JPH0618832B2 - メタクリル系樹脂成形物品の製造方法 - Google Patents

メタクリル系樹脂成形物品の製造方法

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JPH0618832B2
JPH0618832B2 JP60158813A JP15881385A JPH0618832B2 JP H0618832 B2 JPH0618832 B2 JP H0618832B2 JP 60158813 A JP60158813 A JP 60158813A JP 15881385 A JP15881385 A JP 15881385A JP H0618832 B2 JPH0618832 B2 JP H0618832B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐擦傷性および耐熱性に優れたメタクリル系
樹脂成形物品の製造方法に関する。
(従来の技術) 現在、種々の合成樹脂成形品が市販され、特にアクリル
樹脂は、美観、透明性および耐候性に優れているため、
グレージング、灯光用カバー、装飾品等、屋外および屋
内を問わず広い分野で使用されているが、無機ガラスに
比べると耐熱性が劣るだけでなく耐擦傷性に難点があ
り、これらの点が改良されれば、さらに多くの発展が期
待される。そのためこのような欠点を改良する方法が種
々検討されている。一般には、合成樹脂成形材料を、プ
レス成形機、射出成形機、押出機、真空成形機等の成形
機を使用したり、鋳型内で重合固化させて成形を行った
後、耐擦傷性皮膜形成原料を、成形品表面に、スプレー
法、浸漬方法等により塗装を行った後、電子線又は熱に
より塗装膜を重合固化させ耐擦傷性皮膜を形成させてい
る。この方法における問題点としては、第一に耐擦傷性
皮膜を形成させるための重合工程を成形と同時に行うこ
ととができないため、塗装設備、硬化設備、それらを含
む除塵設備等の高額な設備を、成形とは別に必要になり
かつ硬化液粘度等の複雑な管理が必要となる。
これらを改善する方法としては、特公昭54−14,6
17号および54−14,618号がありがあり、耐擦
傷性皮膜形成原料を鋳型に塗装し、合成樹脂フィルムま
たは不活性ガスを使用して前重合を行い、ゲル分率約4
0〜95%でフィルムまたは不活性ガスを取り除き、さ
らに後硬化を行い、一般にゲル分率85%以上であとか
ら注入される基材樹脂原料によって膨潤もしくは溶解し
ない状態にした後、鋳型内に基材樹脂原料を注入して重
合固化させ、耐摩耗性表面を有する合成樹脂成形品を得
る方法がある。しかしながら、この方法では、耐擦傷性
能を得るために、前重合と後重合の二段階の重合を行な
わなければならず、工程が複雑であり、かつ前重合のみ
では表面に凹凸やクラック等の外観欠点が発生したり、
耐摩耗性にむらがあり、充分な擦傷性能が出ていない。
第二の問題点としては、基材樹脂と耐擦傷性皮膜間の接
着性が挙げられる。この点を改善する方法としては、耐
擦傷性皮膜と基材樹脂の間に両者に接着可能な層を設け
る方法があるが、これは塗装および皮膜の重合工程が2
回以上行なわれることになり、生産性を低下させるとと
もに、耐擦傷性皮膜にピンホールがある場合は、その部
分を核として耐溶剤性が著しく低下させる欠点がある。
また、特公昭53−9876号のように成形品に紫外線
を照射させた後、擦傷性皮膜を成形品上に形成させて接
着性を改良する方法があるが、紫外線照射を成形品と耐
擦傷性皮膜形成材料の両方に別々に行なわなければなら
ないので、工程が複雑であり、本成形樹脂基材を使用し
た場合は、暴露試験による耐擦傷性の向上に役立ってい
ないことが判明した。さらに、接着性を得るために成形
基材樹脂へのアタック性の強い溶剤を加えることがある
が、あまり強すぎるとクラックや面の平滑性が失なわれ
ることがあり、逆に弱いと密着性が得られず、溶剤の複
雑な配合が必要となると同時に、気化した溶剤の排気等
の処理設備を配慮する必要がある。
なお、SMC等の成形において、塗装を成形と同時に行
う方法として、プレモールドコーティング(premold coa
ting)、インモールドコーティング(inmold coating)等
の方法があるが、これは、自動車部品等の着色塗料のコ
ーティングが目的であり、基材との密着性が重視されて
いることにより、充分な耐擦傷性を得ることができず、
この後、耐擦傷性能を得るために、別にスプレー塗装に
よるトップコートを行っているのが現状である。
また、メチルメタクリレートを主成分とするメタクリル
系樹脂は、その優れた耐候性および卓越した透明性によ
り照明用カバー、自動車用部品等種々の分野で用いられ
ているが、前記メタクリル系樹脂は線状重合体であるた
めに、耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性、表面硬度が不充分
であるという欠点があった。例えば、耐熱性に関しては
100℃程度が限界であり、耐熱性を必要とする各分野
からの要求には充分応えられないのが現状である。例え
ば、自動車用部品としてのヘッドランプ用カバーとして
は使用できず、またテールランプの場合、従来品に比べ
てランプ自体の大型化あるいは照度増大からくる発熱量
の増加およびコスト低減に伴なう薄肉化の両面から耐熱
性の向上が要求され、また自動車、二輪車(オートバ
