JP3293047B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP3293047B2
JP3293047B2 JP6309793A JP6309793A JP3293047B2 JP 3293047 B2 JP3293047 B2 JP 3293047B2 JP 6309793 A JP6309793 A JP 6309793A JP 6309793 A JP6309793 A JP 6309793A JP 3293047 B2 JP3293047 B2 JP 3293047B2
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佳弘 上田
幸男 小川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いて好適な電
動式パワーステアリング装置に係わり、詳しくはモータ
の回転出力によって操舵力を補助する電動式パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両のパワーステアリング装置と
して油圧式に代えてモータを用いた電動式のものが使用
されており、モータはアクチュエータとして小型、軽量
等の利点から今後とも増加傾向にある。
【0003】従来のパワーステアリング装置では、トク
ルセンサによって操舵系の操舵トルクを検出するととも
に、車速センサによって車速を検出し、これらの検出結
果に基づいて操舵系に連結されたモータの駆動力を制御
し、パワーアシストを行っている。そして、一般的には
車速感応型であり、低車速では軽く、高車速では重くな
るようにトルクセンサ入力に応じてアシスト力を制御し
ている。そして、一般的には速度感応型であり、低車速
では軽く、高車速では重くなるようにトルクセンサ入力
に応じてアシスト力を制御している。
【0004】図11は従来の電動式パワーステアリング
装置の機械系の一例を示す構成図であり、この図におい
て、操舵ハンドル1の回転力はハンドル軸を介してピニ
オンギアを含むステアリングギア2に伝達されるととも
に、上記ピニオンギアによりラック軸3に伝達され、さ
らにナックルアーム等を経て車輪4が転向される。ま
た、コントロール装置5により制御駆動される操舵アシ
スト(補助)モータ(DCモータ)6の回転力はピニオ
ンギアを含むステアリングギア7とラック軸3との噛み
合いによりラック軸3に伝達され、ハンドル1による操
舵を補助することになる。
【0005】ハンドル1とモータ6の回転軸はギア2,
7およびラック軸3により機械的に連結されている。操
舵トルクセンサ11により、操舵トルク(戻りトルク)
が検出され、車速センサ12により車速が検出される。
そして、これらの検出トルク、車速等に基づきコントロ
ール装置5によってモータ6が制御される。コントロー
ル装置5およびモータ6には車両に搭載されたバッテリ
8から、その動作電力が供給される。
【0006】コントロール装置5は図12に示すように
モータ電流検出回路21、モータ6を駆動するモータ駆
動回路22、モータ6の全体的な制御を統括するCPU
23(例えばマイクロプロセッサ)、メモリ24、コン
ピュータと上記入/出力機器とのインターフェース回路
等(図示略)を主に構成されている。
【0007】図12において、操舵トルクセンサ11に
よって検出された操舵トルクはA/D変換回路25によ
ってデジタル信号に変換された後にCPU23に取り込
まれる。また、車速センサ12によって検出された車速
はカウンタ26によってカウントされ、車速を表すカウ
ント値はCPU23に取り込まれる。CPU23は入力
された操舵トルクおよび車速に基づいてアシスト指令を
作成し、それに基づく制御信号をモータ駆動回路22に
出力し、モータ駆動回路22によりモータ6が駆動され
る。この結果、モータ駆動回路22から出力されるアシ
ストトルク値(又はモータ電流指令値)は図13に示す
ように、検出トルクVTと検出車速VSによって定められ
た値となる。
【0008】図13は、操舵トルクVTに応じて、一定
範囲の操舵トルクVTに対してはこれにほぼ比例するモ
ータ電流が流れ(アシストトルクが発生し)、上記範囲
を超えると、ある一定のモータ電流が流れる(アシスト
トルクが発生する)ように、また車速VSに応じて、車
速VSが速いときにはモータ電流(アシストトルク)を
少なくし、車速VSが遅いときにはモータ電流(アシス
トトルク)を多くするように、モータ6を制御するため
のアシスト指令が発生することを表している。
【0009】図12に戻り、モータ電流はモータ電流検
出回路21によって検出され、A/D変換回路27によ
ってデジタル信号に変換された後にCPU23に取り込
まれる。メモリ24はCPU23の処理に必要なプログ
ラムやデータを記憶している。
【0010】このように、操舵トルク検出値および車速
検出値に基づいて操舵アシストモータ6を制御し、操舵
アシストトルクを発生するようにしている。この場合、
モータ6の慣性力により高車速時に手放し安定性が不足
するので、操舵ハンドル1の中立位置近傍においてモー
