JPH06119591A - 車両の運行記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物品を配送したり人を運搬する営業車におい
て、運行計画作成のための情報を収集する。また、作成
された運行計画と実際の運行との誤差を検出する。 【構成】 位置情報は、ＧＰＳ(Global Positioning Sy
stem) で測定し、この位置情報と時刻情報などのデータ
を併せて記録する。 【効果】 より現実的で正確な車両の運行計画が立案で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両の走行状態を記録す
るために利用する。本発明は従来からタコグラフとし
て、トラックやタクシーの運行管理に利用されている装
置の改良に関する。

【０００２】本発明は、コンピュータ装置により作成さ
れた荷物の配送手順にしたがって実際に配送を実行した
結果を記録し、その記録をそのコンピュータ装置に入力
して次の配送手順を合理的に作成するための資料とする
ために発明された。

【０００３】

【従来の技術】従来から、時刻情報に対応させて車両の
走行距離情報およびまたは車両の速度情報を記録する技
術が知られ、トラックやタクシーの運行状態を記録する
装置として広く利用されている。この装置は時計の指針
とともに回転する記録円板に速度情報を記録するアナロ
グ式の簡単なもの、デジタル情報を記録媒体に記録する
ものなど、さまざまな装置が市販されている。

【０００４】一方、本願出願人は複数の目的地に荷物を
配送するために、配送用トラックの合理的な配送順序を
演算する装置についての発明を特許出願した（特願平３
−１１２６１１号、特願平３−２９６０６０号、いずれ
も本願出願時において未公開）。これは、数十台あるい
は数百台のトラックを利用して、数百箇所の配送先にそ
れぞれの注文にしたがって準備されたきわめて多種類の
荷物の配送を手配する場合に、トラック１台毎の積荷と
その配送先の巡回順序を合理的に決定するための装置で
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述のような配送先の
巡回順序を決定する装置はその運用を開始したが、これ
を円滑に運用するには、演算され手配された内容と実際
に運行された結果とのずれ、交通事情の変化、新しい配
送先の追加、周辺の配送先からその新しい配送先までの
所要時間、その他必要な情報を正しく投入し常に正確に
更新しなければならない。このためには正確な運行記録
をしかも人手を直接にわずらわすことなく合理的な作業
工数のもとに取得することが必要である。

【０００６】一方、衛星から同期されて発射された電波
を受信して位置を測定する位置測定装置が比較的安価に
手軽に利用できるようになった。本発明はこの装置を利
用して運行記録の精度を向上することに着目したもので
ある。

【０００７】この装置あるいはシステムはＧＰＳ(Globa
l Positioning System) として知られているもので、地
球の経度６０度毎に配置された人工衛星から同期した電
波信号が放送されている。これを地表を移動する装置で
３以上の衛星からの信号について同時に受信し、その信
号の相対的な到来時刻のずれを検出して現在位置を演算
することができる。このための装置は受信装置のみで十
分であり、電波免許などを必要とせずに市販の装置を購
入することにより簡単に利用することができる。一般
に、この装置で得られる位置情報は緯度および経度で表
示されるものであり、その精度は手軽に得られる受信装
置を利用しても数十メートルであり、新たな測定の繰り
返し周期は数秒である。このシステムを利用した車両用
の装置としては、このシステムの出力位置情報を車両に
搭載した地図情報と併せて利用し、その車両の現在位置
を中心とする地図を運転席の画像表示装置に表示するも
のなどが開発されている。

【０００８】また、このＧＰＳが車両に搭載されて簡単
に運行記録を得ることができるとすると、その応用範囲
は拡がることになる。

【０００９】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、車両の運行記録を人手をかけずに少ない作業工
数で、しかもきわめて正確に得ることを目的とする。本
発明は正確な位置情報を車両の他の情報（例えば走行距
離の情報）と併せて記録することができる装置を提供す
ることを目的とする。本発明は車両の運行記録をそのま
ま他のコンピュータに投入して利用できる形態で得るこ
とを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、三以上の衛星
から同期されて発射された電波を受信して位置を測定す
る位置測定手段と、前記位置測定手段の測定結果である
位置情報を時刻情報に対応させて記録媒体に書込む記録
回路とを備えたことを特徴とする車両の運行記録装置で
ある。

