JPH06144268A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JPH06144268A
JPH06144268A JP32724492A JP32724492A JPH06144268A JP H06144268 A JPH06144268 A JP H06144268A JP 32724492 A JP32724492 A JP 32724492A JP 32724492 A JP32724492 A JP 32724492A JP H06144268 A JPH06144268 A JP H06144268A
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JP
Japan
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steering
torque
pure
output
motor
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JP32724492A
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Takayuki Kato
高之 加藤
Hiroshi Ueno
弘 植野
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 純粋な操舵トルクを検出して、操舵時の制御
遅れをなくする。 【構成】 トルクセンサ11の出力を補正して純粋な操
舵トルクを算出する純粋操舵トルク演算部61を設け、
例えば操舵補助モータの回転速度から求めた加速度情報
と、トルクセンサの出力Tの1回微分値、2回微分値の
情報とに基づいて純粋な操舵トルクを算出する。これに
より、純粋な(つまり運転者が加える)操舵トルクを検
出し、ハンドルの慣性、トルクセンサ11の粘性の影響
をなくして操舵時の応答性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いて好適な電
動式パワーステアリング装置に係わり、詳しくはモータ
の回転出力によって操舵力を補助するパワーステアリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両のパワーステアリング装置と
して油圧式に代えてモータを用いた電動式のものが使用
されており、モータはアクチュエータとして小型、軽量
等の利点から今後とも増加傾向にある。
【0003】従来のパワーステアリング装置では、トル
クセンサによって操舵系の操舵トルクを検出するととも
に、車速センサによって車速を検出し、これらの検出結
果に基づいて操舵系に連結されたモータの駆動を制御
し、パワーアシストを行っている。そして、一般的には
車速感応型であり、低速域では軽く、高速域では重くな
るようにトルクセンサ入力に応じてアシスト力を制御し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電動
式パワーステアリング装置にあっては、操舵トルクの検
出はトルク伝達軸の相対捩れ角をパラメータとして検出
することで、行っていた。
【0005】しかしながら、このような従来の検出方法
では純粋な(つまり運転者が加える)操舵トルクが検出
されておらず、ハンドルの慣性、トルクセンサ部の粘性
の影響が大きい等という問題点があった。その結果、操
舵時に応答性が悪化して制御遅れが生じていた。
【0006】そこで本発明は、純粋な操舵トルクを検出
して、操舵時に制御遅れのない電動式パワーステアリン
グ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による電動式パワーステアリング装置は、操
舵系に連結され、操舵補助トルクを発生する操舵補助モ
ータと、操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出
手段と、該操舵トルク検出手段の出力を補正して純粋な
操舵トルクを算出する純粋操舵トルク算出手段と、車速
を検出する車速検出手段と、前記純粋操舵トルク算出手
段および車速検出手段の出力に基づいてアシスト指令を
作成し、このアシスト指令により前記モータの駆動を制
御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また、好ましくは、前記純粋操舵トルク算
出手段は、操舵補助モータの回転速度から求めた加速度
情報と、前記操舵トルク検出手段の出力を微分した情報
とに基づいて純粋な操舵トルクを算出することを特徴と
する。
【0009】
【作用】本発明では、操舵トルクセンサの出力を補正し
て純粋な操舵トルクを算出する純粋操舵トルク算出手段
