JPH06116428A - 防曇性プラスチックの製造方法 - Google Patents

防曇性プラスチックの製造方法

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JPH06116428A
JPH06116428A JP4264622A JP26462292A JPH06116428A JP H06116428 A JPH06116428 A JP H06116428A JP 4264622 A JP4264622 A JP 4264622A JP 26462292 A JP26462292 A JP 26462292A JP H06116428 A JPH06116428 A JP H06116428A
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Japan
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group
layer
same operation
silane coupling
amino group
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JP4264622A
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English (en)
Inventor
Takeshi Uehara
剛 上原
Yosuke Tajima
陽介 田島
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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Abstract

(57)【要約】 【目的】防曇性能を保持したまま、耐久性、特に耐擦傷
性と耐水性を共に改善した防曇性プラスチックを製造す
る方法を提供する。 【構成】プラスチック基板に少なくとも外層部にSiO
2 −TiO2 またはSiO2 −Al 2 3 を有する金属
酸化物層を被覆し、金属酸化物層の上にシランカップリ
ング層を形成し、シランカップリング層の上に親水性有
機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、防曇性を有するプラ
スチックの製造方法に関する。
【0002】防曇性プラスチックは、家屋や車両の窓用
透明プラスチックシートを始め、ゴーグル、眼鏡レン
ズ、水中眼鏡、光学レンズ、浴室や洗面所に用いられる
防曇性軽量ミラー、グリーンハウス用の外装シートなど
の広い分野で使用される。
【0003】
【従来の技術】従来、上記のような透明プラスチック品
表面での水蒸気結露による曇りの発生を防止するため
に、つぎのような種々の防曇化技術が提案されている。
【0004】a)親水性のモノマーとして、アルコール
性水酸基を有する(メタ)アクリレートを、特定の多官
能性モノマーと共重合せしめて合成樹脂を形成する(例
えば、特公昭57−31735号公報参照)。
【0005】b)ポリオレフィンフィルム表面に親水性
物質をグラフト重合して、フィルム表面に直接に親水性
有機物皮膜を形成する(例えば、特開昭60−1474
47号公報参照)。
【0006】c)ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネートからなる透明プラスチックの表面にケン化処理
を施した後、界面活性剤を塗布する(例えば、特開昭6
0−250044号公報参照)。
【0007】d)4級アンモニウム陽イオンとSO3
イオンとを有する特定のスルホン酸型両性界面活性剤
と、特定の無機塩または酢酸塩とを含有する防曇剤組成
物で、透明プラスチック品の表面を処理する(特開昭5
3−58492号公報参照)。
【0008】e)プラスチック品の表面に金属酸化物皮
膜を形成し、その表面を、水酸基1個とそれ以外の官能
基とを有する芳香族炭化水素、または、2個以上の水酸
基を有する芳香族炭化水素を含む親水性処理液で処理す
る(特開平2−22344号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記諸技術のうち、
a)、b)およびc)に共通する欠点は、水に対する耐
久性がなく、表面が傷つきやすい、すなわち耐擦傷性に
劣るという点である。
【0010】そのために、これらの技術は、多量の水に
よって表面が濡れる可能性のある部材や、表面を頻繁に
払拭する可能性のある製品の用途には適用することがで
きない。
【0011】d)およびe)の技術は、上記欠点を解消
するものとして提案されたものであるが、これらの技術
では、防曇処理後しばらくは防曇性能が発現されている
が、耐水性および耐擦傷性がないため、防曇効果の長期
持続性が悪いという問題がある。
【0012】この発明の目的は、上記問題点を踏まえ、
防曇性能を保持したまま、耐久性、特に耐擦傷性と耐水
性を共に改善した防曇性プラスチックを製造する方法を
提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明による防曇性プ
ラスチックの製造方法は、上記目的を達成すべく工夫さ
れたものであり、該製造方法により、添付図面に示す層
構成を有する防曇性プラスチックが得られる。図中、
(1) はプラスチック基板、(2) は金属酸化物層、(3) は
シランカップリング層、(4) は親水性有機物層である。
【0014】この発明による第1の方法はつぎの構成を
特徴とする。
【0015】i) プラスチック基板の表面に、モル分
率で10〜90%のTiO2 を含むSiO2 −TiO2
系の単層、もしくは最外層が該SiO2 −TiO2 系層
である多層、またはモル分率で10〜90%のAl 2
3 を含むSiO2 −Al 23系の単層、もしくは最外
層が該SiO2 −Al 23 系層である多層からなる金
属酸化物層を被覆する工程と、 ii) 形成した金属酸化物層の表面に、一般式
【化7】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
基または低級アルコキシ基である。Xは末端に1級アミ
ノ基を有する低級アルキル基である。)で表されるシラ
ン化合物を含むシランカップリング剤液を塗布して、シ
ラン化合物をSiO2 −TiO2 系層またはSiO2
Al 23 系層に結合させる工程と、 iii) 形成したシランカップリング層の表面を、カルボ
キシル基を有する直鎖状サッカライド誘導体を含む修飾
液で処理して該サッカライド誘導体をシランカップリン
グ層に結合させる工程。
【0016】以下、第1方法を上記工程ごとに説明す
る。
【0017】i)金属酸化物層の形成 この発明の製造方法において、まず、プラスチック基板
の表面に金属酸化物層を形成する。金属酸化物層を形成
する手段は特に限定されるものではない。例えば、真空
蒸着法、スパッタリング法などの物理的蒸着法や、CV
D法、メッキ、ゾルゲル法などを用いることができる。
【0018】プラスチック基板の材質としては、ポリカ
ーボネート、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ポ
リメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
エーテルケトンなどが使用される。
【0019】プラスチック基板の形状は、例えば、平板
状、レンズ状曲面、エンボス様ランダムテクスチャーな
どであってよい。
【0020】プラスチック基板の表面は、好ましくは、
金属酸化物層の被覆の前に洗浄される。この洗浄は、基
板表面の油脂成分などの汚れを除去するために、洗剤お
よび蒸留水、プラスチックを冒さない有機溶剤などを用
いて行われる。プラズマ処理を行うことも有効である。
【0021】SiO2 −TiO2 系層におけるTiO2
の割合は、10〜90モル%である。TiO2 の割合が
多すぎても少なすぎても次工程における該層とシラン化
合物との反応性が低下する。TiO2 の好ましい割合
は、30〜70モル%である。SiO2 −Al 23
層におけるAl 23 の割合は、10〜90モル%であ
る。Al 23 の割合が多すぎても少なすぎても次工程
における該層とシラン化合物との反応性が低下する。A
l 23 の好ましい割合は、30〜80モル%である。
【0022】SiO2 −TiO2 系層またはSiO2
Al 23 系層には他の金属酸化物が含まれていてもよ
い。他の金属酸化物の含有量は、多すぎるとやはり次工
程における該層とシラン化合物との反応性が低下するの
で、SiO2 −TiO2 系層またはSiO2 −Al 2
3 系層中に5モル%以下が好ましい。
【0023】金属酸化物層は、SiO2 −TiO2 系ま
たはSiO2 −Al 23 系の単層であるか、またはS
iO2 −TiO2 系またはSiO2 −Al 23 系以外
の単一または複数の金属酸化物層の外側に該SiO2
TiO2 系層またはSiO2−Al 23 系層が形成さ
れている多層構成である。SiO2 −TiO2 系または
SiO2 −Al 23 系以外の金属酸化物は、例えば、
MgO、Al 23 、SiO、SiO2 、CaO、Ti
2 、NiO、ZnO、Ga23 、GeO2、Y23
、ZrO2 、CdO、In23 、SnO2 、Ba
O、HfO2 、WO3 、PbO、Bi23 などであ
り、これらが単独でもしくは2以上の組み合わせで使用
される。
【0024】金属酸化物層の層厚は耐擦傷性を上げるた
めには、厚いほど好ましいが、用途によって適宜設定す
ることができる。例えば、スパッタリングによってポリ
カーボネート製のプラスチック基板上にSiO2 −Ti
2 系またはSiO2 −Al 23 系の単層を被覆する
場合には、層厚が薄すぎるとプラスチック基板表面を完
全にかつ均一に覆い尽くすことができず、また逆に層厚
が厚すぎると、金属酸化物層の割れや、プラスチック基
板と金属酸化物層の間の剥離が生じる。層厚は、SiO
2 −TiO2 系またはSiO2 −Al 23 系の単層の
場合には、0.05〜100μmであることが好まし
く、より好ましくは0.5〜20μmである。
【0025】ii) シランカップリング層の形成 工程i)で形成した金属酸化物層の表面に、ついで、上
記シラン化合物を含むシランカップリング剤液を塗布す
る。
【0026】上記シラン化合物の置換基R1 、R2 およ
びR3 は、同一または異なり、ハロゲン原子、アミノ
基、低級アルコキシ基、低級アルキル基またはフェニル
基である。ただし、R1 、R2 およびR3 のうち少なく
とも1つはハロゲン原子、アミノ基または低級アルコキ
シ基である。Xは末端に1級アミノ基を有する低級アル
キル基である。
【0027】シラン化合物は、上記のごとくハロゲン原
子、アミノ基または低級アルコキシ基を少なくとも1つ
有する。シラン化合物のハロゲン原子、アミノ基または
低級アルコキシ基は、保存中の自己重合を防ぎ、かつ加
水分解基として作用する。加水分解によって生じたシラ
ノール基(Si−OH基)は、上記金属酸化物層のSi
−O部分、Ti−O部分およびAl −O部分と結合す
る。
【0028】低級アルコキシ基としては、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシなどの炭素数5以下のアルコキシ基
が例示される。
【0029】R1 、R2 、R3 およびXとしての低級ア
ルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピルな
どの炭素数6以下のアルキル基である。
【0030】R1 、R2 およびR3 として低級アルキル
基またはフェニル基を導入することにより、末端に1級
アミノ基を有する低級アルキル基Xの、金属酸化物層に
対する配向を調整することができる。R1 、R2 および
3 としての低級アルキル基の炭素数が6を越えると、
加水分解基R1 、R2 およびR3 と金属酸化物層との結
合反応が抑制されるので、R1 、R2 およびR3 は炭素
数6以下の低級アルキル基もしくはフェニル基であるこ
とが好ましい。
【0031】シラン化合物の例としては、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルジフェニルメトキシシラン、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0032】シラン化合物を塗布する方法としては、単
純な刷毛塗りはもとより、ディッピング法、スピンコー
ティング法、スプレー法なども有効である。
【0033】シランカップリング剤液の塗布に当たり、
シラン化合物は希釈しないで原液のままで使用してもよ
いが、層厚を薄くかつ均一に塗布するには、これを適当
な溶媒(例えば、水、エタノール、メタノール、ベンゼ
ン、ヘキサン、トルエンなど)で任意の濃度に希釈して
使用するのがよい。希釈溶媒としては、シラン化合物の
加水分解基R1 、R2 およびR3 の加水分解のしやす
さ、およびシラン化合物の自己重合遅延の観点から、シ
ラン化合物の性質に応じて最適のものを選択する。
【0034】シランカップリング剤液の塗布後、シラン
カップリング層を固化し、かつシラン化合物を金属酸化
物層に強固に結合させるために、シランカップリング層
の乾燥を行う。
【0035】乾燥は、加熱乾燥や若干加熱しながらの減
圧乾燥によって行う。シラン化合物塗布直後は多量の溶
剤成分が残存しているため、乾燥工程に先立って風乾を
行うのがよい。例えば希釈溶媒としてエタノールを用い
た場合、室温であれば約1時間風乾を行う。乾燥温度
は、基板となるプラスチックの耐熱性も考慮して、下限
は室温から上限はプラスチック基板の耐熱温度までの範
囲で適宜設定される。乾燥時間は乾燥温度によるが、例
えばポリカーボネートからなる基板の場合、乾燥温度1
10℃で10分程度の処理で充分である。あまり高い温