タ6の制動する制動装置を備えている。この制動装置と
しては例えば実開昭61−169675号公報に開示さ
れている。
【0011】ところで、この制動装置にあっては、高車
速時の手放し戻り時の不安定性を粘性制動によって安定
化するようにしているので、安定性の改善ができるが、
操舵ハンドル1の戻り速度が不足して運転者に不快な操
舵フィーリングを与えるという問題点がある。そこで、
この問題点を解決するために舵角加速度をアシスト指令
値に正帰還する慣性制御部を設けることが提案されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな舵角加速度をアシスト指令値に正帰還する方法にあ
っては、正帰還する舵角加速度の検出に際し、ノイズを
除去するためのローパスフィルタを用いる必要があるこ
とと、所定の時間間隔でサンプリングする必要があるこ
とから、アシスト指令値に対して位相遅れを持ったもの
となってしまう。
【0013】また、電流制御部がデジタル制御を行って
いる場合など帯域が狭い場合は、モータによって出力さ
れるアシストトルクが遅れて出力されるため、図14に
示すように加速度正帰還ゲインを大きくすることができ
ない。このため、十分に慣性の影響を除去できないの
で、操舵ハンドル1の手放し時の安定性が十分得られ
ず、ハンドル中立位置への収束速度が遅く、さらに操舵
時の慣性感のために操舵フィーリングが悪化するという
問題点がある。
【0014】そこで本発明は、高車速時の手放し戻り時
の不安定性を改善させながらも、ハンドル戻り速度を高
め、操舵フィーリングを改善させた電動式パワーステア
リング装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による電動式パワーステアリング装置は、操舵
系に連結され、操舵補助トルクを発生するアシストモー
タと、検出操舵トルク、検出車速に基づいて前記アシス
トモータをアシストするアシスト指令値を作成するアシ
スト指令値作成手段と、前記アシスト指令値に基づいて
前記アシストモータを制御する制御手段と、操舵系の舵
角加速度を検出する舵角加速度検出手段と、前記舵角加
速度検出手段より出力される舵角加速度信号に応じて前
記アシストモータの慣性を補償する慣性制御信号を発生
し、前記アシスト指令値に正帰還する慣性制御手段とを
備えた電動式パワーステアリング装置において、前記慣
性制御手段に設けられ、前記舵角加速度信号を入力と
し、所望の周波数域で位相を進ませると共にノイズ除去
機能を有するファジー演算フィルタと、操舵系の舵角速
度を検出する舵角速度検出手段と、前記舵角速度検出手
段より出力される舵角速度に基づいて前記慣性制御信号
レベルを増大させるように補正する可変手段とを設け
たことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明では、ファジー演算の非線形性を利用
し、検出舵角加速度信号の所望の周波数域(電動式パワ
ーステアリング装置において問題となる1Hz〜10数
Hzの周波数域)における位相を進ませると共に、ノイ
ズ除去機能を有するファジー演算フィルタに検出舵角加
速度信号が供給される。そして、このファジー演算フィ
ルタにより抽出された舵角加速度信号に基づいて慣性制
御信号が得られ、この慣性制御信号が操舵アシストモー
タを制御するアシスト指令値に正帰還される。
【0017】また、上記周波数域以下の周波数域(1H
z以下)においてはファジー演算フィルタの特性上利得
が低下するので、舵角速度信号に基づいて慣性制御信号
のレベルが増大するように制御される。
【0018】したがって、所望の周波数域で位相の進ん
だ舵角加速度信号が得られ、この舵角加速度信号に基づ
いて得られる慣性制御信号をアシスト指令値に正帰還で
きるので、周波数帯域の低い電流ループを通しても位相
遅れのないアシストトルクが得られると共に十分に加速
度ゲインを高めることができる。この結果、操舵ハンド
ルの手放し時の安定性が向上し、戻り時の収束速度が早
くなり、慣性感のない良好な操舵フィーリングが得られ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の一実
施例のコントロール装置5Aに内蔵されたコンピュータ
の各種機能をブロック的に、他の入/出力機器、各種回
路を示すブロックとともに描いたものである。
【0020】この図において、アシスト指令部30には
操舵トルクセンサ11の検出トルクVTと車速センサ1
2の検出車速Vsとが与えられる。アシスト指令部30
内のアシストトルク値指示関数部31は検出トルクVT
に応じてモータ6によって発生すべきアシストトルクを
表す指令値を出力する。
【0021】また、乗算定数関数部32は検出車速Vs
に応じて定数を発生し、この定数が乗算演算部33にお
いて上記アシストトルク指令値に乗じられる。この結
果、乗算演算部33から出力されるアシストトルク値
(又はモータ電流指令値)は図13に示すように、検出
トルクVTと検出車速Vsによって定められた値となる。