【００１１】車両の速度を検出する速度検出回路と、前
記時刻情報に対応させて前記速度検出回路の検出結果で
ある速度情報を記録する手段を備えることが望ましい。

【００１２】車両の走行距離を検出する距離検出回路
と、車両の方位を検出する方位検出回路と、前記時刻情
報、前記距離検出回路の検出出力である距離情報、前記
方位検出回路の検出出力である方位情報、および既に記
録された前記位置情報を入力情報として現在位置を演算
する演算手段と、前記位置測定手段に有効な電波が受信
できないときにこの演算手段が演算した現在位置情報を
補足的に記録媒体に記録する手段とを備えることが望ま
しい。

【００１３】前記記録媒体が可換媒体である、もしくは
前記記録媒体の記録内容を可換媒体に複写する手段を備
えることが望ましい。

【００１４】車両がタクシーであり、前記時刻情報に対
応させて空車または実車の状態、および料金メータの料
金情報を記録媒体に書込む手段を備えることが望まし
い。

【００１５】

【作用】ＧＰＳによる位置測定により数十メートル内外
の誤差で現在位置を確認できる。このＧＰＳを車両に搭
載して位置情報と時刻情報により、あらかじめ立案され
た運行計画との誤差が正確に把握できる。

【００１６】また、これらの情報の他に必要となる情報
を併せて記録することにより、さまざまな業種における
運行計画の作成および記録に寄与できる。

【００１７】ＧＰＳは人工衛星からの電波を測定してい
るので、トンネル内、ビルの谷間など電波の届かない場
所での情報が欠落しないために、搭載車両の速度情報、
方位情報、走行距離情報などの検出器をＧＰＳと併せて
備えることが望ましい。

【００１８】また、記録結果は、フロッピディスクまた
はＩＣカードに複写され、そのままコンピュータ装置に
入力できる。

【００１９】

【実施例】本発明実施例の構成を図１を参照して説明す
る。図１は本発明実施例装置のブロック図である。

【００２０】本発明は、時刻情報を発生する時計回路１
と、三以上の衛星から同期されて発射された電波を受信
して位置を測定する位置測定手段であるＧＰＳ受信部２
と、前記時刻情報にＧＰＳ受信部２の測定結果である位
置情報を対応させて記録媒体であるフロッピディスクま
たはＩＣカードに書込む記録回路３とを備えたことを特
徴とする車両の運行記録装置である。

【００２１】さらに、車両の速度を検出する速度検出回
路４と、前記時刻情報に対応させて速度検出回路４の検
出結果である速度情報を記録する手段を記録回路３には
備えている。

【００２２】また、車両の走行距離を検出する距離検出
回路５と、車両の方位を検出する方位検出回路６と、前
記時刻情報、距離検出回路５の検出出力である距離情
報、方位検出回路６の検出出力である方位情報、および
既に記録された前記位置情報を入力情報として現在位置
を演算する演算手段を記録回路３に備えており、ＧＰＳ
受信部２に有効な電波が受信できないときにこの演算手
段が演算した現在位置情報を補足的に記録媒体に記録す
る。

【００２３】前記記録媒体は可換媒体であるフロッピデ
ィスクまたはＩＣカードであり、フロッピディスクドラ
イブ７およびＩＣカード書込器１０を備えている。

【００２４】また、運転者などの外部の操作により任意
に情報を書込むために、入力装置９およびこの入力装置
インタフェース８を備えている。

【００２５】次に、本発明実施例の動作を図２を参照し
て説明する。図２は本発明実施例装置の動作を示すフロ
ーチャートである。本発明実施例装置が搭載された車両
１１のエンジンが始動すると、それに連動して本発明実
施例装置である運行記録装置に電源が投入される（Ｓ
１）。電源投入とともに、各部が稼働を開始して記録回
路３には運行記録が記録される。特に、ＧＰＳ受信部２
はＧＰＳ用の人工衛星からの電波を受信し、位置情報を
記録回路３に出力している。このとき、人工衛星からの
受信状態が劣化すると（Ｓ２）、ＧＰＳが良好に作動し
ていたときの位置情報をもとに、時計回路１からの時間
情報、距離検出回路５からの走行距離情報、方位検出回
路６からの方位情報により記録回路３は現在位置を演算
し、これを記録する（Ｓ４）。これによりトンネルなど
を走行中に、人工衛星からの電波が受信されなかった時
間の位置情報の欠落が除去できる。車両がエンジンを停
止すると（Ｓ５）、オフシーケンスを実行する。すなわ
ち、本発明実施例装置である運行記録装置は、記録回路
３のメモリに記録されている各種情報をフロッピディス
クまたはＩＣカードに複写するが、フロッピディスクま
たはＩＣカードに前回の記録があれば（Ｓ６）、その続
きとなる記録位置を検索し（Ｓ７）、なければそのまま
記録内容を複写して（Ｓ８）装置の電源を断とする。