イ)のメーターカバー、太陽熱エネルギー利用の温水器
カバー等直射日光下での温度が非常に上昇する部品への
用途の広がりが期待されるので、水の沸点以上でも充分
耐え得るメタクリル系樹脂の開発が期待されている。
従来、メタクリル系樹脂の耐熱性向上を目的として、メ
チルメタクリレートとα−メチルスチレンを共重合させ
る方法(米国特許第3,135,723号)、メチルメ
タクリレート、α−メチルスチレンおよび無水マレイン
酸を共重合させる方法(特公昭45−31,953号、
特公昭49−10,156号)、メチルメタクリレー
ト、α−メチルスチレンおよびマレイミドを共重合させ
る方法(特開昭48−95,490号)等数多くの方法
が提案されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも耐熱性は向上す
るものの、重合速度が著しく遅かったり、重合率が上昇
せずに高い重合率が得られなかったり、また比較的短時
間で効率よく重合体が得られても、重合体の帯色が強
く、透明性、耐候性、表面硬度、機械的強度等が低下す
るなど一長一短で、工業的生産が極めて難しく、実用化
に至っていないのが現状である。
(発明が解決しようとする問題点) したがって、耐擦傷性および耐熱性に優れたメタクリル
系樹脂成形物品の製造方法の開発が望まれている。特
に、耐擦傷性皮膜形成において、複雑な工程を経ること
なく、耐擦傷性および耐熱性の優れた成形物品の製造方
法が必要である。
(問題点を解決するための手段) これらの問題点は、(A)官能基数xと重合率y(%)
とがつぎの式IまたはII y≦72 (2≦x≦3.5) (I) y≦-7.5x2+52x−18(3.5<x≦6) (II) を満足し、かつ分子量150以上で1分子当り少なくと
も2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋重
合性化合物または該架橋重合性化合物を30重量%以上
含有する他の重合可能な単量体との混合物もしくはそれ
らの部分重合物からなる耐擦傷性層形成材料と、(B)
(i)アルキルメタクリレート単量体、アルキルメタク
リレートを主成分とするα,β−エチレン性不飽和単量
体との混合物およびその重合体を含有するシラップより
なる群から選ばれた樹脂原料と、(ii)少なくとも2個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化
合物とを、該樹脂原料100重量部に対して該架橋重合
性化合物を10〜30重量部混合して、重合開始剤の存
在下で部分的に重合させてゲル分率15〜95%で重合
を停止させたアクリル系部分架橋ゲル重合体よりなる成
形基材材料とを接触させて同時に重合を行なうことを特
徴とするメタクリル系樹脂成形物品の製造方法により解
決される。
(作用) 本発明におけるアクリル系部分架橋ゲル重合体よりなる
成形材料(B)において、樹脂原料(i)として使用さ
れる単量体としては、アルキルメタクリレート単独ある
いはアルキルメタクリレートおよびこれと共重合し得る
α,β−エチレン系不飽和単量体との混合物がある。こ
のような単量体混合物の場合には、アルキルメタクリレ
ートが50モル%以上であることが望ましく、さらに6
0モル%以上であることが望ましい。アルキルメタクリ
レートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブ
チルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート等が
あるがメチルメタクリレートが特に好ましい。
共重合性単量体としては、主成分として使用されるアル
キルメタクリレート(例えばメチルメタクリレート)以
外の他のアルキルメタクリレート(例えば上記のアルキ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート等)、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート等のア
ルキルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアク
リレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−
ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート等のヒ
ドロキシアルキルメタクリレート等がある。
また前記アルキルメタクリレートまたはアルキルメタク
リレートを主成分とする単量体混合物の重合体を含むシ
ラップとしては、一般に25℃で1〜20,000セン
チポイズの粘度を有し、かつ3〜40重量%、好ましく
は5〜20重量%の重合体を含有する単量体溶液であ
る。
本発明において使用される架橋重合性化合物(ii)とし
ては、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル
基を有し、前記(メタ)アクリロイル基間に存在する炭
素原子の数が10以下である単量体であり、好ましくは
次式III〜V (ここで、nは3〜6の整数であり、MAはメタクリロ
イル基を表わす。) (ここで、R1は、H,CH3,C25またはCH2OH
を、R2はH,CH3(R4はHまたはCH3を表わす。)またはCH2OH
を、R3はHまたはCH3をそれぞれ表わし、R1,R2
