JPH0618716Y2

JPH0618716Y2 - 溶接用拘束治具

Info

Publication number: JPH0618716Y2
Application number: JP1987019921U
Authority: JP
Inventors: 豊昭草野; 静男河波
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1987-02-16
Filing date: 1987-02-16
Publication date: 1994-05-18
Anticipated expiration: 2002-02-16
Also published as: JPS63127796U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、薄肉細径チユーブを螺旋状に形成したコイル
状チユーブなどの円筒状被溶接材を自動溶接する際に適
用される溶接用拘束治具に関するものである。

（従来の技術）前記コイル状チユーブの溶接用治具について従来例を説
明すると、第５、６図に示すように底板(b₁)と同底板(b
₁)の側部に立設された側板(b₂)からなる溶接用治具(b
_1,2)が使用され、コイル状チユーブ(a)を底板(b₁)上に
載置するとともに同コイル状チユーブを側板(b₂)に押し
当て配置し、底板(b₁)と側板(b₂)によりコイル状チユー
ブ(a)の軸線を直線状に拘束した状態にして、該コイル
状チユーブにおける各隣接チユーブ間の周方向三等分位
置の外側に図示のような仮付け溶接(c)して形状を一定
に保持したのち、本溶接している。

（考案が解決しようとする問題点）従来の前記溶接用治具は、底板と側板にコイル状チユー
ブ（円筒状被溶接材）の下側と一側を支持して拘束する
程度であり、薄肉チユーブになつているため、該コイル
状チユーブの外周側に直接に自動溶接により本溶接をす
ると、チユーブ間のギヤツプ、段差および溶接の歪みが
生じ易く、本溶接の前に形状を一定に保持するための仮
付け溶接が必要となり、同仮付け溶接の手数と時間を要
し、仮付け溶接部のビード幅が不揃いになつて外観が悪
くなるなどの問題点がある。

（問題点の解決手段）本考案は、前記のような問題点に対処するために開発さ
れた溶接用拘束治具であつて、中空シャフトの外周に、
ジャッキを介して配設され、同ジャッキにより円筒状被
溶接材の内壁に向って移動される複数の拘束当て部材
と、前記中空シャフトに貫装されたネジ軸の両端部に装
着され、同ネジ軸により前記円筒状被溶接材の両端部に
向って移動する１対の拘束当て盤とからなり、前記各拘
束当て部材の端部に、前記拘束当て盤に設けた規制短円
筒の内壁に当接する当面を設けると共に前記ネジ軸に前
記拘束当て盤を弾発自在に保持するバネを設けたことに
より、円筒状被溶接材の拘束保形状能を高め本溶接の直
接施工を可能にして溶接の精度、能率を向上させて前記
のような問題点を解消している。

（作用）円筒状被溶接材の内部に内壁拘束具を配置するとともに
端部拘束具を組み立て、内壁拘束具の中空シヤフトの外
周に配設されている各拘束当て部材をジヤツキ機構によ
り円筒状被溶接材の内壁に向つて移動し、各拘束当て部
材の両端部の当面が拘束当て盤に設けた規制短円筒に当
接することによつて円筒状被溶接材の円形および軸線形
状が拘束されて整えられ、端部拘束具のネジ軸により１
対の拘束当て盤が円筒状被溶接材の両端部に向つて移動
しネジ軸に設けたバネにより同円筒状被溶接材が軸線方
向に押圧、拘束されて圧縮され、拘束保形された前記円
筒状被溶接材の外周側に本溶接の直接施工が可能とな
る。

（実施例）第１図ないし第４図に本考案の一実施例を示し、図中
(a)は例えばコイル状チユーブ即ち円筒状被溶接材であ
つて、中空シヤフト(1)の外周にジヤツキ(2)を介して配
設されコイル状チユーブ(a)の内壁に向つて移動される
複数の拘束当て部材（金具）を備えた内壁拘束具と、中
空シヤフト(1)内に貫装されたネジ軸(11)の両端部に装
着され同ネジ軸(11)によつてコイル状チユーブ(a)の両
端部に向つて移動される１対の拘束当て盤(12)を備えた
端部拘束具を具備した構成になつている。

前記内壁拘束具について詳述すると、前記ジヤツキ(2)
は、中空シヤフト(1)の外周中央部のブラケット(2a)と
拘束当て部材(3)の内側中央部のブラケット(2b)間に枢
着して連結された１対のリンク機構(2c,d)と、両リンク
機構(2c,d)(2c,d)の中間ピン(2e)と(2e)間に螺合して連
結された頭部(2g)付きネジボルト(2f)からなり、頭部(2
g)によつてネジボルト(2f)を回転すると、リンク機構(2
c,d)(2c,d)の中間ピン(2e)(2e)の相対移動により拘束当
て部材(3)がコイル状チユーブ(a)の内壁に向つて移動さ
れ、該拘束当て部材(3)は、第３、４図に示すように複
数（図示では３個）配設されてほぼコイル状チユーブ
(a)の内壁全域にわたる押圧面を形成する。