度での乾燥ができない場合は処理時間を長くする。例え
ばポリエチレンからなる基板の場合、乾燥温度40℃で
少なくとも1昼夜程度その温度を保つ。熱処理を減圧雰
囲気中で行うと、乾燥工程にかける時間を短縮すること
が可能である。
【0036】iii)親水性有機物層の形成 シランカップリング層の形成工程後、シランカップリン
グ層の表面を、カルボキシル基を有する直鎖状サッカラ
イド誘導体を含む修飾液で処理する。この処理によって
サッカライド誘導体がシランカップリング層に結合さ
れ、プラスチック製品の表面に親水性である直鎖状サッ
カライドが現れる。
【0037】ここで、カルボキシル基を有する直鎖状サ
ッカライド誘導体とは、直鎖状のサッカライドの末端に
カルボキシル基が置換基として存在する構造のものを総
称する。カルボキシル基を有する直鎖状サッカライド誘
導体の例としては、酒石酸、β−D−グルクロン酸、D
−ガラクツロン酸、D−グルコン酸、D−砂糖酸、粘液
酸、L−イズロン酸、N−アセチルノイラミン酸、側鎖
に環状サッカライドを有するラクトビオン酸などが挙げ
られる。
【0038】本工程は、 カルボキシル基の活性化、 アミド結合の形成、 および反応終了後の洗浄・乾燥、の3段階からなる。
【0039】カルボキシル基の活性化 一般に、アミド(ペプチド)結合を形成するには、カル
ボキシル基活性化縮合剤として、DMF(N,N−ジメ
チルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキサイ
ド)やTHF(テトラヒドロフラン)などの非水性溶媒
が用いられる。本工程で活性化させるサッカライドはほ
とんどのものが水溶性である。そのため、水溶性のWS
CI(1−エチル−3−(3' −ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド)を用いて水溶液系でカルボキシル
基の活性化を行う。
【0040】すなわち、まず、緩衝液として0.1N−
MES(2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸)
水溶液を調製し、NaOH水溶液およびHCl水溶液で
pHを4.2〜5.0に、液温を0〜4℃にそれぞれ維
持する。この緩衝液に、カルボキシル基の活性化縮合剤
としてWSCIと、カルボキシル基を有する直鎖状サッ
カライド誘導体とを添加し、NaOH水溶液およびHC
l水溶液でpHを4.2〜5.0に、液温を0〜4℃に
それぞれ維持しながら、活性中間体が生成するまで、混
合液を2〜4時間激しく攪拌する。
【0041】本工程で使用するサッカライドのうち非水
性溶媒(例えば、DMF、DMSO、THF、酢酸エチ
ルなど)に可溶なものについては、これら非水性溶媒の
使用も可能であり、その場合MESは不要となる。カル
ボキシル基活性化縮合剤としては上記のほかDCCD
(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)も使用可
能である。
【0042】いずれの溶液系の場合も、反応促進剤とし
て、HOBt(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)や
HOOBt(3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−
オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン)やHOSu
(N−ヒドロキシスクシンイミド)を用いると、副生成
物の生成が抑えられ、反応収率が向上するので、反応促
進剤の使用が好ましい。
【0043】アミド結合の形成 前段階で活性化されたカルボキシル基を有する直鎖状サ
ッカライド誘導体の溶液中に、シランカップリング層を
有するプラスチック基板を浸漬し、液温を低温例えば0
〜4℃に維持したまま反応終了まで同液を攪拌する。
【0044】こうして、シラン化合物の1級アミノ基
に、直鎖状サッカライド誘導体のカルボキシル基がアミ
ド結合を生じ、シランカップリング層が親水性の直鎖状
サッカライドによって修飾される。
【0045】反応終了後の洗浄・乾燥:反応が終了し
たら上記プラスチック基板を液から取り出し、未反応物
を蒸留水で洗い流し、減圧定温乾燥器中で乾燥を行う。
こうして、外表面に親水性有機物層を備えた防曇性プラ
スチックが得られる。
【0046】つぎに、この発明による第2の方法につい
て説明する。
【0047】この発明による第2の方法は、第1の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、1級アミノ
基を有する環状サッカライド誘導体に一般式
【化8】 (式中、R´は二価の有機基または単結合、nは0また
は整数1〜6である。)で表されるα−ケト脂肪族ジカ
ルボン酸を脱水縮合させてなる化合物を含む修飾液で処
理して、該シッフ塩基をシランカップリング層に結合さ
せる、防曇性プラスチックの製造方法である。
【0048】第2の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第1方法のものと同じである。
【0049】第2の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0050】上記シッフ塩基は、環状サッカライド誘導
体の1級アミノ基と、α−ケト脂肪族ジカルボン酸のα
−カルボニルとの間でシッフ塩基を形成する脱水縮合反
応を起こすことによって形成されたものであり、官能基
としてカルボキシル基を有する。
【0051】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体とは、環状のサッカライドの構成炭素に1級のアミ
ノ基が置換基として存在する構造のものを総称するもの
で、 例えば D−グルコサミンおよびその一塩酸塩 D−ガラクトサミンおよびその一塩酸塩 D−マンノサミンおよびその一塩酸塩 または、ジサッカライドのコンドロイシンなどが例示さ
れる。
【0052】また、α−ケト脂肪族ジカルボン酸とは、
一般式
【化9】 (式中、R´は二価の有機基または単結合、nは0また
は整数1〜6である。)で表される化合物である。
【0053】上記式中、nが大きすぎると、該シッフ塩
基分子が嵩高くかつ分子の配向の調節が難しくなるた
め、nとしては0〜6が好ましい。
【0054】また、二価の有機基R´がα−カルボニル
基を形成する置換基(例えば、−C(CO)−、−HC
=CH−CH2 (CO)−など)である化合物も、反応
効率が向上するので好ましい。
【0055】α−ケト脂肪族ジカルボン酸として特に好
ましい化合物は、安定性および反応性の点からα−ケト
グルタル酸(n=2、R´=単結合)である。
【0056】上記環状サッカライド誘導体の1級アミノ
基に上記α−ケト脂肪族ジカルボン酸のケトン基を脱水
縮合させてシッフ塩基を形成する反応は、下記式で示さ
れる。
【0057】
【化10】 第2の方法の工程iii)は、第1の方法の工程iii)と同じ
く、 カルボキシル基の活性化、 アミド結合の形成、 および反応終了後の洗浄・乾燥、の3段階からなる。
【0058】カルボキシル基の活性化 第1の方法と同様の操作で調製された緩衝液に、カルボ
キシル基の活性化縮合剤としてWSCIと、該シッフ塩
基とを添加し、NaOH水溶液およびHCl水溶液でp
Hを4.2〜5.0に、液温を0〜4℃にそれぞれ維持
しながら、活性中間体が生成するまで、混合液を2〜4
時間激しく攪拌する。
【0059】シッフ塩基のうち非水性溶媒に可溶なもの
については、これら非水性溶媒の使用も可能であり、そ
の場合MESは不要となる。カルボキシル基活性化縮合
剤としては上記のほかDCCDも使用可能である。
【0060】いずれの溶液系の場合も、反応促進剤とし
て、HOBtやHOOBtやHOSuを用いると、副生
成物の生成が抑えられ、反応収率が向上するので、反応
促進剤の使用が好ましい。
【0061】アミド結合の形成 前段階で活性化されたカルボキシル基を有するシッフ塩
基の溶液中に、1級アミノ基を有するプラスチック基板
を浸漬し、液温を低温例えば0〜4℃に維持したまま反
応終了まで同液を攪拌する。
【0062】こうして、シラン化合物の1級アミノ基
に、シッフ塩基のカルボキシル基がアミド結合を生じ、
シランカップリング層が親水性の環状サッカライドによ
って修飾される。
【0063】反応終了後の洗浄・乾燥:反応が終了し
たら上記プラスチック基板を液から取り出し、未反応物
を蒸留水で洗い流し、減圧定温乾燥器中で乾燥を行う。
こうして、外表面に親水性有機物層を備えた防曇性プラ
スチックが得られる。
【0064】つぎに、この発明による第3の方法につい
て説明する。
【0065】この発明による第3の方法は、第1の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、一般式
【化11】 (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
酸無水物を含む処理液で処理して、シランカップリング
層のアミノ基と酸無水物とのアミド化反応によりシラン
カップリング層の表面にカルボキシル基を導入し、さら
に1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含む
修飾液で処理して、シランカップリング層のカルボキシ
ル基と環状サッカライド誘導体のアミノ基とのアミド化
反応により表面に親水性有機物層を形成する、防曇性プ
ラスチックの製造方法である。
【0066】第3の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第1方法のものと同じである。
【0067】第3の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0068】まず、シランカップリング層の表面を、上
記酸無水物を含む処理液で処理して、シランカップリン
グ層のアミノ基と酸無水物とのアミド化反応により酸無
水物をシランカップリング層に結合させる。
【0069】一般式
【化12】 (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
酸無水物としては、 n=0の場合の無水シュウ酸 1の場合の無水マロン酸 2の場合の無水コハク酸 3の場合の無水グルタル酸 4の場合の無水アジピン酸 が用いられる。特に反応性に優れた酸無水物は、分子が
構造上5員環を形成する無水コハク酸(n=2)であ
る。
【0070】上記酸無水物を含む処理液による具体的処
理手段としては、表面にシランカップリング層を有する
プラスチック基板を酸無水物の水溶液中に浸漬する方法
が一般的である。これにより、シランカップリング層の
アミノ基と酸無水物とのアミド化反応が生じ、シランカ
ップリング層の表面にカルボキシル基が導入される。
【0071】処理液中の酸無水物濃度としては、濃厚な
ものの方が反応効率が良いが、溶解性を考慮して1〜2
0重量%が好ましい。
【0072】処理液のpHとしては中性付近が好まし
く、pHをNaOH水溶液の添加で調整して6.8〜
7.0に維持することが望ましい。
【0073】アミド化反応は室温下で進行するが、反応
促進のため若干の加温は差し支えない。
【0074】こうして、シランカップリング層の表面に
カルボキシル基を導入した後、このカルボキシル基を有
するプラスチック基板を、1級アミノ基を有する環状サ
ッカライド誘導体を含む修飾液で処理して、シランカッ
プリング層のカルボキシル基と環状サッカライド誘導体
のアミノ基とのアミド化反応によりシランカップリング
層の表面に親水性有機物層を形成する。
【0075】この表面修飾工程は、第1の方法の工程ii
i)と同じく、 カルボキシル基の活性化、 アミド結合の形成、 および反応終了後の洗浄・乾燥、の3段階からなる。
【0076】カルボキシル基の活性化 第1の方法と同様な操作で調製された緩衝液に、カルボ
キシル基の活性化縮合剤としてWSCIを添加し、ここ
に、表面にカルボキシル基を有するプラスチック基板を
浸漬し、NaOH水溶液およびHCl水溶液でpHを
4.2〜5.0に、液温を0〜4℃にそれぞれ維持しな
がら、活性中間体が生成するまで、混合液を2〜4時間
激しく攪拌する。
【0077】環状サッカライド誘導体のうち非水性溶媒
に可溶なものについては、非水性溶媒の使用も可能であ
り、その場合MESは不要となる。カルボキシル基活性
化縮合剤としては上記のほかDCCDも使用可能であ
る。
【0078】いずれの溶液系の場合も、反応促進剤とし
て、HOBtやHOOBtやHOSuを用いると、副生
成物の生成が抑えられ、反応収率が向上するので、反応
促進剤の使用が好ましい。
【0079】アミド結合の形成 前段階で活性化されたカルボキシル基を表面に有するプ
ラスチック基板を、1級アミノ基を有する環状サッカラ
イド誘導体を含む修飾液中に浸漬し、液温を低温例えば
0〜4℃にしたまま反応終了まで同液を攪拌する方法が
一般的である。 反応終了後の洗浄・乾燥は、第1の方法と同様の操作
によって行うことができる。こうして、外表面に親水性
有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られる。
【0080】つぎに、この発明による第4の方法につい
て説明する。
【0081】この発明による第4の方法は、第1の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、一般式 OHC(CH2n CHO (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
ジアルデヒド化合物を含む処理液で処理して、シランカ
ップリング層のアミノ基とジアルデヒド化合物の一方の
アルデヒド基とのシッフ塩基形成によりシランカップリ