よびR3は同時に水素ではなく、(M)Aはメタクリロ
イル基またはアクリロイル基を表わす。] (ここで、nは1または2であり、(M)Aはメタクリ
ロイル基またはアクリロイル基を表わす。)で表わされ
る単量体である。
これらの単量体の具体的な例としては、1,3−プロピレ
ングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコ
ールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、ジメチロールエタンジメタクリレート、1,1−ジメ
チロールプロパンジメタクリレート、2,2−ジメチロー
ルプロパンジメタクリレート、トリメチロールエタント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジメタ
クリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
トおよびジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
重合開始剤としては、種々のものが使用できるが、低温
活性重合開始剤と高温活性重合開始剤とを併用すれば前
記部分架橋ゲル重合体の生成反応を低温活性重合開始剤
の作用により行なわせ、ついでこのようにして得られる
ゲル状成形基材材料をさらに加熱して所望の物品に成形
する際、前記高温活性重合開始剤の作用により行うこと
ができる。しかしながら、高温活性重合開始剤または低
温活性開始剤のいずれか一方の重合開始剤のみの使用も
可能である。
低温活性重合開始剤としては、例えば10時間半減期を
得るための分解温度が50℃以下の過酸化物およびアゾ
化合物ラジカル重合開始剤がよい。この成形基材材料の
保存安定性を高める上で、成形基材材料を得るための重
合過程で低温活性重合開始剤は、できるだけ消失するこ
とが好ましいので、前記分解温度は26〜45℃が好ま
しく、特に26〜41℃が好ましい。また前記低温活性
重合開始剤の使用量は樹脂原料(i)と架橋重合性化合
物(ii)との合計量に対して0.002〜1重量%、好
ましくは0.005〜0.1重量%使用される。
このような低温活性重合開始剤としては、例えば(I)
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イ
ソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカ
ノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリス
チルパーオキシジカーボネート、2,2′−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(II)
ジ−(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ−(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネ
ート、ジ−(メトキシイソプロピル)パーオキシジカー
ボネート、ジ−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、(III)ジ−(3−メチル−3−メトキシ
ブチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオ
キシデカノエート、2,2,−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等があり、これらのうち、好ましくは
(I)および(II)のグループに属する化合物であり、
特に、好ましくは(I)のグループに属する化合物であ
る。
高温活性重合開始剤としては、分解温度が60〜220
℃の重合開始剤が好ましく成形サイクルを向上し、保存
安定性を保つため、好ましくは70〜170℃の分解温
度を有する重合開始剤が良い。また前記高温活性重合開
始剤の使用量は、樹脂原料(i)と架橋重合性化合物
(ii)との合計量に対して0.02〜5.0重量%、好
ましくは0.05〜4重量%使用される。
このような高温活性重合開始剤としては、例えば(IV)
t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、1,1,2,2−テトラフェニ
ル−1,2−エタンジオール、(V)1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチル
パーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5
−トリメチルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オ
クタン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルジパーオキシ
イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、
α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、(VI)t
−ブチルハイドロパーオキサイド、m−トルオイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、2,3−ジメチル−2,3−ジフェ
