JPH0617481B2 - 希土類磁石用合金粉末およびその製造方法 - Google Patents

希土類磁石用合金粉末およびその製造方法

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JPH0617481B2
JPH0617481B2 JP60162610A JP16261085A JPH0617481B2 JP H0617481 B2 JPH0617481 B2 JP H0617481B2 JP 60162610 A JP60162610 A JP 60162610A JP 16261085 A JP16261085 A JP 16261085A JP H0617481 B2 JPH0617481 B2 JP H0617481B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はFe,B,Rを主成分とするFe−B−R系を
ベースとする高性能永久磁石用合金粉末の製造方法に関
し,特に(BH)max 40MGOe以上,Br12.6kG以上の高性能
を有するFe−B−R系永久磁石用合金粉末及びその製
造方法に関する。
(従来の技術) 本願発明者は先に高価なSmとCoを含まないか又は必
須としない新しい永久磁石材料としてFe−B−R系永
久磁石材料を提案した(FeBR系特開昭59−46008
号,FeBRM系特開昭59−89401号)。またRとして
Smを必須とせず少量のCoによりこれらのFe−B−
R系のキュリー温度を上昇させることも提案した(Fe
CoBR系特開昭59−64733号,FeCoBRM系特開
昭59−132104号)。
以下「Fe−B−R系」の語は一般に広義に用い,基本
的にFe−B−R正方晶系を主体とする系(部分的置
換,添加物元素を含むもの)を総称するものとする。
従来,Fe−B−R系永久磁石用合金粉末は所要組成の
鋳塊を機械的粉砕及び微粉砕を行なって得られることが
知られているが,本系磁石用合金は非常に粉砕し難く,
粗粉砕粉は偏平状になりやすく,粉砕機の負荷が高く摩
耗しやすい上,次工程の微粉砕工程で必要な35メッシュ
スルー粉末を量産的に得るのが困難であり,また,粗粉
砕粉末の歩留及び粉砕能率が悪い等の問題があった。
そのため,本発明者は従来の永久磁石用合金粉末の製造
法の欠点を除去するため,Fe−B−R系鋳塊のH
蔵性を利用して,前記鋳塊をH粉砕法にて粉末化する
ことを提案した(特開昭60−63304号)。
[発明が解決しようとする問題点] 然しながら,前記高性能磁石用合金粉末を得るための前
記組成の鋳塊を鋳型内に鋳込,固化する際,組成,冷却
速度等により,H吸蔵による粉砕に困難を来たすこと
が多々あることを知見した。精査の結果本発明者は,固
化の際鋳塊内に5vol%ないし25vol%析出する軟磁性相が
機械的に粘性の高い体心立方型Fe相であり,この相自
体は常温常圧で水素を吸収しない為,H吸蔵による粉
砕が困難又は不可能であることを知見した。
従って本発明者の目的は,前記Fe−B−R系鋳塊のH
吸蔵による粉砕を改善し,より高性能の永久磁石の製
造を可能とすること,とりわけ,そのための合金粉末を
提供することを,目的とする。
(発明による問題点の解決手段) 本発明によれば,Fe−B−R系永久磁石の磁石特性の
一段の改善向上を計って種々研究の結果,R(RはNd
又はPrの少くとも1種を80%以上,残部はNd,Pr
を除く,Yを含む希土類元素のうち少なくとも1種)12
原子%〜19原子%,B 5.5原子%〜8.5原子%,Fe72.