【0022】検出トルクVTは位相補償部34にも与え
られ、この位相補償部34によって検出トルクVTの微
分値が乗算演算部33の出力に加算されることにより、
アシスト指令部30の出力(アシスト指令値)となって
電流制御部35に供給される。
【0023】一方、電流制御部35にはアシスト指令部
30の出力の他に、さらに慣性制御部50の出力が加算
される。慣性制御部50は、モータ6のロータ慣性があ
たかも小さくなったかのように制御するもので、急ハン
ドル時にモータ6がハンドルの回転に追従しないことに
より生ずる重さを解消したり、手放し時の戻りスピード
を早くしたりするように作用する。
【0024】慣性制御部50において、舵角加速度セン
サ51により舵角加速度が得られ、この舵角加速度がフ
ァジー演算フィルタ52に与えられる。このファジー演
算フィルタ52で所定の周波数域(略0Hz〜10数H
z)の舵角加速度信号の抽出が行われた後、慣性補償部
指示関数部53に与えられる。一方、舵角速度センサ5
4により舵角速度が得られ、この舵角速度が乗算定数関
数部55に与えられる。この乗算定数関数部55は検出
舵角速度に応じて定数を発生し、乗算演算部56に与え
る。そして、この定数が上記慣性補償部指示関数部53
から出力される指令値に乗算されることにより得られる
慣性制御信号がアシスト指令部30のアシスト指令値に
加算され、電流制御部35に供給される。
【0025】なお、以下の説明において、図面上は通常
通りに舵角速度および舵角加速度をθを用いてドット、
ダブルドットを文字の上に付加して表すが、明細書本文
ではドット表示が困難であるため、特に舵角加速度はA
θm(k)≡ηとして適宜表すことにする。
【0026】図2はファジー演算フィルタ52を示す機
能ブロック図である。この図において、60は第1の前
件部メンバーシップ関数、61は第2の前件部メンバー
シップ関数である。第1の前件部メンバーシップ関数6
0には舵角加速度センサ51より舵角加速度ηが与えら
れる。また、第2の前件部メンバーシップ関数61には
その変化分Δη(舵角加速度Aθm(k)と、この舵角加
速度Aθm(k)を遅延部62にて遅延させた舵角加速度
Aθm(k-1)との差分)が与えられる。63はMIN_
MAX計算部であり、前件部のメンバーシップ関数に基
づく演算を行う。64は後件部であり、重心位置を求め
る演算を行う。
【0027】ここで、ファジー演算フィルタ52のファ
ジールールについて説明する。図3(a)、(b)は前
件部のメンバーシップ関数で、そのうち図3(a)は舵
角加速度ηに関するメンバーシップ関数、図3(b)は
変化分Δηに関するメンバーシップ関数である。この場
合、メンバーシップ関数は三角形状のものであるが、こ
れのみならず、任意の形のものを採用しうることは言う
までもない。一方、図3(c)は後件部におけるファジ
ー出力で、シングルトーン位置で表したメンバーシップ
関数である。
【0028】なお、各メンバーシップ関数におけるラベ
ルの意味は、次の通りである。 NB:Negative Big(負に大きい) NM:Negtivea medium(負にやや大きい) NS:Negative Small(負に小さい) ZO:zero(零) PS:Positive Small(正に小さい) PM:Positive medium(正にやや大きい) PB:Positive Big(正に大きい)
【0029】ファジールールは図4のように示され、式
と用いて表すと、次のようになる。ルールはいわゆるI
F、THEN(もし、ならば)の形式で表現される。 R1.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη=PB THEN ファジー出力=PB R2.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη=PS THEN ファジー出力=PB
【0030】 R3.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη=ZO THEN ファジー出力=PM R4.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη=NS THEN ファジー出力=PS R5.IF 舵角加速度η=PB AND 変化分Δη=NB THEN ファジー出力=ZO
【0031】ファジールールR1は、「もし、舵角加速
度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが正に大きい場合に
はファジー出力を正に大きくする。」という意味であ
る。
【0032】また、ファジールールR2は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが正に小さい
場合にはファジー出力を正に大きくする。」という意味
である。
【0033】また、ファジールールR3は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが零の場合に
はファジー出力を正にやや大きくする。」という意味で
