JPH06133779A - 新規dna化合物及びそれを用いて得られる組換体による3−メチル−7−アルキルキサンチンの製造法 - Google Patents

新規dna化合物及びそれを用いて得られる組換体による3−メチル−7−アルキルキサンチンの製造法

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JPH06133779A
JPH06133779A JP31295492A JP31295492A JPH06133779A JP H06133779 A JPH06133779 A JP H06133779A JP 31295492 A JP31295492 A JP 31295492A JP 31295492 A JP31295492 A JP 31295492A JP H06133779 A JPH06133779 A JP H06133779A
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dna
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Yoshinao Koide
芳直 小出
Seiji Nakane
誠治 中根
Yutaka Imai
豊 今井
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Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カフェインデメチラーゼの遺伝子を含むDNA
断片及び該DNA断片を組み込んだ組換体DNAで形質
転換された細菌及びその用途を提供する 【構成】カフェイン代謝能を持つシュードモナス属細菌
が産生するカフェインデメチラーゼの遺伝子を含むDN
A断片及び該DNA断片を組み込んだ組換体DNAで形
質転換された新規シュードモナス属細菌、そして該微生
物による3−メチル−7−アルキルキサンチンを製造す
ることができ、本物質は医薬品の重要な中間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カフェイン代謝能を持
つシュードモナス属細菌が産生するカフェインデメチラ
ーゼの遺伝子を含むDNA断片及び該DNA断片を組み
込んだ組換体DNAで形質転換された新規シュードモナ
ス属細菌、そして該微生物による3−メチル−7−アル
キルキサンチンの製造法に関する。3−メチル−7−ア
ルキルキサンチンは医薬品の重要な中間体である。
【0002】例えば3,7−ジメチルキサンチン(テオブ
ロミン)は1−(5−オキソヘキシル)−3,7−ジメチ
ルキサンチン(ペントキシフィリン)合成の重要な中間
体である。更に3−メチル−7−プロピルキサンチン
は、1−(5−オキソヘキシル)−3−メチル−7−プ
ロピルキサンチン(プロペントフィリン)合成の重要な
中間体として利用される。
【0003】
【従来の技術】3,7−ジメチルキサンチンは、カカオ豆
から抽出、あるいは3−メチル尿素からの合成法により
製造されている。又、3−メチル−7−プロピルキサン
チンは種々の化学的合成法で合成されている。
【0004】例えば1,3−ジメチル−7−プロピルキサ
ンチンをアルカリ剤で処理し、4−メチルアミノ−5−
メチルカルバモイル−1−プロピルイミダゾールとし、
尿素を反応せしめ、N−メチル−N−(5−メチルカル
バモイル−1−プロピル−イミダゾール−4−イル)−
尿素とし、次いでこれを閉環して合成する方法(特開平
1−180883)が知られている。
【0005】これらの抽出法あるいは合成法による3−
メチル−7−アルキルキサンチンの製造法以外にも、カ
フェイン資化能を持つ微生物を利用した方法(特願平4
−154380)も本発明者らによって提案されている。
【0006】シュードモナス属細菌のカフェイン代謝
は、下記のように進むと考えられている[Hoppe-Seyle
r' Z. Physiol. Chem. 358巻、807-817頁(1997)]。
【0007】
【0008】1〜3の各ステップでは、キサンチンの1
位、3位、7位のメチル基を特異的に脱離させる酵素が
存在していると考えられている。しかし、これらの酵素
については蛋白化学的な知見(分子量、等電点、アミノ
酸配列、アミノ酸組成など)は何も得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】カフェイン代謝能を持
つ微生物、又はその変異株を用いて1,3−ジメチル−7
−アルキルキサンチンから3−メチル−7−アルキルキ
サンチンを製造する場合、本来の基質であるカフェイン
以外の物質、例えば化合物(I)
【0010】
【化5】
【0011】(式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキ
ル基である)で表される化合物を基質として反応を行う
場合には、カフェインを基質とした場合に比較して変換
効率が悪い傾向があった。この様な傾向は、テオブロミ
ン以外の3−メチル−7アルキルキサンチンを工業的に
製造するには望ましくないものであった。こうしたこと
から、カフェイン以外の基質においてもより効率の良い
変換反応を行う方法を確立することが求められていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情に鑑み鋭意研究を重ね、1,3−ジメチル−7−ア
ルキルキサンチンから位置特異的に脱メチルする能力を
有する微生物を広く自然界に求めた。
【0013】意外にも先に本発明者らが自然界から分離
したカフェイン資化能を有するシュードモナス属に属す
