JPH06184213A - 硬化性樹脂組成物および硬化性複合材料 - Google Patents

硬化性樹脂組成物および硬化性複合材料

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JPH06184213A
JPH06184213A JP4341971A JP34197192A JPH06184213A JP H06184213 A JPH06184213 A JP H06184213A JP 4341971 A JP4341971 A JP 4341971A JP 34197192 A JP34197192 A JP 34197192A JP H06184213 A JPH06184213 A JP H06184213A
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resin
compound
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polyphenylene ether
composite material
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JP4341971A
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Inventor
Teruo Katayose
照雄 片寄
Hidehisa Yokoyama
秀久 横山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を
有し、硬化後に優れた耐薬品性と耐熱性を示す新規な硬
化性ポリフェニレンエーレル樹脂組成物を提供する。 【構成】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂に分子中に
オレフィン性不飽和二重結合を一個もしくは二個以上含
有する化合物の熱可塑性重合体もしくは共重合体をグラ
フトしたグラフトポリフェニレンエーテル樹脂、およ
び、(b)ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ト
リアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、
多官能性アクリロイル化合物、多官能性ネタクリロイル
化合物、多官能性イソシアネート、不飽和ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン系
樹脂からなる化合物群から選ばれた少なくとも一つの化
合物および/またはそのプレポリマーからなる硬化性樹
脂組成物、該組成物を基材に含浸させて得られた複合材
料およびそれらの硬化物。該硬化複合材料と金属箔から
なる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬化性樹脂組成物および
これを硬化して得られる硬化体に関する。さらに本発明
は、該樹脂組成物と基材からなる硬化性複合材料、その
硬化体、および硬化体と金属箔からなる積層体に関す
る。本発明の樹脂組成物は、硬化後において優れた耐薬
品性、誘電特性、耐熱性を示し、電子産業、宇宙・航空
機産業等の分野において誘電材料、絶縁材料、耐熱材料
に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴なって材料の面でもよ
り優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性が要求されつつ
ある。例えばプリント配線基板としては、従来からフェ
ノール樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を材料と
する銅張り積層板が用いられてきた。これらは各種の性
能をバランスよく有するものの、電気特性、特に高周波
領域での誘電特性が悪いという欠点を持っている。この
問題を解決する新しい材料としてポリフェニレンエーテ
ルが近年注目をあび銅張積層板への応用が試みられてい
る。
【0003】ポリフェニレンエーテルを利用する方法の
一つは、硬化性のポリマーやモノマーを配合して用いる
方法である。硬化性のポリマーやモノマーと組み合わせ
ることによってポリフェニレンエーテルの耐薬品性を改
善し、かつポリフェニレンエーテルの優れた誘電特性を
生かした材料を得ることができる。硬化性のポリマーや
モノマーとしては、エポキシ樹脂(特開昭58−690
46号公報など)、1,2−ポリブタジエン(特開昭5
9−193929号公報など)、多官能性マレイミド
(特開昭56−133355号公報など)、多官能性シ
アン酸エステル(特開昭56−141349号公報な
ど)、多官能性アクリロイルまたはメタクロイル化合物
(特開昭57−149317号公報など)、トリアリル
イソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレー
ト(特開昭61−218652号公報など)、イソシア
ネート化合物等、数多くの例が知られている。
【0004】しかしながらポリフェニレンエーテル自体
は、成膜性を有していないためこれらの架橋性モノマ
ー、ポリマーと混合しても外観良好なフィルム、シー
ト、プリプレグが得られなかった。さらにポリフェニレ
ンエーテルは、本来耐薬品性をまったく持たないため、
たとえ硬化性のポリマーやモノマーを併用してもその改
善には自ずと限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に鑑みてなされたものであり、ポリフェニレンエー
テルに成膜性を付与すると同時にポリフェニレンエーテ
