JPH06119611A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

Info

Publication number
JPH06119611A
JPH06119611A JP27891392A JP27891392A JPH06119611A JP H06119611 A JPH06119611 A JP H06119611A JP 27891392 A JP27891392 A JP 27891392A JP 27891392 A JP27891392 A JP 27891392A JP H06119611 A JPH06119611 A JP H06119611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
metal
head
magnetic head
hematite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27891392A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Kurosawa
文夫 黒澤
Atsushi Suzuki
篤 鈴木
Fusashige Tokutake
房重 徳竹
Tatsuo Hisamura
達雄 久村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP27891392A priority Critical patent/JPH06119611A/ja
Publication of JPH06119611A publication Critical patent/JPH06119611A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 補助コア基板21,22,23,24と金属
磁性膜6,7よりなる磁気コア半体1,2同士が、上記
金属磁性膜6,7の端面同士を対向させて突き合わさ
れ、これら金属磁性膜6,7の突き合わせ面間に磁気ギ
ャップgが構成されてなる磁気ヘッドにおいて、上記補
助コア基板21,22,23,24の少なくとも一部が
ヘマタイト又はZrO2 よりなる。 【効果】 耐摩耗性が向上し、ヘッド寿命を大幅に延ば
すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばビデオテープレ
コーダ(VTR)やディジタルオーディオテープレコー
ダ(R−DAT)等の高密度記録可能な記録再生装置に
搭載して有用な磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ビデオテープレコーダやディジ
タルオーディオテープレコーダ等の磁気記録再生装置に
おいては、高画質化等を目的として情報信号の短波長記
録化が進められており、これに対応して磁性粉に強磁性
金属粉末を用いたいわゆるメタルテープや、ベースフィ
ルム上に強磁性金属材料を直接被着した蒸着テープ等の
高抗磁力磁気記録媒体が使用されるようになってきてい
る。
【0003】一方、これに対処するべく磁気ヘッドの分
野においても研究が進められており、高抗磁力磁気記録
媒体に対して高密度記録を可能ならしめるためコア材料
に金属磁性材料を用いるとともに狭トラック化を図った
磁気ヘッドが開発されている。
【0004】かかる磁気ヘッドとしては、例えば非磁性
材料よりなる磁気コア基板で高透磁率且つ高飽和磁束密
度を有する金属磁性膜をその膜厚方向より挟み込むこと
により形成される一対の磁気コア半体を、各金属磁性膜
の端面同士が突合うようにしてガラス融着により接合一
体化した,いわゆるラミネートタイプの磁気ヘッドが知
られている。
【0005】この磁気ヘッドにおいては、金属磁性膜の
膜厚がすなわち磁気ギャップのトラック幅となるもので
あるから、当該金属磁性膜の膜厚を制御することで簡単
に狭トラック化が図れること、及び金属磁性膜と基板と
の界面が磁気ギャップと非平行であるため当該界面が疑
似ギャップとして動作することがないこと、さらに製造
工程が簡単であること等、種々の利点を有する。
【0006】この他、磁気ギャップに対して斜交するよ
うに金属磁性膜を磁気コア基板に形成し、これら各金属
磁性膜の端面同士を突合わせガラスにより接合一体化し
た,いわゆる斜め膜同士の磁気ヘッドも提案されてい
る。かかる磁気ヘッドにおいては、金属磁性膜が磁気ギ
ャップに対して斜めとされていることから、アジマスに
よりクロストークの影響が低減でき、また、金属磁性膜
の斜め膜同士の突合わせであるので、狭トラック化に適
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ラミネート