る菌株を、1,3−ジメチル−7−アルキルキサンチンを
含む栄養培地で培養すると培養物に3−メチル−7−ア
ルキルキサンチンが生産されることを見いだした。
【0014】本発明者らは土壌より分離したカフェイン
資化能を有する微生物を変異改良することにより、カフ
ェインを構成的に代謝する変異株を得、さらに変異改良
することにより生成したテオブロミンを7−メチルキサ
ンチンへと脱メチル化する能力を欠失した二重変異株を
得、特許出願(特願平3−112471)をしている。
【0015】本二重変異株は自然界より分離した親株と
比較すると1,3−ジメチル−7−アルキルキサンチンか
ら3−メチル−7−アルキルキサンチンを製造する高い
能力を有している。
【0016】本発明者らは、上記二重変異株においてカ
フェイン代謝系の第1ステップの反応をより効率的に行
うことできれば、1,3−ジメチル−7−アルキルキサン
チンから3−メチル−7−アルキルキサンチンを製造す
る能力が高まると考えた。さらに、本発明者らは、この
反応を触媒すると考えられるカフェインデメチラーゼの
活性を増強するために鋭意、検討した結果、これまで蛋
白的な知見が得られていないカフェインデメチラーゼの
遺伝子をクローン化することに成功し、本発明を完成す
るに至った。
【0017】即ち、本発明は、 シュードモナス属細菌由来のカフェインデメチラー
ゼ遺伝子を含むDNA断片。 図1に示す制限酵素地図により規定される上記記
載のDNA断片。 図1におけるAccI−NdeI間の塩基配列が配列番号:
1で示される上記又は記載のDNA断片。 上記、又はのDNA断片の全体若しくはその
一部をベクターに組み込んだ組換え体DNA。 上記の組換え体DNAで形質転換された新規シュ
ードモナス属細菌。 上記の新規シュードモナス属細菌の宿主がシュー
ドモナス・プチダIF-3-9C-21である新規シュードモナス
属細菌。 上記記載の新規シュードモナス属細菌を下記一般
式[I]
【0018】
【化6】
【0019】(式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキ
ル基である)で表される化合物を含む栄養培地で培養し
て培養物中に下記一般式[II]
【0020】
【化7】
【0021】(式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキ
ル基である)で表される化合物を生成せしめることを特
徴とする3−メチル−7−アルキルキサンチンの製造
法。 微生物の培養物、菌体、若しくはこれらの処理物を
下記一般式[I]
【0022】
【化8】
【0023】(式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキ
ル基である)で表される化合物に接触作用せしめ、下記
一般式[II]
【0024】
【化9】
【0025】(式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキ
ル基である)で表される化合物を生成せしめることを特
徴とする3−メチル−7−アルキルキサンチンの製造
法。を提供する。
【0026】本発明に係るDNA及び組換え体微生物
は、大略、下記の工程によって造成することができる。
【0027】 カフェインデメチラーゼ遺伝子クロー
ニング用宿主の作成 カフェイン代謝を持つシュードモナス・プチダIF-3(FE
RM BP-3824)株を変異処理してカフェイン資化能を失
い、且つテオブロミン資化能を失っていない株(シュー
ドモナス・プチダIF-3-19)を分離する。 シュードモナス・プチダIF-3(FERM BP-3824)から
全DNAを抽出し、適当な制限酵素(例えばHindIII)
で部分分解する。 で得られたDNA断片をpNI20CのHindIII認識部
位に挿入連結し、組換えDNAを作る。 で得られた組換え体DNAを用いて、で得られ
たシュードモナス・プチダIF-3-19株を形質転換し、カ
フェイン資化能を回復した形質転換株を得る。 組換え体DNAをサブクローニングし、得られたD
NA断片の塩基配列を決定し、カフェインデメチラーゼ
のコード領域を決定する。 カフェインデメチラーゼの全コード領域を含む適量
な大きさのDNA断片(該遺伝子のプロモーター、ター
ミネーター等の領域も含むことが推定される断片)をシ
ュードモナス属細菌形質転換用ベクター(pNI107)に組
み込んで組換え体DNAを作成する。 上記組換え体DNAを用いて、シュードモナス・プ
チダIF-3-9C-21を形質転換する。 上記により得られた形質転換体により、1,3−ジ
メチル−7−アルキルキサンチンから3−メチル−7−
アルキルキサンチンへの変換能力を確認する。
【0028】上記工程中で、DNAの扱いに必要な一般
的な操作は、当業者で通常行われているものであり、例
えば、Maniatisらの実験操作書[Molecular Cloning A
Laboratory Manual, Cold Spring Harber Laboratory
(1989)]に従えば、容易に実施できる。使用される酵
素、試薬類は全て市販の製品が用いられ、特に断らない
限り、製品で指定されている使用条件に従えば、完全に
それらの目的を達成することができる。
【0029】例えば、上記において、DNA抽出源と
しては、シュードモナス・プチダIF-3(FERM BP-382
4)、シュードモナス・フラビダIF4(FERM P-10865)
等の菌が使用できる。
【0030】又、該菌からの全DNAの抽出は、例え
ば、Saitoらの方法[Biochim. Biophys. Acta、72巻、6
19-629頁(1963)]に準じて行うことができる。