ルの優れた誘電特性を保持し、かつ硬化後において優れ
た耐薬品性と耐熱性を示す新規な硬化性樹脂組成物を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明の
目的に沿った新規な樹脂組成物を見い出し本発明を完成
するに到った。すなわち、本発明は以下のとおりであ
る。 1.(a)ポリフェニレンエーテル樹脂に分子中にオレ
フィン性不飽和二重結合を一個もしくは二個以上含有す
る化合物の熱可塑性重合体もしくは共重合体をグラフト
したグラフトポリフェニレンエーテル樹脂、および、
(b)ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、トリア
リルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、多官
能性アクリロイル化合物、多官能性メタクリロイル化合
物、多官能性イソシアネート、不飽和ポリエステル、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン系樹脂か
らなる化合物群から選ばれた少なくとも一つの化合物お
よび/またはそのプレポリマーからなる硬化性樹脂組成
物であって、(a)成分と(b)成分の和100重量部
を基準として(a)成分が98〜40重量部、(b)成
分が2〜60重量部であることを特徴とする硬化性樹脂
組成物。 2.上記の硬化性樹脂組成物を硬化して得られた硬化樹
脂組成物。 3.(a)ポリフェニレンエーテル樹脂に分子中にオレ
フィン性不飽和二重結合を一個もしくは二個以上含有す
る化合物の熱可塑性重合体もしくは共重合体をグラフト
したグラフトポリフェニレンエーテル樹脂、(b)ジア
リルフタレート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシ
アヌレート、トリアリルシアヌレート、多官能性アクリ
ロイル化合物、多官能性メタクリロイル化合物、多官能
性イソシアネート、不飽和ポリエステル、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン系樹脂からなる化
合物群から選ばれた少なくとも一つの化合物および/ま
たはそのプレポリマー、並びに(c)基材からなる硬化
性複合材料であって、(a)成分と(b)成分の和を基
準として(a)成分が98〜40重量部、(b)成分が
2〜60重量部であり、かつ(a)、(b)、および
(c)成分の和100重量部を基準として(a)+
(b)成分が95〜10重量部、(c)成分が5〜90
重量部であることを特徴とする硬化性複合材料。 4.上記の硬化性複合材料を硬化して得られた硬化複合
材料。 5.上記の硬化複合材料と金属箔からなる積層体。
【0007】以下にこの発明を詳しく説明する。本発明
において使用されるポリフェニレンエーテルは次の一般
式(I)で表される。
【0008】
【化1】
【0009】一般式AにおけるR1 〜R4 の低級アルキ
ル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等が
挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基等が
挙げられる。ハロアルキル基の例としては、ブロモメチ
ル基、クロロメチル基等が挙げられる。ハロゲン原子の
例としては臭素、塩素等が挙げられる。
【0010】一般式(I)のQの代表的な例としては、
下記化2に4種の一般式で表される化合物群が挙げられ
る。
【0011】
【化2】
【0012】具体例として、下記化3〜化4等が挙げら
れる。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】一般式(I)中のJで表されるポリフェニ
レンエーテル鎖中には、一般式Aで表される単位の他、
次の化5に一般式(B)として表される単位が含まれて
いてもよい。
【0016】
【化5】
【0017】本発明に用いられるポリフェニレンエーテ
ル樹脂の特に好ましい例は、2,6−ジメチルフェノー
ルを単独で酸化重合して得られるホモポリマー、2,6
−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノ
ールの共重合から得られるコポリマー、上記2官能性フ
ェノール化合物の共存下に2,6−ジメチルフェノール
を酸化重合して得られる2官能性ポリフェニレンエーテ
ルである。
【0018】以上述べたポリフェニレンエーテル樹脂の
分子量については、30℃、0.5g/dlのクロロホ
ルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.1〜1.0
の範囲にあるものが良好に使用できる。溶融樹脂流れを
重視する硬化性樹脂組成物、例えば多層配線板用プリプ
レグとしては、粘度数の小さい樹脂が好ましい。本発明
に用いられる(a)成分は、上記のポリフェニレンエー
テル樹脂に分子中にオレフィン性不飽和二重結合を一個
もしくは二個以上含有する炭素原子数が2〜18個の不
飽和化合物の1種もしくは2種以上の混合物をラジカル
重合開始剤を用いて、グラフト重合させることにより製
造される。上記不飽和化合物の例としては、スチレン、
ビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、
α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、ビニ
ルフェノール、ビニルピリジンなどの芳香族ビニル化合
物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリ
