JPH06185102A

JPH06185102A - 水洗便器

Info

Publication number: JPH06185102A
Application number: JP33990792A
Authority: JP
Inventors: Haruo Yamazaki; 晴夫山崎; Takao Maeda; 恭男前田; Yoshihiro Nishizaki; 喜弘西崎
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1992-12-21
Filing date: 1992-12-21
Publication date: 1994-07-05

Abstract

(57)【要約】【目的】小量の洗浄水により優れた洗浄効果が得られ
る旋回水流方式の水洗便器を提供する。【構成】ボウル面２の上縁略全周に設けたリム通水路
３の底面に複数の射水孔７を有する水洗便器において、
リム通水路３の流入部６にて分岐した一方の洗浄水Ｂが
通水するリム通水路３は、その流入部６近傍に流量減少
構造９を有し、かつ分岐した他方の洗浄水Ａが通水する
リム通水路３は、その便器前方近傍に止水部８を有する
とともに、この止水部８近傍に位置する射水孔７′の孔
径が他の射水孔７の孔径よりも大きくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は水洗便器に関するもの
である。さらに詳しくは、この発明は、より少量の洗浄
水によって便器ボウル面を効率よく洗浄することのでき
る洗い落し式の水洗便器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等のトイレルームには、
様々な意匠と構造とからなる種々の水洗便器が用いられ
ているが、それらの水洗便器は、その洗浄水吐出方式の
違いによって大別されている。たとえば図５は、洗い落
し式の水洗便器を例示した側断面図であるが、この水洗
便器の場合には、ロータンク（ア）内の貯水が便器本体
（イ）の導水路（ウ）を介してリム通水路（エ）に給水
され、リム通水路（エ）の底面に開設した射水孔（オ）
から洗浄水がボウル面（カ）に吐水されるようになって
いる。ボウル面（カ）に付着した汚物は、この射水孔
（オ）から吐出する洗浄水の水圧によって洗い流され
る。そして、洗浄水が単にボウル面（カ）を流れ落ちる
だけでは洗浄力が弱いので、洗浄力をより高めるため
に、洗浄水がボウル面（カ）を旋回しながら流れ落ちる
ようにした便器も提案されている。

【０００３】図６は、このような洗浄水旋回型の水洗便
器を例示した平面図である。たとえばこの図６に示した
水洗便器の場合には、ロータンク（図示せず）から導水
路（ウ）に供給された洗浄水（図中白抜き矢印）は、リ
ム通水路（エ）の小孔径の射水孔（オ）と大孔径の射水
口（キ）の孔径の違いによってリム通水路（エ）内を一
方向に略一同し、その間に射水孔（オ）から順次ボウル
面（カ）に流れ落ちるようにしている。その際に、射水
孔（オ）から吐出する洗浄水（図中矢印）は、その水勢
によって略前方に流れ出すために、全体として一つの方
向に旋回するようになるが、とくに便器前方近傍の大孔
径の射水孔（キ）からは他の小孔径の射水孔（オ）より
も水勢の強い洗浄水が吐出し、これによって旋回の大き
さを増すとともに、汚物の付着しやすいボウル面領域
（ク）に大量の洗浄水を流水するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図６に
示したような従来の水洗便器の場合には、大孔径の射水
孔（キ）から吐出する水勢の強い流水によって十分な旋
回液が得られ、かつボウル面領域（ク）に付着した汚物
も効率よく洗い流すことができるにもかかわらず、他の
小孔径の射水孔（オ）からも、ボウル面（カ）全体の洗
浄のために一定量の洗浄水を吐出しなければならない。

【０００５】このため、全ての射水孔（オ）から洗浄水
を吐出するようにリム通水路（エ）内を略一周させるた
めには、比較的大量（８リットル程度）の洗浄水量が必
要である。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなさ
れたものであり、従来の旋回流水型水洗便器の問題点を
解消し、少量の洗浄水によって優れた洗浄効果の得られ
る新しい水洗便器を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ボウル面の上縁略全周に設けた
リム通水路に複数の射水孔を有する水洗便器において、
リム通水路の流入部にて分岐した一方の洗浄水が通水す
るリム通水路は、その流入部近傍に流量減少構造を有
し、かつ分岐した他方の洗浄水が通水するリム通水路
は、その便器前方近傍に止水部を有するとともに、この
止水部近傍に位置する射水孔の孔径が他の射水孔の孔径
よりも大きいことを特徴とする水洗便器を提供する。

【０００７】また、この発明の水洗便器においては、上
記止水部が射水孔を有することを一つの好ましい態様と
してもいる。

【０００８】

【作用】この発明の水洗便器においては、ロータンク等
の水源から供給された洗浄水が、リム通水路の流入部に
おいて左右に分岐し、各々、リム通水路内を二方向に通
水する。一方のリム通水路は、その流入部近傍に流量減
少構造を有するため、小量の洗浄水が通水し、その各射
水孔からは小量の洗浄水が順次ボウル面へ流れ落ちる。
これに対して、他方のリム通水路へは相対的に大量の洗
浄水が流れ込み、これらの洗浄水は、射水孔から順次流
下しながら、大部分がそのリム通水路の止水部まで達
し、止水部近傍の大孔径の射水孔よりボウル面に吐水さ
れる。この大孔径の射水孔から吐水される大量の洗浄水
によって、ボウル面に大きな旋回水流が形成され、かつ
汚物の付着しやすい領域も効率よく洗浄される。一方、
他の小孔径の射水孔からはボウル面全体を洗い流すのに
必要なだけの小量の洗浄水が吐出する。