【0031】上記におけるDNAの塩基配列の決定法
も公知であるジデオキシ法[Proc.Nati. Acad. Sci. US
A、73巻、5463頁(1977)]を用いることができる。
【0032】上記、におけるシュードモナス・プチ
ダ形質転換用ベクターとしては、例えば、pNI107、pNI2
0C(特開平3−67590、特開平3−67591)等を使用する
ことができる。
【0033】又、におけるシュードモナス・プチダの
形質転換は、例えばBagdasarianらの方法[Gene、16
巻、237頁(1981)]に準じて行うことができる。
【0034】以下、実施例により本発明を詳述するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
実施例1 カフェイン資化性菌由来のカフェインデメチ
ラーゼ遺伝子の単離 (1) カフェインデメチラーゼ欠損変異株の作成 シュードモナス・プチダIF-3(FERM BP-3824)株より得
たカフェイン資化に関して構成的になった変異株IF-3-9
CをTY培地(バクトトリプトン 1.0%、バクトイース
トエキストラクト 0.5%)で対数増殖期まで培養した。
遠心分離により集菌・洗浄を行った後、5mlの50mM ト
リス・マレイト緩衝液(pH6.0)に懸濁した。
【0036】この菌体懸濁液にNTGを終濃度100μg/m
lになるように加え、30℃で30分間放置した。NTG処
理後、0.9% NaClで2回洗浄した後、カフェイン最小培
地[カフェイン 0.3%、硫酸アンモニウム 0.3%、リン
酸ニカリウム 0.5%、塩化ナトリウム 0.1%、硫酸マグ
ネシウム・7水塩 0.2%(pH7.0)]にカルベニシリン
(終濃度500μg/ml)を加えて、30℃で一夜振盪後、0.9
% NaClにて、2回洗浄した。
【0037】洗浄菌体を1mlの0.9% NaClに懸濁し、適
当に希釈してLT寒天培地(バクトトリプトン 1%、
バクトイーストエキストラクト 0.5%)にまき、30℃で
1日培養後、カフェイン最少培地にレプリカする。30℃
で2日間培養後、カフェイン最少培地での生育が悪い株
のカフェイン、テオブロミン、7−メチルキサンチンの
資化能を調べ、テオブロミン、7−メチルキサンチンを
資化するがカフェインを資化することができない変異株
IF-3-19を得た。
【0038】IF-3-19は、カフェインからテオブロミン
への変異転換を行わない変異株、即ち、カフェインデヌ
チラーゼ欠損変異株である。
【0039】(2) カフェインデメチラーゼ遺伝子のクロ
ーニング シュードモナス・プチダIF-3(FERM BP-3824)及びシュ
ードモナス・フラビダIF-4(FERM P-10865)の全DNA
をSaito Miuraの方法[Biochim. Biophys. Acta、72
巻、619-629頁(1963)]に準じて調製した。得られた
全DNAをHindIIIで部分分解したもの(約1μg)とpN
I20CをHindIIIで消化後、脱りん酸したベクター(約2
μg)をT4DNAリガーゼにて連結した。得られた組換
えプラスミドDNAを用いて、カフェインデメチラーゼ
欠損変異株、シュードモナス・プチダIF-3-19を形質転
換し、カナマイシン(25μg/ml)を含むカフェイン最小
寒天培地にまいた。
【0040】30℃、2日間培養したところ、シュードモ
ナス・プチダIF-3由来形質転換株が4株、シュードモナ
ス・フラビダIF-4由来形質転換株が3株得られた。
【0041】得られた形質転換株からプラスミドを調製
し、HindIIIにより消化後、その切断パターンをアガロ
ースゲル電気泳動により確認したところ、図1に示すHi
ndIIIで切り出される2.4kbと4.3kbのDNA断片を共通
に保持していた。
【0042】(3) カフェインデメチラゼーゼのサブクリ
ーニング及びその位置の限定 (2)で得られたプラスミドの1つをpTF1と命名した。pTF
1を種々の制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動
法により解折した結果、図1で示される6.7kbの挿入D
NA断片の制限酵素地図が得られた。次にこの断片中に
存在するカフェインデメチラーゼコード領域を限定する
ために、種々の制限酵素による消化断片をpNI107に挿入
連結して得た組換えDNAを用いてシュードモナス・プ
チダIF-3-19株を形質転換し、IF-3-19のカフェイン資化
能を回復させるDNA断片としてAccI-NdeIで切り出さ
れる1.7kbのDNA断片を得た。この断片を持つプラス
ミドをpCA32Aと命名した。
【0043】(4) pCA32Aに存在するカフェインデメチラ
ーゼ遺伝子の確認 (3)までの工程で得られたpCA32Aの挿入DNA断片がカ
フェインデメチラーゼをコードしていることを確認する
ためにカフェイン資化能を持たないシュードモナス・プ
チダATCC 8209にpCA32Aを導入して得られる形質転換株
がカフェインからテオブロミンへの変換を行うことを確
認した。以下にその詳細を説明する。
【0044】カフェイン資化能を持たない、即ちカフェ
イン、テオブロミン、7−メチルキサンチンいずれも資
化することができないシュードモナス・プチダATCC 820
9に(3)で得られたpCA32Aを導入して、形質転換体8209/p
CA32Aを得た。同時にプラスミドベクターであるpNI107
を導入した8209/pNI107を得た。
【0045】これらの形質転換株を5mlのTYKG培地
[バクトトリプトン 1.5%、バクトイーストエキストラ
クト 0.75%、りん酸2カリウム 0.5%、グルコース 0.