ロニトリルなど不飽和ニトリル化合物;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニ
ルなど不飽和エステル化合物;ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエンなど共役ジエン化合物類;塩
化ビニル、塩化ビニリデンなどハロゲン化ビニル化合
物;エチレン、ポロピレンなどオレフィン類等があり、
これらの化合物のうち、芳香族ビニル化合物、不飽和ニ
トリル化合物、不飽和エステル化合物が特に好ましい。
【0019】ラジカル重合開始剤の例としては、ジ−t
ert−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルオキサイ
ド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過ホウ酸ナ
トリウム等で過酸化物類の1種又は2種以上を上記ポリ
フェニレンエーテル樹脂100重量部に対して0.3〜
15重量部の範囲で用いる。反応の条件は70〜300
℃の範囲であり、通常は適当量の有機溶媒を使用して反
応させる方法による。
【0020】また、上記のポリフェニレンエーテル樹脂
と不飽和化合物の使用量はポリフェニレンエーテル樹脂
60〜99.9wt%、不飽和化合物0.1〜40wt
%の範囲から用途などを考慮して選択する。不飽和化合
物は好ましくは0.1〜20wt%、さらに好ましくは
0.2〜10wt%である。不飽和化合物が0.1wt
%未満では成膜性が不十分であり、40wt%を越える
とポリフェニレンエーテル自体の優れた誘電特性を損な
うので好ましくない。
【0021】本発明の硬化性樹脂組成物の(b)成分と
しては、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、多
官能性アクリロイル化合物、多官能性メタクリロイル化
合物、多官能性イソシアネート、不飽和ポリエステル、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン系樹脂
からなる化合物群から選ばれた少なくとも一つの化合物
および/またはそのプレポリマーが用いられる。
【0022】本発明に用いられるジアリルフタレートお
よびジビニルベンゼンとは、それぞれ次の構造式で表さ
れる化合物である。
【0023】
【化6】
【0024】これらの化合物は、オルト、メタ、パラの
いずれの異性体も本発明に用いることができる。本発明
に用いられるトリアリルイソシアヌレートおよび/また
はトリアリルシアヌレートとは、それぞれ次の構造式で
表される3官能性モノマーである。
【0025】
【化7】
【0026】本発明に用いられる多官能性アクリロイル
化合物および多官能性メタクリロイル化合物とは、次の
2つの一般式で表される物である。
【0027】
【化8】
【0028】一般式(C)の多官能性アクリロイルもし
くはメタクリロイル化合物R12の例としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ネオペンチルグリコ−ル、ヘキサンジオール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロヘキサン、水素添加ビスフェノールA
などで例示されるアルカンポリオールの残基;ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコールなどで例示されるポリエーテルポリオール
の残基;キシレングリコール、ビスフェノールAで代表
される複数個のベンゼン環が橋絡部を介して連結された
芳香族性ポリオールおよびこれらの芳香族ポリオールの
アルキレンオキサイド付加物などで例示される芳香族ポ
リオール残基;フェノールとホルムアルデヒドとを反応
させて得られるベンゼン多核体(通常、10核体以下の
ものが好適に用いられる)の残基;エポキシ基を2個以
上有するエポキシ樹脂から導かれる残基;末端に水酸基
を2個以上有するポリエステル樹脂から導かれる残基が
あり、具体的な化合物としては、エチレングリコールジ
アクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジ
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、グリセリントリアク
リレート、1,1,1−メチロールエタンジアクリレ−
ト、1,1,1−トリメチロールエタントリアクリレ−
ト、1,1,1−トリメチロールプロパンジアクリレ−
ト、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレ
−ト、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ソルビトールテトラアクリレー
ト、ソルビトールヘキサアクリレート、ソルビトールペ
ンタアクリレート、1,4−ヘキサンジオールジアクリ
レ−ト、2,2−ビス(アクリロキシシクロヘキサン)
プロパン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリ
エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ビスフェノールA−ジアクリレート、2,2−ビス
(4−(2−アクリロキシエトキシ)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(2−アクリロキシ−ジ−(エ
チレンオキシ)フェニル))プロパン、2,2−ビス
(4−(2−アクリロキシ−ポリ−(エチレンオキシ)
フェニル))プロパン;フェノール樹脂初期縮合体の多