ニルブタン、オクタノイルパーオキサイド、デカノルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイ
ルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、サク
シニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボ
ニトリル)等があり、これらのうち、好ましくは(IV)
および(V)のグループに属する化合物であり、特に好
ましくは(IV)のグループに属する化合物である。
前記のように、ゲル状部分重合体とするには、前記樹脂
原料(i)は架橋重合性化合物(ii)との混合物を前記
重合開始剤の存在下に加熱して重合させる。この重合反
応は、10〜80℃、好ましくは35〜65℃の温度で
10〜200分間、好ましくは20〜150分間行われ
る。しかして、低温活性および高温活性の両重合開始剤
を併用する場合には、低温活性重合開始剤はほぼ全量消
費されるが高温活性重合開始剤は、前記反応温度では分
解せずにそのまま残留しているので、該ゲル状部分重合
体を使用しての成形反応時に消費される。
所望重合率のゲル状部分重合物は、急冷などにより重合
反応を停止することにより得ることができるが、さらに
前記樹脂原料(i)と架橋重合性化合物(ii)との混合
物を前記重合開始剤の存在下に加熱重合させるに当り、
特定の調節剤の特定量を添加することにより、更に容易
に所望重合率のゲル状重合体であるメタクリル系成形基
材材料を得ることができる。このような特定の調節剤と
しては、1,4(8)−P−メンタジエン、2,6−ジメチル−
2,4,6−オクタトリエン、1,4−p−メンタジエン、1,4
−シクロヘキサジエンおよびα−メチルスチレン二量体
がある。
このような調節剤は前記樹脂原料(i)と架橋重合性化
合物(ii)との合計量に対して0.0001〜0.5重
量%、好ましくは0.001〜0.2重量%、最も好ま
しくは0.005〜0.1重量%の範囲で使用すること
ができる。調節剤の添加量が0.0001重量%に満た
ない場合は所望の調節効果が発揮されず、添加量が0.
5重量%を越える場合は所望ゲル分に到達することがで
きない。
所望のゲル分率は前記調節剤の量、低温活性ラジカル重
合開始剤の量、重合温度、重合時間等を選ぶことにより
調整することができるが、あらかじめ所定のゲル分率に
達したゲル状部分重合体を加熱されたプレス成形機等の
金型内でさらにゲル分率を増加させることもできる。こ
の場合の金型温度は80〜160℃、好ましくは90〜
140℃が望ましい。80℃未満では所望のゲル分率に
あげるために時間がかかりすぎる。160℃を越えると
反応が急激に進み所望のゲル分率を得ることができなく
なる。
耐擦傷性層形成材料としては、密着性およびレベリング
を改良するための溶剤を使用しない固形分100%の市
販品かあるいは、市販の分子量150以上、好ましくは
200〜2000、最も好ましくは200〜1200で
1分子当り少なくとも2個のアクリロイルオキシ基また
はメタクリロイルオキシ基を有する架橋重合性化合物、
もしくは該化合物を30重量%以上有する他の重合可能
な単量体との混合物またはそれらの部分重合部であり、
架橋重合性化合物または混合物の平均官能基数は2.0
〜6.0望ましくは2.5〜5.5が好ましい。2未満
では、充分な擦傷性が得られず、6.0を越えると充分
に反応を進ませることが困難となり、耐候性による黄
変、クラック等の発生が大きくなる。
架橋重合性化合物としては、アクリロイルオキシ基また
はメタクリロイルオキシ基を結合する残基が炭化水素又
はその誘導体であってその分子中にエーテル結合、チオ
エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結
合等を含むもの、またイソシアヌール酸骨格、メラミン
骨格を持つものであっても良い。
例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TM
PTA)、1.6−ヘキサンジオールジアクリレート(H
DDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(N
PGDA),ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート(MANDA)、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(DPHA)、該DPHAの
改良品((例えば、DPCA−20,30,60等、日
本化薬株式会社製)、東亜合成化学工業株式会社製のウ
レタンアクリレートCH2=CHCOO-R′-OOCNH-(M−11
00)、ウレタンアクリレート (M−1200)、トリスアクリロイルシアヌルレート
(M−315)、イソシアヌール酸骨格を有する(メ
タ)アクリオキシ化合物(M−325)、大阪有機化学
工業株式会社製のエポキシアクリ レート ポリエステルアクリレート(ビスコート#700)等を
挙げることができる。
重合可能な単量体としては、メチルメタクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、エチルカルビトー
