JPH06136218A - 硬化性含フッ素ポリマー組成物およびその硬化方法 - Google Patents

硬化性含フッ素ポリマー組成物およびその硬化方法

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JPH06136218A
JPH06136218A JP30934192A JP30934192A JPH06136218A JP H06136218 A JPH06136218 A JP H06136218A JP 30934192 A JP30934192 A JP 30934192A JP 30934192 A JP30934192 A JP 30934192A JP H06136218 A JPH06136218 A JP H06136218A
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fluorine
monomer
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copolymer
polymerization
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Atsushi Watakabe
淳 渡壁
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の含フッ素ポリマーの持つ耐熱性、耐薬品
性等の優れた特性を有し、硬化可能な含フッ素硬化性組
成物を提供する。 【構成】5以上のC原子またはO原子を介して反応性の
異なる二つの二重結合を有するパーフルオロジエン単量
体と少なくとも一種の他の単量体との共重合体であっ
て、他の単量体の全部または少なくとも一種が含フッ素
単量体であることを特徴とする含フッ素共重合体に架橋
剤が配合された硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性含フッ素ポリマ
ー組成物およびその硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性や耐薬品性の優れた含フッ
素ポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE樹脂)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP樹脂)、ポリクロロトリフ
ルオロエチレン(PCTFE樹脂)、テトラフルオロエ
チレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA樹脂)、エチレン/テトラフルオロエチレン共
重合体(ETFE樹脂)等が知られているが、これらの
(共)重合体は線状構造を有しているため、ある温度以
上になるとそれまでの形状を保てなくなり、流れてしま
うという短所を有している。
【0003】含フッ素共重合体の側鎖に二重結合を導入
した例は、特開昭56−79142号、および特開昭5
6−84711号に見られるが、二重結合の導入方法お
よび架橋方法において本発明とは異なるものである。こ
れらにおいては式(2)の単量体の共重合体の熱分解ま
たは式(3)の単量体の共重合による方法が記載されて
いる。前者の方法は本発明とは物質も手法も異なるもの
であり、後者の方法は特開平1−131215号に見ら
れるように、このような二重結合の間隔が小さいジエン
モノマーは環化重合が優先的に起こるので側鎖に二重結
合を導入する方法としては得策ではない。 CF2=CFOCF2CF2CO2Na 式(2) CF2=CFOCF2CF=CF2 式(3)
【0004】一方で、重合時に架橋されたパーフルオロ
ポリマーを得る方法はパーフルオロジビニルエーテル単
量体の重合に関して米国特許3,310,606号およ
び特開昭62−59610号に開示されているが、単量
体の二つの二重結合がいずれも重合反応性が大きいの
で、このポリマーは重合時に架橋が起こってしまい、成
形加工が困難であるという短所を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な課題を克服するため、従来の含フッ素ポリマーの持つ
優れた特性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特
性を合わせ有する含フッ素ポリマー硬化体を与える組成
物および硬化方法を新規に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明は反応
性の異なる二つの二重結合を有する単量体を共重合する
ことにより、ポリマーの側鎖に二重結合を導入し、架橋
剤を配合することにより、成形加工が容易で、熱処理や
放射線処理等の後処理により、優れた耐熱性、耐薬品性