タイプの磁気ヘッドにおいては、金属磁性膜を挟み込む
磁気コア基板として、一般にチタン酸系セラミックや非
磁性フェライト等が多く用いられている。ところが、こ
れらの材料は、耐摩耗性が充分ではなく、磁気テープの
高速摺動によってヘッドの摩耗が比較的早く、ヘッド寿
命の点で不満がある。
【0008】一方、斜め膜同士の磁気ヘッドにおいて
は、磁気抵抗の増加防止の観点より通常、磁気コア基板
として酸化物磁性材料(例えば、Mn−Znフェライ
ト)が用いられる。したがって、この磁気ヘッドでは、
磁気テープと摺接する面の大部分が磁性フェライトで占
められることになり、ヘッド寿命が該磁性フェライトの
摩耗性に大きく左右される。
【0009】ヘッド寿命を延ばすためには、1)摺動面
のトラック幅方向のいわゆる当たり幅を広げる、2)磁
気ギャップのデプスを大きくとる等の方法が挙げられ
る。しかしながら、磁気テープとの良好な接触状態を保
つためには、当たり幅を必要以上に大きくできず、ま
た、デプスを大きくとった場合にはヘッドの電磁変換効
率の低下を招くことになる。
【0010】そこで本発明は、かかる実情に鑑みて提案
されたものであり、磁気ヘッドの電磁変換効率を損なう
ことなくヘッド寿命を延ばすことができる高出力且つ耐
摩耗性に優れた磁気ヘッドを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために提案されたものであり、補助コアと金属
磁性膜よりなる磁気コア半体同士が上記金属磁性膜の端
面同士を対向させて突き合わされ、これら金属磁性膜の
突合わせ面間に磁気ギャップが構成されてなる磁気ヘッ
ドにおいて、上記補助コアの少なくとも一部がヘマタイ
ト又はZrO2を主体とする非磁性酸化物材料よりなる
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明においては、上記補助コア
は、磁気ギャップが構成されるフロント側がヘマタイト
又はZrO2 を主体とする非磁性酸化物材料とされ、バ
ック側が酸化物磁性材料であることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明においては、非磁性酸化物
材料は、ヘマタイト又はZrO2 を90重量%以上含有
することを特徴とする。そしてさらに、上記ヘマタイト
がα−ヘマタイト、γ−ヘマタイトのうち少なくとも1
種であることを特徴とする。ヘマタイトとはFe2 3
なる組成の鉄の酸化鉱物であるが、補助コアにヘマタイ
トを用いることによって、ヘッドの耐摩耗性を向上させ
ることができる。
【0014】また、本発明においては、金属磁性膜は、
一対の補助コアによってその膜厚方向より挾み込まれて
なることを特徴とする他、磁気ギャップ面に対して10
〜70度の角度を有することを特徴とする。
【0015】
【作用】ヘマタイト又はZrO2 は耐摩耗性に優れた材
料であるので、補助コアにヘマタイト又はZrO2 を用
いることにより、磁気記録媒体と摺接する磁気ヘッドの
摺接面の摩耗量が大幅に低減する。したがって、金属磁
性膜を補助コアによってその膜厚方向より挾み込んでな
るいわゆるラミネートタイプの磁気ヘッドであると、金
属磁性膜を磁気ギャップに対して斜めに配したいわゆる
斜め膜同士による磁気ヘッドであるとに拘わらず、ヘッ
ド寿命が延びる。
【0016】特に、ヘマタイト又はZrO2 を磁気ギャ
ップが構成されるフロント側に配し、酸化物磁性材料を
バック側に配することによって、磁気ヘッドの電磁変換
効率を損なわずにヘッド寿命の向上が図れ、ヘッド効率
とヘッド寿命の両方が満たされる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】実施例1 本実施例の磁気ヘッドは、図1に示すように、閉磁路を
構成する一対の磁気コア半体1,2が突合わされて接合
一体化され、磁気記録媒体と摺接する磁気記録媒体摺動
面3に磁気ギャップgを構成してなる。
【0019】上記磁気コア半体1,2は、α−ヘマタイ
トよりなる補助コア基板21,22,23,24と、金
属磁性膜6,7とからなり、上記金属磁性膜6,7はそ
の膜厚方向より上記補助コア基板21,22,23,2
4によって挟み込まれている。
【0020】そして、磁気コア半体1,2同士の突合わ
せ面においては、金属磁性膜6,7の端面が突合わされ
ることによって磁気ギャップgが構成されている。上記
磁気ギャップgのトラック幅Twは、上記補助コア基板
21,22,23,24が非磁性体であることから、上
記金属磁性膜6,7の膜厚によって規制される。
【0021】また、上記磁気コア半体1,2の突合わせ
面には、当該磁気ギャップgのデプスDpを規制すると
ともにコイルを巻回させるための巻線溝8,9が形成さ