ある。
【0034】また、ファジールールR4は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが負に小さい
場合にはファジー出力を正に大きくする。」という意味
である。
【0035】また、ファジールールR5は、「もし、舵
角加速度ηが正に大きく、かつ変化分Δηが負に大きい
場合にはファジー出力を零にする。」という意味であ
る。以下、他のルールも同様の手法で判断される。
【0036】このファジールールは、電動式パワーステ
アリング装置で問題となる1〜10数Hzの周波数域で
位相を進ませる構成になっている。このようにすること
で電流制御部35における位相遅れを防止することがで
きる。ここで、図5はファジー演算フィルタ52の特性
図であり、そのうち図5(a)は利得の周波数特性、図
5(b)は位相の周波数特性である。図5(b)からわ
かるように、ファジー演算フィルタ52は約0.1Hz
〜50Hzの周波数域で位相を進ませるようになってい
る。
【0037】ところで、1〜10数Hzの周波数域で位
相を進ませるようにした場合、図5(a)に示すように
ファジー演算フィルタ52は結果的に1Hz以下の低周
波数域で利得が減少してしまう。そこで、この利得の低
下を補償するために検出角速度が所定値以下のとき、ま
たは検出角速度の符号の変化率が所定値以下のとき(あ
る一定期間における符号変化の回数が所定回数以下のと
き)に乗算演算部56の乗算係数を大きくしてファジー
演算フィルタ52の出力が大きくなる(レベル が増大す
る)ようにしている。
【0038】なお、参考として図6は従来より用いられ
ているデジタルローパスフィルタの特性図であり、その
うち図6(a)は利得の周波数特性、図6(b)は位相
の周波数特性である。この従来のデジタルローパスフィ
ルタでは、1〜10数Hzの周波数域で位相が遅れてい
る。このデジタルローパスフィルタでは電流制御部35
における位相遅れが生じた場合にこれを防止することは
できない。
【0039】図1に戻り、上記電流制御部35には、例
えば4個のスイッチング素子を含むHブリッジ駆動法に
従うPWM(Pulse Width Modulation)パルスを用いた
チョッパ動作によってモータ6を駆動制御するもので、
電流フィードバック制御を行う。すなわち、電機子電流
検出部36によってモータ6の電機子電流が検出され、
電流偏差演算部37において与えられたアシスト指令値
と検出電流との偏差が演算される。この偏差の絶対値が
絶対値変換部38で得られ、この絶対値に基づきデュー
ティ生成部39でPWMパルスのデューティ比が決定さ
れる。
【0040】一方、上記偏差の極性(正又は負)が正負
判別部40で判別され、生成されたデューティ比と判別
された極性はモータ駆動部41に与えられ、モータ駆動
部41はこれらの値に基づいてHブリッジ型に配線され
た4個のスイッチング素子をオン/オフ制御してモータ
6を駆動する。
【0041】上記アシスト指令部30はアシスト指令値
作成手段に対応する。また、上記電流制御部35は制御
手段に対応する。また、上記慣性制御部50は慣性制御
手段に対応する。また、上記舵角加速度センサ51は舵
角加速度検出手段に対応する。また、上記舵角速度セン
サ54は舵角速度検出手段に対応する。また、上記乗算
定数関数部55と上記乗算演算部56は可変手段100
を構成する。
【0042】次に、ファジー演算フィルタ53の動作に
ついて説明する。図7はファジー演算フィルタ53の処
理を示すメインプログラムである。まず、ステップS1
で舵角加速度ηを舵角加速度センサ51から読み込み、
ステップS2でこの舵角加速度ηをファジー入力とす
る。そして、この舵角加速度ηと変化分Δηとに基づい
て所定のファジールールに従ってファジー推論を行い、
舵角加速度を推定する。その後、ステップS3で舵角加
速度の推定値をファジー出力として慣性補償値指示関数
部53に出力する。
【0043】ステップS2におけるファジー推論は図8
に示すサブルーチンで実行される。図8において、ま
ず、舵角加速度ηおよびその変化分Δηをファジー入力
とした後、ステップS11で前件部の処理を行う。すな
わち、入力値(舵角加速度ηおよびその変化分Δη)
と、その条件部の第1、第2メンバーシップ関数から、
その入力の適合度を求める。次いで、ステップS12で
結論部の処理を行う。
【0044】すなわち、条件部処理によって求められた
ルール適合度を他の適合度と比較して結論部ラベルごと
のファジー出力を求める。次いで、ステップS13で重
み付け処理を行い、各ルールの結論部に対する影響度を
調整する。例えば、適合度の小さいものを選択した後件
部に与える。その後、ステップS14でファジー出力か
らそれを代表する1つの確定値を計算する。
【0045】すなわち、後件部では上記メンバーシップ
関数をMAX合成処理によって重ね合わせて合成出力を
生成し、その後、デファジファイヤによってこの合成出
力の重心から1つの確定値を得る。
【0046】図9はファジー演算フィルタ52を使用し