2%、カナマイシン 25μg/ml(pH6.7)]に接種し、30
℃、8時間振盪した後、該菌液0.5mlを50mlのTYKG
培地が入った500ml容坂口フラスコ10本に接種して30
℃、16時間振盪培養した。
【0046】得られた培養液(500ml)を遠心(7000rp
m、10分間)し、菌体を沈殿させた後、20mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH6.0)にて洗浄し、30mlの同緩衝液に
懸濁し、洗浄菌体を得た。
【0047】得られた洗浄菌体液0.5mlに100mM カフェ
イン(105μl)、50mM NADH(210μl)、0.8M リン酸ナ
トリウムバッファー(50μl)、水(1135ml)を加え
て、25℃で16時間反応させた後、反応液(475μl)をと
り、25μlの50%トリクロロ酢酸の中へ加えて反応を停
止した。該液を遠心分離して得られる上清を高速液体ク
ロマトグラフィーに供し、反応生成物であるテオブロミ
ンを定量することにより、カフェインデメチラーゼ活性
を確認した。
【0048】高速液体クロマトグラフィーのカラムはOD
S-80TM(東ソー製)を用い、移動相としては17%アセト
ニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸を用いて、流速は1m
l/分、検出波長は、272nmで行った。その結果、表1に
示すとおり、プラスミドベクターであるpNI107により形
質転換された株では、反応産物であるテオブロミンの生
成が認められないにもかかわらず、シュードモナス・プ
チダATCC 8209にpCA32Aを導入することにより得られた
形質転換体は、基質カフェインの18.6%が変換されて0.
16g/lのテオブロミンが生成した。
【0049】
【表1】
【0050】このことからpCA32Aの挿入DNA断片上に
はカフェインデメチラーゼ遺伝子が存在していることが
明らかになった。
【0051】(5) カフェインデメチラーゼ遺伝子の塩基
配列 pCA32Aに挿入連結されたAccI-NdeI 約1.7kbのDNA断
片の全塩基配列をサンガーウの方法に基づき決定した。
塩基配列の具体的手法は、AccI-NdeIで切り出されるD
NA断片をKlenow断片により平滑末端化した後、pUC118
のSmaI認識部位に挿入連結し、挿入方向の異なるプラス
ミド118Aと118Bを得た。
【0052】得られたプラスミドをデレーションキット
(宝酒造製)により挿入DNA断片を段階的に欠失させ
た欠失プラスミドを作製した。得られた欠失プラスミド
を鋳型としてシークエンシングキット(アプライドバイ
オシステムズ社製)により、DNAの伸長反応を行った
後、DNAシークエンサーにより塩基配列を読みとっ
た。その結果、該DNA断片中には唯一のオープンリー
ディングフレームが存在していることが判明した。
【0053】配列番号:1の上段に1685bpのカフェイン
デメチラーゼ遺伝子を含むDNA塩基配列及び下段に推
定されるアミノ酸配列を示した。
【0054】実施例2 pCA32Aにより形質転換された菌
株による1,3−ジメチル−7−アルキルキサンチンから
3−メチル−7−アルキルキサンチンの生成 シュードモナス・プチダIF-3-9C-21(FERM BP-3825)を
pCA32Aにより形質転換し、シュードモナス・プチダIF-3
-9C-21/pCA32Aを得た。
【0055】シュードモナス・プチダIF-3-9C-21/pCA32
Aを肉エキス(極東製薬工業製)0.5%、ミーストP1G
(アサヒビール製)0.3%、リン酸2カリウム 0.3%か
らなる組成の培地(pH6.7)75mlの入った500ml容の坂口
フラスコに接種し、30℃で16時間培養して前培養液とし
た。5L容ミニジャーに、2Lの前記培地に1,3−ジメ
チル−7−アルキルキサンチンを0.5%加えた培地を調
製した。
【0056】 1,3−ジメチル−7−アルキルキサンチンの種類 1,3−ジメチル−7−エチルキサンチン (DEX) 1,3−ジメチル−7−プロピルキサンチン (DPX) 1,3−ジメチル−7−ブチルキサンチン (DBX)
【0057】前培養液を1%接種することにより培養を
開始した。培養条件は下記に示す。 培養温度 30℃、培養開始7時間後、25℃に温度
コントロール pH 培養開始4時間後、pHコントロール
(pH6.6〜pH6.8)と流加培地投入を開始 通気攪拌 1v.v.m、600rpm 培養時間 24〜48時間 攪拌翼 6枚ディスタービン付き平型攪拌翼 流加培地組成 グルコース 17% グルタミン酸ナトリウム 2% 肉エキス 4% ミーストP1G 4%
【0058】上記培養条件で培養した結果、表2に示す
ように基質としてDEX、DPX、DBXを用いた場合
には1位のメチル基が脱離メチルしたMEX、MPX、
MBXMの生成が認められた。
【0059】
【表2】
【0060】実施例3 シュードモナス・プチダIF-3-9
C-21/pCA32Aによるカフェインのテオブロミンへの変換
と1,3−ジメチル−7−プロピルキサンチンの3−メチ
ル−7−プロピルキサンチンへの変換 シュードモナス・プチダIF-3-9C-21とシュードモナス・
プチダIF-3-9C-21/pCA32Aを培地[肉エキス 0.5%、ミ
ーストP1G 0.3%、リン酸二カリウム 0.3%(pH6.
