JPH0617933Y2 - コ−ナ−パネル取り付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は柱の屋外側の出隅部にコンクリート系のコーナ
ーパネルを取り付ける場合の取り付け構造の改良に関す
るものである。

［背景技術］ 従来、柱１の屋外側の出隅部にコーナーパネル３を取り
付けるにあたっては、第３図に示すように柱１の出隅部
に溶接等で取り付け金物２を取り付け、この取り付け金
物２の当接片２ａ，２ｂにコーナーパネル３の内面３
ａ，３ｂが当接するようにコーナーパネル３を配置して
コーナーパネル３の外面３ｃ，３ｄよりそれぞれ取り付
け金物２の当接片２ａ，２ｂにタッピングビス４を打入
させて固定するようになっている。そして、コーナーパ
ネル３の取り付け後にビス止めにてコーナーパネル３の
外面に形成された孔をパテ埋め等をして作業が完了する
というものであった。上述のようにして取り付けられる
従来例ではコーナーパネル３を取り付けるとき、コーナ
ーパネル３を一定位置に保持しながらタッピングビス４
の打入作業を行わなければならず、施工が困難であると
共に施工に人手を多く要するという問題があり、また、
タッピングビス４をコーナーパネル３の外面２箇所から
螺入して取り付け金物２に固定しなければならず、この
点でも施工時間がかかり、さらに、ビス止め後の孔を補
修しなければならないという問題があった。

［考案の目的］ 本考案は釘打ち作業を行なうことがないと共に後補修を
行なうことなく簡易にコーナーパネルの取り付けを行な
うことができるコーナーパネル取り付け構造を提供する
にある。

［考案の開示］ 本考案におけるコーナーパネル取り付け構造は、角柱状
の柱１の出隅部を覆うように柱１の出隅部の屋外側に取
り付け金物１２を配設し、この取り付け金物１２は少な
くとも出隅部で隣合う柱１の一方の外側面１ａと略平行
に配置される当接片１２ａと、出隅部で隣合う柱１の他
方の外側面１ｂと略平行に配置される当接片１２ｂを備
えると共に、出隅部より屋外側に向けて一体に突設され
たボルト５を備えて構成され、取り付け金物１２の屋外
側に縦片３ｂと横片３ａとで断面略Ｌ字状に形成される
コーナーパネル３を配設し、コーナーパネル３を構成す
る縦片３ｂの内面と横片３ａの内面をそれぞれ取り付け
金物１２の当接片１２ａ，１２ｂの外面に当接し、取り
付け金物１２より屋外側に突設されたボルト５をコーナ
ーパネル３に設けられた挿通孔６に挿通し、コーナーパ
ネル３の出隅部を切除して形成された面取り部７にカバ
ー受け具９を配設し、カバー受け具９に設けられたボル
ト孔８より突出するボルト５にナット１０を螺着し、カ
バー受け具９の両端に設けられた係止部１５に被係止部
１６を係合してカバー受け具９の屋外側にカバー１１を
取着したことにより、従来例の欠点を解決したものであ
る。

以下、本考案を実施例により詳述する。

第１図、第２図に示されるように角柱状の柱１の屋外側
に位置する出隅部には取り付け金物１２が取り付けられ
ており、取り付け金物１２にコンクリート系のコーナー
パネル３が連結固定されている。

取り付け金物１２は、図１、図２に示されるように帯板
材を折曲加工して形成されており、直交するように配さ
れた各当接片１２ａ，１２ｂの端部より当接片１２ａ，
１２ｂと直交するように内方に向けて支持片１４を一体
に突設し、各支持片１４の端部より支持片１４と直交す
るように外方に向けて連結片１８を一体に突設して形成
されており、各当接片１２ａ，１２ｂの連結角部には角
部を切除した状態で面取り部１３が設けられている。面
取り部１３からは面取り部１３と直交するように外側方
に向けてボルト５が一体に突設されている。この取り付
け金物１２は、柱１の四辺のうち、出隅部で隣合う一方
の外側面１ａに一方の連結片１８を固着すると共に出隅
部で隣合う他方の外側面１ｂに他方の連結片１８を固着
することで柱１の出隅部を覆うようにして柱１の屋外側
に取り付けられており、各当接片１２ａ，１２ｂは出隅
部で隣合う柱１の外側面と略平行に配置されている。

取り付け金物１２に取着されるコーナーパネル３は、縦
片３ｂと横片３ａとで断面略Ｌ字状に形成されており、
外側面がわの角部には、角部を切除するようにして面取
り部７が形成されている。このコーナーパネル３の内隅
部から出隅部に設けられた面取り部７との間には挿通孔
６が設けられており、この挿通孔６は上記取り付け金物
１２に設けられたボルト５を挿通することができる径と
されている。コーナーパネル３は挿通孔６に取り付け金
物１２より突設されたボルト５を挿通すると共に縦片３
ｂの内面と横片３ａの内面をそれぞれ取り付け金物１２
の当接片１２ａ，１２ｂに当接することで取り付け金物
１２に仮止め状態で保持されるようになっている。面取
り部７にはボルト孔８が設けられた長尺な帯板状のカバ
ー受け具９が配設されており、ボルト孔８にボルト５を
挿通すると共にボルト孔８より突出するボルト５にナッ
ト１０を螺着することでカバー受け具９とコーナーパネ
ル３とが取り付け金物１２に連結固定されている。つま
り、釘打ち作業を行なわなくともボルト５にナット１０
を螺着することで各部材を連結固定することができるよ
うになっており、また、ナット１０の締め付け前には挿
通孔６にボルト５を挿通させると共にボルト孔８にボル
ト５を挿通させるようにすることてコーナーパネル３と
カバー受け具９を仮止め状態で取り付け金物１２に保持
させることができ、コーナーパネル３及びカバー受け具
９を取り付け位置で手で持って保持しなくとも仮止め状
態で取り付け金具１２に保持させることができ、ナット
１０を締め付けるだけの作業でコーナーパネル３とカバ
ー受け具９の取り付けを行なうことができるようになっ
ている。