【００２６】本発明実施例装置では、エンジン停止に同
期して記録回路３の記録を記録媒体に複写する構成とし
たが、記録回路３のメモリ容量を少なくし、それにデー
タが一杯になる直前に記録媒体にそのつど複写する構成
とすることもできる。また、この二つの構成を併せた構
成とすることもできる。

【００２７】次に、図３を参照して本発明実施例の応用
例を説明する。図３は本発明実施例装置の応用例を示す
図である。従来例で述べたように、複数の目的地に荷物
を配送するために、配送用トラックの合理的な配送順序
を演算する装置がある。これは、数十台あるいは数百台
のトラックを利用して、数百箇所の配送先にそれぞれの
注文にしたがって準備されたきわめて多種類の荷物の配
送を手配する場合に、トラック１台毎の積荷とその配送
先の巡回順序を合理的に決定するための装置である。

【００２８】このような運行計画の作成には、正確な位
置情報および時間情報が必要であり、それが得られなけ
れば最適配車計画の作成は不正確になる。本発明実施例
装置を用いることにより、作成された計画と現実の配送
状態との比較を正確かつ容易に行い、次の配送手順を合
理的に作成できる。

【００２９】図４にＧＰＳデータと運行記録を示した。
図４はＧＰＳデータおよび運行記録を示す図である。時
刻および経度、緯度で示されたＧＰＳデータから店着、
滞店時間、移動時間を読取り、始点から終点までの道路
の所要時間、店位置、店毎の滞店時間などにより合理的
な運行計画が作成できる。

【００３０】上記例では時刻情報を得るために時計回路
を内蔵しているが、時刻情報は衛星受信電波からも得ら
れるし、その他の装置からも得られるので、必ずしも内
蔵回路による必要はない。

【００３１】また、本発明実施例装置をタクシーに搭載
した場合は、図１に示す入力装置９により時刻情報に対
応させて空車または実車の情報、メータの料金情報など
の入力し、運行計画の作成に寄与することができる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば車
両の運行記録を人手をかけずに少ない作業工数で、しか
もきわめて正確に得ることができる。

【００３３】また、本発明は正確な位置情報を車両の他
の情報と併せて記録することができ、その車両の運行記
録はそのまま他のコンピュータに投入して利用できる形
態で得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例装置のブロック図。

【図２】本発明実施例の動作を示すフローチャート。

【図３】応用例を示す図。

【図４】ＧＰＳデータおよび運行記録を示す図。

【符号の説明】

１ 時計回路 ２ ＧＰＳ受信部 ３ 記録回路 ４ 速度検出回路 ５ 距離検出回路 ６ 方位検出回路 ７ フロッピディスクドライブ ８ 入力装置インタフェース ９ 入力装置 １０ ＩＣカード書込器 １１ 車両 １２ ＧＰＳアンテナ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三以上の衛星から同期されて発射された
   電波を受信して位置を測定する位置測定手段と、前記位
   置測定手段の測定結果である位置情報を時刻情報に対応
   させて記録媒体に書込む記録回路とを備えたことを特徴
   とする車両の運行記録装置。
2. 【請求項２】 車両の速度を検出する速度検出回路と、
   前記時刻情報に対応させて前記速度検出回路の検出結果
   である速度情報を記録する手段を備えた請求項１記載の
   車両の運行記録装置。
3. 【請求項３】 車両の走行距離を検出する距離検出回路
   と、 車両の方位を検出する方位検出回路と、 前記時刻情報、前記距離検出回路の検出出力である距離
   情報、前記方位検出回路の検出出力である方位情報、お
   よび既に記録された前記位置情報を入力情報として現在
   位置を演算する演算手段と、 前記位置測定手段に有効な電波が受信できないときにこ
   の演算手段が演算した現在位置情報を補足的に記録媒体
   に記録する手段とを備えた請求項１記載の車両の運行記
   録装置。
4. 【請求項４】 前記記録媒体が可換媒体である、もしく
   は前記記録媒体の記録内容を可換媒体に複写する手段を
   備えた請求項１ないし３のいずれかに記載の車両の運行
   記録装置。
5. 【請求項５】 車両がタクシーであり、前記時刻情報に
   対応させて空車または実車の状態、および料金メータの
   料金情報を記録媒体に書込む手段を備えた請求項１記載
   の車両の運行記録装置。