が設けられ、例えば操舵補助モータの回転速度から求め
た加速度情報と、操舵トルクセンサの出力を微分した微
分情報とに基づいて純粋な操舵トルクが算出される。
【0010】したがって、純粋な(つまり運転者が加え
る)操舵トルクを検出することができ、ハンドルの慣
性、トルクセンサ部の粘性の影響をなくして操舵時の応
答性が向上し、制御遅れがなくなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1〜図7は本発明に係る電動式パワーステアリング装置
の一実施例を示す図である。図1は本装置の全体を機能
的に示すブロック図である。図2はこのパワーステアリ
ング装置が適用されるステアリング機械系の一例を示す
構成図である。
【0012】まず、図2に示すパワーステアリング機械
系について説明しておく。図2において、操舵ハンドル
1の回転力はハンドル軸を介してピニオンギアを含むス
テアリングギア2に伝達されるとともに、上記ピニオン
ギアによりラック軸3に伝達され、さらにナックルアー
ム等を経て車輪4が転向される。また、コントロール装
置5により制御駆動される操舵アシスト(補助)モータ
(DCモータ)6の回転力はピニオンギアを含むステア
リングギア7とラック軸3との噛み合いによりラック軸
3に伝達され、ハンドル1による操舵を補助することに
なる。ハンドル1とモータ6の回転軸はギア2、7およ
びラック軸3により機械的に連結されている。
【0013】一方、後述の操舵トルクセンサ(操舵トル
ク検出手段)11(図1参照)により、操舵トルク(戻
りトルク)が検出され、車速センサ12(図1参照)よ
り車速が検出される。そして、これらの検出トルク、車
速等に基づきコントロール装置5によってモータ6が制
御される。コントロール装置5およびモータ6には車両
に搭載されたバッテリ8から、その動作電力が供給され
る。
【0014】コントロール装置5は電流検出器、電圧検
出器等の検出器、モータ6を駆動する駆動回路、モータ
6の全体的な制御を統括するコンピュータ(CPU、例
えばマイクロプロセッサ)、メモリ、コンピュータと上
記入/出力機器とのインターフェース回路等から構成さ
れている。
【0015】次に、図1はコントロール装置5に内蔵さ
れたコンピュータの各種機能をブロック的に、他の入/
出力機器、各種回路を示すブロックとともに、描いたも
のである。この図において、アシスト指令部10には純
粋トルク演算部61からの検出トルクVTと車速センサ
(車速検出手段)12の検出車速VSとが与えられる。
アシスト指令部10内のアシストトルク値指示関数部1
3は検出トルクVTに応じてモータ6によって発生すべ
きアシストトルクを表す指令値を出力する。
【0016】また、乗算定数関数部14は検出車速VS
に応じて定数を発生し、この定数が乗算演算部15にお
いて上記アシストトルク指令値に乗じられる。この結
果、乗算演算部15から出力されるアシストトルク値
(又はモータ電流指令値)は図3に示すように、検出ト
ルクVTと検出車速VSによって定められた値となる。
【0017】図3は、操舵トルクVTに応じて、一定範
囲の操舵トルクVTに対してはこれにほぼ比例するモー
タ電流が流れ(アシストトルクが発生し)、上記範囲を
超えると、ある一定のモータ電流が流れる(アシストト
ルクが発生する)ように、また車速VSに応じて、車速
Sが速いときにはモータ電流(アシストトルク)を少
なくし、車速VSが遅いときにはモータ電流(アシスト
トルク)を多くするように、モータ6を制御するための
アシスト指令が発生することを表している。
【0018】検出トルクVTは位相補償部16にも与え
られ、この位相補償部16によって検出トルクVTの微
分値が乗算演算部15の出力に加算されることにより、
アシスト指令部10の出力(基準電流指令値)となって
電流制御部20に供給されるる。この基準電流指令値に
は後述する粘性指令値が加算(又は減算)された後、目
標電流指令値として電流制御部20に与えられる。電流
制御部20はその全部をハードウエアの回路で構成して
もよいし、その一部をコンピュータ・ソフトウエアで実
現することもできる。
【0019】電流制御部20は、例えば4個のスイッチ
ング素子を含むHブリッジ駆動法に従うPWM(Pulse
Width Modulation)パルスを用いたチョッパ動作によっ
てモータ6を駆動制御するもので、電流フィードバック
制御を行う。すなわち、電機子電流検出部26によって
モータ6の電機子電流iaが検出され、電流偏差演算部
21において与えられた目標電流指令値と検出電流ia
との偏差が演算される。この偏差の絶対値が絶対値変換
部24で得られ、この絶対値に基づきデューティ生成部
25でPWMパルスのデューティ比が決定される。