価アクリレ−ト;ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ノ
ボラック系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フタル
酸ジグリシジルエステルとポリカルボン酸等とアクリル
酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート類;末
端に水酸基を2個以上有するポリエステルとアクリル酸
とを反応して得られるポリエステルポリアクリレート
類;上述したアクリレートがメタクリレート類になった
もの;さらにはこれらの化合物の水素原子が例えば2,
2−ジブロモメチル−1,3−プロパンジオールジアク
リレート、2,2−ジブロモメチル−1,3−プロパン
ジオールジメタクリレートのように一部ハロゲンで置換
されたもの等が挙げられる。
【0029】一般式(D)の多官能性アクリロイルもし
くはメタクリロイル化合物の代表的の例としては、ヘキ
サヒドロ−1,3,5−トリアクリロイル−s−トリア
ジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリメタクリロイル
−s−トリアジンが挙げられる。本発明に用いられる多
官能性イソシアネートとは、次の一般式で表されるもの
である。
【0030】
【化9】
【0031】一般式(E)の多官能性イソシアネートの
例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,
6−トルエンジイソシアネート、メタフェニレンジイソ
シアネート、パラフェニレンジイソシアネート、メタキ
シリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、テトラメチルキシレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シク
ロヘキサン−1,4−ジイソシアネ−ト、リジンイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ト
リス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、
1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8
−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタ
ン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
ビシクロヘプタントリイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネート等が挙げられる。
【0032】これらの多官能性イソシアネートは、種々
のブロック剤を用いて多官能性ブロックイソシアネート
に変換して用いることもできる。ブロック剤の例として
は、アルコール類、フェノール類、オキシム類、ラクタ
ム、マロン酸エステル、アセト酢酸エステル、アセチル
アセトン、アミド類、イミダゾール類、亜硫酸塩等公知
のものが使用できる。
【0033】本発明に用いられる不飽和ポリエステルと
は、グリコール類を不飽和多塩基酸および飽和多塩基
酸、あるいはこれらの無水物、エステル、酸クロライド
と反応させることによってえられるものであり、一般の
ものが用いられる。グリコール類の代表的な例として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジフロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水素化ビス
フェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド付
加物、ジブロモネオペントルグリコール等が挙げられ
る。
【0034】不飽和多塩基酸の代表的な例としては、無
水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
飽和多塩基酸の代表的な例としては、無水フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
テット酸、テトラブロモ無水フタル酸等が挙げられる。
【0035】不飽和ポリエステルの詳細については、例
えば滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」
日刊工業新聞社(1988)を参照のこと。本発明に用
いられるエポキシ樹脂とは、一分子中に2個以上のエポ
キシ基を含有するものであればよく、公知のものが一種
のみもしくは二種以上組合せて用いられる。代表的な例
としては、フェノール類またはアルコール類とエピクロ
ルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂、カルボン酸類とエピクロルヒドリン
との反応によって得られるグリシジルエステル型エポキ
シ樹脂、アミン類またはシアヌル酸とエピクロルヒドリ
ンとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキ
シ樹脂、二重結合の酸化によって得られる内部エポキシ
樹脂等が挙げられる(これらの詳細については、例えば
新保正樹編、「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新
聞社(1987)に示されている)。
【0036】本発明に用いられるフェノール樹脂とは、