ング層の表面に他方のアルデヒド基を導入し、さらに1
級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾
液で処理して、シランカップリング層の他方のアルデヒ
ド基と環状サッカライド誘導体のアミノ基とのシッフ塩
基形成により表面に親水性有機物層を形成する、防曇性
プラスチックの製造方法である。
【0082】第4の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第1方法のものと同じである。
【0083】第4の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0084】まず、プラスチック基板を上記ジアルデヒ
ド化合物を含む処理液で処理して、シランカップリング
層のアミノ基とジアルデヒド化合物の一方のアルデヒド
基とのシッフ塩基形成によりシランカップリング層の表
面に他方のアルデヒド基を導入する。
【0085】一般式 OHC(CH2n CHO (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
ジアルデヒド化合物としては、 n=0の場合のオキザルアルデヒド 1の場合のマロンアルデヒド 2の場合のスクシンアルデヒド 3の場合のグルタルアルデヒド 4の場合のアジピンアルデヒド が用いられる。特に安定性および反応性に優れたジアル
デヒド化合物はグルタルアルデヒド(n=3)である。
【0086】上記ジアルデヒド化合物を含む処理液によ
る具体的処理手段としては、表面にシランカップリング
層を有するプラスチック基板をジアルデヒド化合物の水
溶液中に浸漬する方法が一般的である。これにより、シ
ランカップリング層のアミノ基とジアルデヒド化合物の
一方のアルデヒド基とのシッフ塩基形成によりシランカ
ップリング層の表面に他方のアルデヒド基が導入され
る。
【0087】処理液中のジアルデヒド化合物濃度として
は、濃厚なものの方が反応効率が良いが、溶解性を考慮
して1〜20重量%が好ましい。
【0088】処理液のpHとしては中性付近が好まし
く、pHをリン酸緩衝液などの緩衝液を用いて6.8〜
7.0に維持することが望ましい。
【0089】シッフ塩基の形成反応は室温下で進行する
が、反応促進のため若干の加温は差し支えない。
【0090】こうして、シランカップリング層の表面に
アルデヒド基を導入した後、このアルデヒド基を有する
プラスチック基板を、1級アミノ基を有する環状サッカ
ライド誘導体を含む修飾液で処理して、シランカップリ
ング層のアルデヒド基と環状サッカライド誘導体のアミ
ノ基とのシッフ塩基の形成反応によりシランカップリン
グ層の表面に親水性有機物層を形成する。
【0091】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体は、第2の方法で例示したものを利用することがで
きる。
【0092】上記修飾液による具体的処理手段として
は、表面にアルデヒド基を有するプラスチック基板を該
修飾液中に浸漬し、液温を低温例えば0〜4℃に維持し
たまま反応終了まで同液を攪拌する方法が一般的であ
る。これにより、シランカップリング層のアルデヒド基
と環状サッカライド誘導体のアミノ基とのシッフ塩基の
形成反応が生じ、シランカップリング層が親水性の環状
サッカライドによって修飾される。
【0093】修飾液中の上記環状サッカライド誘導体の
濃度としては、濃厚なものの方が反応効率が良いが、溶
解性を考慮して1〜20重量%が好ましい。
【0094】処理液のpHとしては中性付近が好まし
く、pHをリン酸緩衝液などの緩衝液を用いて6.0〜
7.0に維持することが望ましい。
【0095】シッフ塩基の形成反応は室温下で進行する
が、反応促進のため若干の加温は差し支えない。
【0096】反応が終了したら、上記プラスチック基板
を液から取り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧
定温乾燥器中で乾燥を行う。こうして、外表面に親水性
有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られる。
【0097】この時、さらにNaBH4 などの還元剤で
シッフ塩基の還元を行い、下記反応式に示すように、シ
ッフ塩基を安定な2級アミンに導くことも好ましい。
【0098】
【化13】 つぎに、この発明による第5の方法について説明する。
【0099】この発明による第5の方法は、第1の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、1級アミノ
基を有する環状サッカライド誘導体に一般式 OHC(CH2n CHO (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
ジアルデヒド化合物の一方のアルデヒド基とを脱水縮合
させてなるシッフ塩基を含む修飾液で処理して、シラン
カップリング層のアミノ基とシッフ塩基の他方のアルデ
ヒド誘導体のアミノ基とのシッフ塩基形成により表面に
親水性有機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造
方法である。
【0100】第5の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第1方法のものと同じである。
【0101】第5の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0102】シランカップリング層の表面を、1級アミ
ノ基を有する環状サッカライド誘導体に上記一般式で表
されるジアルデヒド化合物の一方のアルデヒド基とを脱
水縮合させてなるシッフ塩基を含む修飾液で処理する。
【0103】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体は、第2の方法で例示したものを利用することがで
きる。また、ジアルデヒド化合物は、第4の方法で例示
したものを利用することができる。
【0104】上記環状サッカライド誘導体の1級アミノ
基に上記ジアルデヒド化合物の一方のアルデヒド基を脱
水縮合させてシッフ塩基を形成する反応は、下記式で表
される。
【0105】
【化14】 上記反応式によるシッフ塩基形成反応において、環状サ
ッカライド誘導体およびジアルデヒド化合物の濃度とし
ては、濃厚なものの方が反応効率が良いが、溶解性を考
慮して1〜20重量%が好ましい。
【0106】処理液のpHとしては中性付近が好まし
く、pHをリン酸緩衝液などの緩衝液を用いて6.0〜
7.0に維持することが望ましい。
【0107】シッフ塩基の形成反応は室温下で進行する
が、反応促進のため若干の加温は差し支えない。
【0108】こうして得られた上記シッフ塩基を含む修
飾液で、表面にアミノ基を有するプラスチック基板を処
理して、シランカップリング層のアミノ基とシッフ塩基
の他方のアルデヒド基とのシッフ塩基形成により表面に
親水性有機物層を形成する。上記修飾液による具体的処
理手段としては、表面にアミノ基を有するプラスチック
基板を該修飾液中に浸漬する方法が一般的である。
【0109】反応が終了したら、上記プラスチック基板
を液から取り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧
定温乾燥器中で乾燥を行う。こうして、外表面に親水性
有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られる。
【0110】つぎに、この発明による第6の方法につい
て説明する。
【0111】この発明による第6の方法は、第1の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、一般式 CH2 =CHR−COOH (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基または単結合
である。)で表される不飽和カルボン酸を含む処理液で
処理して、シランカップリング層のアミノ基と脂肪族不
飽和カルボン酸のカルボキシル基とのアミド化反応によ
りシランカップリング層の表面にビニル基を導入し、ビ
ニル基のエポキシ基への酸化後、さらに、1級アミノ基
を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理し
て、シランカップリング層のエポキシ基と環状サッカラ
イド誘導体のアミノ基との反応により表面に親水性有機
物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方法であ
る。
【0112】第6の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第1方法のものと同じである。
【0113】第6の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0114】まず、表面にアミノ基を有するシランカッ
プリング層の表面を、ビニル基を有する脂肪族不飽和カ
ルボン酸を含む処理液で処理して、シランカップリング
層のアミノ基と脂肪族不飽和カルボン酸のカルボキシル
基とのアミド化反応によりシランカップリング層の表面
にビニル基を導入する。
【0115】一般式 CH2 =CHR−COOH で表される不飽和カルボン酸において、アルキレン基R
が大きすぎると反応後の組成物分子が嵩高くかつ配向の
調節が難しくなるため、Rとしては単結合または炭素数
1〜6のアルキレン基が好ましい。不飽和カルボン酸と
しては反応性の点からアクリル酸(R=単結合)が好ま
しい。
【0116】第6の方法の工程iii)は、 カルボキシル基の活性化、 アミド結合の形成、 ビニル基の酸化 環状サッカライド誘導体による表面修飾 および反応終了後の洗浄・乾燥、の5段階からなる。
【0117】カルボキシル基の活性化 アミド(ペプチド)結合を形成するために、カルボキシ
ル基活性化縮合剤として、DMF、DMSOやTHFな
どの非水性溶媒が用いられるが、これらの無水溶液中に
カルボキシル基の活性化縮合剤としてWSCIまたはD
CCDを投入し、ここに上記不飽和カルボン酸を添加
し、液温0〜4℃を維持しながら活性中間体が生成され
るまで反応液を2〜4時間激しく攪拌する。
【0118】この場合、反応促進剤として、HOBtや
HOOBtやHOSuを用いると、副生成物の生成が抑
えられ、反応収率が向上するので、反応促進剤の使用が
好ましい。
【0119】アミド結合の形成 前段階で活性化された不飽和カルボン酸の溶液中に、シ
ランカップリング層を有するプラスチック基板を浸漬
し、液温を低温例えば0〜4℃に維持したまま反応終了
まで同液を攪拌する。
【0120】こうして、シランカップリング層の1級ア
ミノ基に、不飽和カルボン酸のカルボキシル基をアミド
結合させ、表面にビニル基を有するプラスチック基板を
得る。
【0121】ビニル基の酸化(エポキシ基の導入) 表面にビニル基を有するプラスチック基板のビニル基を
エポキシ基に酸化する。
【0122】本段階での酸化剤としては、アルケンのエ
ポキシ化剤として一般に用いられる過酸を使用する。特
に比較的安定で常温で結晶のため取扱いが簡単な、m−
クロロ過安息香酸(mCPBA)を使用する。
【0123】このとき、過酸のラジカル的分解を防ぐた
めに、例えば4,4' −チオビス−6−t−ブチル−3
−メチルフェノールなどのラジカル阻止剤を共存させる
ことにより、ジクロロメタンなどの溶媒中で比較的高温
で反応を行うことが可能である。
【0124】具体的には、表面にビニル基を有するプラ
スチック基板を乾燥した後、無水ジクロロメタン中でm
CPBAと氷冷下に反応終了まで混合攪拌して、表面に
エポキシ基を有するプラスチック基板を得る。
【0125】環状サッカライド誘導体による表面修飾 表面にエポキシ基を有するプラスチック基板を、つい
で、1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含
む修飾液で処理して、シランカップリング層のエポキシ
基と環状サッカライド誘導体のアミノ基との反応により
表面に親水性有機物層を形成する。
【0126】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体は、第2の方法で例示したものを利用することがで
きる。
【0127】具体的には、表面にエポキシ基を有するプ
ラスチック基板を、50℃程度に加温した1級アミノ基
を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液に浸漬
し、加温しながら攪拌する。修飾液の溶媒としては、例
えば、水、エタノール、メタノール、キシレンなど、ケ
ト基を持たない各種溶媒が使用できる。ただし、ケト基
を有するアセトンやメチルエチルケトンはアミンと反応
してケチミンを生成するため使用できない。
【0128】このとき、反応触媒として3級アミン(例
えば、(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノールな
ど)を若干量添加することも、反応性向上のために好ま
しい。
【0129】反応終了後の洗浄・乾燥は、第1の方法
と同様の操作によって行うことができる。こうして、外
表面に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得
られる。
【0130】つぎに、この発明による第7の方法につい
て説明する。
【0131】この発明による第7の方法は、第1の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、一般式 CH2 =CHR−COOH (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基または単結合
である。)で表される不飽和カルボン酸に1級アミノ基