を有する硬化物を与える硬化性含フッ素組成物を新規に
提供する。
【0007】すなわち、本発明は式(1)のパーフルオ
ロジエン単量体と少なくとも一種類以上の他の単量体と
の共重合体であって、他の単量体の全部または他の単量
体の少なくとも一種類が含フッ素単量体である含フッ素
共重合体に架橋剤が配合された硬化性組成物を提供す
る。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
【0008】本発明に用いられる単量体は二つの二重結
合の間に5個以上の炭素または酸素原子を有しており、
例えば特開平1−131215号に開示されているよう
に二つの二重結合の間の炭素原子または酸素原子の数が
2〜4個の場合には5〜6員環を生成する環化重合が支
配的になるために、二重結合の側鎖部への導入は効率よ
く起こらない。
【0009】本発明に用いられる単量体は例えば式
(4)の化合物を熱分解することにより得ることができ
る(特開昭55−15410号)。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF2CF2COOM 式(4) (n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数、Mはアルカリ
金属)
【0010】また、特開平1−143844号に記載さ
れている式(1)でn=1〜3、m=2の化合物の製造
方法を以下に示す。
【化1】
【0011】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体は合成副生成物としてヘキサフルオロプロピレンオ
キシドが逆向きに付加した例えば式(5)のような化合
物を含有していてもよい。 CF2=CFO(CF(CF3)CF2O)n(CF2)mCF=CF2 式(5) (n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
【0012】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体と共重合する単量体はラジカル重合性であれば特に
特定する必要はないが、耐熱性、耐薬品性に優れた含フ
ッ素弾性体または含フッ素樹脂を提供するという観点か
らは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピ
レン、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフ
ルオロ(ブテニルビニルエーテル)、パーフルオロ
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、クロロ
トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジ
フルオロ−2,2−ジクロロエチレン、1,1,1,
3,3−ペンタフルオロプロピレン、エチレン、塩化ビ
ニル、パーフルオロニトロソメタン、パーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エ
チレン等が一種または二種以上の組合せで用いられる。
また、イオン交換能を付与したり表面エネルギーを調整
するために以下に示したパーフルオロモノマーやアクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含
フッ素アルキルアクリレート、含フッ素アルキルメタク
リレート等を用いることもできる。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCO2R CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mSO2F (nは0〜3の整数、mは1〜3の整数、Rはメチル基
やエチル基等のアルキル基)
【0013】重合方法としてはラジカル重合が用いられ
る。すなわち、重合方法としては、ラジカル的に進行す
るものであれば手段は何ら制限されないが、バルク重
合、溶液重合、懸濁重合または乳化重合を用いることが
できる。本発明で使用する重合開始剤としては遊離ラジ
カル重合開始剤が好ましく、例えばジ(フルオロアシ
ル)パーオキシド類、ジ(クロロフルオロアシル)パー
オキシド類、ジアルキルパーオキシジカーボネート類、
ジアシルパーオキシド類、パーオキシエステル類、アゾ
ビス化合物類、過硫酸塩類などが挙げられる。重合媒体
としては、溶液重合ではフロン11、フロン113など
のフロン類、t−ブタノールなどが挙げられ、懸濁重
合、乳化重合では水または前述のような他の溶媒との混
合媒体が用いられる。重合温度は0〜100℃の範囲か
ら選択することができる。重合圧力は使用するモノマー
によって異なるが、例えばテトラフルオロエチレンとの