ルアクリレート、フェニルカルビトールアクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピルアクリレート等を挙げることができ
る。
しかして、耐擦傷性層形成材料においては、官能基数x
と重合率y(%)とが、つぎの式IまたはII y≦72 (2≦x≦3.5) (I) y≦-7.5x2+52x−18(3.5<x≦6) (II) を満足することが必要である。この範囲を越えると、成
形基材材料に対して充分な接着性が得られない。
この重合率は、C=Cに帰因する1620nm付近の吸収帯ピ
ーク高さから測定した赤外線法による二重結合量を百分
率で表わしたものである。
この重合率を調整する方法は、成形基材材料を投入する
前に予め鋳型に塗装し、熱または光重合開始剤を使用し
て重合させてもよいし、合成樹脂フィルム面上で予め重
合させておいても良い。
成形基材材料の成形と耐擦性層の形成を同時に行う方法
としては、(1)プレス成形機または射出成形機の金型
に予め耐擦傷性層形成材料を、スプレー、ロール等で塗
装し、上記範囲内に重合した後、成形基材材料を金型内
に導入して、成形する方法、(2)成形基材材料面上に
耐擦性層形成材料を塗装し、プレス成形金型内に投入し
て成形する方法(ただし、この場合、成形基材材料の伸
延倍率が72%を越える場合は、耐擦傷性層のある部分
とない部分のムラを生じるので好ましくない。)、
(3)予め合成樹脂等のフィルム上に塗装し、所望の重
合率まで重合させた後、その上に形成基材材料をのせ
て、金型に投入し成形させる方法、(4)予め、金型内
に成形基材材料を投入し、さらに重合を進めた後、金型
を開いて、耐擦性層形成材料を金型面または、成形基材
材料面にスプレー塗装するか、金型と成形基材材料の間
に注入し、再度金型をとじ成形する。
その後、さらに、成形基材の耐熱性を向上させるため
に、後重合を120〜140℃で3〜12時間行い成形
物品とする。
耐擦傷性層形成材料を、重合させる開始剤としては、部
分架橋ゲル重合体を得る時に使用した低温活性触媒およ
び高温活性触媒を使用することができかつ市販の光開始
剤を使用することができる。光重合開始剤としては、日
本チバガイギー株式会社製イルガキュア184、イルガ
キュア651、川口薬品株式会社製ベンゾフェノン、メ
ルクジャパン株式会社製ダロキュア1116、ダロキュ
ア1173、日本火薬株式会社製カヤキュアDET×、CT
×、RT×、MBP、BP、DMBI、EPA等がある。
低温活性触媒の配合範囲は架橋重合性化合物もしくは重
合可能な単量体との混合物に対して0.5〜3重量%、
望ましくは1〜2重量%が好ましい。0.5重量%未満
では、耐擦傷性層の重合が遅れるので充分な耐擦傷性が
得られない。また、3重量%を越えると、金型に塗装す
る際に均一にぬれる前に重合が始まって該層の平滑な面
が得られない。
高温活性触媒の配合範囲は、0.5〜5重量%、望まし
くは2〜4重量%が好ましい。0.5重量%未満では、
成形時間内で充分な重合が行われず、耐擦傷性を低下さ
せる。5重量%を越えると、該層の硬化が速いために成
形基材材料と該層との接着性が不充分となる。
光重合開始剤は、成形基材材料の成形と耐擦傷性層の形
成を同時に行う方法のうち、(1)および(3)の方法
において、成形時間を短縮するために使用することが望
ましい。その配合量は、紫外線を発生させるランプの出
力にもよるが、0.2〜1.0重量%望ましくは0.3
〜0.6重量%が好ましい。0.2重量%未満では、該
層に細かい凹凸面が表れて平滑な面が得られない。また
1.0重量%を越えると、硬化が速くて該層と成形基材
の接着が不充分となる。
成形品を着色させるために、成形基材材料に着色材を添
加するか、耐擦性層形成材料に着色材を添加するかいず
れかの方法でも良い。
本発明方法によれば硬度および耐摩耗性に優れかつアク
リルに耐する接着性が極めて良好な耐擦傷性層を有し、
かつ耐候性および耐熱性に優れたアクリル樹脂製品を容
易に作ることができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜4および比較例1 平均重合度約8,000のポリメチルメタクリレートを
8重量%含有するメチルメタクリレートシラップ80重
量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレート20重
量部に1,4(8)−p−メンタジエン0.08g/kg、PCN
D0.05gg/kgおよびPBD2g/kgを混合溶解した混
合物を板厚6mmで450×350mmの広さを持つ2枚の
ガラス板で、塩化ビニル樹脂製のガスケットを使用し、
間隔が10mmになるように組立られたセルに注入し、予
め50℃に加熱された恒温水槽にそのセルを投入し、取
り出し時間を変えることにより、所定ゲル分率を持つ部
分架橋ゲル重合体を得た。ゲル分率の測定方法は、細か
く切断した所定量(10〜15g)の部分架橋ゲル重合
体を50℃アセトン中で6時間抽出し、さらに50℃で
12時間真空乾燥を行った時の不溶解分の重量との比を
有分率で表わしたものである。この部分架橋ゲル重合体
を200×180mmに切断し、その平面に、DPHA7
0重量部HDDA15重量部、M−315 15重量
部、メチルメタクリレート10重量部にPCND2重量
%、カヤエステル3重量%を加え、平均官能基数約4.
