JPS644964Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、固定された棒状体より物を吊持する
場合に用いる吊り金具に関するものである。

前記吊持する物としては、例えば、各種の天井
設備やセミコンシールド工法による天井構造があ
る。

一例としてこの天井構造の工法では、平行に配
されたフランジ付き支持バーに長尺の天井板を載
置するとともに、隣接する天井板相互を、その長
辺側面に形成した凹溝に上下フランジ付き連結バ
ーの下部フランジを嵌入することにより連結させ
ている。

そして、近年、前記工法による天井構造におい
て、モジユル等の関係から従来より長尺の天井板
を使用する傾向にある。

しかしながら、前記天井構造では自重による天
井板のたわみを防止することができず、長尺の天
井板を使用することができなかつた。

また、照明器具等の天井設備用の開口部を天井
面に設け、その開口部周辺に補強材を配して野縁
受け等の棒状体と前記補強材とを連結固定した
り、あるいは天井設備を棒状体より吊り下げたり
する場合があり、その場合、従来は金具で溶接固
定したり、専用固定金具を用いて施工を行なつて
いた。しかしながら、前者では作業性に劣り、ま
た、後者では施工現場によつて種々の寸法の金具
が必要となり生産性が劣るという欠点があつた。

本考案は、前記従来の欠点に鑑みてなされたも
ので、その目的は取付け容易で汎用性に富んだ吊
り金具を提供することにある。

次に、本考案を一実施例である図面にしたがつ
て説明する。

第１図において、１は本考案に係る吊り金具
で、挟着金具２、吊りボルト孔３およびナツト４
より構成される。

挟着金具２は、吊りボルト孔３との係合用のＵ
字形をした切欠き部５を形成した平板状の締付け
部６と、この締付け部６に連なり、断面略逆Ｌ字
形をした係止部７とからなり、２個で１組とな
る。

吊りボルト孔３は、略Ｊ字形をしており、その
直線部分の上半部にはネジ８が形成してあり、曲
線部分の端部には、この部分にて吊持した物が脱
落するのを防止するため、若干内側へ折曲した折
曲部９が形成してある。

次に、本考案を天井構造に適用した例を第２〜
５図により説明する。

図において、１０は長尺の支持部材で、吊りボ
ルト孔１１および吊り具１２を介して小屋組ある
いは上階の床スラブ下面より吊持してある。

１３は、逆Ｔ字形の支持バーで、下部にフラン
ジ１４を有し、支持部材１０より、これと直交方
向かつ所定高さに吊持してある。

１５は、Ｌ字形の廻縁で、下部にフランジ１６
を有し、壁面に、支持バー１３と平行かつ同一高
さに取付けてある。

１７は、天井板で、例えば鉱物繊維等よりな
り、長尺かつ方形をしている。そして、その短辺
１８ａをフランジ１４またはフランジ１６上に載
置するとともに、その長辺１８ｂの側面には凹溝
１９が設けてあり、隣接する天井板１７の各凹溝
１９に、断面略Ｈ形の連結バー２０の下部フラン
ジ２１ａを嵌入させて、その短辺方向に接続して
ある。

２２は、長尺棒状体で、吊り金具１により支持
部材１０より、これと直交方向に吊持されるとと
もに、下部に引掛け部を有する山形のクリツプ２
３を介してＨ形連結バー２０を固定することによ
り、天井板１７を保持している。ここで、吊り金
具１は、その挟着金具２を支持部材１０に取付け
る一方、吊りボルト３に長尺棒状体２２を引掛
け、このネジ８の部分を切欠き部５内に挿入し、
ナツト４により２個の挟着金具２を圧着すること
により、支持部材１０と長尺棒状体２２とを固定
している。

なお、第６図に示す、挟着金具２′のように、
係止部７′の端部に、プレス加工等により形成し
た突起２４を設ければ、ナツト４が少々緩んで
も、支持部材１０から挟着金具２′が外れるのを
防ぐことができ、さらに、破線で示すように切欠
部５′端部を折曲しておけば、ナツト４の脱落防
止にもなり、施工時の調整作業のみならず完成後
においても安全である。

また、第７図に示す挟着金具２″のように、そ
の係止部７″の形状を係合する部材形状に対応さ
せて断面略Ｊ字形としてもよい。

以上の説明より明らかなように、本考案によれ
ば、挟着金具および吊りボルトをナツトで締付け
ることにより２つの部材を結合している。このた
め、本考案を例えば前期セミコンシールド工法に
よる天井構造に適用した場合、前記支持部材に挟
着金具を取付ける一方、吊りボルト部分にＨ形連
結バーを吊持させることにより天井板を保持する
ことができる。したがつて、天井板が大型化して
も、支持部材に取付ける吊り金具の数を適宜増や
すことにより、天井板がその自重により垂れるの
を防止して、平坦な天井を構成することができ、
外観を良好なものにすることができる。

また、ナツトにより挟着金具を締付けるだけ
で、容易に吊り金具の取付けができるため、取付
位置や吊り下げ高さ調整が簡単で工期を短縮化で
きる等の効果を有する。

なお、本考案は前記天井構造に限らず、棒状体
を有する他の吊持構造にも使用できるのはもちろ
んである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る吊り金具の斜視図、第２
図は本考案の適用例である天井構造を示す断面
図、第３図は第２図のＡ部が壁面の場合を示す断
面図、第４図は第２図における天井構造の要部を
示す一部断面斜視図、第５図は第４図においてＢ
方向から見た部分図、第６，７図は本考案の他の
実施例を示す斜視図である。 １…吊り金具、２，２′，２″…挟着金具、３…
吊りボルト、４…ナツト、５，５′…切欠き部、
６…締付け部、７，７′，７″…係止部、８…ネ
ジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボルト係合用の切欠部を有する平板状の締付け
   部、および、この締付け部に連なり断面略Ｌ字形
   あるいは略Ｊ字形に折曲した係止部とからなり、
   ２個で１組となる挟着金具と、略Ｊ字形をし、か
   つ、その直線部分の端部にはネジ部を有し、前記
   切欠部に係合する吊りボルトと、前記ネジ部に螺
   合して前記２個の挟着金具の両側より、これらが
   密着するように締付けるための、２個のナツトと
   からなることを特徴とする吊り金具。