共重合では0.5〜30kg/cm2 Gの範囲から選択
することができる。
【0014】このようにして重合で得られた共重合体は
側鎖に反応性の高い二重結合を有するので、架橋剤を配
合した後、熱処理、放射線処理等によって共重合体を硬
化させることが可能である。
【0015】本発明の含フッ素ポリマーは、種々の配合
により架橋可能であるが、例えばラジカル発生源を用い
て架橋することができる。ラジカル発生源としてはアゾ
ビス化合物やパーオキシ化合物が使用可能である。そし
て、パーオキシ化合物としては、種々例示され得る。例
えば、ジベンゾイルパーオキシド、ジパーフルオロプロ
ピオニルパーオキシドの如きジアシルパーオキシド、ジ
クミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t
−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエートの如きパーオキシエステル類などのモノパーオ
キシ化合物、および2,5−ジメチル−2,5−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサ
ン、α,α’−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−p−
ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサンなどのジパー
オキシ化合物などが挙げられる。これらは、一種類単独
あるいは二種以上混合して使用され得る。かかる化学架
橋剤の添加量は、通常含フッ素ポリマー100重量部あ
たり、0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部
程度が採用される。
【0016】また、複数の二重結合を有する架橋剤とし
ては、アリル基(CH2=CHCH2-)を2個以上有する多アリ
ル化合物やトリフルオロビニロキシ基(CF2=CFO-)を2
個以上有するパーフルオロ多ビニルエーテル化合物など
を例示することができる。多アリル化合物としては、グ
リセリンのジアリルエーテル、ジアリルアミン、トリア
リルアミンの如き多アリル基置換のアルキルまたは芳香
族アミン、トリアリルリン酸などで代表される多アリル
基置換のリン酸または亜リン酸、コハク酸ジアリル、ア
ジピン酸ジアリル、フタル酸ジアリルの如きカルボン酸
の多アリル置換体、ジアリルメラミン、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられ
る。これらは、一種類単独あるいは二種以上混合して使
用され得る。好適な具体例としては、シアヌル酸トリア
リル、リン酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、
フタル酸ジアリル、ジアリルメラミンなどを例示し得
る。また化2(特開昭60−197712号参照)のよ
うな複数の含フッ素アリル基を有する架橋剤を例示する
こともできる。
【化2】
【0017】トリフルオロビニロキシ基を複数有する化
合物としては例えば化3、化4に列挙される化合物を用
いることができる。かかる架橋剤の添加量は、含フッ素
ポリマー100重量部あたり、0.1〜100重量部、
好ましくは0.2〜50重量部程度が採用され得る。
【化3】
【化4】
【0018】式(6)の架橋剤は化5の合成ルートによ
り合成可能である。
【化5】
【0019】式(7)の架橋剤は化6の合成ルートによ
り合成可能である。
【化6】
【0020】式(8)の化合物の合成方法は文献(R.Su
llivan, J. Org. Chem., Vol.34, p1841-1844,(1969))
に記載されている。
【0021】本発明の含フッ素ポリマーを架橋せしめる
際には、従来の架橋方法などで通常使用される種々の添
加剤も添加配合され得る。これらの添加剤は、酸化マグ
ネシウム、酸化鉛の如き金属酸化物、水酸化カルシウム
の如き金属水酸化物、あるいはカーボンブラック、ファ
インシリカ、クレイ、タルクの如き補強剤、その他の充
填剤、顔料、酸化防止剤、安定剤などを包含する。
【0022】ラジカル発生源を含む硬化性組成物の熱処
理温度は100〜300℃が適当であり、好ましくは1
50〜250℃の範囲から選択される。また本発明の硬
化性組成物は電子線、紫外線、γ線等の放射線により硬
化させることも可能であり、これらの方法を組み合わせ
て用いてもよい。紫外線硬化の場合には必要に応じて光
重合開始剤を添加してもよい。放射線処理の手法は、含
フッ素ポリマーによる電線被覆の分野において有用であ
り、電子線照射が好んで用いられる。
【0023】パーフルオロ不飽和基と反応可能なアミノ
基、ヒドロキシル基を複数個もつ化合物を用いて架橋す