【0020】一方、上記偏差の極性(正又は負)が正負
判別部22で判別され、生成されたデューティ比と判別
された極性はモータ駆動部23に与えられ、モータ駆動
部23はこれらの値に基づいてHブリッジ型に配線され
た4個のスイッチング素子をオン/オフ制御してモータ
6を駆動する。
【0021】粘性指令部30は舵角の運動に対して粘性
力を与えるもので、舵角速度センサ33、粘性補償値指
示関数部31および乗算演算部32によって構成され
る。舵角速度センサ33は操舵ハンドル1の舵角速度d
θ/dt(θは舵角)を検出して粘性補償値指示関数部
31に出力し、粘性補償値指示関数部31は舵角速度d
θ/dtが大きい程絶対値が大きくかつ逆方向のトルク
を発生させる指令値を乗算演算部32に出力する。舵角
速度dθ/dtは、操舵量に対応するものである。
【0022】なお、以下の説明において、図面上は通常
通りに舵角(操舵角変化)をθを用いてドットを文字の
上に付加して表すが、明細書本文ではドット表示が困難
であるため、舵角をdθ/dtとして表すことにする。
【0023】乗算演算部32には、ファジー推論部40
の出力結果が入力されており、ファジー推論部40には
車速センサ12の出力、純粋トルク演算部61の出力、
舵角速度dθ/dtを検出している舵角速度センサ33
からの出力、位相補償部16からの検出トルクVTの微
分値が与えられる他、さらに操舵補助モータ6の回転速
度を検出している操舵補助モータ回転速度検出手段41
からの出力が与えられる。なお、操舵補助モータ回転速
度検出手段41は、例えばタコジェネレータ、エンコー
ダのようなものであってもよいし、センサの代えて回転
速度を推定するオブザーバを設けてもよい。このオブザ
ーバは、モータ6の端子電圧と電機子電流とに基づい
て、又はモータ6への電流指令値と測定した電機子電流
とに基づいて回転速度を推定する。
【0024】また、操舵補助モータ回転速度検出手段4
1の出力はモータ回転速度微分演算部62に入力されて
おり、モータ回転速度微分演算部62はモータ回転速度
の検出値を微分してモータ回転加速度d22/dt2
純粋トルク演算部61に出力する。なお、図面上は通常
通りモータ6変位xの上に2つのドット(ツウドット)
を付して表す。一方、トルクセンサ11の出力Tはトル
ク微分演算部63に入力されており、トルク微分演算部
63はトルクセンサ11の出力Tを1回微分してdT/
dt(図面ではドットT)を演算するとともに、トルク
センサ11の出力Tを2回微分してd2T/dt2(図面
ではツウドットT)を演算して純粋トルク演算部61に
出力する。
【0025】純粋トルク演算部61はトルクセンサ11
の出力T、トルク微分値dT/dt、トルク2回微分値
2T/dt2およびモータ回転加速度d22/dt2
基づいて純粋トルクF(前述した検出トルクVTに相
当)を以下の式に従って演算する。 F=m[(d2T/dt2)+(dω/dt)]+c・
(dT/dt)+k・T ただし、ω:操舵補助モータ6の回転加速度=(d22
/dt2) m:定数 c:定数 k:定数 上記純粋トルク演算部61、モータ回転速度微分演算部
62およびトルク微分演算部63は全体として純粋操舵
トルク算出手段70を構成する。
【0026】次に、ファジー推論部(粘性補正演算手
段)40は車速、操舵トルク、トルクVTの微分値、モ
ータ回転速度(すなわち、舵角速度)を入力パラメータ
として所定のファジールールに従ってファジー推論を行
い、ステアリングの戻り状態を推定し、ステアリングの
戻り状態に応じた粘性ゲイン(粘性補正値に相当)を演
算して乗算演算部32に出力する。乗算演算部32は粘
性補償値指示関数部31の出力にファジー推論部40か
らの粘性ゲインを乗算して粘性指令部30の指令値と
し、この指令値がアシスト指令部10の基準電流指令値
に加算されて後段の電流制御部20に与えられる。上記
電流制御部20およびアシスト指令部10は制御手段5
0を構成する。
【0027】次に、上記粘性ゲイン演算のファジールー
ルについて説明する。図4(a)は粘性ゲイン演算にお
ける前件部のメンバーシップ関数で、操舵トルクとトル
ク微分値を入力パラメータとするものである。図4
(b)は同じく粘性ゲイン演算における前件部のメンバ
ーシップ関数で、車速を入力パラメータとするものであ
る。また、図4(c)は後件部におけるファジー出力で
あり、シングルトーン位置で表したメンバーシップ関数
で、粘性ゲインを出力値としている。粘性ゲインは正方
向で粘性制動が大きくなり、負方向で粘性が減少して粘
性補償することになる。
【0028】なお、各メンバーシップ関数におけるラベ