7)]75mlの入った500ml容の坂口フラスコに(組換え体
の場合にはカナマイシン 25μg/mlを入れる)し、30℃
で一夜、振盪培養して前培養液とした。
【0061】5L容ミニジャーに3Lの培地(肉エキス
0.5%、グルコース 0.1%、ミーストP1G 0.3%)に
0.5%のカフェイン又は1,3−ジメチル−7−プロピルキ
サンチンを加えた培地に前培養液を1%接種して培養を
開始した。培養条件は以下に示す。
【0062】 培養温度 30℃、培養開始7時間後、21℃に温度
コントロール pH 培養開始4時間後、pHコントロール
(pH6.6から6.8)開始 通気攪拌 1v.v.m、600rpm 攪拌翼 6枚ディスタービン付き平型攪拌翼 流加培地 肉エキス 25%、ミーストP1G 6
%、グルタミン酸ナトリウム 3%、カフェイン又は1,3
−ジメチル−7−プロピルキサンチン 1.0% 流加速度 12ml/時間、培養開始4時間後から流
加開始
【0063】培養中の1,3−ジメチル−7−アルキルキ
サンチンの濃度を測定し、その濃度が0.5mg〜2.5mg/ml
となるように適宜添加した。
【0064】上記培養専科により、1,3−メチル−7−
アルキルキサンチンから3−メチルアルキルキサンチン
への変換反応を行った結果、図3に示すように基質とし
て、カフェインと1,3−ジメチル−7−プロピルキサン
チンのいずれを使用した場合においてもpCA32Aを保持す
る組換え体(シュードモナス・プチダIF-3-9C-21/pCA32
A)がシュードモナス・プチダIF-3-9C-21の約2〜4倍
の変換生成物(テオブロミン、3−メチル−7−プロピ
ルキサンチン)を生ずることが明かとなった。
【0065】培養終了時点における基質及び生成物の量
を測定した。その結果、シュードモナス・プチダIF-3-9
C-21/pCA32Aにおいては、カフェインを基質とした場
合、50時間の培養時点ではカフェインを535g投入し、残
存カフェイン量は80gであった。そして、テオブロミン
の生成量は414gであり、カフェインからテオブロミンへ
の変換率は、98.9%であった。また、1,3−ジメチル−
7−プロピルキサンチンの場合では37時間の培養で基質
の投入量は350gであり、基質残存量は63g,そして3−
メチル−7−プロピルキサンチンの生成量は262gとなり
DPXからMPXへの変換率は97%であった。
【0066】
【発明の効果】本発明のDNA断片を利用することによ
り、カフェインの1位のメチル基を脱離させることを触
媒するカフェインデメチラーゼの合成能が高まった新規
なシュードモナス・プチダを創製することが可能となっ
た。当該シュードモナス・プチダを使用することによ
り、1,3−ジメチル−7−アルキルキサンチンから3−
メチル−7−アルキルキサンチンを効率よく生成させる
ことが可能となった。
【0067】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1685 配列の型:核酸 配列 GTAGACTGTC TTTACGCCCC GCACATTCTC TATCGTAAAA ATTTCCACGC TGAGCCCACG 60 CTAATTTAAT CAAGTCTCAT TCAACTGAGC CGCACAGCCG CGTGTCATTG AGTGATCACC 120 GGCAGTAACA TTTTACGGCT GAGCGGCTTG CAGCAATGTT TCTTTTATGC ACCAAACTCG 180 CCCACCTAAT GCACTAAATC GAACCATTAA AAACTTAGCT AATACTCTAA AATCTATTGG 240 ATTTGACCAC TTACATTTTT AACCGTCCAG AGCCTATCCG AAGTTGACAC GCGGGTCAGA 300 AATGGCCTAT TTTTTCTTTG TGTACCAGAT GATAAATCTG ATGTACCAGC CGTATGATTG 360 GCGTAAATAC ACCATTACCA AGTGTTTACC CTTTCTATGA GTAGATGTAG GAGACAGGGC 420 ACTCAGCTGA GTTGAGTGTT CATACATAAC AACGTCATCC ACAAAGGCTA CATAC 475 ATG GAA CAG ACA ATC AAT AAC AAC GAT CGC AAG TAC CTT CGG CAC 520 Met Glu Gln Thr Ile Asn Asn Asn Asp Arg Lys Tyr Leu Arg His TTT TGG CAT CCC GTC TGT ACA GTG ACA GAA CTG GAA AAG GCC CAC 565 Phe Trp His Pro Val Cys Thr Val Thr Glu Leu Glu Lys Ala His CCC TCC AGC CTA GGC CCA ATA GGG GTG AAG CTT CTA AAT GAG CAA 610 Pro Ser Ser Leu Gly Pro Ile Gly Val Lys Leu Leu Asn Glu Gln TTG GTT GTT GCT AAA CTT AGT GGC CAA TAC GTC GCA ATG CAT GAT 655 Leu Val Val Ala Lys Leu Ser Gly Gln Tyr Val Ala Met His Asp CGC TGC GCA CAT CGG TCG GCA AAG CTC TCC CTG GGC ACC ATC GCT 700 Arg Cys Ala His Arg Ser Ala Lys Leu Ser Leu Gly Thr Ile Ala AAT GAT CGA CTG CAA TGC CCT TAT CAT GGG TGG CAG TAC GAC ACG 745 Asn Asp Arg Leu Gln Cys Pro Tyr His Gly Trp Gln Tyr Asp Thr GAA GGT GCA TGT AAA CTA GTG CCG GCG TGC CCC AAC AGC CCC ATT 790 Glu Gly Ala Cys Lys Leu Val Pro Ala Cys Pro Asn Ser Pro Ile CCT AAT CGA GCT AAA GTT CAG CGA TTC GAT TGT GAA GAG CGG TAC 835 Pro Asn Arg Ala Lys Val Gln Arg Phe Asp Cys Glu Glu Arg Tyr GGT CTG ATT TGG GTA AGG CTG GAC TCA