ることも可能である。特に芳香族ポリヒドロキシ化合物
はポリマー中のパーフルオロ不飽和基と適当な触媒の存
在下に迅速に反応して、強固な架橋を形成する。
【0024】芳香族ポリヒドロキシ化合物としては、ヒ
ドロキノン、ビスフェノールA、ヘキサフルオロビスフ
ェノールA(ビスフェノールAF)、p,p’−ビスヒ
ドロキシジフェニルメタン等が使用可能である。また、
促進剤として多岐に亘る化合物が使用可能であり、直鎖
ポリオール、環状ポリオール、アミン、アミン塩、第四
級アンモニウム塩、ホスホニウム塩等が代表的である。
特に、直鎖状または環状ポリオール、ホスホニウム塩、
第四級アンモニウム塩は好適である。さらに、例えば、
ヒドロキノンを架橋剤として用い、直鎖状ポリオールを
促進剤とする場合には、弱酸のアルカリ金属塩等を存在
させることによって系を弱アルカリ性に保つ方法が有効
である。これらの方法をはじめとする当該分野において
公知ないしは既知の方法が利用可能である。
【0025】アミノ基を有する化合物としては、ヘキサ
メチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミ
リデン−1,6−ヘキサジアミン、4,4’−ビス(ア
ミノシクロヘキシル)メタンカルバメート等が使用可能
である。アミノ基を有する化合物を使用するときの架橋
条件は、100〜400℃、好ましくは150〜250
℃で1秒〜48時間程度であることが好ましい。
【0026】前記の如きポリヒドロキシ化合物またはア
ミノ基を有する化合物からなる架橋剤は、特定の含フッ
素ポリマー100重量部あたり0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜5重量部程度の使用量にて配合され得
る。また、促進剤の配合割合は、特定の含フッ素ポリマ
ー100重量部あたり0.1〜10重量部、好ましくは
0.5〜5重量部程度の使用量にて配合され得る。
【0027】本発明の含フッ素ポリマーにおいては、パ
ーフルオロジエン単量体に基づく重合単位が、0.01
モル%以上の割合で含有するものが好ましい。この重合
単位の割合が少なすぎると本発明の目的である硬化物を
得ることが難しくなる。また、上限は特に限定されない
が、40モル%も含有していれば十分である。また、残
部は、ラジカル重合性単量体に基づく単位であるが、ポ
リマー中の含フッ素単量体(パーフルオロジエン単量体
を含む)に基づく単位が50モル%以上であることが耐
薬品性、耐熱性に優れた含フッ素ポリマーまたはその硬
化物が得られることから好ましい。
【0028】本発明においては、特定の含フッ素ポリマ
ーに前記の如き種々の添加剤を添加する場合、架橋剤、
促進剤、その他の添加物を充分均一に混合することが望
ましい。かかる混合は、従来より通常使用されているゴ
ム混錬用ロール、またはバンバリーミキサー、押し出し
機等によって行われ得る。また、特定の含フッ素ポリマ
ーと添加物の一方または両者を適当な溶媒中に溶解また
は分散させて混合し、溶媒を留去してもよい。ロール、
ボールミル、ホモジナイザー等の混合機を使用してもよ
い。
【0029】本発明に用いられる含フッ素ポリマーの分
子量については、室温で液状のものから、室温では固体
で高温で溶融流動性を示すものまで使用可能である。低
分子量体はゴムの原料として用いることができ、室温で
固体であるが高温で溶融流動性を示すものは熱可塑性と
熱硬化性とを合わせ有する成形性の優れた成形材料を提
供する。
【0030】本発明は、共重合組成の選択によりゴムか
ら樹脂まで幅広く適用できる。硬化されたゴムを作成す
るには、従来知られている重合組成に本発明に用いられ
るパーフルオロジエン単量体を適当量添加して共重合
し、架橋剤などを配合後、熱処理や放射線処理等で硬化
させることが可能である。例えばパーフルオロ(アルキ
ルビニルエーテル)を10〜40モル%、パーフルオロ
ジエン単量体を0.01〜20モル%含有し、テトラフ
ルオロエチレン(残部)との三元共重合体を硬化させる
ことにより弾性体を得ることができる。一方、樹脂の分
野では、組成組成、分子量の選択により熱硬化温度より
も低い温度範囲では熱可塑性を示すような、熱可塑性と
熱硬化性の両方を備えた共重合体の調製が可能である。
【0031】そして、ゴム、樹脂のいずれにおいてもラ
ジカル重合性単量体として完全フッ素置換の単量体を用
いてパーフルオロ共重合体を合成し、架橋剤にもパーフ
ルオロの化合物を用いると、パーフルオロの硬化性組成
物を調製できるという特徴を有する。このようなパーフ
ルオロコポリマーを十分に硬化させると非常に耐熱性お
よび耐薬品性に優れるパーフルオロの硬化物が得られ
る。
【0032】特に、配合する含フッ素ポリマーが式
(1)のパーフルオロジエン単量体とテトラフルオロエ
チレンの共重合体であってそれぞれに基づく単位を0.