れている。すなわち、上記巻線溝8,9は、磁気コア半
体1,2の突合わせ面の中途部で溝部同士が突合わさっ
て平面略矩形状の孔としてコア厚方向に貫通して形成さ
れている。
【0022】上記金属磁性膜6,7には、各種強磁性材
料の他に、例えば高飽和磁束密度を有し且つ軟磁気特性
に優れた強磁性合金材料が使用されるが、かかる強磁性
合金材料としては従来より公知のものがいずれも使用で
き、結晶質、非結晶質であるとを問わない。
【0023】例示するならば、Fe−Al−Si系合
金,Fe−Ni−Al−Si系合金、Fe−Al系合
金,Fe−Si−Co系合金,Fe−Ni系合金,Fe
−Al−Ge系合金,Fe−Ga−Ge系合金,Fe−
Si−Ge系合金,Fe−Si−Ga系合金,Fe−S
i−Ga−Ru系合金,Fe−Co−Si−Al系合金
等が挙げられる。さらには、耐蝕性や耐摩耗性等の一層
の向上を図るために、Ti,Co,Au,Cr,Mn,
Zr,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,I
r,Re,Ni,Pd,Pt,Hf,V,N,C,O等
の少なくとも1種を添加したものであってもよい。
【0024】また、強磁性非晶質金属合金、いわゆるア
モルファス合金(例えば、Fe,Ni,Coの1つ以上
の元素とP,C,B,Siの1つ以上の元素とからなる
合金、またはこれらを主成分としAl,Ge,Be,S
n,In,Mo,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,
Nb等を含んだ合金等のメタル−メタロイド系アモルフ
ァス合金、あるいはCo,Hf,Zr等の遷移元素や希
土類元素等を主成分とするメタル−メタル系アモルファ
ス合金)等が挙げられる。
【0025】これら金属磁性膜6,7の成膜方法として
は、膜厚制御性に優れるスパッタリング法,真空蒸着
法,イオンプレーティング法,クラスター・イオンビー
ム法等に代表される真空薄膜形成技術が採用される。な
お、上記補助コア基板21,22,23,24に成膜す
る金属磁性膜6,7は、単層膜に限らず、高周波帯域で
の渦電流損失を回避するために金属磁性膜と絶縁膜を交
互に何層にも積層した、いわゆる積層膜であってもよ
い。この場合、絶縁膜としては、SiO2 ,Al
2 3 ,Si3 4 等の電気的絶縁性に優れた酸化物,
窒化物等よりなる膜が好適である。
【0026】次に、上述の磁気ヘッドの製造方法につい
て説明する。先ず、図2に示すように、α−ヘマタイト
からなる基板15同士の突合わせ面となる端面とその反
対側の端面を鏡面仕上げした後、非磁性基板15の一側
面にセンダスト等の強磁性金属材料をスパッタリングす
ることによって、金属磁性膜16を形成する。
【0027】そして、図3に示すように、上記ヘマタイ
ト基板15を重ね合わせ、複数のヘマタイト基板15と
金属磁性膜16が交互に積層された基板ブロック17を
形成する。
【0028】次いで、上記基板ブロック17を図4中A
−A´線,B−B´線,C−C´線で示すように上記金
属磁性膜16の略直交方向に切断し、図5に示す磁気コ
ア半体ブロック18を作製する。そして、この磁気コア
半体ブロック18の磁気ギャップg形成面となる面18
a(突合わせ面)にコイルを巻回させるための巻線溝1
9を磁気コア半体ブロック18全体に亘って形成する。
【0029】次に、上記磁気コア半体ブロック18の突
合わせ面18aを鏡面仕上げした後、当該突合わせ面1
8aにギャップ膜を成膜する。そして、この磁気コア半
体ブロック18に、同様にして形成した他の磁気コア半
体ブロック18を図6に示すように突合わせる。なお、
これら磁気コア半体ブロック18,18同士を突合わせ
る際には、それぞれの金属磁性膜16,16の位置合わ
せを行い、接合一体化する。
【0030】この結果、突合わされた金属磁性膜16間
に磁気ギャップgが構成される。
【0031】次いで、これら接合一体化された磁気コア
ブロック20に対し、磁気記録媒体との当たりを確保す
るために円筒研磨を施した後、図6中D−D´線及びE
−E´線で示す位置でスライシングする。このようにし
て、図1に示す本実施例の磁気ヘッドが完成する。
【0032】なお、各部材の接合には、従来公知の接合
方法が適用可能であり、例示するならば、低温熱拡散接
合(接合面にそれぞれ設けられた金属層同士の熱拡散に
より接合する方法)やボンディングガラス等による接合
が挙げられる。
【0033】ここで、実際に、上述のようにして作製さ
れた磁気ヘッドについて摩耗試験を行った。試験は、上
述のようにして作製された当たり幅50μm、先端R8
mmの磁気ヘッドをソニー社製,商品名BVW−50
(ベータカムSP)に搭載して、ソニー社製,商品名B
CT−90ML(ベータカムSP用メタルテープ)に対
