JPH0617481B2 - 希土類磁石用合金粉末およびその製造方法 - Google Patents
希土類磁石用合金粉末およびその製造方法Info
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- JPH0617481B2 JPH0617481B2 JP60162610A JP16261085A JPH0617481B2 JP H0617481 B2 JPH0617481 B2 JP H0617481B2 JP 60162610 A JP60162610 A JP 60162610A JP 16261085 A JP16261085 A JP 16261085A JP H0617481 B2 JPH0617481 B2 JP H0617481B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はFe,B,Rを主成分とするFe−B−R系を
ベースとする高性能永久磁石用合金粉末の製造方法に関
し,特に(BH)max 40MGOe以上,Br12.6kG以上の高性能
を有するFe−B−R系永久磁石用合金粉末及びその製
造方法に関する。
ベースとする高性能永久磁石用合金粉末の製造方法に関
し,特に(BH)max 40MGOe以上,Br12.6kG以上の高性能
を有するFe−B−R系永久磁石用合金粉末及びその製
造方法に関する。
(従来の技術) 本願発明者は先に高価なSmとCoを含まないか又は必
須としない新しい永久磁石材料としてFe−B−R系永
久磁石材料を提案した(FeBR系特開昭59−46008
号,FeBRM系特開昭59−89401号)。またRとして
Smを必須とせず少量のCoによりこれらのFe−B−
R系のキュリー温度を上昇させることも提案した(Fe
CoBR系特開昭59−64733号,FeCoBRM系特開
昭59−132104号)。
須としない新しい永久磁石材料としてFe−B−R系永
久磁石材料を提案した(FeBR系特開昭59−46008
号,FeBRM系特開昭59−89401号)。またRとして
Smを必須とせず少量のCoによりこれらのFe−B−
R系のキュリー温度を上昇させることも提案した(Fe
CoBR系特開昭59−64733号,FeCoBRM系特開
昭59−132104号)。
以下「Fe−B−R系」の語は一般に広義に用い,基本
的にFe−B−R正方晶系を主体とする系(部分的置
換,添加物元素を含むもの)を総称するものとする。
的にFe−B−R正方晶系を主体とする系(部分的置
換,添加物元素を含むもの)を総称するものとする。
従来,Fe−B−R系永久磁石用合金粉末は所要組成の
鋳塊を機械的粉砕及び微粉砕を行なって得られることが
知られているが,本系磁石用合金は非常に粉砕し難く,
粗粉砕粉は偏平状になりやすく,粉砕機の負荷が高く摩
耗しやすい上,次工程の微粉砕工程で必要な35メッシュ
スルー粉末を量産的に得るのが困難であり,また,粗粉
砕粉末の歩留及び粉砕能率が悪い等の問題があった。
鋳塊を機械的粉砕及び微粉砕を行なって得られることが
知られているが,本系磁石用合金は非常に粉砕し難く,
粗粉砕粉は偏平状になりやすく,粉砕機の負荷が高く摩
耗しやすい上,次工程の微粉砕工程で必要な35メッシュ
スルー粉末を量産的に得るのが困難であり,また,粗粉
砕粉末の歩留及び粉砕能率が悪い等の問題があった。
そのため,本発明者は従来の永久磁石用合金粉末の製造
法の欠点を除去するため,Fe−B−R系鋳塊のH2吸
蔵性を利用して,前記鋳塊をH2粉砕法にて粉末化する
ことを提案した(特開昭60−63304号)。
法の欠点を除去するため,Fe−B−R系鋳塊のH2吸
蔵性を利用して,前記鋳塊をH2粉砕法にて粉末化する
ことを提案した(特開昭60−63304号)。
[発明が解決しようとする問題点] 然しながら,前記高性能磁石用合金粉末を得るための前
記組成の鋳塊を鋳型内に鋳込,固化する際,組成,冷却
速度等により,H2吸蔵による粉砕に困難を来たすこと
が多々あることを知見した。精査の結果本発明者は,固
化の際鋳塊内に5vol%ないし25vol%析出する軟磁性相が
機械的に粘性の高い体心立方型Fe相であり,この相自
体は常温常圧で水素を吸収しない為,H2吸蔵による粉
砕が困難又は不可能であることを知見した。
記組成の鋳塊を鋳型内に鋳込,固化する際,組成,冷却
速度等により,H2吸蔵による粉砕に困難を来たすこと
が多々あることを知見した。精査の結果本発明者は,固
化の際鋳塊内に5vol%ないし25vol%析出する軟磁性相が
機械的に粘性の高い体心立方型Fe相であり,この相自
体は常温常圧で水素を吸収しない為,H2吸蔵による粉
砕が困難又は不可能であることを知見した。
従って本発明者の目的は,前記Fe−B−R系鋳塊のH
2吸蔵による粉砕を改善し,より高性能の永久磁石の製
造を可能とすること,とりわけ,そのための合金粉末を
提供することを,目的とする。
2吸蔵による粉砕を改善し,より高性能の永久磁石の製
造を可能とすること,とりわけ,そのための合金粉末を
提供することを,目的とする。
(発明による問題点の解決手段) 本発明によれば,Fe−B−R系永久磁石の磁石特性の
一段の改善向上を計って種々研究の結果,R(RはNd
又はPrの少くとも1種を80%以上,残部はNd,Pr
を除く,Yを含む希土類元素のうち少なくとも1種)12
原子%〜19原子%,B 5.5原子%〜8.5原子%,Fe72.