前記端部拘束具について詳述すると、中空シヤフト(1)
に遊通させ貫装されているネジ軸(11)の基端側に一方の
拘束当て盤(12)（図示右側）を嵌装し、ネジ軸(11)の基
端に固設したハンドル(13)と同拘束当て盤(12)間にコイ
ルバネ(14)を介装するととともに、ネジ軸(11)の先端側
に他方の拘束当て盤(12)（図示左側）を螺合して、ハン
ドル(13)によつてネジ軸(11)を回転すると、両拘束当て
盤(12)(12)の相対間隔が短縮移動されてコイル状チユー
ブ(a)の両端部を押圧して圧縮し拘束するとともに、両
拘束当て盤(12)は、円盤状に形成されているとともにコ
イル状チユーブ(a)の端部形状に対応させた傾斜状の押
当面(12a)を有し、該押当面(12a)にコイル状チユーブ
(a)の端部内壁に嵌合する規制短円筒(15)が設けられ、
ジヤツキ駆動用穴(16)が配設されている。前記拘束当て
部材(3)の両端部には前記短円筒(15)の内壁面に当接さ
れる当面(3a)(3a)が延設される。

本考案の実施例は、前記のような構成になつており作用
について説明する。

円筒状被溶接材即ちコイル状チユーブ(a)内に内壁拘束
具を挿入し、ネジ軸(11)の基部側に一方の拘束当て盤(1
2)を嵌装するとともに、同ネジ軸(11)を中空シヤフト
(1)に貫装して先端部に他方の拘束当て盤(12)を螺合し
端部拘束具が組み立てられて配置される。

頭部(2g)によつて内壁拘束具のネジボルト(2f)を回転す
ると、１対のリンク機構(2c,d)(2c,d)の中間ピン(2e)と
(2e)の相互間隔が短縮され両リンク機構が放射方向に伸
長されて、各拘束当て部材(3)がコイル状チユーブ(a)の
内壁に向つて移動し同内壁のほぼ全域が押圧され拘束さ
れて、ハンドル(13)によつて端部拘束具のネジ軸(11)を
回転すると、両拘束当て盤(12)(12)の相互間隔が短縮さ
れてコイル状チユーブ(a)の両端部に向つて移動し押圧
して拘束し、内壁拘束具の各拘束当て部材(3)の両端部
に設けた当面(3a)(3a)が両拘束当て盤(12)(12)に設けた
規制短円筒(15)の内面に当接することによつてコイル状
チユーブ(a)の内壁がほぼ全域にわたり押圧され拘束さ
れて保形されるとともに、端部拘束具の１対の拘束当て
盤(12)(12)とネジ軸(11)に設けたコイルバネ(14)とによ
つてコイル状チユーブ(a)の両端部が押圧され拘束され
て圧縮され、コイル状チユーブ(a)のチユーブ間のギヤ
ツプや段差などがなくなり拘束保形性能が著しく高めら
れる。従つて、該溶接用拘束治具によつてコイル状チユ
ーブ即ち円筒状被溶接材(a)を拘束して保形すると、仮
付け溶接をしないで外周側に本溶接を直接に施工可能と
なり、溶接の施工精度、能率が著しく向上される。

溶接施工後は、ネジ軸(11)を逆回転してその先端側に螺
合した拘束当て盤(12)を外し中空シヤフト(1)から抜き
取り、各ネジボルト(2f)を逆回転して各拘束当て部材
(5)を中空シヤフト(1)側に後退させて、溶接施工ずみの
コイル状チユーブ即ち円筒状被溶接材が容易に解放され
る。

前記各拘束当て部材(3)は、１対のリンク機構(2c,d)に
より支持されているため、円筒状被溶接材の内壁への片
当りが解消され、ネジ軸(11)の基端側に嵌装された拘束
当て盤(12)はコイルバネ(14)で支持されているため、両
拘束当て盤(12)による円筒状被溶接材(a)の両端部への
押圧拘束力が緩衝され、円筒状被溶接材の拘束保形性
能、信頼性が著しく向上されている。

（考案の効果）このように本考案によるときは中空シャフトの外周にジ
ャッキを介して配設され、同ジャッキにより円筒状被溶
接材の内壁に向って移動される複数の拘束当て部材と前
記中空シャフトに貫装されたネジ軸の両端部に装着さ
れ、同ネジ軸により前記円筒状被溶接部材の両端部に向
って移動する１対の拘束当て盤とから構成されるため、
円筒状被溶接材は各拘束当て部材の移動によってその内
壁をほぼ全域にわたって拘束保形されると共に１対の拘
束当て盤の移動によってその両端部を圧縮保形でき、而
も各拘束当て部材は、その端部に設けた当面を、拘束当
て盤に設けた規制短円筒の内壁に当接させたから特に肉
厚の薄い円筒状被溶接材においても、これを濫りに拡張
することなくその円筒の規定寸法の保持が容易となり、
又拘束当て盤はバネにより圧縮力が働いているため溶接
中の円筒状被溶接材の収縮による開先隙間が生じないの
で溶接の際の溶金の溶け落ちなどのトラブルの発生がな
く溶接が円滑に行われる等の効果を有する

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を一部断面で示した側面図、
第２図は第１図の端面図、第３図は内壁拘束具の側面
図、第４図は第３図の端面図、第５図は従来例を示す側
面図、第６図は第５図の端面図である。１：中空シヤフト、２：ジヤツキ３：拘束当て部材、１１：ネジ軸１２：拘束当て盤、３ａ：当面、１５：規制短円筒

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】中空シャフトの外周に、ジャッキを介して
配設され、同ジャッキにより円筒状被溶接材の内壁に向
って移動される複数の拘束当て部材と、前記中空シャフ
トに貫装されたネジ軸の両端部に装着され、同ネジ軸に
より前記円筒状被溶接材の両端部に向って移動する１対
の拘束当て盤とからなり、前記各拘束当て部材の端部
に、前記拘束当て盤に設けた規制短円筒の内壁に当接す
る当面を設けると共に前記ネジ軸に前記拘束当て盤を弾
発自在に保持するバネを設けたことを特徴とする溶接用
拘束治具