して摺動させて行った。そして、30℃,80%RHの
高相対湿度下でこの試験を行い、ヘッドの摩耗量を調べ
た。その結果を図7に示す。
【0034】比較例1 金属磁性膜を挟み込む基板にチタン酸カルシウム系セラ
ミックを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例
1と同様な構造の磁気ヘッドを作製した。そして、実施
例1と同様にして摩耗試験を行った。その結果を図7に
併せて示す。
【0035】比較例2 金属磁性膜を挟み込む基板にZn系非磁性フェライトを
用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例1と同様
な構造の磁気ヘッドを作製した。そして、実施例1と同
様にして摩耗試験を行った。その結果を図7に併せて示
す。
【0036】図7に示されるように、ヘマタイトを補助
コア基板として用いた磁気ヘッドは、極めて耐摩耗性に
優れたものであることが判る。
【0037】なお、磁気ヘッドの構造としては、図1に
示したものの他に、以下のようなものでも良い。 1.図8に示されるように、接合用に融着ガラス10,
11が用いられているもの。 2.図9に示されるように、金属磁性膜6,7が磁気記
録媒体摺動方向に対して斜めに形成されているもの。 3.図10に示されるように、金属磁性膜6,7を挟み
込む補助コア基板21,22,23,24のうち、磁気
記録媒体摺動部21a,22a,23a,24aのみが
ヘマタイトからなり、基板の他の部分21b,22b,
23b,24bがヘマタイト以外の非磁性材料、或いは
フェライト等の磁性材料よりなっているもの。 4.図11に示されるように、磁気コア半体1,2のう
ち、どちらか一方のみがヘマタイト基板21,22より
なり、もう一方はヘマタイト以外の非磁性材料の基板2
5,26よりなっているもの。 5.上述の磁気ヘッドの特徴を組み合わせたもの。
【0038】実施例2 本実施例の磁気ヘッドは、図12に示すように、金属磁
性膜27,28と補助コア基板29,30からなる一対
の磁気コア半体31,32が融着ガラス33によって接
合一体化されることにより、各金属磁性膜27,28の
突合わせ面間に磁気ギャッgを構成してなっている。
【0039】上記補助コア基板29,30は、磁気ギャ
ップgが形成されるフロント側、つまり磁気テープと摺
接する磁気記録媒体摺動部29a,30aがヘマタイト
よりなる基板とされ、その他のバック側の部分29b,
30bが酸化物磁性材料よりなる基板とされている。し
たがって、磁気記録媒体摺動部29a,30aが耐摩耗
性に優れるヘマタイトよりなることから、ヘッドの耐摩
耗性が向上し、ヘッド寿命が大幅に延びる。また、バッ
ク側の部分29b,30bが酸化物磁性材料よりなる基
板とされていることから、磁気コア断面積の確保により
ヘッドの電磁変換効率が損なわれない。
【0040】上記ヘマタイトには、例えばα−ヘマタイ
ト又はγ−ヘマタイトのいずれか一方、又はその両方が
使用できる。そして、このヘマタイトの含有量として
は、ヘッドの耐摩耗性を考慮して基板全体を100重量
%としたときに該ヘマタイトを90重量%以上含有する
ことが望ましい。ヘマタイトが90重量%未満である
と、磁気記録媒体との摺接により摩耗が多くなり、ヘッ
ド寿命が短くなる。
【0041】一方、酸化物磁性材料には、Mn−Zn
系、Ni−Zn系の単結晶又は多結晶フェライトが用い
られる。
【0042】そして、上記金属磁性膜27,28は、上
記補助コア基板29,30の突合わせ面側の対向部分が
尖頭形状となるように磁気ギャップgに対して斜めに切
り欠かれた傾斜面34a,34b,35a,35bのう
ちの一方の傾斜面34a,35aに被着形成されてい
る。したがって、上記金属磁性膜27,28は、磁気ギ
ャップgを構成する磁気ギャップ面に対してθなる傾斜
角度を有する。かかる傾斜角度θは、例えば10〜70
度とされ、望ましくは30〜60度とされる。また、こ
れら金属磁性膜27,28は、先の実施例1の磁気ヘッ
ドと同様、飽和磁束密度の高い軟磁性薄膜からなり、単
層膜又は絶縁膜を介して積層された積層膜からなる。な
お、これら金属磁性膜27,28の成膜法は、やはり先
の実施例1と同様の手法がいずれも適用できる。
【0043】そして、上記金属磁性膜27,28と補助
コア基板29,30からなる各磁気コア半体31,32
には、磁気ギャップgのデプスを規制するとともに、コ
イルを巻回させるための巻線溝36,37が形成されて
いる。上記巻線溝36,37は、各磁気コア半体31,
32の突合わせ面の中途部にそれぞれ平面略コ字状をな
す孔としてコア厚方向に貫通して設けられている。
【0044】このようにして構成された磁気コア半体3