5原子%〜82.5原子%を主成分とし,且つ(0.4×R量+
B量)≦13.2原子%を満足し,かつ,実質上Fe軟磁性
相を含まずH2吸蔵崩壊させて成る希土類・ボロン・鉄
系正方晶合金粉末を用いた場合,(BH)max 40MGOe以上の
高性能磁石が得られることを知見した。
一段の改善向上を計って種々研究の結果,R(RはNd
又はPrの少くとも1種を80%以上,残部はNd,Pr
を除く,Yを含む希土類元素のうち少なくとも1種)12
原子%〜19原子%,B 5.5原子%〜8.5原子%,Fe72.
5原子%〜82.5原子%を主成分とし,且つ(0.4×R量+
B量)≦13.2原子%を満足し,かつ,実質上Fe軟磁性
相を含まずH2吸蔵崩壊させて成る希土類・ボロン・鉄
系正方晶合金粉末を用いた場合,(BH)max 40MGOe以上の
高性能磁石が得られることを知見した。
即ち本発明によれば,高性能特性の得られる特定組成の
Fe−B−R系合金塊(特に鋳塊)を特定温度範囲内で
溶体化処理することにより,前記鋳塊内の軟磁性相をB
リッチ金属相及びRリッチ金属相との反応により強磁性
のR2Fe14B相を生成させることができ,H2吸蔵
粉砕を困難化する軟磁性相を前記鋳塊内より消去せしめ
てH2吸蔵粉砕による粉末化を容易にし,この合金粉末
を用いることにより(BH)max 40MGOe以上,Br12.6kG以
上の磁石特性を有する高性能永久磁石が得られ,始めて
最高50MGOeを越える磁石特性を実現する事ができた。
Fe−B−R系合金塊(特に鋳塊)を特定温度範囲内で
溶体化処理することにより,前記鋳塊内の軟磁性相をB
リッチ金属相及びRリッチ金属相との反応により強磁性
のR2Fe14B相を生成させることができ,H2吸蔵
粉砕を困難化する軟磁性相を前記鋳塊内より消去せしめ
てH2吸蔵粉砕による粉末化を容易にし,この合金粉末
を用いることにより(BH)max 40MGOe以上,Br12.6kG以
上の磁石特性を有する高性能永久磁石が得られ,始めて
最高50MGOeを越える磁石特性を実現する事ができた。
Feの一部を合金組成の30原子以下のCoにより置換す
ることによりキュリー温度が増大でき,またFeの一部
を合金組成の2原子%以下の添加金属(Ti,V,C
r,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W,Al,Siの
内1種以上)で置換することにより保磁力の増大及び角
形性の改善が可能である。
ることによりキュリー温度が増大でき,またFeの一部
を合金組成の2原子%以下の添加金属(Ti,V,C
r,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W,Al,Siの
内1種以上)で置換することにより保磁力の増大及び角
形性の改善が可能である。
本発明は,上記合金粉末の製造方法をも提供する。即
ち,前記組成を有する溶成合金を (i)700℃〜1160℃に溶体化処理する工程, (ii)該合金を金属面が露出するように破断する工程, (iii)破断物を密閉容器に収容し,該容器内にH2ガス
を供給して,該合金をH2吸蔵崩壊させる工程, (iv)崩壊合金粉をさらに微粉砕する工程から成ることを
特徴とする希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の
製造方法が提供される。
ち,前記組成を有する溶成合金を (i)700℃〜1160℃に溶体化処理する工程, (ii)該合金を金属面が露出するように破断する工程, (iii)破断物を密閉容器に収容し,該容器内にH2ガス
を供給して,該合金をH2吸蔵崩壊させる工程, (iv)崩壊合金粉をさらに微粉砕する工程から成ることを
特徴とする希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の
製造方法が提供される。
容器内にH2ガスを充填する前に好ましくは不活性ガス
にて容器内の空気を置換し,容器内のH2ガスは好まし
くは200Torr〜50kgf/cm2とする。
にて容器内の空気を置換し,容器内のH2ガスは好まし
くは200Torr〜50kgf/cm2とする。
また,H2ガス吸蔵崩壊(以下「H2粉砕」とも称す)
の後には脱水素処理を行う。
の後には脱水素処理を行う。
(発明の効果) このようにして得られる合金粉末は,実質的にFe軟磁
性相を含まずR2Fe14Bを基本とする正方晶の強磁性
相とRリッチ金属相,Bリッチ金属相から主として成る
相とから本質上構成され,また粉砕が容易なため粉砕に
よる粉末粒子の粒界及び内部域の状態が大きく障害を受
けることなく所定粒度の磁石製造のための出発合金粉末
が得られる。Fe軟磁性相が溶体化処理により消失する
ので,H2粉砕が容易となるのみならず,磁性発現に寄
与する相の体積比が増大し,その結果さらに高い磁気特
性が得られるものと考えられる。
性相を含まずR2Fe14Bを基本とする正方晶の強磁性
相とRリッチ金属相,Bリッチ金属相から主として成る
相とから本質上構成され,また粉砕が容易なため粉砕に
よる粉末粒子の粒界及び内部域の状態が大きく障害を受
けることなく所定粒度の磁石製造のための出発合金粉末
が得られる。Fe軟磁性相が溶体化処理により消失する