AGT TAT GCT TGC ACT GAG 880 Gly Leu Ile Trp Val Arg Leu Asp Ser Ser Tyr Ala Cys Thr Glu ATC CCA TAC TTC AGT GCA GCA AGC GAT CCG AAA CTT CGA GTC GTG 925 Ile Pro Tyr Phe Ser Ala Ala Ser Asp Pro Lys Leu Arg Val Val ATC CAA GAA CCC TAT TGG TGG AAC GCA ACA GCA GAG CGA CGT TGG 970 Ile Gln Glu Pro Tyr Trp Trp Asn Ala Thr Ala Glu Arg Arg Trp GAA AAC TTT ACA GAC TTT TCC CAT TTT GCG TTT ATC CAC CCT GGC 1015 Glu Asn Phe Thr Asp Phe Ser His Phe Ala Phe Ile His Pro Gly ACG CTG TTT GAT CCT AAC AAC GCG GAA CCG CCG ATC GTA CCG ATG 1060 Thr Leu Phe Asp Pro Asn Asn Ala Glu Pro Pro Ile Val Pro Met GAT CGT TTT AAT GGC CAA TTC CGT TTC GTT TAC GAT ACC CCG GAA 1105 Asp Arg Phe Asn Gly Gln Phe Arg Phe Val Tyr Asp Thr Pro Glu GAT ATG GCC GTT CCA GAT CAA GCC CCA ATT GGG TCG TTC TCT TAT 1150 Asp Met Ala Val Pro Asp Gln Ala Pro Ile Gly Ser Phe Ser Tyr ACC TGC AGC ATG CCC TTC GCT ATC AAT CTG GAA GTC GCT AAG TAC 1195 Thr Cys Ser Met Pro Phe Ala Ile Asn Leu Glu Val Ala Lys Tyr TCA AGC AAT TCA TTG CAT GTG CTT TTC AAC GTG TCA TGC CCA GTT 1240 Ser Ser Asn Ser Leu His Val Leu Phe Asn Val Ser Cys Pro Val GAC GAT AGC ACT ACC AAG AAC TTC TTG CTG TTC GCA AGG GAG CAG 1285 Asp Asp Ser Thr Thr Lys Asn Phe Leu Leu Phe Ala Arg Glu Gln GCT GAC GAT TCA GAT TAT CTT CAC ATT GCA TTT AAT GAT TTA GTC 1330 Ala Asp Asp Ser Asp Tyr Leu His Ile Ala Phe Asn Asp Leu Val TTT GCT GAA GAT AAG CCT GTG ATC GAG TCT CAA TGG CCG AAG ATG 1375 Phe Ala Glu Asp Lys Pro Val Ile Glu Ser Gln Trp Pro Lys Met CTC CGG CTG ATG AAG TTT CGG TTG TCG CGG ATA AAG TCT CGA TCC 1420 Leu Arg Leu Met Lys Phe Arg Leu Ser Arg Ile Lys Ser Arg Ser AGT ATA GAA AAT GGC TGC GGG AAC TGAAAG AGGCCCATCA AGACGGTGCT 1470 Ser Ile Glu Asn Gly Cys Gly Asn CAGGCTTTCC GTAGTGCGTT GCTGGACTCC GTGATCGAGA GCGATCGAAG CTACACCTAA 1530 CATTTGCGTA TGAGGGTGGC GCACTGCGCC TTTTTTTTTA GGGTCAAAAA AAGACGGCCT 1590 CCTAGGAGGC CGTAAACTCG CTACGTCCAA CTCGTATTAG GGCTTCTTGA ATGAATAGAC 1650 AGCCAATTTG TTCCCGTCGA GATCGCGCAC ATATG 1685
【図面の簡単な説明】
【図1】カフェインデメチラーゼ遺伝子の制限酵素地図
を示す。
【図2】ミニジャーによる培養経過を示す。図中で白丸
はシュードモナス・プチダIF-3-9C-21/pCA32Aによるテ
オブロミンの生成経過を示し、白三角はシュードモナス
・プチダIF-3-9C-21によるテオブロミンの生成経過を示
し、黒丸はシュードモナス・プチダIF-3-9C-21/pCA32A
による3−メチル−7−プロピルキサンチンへの生成過
程を示し、黒三角はシュードモナス・プチダIF-3-9C-21
による3−メチル−7−プロピルキサンチンへの生成過
程を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】シュードモナス属細菌のカフェイン代謝
は、下記のように進むと考えられている「Hoppe−
Seyler’Z.Physiol.Chem.358
巻、807−817頁(1972)]。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】カフェインデメチラーゼ遺伝子クローニ
ング用宿主の作成 カフェイン代謝を持つシュードモナス・プチダIF−3
−9C株を変異処理してカフェイン資化能を失い、且つ
テオブロミン資化能を失っていない株(シュードモナス
・プチダIF−3−19)を分離する。 シュードモナス・プチダIF−3(FERM BP−
3824)から全DNAを抽出し、適当な制限酵素(例
えばHindIII)で部分分解する。で得られた
DNA断片をpNI20CのHindIII認識部位に
挿入連結し、組換えDNAを作る。 で得られたDNAをを用いて、で得られたシュー
ドモナス・プチダIF−3−19株を形質転換し、カフ
ェイン資化能を回復した形質転換株を得る。 組換え体DNAをサブクローニングし、得られたDN
A断片の塩基配列を決定し、カフェインデメチラーゼノ
コード領域を決定する。 カフェインデメチラーゼの全コード領域を含む適量な
大きさのDNA断片(該遺伝子のプロモーター、ターミ
ネーター等の領域も含むことが推定される断片)をシュ
ードモナス属細菌形質転換用ベクター(例えばpNI1