5原子%〜82.5原子%を主成分とし,且つ(0.4×R量+
B量)≦13.2原子%を満足し,かつ,実質上Fe軟磁性
相を含まずH吸蔵崩壊させて成る希土類・ボロン・鉄
系正方晶合金粉末を用いた場合,(BH)max 40MGOe以上の
高性能磁石が得られることを知見した。
即ち本発明によれば,高性能特性の得られる特定組成の
Fe−B−R系合金塊(特に鋳塊)を特定温度範囲内で
溶体化処理することにより,前記鋳塊内の軟磁性相をB
リッチ金属相及びRリッチ金属相との反応により強磁性
のRFe14B相を生成させることができ,H吸蔵
粉砕を困難化する軟磁性相を前記鋳塊内より消去せしめ
てH吸蔵粉砕による粉末化を容易にし,この合金粉末
を用いることにより(BH)max 40MGOe以上,Br12.6kG以
上の磁石特性を有する高性能永久磁石が得られ,始めて
最高50MGOeを越える磁石特性を実現する事ができた。
Feの一部を合金組成の30原子以下のCoにより置換す
ることによりキュリー温度が増大でき,またFeの一部
を合金組成の2原子%以下の添加金属(Ti,V,C
r,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W,Al,Siの
内1種以上)で置換することにより保磁力の増大及び角
形性の改善が可能である。
本発明は,上記合金粉末の製造方法をも提供する。即
ち,前記組成を有する溶成合金を (i)700℃〜1160℃に溶体化処理する工程, (ii)該合金を金属面が露出するように破断する工程, (iii)破断物を密閉容器に収容し,該容器内にHガス
を供給して,該合金をH吸蔵崩壊させる工程, (iv)崩壊合金粉をさらに微粉砕する工程から成ることを
特徴とする希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の
製造方法が提供される。
容器内にHガスを充填する前に好ましくは不活性ガス
にて容器内の空気を置換し,容器内のHガスは好まし
くは200Torr〜50kgf/cm2とする。
また,Hガス吸蔵崩壊(以下「H粉砕」とも称す)
の後には脱水素処理を行う。
(発明の効果) このようにして得られる合金粉末は,実質的にFe軟磁
性相を含まずRFe14Bを基本とする正方晶の強磁性
相とRリッチ金属相,Bリッチ金属相から主として成る
相とから本質上構成され,また粉砕が容易なため粉砕に
よる粉末粒子の粒界及び内部域の状態が大きく障害を受
けることなく所定粒度の磁石製造のための出発合金粉末
が得られる。Fe軟磁性相が溶体化処理により消失する
ので,H粉砕が容易となるのみならず,磁性発現に寄
与する相の体積比が増大し,その結果さらに高い磁気特
性が得られるものと考えられる。
なお本発明の合金粉末は,主として永久磁石用である
が,必ずしもそれに限定されない。
既述のとおり,本発明によれば磁石特性の観点からはエ
ネルギー積40MGOe以上,好ましくは45MGOe以上,最高50
MGOe以上のFeBR系永久磁石が得られる。製造方法の
観点からは,粉砕工程が容易となり粉砕による粒子への
悪影響を最低限に止めることが可能である。なおH
砕はFe−B−R系正方晶結晶にHが吸蔵されること
により生ずると考えられる。
(好適な実施の態様) 本発明の合金粉末は,それ自体磁気異方性を示す(磁界
により一様に配向が可能,高い異方性磁化を備え,c軸
が容易磁化軸と一致する)。その結果磁気異方性の焼結
永久磁石が得られるが等方性磁石も製造可能である。本
発明のFe−B−R系合金のFe−B−R正方晶構造に
ついては,既にEP公開No.101552,No.106948等に開示
され,さらにジボール他(Givord,D;Li,H.S.; Moreau,
J.M., Solid.State.Commun., 50(1984)P497-499“Magne
tic Properties and Crystal Structure of NdFe
14B”),或いは佐川他(M.Sagawa,S.Fujimura, H.Yamam
oto, Y.Matsuura and K.Hiraga, IEEE Trans. Magn.MAG
-20 No.5(1984)pp.1584−1589 “PERMANENT MAGNET MATERIALS BASED ON THE RARE EAR
TH-IRON-BORON TETRAGONAL COMPOUNDS”)に開示の通り
である。
前記組成を有する合金(特に鋳塊)を700℃〜1160℃
(後者はRFe14B相の融点)にて溶体化処理して,
鋳塊内の軟磁性相たるFe相をBリッチ金属相,Ndリ