ルの意味は、次の通りである。 PL:Positive Large(正方向に大きい) PS:Positive Small(正方向に小さい) ZR:ゼロ(中立) NS:Negative Small(負方向に小さい) NL:Negative Large(負方向に大きい) H:車速が大きい L:車速が小さい
【0029】ファジィルールは図5(a)(b)のよう
に示され、式を用いて表すと、次のようになる。ルール
はいわゆるIF、THEN(もし、ならば)の形式で表
現される。ただし、図5(a)は低車速のとき、図5
(b)は高車速のときである。 R1.IF トルク=PL AND トルク微分値=
NS THEN ファジー出力=NL(負方向に大きい) R2.IF トルク=PS AND トルク微分値=
NS THEN ファジー出力=NS(負方向に小さい)
【0030】図5(a)に示すファジィルールR1は、
「もし、操舵トルクが正方向に大きく、かつトルク微分
値が負方向に小さい場合にはファジー出力は負方向に大
きい(すなわち、粘性ゲインが負方向に大きく、粘性が
大きく減少する)。」という意味である。
【0031】また、ファジィルールR2は、「もし、操
舵トルクが正方向に小さく、かつトルク微分値が負方向
に小さい場合にはファジー出力は負方向に小さい(すな
わち、粘性ゲインが負方向に小さく、粘性がやや減少す
る)。」という意味である。以下、他のルールも同様の
手法で判断される。
【0032】図5(a)に示すファジィルールは低車速
に対応し、いずれもハンドル1の戻り時に粘性ゲインを
減少(補償)してハンドル1の戻りを良くするようにな
っている。また、ハンドル1の中立付近では粘性制動を
かけて安定化するようになっている。一方、図5(b)
に示すファジィルールは高車速に対応し、ハンドル1の
中立付近で粘性制動をかけて安定化するようになってい
る。
【0033】次に、パワーステアリング制御の動作につ
いて説明する。イグニションスイッチがオンすると、ま
ず通常のパワーアシスト処理が実行され、これにより、
車速感応型の制御、すなわち低速域では軽く、高速域で
は重くなるようにトルクセンサ入力に応じてアシスト力
が制御される。
【0034】一方、ハンドル1の戻り時にはファジー推
論によって、戻り状態が推定され、この戻り状態に応じ
て粘性ゲインが演算されて乗算演算部32に出力され
る。そして、乗算演算部32では粘性補償値指示関数部
31の出力にファジー推論部40からの粘性ゲインが乗
算されて粘性指令部30の指令値とされ、この指令値が
アシスト指令部10の基準電流指令値に加算されて後段
の電流制御部20に与えられ、最終的にアシスト力が補
正制御される。
【0035】具体的には、図4に示したメンバーシップ
関数による評価、すなわち、操舵トルク、トルク微分値
および車速を入力パラメータとしてメンバーシップ関数
にどの程度適合するかの評価が行われ、図5に示すファ
ジールールに従ってファジー論理演算が実行される。
【0036】ファジィ論理演算過程では、その前件部で
上記入力パラメータが与えられ、ファジィルールの対応
するメンバーシップ関数にどの程度適合するかが求めら
れ、適合度の小さいものが選択されて後件部に与えら
れ、後件部では選択された適合度より出力のメンバーシ
ップ関数に制限をかけて例えば、台形状のメンバーシッ
プ関数を得る。次いで、上記メンバーシップ関数をMA
X合成処理によって重ね合わせて合成出力を生成し、そ
の後、デファジファイヤによってこの合成出力の重心を
確定出力としてハンドル1の戻り状態の推定値に応じた
粘性ゲインが演算され、乗算演算部32に出力される。
【0037】乗算演算部32では前段の粘性補償値指示
関数部31の出力にファジー推論部40からの粘性ゲイ
ンが乗算されて粘性指令部30の指令値となり、この指
令値がアシスト指令部10の基準電流指令値に加算され
て後段の電流制御部20に出力される。その後、電流制
御部20によりPWMパルスを用いたチョッパ動作によ
ってモータ6が駆動制御されて操舵系のアシストが行わ
れる。
【0038】例えば、ハンドル1を手放して戻すときに
は、アシスト出力がハンドル1の回転を止める方向に働
く。本実施例では、ハンドル1の戻りを検出すると、上
記ファジー推論による演算補正により粘性を補償(減
少)し、戻り速度を向上させ、一方ハンドル1の中立付
近では、粘性を大きくすることで、制動をかけて安定化
し、ハンドル1のオーバシュートをなくす制御が行われ
る。したがって、粘性が補償されることにより、ハンド
ル1手放し時の戻り速度が向上する。また、ハンドル1
の中立付近では粘性が大きくなることにより、ハンドル
1のオーバシュートが抑制され、収斂性が向上する。
【0039】ここで、本実施例ではトルクセンサ11の
出力を補正して純粋な操舵トルクFを算出する純粋操舵
トルク演算部61を設け、これによって純粋操舵トルク
を算出している。純粋操舵トルクを算出する原理につい