1,32は、互いの金属磁性膜27,28の端面同士を
突合わせ、融着ガラス33によって接合一体化されるこ
とにより、該金属磁性膜27,28の突合わせ面間に記
録再生ギャップとして動作する磁気ギャップgを構成す
る。そして、特にこの磁気ヘッドにおいては、磁気記録
媒体摺動部29a,30aがヘマタイトよりなり、その
他の部分29b,30bが酸化物磁性材料よりなる補助
コア基板29,30からなるため、ヘッドの電磁変換効
率を損なうことなく、ヘッド寿命を延ばすことができ
る。また、酸化物磁性材料が磁気記録媒体と直接接触な
い構造のため、走行時の摺動ノイズの低減も図れる。
【0045】なお、上述の磁気ヘッドの変形例として、
例えば図13ないし図15に示すような構造のものが挙
げられる。図13に示す磁気ヘッドは、各補助コア基板
29,30に形成された傾斜面34a,35aを一つと
したものである。図14に示す磁気ヘッドは、図12の
磁気ヘッドにおいて磁気記録媒体摺動面の一部に酸化物
磁性材料よりなる基板29b,30bを露出させたもの
である。図15に示す磁気ヘッドは、図13に示す磁気
ヘッドにおいて磁気記録媒体摺動面の一部に酸化物磁性
材料よりなる基板29b,30bを露出させたものであ
る。
【0046】ところで、図12に示す磁気ヘッドを作製
するには、以下のようにして行う。先ず、図16に示す
ように、ヘマタイトよりなる基板38と酸化物磁性材料
よりなる基板39を固相反応、すなわちPbOを主成分
とするガラス、又はAu,Ag,Pb,Ptを用いた低
温金属接合等により接合し、所定の大きさの複合基板4
0を作製する。
【0047】次に、この複合基板40の主面40aに、
図17に示すように上記ヘマタイトよりなる基板38と
酸化物磁性材料よりなる基板39との接合面に対して直
交する方向に断面略V字状をなす切削溝41を基板全体
に亘って形成する。上記切削溝41は、複合基板40の
主面40aに対して10〜70度の角度を有するように
形成する。望ましくは、30〜60度とする。
【0048】次いで、この切削溝41の傾斜面41a,
41bを鏡面加工した後、スパッタ、蒸着、MBE法等
の真空薄膜形成技術により金属磁性膜42を被着形成す
る。なお、金属磁性膜42は、単層膜又は絶縁膜を介し
た積層膜としてもよい。
【0049】次に、図18に示すように、金属磁性膜4
2の膜剥がれを防止する目的で上記切削溝41内に融着
ガラス43を流し込む。一般的には、線引された極細ガ
ラス棒を切削溝41内に並べて、600〜700度程度
の温度を加えて溶融する。次いで、上記融着ガラス43
が充填された面を、図19に示すように上記切削溝41
以外に付着している金属磁性膜42が完全に除去される
まで平面研磨した後、鏡面加工処理を施す。
【0050】次に、図20に示すように、上記複合基板
40に対してコイルを巻回するための巻線溝44を研削
により形成する。かかる巻線溝44は、磁気ギャップの
デプスを規制する傾斜面44aがヘマタイトよりなる基
板38と酸化物磁性材料よりなる基板39との接合界面
にかかるようにして、上記切削溝41と略直交する方向
に断面略コ字状をなす溝として形成する。
【0051】そして、巻線溝44が形成された主面にS
i,Ta,Al,Cr等の酸化物、窒化物を真空薄膜形
成技術によって膜付けする。
【0052】次に、上述の工程を順次繰り返して作製し
た複合基板40,40同士を、図21に示すように、互
いの金属磁性膜42,42の端面が相対向するようにし
て重ね合わせる。そして、この状態で融着ガラス43が
多少緩む程度の温度を加え、上記複合基板40,40を
接合一体化してヘッドブロック45を作製する。
【0053】なお、これら複合基板40を接合するに当
たっては、二次融着と称する上記融着ガラス43よりも
作業温度の低い極細のガラス棒を巻線溝44,44内に
挿入溶融することにより、接合をより安定且つ確実にす
るようにしてもよい。
【0054】次に、上記ヘッドブロック45に対し、磁
気記録媒体との当たりを確保するために円筒研磨を施し
た後、図21中F−F´線及びG−G´線で示す位置で
スライシングし、磁気ヘッドを完成する。
【0055】実験例1 ここで、実際に図12に示す磁気ヘッドと同一形状のダ
ミーヘッドを試作して摩耗試験を行ってみた。ダミーヘ
ッドは、縦横厚みがそれぞれ2mm×2mm×0.2m
m、摺動面の当たり幅が60μm、先端曲率(R)が8
mm、金属磁性膜の膜厚が20μmで、この金属磁性膜
が磁気ギャップ面に対して45度傾斜したヘッドを用い
た。なお、補助コア基板は、ヘッドの耐摩耗性を調べる
ことからヘマタイトのみから構成した。
【0056】そして、このダミーヘッドをソニー社製,
商品名BVW−50(ベータカムSP)に搭載して、ソ
ニー社製,商品名BCT−90ML(ベータカムSP用
