前記駆動部ハウジ
   ングの前記開口端内に回転自在に設けられ且つ前記第１
   ハーモニックドライブユニットにより駆動されるよう結
   合された第２の中空軸により支持されるハウジングを含
   み、前記第１及び第２の中空軸の軸線と同軸の第１の軸
   線を中心として回転するロール部と、前記ロール部によ
   り回転自在に支持され、且つ前記第１の軸線に対して斜
   めの第２の軸線の周りに回転可能なハウジングを含む屈
   曲部と、前記動力部ハウジング内に位置した被駆動端部
   を有し、前記第１の軸線に沿い前記第１及び第２の軸を
   貫通して前記ロール部のハウジング内へ延びる第３の
   軸、前記第２の軸線に沿って延びていて前記ロール部の
   ハウジング内の前記第３の軸により駆動されるよう結合
   された第４の軸、及び屈曲部のハウジング内に設けら
   れ、第４の軸によって駆動されるウェーブ発生器を備え
   た第２のハーモニックドライブユニットを含む、屈曲部
   を回転させるための手段とを有し、前記第２のハーモニ
   ックドライブユニットは前記屈曲部のハウジングを駆動
   するよう連結されており、かくして二軸手首モジュール
   は、自蔵式であってロボットの前腕の端部に取り付けら
   れるようになっており、しかも前記前腕内の動力伝達手
   段とは独立に前記第１及び第２のモータ手段から直接的
   に二軸運動を得るよう動作することを特徴とする二軸手
   首モジュール。
2. 【請求項２】 前記動力部ハウジング内の前記第１及び
   第２のモータ手段には第１及び第２の位置フィードバッ
   ク手段がそれぞれ結合されていることを特徴とする前記
   第１項記載の二軸手首モジュール。
3. 【請求項３】 前記駆動部ハウジング、前記ロール部及
   び前記屈曲部は漏洩が生じないよう封止され、前記ハウ
   ジング、ロール部、屈曲部の内部空間の実質的全部を液
   体潤滑剤が占めることを特徴とする前記第１項記載の二
   軸手首モジュール。
4. 【請求項４】 前記第１のハーモニックドライブユニッ
   トは前記駆動部ハウジングに対して非回転関係で固定さ
   れた剛性の円形スプラインを含むことを特徴とする前記
   第１項記載の二軸手首モジュール。
5. 【請求項５】 前記第２のハーモニックドライブユニッ
   トのフレックススプラインは前記ロール部のハウジング
   に固定されていることを特徴とする前記第４項記載の二
   軸手首モジュール。
6. 【請求項６】 前記第１及び第２のハーモニックドライ
   ブユニットは約１００対１の減速比を生じさせる減速手
   段として働くことを特徴とする前記第１項記載の二軸手
   首モジュール。
7. 【請求項７】 前記第１及び第２のモータ手段は高速低
   トルクの電気モータより成ることを特徴とする前記第６
   項記載の二軸手首モジュール。