ので,H2粉砕が容易となるのみならず,磁性発現に寄
与する相の体積比が増大し,その結果さらに高い磁気特
性が得られるものと考えられる。
なお本発明の合金粉末は,主として永久磁石用である
が,必ずしもそれに限定されない。
が,必ずしもそれに限定されない。
既述のとおり,本発明によれば磁石特性の観点からはエ
ネルギー積40MGOe以上,好ましくは45MGOe以上,最高50
MGOe以上のFeBR系永久磁石が得られる。製造方法の
観点からは,粉砕工程が容易となり粉砕による粒子への
悪影響を最低限に止めることが可能である。なおH2粉
砕はFe−B−R系正方晶結晶にH2が吸蔵されること
により生ずると考えられる。
ネルギー積40MGOe以上,好ましくは45MGOe以上,最高50
MGOe以上のFeBR系永久磁石が得られる。製造方法の
観点からは,粉砕工程が容易となり粉砕による粒子への
悪影響を最低限に止めることが可能である。なおH2粉
砕はFe−B−R系正方晶結晶にH2が吸蔵されること
により生ずると考えられる。
(好適な実施の態様) 本発明の合金粉末は,それ自体磁気異方性を示す(磁界
により一様に配向が可能,高い異方性磁化を備え,c軸
が容易磁化軸と一致する)。その結果磁気異方性の焼結
永久磁石が得られるが等方性磁石も製造可能である。本
発明のFe−B−R系合金のFe−B−R正方晶構造に
ついては,既にEP公開No.101552,No.106948等に開示
され,さらにジボール他(Givord,D;Li,H.S.; Moreau,
J.M., Solid.State.Commun., 50(1984)P497-499“Magne
tic Properties and Crystal Structure of Nd2Fe
14B”),或いは佐川他(M.Sagawa,S.Fujimura, H.Yamam
oto, Y.Matsuura and K.Hiraga, IEEE Trans. Magn.MAG
-20 No.5(1984)pp.1584−1589 “PERMANENT MAGNET MATERIALS BASED ON THE RARE EAR
TH-IRON-BORON TETRAGONAL COMPOUNDS”)に開示の通り
である。
により一様に配向が可能,高い異方性磁化を備え,c軸
が容易磁化軸と一致する)。その結果磁気異方性の焼結
永久磁石が得られるが等方性磁石も製造可能である。本
発明のFe−B−R系合金のFe−B−R正方晶構造に
ついては,既にEP公開No.101552,No.106948等に開示
され,さらにジボール他(Givord,D;Li,H.S.; Moreau,
J.M., Solid.State.Commun., 50(1984)P497-499“Magne
tic Properties and Crystal Structure of Nd2Fe
14B”),或いは佐川他(M.Sagawa,S.Fujimura, H.Yamam
oto, Y.Matsuura and K.Hiraga, IEEE Trans. Magn.MAG
-20 No.5(1984)pp.1584−1589 “PERMANENT MAGNET MATERIALS BASED ON THE RARE EAR
TH-IRON-BORON TETRAGONAL COMPOUNDS”)に開示の通り
である。
前記組成を有する合金(特に鋳塊)を700℃〜1160℃
(後者はR2Fe14B相の融点)にて溶体化処理して,
鋳塊内の軟磁性相たるFe相をBリッチ金属相,Ndリ
ッチ金属相の非磁性相と反応させて,強磁性相のR2F
e14B相を生成せしめて,鋳塊内の軟磁性相を消失せし
める。金属面が露出するように破断したのち,破断塊を
密閉容器に収容し,該容器内の空気を不活性ガスにて置
換した後,該容器内に200Torr〜50kgf/cm2のH2ガス
を供給し,H2吸蔵により自然崩壊させ得られた自然崩
壊合金粉を脱水素処理したのち,さらに微粉砕する。
(後者はR2Fe14B相の融点)にて溶体化処理して,
鋳塊内の軟磁性相たるFe相をBリッチ金属相,Ndリ
ッチ金属相の非磁性相と反応させて,強磁性相のR2F
e14B相を生成せしめて,鋳塊内の軟磁性相を消失せし
める。金属面が露出するように破断したのち,破断塊を
密閉容器に収容し,該容器内の空気を不活性ガスにて置
換した後,該容器内に200Torr〜50kgf/cm2のH2ガス
を供給し,H2吸蔵により自然崩壊させ得られた自然崩
壊合金粉を脱水素処理したのち,さらに微粉砕する。
本発明におけるFe・B・R系合金は溶成冷却された結
晶質のものであり典型的には鋳塊として得られる。この
合金はR(但し,RはNdとPrの少くとも1種を80%
以上,残部はNd,Prを除く,Yを含む希土類元素の
少なくとも1種)12原子%〜19原子%,B 5.5原子%〜
8.5原子%,Feは72.5原子%〜82.5原子%からなり,
且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満足するもの
であり,或いはFeの1部を30原子%以下のCoで置換
することもできる。
晶質のものであり典型的には鋳塊として得られる。この