3の耐擦傷性層形成材料をスプレー塗装し、ただちに、
130℃に加熱された200×180mmの押込み型金型
内に投入し、10分間保圧した後、金型を開放して、成
形品を取り出した。この成形品を熱風循環乾燥機で13
0℃で10時間後重合を行った後、JISZ1522、
JISK540φおよびASTMD−1044に従っ
て、密着性、鉛筆硬度およびテーバー摩耗試験を行い、
かつ東洋精機製作所製の引かき試験機を使用し、圧力を
皮膜面に対して100g/cm2、横行速度16mm/secで#
000のスチールウールを使用し、100回往復させた
とき、JISK7105により拡散透過率と全光線透過
率の比を曇価とし、試験前後の曇価の差を、スチールウ
ールによる擦傷性と定めて試験を行った。その結果を第
1表に示す。
実施例4〜7および比較例2〜3 平均重合度約8,000のポリメチルメタクリレートを
8重量%含有するメチルメタクリレートシラップ80重
量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレート20重
量部、1,4(8)−p−メンタジエン0.08g/kg、PCN
D0.05gg/kgおよびPBD3g/kgを混合溶解した混
合物を板厚6mmで450×350mmの広さを持つ2枚の
ガラス板で、塩化ビニル樹脂製のガスケットを使用し、
間隔が5mmになるように組立てられたセルに注入し、予
め50℃に加熱された恒温水槽にそのセルを投入し、
2.5時間重合して取り出した。得られた部分架橋ゲル
重合体を、実施例1〜3と同様にアセトン抽出を行いゲ
ル分率を測定したところ、28%であった。この部分架
橋ゲル重合体と同様の大きさに切断し、予め120℃に
加熱した実施例1〜3と同一の金型に投入し、重合途中
0.5分、1分、2分、3分、4分および5分でそれぞ
れ金型を開放し、実施例1〜3と同一の耐擦傷性層形成
材料を、重合途中の成形基材材料の表面にスプレー塗装
し、直ちに金型を閉じ、再び保圧し、20分後成形品を
取り出し、熱風循環乾燥機で130℃で10時間後重合
した後、実施例1〜3と同等な方法により耐擦傷性及び
密着性を調べた。耐擦傷性能を第1表に示す。形成基材
材料のゲル分率の測定は、成形と同一条件で同一金型を
使用し、部分架橋ゲル重合体は、同一セルの残りを使用
し、0.5分、1分、2分、3分、4分および5分毎に
取り出し直ちに液体窒素中に漬し急冷し、所定量(10
〜15g)を取り出し実施例1〜3と同様にアセトン抽
出を行なった。
実施例8〜11および比較例4 平均重合度約12,000のポリメチルメタクリレート
を4重量%含有するメチルメタクリレートシラップ80
重量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレート20
重量部、1,4(8)−p−メンタジエン0.08g/kg、V−
70 0.03g/kg、カヤエステル0.05g/kg、PH
−22 1g/kgおよびPBD33/kgを混合溶解して得ら
れた混合物を実施例1〜3と同様のセルの中に注入し、
予め50℃に加熱された恒温水槽にそのセルを投入し、
2.5時間重合して取り出した。得られた部分架橋ゲル
重合体を、実施例1〜3と同様にアセトン抽出を行いゲ
ル分率を測定したところ、36%であった。次に、予め
130℃に加熱された実施例1と同一の金型のキャビテ
ィー内面に実施例1と同調合の耐擦傷性層形成材料をス
プレー塗装し、0.5分、1分、5分、7分および10
分間加熱重合した後、上記部分架橋ゲル重合体を投入
し、金型を閉じ、10分間保圧した後成形品を取り出
し、130℃で10時間後重合を行った。耐擦傷性及び
密着性は実施例1と同一方法で行い、第1表に示した。
耐擦傷性層の重合率は、1mmのガラス板上にスプレー塗
装と同じ膜圧になるように、アプリケーターを使用して
塗装し、0.5分、1分、5分、7分および10分毎に
取り出し急冷して、1620nm付近に現われるC=Cに
帰因する吸収帯のピーク高さから測定する方法と、実施
例1と同様の方法で測定した。
実施例12〜13 平均重合度約12,000のポリメチルメタクリレート
を4重量%含有するメチルメタクリレートシラップ80