メタルテープ)に対して摺動させて行った。試験はヘッ
ド摩耗が多くなるように、30℃,80%RHの高相対
湿度下で行った。この摩耗試験の結果を図22に示す。
【0057】実験例2 補助コア基板にMn−Znフェライトを用いた以外は、
実験例1の磁気ヘッドと同じにした。そして、この磁気
ヘッドに対しても同様に摩耗試験を行った。
【0058】この結果からわかるように、補助コア基板
にヘマタイトを用いた実験例1の磁気ヘッドは、Mn−
Znフェライトを用いた磁気ヘッドに比べて格段に優れ
た耐摩耗性を有することがわかる。したがって、少なく
とも磁気記録媒体摺動部を構成する補助コア基板にヘマ
タイトを使用すれば、ヘッド寿命を大幅に向上させるこ
とができる。
【0059】実施例3 本実施例は、磁気記録媒体との摺接によるヘッドの耐摩
耗性を高める目的で、ヘマタイトの代わりにZrO2
用いた例である。したがって、磁気ヘッドの構成自体
は、先の実施例2の磁気ヘッドと全く同一であり、その
製造工程も同じである。
【0060】ZrO2 は、ヘマタイトと同じく耐摩耗性
に優れた非磁性材料であり、先の実施例2の磁気ヘッド
の磁気記録媒体摺接部29a,30bに用いることによ
り、ヘッド寿命を大幅に延ばすことができる。このとき
のZrO2 の含有量としては、やはりヘマタイトと同じ
く耐摩耗性を考慮として90重量%以上であることが望
ましい。
【0061】なお、実際に、上記ZrO2 を用いて先の
実験例1と同様のダミーヘッドを作製し、摩耗試験を行
ったところ(これを実験例3とする。)、ヘマタイトに
よる磁気ヘッドに比べて多少劣るものの優れた耐摩耗性
を示した。
【0062】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、ヘマ
タイト又はZrO2 は耐摩耗性に非常に優れた材料であ
るので、このヘマタイト又はZrO2 を補助コア基板に
使用することにより、いわゆるラミネートタイプの磁気
ヘッド又は金属磁性膜の斜め膜同士の突合わせによる磁
気ヘッドのいずれのヘッドに対しても、磁気記録媒体と
の摺接による耐摩耗性を向上させることができる。した
がって、ヘッド寿命を大幅に延ばすことができる。
【0063】特に、磁気記録媒体と摺接するフロント側
にヘマタイト又はZrO2 を用い、その他のバック側に
酸化物磁性材料を用いれば、磁気ヘッドの電磁変換効率
を損なうことなく、耐摩耗性を向上させることができ、
ヘッド効率とヘッド寿命の両方を満足させることができ
る。また、本発明の磁気ヘッドにおいては、酸化物磁性
材料が磁気記録媒体と直接接触しない構造のため、走行
時の摺動ノイズを低減させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の磁気ヘッドの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順に示
すものであり、金属磁性膜成膜工程を示す斜視図であ
る。
【図3】図1に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順に示
すものであり、ヘマタイト基板の接合工程を示す斜視図
である。
【図4】図1に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順に示
すものであり、磁気コア半体ブロックへの切断工程を示
す斜視図である。
【図5】図1に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順に示
すものであり、切り出された磁気コア半体ブロックを示
す斜視図である。
【図6】図1に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順に示
すものであり、磁気ヘッドの切り出し工程を示す斜視図
である。
【図7】実施例1の磁気ヘッドにおける摺動時間とヘッ
ド摩耗量の関係を示す特性図である。
【図8】実施例1の磁気ヘッドの他の例を示す斜視図で
ある。
【図9】実施例1の磁気ヘッドのさらに他の例を示す斜
視図である。
【図10】実施例1の磁気ヘッドのさらに他の例を示す
斜視図である。
【図11】実施例1の磁気ヘッドのさらに他の例を示す
斜視図である。
【図12】実施例2の磁気ヘッドの一例を示す斜視図で
ある。
【図13】実施例2の磁気ヘッドの他の例を示す斜視図
である。
【図14】実施例2の磁気ヘッドのさらに他の例を示す
斜視図である。
【図15】実施例2の磁気ヘッドのさらに他の例を示す
斜視図である。
【図16】図12に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順
に示すものであり、基板の接合工程を示す斜視図であ
る。