合金はR(但し,RはNdとPrの少くとも1種を80%
以上,残部はNd,Prを除く,Yを含む希土類元素の
少なくとも1種)12原子%〜19原子%,B 5.5原子%〜
8.5原子%,Feは72.5原子%〜82.5原子%からなり,
且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満足するもの
であり,或いはFeの1部を30原子%以下のCoで置換
することもできる。
又,磁石合金の保磁力改善のため,添加元素として,F
eの1部を2原子%以下のTi,V,Cr,Zr,H
f,Nb,Ta,Mo,W,Al,Siのうち少くとも
1種で置換含有することもできる。
eの1部を2原子%以下のTi,V,Cr,Zr,H
f,Nb,Ta,Mo,W,Al,Siのうち少くとも
1種で置換含有することもできる。
Nd,Prの他のRとしてはDy,Ho,Tbの1以上
が好ましく,これら三元素(1以上)を0.05〜5原子%
(好ましくは0.1〜2原子%)含むものは温度特性が改
善される(保磁力が増大)。
が好ましく,これら三元素(1以上)を0.05〜5原子%
(好ましくは0.1〜2原子%)含むものは温度特性が改
善される(保磁力が増大)。
既述以外の他のRは,混合物として存在することは可能
であるが,Sm,Laは好ましくないので可及的少なく
することが必要である。但し,ジジム等の混合希土類金
属を用いることは許容されうる。なお工業的に入手可能
なRとして不可避の不純物の存在は許容せざるを得な
い。本発明ではそのようなRの使用にても十分高い特性
を示している。
であるが,Sm,Laは好ましくないので可及的少なく
することが必要である。但し,ジジム等の混合希土類金
属を用いることは許容されうる。なお工業的に入手可能
なRとして不可避の不純物の存在は許容せざるを得な
い。本発明ではそのようなRの使用にても十分高い特性
を示している。
以下,この発明による磁石用合金の製造方法について詳
述する。
述する。
本発明の永久磁石合金の鋳塊は例えば,実施例に示すよ
うに出発原料として,電解鉄,フエロボロン合金,希土
類金属を(あるいは更に電解Coを加えて)高周波等に
より溶解し,溶湯中のO2量を極力減少(2000ppm以
下)する様調整し,前記組成及び組成相を有する鋳塊に
鋳造する。
うに出発原料として,電解鉄,フエロボロン合金,希土
類金属を(あるいは更に電解Coを加えて)高周波等に
より溶解し,溶湯中のO2量を極力減少(2000ppm以
下)する様調整し,前記組成及び組成相を有する鋳塊に
鋳造する。
然しながら,前記鋳塊内にはその組成,冷却速度によ
り,多い場合は20vol%程度の軟磁性相のα−Fe相の析
出がおこり,H2吸収による粉砕化を困難又は不可能に
するため,前記鋳塊を700℃〜1160℃に所定時間(凡そ3
0分〜70Hr)の溶体化処理を行って前記鋳塊内に析出し
たα−Fe相をRリッチ相,及びBリッチ相の非磁性相
と反応させて,R2Fe14B相を生成して,前記のα−
Fe相を消失させる(実質的に1vol%以下〜全無)。
り,多い場合は20vol%程度の軟磁性相のα−Fe相の析
出がおこり,H2吸収による粉砕化を困難又は不可能に
するため,前記鋳塊を700℃〜1160℃に所定時間(凡そ3
0分〜70Hr)の溶体化処理を行って前記鋳塊内に析出し
たα−Fe相をRリッチ相,及びBリッチ相の非磁性相
と反応させて,R2Fe14B相を生成して,前記のα−
Fe相を消失させる(実質的に1vol%以下〜全無)。
その結果合金は,R2Fe14B正方晶(強磁性相)が大
部分を占め僅か(約0.3vol%以上)の非磁性粒界相(本
質上Rリッチ金属相から成り,部分的にBリッチ金属
相,希土類金属酸化物相が含まれる)を含む相構成をと
る。
部分を占め僅か(約0.3vol%以上)の非磁性粒界相(本
質上Rリッチ金属相から成り,部分的にBリッチ金属
相,希土類金属酸化物相が含まれる)を含む相構成をと
る。
その後,この鋳塊が,その表面が酸化膜で覆われるとH
2吸蔵反応が進行し難いため,金属面が露出するよう
に,例えば,所定大きさのブロックに破断してからH2
吸蔵には,例えば第1図に示す密閉容器を使用する。す
なわち,所定大きさに破断した破断塊(3)を原料ケース
(2)内に挿入し,H2ガスの供給管(4)及び排気管(5)を
付設し蓋を締めて密閉できる容器(1)内の所定位置に,
上記原料ケース(2)を装入し,密閉したのち,Arなど
の不活性ガスを供給しながら排気し,容器(1)内の空気
を十分に置換後,好ましくは200Torr〜50kgf/cm2の圧
力のH2ガスを供給して,破断塊(3)にH2を吸蔵させ
る。このH2吸蔵反応は,発熱反応であるため,容器
(1)の外周には冷却水を供給する冷却配管(6)が周設して
あり,容器(1)内の昇温を防止しながら,所定圧力のH
2ガスを一定時間供給することにより,H2ガスが吸収
され,破断塊(3)は自然崩壊して粉化する。さらに,粉
化した合金の冷却の後,真空中で脱H2ガス処理する。
前記処理の合金粉末は粒内に微細亀裂が内存するので,
ボール・ミル等で短時間に微粉砕され,約0.5〜80μm
(好ましくは1〜10μm)所要粒度の合金粉末を得るこ
とができる。生成合金は非晶質又は液体急冷後熱処理し