重量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレート20
重量部、PCND0.04g/kgおよびPBD2g/kgを溶
解して得られた混合物を実施例4と同様のセルに注入
し、50℃で2時間恒温水槽中で重合して得られた部分
架橋ゲル重合体のゲル分率は74%であった。次に、実
施例8と同様に耐擦傷性層形成材料を塗装して、1分お
よび7分でそれぞれ重合し、上記部分架橋ゲル重合体を
200×180mmの大きさに切断したものを投入して成
形した。その後130℃で10時間後重合を行い、耐擦
傷性及び密着性を実施例1と同一方法で測定した。その
結果を第1表に示す。
実施例14〜15 実施例1と同一調合の耐擦傷性層形成材料を実施例12
と同様に1分および7分でそれぞれ重合させた後、実施
例1の部分架橋ゲル重合体を20×180mmに切断し投
入し、20分間保圧し成形品を得た。この成形品を13
0℃で10時間後重合し、実施例1と同一方法により耐
擦傷性能を測定した結果を第1表に示す。
実施例16〜19および比較例5 DPHA15重量部、HDDA1O重量部、M−315
22.5重量部およびメチルメタクリレート5重量部
の混合物に、PCND2重量%およびカヤエステル0.
2重量%混合し平均官能基数3.3の耐擦傷性層形成材
料を得た。この耐擦傷性層形成材料を、予め130℃に
加熱された実施例1と同一の金型表面に45〜50μm
の塗装を行い、それぞれ1分、5分、10分、15分お
よび20分放置した後、実施例8と同様の部分架橋ゲル
重合体を投入して、10分間加熱成形した後、板状成形
物を130℃で10時間後重合して耐擦傷性を実施例1
と同一方法により測定した。その結果を第1表に示す。
実施例20〜21および比較例6 DPHA100重量部に対して、PCND2重量%およ
びカヤエステル0.3重量%混合して得られた平均官能
基数5.5の耐擦傷性層形成材料を予め130℃に加熱
された実施例1と同一の金型面に45〜50μmになる
ようにスプレー塗装し、0.5分、1分および2分間そ
れぞれ放置した後、実施例8と同様の部分架橋ゲル重合
体を投入して、10分間加熱成形した。取り出された成
形物を130℃で10時間後重合を行い、耐擦傷性能を
実施例1と同一方法により測定した。その結果を第1表
に示す。
実施例22〜23および比較例7 ポリエチレンフィルム上にゼネラル・アニリン・アンド
・フィルム・カンパニー製紫外線硬化型耐擦傷性層形成
材料GAFGUADE−233をアプリケーターで45
〜50μmになるように塗装し、50Wのケミカルラン
プ2本を並列に並べて5cmの高さから塗装面に6分、8
分および10分間照射したフィルムを、塗装面が実施例
2で得られたと同様の部分架橋ゲル重合体と接触させ、
実施例1で使用した金型の内部に入れ、120℃で20
分間保圧して硬化させた後、取り出し、130℃で10
時間の後重合を行って、耐擦傷性能を実施例1と同一方
法で調べた結果を第1表に示す。
比較例8 実施例8の部分架橋ゲル重合体を予め130℃に加熱し
た実施例1と同一の金型内に200×180mmの大きさ
に切断して充填し、10分間保圧した後取り出し、13
0℃で10時間後重合を行った。その成形品を実施例1
と同一方法で耐擦傷性能調べた結果を第1表に示す。
実施例24 耐擦傷性層形成材料として、DPHA75重量部、M−
315 10重量部、HDDA15重量部およびメチル
メタクリレート5重量部にイルガキュア0.5重量%加
えて得た。この耐擦傷性層形成材料を、予め130℃に
加熱された実施例1と同一の金型内に25〜30μmに
なるようにスプレー塗装し、出力80W/cmなる高圧水
銀灯で5秒間照射した後、形成基材を投入し10分間保
圧して成形品を取り出し、後重合を130℃で10時行
った。その成形品を実施例1と同方法で耐擦傷性を調べ
た結果を第1表に示す。
比較例9 実施例8と同一方法で得られた部分架橋ゲル重合体を予
め130℃で加熱された実施例1と同一の金型のキャビ
ティー内に投入し、金型を閉じ、10分間保圧した後、
成形品を取り出し、成形品と耐擦傷性皮膜との間の接着
性を得るために、出力80ワット/cmよりなる高圧水銀
灯(主波長365nm)の光線を照射量8.5×10