ッチ金属相の非磁性相と反応させて,強磁性相のR
14B相を生成せしめて,鋳塊内の軟磁性相を消失せし
める。金属面が露出するように破断したのち,破断塊を
密閉容器に収容し,該容器内の空気を不活性ガスにて置
換した後,該容器内に200Torr〜50kgf/cm2のHガス
を供給し,H吸蔵により自然崩壊させ得られた自然崩
壊合金粉を脱水素処理したのち,さらに微粉砕する。
本発明におけるFe・B・R系合金は溶成冷却された結
晶質のものであり典型的には鋳塊として得られる。この
合金はR(但し,RはNdとPrの少くとも1種を80%
以上,残部はNd,Prを除く,Yを含む希土類元素の
少なくとも1種)12原子%〜19原子%,B 5.5原子%〜
8.5原子%,Feは72.5原子%〜82.5原子%からなり,
且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満足するもの
であり,或いはFeの1部を30原子%以下のCoで置換
することもできる。
又,磁石合金の保磁力改善のため,添加元素として,F
eの1部を2原子%以下のTi,V,Cr,Zr,H
f,Nb,Ta,Mo,W,Al,Siのうち少くとも
1種で置換含有することもできる。
Nd,Prの他のRとしてはDy,Ho,Tbの1以上
が好ましく,これら三元素(1以上)を0.05〜5原子%
(好ましくは0.1〜2原子%)含むものは温度特性が改
善される(保磁力が増大)。
既述以外の他のRは,混合物として存在することは可能
であるが,Sm,Laは好ましくないので可及的少なく
することが必要である。但し,ジジム等の混合希土類金
属を用いることは許容されうる。なお工業的に入手可能
なRとして不可避の不純物の存在は許容せざるを得な
い。本発明ではそのようなRの使用にても十分高い特性
を示している。
以下,この発明による磁石用合金の製造方法について詳
述する。
本発明の永久磁石合金の鋳塊は例えば,実施例に示すよ
うに出発原料として,電解鉄,フエロボロン合金,希土
類金属を(あるいは更に電解Coを加えて)高周波等に
より溶解し,溶湯中のO量を極力減少(2000ppm以
下)する様調整し,前記組成及び組成相を有する鋳塊に
鋳造する。
然しながら,前記鋳塊内にはその組成,冷却速度によ
り,多い場合は20vol%程度の軟磁性相のα−Fe相の析
出がおこり,H吸収による粉砕化を困難又は不可能に
するため,前記鋳塊を700℃〜1160℃に所定時間(凡そ3
0分〜70Hr)の溶体化処理を行って前記鋳塊内に析出し
たα−Fe相をRリッチ相,及びBリッチ相の非磁性相
と反応させて,RFe14B相を生成して,前記のα−
Fe相を消失させる(実質的に1vol%以下〜全無)。
その結果合金は,RFe14B正方晶(強磁性相)が大
部分を占め僅か(約0.3vol%以上)の非磁性粒界相(本
質上Rリッチ金属相から成り,部分的にBリッチ金属
相,希土類金属酸化物相が含まれる)を含む相構成をと
る。
その後,この鋳塊が,その表面が酸化膜で覆われるとH
吸蔵反応が進行し難いため,金属面が露出するよう
に,例えば,所定大きさのブロックに破断してからH
吸蔵には,例えば第1図に示す密閉容器を使用する。す
なわち,所定大きさに破断した破断塊(3)を原料ケース
(2)内に挿入し,Hガスの供給管(4)及び排気管(5)を
付設し蓋を締めて密閉できる容器(1)内の所定位置に,
上記原料ケース(2)を装入し,密閉したのち,Arなど
の不活性ガスを供給しながら排気し,容器(1)内の空気
を十分に置換後,好ましくは200Torr〜50kgf/cm2の圧
力のHガスを供給して,破断塊(3)にHを吸蔵させ
る。このH吸蔵反応は,発熱反応であるため,容器
(1)の外周には冷却水を供給する冷却配管(6)が周設して
あり,容器(1)内の昇温を防止しながら,所定圧力のH
ガスを一定時間供給することにより,Hガスが吸収
され,破断塊(3)は自然崩壊して粉化する。さらに,粉
化した合金の冷却の後,真空中で脱Hガス処理する。
前記処理の合金粉末は粒内に微細亀裂が内存するので,
ボール・ミル等で短時間に微粉砕され,約0.5〜80μm
(好ましくは1〜10μm)所要粒度の合金粉末を得るこ
とができる。生成合金は非晶質又は液体急冷後熱処理し
て得られる極微細結晶性のものとは異なり,一般的結晶
質合金に属する。生成合金の平均結晶粒径は,約0.5μ
m以上,好ましくは1μm以上であるが焼結体の平均結
晶粒径が1〜90μm特に2〜10μmとなるように選択す
ることが保磁力を高くするために必要である。
この発明において,密閉容器内の空気の置換は,予め不
活性ガスで空気を置換し,その後Hガスで不活性ガス