て得られる極微細結晶性のものとは異なり,一般的結晶
質合金に属する。生成合金の平均結晶粒径は,約0.5μ
m以上,好ましくは1μm以上であるが焼結体の平均結
晶粒径が1〜90μm特に2〜10μmとなるように選択す
ることが保磁力を高くするために必要である。
2吸蔵反応が進行し難いため,金属面が露出するよう
に,例えば,所定大きさのブロックに破断してからH2
吸蔵には,例えば第1図に示す密閉容器を使用する。す
なわち,所定大きさに破断した破断塊(3)を原料ケース
(2)内に挿入し,H2ガスの供給管(4)及び排気管(5)を
付設し蓋を締めて密閉できる容器(1)内の所定位置に,
上記原料ケース(2)を装入し,密閉したのち,Arなど
の不活性ガスを供給しながら排気し,容器(1)内の空気
を十分に置換後,好ましくは200Torr〜50kgf/cm2の圧
力のH2ガスを供給して,破断塊(3)にH2を吸蔵させ
る。このH2吸蔵反応は,発熱反応であるため,容器
(1)の外周には冷却水を供給する冷却配管(6)が周設して
あり,容器(1)内の昇温を防止しながら,所定圧力のH
2ガスを一定時間供給することにより,H2ガスが吸収
され,破断塊(3)は自然崩壊して粉化する。さらに,粉
化した合金の冷却の後,真空中で脱H2ガス処理する。
前記処理の合金粉末は粒内に微細亀裂が内存するので,
ボール・ミル等で短時間に微粉砕され,約0.5〜80μm
(好ましくは1〜10μm)所要粒度の合金粉末を得るこ
とができる。生成合金は非晶質又は液体急冷後熱処理し
て得られる極微細結晶性のものとは異なり,一般的結晶
質合金に属する。生成合金の平均結晶粒径は,約0.5μ
m以上,好ましくは1μm以上であるが焼結体の平均結
晶粒径が1〜90μm特に2〜10μmとなるように選択す
ることが保磁力を高くするために必要である。
この発明において,密閉容器内の空気の置換は,予め不
活性ガスで空気を置換し,その後H2ガスで不活性ガス
を置換してもよい。
活性ガスで空気を置換し,その後H2ガスで不活性ガス
を置換してもよい。
また,鋳塊の破断大きさは,小さい程,H2粉砕の圧力
を小さくでき,また,H2ガス圧力は,減圧下でも破断
した鋳塊はH2吸蔵し粉化されるが,圧力は大気圧より
高くなるほど粉化されやすくなる。しかし,200Torr未
満では粉化性が悪くなる。また,50kgf/cm2を越えると
H2吸収による粉化の点では好ましいが,装置や作業の
安全性からは好ましくないため,200Torr〜50kgf/cm2
とすることが好ましい。量産性からは,2kgf/cm2〜1
0kgf/cm2がより好ましい。
を小さくでき,また,H2ガス圧力は,減圧下でも破断
した鋳塊はH2吸蔵し粉化されるが,圧力は大気圧より
高くなるほど粉化されやすくなる。しかし,200Torr未
満では粉化性が悪くなる。また,50kgf/cm2を越えると
H2吸収による粉化の点では好ましいが,装置や作業の
安全性からは好ましくないため,200Torr〜50kgf/cm2
とすることが好ましい。量産性からは,2kgf/cm2〜1
0kgf/cm2がより好ましい。
この発明において,H2吸蔵による粉化の処理時間は,
前記密閉容器の大きさ,破断塊の大きさ,H2ガス圧力
により変動するが,通例5分以上が必要である。
前記密閉容器の大きさ,破断塊の大きさ,H2ガス圧力
により変動するが,通例5分以上が必要である。
本発明の特徴たる特定組成の鋳塊を溶体化処理する条件
を700℃〜1160℃(R2Fe14B相の融点)に限定した
理由は700℃以下では液層の生成が全くおこらず,拡散
は固体拡散のみで,拡散速度が低下して,鋳塊内の軟磁
性相とBリッチ金属相及びRリッチ金属相との反応によ
る強磁性のR2Fe14B相生成に長時間を要して好まし
くなく,1160℃を越えると部分的にR2Fe14B相が消
失を始めてFe相が生成する傾向が生ずるため,溶体化
処理の効果が減殺されるので好ましくない。
を700℃〜1160℃(R2Fe14B相の融点)に限定した
理由は700℃以下では液層の生成が全くおこらず,拡散
は固体拡散のみで,拡散速度が低下して,鋳塊内の軟磁
性相とBリッチ金属相及びRリッチ金属相との反応によ
る強磁性のR2Fe14B相生成に長時間を要して好まし
くなく,1160℃を越えると部分的にR2Fe14B相が消
失を始めてFe相が生成する傾向が生ずるため,溶体化
処理の効果が減殺されるので好ましくない。
この発明の永久磁石用鋳塊の主成分たる希土類元素Rは
Nd又はPrの1種又は2種を80%以上,残部はNd,
Prを除く,Yを含む希土類元素の少くとも1種からな
り,Nd又はPrの1種又は2種が80%未満では得られ
た焼結磁石のBrの低下又はiHcの低下により,40MG
Oe以上の高エネルギー積が得られなくなるので好ましく
ない。
Nd又はPrの1種又は2種を80%以上,残部はNd,
Prを除く,Yを含む希土類元素の少くとも1種からな
り,Nd又はPrの1種又は2種が80%未満では得られ
た焼結磁石のBrの低下又はiHcの低下により,40MG
Oe以上の高エネルギー積が得られなくなるので好ましく
ない。
Rは12.0原子%未満では,溶体化処理によっても合金中
にFe相が残存するようになり,鋳塊のH2粉砕が困難