を有する環状サッカライド誘導体をアミド化反応させさ
らにそのビニル基をエポキシ基へ酸化してなるエポキシ
基を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理
して、環状サッカライド誘導体のエポキシ基とシランカ
ップリング層のアミノ基との反応により表面に親水性有
機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方法であ
る。
【0132】第7の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第1方法のものと同じである。
【0133】第7の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0134】シランカップリング層の表面を、一般式 CH2 =CHR−COOH (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基または単結合
である。)で表される不飽和カルボン酸に1級アミノ基
を有する環状サッカライド誘導体をアミド化反応させさ
らにそのビニル基をエポキシ基へ酸化してなるエポキシ
基を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理
する。
【0135】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体は、第2の方法で例示したものを利用することがで
きる。
【0136】一般式 CH2 =CHR−COOH で表される不飽和カルボン酸において、アルキレン基R
が大きすぎると反応後の組成物分子が嵩高くかつ配向の
調節が難しくなるため、Rとしては単結合または炭素数
1〜6のアルキレン基が好ましい。不飽和カルボン酸と
しては反応性の点からアクリル酸(R=単結合)が好ま
しい。
【0137】第7の方法の工程iii)は、 カルボキシル基の活性化、 アミド結合の形成、 ビニル基の酸化 環状サッカライド誘導体による表面修飾 および反応終了後の洗浄・乾燥、の5段階からなる。
【0138】カルボキシル基の活性化 アミド化反応を効率よく行うために、上記不飽和カルボ
ン酸のカルボキシル基を活性化する。
【0139】まず、緩衝液として0.1N−MES水溶
液を調製し、NaOH水溶液およびHCl水溶液でpH
を4.2〜5.0に、液温を0〜4℃にそれぞれ維持す
る。この緩衝液に、カルボキシル基の活性化縮合剤とし
てWSCIと、上記不飽和カルボン酸とを添加し、Na
OH水溶液およびHCl水溶液でpHを4.2〜5.0
に、液温を0〜4℃にそれぞれ維持しながら、活性中間
体が生成するまで、混合液を2〜4時間激しく攪拌す
る。
【0140】反応促進剤として、HOBtやHOOBt
やHOSuを用いると、副生成物の生成が抑えられ、反
応収率が向上するので、反応促進剤の使用が好ましい。
【0141】アミド結合の形成 前段階で活性化された不飽和カルボン酸に、1級アミノ
基を有する環状サッカライド誘導体を反応させて、ビニ
ル基を有する環状サッカライド誘導体を得る。アミド化
反応は、具体的には、活性化された不飽和カルボン酸
に、1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を、
前者:後者=2:3のモル比で混合し、NaOH水溶液
およびHCl水溶液でpHを4.2〜5.0に、液温を
0〜4℃にそれぞれ維持しながら、反応完了まで混合物
を撹拌する。
【0142】ビニル基の酸化(エポキシ基の導入) 前段階で得られたビニル基を有する環状サッカライド誘
導体のビニル基をエポキシ基に酸化する。
【0143】本段階での酸化剤としては、アルケンのエ
ポキシ化剤として一般に用いられる過酸を使用する。特
に比較的安定で常温で結晶のため取扱いが簡単な、m−
クロロ過安息香酸(mCPBA)を使用する。
【0144】このとき、過酸のラジカル的分解を防ぐた
めに、例えば4,4' −チオビス−6−t−ブチル−3
−メチルフェノールなどのラジカル阻止剤を共存させる
ことにより、ジクロロメタンなどの溶媒中で比較的高温
で反応を行うことが可能である。
【0145】具体的には、ビニル基を有する環状サッカ
ライド誘導体を乾燥した後、無水ジクロロメタン中でm
CPBAと氷冷下に反応終了まで混合攪拌して、エポキ
シ基を有する環状サッカライド誘導体を得る。
【0146】環状サッカライド誘導体による表面修飾 ついで、表面に1級アミノ基を有するプラスチック基板
を、エポキシ基を有する環状サッカライド誘導体を含む
修飾液で処理して、シランカップリング層のアミノ基と
環状サッカライド誘導体のエポキシ基との反応により表
面に親水性有機物層を形成する。
【0147】具体的には、表面に1級アミノ基を有する
プラスチック基板を、50℃程度に加温したエポキシ基
を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液に浸漬
し、加温しながら攪拌する。修飾液の溶媒としては、例
えば、水、エタノール、メタノール、キシレンなど、ケ
ト基を持たない各種溶媒が使用できる。ただし、ケト基
を有するアセトンやメチルエチルケトンはアミンと反応
してケチミンを生成するため使用できない。
【0148】このとき、反応触媒として3級アミン(例
えば、(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノールな
ど)を若干量添加することも、反応性向上のために好ま
しい。
【0149】反応終了後の洗浄・乾燥は、第1の方法
と同様の操作によって行うことができる。こうして、外
表面に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得
られる。
【0150】つぎに、この発明による第8の方法につい
て説明する。
【0151】この発明による第8の方法は、第1の方法
における工程i) の操作の後、工程ii)において、金属
酸化物層の表面に、一般式
【化15】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
基または低級アルコキシ基である。Yは末端にエポキシ
基を有する低級アルキル基である。)で表されるシラン
化合物を含む液を塗布してシランカップリング層を形成
し、工程iii)において、シランカップリング層の表面
を、1級アミノ基を有する環状サッカライドを含む修飾
液で処理して、シランカップリング層のエポキシ基と1
級アミノ基を有する環状サッカライドのアミノ基との反
応により表面に親水性有機物層を形成する、防曇性プラ
スチックの製造方法である。
【0152】第8の方法の工程i) は、上述した第1の
方法のものと同じである。
【0153】第8の方法の工程ii) は、つぎのとおりで
ある。
【0154】工程i)で形成した金属酸化物層の表面
に、ついで、上記シラン化合物を含むシランカップリン
グ剤液を塗布する。
【0155】上記シラン化合物の置換基R1 、R2 およ
びR3 は、同一または異なり、ハロゲン原子、アミノ
基、低級アルコキシ基、低級アルキル基またはフェニル
基である。ただし、R1 、R2 およびR3 のうち少なく
とも1つはハロゲン原子、アミノ基または低級アルコキ
シ基である。Yは末端にエポキシ基を有する低級アルキ
ル基である。
【0156】シラン化合物は、上記のごとくハロゲン原
子、アミノ基または低級アルコキシ基を少なくとも1つ
有する。シラン化合物のハロゲン原子、アミノ基または
低級アルコキシ基は、保存中の自己重合を防ぎ、かつ加
水分解基として作用する。加水分解によって生じたシラ
ノール基(Si−OH基)は、上記金属酸化物層のSi
−O部分、Ti−O部分およびAl −O部分と結合す
る。
【0157】低級アルコキシ基としては、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシなどの炭素数5以下のアルコキシ基
が例示される。
【0158】R1 、R2 、R3 およびYとしての低級ア
ルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピルな
どの炭素数6以下のアルキル基である。
【0159】R1 、R2 およびR3 として低級アルキル
基またはフェニル基を導入することにより、末端にエポ
キシ基を有する低級アルキル基Yの、金属酸化物層に対
する配向を調整することができる。R1 、R2 およびR
3 としての低級アルキル基の炭素数が6を越えると、加
水分解基R1 、R2 およびR3 と金属酸化物層との結合
反応が抑制されるので、R1 、R2 およびR3 は炭素数
6以下の低級アルキル基もしくはフェニル基であること
が好ましい。
【0160】シラン化合物の例としては、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
エチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジ
フェニルクロロシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
クロロシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0161】シラン化合物を塗布する方法としては、第
1の方法と同様に行うことができる。
【0162】第8の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0163】この工程では、シランカップリング層の表
面を、1級アミノ基を有する環状サッカライドを含む修
飾液で処理して、シランカップリング層のエポキシ基と
1級アミノ基を有する環状サッカライドのアミノ基との
反応により表面に親水性有機物層を形成する。
【0164】1級アミノ基を有する環状サッカライド
は、第2の方法で例示したものを利用することができ
る。
【0165】具体的には、表面にエポキシ基を有するプ
ラスチック基板を、50℃程度に加温した1級アミノ基
を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液に浸漬
し、加温しながら攪拌する。修飾液の溶媒としては、例
えば、水、エタノール、メタノール、キシレンなど、ケ
ト基を持たない各種溶媒が使用できる。ただし、ケト基
を有するアセトンやメチルエチルケトンはアミンと反応
してケチミンを生成するため使用できない。
【0166】このとき、反応触媒として3級アミン(例
えば、(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノールな
ど)を若干量添加することも、反応性向上のために好ま
しい。
【0167】反応が終了したら上記プラスチック基板を
液から取り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧定
温乾燥器中で乾燥を行う。こうして、外表面に親水性有
機物層を備えた防曇性プラスチックが得られる。
【0168】つぎに、この発明による第9の方法につい
て説明する。
【0169】この発明による第9の方法は、第8の方法
における工程i) および工程ii) の操作の後、工程iii)
において、シランカップリング層の表面を、一般式 A−NH2 (式中、Aは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スル
ホン基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの親水性
官能基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。)で
表される1級アミン化合物を含む修飾液で処理して、シ
ランカップリング層のエポキシ基と1級アミン化合物の
アミノ基との反応により表面に親水性有機物層を形成す
る、防曇性プラスチックの製造方法である。
【0170】第9の方法の工程i) および工程ii) は、
上述した第8の方法のものと同じである。
【0171】第9の方法の工程iii)は、つぎのとおりで
ある。
【0172】この工程では、シランカップリング層の表
面を、一般式 A−NH2 (式中、Aは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スル
ホン基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの親水性
官能基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。)で
表される1級アミン化合物を含む修飾液で処理する。
【0173】一般式 A−NH2 (式中、Aは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スル
ホン基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの親水性
官能基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。)で
表される1級アミン化合物は、グルコサミンおよびその
塩類、ガラクトサミンおよびその塩類、マンノサミンお
よびその塩類、コンドロイシン、2−アミノ−2−ヒド
ロキシメチル−1,3−プロピレンジオール、アミノグ
アニジンおよびその塩類、アミノエタンスルホン酸(タ
ウリン)、グリシン、グルタミン酸、アルギニン、セリ
ン、スレオニンなどのように、一分子中に1級アミノ基
と親水性官能基部分を有する低分子化合物の総称であ
る。
【0174】具体的には、表面にエポキシ基を有するプ
ラスチック基板を、50〜70℃程度に加温した1級ア
ミノ基を有する上記アミン誘導体を含む修飾液に浸漬
し、加温しながら攪拌する。修飾液の溶媒としては、例