4(単位ワット・秒/m2)で照射した後、実施例1と同
一処方の耐擦傷性皮膜材料を10〜20μmになる様に
スプレー塗装し、130℃で10時間の後重合を行うと
同時に耐擦傷性皮膜材料を重合固化せしめ耐擦傷性皮膜
を形成させた。その結果を第1表に示す。
参考例 実施例21および実施例9ならびに比格例9で得られた
成形品および市販の耐擦傷性付与板について、実施例1
と同様の方法で紫外線促進曝露時間とスチールウール試
験による曇価の差を図示すると、第1図に示すとおりで
あった。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明方法は、耐擦傷性層形成材料
として官能基数xと重合率y(%)とが、式Iまたは式
IIを満足し、かつ分子量150以上で1分子当り少なく
とも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋
重合性化合物を主成分とする単量体またはその部分重合
物を使用するものであるから、成形品の表面の耐擦傷性
が極めて良好であるばかりでなく、アクリル系樹脂成形
基材材料との接着性が極めて良好であるので、該材料と
同時成形ができ、このため工程が簡略化され、基材の影
響を受けることなく7H以上の鉛筆硬度を有している。
さらに、第1図から明らかなように、耐候性による耐擦
傷性の低下が少ないので、耐擦傷性の優れた成形物品が
得られる。また、成形基材材料として、前記のごとき特
定のアクリル系部分架橋ゲル重合体を使用するので、耐
熱性が極めて良好な成形物品が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法により得られる成形物品および市
販の耐擦傷性付与板の紫外線曝露時間とスチールウール
試験による曇価の差を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−125491(JP,A) 特開 昭51−125487(JP,A) 特開 昭57−167340(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)官能基数xと重合率y(%)とがつ
    ぎの式IまたはII y≦72 (2≦х≦3.5) (I) y≦-7.5x2+52x−18(3.5<x≦6) (II) を満足し、かつ分子量150以上で1分子当り少なくと
    も2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋重
    合性化合物または該架橋重合性化合物を30重量%以上
    含有する他の重合可能な単量体との混合物もしくはそれ
    らの部分重合物からなる耐擦傷性層形成材料と、 (B)(i)アルキルメタクリレート単量体、アルキル
    メタクリレートを主成分とするα,β−エチレン性不飽
    和単量体との混合物およびその重合体を含有するシラッ
    プよりなる群から選ばれた樹脂原料と、(ii)少なくと
    も2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋重
    合性化合物とを、該樹脂原料100重量部に対して該架
    橋重合性化合物を10〜30重量部混合して、重合開始
    剤の存在下で部分的に重合させてゲル分率15〜95%
    で重合を停止させたアクリル系部分架橋ゲル重合体より
    なる成形基材材料と を接触させて同時に重合を行なうことを特徴とするメタ
    クリル系樹脂成形物品の製造方法。
  2. 【請求項2】アルキルメタクリレートのアルキル基の炭
    素原子数が1〜4である特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】アルキルメタクリレートがメチルメタクリ
    レートである特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】耐擦傷性層形成材料の官能基数が2.5〜
    5.5である特許請求の範囲第1項ないし第3項のいず
    れか一つに記載の方法。
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