て説明する。一般的に、操舵系のメカニカルモデルは図
6のように示される。図6中、各記号の意味は次の通り
である。 c2:タイヤ−路面間の粘性 k2:路面反力(セルフアライニングトルク) m2:モータ6の質量 x2:モータ6の変位 c1:トルクセンサ11の粘性 k1:定数 m1:ハンドルの質量 x1:ハンドルの変位 F:運転者の力(人間の操舵力)
【0040】トルクセンサ11の出力Tは(x1:ハン
ドルの変位)−(x2:モータの変位)となり、T=x1
−x2で表される。したがって、運転者の力(人間の操
舵力)Fは下式で算出できる。 F=m1・(d21/dt2)+c1・(dT/dt)+k1・T =m1・[(d2T/dt2)+(d22/dt2)]+c1・(dT/dt) +k1・T
【0041】この式から明らかであるように、従来と異
なり、本実施例のトルク検出方法では純粋な(つまり運
転者が加える)操舵トルクを検出することがでいる。し
たがって、ハンドル1の慣性、トルクセンサ11の粘性
の影響をなくすことができる。その結果、操舵時の応答
性を高めて制御遅れをなくすことができる。
【0042】図7はトルクセンサ11の出力T(検出操
舵トルク)と、純粋トルク演算部61の出力F(純粋操
舵トルク)の波形を示す図である。この図から明らかで
あるように、運転者のトルク操作に対応して各検出波形
が変化しており、トルクセンサ11の出力T(検出操舵
トルク)には図中のA、Bゾーンで振動成分が発生して
いるが、純粋トルク演算部61の出力F(純粋操舵トル
ク)についてはこれらの振動成分が発生しておらず、ハ
ンドル1の慣性やトルクセンサ11の粘性の影響を排除
して純粋な操舵トルクを検出できることが分かる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、操舵トルクセンサの出
力を補正して純粋な操舵トルクを算出する純粋操舵トル
ク算出手段を設け、例えば操舵補助モータの回転速度か
ら求めた加速度情報と、操舵トルクセンサの出力を微分
した微分情報とに基づいて純粋な操舵トルクを算出して
いるので、純粋な(つまり運転者が加える)操舵トルク
を検出することができ、ハンドルの慣性、トルクセンサ
部の粘性の影響をなくして操舵時の応答性を向上させる
ことができる。その結果、制御遅れをなくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の
一実施例の機能的ブロック図である。
【図2】同実施例のパワーステアリング機械系の一例を
示す図である。
【図3】同実施例のアシストトルクの特性を示す図であ
る。
【図4】同実施例のファジー推論で用いられるメンバー
シップ関数を示す図である。
【図5】同実施例のファジー推論で用いられるファジー
ルールを示す図である。
【図6】同実施例の操舵系のメカニカルモデルを示す図
である。
【図7】同実施例のトルクセンサと純粋トルク演算部の
各出力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 操舵ハンドル 6 操舵補助モータ 10 アシスト指令部 11 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段) 12 車速センサ(車速検出手段) 20 電流制御部 30 粘性指令部 40 ファジー推論部 41 操舵補助モータ回転速度検出手段 50 制御手段 61 純粋トルク演算部 62 モータ回転速度微分演算部 63 トルク微分演算部 70 純粋操舵トルク算出手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生する操舵補助モータと、 操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、 該操舵トルク検出手段の出力を補正して純粋な操舵トル
    クを算出する純粋操舵トルク算出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記純粋操舵トルク算出手段および車速検出手段の出力
    に基づいてアシスト指令を作成し、このアシスト指令に
    より前記モータの駆動を制御する制御手段と、を備えた
    ことを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記純粋操舵トルク算出手段は、操舵補
    助モータの回転速度から求めた加速度情報と、前記操舵
    トルク検出手段の出力を微分した情報とに基づいて純粋
    な操舵トルクを算出することを特徴とする請求項1記載
    の電動式パワーステアリング装置。
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