えば、水、エタノール、メタノール、キシレンなど、ケ
ト基を持たない各種溶媒が使用できる。ただし、ケト基
を有するアセトンやメチルエチルケトンはアミンと反応
してケチミンを生成するため使用できない。
【0175】修飾液のpHは、1級アミン化合物の反応
性が最も向上するpH9程度のアルカリ性に水酸化ナト
リウムなどを用いてあらかじめ調整し、1級アミンを塩
酸塩などから遊離した状態にしておくのが好ましい。
【0176】このとき、反応触媒として3級アミン(例
えば、(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノールな
ど)を若干量添加することも、反応性向上のために好ま
しい。
【0177】反応が終了したら上記プラスチック基板を
液から取り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧定
温乾燥器中で乾燥を行う。こうして、外表面に親水性有
機物層を備えた防曇性プラスチックが得られる。
【0178】つぎに、この発明による第10の方法につ
いて説明する。
【0179】この発明による第10の方法は、第1の方
法の工程i)の後、工程ii) において金属酸化物層の表面
に、一般式
【化16】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
基または低級アルコキシ基である。Yは末端にエポキシ
基を有する低級アルキル基である。)で表されるシラン
化合物と、一般式 A−NH2 (式中、Aは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スル
ホン基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの親水性
官能基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。)で
表される1級アミン化合物との反応物を含む修飾液で処
理を施して、表面に親水性有機物層を形成する工程とか
らなる、防曇性プラスチックの製造方法である。
【0180】第10の方法の工程i) は、上述した第1
の方法のものと同じである。
【0181】第10の方法の工程ii) は、つぎのとおり
である。
【0182】上記シラン化合物は、第8の方法で例示し
たものを使用することができる。
【0183】一方、一般式 A−NH2 で表される1級アミン化合物は、第9の方法で例示した
ものを利用することができる。
【0184】シラン化合物と1級アミン化合物との反応
物を含む修飾液を調製するには、つぎのようにする。
【0185】適当な濃度のシラン化合物と1級アミン誘
導体とを含む溶液を50〜70℃程度に加温しながら攪
拌して、シラン化合物と1級アミン誘導体を結合させ
る。上記溶液の溶媒としては、例えば、水、エタノー
ル、メタノール、キシレンなど、ケト基を持たない各種
溶媒が使用できる。ただし、ケト基を有するアセトンや
メチルエチルケトンはアミンと反応してケチミンを生成
するため使用できない。そして、溶媒は、使用するプラ
スチック基板の耐溶剤性、シラン化合物の加水分解基R
1 、R2 およびR3 の加水分解のしやすさ、およびシラ
ン化合物の自己重合遅延の観点から、シラン化合物の性
質に応じて最適のものを選択する。
【0186】上記反応物を含む溶液、すなわち修飾液の
pHは、1級アミン化合物の反応性が最も向上するpH
9程度のアルカリ性に水酸化ナトリウム水溶液などを用
いてあらかじめ調整し、1級アミンを塩酸塩などから遊
離した状態にしておくのが好ましい。
【0187】このとき、反応触媒として3級アミン(例
えば、(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノールな
ど)を若干量添加することも、反応性向上のために好ま
しい。
【0188】シラン化合物と1級アミン化合物との反応
物を含む修飾液の塗布は、つぎのように行う。
【0189】プラスチック基板に修飾液を塗布する方法
としては、単純な刷毛塗りのほか、ディッピング法、ス
ピンコーティング、スプレー法なども有効である。
【0190】修飾液は希釈しないで使用してもよいが、
膜厚を薄くかつ均一に塗布するために、これを適当な溶
媒(例えば、水、エタノール、メタノール、ベンゼン、
ヘキサン、トルエンなど)で任意の濃度に希釈して使用
しても構わない。
【0191】希釈溶媒は、使用するプラスチック基板の
耐溶剤性、シラン化合物の加水分解基R1 、R2 、R3
の加水分解のしやすさ、およびシラン化合物の自己重合
遅延の観点から、シラン化合物の性質に応じて最適のも
のが選択する。
【0192】修飾液塗布後の膜の硬化および基板と膜と
の結合をより一層強化にするため乾燥を行う。
【0193】乾燥は、加熱乾燥や若干加熱しながらの減
圧乾燥によって行う。修飾液塗布直後は多量の溶剤成分
が残存しているため、乾燥工程に先立って風乾(例えば
エタノールを用いた場合、室温であれば1時間程度)を
行う。
【0194】乾燥は、基板となるプラスチックの耐熱性
も考慮し室温から上限はプラスチック基材の耐熱温度ま
での温度範囲で行うのがよい。
【0195】必要乾燥処理時間は乾燥温度によるが、例
えばポリカーボネートを基板に用いた場合、110℃で
10分程度で十分である。
【0196】あまり高い温度で加熱できないときは処理
時間を長くする。例えばポリエチレンを基板に用いた場
合40℃で少なくとも1昼夜程度この温度を保つ。
【0197】熱処理を減圧雰囲気中で行う方法を併用す
れば、乾燥処理にかける時間を短縮することが可能であ
る。
【0198】反応が終了したら上記プラスチック基板を
液から取り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧定
温乾燥器中で乾燥を行う。こうして、外表面に親水性有
機物層を備えた防曇性プラスチックが得られる。
【0199】つぎに、この発明による第11の方法につ
いて説明する。
【0200】この発明による第11の方法は、第1の方
法における工程i) の操作の後、工程ii)において、金
属酸化物層の表面に、一般式
【化17】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
基または低級アルコキシ基である。Zは末端にビニル基
を有する低級アルキル基である。)で表されるシラン化
合物を含む液を塗布してシランカップリング層を形成す
る工程と、 iii) シランカップリング層のビニル基をエポキシ基へ
酸化する工程と、 iv) シランカップリング層の表面を、1級アミノ基を
有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理し
て、シランカップリング層のエポキシ基とサッカライド
誘導体のアミノ基との反応により表面に親水性有機物層
を形成する工程とからなる、防曇性プラスチックの製造
方法である。
【0201】第11の方法の工程i) は、上述した第1
方法のものと同じである。
【0202】第11の方法の工程ii) は、つぎのとおり
である。
【0203】シランカップリング剤液の塗布 工程i)で形成した金属酸化物層の表面に、上記シラン
化合物を含むシランカップリング剤液を塗布する。
【0204】上記シラン化合物の置換基R1 、R2 およ
びR3 は、同一または異なり、ハロゲン原子、アミノ
基、低級アルコキシ基、低級アルキル基またはフェニル
基である。ただし、R1 、R2 およびR3 のうち少なく
とも1つはハロゲン原子、アミノ基または低級アルコキ
シ基である。Zは末端にビニル基を有する低級アルキル
基である。
【0205】シラン化合物は、上記のごとくハロゲン原
子、アミノ基または低級アルコキシ基を少なくとも1つ
有する。シラン化合物のハロゲン原子、アミノ基または
低級アルコキシ基は、保存中の自己重合を防ぎ、かつ加
水分解基として作用する。加水分解によって生じたシラ
ノール基(Si−OH基)は、上記金属酸化物層のSi
−O部分、Ti−O部分およびAl −O部分と結合す
る。
【0206】低級アルコキシ基としては、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシなどの炭素数5以下のアルコキシ基
が例示される。
【0207】R1 、R2 、R3 およびZとしての低級ア
ルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピルな
どの炭素数6以下のアルキル基である。
【0208】R1 、R2 およびR3 として低級アルキル
基またはフェニル基を導入することにより、末端にビニ
ル基を有する低級アルキル基Zの、金属酸化物層に対す
る配向を調整することができる。R1 、R2 およびR3
としての低級アルキル基の炭素数が6を越えると、加水
分解基R1 、R2 およびR3 と金属酸化物層との結合反
応が抑制されるので、R1 、R2 およびR3 は炭素数6
以下の低級アルキル基もしくはフェニル基であることが
好ましい。
【0209】シラン化合物の例としては、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シ
ランなどが挙げられる。
【0210】シラン化合物を塗布する方法としては、単
純な刷毛塗りはもとより、ディッピング法、スピンコー
ティング法、スプレー法なども有効である。
【0211】シランカップリング剤液の塗布に当たり、
シラン化合物は希釈しないで原液のままで使用してもよ
いが、層厚を薄くかつ均一に塗布するには、これを適当
な溶媒(例えば、水、エタノール、メタノール、ベンゼ
ン、ヘキサン、トルエンなど)で任意の濃度に希釈して
使用するのがよい。希釈溶媒としては、シラン化合物の
加水分解基R1 、R2 およびR3 の加水分解のしやす
さ、およびシラン化合物の自己重合遅延の観点から、シ
ラン化合物の性質に応じて最適のものを選択する。
【0212】塗布後の乾燥 シランカップリング剤液の塗布後、シランカップリング
層を固化し、かつシラン化合物を金属酸化物層に強固に
結合させるために、シランカップリング層の乾燥を行
う。
【0213】乾燥は、加熱乾燥や若干加熱しながらの減
圧乾燥によって行う。シラン化合物塗布直後は多量の溶
剤成分が残存しているため、乾燥工程に先立って風乾を
行うのがよい。例えば希釈溶媒としてエタノールを用い
た場合、室温であれば約1時間風乾を行う。乾燥温度
は、基板となるプラスチックの耐熱性も考慮して、下限
は室温から上限はプラスチック基板の耐熱温度までの範
囲で適宜設定される。乾燥時間は乾燥温度によるが、例
えばポリカーボネートからなる基板の場合、乾燥温度1
10℃で10分程度の処理で充分である。あまり高い温
度での乾燥ができない場合は処理時間を長くする。例え
ばポリエチレンからなる基板の場合、乾燥温度40℃で
少なくとも1昼夜程度その温度を保つ。熱処理を減圧雰
囲気中で行うと、乾燥工程にかける時間を短縮すること
が可能である。
【0214】ビニル基の酸化(エポキシ基の導入)
は、第6の方法と同様の操作で行うことができる。
【0215】具体的には、ビニル基を有するプラスチッ
ク基板を乾燥した後、無水ジクロロメタン中でmCPB
Aと氷冷下に反応終了まで混合攪拌して、表面にエポキ
シ基を有するプラスチック基板を得る。
【0216】環状サッカライド誘導体による表面修飾 ついで、表面にエポキシ基を有するプラスチック基板
を、1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含
む修飾液で処理して、シランカップリング層のエポキシ
基と環状サッカライド誘導体のアミノ基との反応により
表面に親水性有機物層を形成する。
【0217】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体は、第2の方法で例示したものを利用することがで
きる。
【0218】具体的には、表面にエポキシ基を有するプ
ラスチック基板を、50℃程度に加温した1級アミノ基
を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液に浸漬
し、加温しながら攪拌する。修飾液の溶媒としては、例
えば、水、エタノール、メタノール、キシレンなど、ケ
ト基を持たない各種溶媒が使用できる。ただし、ケト基
を有するアセトンやメチルエチルケトンはアミンと反応
してケチミンを生成するため使用できない。
【0219】このとき、反応触媒として3級アミン(例
えば、(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノールな
ど)を若干量添加することも、反応性向上のために好ま
しい。
【0220】反応終了後の洗浄・乾燥 反応が終了したら上記プラスチック基板を液から取り出
し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧定温乾燥器中で
乾燥を行う。こうして、外表面に親水性有機物層を備え
た防曇性プラスチックが得られる。
【0221】つぎに、この発明による第12の方法につ
いて説明する。
【0222】この発明による第12の方法は、第11の
方法における工程i)および工程ii) の操作の後、工程
iii)において、シランカップリング層のビニル基をカル
ボキシル基へ酸化し、工程iv) において、シランカップ
リング層の表面を、1級アミノ基を有する環状サッカラ
イド誘導体を含む修飾液で処理して、シランカップリン
グ層のカルボキシル基とサッカライド誘導体のアミノ基
とのアミド化反応により表面に親水性有機物層を形成す
る、防曇性プラスチックの製造方法である。
【0223】第12の方法の工程i)およびii) は第11
の方法のものと同じである。
【0224】第12の方法の工程iii)のビニル基の酸化
(カルボキシル基の導入)はつぎのように行う。
【0225】前段階で得られたビニル基を有するシラン