【０００９】これにより一回の洗浄に要する水量が従来
の場合に比べてはるかに節約される。

【００１０】

【実施例】以下、添付した図面に沿って実施例を示し、
この発明についてさらに詳しく説明する。図１は、この
発明の水洗便器の一実施例を示した平面図である。たと
えばこの水洗便器の場合には、便器本体（１）のボウル
面（２）の上縁略全周にリム通水路（３）を有してお
り、このリム通水路（３）は、便器本体（１）後方の導
水路（４）に連通し、さらにこの導水路（４）はその給
水口（５）を介してロータンク等の水源に連通してい
る。

【００１１】給水口（５）から導水路（４）へ供給され
た洗浄水（図中白抜き矢印）は、リム通水路（３）への
流入部（６）において左右に分岐し、二方向（Ａ，Ｂ）
の流れとなってリム通水路（３）内を通水し、その底面
の射水孔（７）からボウル面（２）へと順次吐出され
る。そして、リム通水路（３）は、便器前方近傍におい
て止水部（８）により仕切られているため、Ａ，Ｂ二方
向の洗浄水が合流することはない。

【００１２】さらに、Ｂ方向のリム通水路（３）には、
その流入部（６）の近傍に流量減少構造（９）が設けら
れており、これによってＢ方向へ流れる分岐水流の量を
小さくするようにしている。その結果、Ｂ方向への洗浄
水は、リム通水路（３）の各射水孔（７）から小量づつ
吐出される。一方、Ａ方向へのリム通水路（３）には、
Ｂ方向への流量が制限されるために、大量の洗浄水が流
入する。これらの洗浄水は、リム通水路（３）の射水孔
（７）から小量づつボウル面（２）へと流れ落ちるが、
大部分は止水部（８）へと達し、この止水部（８）の手
前に開設した大孔径の射水孔（７′）からボウル面
（２）へと吐出される。また、この図１に例示した水洗
便器の場合には、止水部（８）にも大孔径の射水孔
（７′）を開孔しているため、ここからも大量の洗浄水
がボウル面（２）に吐水されるようになっている。

【００１３】これらの大孔径の射水孔（７′）から強い
水勢をもって吐出される大量の洗浄水は、ボウル面
（２）に旋回水流を形成し、この水流によって汚物の付
着しやすい領域（１０）も効率よく洗浄されるようにな
る。なお、この図１の例のように、止水部（８）にも大
孔径の射水孔（７′）を設ける場合には、止水部（８）
をたとえば図２にそのＸ−Ｘ断面を示したような構造と
することによって、Ａ、Ｂ二方向の洗浄水が合流しない
ようにすることができる。

【００１４】また、Ｂ方向のリム通水路（３）に設けた
流量減少構造（９）は、上記のようにＡ方向への流量を
増加させるためばかりか、Ｂ方向のリム通水路（３）の
射水孔（７）から吐出する洗浄水の水量を減少させるた
め、それらがＡ方向の洗浄水によって形成される旋回流
水を妨げず、旋回流が大きく形成されるようにもなる。

【００１５】このような流量減少構造（９）としては、
たとえば図３に図１のＹ−Ｙ断面図を示したように、リ
ム通水路（３）内に突起部（１１）を設け、流路抵抗を
大きくすればよい。あるいは、図４に例示したように、
流路全体を狭めることによって抵抗を大きくするように
してもよい。いずれにしても、Ｂ方向の洗浄水は、ボウ
ル面（２）を一定量流れ落ちるだけでよく、その水量は
図３または図４のような構造によって流路抵抗を適宜に
設定することにより調節することができる。

【００１６】実際に、図１に例示した水洗便器により、
従来は８リットル程度の水量を必要とした１回の洗浄効
果を、約６リットルの洗浄水によって達成することがで
きる。もちろんこの発明は、以上の例によって限定され
るものではなく、細部の構成等については様々な態様が
可能であることは言うまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、少量の洗浄水によって優れた洗浄効果が得られる
水洗便器が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の水洗便器の一実施例を示した平面図
である。

【図２】図１のＸ−Ｘ断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ断面図である。

【図４】図１のＹ−Ｙ断面部の別の構成を例示した断面
図である。

【図５】従来の一般的な水洗便器の構造を例示した側断
面図である。

【図６】従来の洗浄水旋回型便器の一例を示した平面図
である。

【符号の説明】

１便器本体２ボウル面３リム通水路４導水路５給水口６流入部７射水孔７′ 大孔径の射水孔８止水部９流量減少構造１０ボウル面領域１１突起

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ボウル面の上縁略全周に設けたリム通水
路に複数の射水孔を有する水洗便器において、リム通水
路の流入部にて分岐した一方の洗浄水が通水するリム通
水路は、その流入部近傍に流量減少構造を有し、かつ分
岐した他方の洗浄水が通水するリム通水路は、その便器
前方近傍に止水部を有するとともに、この止水部近傍に
位置する射水孔の孔径が他の射水孔の孔径よりも大きい
ことを特徴とする水洗便器。
【請求項２】止水部が射水孔を有する請求項１の水洗
便器。