【図17】図12に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順
に示すものであり、金属磁性膜形成工程を示す斜視図で
ある。
【図18】図12に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順
に示すものであり、ガラスパック工程を示す斜視図であ
る。
【図19】図12に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順
に示すものであり、研磨工程を示す斜視図である。
【図20】図12に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順
に示すものであり、巻線溝形成工程を示す斜視図であ
る。
【図21】図12に示す磁気ヘッドの製造工程を工程順
に示すものであり、ヘッドブロックの接合工程を示す斜
視図である。
【図22】実施例2及び実施例3の磁気ヘッドにおける
摺動時間とヘッド摩耗量の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1,2,31,32・・・磁気コア半体 3・・・磁気記録媒体摺動面 6,7,27,28・・・金属磁性膜 8,9,36,37・・・巻線溝 21,22,23,24,29,30・・・補助コア基
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久村 達雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補助コアと金属磁性膜よりなる磁気コア
    半体同士が上記金属磁性膜の端面同士を対向させて突き
    合わされ、これら金属磁性膜の突合わせ面間に磁気ギャ
    ップが構成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記補助コアの少なくとも一部がヘマタイトを主体とす
    る非磁性酸化物材料よりなることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 補助コアと金属磁性膜よりなる磁気コア
    半体同士が上記金属磁性膜の端面同士を対向させて突き
    合わされ、これら金属磁性膜の突合わせ面間に磁気ギャ
    ップが構成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記補助コアは、磁気ギャップが構成されるフロント側
    がヘマタイトを主体とする非磁性酸化物材料とされ、バ
    ック側が酸化物磁性材料であることを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 非磁性酸化物材料は、ヘマタイトを90
    重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 ヘマタイトがα−ヘマタイト、γ−ヘマ
    タイトのうち少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項3記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 金属磁性膜は、一対の補助コアによって
    その膜厚方向より挾み込まれてなることを特徴とする請
    求項3又は請求項4記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 金属磁性膜は、磁気ギャップ面に対して
    10〜70度の角度を有することを特徴とする請求項3
    又は請求項4記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 補助コアと金属磁性膜よりなる磁気コア
    半体同士が上記金属磁性膜の端面同士を対向させて突き
    合わされ、これら金属磁性膜の突合わせ面間に磁気ギャ
    ップが構成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記補助コアの少なくとも一部がZrO2 を主体とする
    非磁性酸化物材料よりなることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】 補助コアと金属磁性膜よりなる磁気コア
    半体同士が上記金属磁性膜の端面同士を対向させて突き
    合わされ、これら金属磁性膜の突合わせ面間に磁気ギャ
    ップが構成されてなる磁気ヘッドにおいて、 上記補助コアは、磁気ギャップが構成されるフロント側
    がZrO2 を主体とする非磁性酸化物材料とされ、バッ