1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するもの
であり、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロ
ピルフェノール、アミルフェノール、ビスフェノールA
などから単独で、またそれらを併用して合成されるノボ
ラック樹脂、レゾール樹脂を示す。本発明に用いられる
ポリブタジエン系樹脂とは、特に限定されるわけではな
いが公知のものが一種のみもしくは二種以上組合せて用
いられる。代表的な例としては、1,2−ポリブタジエ
ン、1,4−ポリブタジエン等が挙げられる。またポリ
ブタジエンの分子鎖末端もしくは側鎖に官能基を有する
ものを用いることも可能である。官能基の代表的な例と
しては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、ウレタ
ン基、アクリル基、メタクリル基、不飽和酸無水物基等
が挙げられる。
【0037】本発明の硬化性樹脂組成物の(b)成分と
しては、以上述べた化合物群のうちから1種のみを、あ
るいは2種以上組み合わせて用いることができる。また
これらの化合物を、後述する公知の触媒、開始剤、硬化
剤等の存在下または不存在下で熱、光等により予備反応
せしめて得られるプレポリマーも本発明の(b)成分と
して用いることができる。
【0038】本発明の硬化性樹脂組成物にはこの他スチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アリルグ
リシジルエーテル、メタクリル酸グリシジル、アクリル
酸グリシジルなどの架橋性のモノマー、ポリフェニレン
エーテルをはじめとする熱可塑性樹脂を一種または二種
以上配合することが可能である。
【0039】以上の(a)、(b)両成分の配合比は広
範囲に変化させることができるが、本発明においては両
者の合計量を基準にして、(a)成分を98〜40重量
部、(b)成分を2〜60重量部、より好ましくは
(a)成分を95〜50重量部、(b)成分を5〜50
重量部とするのがよい。(b)成分が2重量部未満では
耐薬品性の改善が不十分であり好ましくない。逆に60
重量部を越えると誘電特性が低下するので好ましくな
い。
【0040】本発明の硬化性樹脂組成物には、機械的強
度を高め、寸法安定性を増大させるために基材を加える
ことができる。本発明に用いられる基材としては、ロー
ビングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシ
ングマットなどの各種ガラス布、アスベスト布、金属繊
維布およびその他合成もしくは天然の無機繊維布;ポリ
ビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊
維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリテトラフルオロエチ
レン繊維などの合成繊維から得られる織布または不織
布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布;カーボン
繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙−ガラス混繊紙な
どの天然セルロース系布などがそれぞれ単独で、あるい
は2種以上併せて用いられる。
【0041】本発明の硬化性複合材料における基材の占
める割合は、硬化性複合材料100重量部を基準として
5〜90重量%、より好ましくは10〜80重量%さら
に好ましくは20〜70重量%である。基材が5重量%
より少なくなると複合材料の硬化後の寸法安定性や強度
が不十分であり、また基材が90重量%より多くなると
複合材料の誘電特性や難燃性が劣り好ましくない。
【0042】本発明の積層体で用いられる金属箔として
は、例えば銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その
厚みは特に限定されないが、5〜200μm、より好ま
しくは5〜105μmの範囲である。上記の(a)、
(b)成分を混合する方法としては、二者を溶媒中に均
一に溶解または分散させる溶液混合法、あるいは押し出
し機等により加熱して行なう溶融ブレンド法等が利用で
きる。溶液混合に用いられる溶媒としては、ジクロロメ
タン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどのハロゲ
ン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン系溶媒;テトラヒドロフランが
単独であるいは二種以上を組み合わせて用いられる。
【0043】本発明の硬化性樹脂組成物は、あらかじめ
その用途に応じて成形、硬化させてもよい。成形方法は
特に限定されない。通常は、硬化性樹脂組成物を上述し
た溶媒に溶解させ好みの形に成形するキャスト法、また
は硬化性樹脂組成物を加熱溶融し好みの形に成形する加
熱溶融法が用いられる。上述したキャスト法と加熱溶融
法は単独で行なってもよい。またそれぞれを組み合わせ
て行なってもよい。例えば、キャスト法で作成された本
発明の硬化性樹脂組成物のフイルムを数〜数十枚積層
し、加熱溶融法、例えばプレス成形機で加熱溶融し、本
発明の硬化性樹脂組成物のシートを得ることができる。
【0044】本発明の硬化性複合材料を製造する方法と
しては、例えば本発明の(a)、(b)成分と必要に応
じて他の成分を前述のハロゲン系、芳香族系、ケトン系
等の溶媒もしくはその混合溶媒中に均一に溶解または分
散させ、基材に含浸させた後乾燥する方法が挙げられ
る。含浸は浸せき(ディッピング)、塗布等によって行
なわれる。含浸は必要に応じて複数回繰り返すことも可