を置換してもよい。
また,鋳塊の破断大きさは,小さい程,H粉砕の圧力
を小さくでき,また,Hガス圧力は,減圧下でも破断
した鋳塊はH吸蔵し粉化されるが,圧力は大気圧より
高くなるほど粉化されやすくなる。しかし,200Torr未
満では粉化性が悪くなる。また,50kgf/cm2を越えると
H2吸収による粉化の点では好ましいが,装置や作業の
安全性からは好ましくないため,200Torr〜50kgf/cm2
とすることが好ましい。量産性からは,2kgf/cm2〜1
0kgf/cm2がより好ましい。
この発明において,H吸蔵による粉化の処理時間は,
前記密閉容器の大きさ,破断塊の大きさ,Hガス圧力
により変動するが,通例5分以上が必要である。
本発明の特徴たる特定組成の鋳塊を溶体化処理する条件
を700℃〜1160℃(RFe14B相の融点)に限定した
理由は700℃以下では液層の生成が全くおこらず,拡散
は固体拡散のみで,拡散速度が低下して,鋳塊内の軟磁
性相とBリッチ金属相及びRリッチ金属相との反応によ
る強磁性のRFe14B相生成に長時間を要して好まし
くなく,1160℃を越えると部分的にRFe14B相が消
失を始めてFe相が生成する傾向が生ずるため,溶体化
処理の効果が減殺されるので好ましくない。
この発明の永久磁石用鋳塊の主成分たる希土類元素Rは
Nd又はPrの1種又は2種を80%以上,残部はNd,
Prを除く,Yを含む希土類元素の少くとも1種からな
り,Nd又はPrの1種又は2種が80%未満では得られ
た焼結磁石のBrの低下又はiHcの低下により,40MG
Oe以上の高エネルギー積が得られなくなるので好ましく
ない。
Rは12.0原子%未満では,溶体化処理によっても合金中
にFe相が残存するようになり,鋳塊のH粉砕が困難
となり,又焼結磁石体の保磁力が急激に低下して好まし
くなく,又19原子%を越えると残留磁束密度(Br)が
低下するので,所要のすぐれた特性が得られないので,
Rは12.0原子%〜19原子%とする。
又,Bは5.5原子%未満では焼結磁石体の保磁力及び角
形性の低下を招来し,又8.5原子%を越えるとBrが低
下して,すぐれた磁石特性が得られないので,Bは5.5
原子%〜8.5原子%とする。
又,(0.4×R量+B量)≦13.2原子%に限定した理由
はその値が13.2原子%を越えると焼結磁石中に非磁性相
が多く(10vol%以上、さらに、20vol%以上)現れるため
Brが低下し,高エネルギー積が与えられなくなるので
好ましくない。なお,非磁性相の存在は,本発明では高
い磁気特性(特に保持力)の発現に必要であると考えら
れるが,少くとも極く僅か(例えば0.3vol%以上)の存
在が確認されている。
又,Feの1部を30原子%未満(対合金全体)のCoで
置換することにより,焼結磁石体のキュリー点Tcの上
昇と共に温度特性の改善に有効である。Coは少量でも
有効(例えば0.1〜1原子%)でありCo量にほゞ対応
してキュリー点は上昇する。Co5原子%以上でBrの
温度係数は0.1%/℃以下となり,Co23原子%以下で
は他の磁気特性に悪影響を与えずにキュリー点を上昇さ
せる。Co5〜10原子%ではCoの増加に伴いiHcが
低下する傾向にあるがCo10〜20原子%ではiHcの増
大もある。Coにより角形性の改善も生ずる。
又,本発明においてはFeの1部を保磁力向上のため,
2原子%以下のTi,V,Cr,Zr,Hf,Nb,T
a,Mo,W,Al,Siの少くとも1種と置換するこ
とがきるが,一般にこれらの添加元素はBrの低下傾向
を示し置換量が2原子%を越えると,Brの低下が顕著
になるので好ましくない。添加元素の好ましい量は0.5
〜1原子%程度である。
エネルギー積45MGOe以上とするためには,RとしてはN
d,Pr95原子%以上のもの(或いは好ましくはさらに
数原子%以下のDy,Ho,Tbの1以上)とし,R12
〜15原子%,B5.5〜8.0原子%,Fe77〜82.5原子%の
組成が好ましい。(なおSm,Laは不純物としての含
有限度以下とすることが好ましい。)ここに,Feの一
部を,Coで23原子%以下,或いは前記添加元素を約1
原子%以下置換(いずれか又は両方)できる。
なお,他の不純物Cu,C,O,S,Ca,Mg等につ
いては可及的に少ないことが好ましい。
以下に実施例を説明する。
実施例1 出発原料として純度99.9%の電解鉄,B19.4%を含有し
残部はFe及びC等の不純物からなるフエロボロン合
金,純度99.7%以上のNdを高周波溶解し,その後水冷
銅鋳型に鋳造し,冷却速度2000℃/minにて12.8Nd−6.
5B−80.7Fe(原子%)なる組成の鋳塊1kgを得た。