    ク側が酸化物磁性材料であることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 非磁性酸化物材料は、ZrO2 を90重
    量%以上含有することを特徴とする請求項7又は請求項
    8記載の磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 金属磁性膜は、一対の補助コアによっ
    てその膜厚方向より挾み込まれてなることを特徴とする
    請求項9記載の磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 金属磁性膜は、磁気ギャップ面に対し
    て10〜70度の角度を有することを特徴とする請求項
    9記載の磁気ヘッド。
JP27891392A 1992-08-20 1992-10-16 磁気ヘッド Withdrawn JPH06119611A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27891392A JPH06119611A (ja) 1992-08-20 1992-10-16 磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22176292 1992-08-20
JP4-221762 1992-08-20
JP27891392A JPH06119611A (ja) 1992-08-20 1992-10-16 磁気ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06119611A true JPH06119611A (ja) 1994-04-28

Family

ID=26524481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27891392A Withdrawn JPH06119611A (ja) 1992-08-20 1992-10-16 磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06119611A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011159878A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Toyota Motor Corp 異方性摺動材料の製造方法および異方性摺動材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011159878A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Toyota Motor Corp 異方性摺動材料の製造方法および異方性摺動材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0654527B2 (ja) 磁気ヘツド
JPH0773411A (ja) データカートリッジ用磁気ヘッド装置
JPH06119611A (ja) 磁気ヘッド
JPS60231903A (ja) 複合型磁気ヘツドおよびその製造方法
JP2586041B2 (ja) 複合磁気ヘッド
JP3104185B2 (ja) 磁気ヘッド
KR0152601B1 (ko) 복합형 자기헤드 코아 및 그 제조방법
JPH0548244Y2 (ja)
JP2569475B2 (ja) 複合磁気ヘツド
JP3453880B2 (ja) 磁気ヘッド
JPH1091912A (ja) 磁気ヘッド
JPH0648529B2 (ja) 磁気ヘツド
JPH0580724B2 (ja)
JPH0785288B2 (ja) 磁気ヘツドの製造方法
JPH06251322A (ja) 磁気ヘッド
JPH06223314A (ja) 磁気ヘッド
JPH0673165B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH06251321A (ja) 磁気ヘッド
JPH0770023B2 (ja) 磁気ヘツド
JPH05114113A (ja) 磁気ヘツド及びその製造方法
JPH01185811A (ja) 磁気ヘッド
JPH06251310A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JPH05101321A (ja) 磁気ヘツド
JPS6251009A (ja) 磁気コアおよびその製造方法
JPH0658723B2 (ja) 磁気ヘツドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000104