07)に組み込んで組換え体DNAを作成する。 上記組換え体DNAを用いて、シュードモナス・プチ
ダIF−3−9C−21を転換する。 上記により得られた形質転換体により、1,3−ジ
メチル−7−アルキルキサンチンから3−メチル−7−
アルキルキサンチンへの変換能力を確認する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】例えば、上記において、DNA抽出源と
しては、シュードモナス・プチダIF−3(FERM
BP−3824)、シュードモナス・フラビダIF−4
(FERM BP−4281)等の菌が使用できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】この菌体懸濁液にNTGを終濃度100μ
g/mlになるように加え、30℃で30分間放置し
た。NTG処理後、0.9%NaCl溶液で2回洗浄し
た後、カフェイン最小倍地[カフェイン0.3%、硫酸
アンモニウム0.3%、リン酸ニカリウム0.5%、塩
化ナトリウム0.1%、硫酸マグネシウム・7水塩02
%(pH7.0)]にカルベニシリン(終濃度500μ
g/ml)を加えて、30℃で一夜振盪後、0.9%N
aClにて、2回洗浄した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】洗浄菌体を1mlの0.9%NaCl溶液
に懸濁し、適当に希釈してLT寒天倍地(バクトトリプ
トン1%、バクトイーストエキストラクト0.5%)に
まき、30℃で1日培養後、カフェイン最小培地にレプ
リカする。30℃で2日間培養後、カフェイン最小培地
での生育が悪い株のカフェイン、テオブロミン、7−メ
チルキサンチンの資化能を調べ、テオブロミン、7−メ
チルキサンチンを資化するがカフェインを資化すること
ができない変異株IF−3−19を得た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】IF−3−19は、カフェインからテオブ
ロミンへの転換を行わない変異株、即ち、カフェインデ
ヌチラーゼ欠損変異株である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】(2)カフェインデメチラーゼ遺伝子のク
ローニング シュードモナス・プチダIF−3(FERM BP−3
824)及びシュードモナス・フラビダIF−4(FE
RM BP−4281)の全DNAをSaito Mi
uraの方法[Biochim.Biophys.Ac
ta、72巻、619−629頁(1963)]に準じ
て調整した。得られた全DNAをHindIIIで部分
分解したもの(約1μg)とpNI20CをHindI
IIで消化後、脱りん酸したベクター(約2μg)をT
4DNAリガーゼにて連結た。得られた組換えプラスミ
ドDNAを用いて、カフェインデメチラーゼ欠損変異
株、シュードモナス・ぺチダIF−3−19を形質転換
し、カナマイシン(25μg/ml)を含むカフェイン
最小寒天培地にまいた。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】(3)カフェインデメチラゼーゼのサブク
ローニング及びその位置の限定 (2)で得られたプラスミドの1つをpTF1と命名し
た。pTF1を種々の制限酵素で切断し、アガロースゲ
ル電気泳動法により解析した結果、図1で示される6.
7kbの挿入DNA断片の制限酵素地図が得られた。次
にこの断片中に存在するカフェインデメチラーゼ遺伝子
のコード領域を限定するために、種々の制限酵素による
消化断片をPNI107に挿入連結して得た組換えDN
Aを用いてシュードモナス・プチダIF−3−19株を
形質転換し、IF3−19のカフェイン資化能を回復さ
せるDNA断片としてAccI−NdeIで切り出され
る1.7kbのDNA断片を得た。この断片を持つプラ
スミドをpCA32Aと命名した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】(5)カフェインデメチラーゼ遺伝子の塩
基配列 pCA32Aに挿入連結されたAccI−NdeI約
1.7kbのDNA断片の全塩基配列をサンガーらの方
法に基づき決定した。塩基配列の具体的手法は、Acc
I−NdeIで切りされるDNA断片をKlenow断
片により平滑末端化した後、pUC118のSmaI認
識部位に挿入連結し、挿入方向の異なるプラスミド11
8Aと118Bを得た。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】得られたプラスミドをデレーションキット
(宝酒造製〕により挿入DNA断片を段階的に欠失させ
ることにより欠失プラスミドを作製した。得られた欠失
プラスミドを鋳型としてシークエンシングキット(アプ
ライドバイオシステムズ社製)により、DNAの伸長反
応を行った後、DNAシークエンサーにより塩基配列を
読みとった。その結果、該DNA断片中には唯一のオー
プンリーディングフレームが存在していることが判明し
た。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】配列番号:1の上段に1686bpのカフ
ェインデメチラーゼ遺伝子を含むDNA塩基配列吸び下
段に推定されるアミノ酸配列を示した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】上記培養条件で培養した結果、表2に示す
ように基質としてDEX、DPX、DBXを用いた場合
には1位のメチノ基が脱離メチルしたMEX、MPX、
MBXの生成が認められた。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】実施例3 シュードモナス・プチダIF−
3−9C−21/pCA32Aによるカフェインのテオ
ブロミンへの変換と1,3−ジメチル−7−プロピルキ
サンチンの3−メチル−7−プロピルキサンチンへの返
換 シュードモナス・プチダIF−3−9C−21とシュー
ドモナス・プチダIF−3−9C−21/pCA32A
を培地[肉エキス0.5%、ミーストP1G0.3%、
リン醸二カリウム0.3%(pH6.7)]75mlの
入った500ml容の坂口フラスコに(組換え体の場合
にはカナマイシン25μg/mlを入れる)接種し、3
0℃で一夜、振盪培養して前培養液とした。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】培養温度 30℃、培養開始7時間
後、25℃に温度コントロール pH 培養開始4時間後、pHコントロール