前記鋳塊内に析出の軟磁性相のα−Fe相は20vol%であ
った。
前記鋳塊を1050℃に24Hrの溶体化処理を行って,鋳塊内
の軟磁性相のα−Fe相を消失させた後この鋳塊を50mm
以下に破断したのち,破断塊900gを,前記した第1図
の密閉容器内に挿入し,Arガスを10分間流入させて,
空気と置換し,2.5kgf/cm2のHガス圧力で10時間処
理した。
破断塊はH吸蔵により自然崩壊し,冷却した粗粒粉
を,真空中で3時間脱水素処理し,35メッシュスルーま
でに粗粉砕した。ついで,粗粉砕粉より採取した300g
をボールミルで湿式にて3時間の微粉砕を行ない,平均
粒度2.7μmの合金粉末を得た。なお,H吸蔵崩壊合
金粉末のα−Fe相は1vol%以下であった。
この合金粉末を用いて,磁界10kOe中で配向し,1.5t/cm
2にて加圧成形し,その後,1060℃,1時間,60Torrの
Ar中で焼結後放冷し,Ar中にて800℃×1Hr続いて6
30℃×1Hrの時効処理を行って永久磁石を作製した。こ
の際用いたAr中の不純物は酸素100ppm以下とした。
永久磁石の磁気特性は, Br=14.5kG,iHc=8.8kOe,(BH)max=50.6MGOe,
bHc=8.4kOeであった。
比較のため,同一組成の鋳塊を溶体化処理しないで,こ
の鋳塊を50mm以下に破断したのち,実施例1と同一重量
の破断塊を前記第1図の密閉容器内に装入して,実施例
1の同一条件にてHガスを送入して,H粉砕を行っ
たが,前記破断塊はH吸蔵による自然崩壊は生ぜず,
粉砕することはできなかった。この鋳塊を用いてH
粉砕法を用いずに,機械的粉砕(ボールミル)を行っ
て得た合金粉末を用いて,その他実施例1と同様な条件
にて永久磁石を作成した結果は次の通りであった。
Br=14.2kG,iHc=6.2kOe,(BH)max=28.5MGOe,
bHc=5.3kOe。
実施例2 出発原料として実施例1と同一の電解鉄,フエロボロン
合金,Nd金属と純度99.7%以上のDy金属を高周波溶
解し,その後水冷鋳型に鋳造し,12.75Nd−0.25Dy
−6.5B−80.5Fe(原子%)なる組成の鋳塊1kgを得
た。
前記鋳塊内に析出の軟磁性相のα−Fe相は15vol%であ
った。
前記鋳塊を1050℃にて24Hrの溶体化処理を行って,鋳塊
内の軟磁性相のα−Fe相を消失させた後,前記鋳塊を
50mm以下に破断し,次いで実施例1と同一の密閉容器内
にて同一条件にてH粉砕後,平均粒度2.8μmに微粉
砕した。その後実施例1と同一の成型条件,焼結条件,
時効処理条件にて永久磁石を作製した。
得られた永久磁石の磁気特性は, Br=13.9kG,iHc=11.0kOe,(BH)max=45.3MGOe,
bHc=10.3kOeであった。
比較のために,同一組成の鋳塊を溶体化処理しないで,
この鋳塊を50mm以下に破断したのち,実施例1の第1図
と同一の密閉容器内に破断塊を装入して,実施例1と同
一条件にてHガスを送入して,H粉砕を行ったが,
前記破断塊はH吸蔵による自然崩壊は生ぜず,H
砕することはできなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のH粉砕方法に用いる装置の一例を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/06 (72)発明者 藤村 節夫 大阪府三島郡本町江川2丁目15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 佐川 眞人 大阪府三島郡本町江川2丁目15―17 住友 特殊金属株式会社山崎製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
    を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
    元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
    子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%を主成
    分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満足
    しH2吸蔵崩壊させて成る実質上Fe軟磁性相を含まな
    いことを特徴とする希土類・ボロン・鉄系正方晶合金粉
    末。
  2. 【請求項2】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