カップリング層のビニル基をカルボキシル基に酸化す
る。
【0226】本段階での酸化は、アルカリ性過マンガン
酸酸化もしくは四酸化オスミウム酸化、および水酸基に
酸化されてからの硫酸−ピリジン酸化処理など各種一般
的な酸化処理法により行われる。
【0227】第12の方法の工程iv) はつぎのように行
う。
【0228】カルボキシル基の活性化 アミド化反応を効率よく行うために、シランカップリン
グ層のカルボキシル基を活性化する。
【0229】第1の方法と同様の操作で調製された緩衝
液に、カルボキシル基の活性化縮合剤としてWSCIを
添加し、ここに、表面にカルボキシル基を有するプラス
チック基板を浸漬し、NaOH水溶液およびHCl水溶
液でpHを4.2〜5.0に、液温を0〜4℃にそれぞ
れ維持しながら、活性中間体が生成するまで、混合液を
2〜4時間激しく攪拌する。反応促進剤として、HOB
tやHOOBtやHOSuを用いると、副生成物の生成
が抑えられ、反応収率が向上するので、反応促進剤の使
用が好ましい。
【0230】環状サッカライド誘導体による表面修飾 ついで、表面にカルボキシル基を有するプラスチック基
板を、1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を
含む修飾液で処理して、シランカップリング層のカルボ
キシル基と環状サッカライド誘導体のアミノ基とのアミ
ド化反応により表面に親水性有機物層を形成する。
【0231】1級アミノ基を有する環状サッカライド誘
導体は、第2の方法で例示したものを利用することがで
きる。
【0232】具体的には、表面にカルボキシル基を有す
るプラスチック基板を、1級アミノ基を有する環状サッ
カライド誘導体を含む修飾液に浸漬し、温度を0〜4℃
に維持したまま反応終了まで攪拌する。
【0233】反応終了後の洗浄・乾燥 反応が終了したら上記プラスチック基板を液から取り出
し、未反応物を蒸留水で洗い流し、減圧定温乾燥器中で
乾燥を行う。こうして、外表面に親水性有機物層を備え
た防曇性プラスチックが得られる。
【0234】
【実施例】つぎに、この発明を具体的に説明するため
に、この発明の一例を示す実施例およびこれとの比較を
示す比較例をいくつか挙げ、さらに得られた防曇性プラ
スチックの性能試験結果を示す。
【0235】なお、この発明の第1の方法に対応する実
施例は実施例1〜7および77〜83、第2の方法に対
応する実施例は実施例8〜13および84〜89、第3
の方法に対応する実施例は実施例14〜19および90
〜95、第4の方法に対応する実施例は実施例20〜2
5および96〜101、第5の方法に対応する実施例は
実施例26〜31および102〜107、第6の方法に
対応する実施例は実施例32〜37および108〜11
3、第7の方法に対応する実施例は実施例38〜43お
よび114〜119、第8の方法に対応する実施例は実
施例44〜49および120〜125、第9の方法に対
応する実施例は実施例50〜56および126〜13
1、第10の方法に対応する実施例は実施例57〜63
および132〜137、第11の方法に対応する実施例
は実施例64〜69および138〜143、第12の方
法に対応する実施例は実施例70〜76および144〜
149である。SiO2 −TiO2 系中のSiO2 とT
iO2 のモル分率およびSiO2 −Al 23 系中のS
iO2 とAl 23 のモル分率は、X線光電子分光分析
装置(日本電子社製、JPS−90SX)を用いて、X
線光電子分光分析(以下、ESCAとする)によるSi
とTiまたはSiとAl のピ−ク面積により求めた。
【0236】各反応段階は、フーリエ変換赤外分光光度
計の赤外全反射吸収(FT−IRのATR)型により追
跡し、各反応の終点を確認した。
【0237】実施例1 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。
【0238】次に、このプラスチック基板をスパッタリ
ング装置(日本真空技術社製、型式;SH−100)に
取り付けた。ターゲットとしては、SiO2 ターゲット
の上にTiO2 の蒸着用ペレット(径10mm×高さ5
mm)を、面積比SiO2 /TiO2 がほぼ50/50
となるように配置したものを用いた。
【0239】真空槽を内圧5×10-6Torrに減圧し
た後、同槽に高純度のアルゴンガスを導入し、内圧を5
×10-3Torrとし、高周波投入電力100Wで12
0分間スパッタリングを行った。端部に設けた段差より
触針法(スローン社製、型式;Dektak3030)
でSiO2 −TiO2 層の厚みを測定したところ、1.
5μmであった。
【0240】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、55/45であった。
【0241】ii) シランカップリング層の形成 次に、水95重量部にシラン化合物としてγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン5重量部を混合してなるカッ
プリング剤液を、50℃に加温しながら30分間攪拌し
た。
【0242】このシランカップリング剤液中に上記金属
酸化物被覆プラスチック基板を浸漬した。浸漬時間は約
20秒、引き上げ速度は0.5cm/秒とした。こうし
て、ディッピング法によりプラスチック基板の金属酸化
物層の上にシランカップリング剤液を塗布した。塗布
後、処理済みプラスチック基板を減圧下に60℃で2時
間乾燥させた。この乾燥により、カップリング層を固化
し、かつシラン化合物を金属酸化物層に強固に結合させ
た。
【0243】iii)親水性有機物層の形成 ついで、緩衝液として0.1NのMES水溶液を調製
し、これを冷却槽に入れて液温を0〜4℃に維持すると
共に、NaOH水溶液およびHCl水溶液でpHを4.
2〜5.0に調整した。
【0244】この緩衝液に、カルボキシル基の活性化縮
合剤としてWSCI、反応促進剤としてHOBt、およ
びカルボキシル基を有する直鎖状サッカライド誘導体と
して酒石酸をそれぞれ添加し、各々の濃度が0.5N−
WSCI、0.5N−HOBt、および0.1N−酒石
酸となるように、混合水溶液を調製した。
【0245】この混合水溶液のpHをNaOH水溶液お
よびHCl水溶液で4.2〜5.0に調整し、液温を0
〜4℃に維持しながら、この水溶液を2時間激しく攪拌
した。
【0246】前段階で活性化されたカルボキシル基を有
する直鎖状サッカライド誘導体の溶液中に、前工程で得
られたカップリング層を有するプラスチック基板を浸漬
し、液温を維持したまま反応終了まで同液を攪拌した。
【0247】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0248】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0249】実施例2 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。
【0250】この基板を真空蒸着装置(大阪光音電気社
製)に取り付け、ベルジャー内圧が1×10-5Torr
以下になるまでベルジャーを排気した。
【0251】その後、電子ビームでSiO2 (山中セミ
コンダクター社製)を加熱、溶融して、プラスチック基
板上にSiO2 層を形成した。
【0252】層形成中は、基板の強制加熱および酸素ガ
スの導入は行わなかった。層形成中の圧力は、2〜3×
10-5Torrであった。
【0253】端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、型式;Dektak3030)でSiO2 層の厚み
を測定したところ、3μmであった。
【0254】次に、SiO2 層で被覆されたプラスチッ
ク基板をスパッタリング装置(日本真空技術社製、型
式;SH−100)に取り付けた。ターゲットとして
は、SiO2 ターゲットの上にTiO2 の蒸着用ペレッ
ト(径10mm×高さ5mm)を、面積比SiO2 /T
iO2 がほぼ50/50となるように配置したものを用
いた。
【0255】真空槽を内圧5×10-6Torrに減圧し
た後、同槽に高純度のアルゴンガスを導入し、内圧を5
×10-3Torrとし、高周波投入電力100Wで10
分間スパッタリングを行った。端部に設けた段差より触
針法(スローン社製、型式;Dektak3030)で
SiO2 −TiO2 層の厚みを測定したところ、0.1
5μmであった。
【0256】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、55/45であった。
【0257】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例1と同様に操作を行った。
【0258】実施例3 工程i)では、実施例2と同様に操作を行った。
【0259】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水47重量部とエタノール47重量部の混合
液にシラン化合物としてγ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン6重量部を混合してなるカップリング剤液を用
いた以外、実施例1と同様に操作を行った。
【0260】工程iii)では、実施例1と同様に操作を行
った。
【0261】実施例4 工程i)では、実施例2と同様に操作を行った。
【0262】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、トルエン95重量部にγ−アミノプロピルト
リメトキシシラン5重量部を混合してなるカップリング
剤液を用いた。このカップリング剤液を50℃に加温し
ながら30分間攪拌した後、スピンコーティング法を用
いて上記金属酸化物被覆プラスチック基板の表面に塗布
した。このスピンコーティング法における回転数は毎分
2000回、回転時間は5秒とした。塗布後、処理済み
プラスチック基板を定温乾燥器内に入れ、110℃で2
時間乾燥させた。
【0263】工程iii)では、カルボキシル基を有する直
鎖状サッカライドの溶液としてD−グルコン酸を0.5
mol /l 含む水溶液を用いた以外、実施例1と同様に操
作を行った。
【0264】実施例5 工程i)では、実施例2と同様に操作を行った。
【0265】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水47重量部とエタノール47重量部の混合
液にシラン化合物としてN−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン6重量部を混合してな
るカップリング剤液を用いた以外、実施例4と同様に操
作を行った。
【0266】工程iii)では、実施例4と同様に操作を行
った。
【0267】実施例6 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。
【0268】この基板を真空蒸着装置(大阪光音電気社
製)に取り付け、ベルジャー内圧が1×10-5Torr
以下になるまでベルジャーを排気した。
【0269】その後、電子ビームで蒸発原料を加熱、溶
融して、プラスチック基板上にSiO2 −TiO2 層を
形成した。
【0270】蒸発原料としては、SiO2 とTiO2
SiO2 /TiO2 モル比が80/20となるようにア
ルミナ坩堝で粉砕混合し、ペレット状に固めたものを使
用した。
【0271】層形成中は、基板の強制加熱および酸素ガ
スの導入は行わなかった。層形成中の圧力は、3〜4×
10-5Torrであった。
【0272】端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、DEKTAK3030)でSiO2 −TiO2 層の
厚みを測定したところ、2μmであった。
【0273】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、82/18であった。
【0274】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。
【0275】工程iii)では、カルボキシル基を有する直
鎖状サッカライドとして、側鎖に環状サッカライドを有
するラクトピオン酸を用いた以外、実施例1と同様に操
作を行った。
【0276】実施例7 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。
【0277】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水47重量部とエタノール47重量部の混合
液にシラン化合物としてN−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン6重量部を混合してな
るカップリング剤液を用いた以外、実施例6と同様に操
作を行った。
【0278】工程iii)では、実施例6と同様に操作を行
った。
【0279】実施例8 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。この
基板上に実施例6と同じ手法で真空蒸着法によってSi
2 −TiO2 からなる層厚3μmの金属酸化物層を形
成した。
【0280】蒸発原料としては、SiO2 とTiO2
SiO2 /TiO2 モル比が15/85となるようにア
ルミナ坩堝で粉砕混合し、ペレット状に固めたものを使
用した。
【0281】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、18/82であった。
【0282】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。
【0283】iii)親水性有機物層の形成 ついで、0.1NのMES緩衝溶液でpH6.8〜7.