能であり、またこの際組成や濃度の異なる複数の溶液を
用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成お
よび樹脂量に調整することも可能である。
【0045】本発明の硬化性複合材料には、必要に応じ
て樹脂と基材の界面における接着性を改善する目的でカ
ップリング剤を用いることができる。カップリング剤と
しては、シランカップリング剤、チタネ−トカップリン
グ剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネ
ートカップリング剤等一般のものが使用できる。本発明
の硬化性樹脂組成物は後述するように加熱等の手段によ
り架橋反応を起こして硬化するが、その際の反応温度を
低くしたり不飽和基の架橋反応を促進する目的でラジカ
ル開始剤を含有させて使用してもよい。
【0046】本発明の硬化性樹脂組成物に用いられるラ
ジカル開始剤の量は(a)成分と(b)成分の和を基準
として0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量
%である。ラジカル開始剤の代表的な例を挙げると、ベ
ンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α′
−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オ
クタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)パーオキ
サイド、トリメチルシリルトリフェニルシリルパーオキ
サイド等の過酸化物があるがこれらに限定されない。ま
た過酸化物ではないが、2,3−ジメチル−2,3−ジ
フェニルブタンもラジカル開始剤として使用できる。し
かし、本樹脂組成物の硬化に用いられる開始剤はこれら
の例に限定されない。
【0047】またエポキシの硬化剤を使用させてもよ
い。硬化剤としては、通常のエポキシ樹脂の硬化剤、例
えばポリアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリフェ
ノール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、アニオン
重合型触媒型硬化剤、カチオン重合型触媒型硬化剤、潜
在型硬化剤等が使用できる(詳細は、例えば新保正樹編
「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社(198
7)、室井宗一、石村秀一著「入門エポキシ樹脂」高分
子刊行会(1988)等に示されている)。
【0048】本発明の硬化性樹脂組成物は、その用途に
応じて所望の性能を付与させる目的で本来の性質を損な
わない範囲の量の充填剤や添加剤を配合して用いること
ができる。充填剤は繊維状であっても粉末状であっても
よく、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、タルク、
雲母、ガラスビーズ、ガラス中空球等を挙げることがで
きる。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防
止剤、可塑剤、顔料、塗料、着色剤等が挙げられる。ま
た難燃性の一層の向上を図る目的で塩素系、臭素系、リ
ン系の難燃剤や、Sb2 3 、Sb2 5 、NbSO3
・1/4H2 O等の難燃助剤を併用することもできる。
基材を含む複合材料では、臭化ジフェニルエーテルと酸
化アンチモンの組み合わせが好ましく用いられる。さら
には、他の熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂を一種
または二種以上配合することも可能である。
【0049】本発明の硬化樹脂組成物は、以上に述べた
硬化性樹脂硬化物を硬化することにより得られるもので
ある。硬化の方法は任意であり、熱、光、電子線等によ
る方法を採用することができる。加熱により硬化を行な
う場合その温度は、ラジカル開始剤、硬化剤の有無やそ
の種類によっても異なるが、80〜300℃、より好ま
しくは120〜250℃の範囲で選ばれる。また時間
は、1分〜10時間程度、より好ましくは1分〜5時間
である。
【0050】得られた硬化樹脂組成物は、赤外吸収スペ
クトル法、高分解能固体核磁気共鳴スペクトル法、熱分
解ガスクロマトグラフィー等の方法を用いて樹脂組成を
解析することができる。本発明の硬化複合材料はフィル
ム状、あるいは少なくとも1種類の金属箔と、少なくと
も片面に上述の金属箔を張り合わせた硬化樹脂組成物か
ら構成される積層体として使用されることが可能であ
る。
【0051】本発明の硬化複合材料は、このようにして
得た硬化性複合材料を加熱等の方法により硬化すること
によって得られるものである。その製造方法は特に限定
されるものではなく、例えば該硬化性複合材料を複数枚
重ね合わせ、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時
に熱硬化を行い、所望の厚みの硬化複合材料を得ること
ができる。また一度接着硬化させた硬化複合材料と硬化
性複合材料を組み合わせて新たな層構成の硬化複合材料
を得ることも可能である。積層成形と硬化は、通常熱プ
レス等を用い同時に行なわれるが、両者をそれぞれ単独
で行なってもよい。すなわち、あらかじめ積層成形して
得た未硬化あるいは半硬化の複合材料を、熱処理または
別の方法で処理することによって硬化させることができ
る。
【0052】成形および硬化は、温度80〜300℃、
圧力0.1〜1000kg/cm2、時間1分〜10時
間の範囲、より好ましくは、温度120〜250℃、圧