    を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
    元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
    子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%(但し
    Feの一部を合金組成の30原子%以上のCo(Co0%
    を除く)で置換する)を主成分とし、且つ(0.4×R量
    +B量)≦13.2原子%を満足しH2吸蔵崩壊させて成る
    実質上Fe軟磁性相を含まないことを特徴とする希土類
    ・ボロン・鉄系正方晶合金粉末。
  3. 【請求項3】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
    を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
    元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
    子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%(但し
    Feの一部を合金組成の2原子%以上(0%を除く)の
    Ti、V、Cr、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、W、
    Al、Siの内1種以上から成る添加金属で置換する)
    を主成分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%
    を満足しH2吸蔵崩壊させて成る実質上Fe軟磁性相を
    含まないことを特徴とする希土類・ボロン・鉄系正方晶
    合金粉末。
  4. 【請求項4】R(但し、RはNdとPrの1種又は2種
    を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希土類
    元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.5原
    子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%(但し
    Feの一部を合金組成の30原子%以下のCo及び合金組
    成の2原子%以下のTi、V、Cr、Zr、Hf、N
    b、Ta、Mo、W、Al、Siの内1種以上から成る
    添加金属(Co及び添加金属0%を除く)で置換する)
    を主成分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%
    を満足しH2吸蔵崩壊させて成る実質上Fe軟磁性相を
    含まないことを特徴とする希土類・ボロン・鉄系正方晶
    合金粉末。
  5. 【請求項5】(i)R(但し、RはNdとPrの1種又は
    2種を80%以上、残部はNd、Prを除く、Yを含む希
    土類元素の少くとも1種)12原子%〜19.0原子%、B5.
    5原子%〜8.5原子%、Fe72.5原子%〜82.5原子%を主
    成分とし、且つ(0.4×R量+B量)≦13.2原子%を満
    足する合金を700℃〜1160℃に溶体化処理する工程、 (ii)該合金を金属面が露出するように破断する工程、 (iii)破断物を密閉容器に収容し、該容器内にH2ガスを
    供給して、該合金をH2吸蔵崩壊させる工程、 (iv)崩壊合金粉をさらに微粉砕する工程から成ることを
    特徴とする希土類・ボロン・鉄系永久磁石用合金粉末の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記Feの一部を合金組成の30原子%以下
    のCoにより置換することを特徴とする請求の範囲第5
    項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】前記Feの一部を合金組成の2原子%以下
    のTi、V、Cr、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、
    W、Al、Siの内1種以上から成る添加金属により置
    換することを特徴とする請求の範囲第5項または第6項
    記載の製造方法。
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