0に調整したα−ケトグルタル酸とグルコサミンの混合
液(モル比=3:2)を調製し、室温で反応終了まで攪
拌した。
【0284】この混合液を冷却槽に入れて温度を0〜4
℃に維持し、NaON水溶液およびHCl水溶液でpH
を4.2〜5.0に調整維持した。
【0285】これにWSCI:HOBt(反応生成物1
モルに対するモル比=2:2)を投入し、液温を0〜4
℃、NaON水溶液およびHCl水溶液でpHを4.2
〜5.0に維持し、活性中間体が生成するまで2〜4時
間攪拌した。この溶液中に先のシラン処理反応後乾燥さ
せたアミノ基を有するプラスチックを浸漬し、液温0〜
4℃を維持しながら反応終了まで攪拌した。
【0286】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0287】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0288】実施例9 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例8と同様に操作を行った。
【0289】実施例10 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例4と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施例8と
同様に操作を行った。
【0290】実施例11 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例10と同様に操作を行った。
【0291】実施例12 工程i)では、プラスチック基板としてポリカーボネー
ト製の平板状シートを用い、この基板上に実施例6と同
じ手法で真空蒸着法によってSiO2 −TiO 2 からな
る層厚3μmの金属酸化物層を形成した。
【0292】蒸発原料としては、SiO2 とTiO2
SiO2 /TiO2 モル比が40/60となるようにア
ルミナ坩堝で粉砕混合し、ペレット状に固めたものを使
用した。
【0293】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、51/49であった。
【0294】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
て、D−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例8と
同様に操作を行った。
【0295】実施例13 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0296】実施例14 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。
【0297】次に、このプラスチック基板をスパッタリ
ング装置(日本真空技術社製、型式;SH−100)に
取り付けた。ターゲットとしては、SiO2 ターゲット
の上にTiO2 の蒸着用ペレット(径10mm×高さ5
mm)を、面積比SiO2 /TiO2 がほぼ80/20
となるように配置したものを用いた。
【0298】真空槽を内圧5×10-6Torrに減圧し
た後、同槽に高純度のアルゴンガスを導入し、内圧を5
×10-3Torrとし、高周波投入電力100Wで12
0分間スパッタリングを行った。端部に設けた段差より
触針法(スローン社製、型式;Dektak3030)
でSiO2 −TiO2 層の厚みを測定したところ、1.
5μmであった。
【0299】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、82/18であった。
【0300】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。
【0301】iii)親水性有機物層の形成 ついで、NaOH水溶液でpH6.8〜7.0に調整し
た無水コハク酸10重量%溶液を調製した。
【0302】この溶液に上記処理済みプラスチック基板
を浸漬し、室温で1時間攪拌した後、蒸留水で水洗し、
減圧下60℃で2時間乾燥させた。
【0303】ついで、緩衝液として0.1NのMES水
溶液を調製し、これを冷却槽に入れて液温を0〜4℃に
維持すると共に、NaOH水溶液およびHCl水溶液で
pHを4.2〜5.0に調整した。
【0304】この緩衝液に、カルボキシル基の活性化縮
合剤としてWSCI、反応促進剤としてHOBt、およ
びカルボキシル基を有する直鎖状サッカライド誘導体と
して酒石酸をそれぞれ添加し、各々の濃度が0.5N−
WSCI、0.5N−HOBt、および0.1N−酒石
酸となるように、混合水溶液を調製した。
【0305】この混合水溶液のpHをNaOH水溶液お
よびHCl水溶液で4.2〜5.0に調整し、液温を0
〜4℃に維持しながら、この水溶液を2時間激しく攪拌
した。
【0306】ついで、グルコサミン塩酸塩を1Nとなる
ように添加し、液温を0〜4℃に維持したまま反応終了
まで攪拌を続けた。
【0307】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0308】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0309】実施例15 工程i)では、実施例14と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例14と同様に操作を行った。
【0310】実施例16 工程i)では、実施例14と同様に操作を行った。
【0311】工程ii) では、シランカップリング剤液と
して、トルエン95重量部にγ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン5重量部を混合してなるカップリング剤液
を用いたこと以外は、実施例4と同様に操作を行った。
【0312】工程iii)では、アミノ基を有する環状サッ
カライドとしてD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以
外、実施例14と同様に操作を行った。
【0313】実施例17 工程i)では、実施例14と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では実施例16と同様に操作を行った。
【0314】実施例18 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。この基板上に実施例1と同じ手法でスパッタ
リング法によってSiO2 −TiO2 からなる層厚1.
2μmの金属酸化物層を形成した。
【0315】ターゲットとしては、SiO2 ターゲット
の上にTiO2 の蒸着用ペレット(径10mm×高さ5
mm)を、面積比SiO2 /TiO2 がほぼ20/80
となるように配置したものを用いた。
【0316】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、23/77であった。
【0317】工程ii) では、実施例14と同様に操作を
行った。
【0318】工程iii)では、アミノ基を有する環状サッ
カライドとしてD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、
実施例14と同様に操作を行った。
【0319】実施例19 工程i)では、実施例18と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例18と同様に操作を行った。
【0320】実施例20 工程i)では、実施例2と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。
【0321】iii)親水性有機物層の形成 ついで、0.1Nのリン酸緩衝溶液でpH6.8〜7.
0に調整したグルタルアルデヒド10%溶液を調製し
た。
【0322】この溶液に上記処理済みプラスチックを浸
漬し、室温で反応終了まで攪拌した後、pH7.0のリ
ン酸緩衝溶液で洗浄し、減圧下60℃で2時間乾燥させ
た。
【0323】その後、pH6.3のリン酸緩衝溶液とグ
ルコサミン塩酸塩を、前者が0.1Nに、後者が1Nに
なるように混合し、この液に前工程で得られたカップリ
ング層を有するプラスチック基板を浸漬し、液温を維持
したまま反応終了まで同液を攪拌した。
【0324】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0325】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0326】実施例21 実施例20の工程i)、工程ii) および工程iii)を経て
得られた処理品を5重量%NaBH4 −DMF溶液中で
還元処理し、シッフ塩基を安定な2級アミンに導いた。
【0327】実施例22 工程i)では、実施例20と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドの溶
液としてD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施
例20と同様に操作を行った。
【0328】実施例23 実施例22の工程i)、工程ii) および工程iii)を経て
得られた処理品を5重量%NaBH4 −DMF溶液中で
還元処理し、シッフ塩基を安定な2級アミンに導いた。
【0329】実施例24 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。この基板上に実施例6と同じ手法で真空蒸着
法によってSiO2 −TiO2 からなる層厚3μmの金
属酸化物層を形成した。
【0330】蒸発原料としては、SiO2 とTiO2
SiO2 /TiO2 モル比が30/70となるようにア
ルミナ坩堝で粉砕混合し、ペレット状に固めたものを使
用した。
【0331】形成されたSiO2 −TiO2 層の組成を
ESCAにより分析したところ、SiO2 /TiO2
モル比は、35/65であった。
【0332】工程ii) では、実施例20と同様に操作を
行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例20と
同様に操作を行った。
【0333】実施例25 工程i)では、実施例24と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では実施例24と同様に操作を行い、その後、
得られた処理品を5重量%NaBH4 −DMF溶液中で
還元処理し、シッフ塩基を安定な2級アミンに導いた。
【0334】実施例26 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。
【0335】iii)親水性有機物層の形成 ついで、0.1Nのリン酸緩衝溶液でpH6.8〜7.