となり,又焼結磁石体の保磁力が急激に低下して好まし
くなく,又19原子%を越えると残留磁束密度(Br)が
低下するので,所要のすぐれた特性が得られないので,
Rは12.0原子%〜19原子%とする。
にFe相が残存するようになり,鋳塊のH2粉砕が困難
となり,又焼結磁石体の保磁力が急激に低下して好まし
くなく,又19原子%を越えると残留磁束密度(Br)が
低下するので,所要のすぐれた特性が得られないので,
Rは12.0原子%〜19原子%とする。
又,Bは5.5原子%未満では焼結磁石体の保磁力及び角
形性の低下を招来し,又8.5原子%を越えるとBrが低
下して,すぐれた磁石特性が得られないので,Bは5.5
原子%〜8.5原子%とする。
形性の低下を招来し,又8.5原子%を越えるとBrが低
下して,すぐれた磁石特性が得られないので,Bは5.5
原子%〜8.5原子%とする。
又,(0.4×R量+B量)≦13.2原子%に限定した理由
はその値が13.2原子%を越えると焼結磁石中に非磁性相
が多く(10vol%以上、さらに、20vol%以上)現れるため
Brが低下し,高エネルギー積が与えられなくなるので
好ましくない。なお,非磁性相の存在は,本発明では高
い磁気特性(特に保持力)の発現に必要であると考えら
れるが,少くとも極く僅か(例えば0.3vol%以上)の存
在が確認されている。
はその値が13.2原子%を越えると焼結磁石中に非磁性相
が多く(10vol%以上、さらに、20vol%以上)現れるため
Brが低下し,高エネルギー積が与えられなくなるので
好ましくない。なお,非磁性相の存在は,本発明では高
い磁気特性(特に保持力)の発現に必要であると考えら
れるが,少くとも極く僅か(例えば0.3vol%以上)の存
在が確認されている。
又,Feの1部を30原子%未満(対合金全体)のCoで
置換することにより,焼結磁石体のキュリー点Tcの上
昇と共に温度特性の改善に有効である。Coは少量でも
有効(例えば0.1〜1原子%)でありCo量にほゞ対応
してキュリー点は上昇する。Co5原子%以上でBrの
温度係数は0.1%/℃以下となり,Co23原子%以下で
は他の磁気特性に悪影響を与えずにキュリー点を上昇さ
せる。Co5〜10原子%ではCoの増加に伴いiHcが
低下する傾向にあるがCo10〜20原子%ではiHcの増
大もある。Coにより角形性の改善も生ずる。
置換することにより,焼結磁石体のキュリー点Tcの上
昇と共に温度特性の改善に有効である。Coは少量でも
有効(例えば0.1〜1原子%)でありCo量にほゞ対応
してキュリー点は上昇する。Co5原子%以上でBrの
温度係数は0.1%/℃以下となり,Co23原子%以下で
は他の磁気特性に悪影響を与えずにキュリー点を上昇さ
せる。Co5〜10原子%ではCoの増加に伴いiHcが
低下する傾向にあるがCo10〜20原子%ではiHcの増
大もある。Coにより角形性の改善も生ずる。
又,本発明においてはFeの1部を保磁力向上のため,
2原子%以下のTi,V,Cr,Zr,Hf,Nb,T
a,Mo,W,Al,Siの少くとも1種と置換するこ
とがきるが,一般にこれらの添加元素はBrの低下傾向
を示し置換量が2原子%を越えると,Brの低下が顕著
になるので好ましくない。添加元素の好ましい量は0.5
〜1原子%程度である。
2原子%以下のTi,V,Cr,Zr,Hf,Nb,T
a,Mo,W,Al,Siの少くとも1種と置換するこ
とがきるが,一般にこれらの添加元素はBrの低下傾向
を示し置換量が2原子%を越えると,Brの低下が顕著
になるので好ましくない。添加元素の好ましい量は0.5
〜1原子%程度である。
エネルギー積45MGOe以上とするためには,RとしてはN
d,Pr95原子%以上のもの(或いは好ましくはさらに
数原子%以下のDy,Ho,Tbの1以上)とし,R12
〜15原子%,B5.5〜8.0原子%,Fe77〜82.5原子%の
組成が好ましい。(なおSm,Laは不純物としての含
有限度以下とすることが好ましい。)ここに,Feの一
部を,Coで23原子%以下,或いは前記添加元素を約1
原子%以下置換(いずれか又は両方)できる。
d,Pr95原子%以上のもの(或いは好ましくはさらに
数原子%以下のDy,Ho,Tbの1以上)とし,R12
〜15原子%,B5.5〜8.0原子%,Fe77〜82.5原子%の
組成が好ましい。(なおSm,Laは不純物としての含
有限度以下とすることが好ましい。)ここに,Feの一
部を,Coで23原子%以下,或いは前記添加元素を約1
原子%以下置換(いずれか又は両方)できる。
なお,他の不純物Cu,C,O,S,Ca,Mg等につ
いては可及的に少ないことが好ましい。
いては可及的に少ないことが好ましい。
以下に実施例を説明する。
実施例1 出発原料として純度99.9%の電解鉄,B19.4%を含有し
残部はFe及びC等の不純物からなるフエロボロン合
金,純度99.7%以上のNdを高周波溶解し,その後水冷
銅鋳型に鋳造し,冷却速度2000℃/minにて12.8Nd−6.
5B−80.7Fe(原子%)なる組成の鋳塊1kgを得た。
残部はFe及びC等の不純物からなるフエロボロン合
金,純度99.7%以上のNdを高周波溶解し,その後水冷
銅鋳型に鋳造し,冷却速度2000℃/minにて12.8Nd−6.