01〜40モル%、99.99〜60モル%で含有する
場合に硬化体はバランスのとれた機械的物性および各種
薬品に対する耐性等が得られる。この場合、未硬化状態
の含フッ素ポリマーが常温において固体であり、高温で
流動性を示す程度の分子量を有することが好ましい。常
温で固体でないものは成形作業性に劣る。加熱成形する
うえで好ましい分子量は、硬化温度や成形温度にも依存
するが、容量流速(実施例に示す方法に従って測定)
が、5〜50kg重の荷重を用いて20〜300℃の間
のある温度において0.1〜1000mm3 /秒となる
値である。
【0033】
【実施例】
実施例1 共重合体の合成 100cm3 のオートクレーブにCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF
2CF2CF=CF2(以下PGBVと略す)を24.4g、フロ
ン113(1,1,2−トリクロロトリフルオロエタ
ン)を20.6g、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネートを45mg、メタノールを0.09g仕込み、液
体窒素で冷却して脱気したのち40℃にてテトラフルオ
ロエチレンを逐次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに
保持した。16時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈
を繰り返し60℃で真空乾燥をして共重合体6.8gを
得た。赤外吸収スペクトルには1788cm-1に側鎖の
二重結合による強い吸収が観測された。得られた共重合
体の容量流速をフローテスタ(島津製作所製)を用いて
測定した。170℃、荷重10kg重で1mmφ、長さ
2mmのダイを用いて測定したところ、容量流速は4.
7mm3 /秒であった。重合で得られた共重合体の組成
19F−NMRで調べたところPGBVの割合は12モ
ル%であった。
【0034】硬化試験 上述のようにして得られたテトラフルオロエチレンとP
GBVの共重合体にトリアリルイソシアヌレートを小型
押し出し機を用いて重量比で10:1の割合で160℃
で混合した。170℃で厚さ約0.5mmのプレスフィ
ルムを作成したのち、電子線を5、20、50、100
Mrad照射した。25℃における引張り弾性率はそれ
ぞれ9.8×108 、2.8×109 、4.8×10
9 、7.2×109 dyn/cm2 であった。200℃
では電子線照射したサンプルは溶融流動せず、引張り弾
性率の値はそれぞれ2.7×107 、1.3×108
3.1×108 、4.9×108 dyn/cm2 であっ
た。溶融流動性がなく、高温領域では弾性率の低下が小
さいことから、架橋が進行していることが分かる。例え
ば、20Mrad照射したサンプルの150℃、200
℃、250℃における弾性率はそれぞれ1.8×10
8 、1.3×108 、1.1×108 dyn/cm2
あった。
【0035】実施例2 実施例1と同様にして合成したテトラフルオロエチレン
とPGBVの二元共重合体(容量流速127mm3
秒、130℃、荷重30kg重)に2,4,6−トリス
(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−3−
((トリフルオロエテニル)オキシ)プロピル)−1,
3,5−トリアジン(明細書本文中式(6)の化合物)
を重量比で10:3の割合で100℃で小型押し出し機
を用いて混合した。電子線を30、50Mrad照射し
たときの25℃における弾性率はそれぞれ2.5×10
8 、1.1×109 dyn/cm2 であり、200℃に
おける弾性率はそれぞれ2.5×107 、4.6×10
7 dyn/cm2 であった。50Mrad照射したサン
プルの150℃、200℃、250℃における弾性率は
それぞれ6.5×107 、4.6×107 、2.8×1
7 dyn/cm2 であった。溶融流動性がなく、高温
領域における弾性率変化が小さいことから架橋している
ことが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明の組成物を硬化させることによ
り、従来の含フッ素ポリマ−の持つ優れた特性を損なう
ことなく、成形性と優れた機械的特性を合わせ有する含
フッ素ポリマー硬化体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/00 // C08F 216/12 MLA 6904−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)のパーフルオロジエン単量体と少
    なくとも一種類以上の他の単量体との共重合体であっ
    て、他の単量体の全部または他の単量体の少なくとも一
    種類が含フッ素単量体である含フッ素共重合体に架橋剤
    が配合された硬化性組成物。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
  2. 【請求項2】架橋剤が複数のビニル基を有する有機化合
    物を含有することを特徴とする請求項1の硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】含フッ素共重合体がパーフルオロ共重合体
    であることを特徴とする請求項1の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】請求項2の硬化性組成物を放射線処理する
    ことを特徴とする硬化方法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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