たときの操舵系の応答を示す図であり、図10は従来の
デジタルローパスフィルタ等の線形特性のフィルタを使
用したときの操舵系の応答を示す図である。これらの図
からファジー演算フィルタ52の方が収束性がよいこと
がわかる。
【0047】なお、上記実施例では舵角加速度を舵角加
速度センサ51にて得るようにしており、また舵角速度
を舵角速度センサ54にて得るようにしているが、これ
らに限らず、例えばモータ6の電圧/電流からモータ回
転速度を算出し、この算出結果から舵角速度を推定し、
さらに該算出値を微分した結果から舵角加速度を推定し
てこれらの推定値を用いてもよい。このようにすると、
舵角加速度センサ51および舵角速度センサ54が不要
になってコストを低減することが可能になる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、検出舵角加速度信号の
所望の周波数域(電動式パワーステアリング装置におい
て問題となる1Hz〜10数Hzの周波数域)における
位相を進ませると共にノイズ除去機能を持たせたファジ
ー演算フィルタを設ける一方、このファジー演算フィル
タを設けることにより低下する周波数域の信号レベルを
補償するための可変手段を設けたので、周波数帯域の低
い電流ループを通しても位相遅れのないアシストトルク
が得られると共に十分に加速度ゲインを高めることがで
きることから、操舵ハンドルの手放し時の安定性が向上
し、戻り時の収束速度が速くなり、慣性感のない良好な
操舵フィーリングが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電動式パワーステアリ
ング装置のコントロール装置の機能ブロック図である。
【図2】同実施例のファジー演算フィルタの機能ブロッ
ク図である。
【図3】同実施例のファジー演算フィルタの前件部のメ
ンバーシップ関数及び後件部のメンバーシップ関数を示
す図である。
【図4】同実施例のファジー演算フィルタのファジール
ールを示す図である。
【図5】同実施例のファジー演算フィルタの特性図であ
る。
【図6】従来のデジタルローパスフィルタの特性図であ
る。
【図7】本発明の一実施例のファジー演算フィルタのメ
インプログラムのフローチャートである。
【図8】同実施例のファジー推論のサブルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】本発明の一実施例のファジー演算フィルタを使
用した時の操舵系の応答特性を示す図である。
【図10】従来の線形フィルタを使用した時の操舵系の
応答特性を示す図である。
【図11】従来のパワーステアリング装置の機械系の一
例を示す構成図である。
【図12】従来のパワーステアリング装置のコントロー
ル装置の詳細なブロック図である。
【図13】従来のパワーステアリング装置のアシストト
ルクの特性を示す図である。
【図14】従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 操舵ハンドル 6 アシストモータ 11 操舵トルクセンサ 12 車速センサ 30 アシスト指令部(アシスト指令値作成手段) 35 電流制御部(制御手段) 50 慣性制御部(慣性制御手段) 51 舵角加速度センサ(舵角加速度検出手段) 52 ファジー演算フィルタ 53 慣性補償値指示関数部 54 舵角速度センサ(舵角速度検出手段) 55 乗算定数関数部 56 乗算演算部 100 可変手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 137:00 B62D 137:00 (56)参考文献 特開 昭63−291769(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 5/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するアシストモータと、 検出操舵トルク、検出車速に基づいて前記アシストモー
    タをアシストするアシスト指令値を作成するアシスト指
    令値作成手段と、 前記アシスト指令値に基づいて前記アシストモータを制
    御する制御手段と、 操舵系の舵角加速度を検出する舵角加速度検出手段と、 前記舵角加速度検出手段より出力される舵角加速度信号
    に応じて前記アシストモータの慣性を補償する慣性制御
    信号を発生し、前記アシスト指令値に正帰還する慣性制
    御手段と、 を備えた電動式パワーステアリング装置において、 前記慣性制御手段に設けられ、前記舵角加速度信号を入
    力とし、所望の周波数域で位相を進ませると共にノイズ
    除去機能を有するファジー演算フィルタと、 操舵系の舵角速度を検出する舵角速度検出手段と、 前記舵角速度検出手段より出力される舵角速度に基づい
    て前記慣性制御信号のレベルを増大させるように補正す
    可変手段と、 を設けたことを特徴とする電動式パワーステアリング装
    置。
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