5B−80.7Fe(原子%)なる組成の鋳塊1kgを得た。
前記鋳塊内に析出の軟磁性相のα−Fe相は20vol%であ
った。
った。
前記鋳塊を1050℃に24Hrの溶体化処理を行って,鋳塊内
の軟磁性相のα−Fe相を消失させた後この鋳塊を50mm
以下に破断したのち,破断塊900gを,前記した第1図
の密閉容器内に挿入し,Arガスを10分間流入させて,
空気と置換し,2.5kgf/cm2のH2ガス圧力で10時間処
理した。
の軟磁性相のα−Fe相を消失させた後この鋳塊を50mm
以下に破断したのち,破断塊900gを,前記した第1図
の密閉容器内に挿入し,Arガスを10分間流入させて,
空気と置換し,2.5kgf/cm2のH2ガス圧力で10時間処
理した。
破断塊はH2吸蔵により自然崩壊し,冷却した粗粒粉
を,真空中で3時間脱水素処理し,35メッシュスルーま
でに粗粉砕した。ついで,粗粉砕粉より採取した300g
をボールミルで湿式にて3時間の微粉砕を行ない,平均
粒度2.7μmの合金粉末を得た。なお,H2吸蔵崩壊合
金粉末のα−Fe相は1vol%以下であった。
を,真空中で3時間脱水素処理し,35メッシュスルーま
でに粗粉砕した。ついで,粗粉砕粉より採取した300g
をボールミルで湿式にて3時間の微粉砕を行ない,平均
粒度2.7μmの合金粉末を得た。なお,H2吸蔵崩壊合
金粉末のα−Fe相は1vol%以下であった。
この合金粉末を用いて,磁界10kOe中で配向し,1.5t/cm
2にて加圧成形し,その後,1060℃,1時間,60Torrの
Ar中で焼結後放冷し,Ar中にて800℃×1Hr続いて6
30℃×1Hrの時効処理を行って永久磁石を作製した。こ
の際用いたAr中の不純物は酸素100ppm以下とした。
2にて加圧成形し,その後,1060℃,1時間,60Torrの
Ar中で焼結後放冷し,Ar中にて800℃×1Hr続いて6
30℃×1Hrの時効処理を行って永久磁石を作製した。こ
の際用いたAr中の不純物は酸素100ppm以下とした。
永久磁石の磁気特性は, Br=14.5kG,iHc=8.8kOe,(BH)max=50.6MGOe,
bHc=8.4kOeであった。
bHc=8.4kOeであった。
比較のため,同一組成の鋳塊を溶体化処理しないで,こ
の鋳塊を50mm以下に破断したのち,実施例1と同一重量
の破断塊を前記第1図の密閉容器内に装入して,実施例
1の同一条件にてH2ガスを送入して,H2粉砕を行っ
たが,前記破断塊はH2吸蔵による自然崩壊は生ぜず,
H2粉砕することはできなかった。この鋳塊を用いてH
2粉砕法を用いずに,機械的粉砕(ボールミル)を行っ
て得た合金粉末を用いて,その他実施例1と同様な条件
にて永久磁石を作成した結果は次の通りであった。
の鋳塊を50mm以下に破断したのち,実施例1と同一重量
の破断塊を前記第1図の密閉容器内に装入して,実施例
1の同一条件にてH2ガスを送入して,H2粉砕を行っ
たが,前記破断塊はH2吸蔵による自然崩壊は生ぜず,
H2粉砕することはできなかった。この鋳塊を用いてH
2粉砕法を用いずに,機械的粉砕(ボールミル)を行っ
て得た合金粉末を用いて,その他実施例1と同様な条件
にて永久磁石を作成した結果は次の通りであった。
Br=14.2kG,iHc=6.2kOe,(BH)max=28.5MGOe,
bHc=5.3kOe。
bHc=5.3kOe。
実施例2 出発原料として実施例1と同一の電解鉄,フエロボロン
合金,Nd金属と純度99.7%以上のDy金属を高周波溶
解し,その後水冷鋳型に鋳造し,12.75Nd−0.25Dy
−6.5B−80.5Fe(原子%)なる組成の鋳塊1kgを得
た。
合金,Nd金属と純度99.7%以上のDy金属を高周波溶
解し,その後水冷鋳型に鋳造し,12.75Nd−0.25Dy
−6.5B−80.5Fe(原子%)なる組成の鋳塊1kgを得
た。
前記鋳塊内に析出の軟磁性相のα−Fe相は15vol%であ
った。
った。
前記鋳塊を1050℃にて24Hrの溶体化処理を行って,鋳塊
内の軟磁性相のα−Fe相を消失させた後,前記鋳塊を
50mm以下に破断し,次いで実施例1と同一の密閉容器内
にて同一条件にてH2粉砕後,平均粒度2.8μmに微粉
砕した。その後実施例1と同一の成型条件,焼結条件,
時効処理条件にて永久磁石を作製した。
内の軟磁性相のα−Fe相を消失させた後,前記鋳塊を
50mm以下に破断し,次いで実施例1と同一の密閉容器内
にて同一条件にてH2粉砕後,平均粒度2.8μmに微粉
砕した。その後実施例1と同一の成型条件,焼結条件,
時効処理条件にて永久磁石を作製した。
得られた永久磁石の磁気特性は, Br=13.9kG,iHc=11.0kOe,(BH)max=45.3MGOe,
bHc=10.3kOeであった。
bHc=10.3kOeであった。
比較のために,同一組成の鋳塊を溶体化処理しないで,
この鋳塊を50mm以下に破断したのち,実施例1の第1図
と同一の密閉容器内に破断塊を装入して,実施例1と同
一条件にてH2ガスを送入して,H2粉砕を行ったが,
前記破断塊はH2吸蔵による自然崩壊は生ぜず,H2粉
砕することはできなかった。
この鋳塊を50mm以下に破断したのち,実施例1の第1図
と同一の密閉容器内に破断塊を装入して,実施例1と同
一条件にてH2ガスを送入して,H2粉砕を行ったが,
前記破断塊はH2吸蔵による自然崩壊は生ぜず,H2粉
砕することはできなかった。
第1図は本発明のH2粉砕方法に用いる装置の一例を示
す。
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/06 (72)発明者 藤村 節夫 大阪府三島郡本町江川2丁目15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 佐川 眞人 大阪府三島郡本町江川2丁目15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内
Claims (7)
- 【請求項1】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%を主成
分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満足
しH2吸蔵崩壊させて成る実質上Fe軟磁性相を含まな
いことを特徴とする希土類・ボロン・鉄系正方晶合金粉
末。 - 【請求項2】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%(但し
Feの一部を合金組成の30原子%以上のCo(Co0%
を除く)で置換する)を主成分とし、且つ(0.4×R量
+B量)≦13.2原子%を満足しH2吸蔵崩壊させて成る
実質上Fe軟磁性相を含まないことを特徴とする希土類
・ボロン・鉄系正方晶合金粉末。 - 【請求項3】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%(但し
Feの一部を合金組成の2原子%以上(0%を除く)の
Ti、V、Cr、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、
Al、Siの内1種以上から成る添加金属で置換する)