帯状のカバー受け具９は、長手方向に沿う両端部を折り
曲げ加工して両端部に断面略Ｃ字状の係止部１５が設け
られている。カバー受け具９には断面略Ｌ字状に形成さ
れる金属成形品のカバー１１が取り付けられており、こ
のカバー受け具９へのカバー１１の取り付けは、カバー
１１の長手方向に沿う両端に設けられた被係止部１６を
係止部１５に係止することで取り付けられている。つま
り、カバー受け具９に設けられた係止部１５に被係止部
１６を嵌め込むようにすることで釘等の固着具を使用す
ることなくカバー１１の取り付けを行なうことができる
ようになっている。

上記カバー１１はコーナーパネル３の出隅部に設けられ
た面取り部７を覆うように形成されており、取り付け状
態では面取り部７を覆ってコーナーパネル３の出隅部を
形成するようになっている。

しかして、コーナーパネル３を柱１の出隅部に取り付け
るにあたっては、柱１に取着された取り付け金物１２の
当接片１２ａ，１２ｂに縦片３ｂと横片３ａの内面を当
接するように配置し、コーナーパネル３に設けられた挿
通孔６に取り付け金物１２より突設されたボルト５を挿
通して仮止め状態でコーナーパネル３を取り付け金物１
２に保持させ、次いでボルト孔８にボルト５を挿通する
ようにしてコーナーパネル３の面取り部７にカバー受け
具９を仮止め状態で保持させ、カバー受け具９のボルト
孔８より突出するボルト５にナット１０を螺着して締め
込むことでカバー受け具９とコーナーパネル３とが取り
付けられるものである。次いで、被係止部１６を係止部
１５に係合させるようにしてカバー受け具９にカバー１
１が取り付けられてナット１０が外観上覆い隠されるも
のである。

そして、コーナーパネル３を取り付けるにあたっては、
釘等の固着具を複数本使用することなく、ナット１０を
締め付けるだけの作業でカバー受け具９と共に取り付け
ることができるものであり、取り付け作業を簡略化する
ことができるようになっている。しかも、コーナーパネ
ル３とカバー受け具９とは挿通孔６またはボルト孔８に
ボルト５を挿通させるようにすることで取り付け位置に
おいて仮止め状態で保持させることができ、取り付け時
に位置決めした状態で作業者が手で持ったりするような
必要がないものである。

［考案の効果］ 本考案は、コーナーパネルの挿通孔をボルトに挿通して
コーナーパネルを仮保持し、この状態でナットを締め付
けることでコーナーパネルを固定できるものであって、
コーナーパネルの取り付け施工が簡易になると共に施工
が一人でもできて人手を要しないものであり、しかも、
コーナーパネルの入隅部から出隅部にボルトを貫通させ
て固定するため従来のもののように外面２箇所からタッ
ピングビスを螺入するものよりねじ締めが簡略化でき
て、この点でも施工が簡易になるものである。また、コ
ーナーパネルの面取り部に取り付けられたカバー受け具
にカバーを取り付けているので、ボルトやナットをカバ
ーにて覆い隠せることができて、従来のように孔の補修
を要せず、外観を綺麗に仕上げることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の断面図、第２図は同上の実施
例の分解斜視図、第３図は従来の実施例の断面図であっ
て、１は柱、１ａは一方の外側面、１ｂは他方の外側
面、３はコーナーパネル、３ａは横片、３ｂは縦片、５
はボルト、６は挿通孔、７は面取り部、８はボルト孔、
９はカバー受け具、１０はナット、１１はカバー、１２
は取り付け金物、１２ａは当接片、１２ｂは当接片、１
３は面取り部、１５は係止部、１６は被係止部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】角柱状の柱の出隅部を覆うように柱の出隅
   部の屋外側に取り付け金物を配設し、この取り付け金物
   は少なくとも出隅部で隣合う柱の一方の外側面と略平行
   に配置される当接片と、出隅部で隣合う柱の他方の外側
   面と略平行に配置される当接片を備えると共に、出隅部
   より屋外側に向けて一体に突設されたボルトを備えて構
   成され、取り付け金物の屋外側に縦片と横片とで断面略
   Ｌ字状に形成されるコーナーパネルを配設し、コーナー
   パネルを構成する縦片の内面と横片の内面をそれぞれ取
   り付け金物の当接片の外面に当接し、取り付け金物より
   屋外側に突設されたボルトをコーナーパネルに設けられ
   た挿通孔に挿通し、コーナーパネルの出隅部を切除して
   形成された面取り部にカバー受け具を配設し、カバー受
   け具に設けられたボルト孔より突出するボルトにナット
   を螺着し、カバー受け具の両端に設けられた係止部に被
   係止部を係合してカバー受け具の屋外側にカバーを取着
   して成るコーナーパネル取り付け構造。