力1〜100kg/cm2 、時間1分〜5時間の範囲で
行なうことができる。本発明において積層体とは、本発
明の硬化複合材料と金属箔より構成されるものである。
ここで用いられる金属箔としては、前述したように例え
ば銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特
に限定されないが5〜200μm、より好ましくは5〜
105μmの範囲である。
【0053】本発明の積層体を製造する方法としては、
例えば本発明の硬化性複合材料と、金属箔を目的に応じ
た層構成で積層し、加熱加圧下に各層間を接着せしめる
と同時に熱硬化させる方法を挙げることができる。積層
体においては、硬化性複合材料と金属箔が任意の層構成
で積層される。金属箔は表層としても中間層としても用
いることができる。
【0054】また本発明の硬化複合材料と金属板より構
成される積層板および、金属箔、硬化複合材料、および
金属板より構成される金属張り積層板も製造できる。積
層板においては、金属板をベースとしその片面または両
面に硬化性複合材料が積層される。金属張り積層板にお
いては、金属板をベースとしその片面または両面に硬化
性複合材料を介して金属箔が積層される。この際金属箔
は最表層として用いられるが、最表層以外に中間層とし
て用いてもよい。
【0055】上記の他、積層と硬化を複数回繰り返して
多層化することも可能である。金属箔および金属板の接
着には接着剤を用いることもできる。接着剤としては、
エポキシ系、アクリル系、フェノール系、シアノアクリ
レート系等が挙げられるが、特にこれらに限定されな
い。上記の積層成形と硬化は、本発明の硬化複合材料と
同様の条件で行なうことができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明を一層明確にするために実施例
を挙げて説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に
限定するものではない。
【0057】
【合成例1】30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶
液で測定した粘度数ηsp/cが0.54のポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)100重
量部、スチレン60重量部、エチルベンゼン110重量
部およびジ−t−ブチルパーオキサイド6重量部を10
0℃で撹拌しながら均一に溶解した後、窒素ガスを吹き
込んで反応系内の酸素ガスを追い出した。反応器内温が
145〜150℃の間に保たれるようにコントロールし
ながら2.5時間重合した後、内容物を取り出し減圧乾
燥機を用いて180℃で14時間乾燥してエチルベンゼ
ンおよび未反応のスチレンを除去してグラフトポリフェ
ニレンエーテル樹脂を得た。
【0058】このグラフトポリフェニレンエーテル樹脂
のポリスチレンの含有量は赤外線吸収スペクトル分析か
ら9wt%であった。この反応生成物をAとする。
【0059】
【合成例2】合成例1と同様の方法で測定した粘度数η
sp/cが0.60のポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)150重量部、メチルアクリレ
ート64重量部、エチルベンゼン180重量部およびジ
−t−ブチルパーオキサイド6重量部を仕込み100℃
で撹拌しながら均一に溶解した後、窒素ガスを吹き込ん
で反応系内の酸素ガスを追い出した。反応器内温が15
0℃前後に保たれるようにコントロールしながら2.5
時間重合した後、内容物を取り出し減圧乾燥機を用いて
180℃で21時間乾燥してエチルベンゼンおよび未反
応のメチルメタアクリレートを除去してグラフトポリフ
ェニレンエーテル樹脂を得た。赤外線吸収スペクトル分
析からポリメチルメタアクリレート含有量は5wt%で
あった。この反応生成物をBとする。
【0060】
【実施例1〜2】 硬化性樹脂組成物および硬化樹脂組成物 Aとトリアリルイソシアヌレートまたはオルトジアリル
フタレートを表1に示した組成でクロロホルムを使用し
て溶解キャストする。実施例1、2はフィルム状にな
る。そこで、100μmのフィルムを作成し、それを1
3枚重ね、プレス成形機により200℃、2時間の条件
で成形、硬化した。この硬化物は、トリクロロエチレン
中で5分間煮沸しても反りおよび外観の変化は認められ
ず寸法安定性は良好であり、耐薬品性がでた。
【0061】
【比較例1】Aの代わりにポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンエーテル)(ηsp/c=0.5
6)を用いて、硬化性化合物と開始剤を用いて、表1の
組成で実施例1〜2と同じ操作でキャストしたが、成膜
性がなくフィルムができなかった。
【0062】
【比較例2】Aと開始剤のみを用いて、表1の組成で実
施例1〜2と同じ操作を繰り返した。成膜性がありフィ
ルムはできたが、成形、硬化したものをトリクロロエチ
レン中で5分間煮沸したところ、膨潤と反りが認めら
れ、耐薬品性がなかった。
【0063】
【実施例3〜8】 硬化性複合材料 表2に示した組成で各成分をトリクロロエチレン中に溶
解または分散させた。この溶液にガラスクロスを浸せき
して含浸を行い、エアーオーブン中で乾燥させた。表面
が平滑で外観の良好なプリプレグが得られた。
【0064】積層体 成形後の厚みが約0.8mmになるように上記の硬化性
複合材料を複数枚重ね合わせ、その両面に厚さ35μm
の銅箔を置いてプレス成形機により成形硬化させて積層
体を得た。各実施例の硬化条件を表3に示した。圧力は
いずれも40kg/cm2 とした。