を主成分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%
を満足しH2吸蔵崩壊させて成る実質上Fe軟磁性相を
含まないことを特徴とする希土類・ボロン・鉄系正方晶
合金粉末。 - 【請求項4】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%(但し
Feの一部を合金組成の30原子%以下のCo及び合金組
成の2原子%以下のTi、V、Cr、Zr、Hf、N
b、Ta、Mo、W、Al、Siの内1種以上から成る
添加金属(Co及び添加金属0%を除く)で置換する)
を主成分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%
を満足しH2吸蔵崩壊させて成る実質上Fe軟磁性相を
含まないことを特徴とする希土類・ボロン・鉄系正方晶
合金粉末。 - 【請求項5】(i)R(但し、RはNdとPrの1種又は
2種を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希
土類元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.
5原子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%を主
成分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満
足する合金を700℃〜1160℃に溶体化処理する工程、 (ii)該合金を金属面が露出するように破断する工程、 (iii)破断物を密閉容器に収容し、該容器内にH2ガスを
供給して、該合金をH2吸蔵崩壊させる工程、 (iv)崩壊合金粉をさらに微粉砕する工程から成ることを
特徴とする希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の
製造方法。 - 【請求項6】前記Feの一部を合金組成の30原子%以下
のCoにより置換することを特徴とする請求の範囲第5
項記載の製造方法。 - 【請求項7】前記Feの一部を合金組成の2原子%以下
のTi、V、Cr、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、
W、Al、Siの内1種以上から成る添加金属により置
換することを特徴とする請求の範囲第5項または第6項
記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60162610A JPH0617481B2 (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 希土類磁石用合金粉末およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60162610A JPH0617481B2 (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 希土類磁石用合金粉末およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6223902A JPS6223902A (ja) | 1987-01-31 |
JPH0617481B2 true JPH0617481B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=15757870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60162610A Expired - Lifetime JPH0617481B2 (ja) | 1985-07-23 | 1985-07-23 | 希土類磁石用合金粉末およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0617481B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
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JPS6242403A (ja) * | 1985-08-19 | 1987-02-24 | Tohoku Metal Ind Ltd | 希土類磁石の製造方法 |
KR880013194A (ko) * | 1987-04-06 | 1988-11-30 | 원본미기재 | 영구자석 및 그 제조방법 |
JPS647235U (ja) * | 1987-06-26 | 1989-01-17 | ||
JPH0682575B2 (ja) * | 1987-08-19 | 1994-10-19 | 三菱マテリアル株式会社 | 希土類−Fe−B系合金磁石粉末 |
JPS6448406A (en) * | 1987-08-19 | 1989-02-22 | Mitsubishi Metal Corp | Magnet powder for sintering rare earth-iron-boron and manufacture thereof |
JPS6448403A (en) * | 1987-08-19 | 1989-02-22 | Mitsubishi Metal Corp | Rare earth-iron-boron magnet powder and manufacture thereof |
JP2564492B2 (ja) * | 1987-10-13 | 1996-12-18 | 三菱マテリアル株式会社 | 希土類−Fe−B系鋳造体永久磁石の製造法 |
JP2623731B2 (ja) * | 1988-07-29 | 1997-06-25 | 三菱マテリアル株式会社 | 希土類―Fe―B系異方性永久磁石の製造法 |
JPH03214606A (ja) * | 1990-01-19 | 1991-09-19 | Fuji Elelctrochem Co Ltd | ボンド磁石の製造方法 |
JPH03214605A (ja) * | 1990-01-19 | 1991-09-19 | Fuji Elelctrochem Co Ltd | ボンド磁石の製造方法 |
GB9111008D0 (en) * | 1991-05-21 | 1991-07-10 | Rig Technology Ltd | Improvements in and relating to particle detection and analysis |
CN101826386A (zh) * | 2010-04-28 | 2010-09-08 | 天津天和磁材技术有限公司 | 一种稀土永磁材料的成分和制造工艺 |
-
1985
- 1985-07-23 JP JP60162610A patent/JPH0617481B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6223902A (ja) | 1987-01-31 |
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