(pH6.6から6.8)開始 通気攪拌 1v.v.m、600rpm 攪拌翼 6枚ディスタービン付き平型攪拌翼 流加培地 グレコース6%、肉エキス 6%、ミ
ーストP1G6%、グルタミン酸ナトリウム3%、カフ
ェイン又は1,3−ジメチル−7−プロピルキサンチン
1.0% 流加速度 12ml/時間、培養開始4時間後か
ら流加開始
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】上記培養条件により、1,3ージメチル−
7−アルキルキサンチンから3−メチルアルキルキサン
チンへの変換反応を行った結果、図3に示すように基質
として、カフェインと1,3−ジメチル−7−プロピル
キサンチンのいずれを使用した場合においてもpCA3
2Aを保持する組換え体(シュードモナス・プチダIF
−3−9C−21/pCA32A)がシュードモナス・
プチダIF−3−9C−21の約2〜4倍の変換生成物
(テオブロミン、3−メチル−7−プロピルキサンチ
ン)を生ずることが明かとなった。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】
【配列表】
【書類名】 受託番号変更届
【提出日】 平成5年5月10日
【旧寄託機関の名称】 工業技術院微生物工業技術研究所
【旧寄託番号】 FERM P−10865
【新寄託機関の名称】 工業技術院生命工学工業技術研究所
【新受託番号】 FERM BP−4281
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:40) (C12P 17/18 C12R 1:40)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シュードモナス属由来のカフェインデメチ
    ラーゼ遺伝子を含むDNA断片。
  2. 【請求項2】図1に示す制限酵素により規定されるシュ
    ードモナス属由来のカフェインデメチラーゼ遺伝子を含
    むDNA断片。
  3. 【請求項3】図1におけるAccI−NdeI間の塩基
    配列が配列番号:1で示されるシュードモナス属由来の
    カフェインデメチラーゼ遺伝子を含むDNA断片。
  4. 【請求項4】シュードモナス属由来のカフェインデメチ
    ラーゼ遺伝子を含むDNA断片の全体若しくはその一部
    をベクターに組み込んだ組換え体DNA。
  5. 【請求項5】請求項4記載の組換え体DNAで形質転換
    された新規シュードモナス属細菌。
  6. 【請求項6】請求項5記載の新規シュードモナス属細菌
    の宿主がシュードモナス・プチダIF3−9C−21で
    ある新規シュードモナス属細菌。
  7. 【請求項7】請求項5記載の新規シュードモナス属細菌
    を下記一般式[I] 【化1】 (式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキル基である)
    で表される化合物を含む栄養培地で培養して培養物中に
    下記一般式[II] 【化2】 (式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキル基である)
    で表される化合物を生成せしめることを特徴とする3−
    メチル−7−アルキルキサンチンの製造法。
  8. 【請求項8】微生物の培養物、菌体、若しくはこれらの
    処理物を下記一般式[I] 【化3】 (式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキル基である)
    で表される化合物に接触作用せしめ、下記一般式[I
    I] 【化4】 (式中、Rは直鎖状または分枝状のアルキル基である)
    で表される化合物を生成せしめることを特徴とする3−
    メチル−7−アルキルキサンチンの製造法。
JP31295492A 1992-05-20 1992-10-27 新規dna化合物及びそれを用いて得られる組換体による3−メチル−7−アルキルキサンチンの製造法 Pending JPH06133779A (ja)

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DE4316882A DE4316882A1 (de) 1992-05-20 1993-05-19 Ein Koffein-demethylase-Gen enthaltende DNA-Fragment und mikrobielles Verfahren zur Herstellung von 3-Methyl-7-alkylxanthin
CN93107594A CN1088259A (zh) 1992-05-20 1993-05-20 含咖啡碱脱甲基酶基因的dna片段和生产3-甲基-7-烷基黄嘌呤的微生物方法
US08/324,483 US5550041A (en) 1992-05-20 1994-10-18 Caffeine demethylate gene-containing DNA fragment and microbial process for producing 3-methyl-7-alkylxanthine
CN96106844A CN1143115A (zh) 1992-05-20 1996-06-06 生产3-甲基-7-烷基黄嘌呤的微生物方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2725648A1 (fr) * 1994-10-17 1996-04-19 Soudure Autogene Francaise Lance pour soudage electrique sous atmosphere protectrice

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2725648A1 (fr) * 1994-10-17 1996-04-19 Soudure Autogene Francaise Lance pour soudage electrique sous atmosphere protectrice
EP0707918A1 (fr) * 1994-10-17 1996-04-24 Soudure Autogene Francaise Lance pour soudage électrique sous atmosphère protectrice

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