【0065】このようにして得られた積層体の諸物性を
以下の方法で測定した。 1.耐トリクロロエチレン性 銅箔を除去した積層体を25cm角に切り出し、トリク
ロロエチレン中で5分間煮沸し、外観の変化を目視によ
り観察した(JIS C 6481に準拠)。 2.誘電率、誘電正接 1MHzで測定を行なった(JIS C 6481に準
拠)。 3.ハンダ耐熱性 銅箔を除去した積層体を25mm角に切り出し、260
℃のハンダ浴中に120秒浮かべ、外観の変化を目視に
より観察した(JIS C 6481に準拠)。 4.銅箔引き剥し強さ 積層体から幅20mm、長さ100mmの試験片を切り
出し、銅箔面に幅10mmの平行な切り込みを入れた
後、面に対して垂直なる方向に50mm/分の速さで連
続的に銅箔を引き剥し、その時の応力を引張り試験機に
て測定し、その応力の最低値を示した(JIS C 6
481に準拠)。
【0066】
【比較例3〜5】AまたはBの代わりにηsp/c=
0.56のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)を用いて同様の操作を行い、積層板を作製
した。この積層板の耐トリクロロエチレン性を測定した
ところ、表面の著しい白化とガラスクロスの露出が認め
られた。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は優れた成膜
性を示すと同時に硬化体および積層体は良好な耐薬品性
と優れた誘電特性を兼ね備えた材料である。この他、耐
熱性、金属との接着性、寸法安定性、あるいは熱放散性
等の諸物性においてバランスのとれた特性を示す。
【0071】従って本発明の材料は、電気産業、電子産
業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁
材料、耐熱材料等として用いることができる。特に片
面、両面、多層プリント基板、セミリジット基板、金属
ベース基板、多層プリント基板用プリプレグとして好適
に用いられる。また本発明の材料は、その耐熱耐吸湿絶
縁性の故に線間100μm以下の高密度回路基板、相関
絶縁層の厚み200μm以下の多層回路基板、実装用回
路基板用の接着剤として良好に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 61/06 LNB 8215−4J 63/00 NJN 8830−4J // C08F 299/02 MRS 7442−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂に分子
    中にオレフィン性不飽和二重結合を一個もしくは二個以
    上含有する化合物の熱可塑性重合体もしくは共重合体を
    グラフトしたグラフトポリフェニレンエーテル樹脂、お
    よび、(b)ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、
    トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレー
    ト、多官能性アクリロイル化合物、多官能性メタクリロ
    イル化合物、多官能性イソシアネート、不飽和ポリエス
    テル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン
    系樹脂からなる化合物群から選ばれた少なくとも一つの
    化合物および/またはそのプレポリマーからなる硬化性
    樹脂組成物であって、(a)成分と(b)成分の和10
    0重量部を基準として(a)成分が98〜40重量部、
    (b)成分が2〜60重量部であることを特徴とする硬
    化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の硬化性樹脂組成物を硬化し
    て得られた硬化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(a)ポリフェニレンエーテル樹脂に分子
    中にオレフィン性不飽和二重結合を一個もしくは二個以
    上含有する化合物の熱可塑性重合体もしくは共重合体を
    グラフトしたグラフトポリフェニレンエーテル樹脂、
    (b)ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、トリア
    リルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、多官
    能性アクリロイル化合物、多官能性メタクリロイル化合
    物、多官能性イソシアネート、不飽和ポリエステル、エ
    ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブタジエン系樹脂か
    らなる化合物群から選ばれた少なくとも一つの化合物お
    よび/またはそのプレポリマー、並びに(c)基材から
    なる硬化性複合材料であって、(a)成分と(b)成分
    の和を基準として(a)成分が98〜40重量部、
    (b)成分が2〜60重量部であり、かつ(a)、
    (b)、および(c)成分の和100重量部を基準とし
    て(a)+(b)成分が95〜10重量部、(c)成分
    が5〜90重量部であることを特徴とする硬化性複合材
    料。
  4. 【請求項4】請求項3記載の硬化性複合材料を硬化して
    得られた硬化複合材料。
  5. 【請求項5】請求項4記載の硬化複合材料と金属箔から
    なる積層体。
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