0に調整したグルコースアミン塩酸塩とグルタルアルデ
ヒドとの等モル混合溶液を調製し、室温で反応終了まで
攪拌した。
【0336】この溶液に上記処理済みプラスチックを浸
漬し、室温で反応終了まで攪拌した。
【0337】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物をpH7.0のリン酸緩衝溶液で洗い
流し、同基板を乾燥器中で60℃で乾燥した。
【0338】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0339】実施例27 実施例26の工程i)、工程ii) および工程iii)を経て
得られた処理品を5重量%NaBH4 −DMF溶液中で
還元処理し、シッフ塩基を安定な2級アミンに導いた。
【0340】実施例28 工程i)では、実施例26と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドの溶
液としてD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施
例26と同様に操作を行った。
【0341】実施例29 実施例28の工程i)、工程ii) および工程iii)を経て
得られた処理品を5重量%NaBH4 −DMF溶液中で
還元処理し、シッフ塩基を安定な2級アミンに導いた。
【0342】実施例30 工程i)では、実施例24と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例26と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例26と
同様に操作を行った。
【0343】実施例31 工程i)では、実施例30と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例30と同様に操作を行い、その
後、得られた処理品を5重量%NaBH4 −DMF溶液
中で還元処理し、シッフ塩基を安定な2級アミンに導い
た。
【0344】実施例32 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。
【0345】iii)親水性有機物層の形成 ついで、アクリル酸とWSCIとHOBt(モル比=
1:5:5)の無水DMF溶液を調製し、これを冷却槽
に入れて液温0〜4℃を維持したまま活性中間体が生成
されるまで2〜4時間攪拌した。この溶液中に先にシラ
ン処理後乾燥させたプラスチック基板を浸漬し、反応終
了まで攪拌した。
【0346】反応終了後、乾燥させたプラスチック基板
を0.1NのmCPBAの無水ジクロロメタン溶液中に
浸漬し、氷冷下反応終了まで攪拌した。
【0347】次に、50℃に加温した1Nのグルコサミ
ン塩酸塩の水溶液に触媒量の(トリ−ジメチルアミノ)
メチルフェノールを加え、これに上記プラスチックを浸
漬し、50℃を維持しながら反応終了まで攪拌した。
【0348】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0349】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0350】実施例33 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例32と同様に操作を行った。
【0351】実施例34 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施例32
と同様に操作を行った。
【0352】実施例35 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例34と同様に操作を行った。
【0353】実施例36 工程i)では、実施例24と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例32と
同様に操作を行った。
【0354】実施例37 工程i)では、実施例24と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では実施例36と同様に操作を行った。
【0355】実施例38 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。
【0356】iii)親水性有機物層の形成 ついで、NaON水溶液およびHCl水溶液でpH4.
2〜5.0に調整した0.1NのMES緩衝溶液を冷却
槽に入れてその温度を0〜4℃に維持し、これにアクリ
ル酸とWSCIとHOBt(モル比=1:5:5)の混
合物を投入し、液温を0〜4℃に、NaON水溶液およ
びHCl水溶液でpHを4.2〜5.0に維持し、活性
中間体が生成されるまで2〜4時間攪拌した。
【0357】この液にグルコサミン塩酸塩を、アミン:
アクリル酸モル比=3:2で投入し、反応終了後、アミ
ド生成物を分離精製し乾燥させた。
【0358】このアミド生成物を含む無水ジクロロメタ
ン中に、アミド生成物:過酸mCPBAモル比=2:5
でmCPBAを添加し、混合液を氷冷下に撹拌した。
【0359】反応終了後、酸化生成物を分離精製し、こ
の生成物の約0.1N濃度の水溶液を準備した。
【0360】この水溶液に触媒量の(トリ−ジメチルア
ミノ)メチルフェノールを加え、ついで上記プラスチッ
ク基板を浸漬し、温度を50℃に維持しながら反応終了
まで攪拌した。
【0361】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0362】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0363】実施例39 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例38と同様に操作を行った。
【0364】実施例40 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施例38
と同様に操作を行った。
【0365】実施例41 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では実施例40と同様に操作を行った。
【0366】実施例42 工程i)では、実施例24と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例38と
同様に操作を行った。
【0367】実施例43 工程i)では、実施例24と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例42と同様に操作を行った。
【0368】実施例44 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0369】ii) シランカップリング層の形成 次に、水98重量部にシラン化合物としてγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン2重量部を混合してな
るカップリング剤液を、50℃に加温しながら30分間
攪拌した。
【0370】このシランカップリング剤液中に上記金属
酸化物被覆プラスチック基板を浸漬した。浸漬時間は約
20秒、引き上げ速度は0.5cm/秒とした。こうし
て、ディッピング法によりプラスチック基板の金属酸化
物層の上にシランカップリング剤液を塗布した。塗布
後、処理済みプラスチック基板を110℃の定温乾燥器
中に入れ1時間乾燥させた。この乾燥により、カップリ
ング層を固化し、かつシラン化合物を金属酸化物層に強
固に結合させた。
【0371】iii)親水性有機物層の形成 次に、グルコサミン塩酸塩1重量部に5Nの水酸化ナト
リウム水溶液を滴下して塩酸塩を溶解させ、この液を塩
酸水溶液でpH9に調整した後、トリ(ジメチルアミノ
メチル)フェノールを触媒量添加し、温度を50℃に加
温した。
【0372】このグルコサミン溶液中に、前工程で得ら
れたカップリング層を有するプラスチック基板を浸漬
し、液温を維持したまま反応終了まで同液を攪拌した。
【0373】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0374】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0375】実施例45 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0376】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水49重量部とエタノール49重量部の混合
液にシラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン2重量部を混合してなるカップリング剤
液を用いた以外、実施例44と同様に操作を行った。
【0377】工程iii)では、実施例44と同様に操作を
行った。
【0378】実施例46 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0379】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、トルエン95重量部にγ−グリシドキシプロ
ピルトリクロロシラン5重量部を混合してなるカップリ
ング剤液を用いた。このカップリング剤液を50℃に加
温しながら60分間攪拌した後、スピンコーティング法
を用いて上記金属酸化物被覆プラスチック基板の表面に
塗布した。このスピンコーティング法における回転数は
毎分2000回、回転時間は5秒とした。塗布後、処理
済みプラスチック基板を定温乾燥器内に入れ、110℃
で1時間乾燥させた。
【0380】工程iii)では、アミン誘導体としてガラク
トサミン塩酸塩を用いた以外、実施例44と同様に操作
を行った。
【0381】実施例47 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0382】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水48重量部とエタノール48重量部の混合
液にシラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリ
クロロシラン4重量部を混合してなるカップリング剤液
を用いた以外、実施例46と同様に操作を行った。
【0383】工程iii)では、実施例46と同様に操作を
行った。
【0384】実施例48 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0385】実施例49 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。
【0386】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水49重量部とエタノール49重量部の混合
液にシラン化合物としてγ−グリシドキシプロピルトリ
クロロシラン2重量部を混合してなるカップリング剤液
を用いた以外、実施例44と同様に操作を行った。
【0387】工程iii)では、実施例44と同様に操作を
行った。
【0388】実施例50 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。
【0389】iii)親水性有機物層の形成 次に、pH9に調整した1Nのアミノエタンスルホン酸
(タウリン)のエタノール含有水溶液に(トリ−ジメチ
ルアミノ)メチルフェノールを触媒量添加し、温度を5
0〜70℃に加温した。
【0390】この溶液中に、前工程で得られたカップリ
ング層を有するプラスチック基板を浸漬し、液温を維持
したまま反応終了まで同液を攪拌した。
【0391】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0392】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0393】実施例51 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例45と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0394】実施例52 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例46と同様に操作を行った。 工程iii)では、アミン誘導体としてグルタミン酸を用い
た以外、実施例50と同様に操作を行った。
【0395】実施例53 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例47と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例52と同様に操作を行った。
【0396】実施例54 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0397】実施例55 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例49と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0398】実施例56 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。
【0399】この基板を真空蒸着装置(大阪光音電気社
製)に取り付け、ベルジャー内圧が1×10-5Torr
以下になるまでベルジャーを排気した。この真空蒸着装
置には、真空を破ることなく異なった組成の蒸着層が形
成されるように、蒸着原料坩堝が3個設けられている。
【0400】蒸発原料としては、SiO2 (山中セミコ
ンダクター社製)、およびSiO2とTiO2 をSiO2
/TiO2 モル比が40/60となるように予めアル
ミナ坩堝で粉砕混合し、ペレット状に固めたものを使用
した。
【0401】まず、SiO2 を入れた坩堝に電子ビーム
が当たるように、SiO2 を加熱、溶融して、厚みモニ
ターで実際の厚みが3μmになるように厚みをチェック
しながら、プラスチック基板上にSiO2 層を形成し
た。
【0402】層形成中は、基板の強制加熱および酸素ガ
スの導入は行わなかった。層形成中の圧力は、2〜3×
10-5Torrであった。
【0403】次に、SiO2 −TiO2 系ペレットに電
子ビームを当て、SiO2 層で被覆されたプラスチック
基板上にSiO2 −TiO2 層を形成した。SiO2
TiO2 層の厚みは0.1μmであった。この段階での
圧力は、3〜4×10-5Torrであった。
【0404】工程ii) では、実施例44と同様に操作を
行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0405】実施例57 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0406】ii) 親水性有機物層の形成 次に、pH9に調整した1Nのアミノエタンスルホン酸
(タウリン)のエタノール含有水溶液に(トリ−ジメチ
ルアミノ)メチルフェノールを触媒量添加した。この溶
液に2重量%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランを添加して60〜70℃に加温し、シラン化合物
と1級アミン誘導体が結合を形成するまで攪拌を続け
た。こうして、修飾液を調製した。
【0407】この修飾液中に上記金属酸化物被覆プラス
チック基板を浸漬した。浸漬時間は約20秒、引き上げ
速度は0.5cm/秒とした。
【0408】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0409】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0410】実施例58 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) において、1級アミン誘導体としてD−グルコ
サミンを用いた以外、実施例57と同様に操作を行っ
た。
【0411】実施例59 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。 工程ii) において、修飾液による金属酸化物被覆プラス
チック基板の処理方法としてスピンコーティング法を用
いた。このスピンコーティング法における回転数を毎分
2000回、回転時間を5秒とした以外、実施例57と
同様に操作を行った。
【0412】実施例60 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。 工程ii) において、1級アミン誘導体としてグルタミン
酸を用いた以外、実施例59と同様に操作を行った。
【0413】実施例61 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例60と同様に操作を行った。
【0414】実施例62 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) において、シラン化合物としてγ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシランを用いた以外、実施例6
0と同様に操作を行った。
【0415】実施例63 工程i)では、実施例56と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例57と同様に操作を行った。
【0416】実施例64 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0417】ii) シランカップリング層の形成 次に、水95重量部にシラン化合物としてビニルトリメ
トキシシラン5重量部を混合してなるカップリング剤液
を、50℃に加温しながら30分間攪拌した。
【0418】このシランカップリング剤液中に上記金属
酸化物被覆プラスチック基板を浸漬した。浸漬時間は約
20秒、引き上げ速度は0.5cm/秒とした。こうし
て、ディッピング法によりプラスチック基板の金属酸化
物層の上にシランカップリング剤液を塗布した。塗布
後、処理済みプラスチック基板を減圧下に60℃で2時
間乾燥させた。この乾燥により、カップリング層を固化
し、かつシラン化合物をSiO2 −TiO2 層に強固に
結合させた。
【0419】iii)ビニル基の酸化 ついで、乾燥させたプラスチック基板を、0.1Nのm
CPBA無水ジクロロメタン溶液中に浸漬し、氷冷下反
応終了まで攪拌した。
【0420】iv) 親水性有機物層の形成 次に、50℃に加温した1Nのグルコサミン塩酸塩水溶
液に触媒量の(トリ−ジメチルアミノ)メチルフェノー
ルを加えた。こうして調製した修飾液に上記プラスチッ
ク基板を浸漬し、液温を50℃に維持しながら反応終了
まで同液を攪拌した。
【0421】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0422】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0423】実施例65 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0424】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水47重量部とエタノール47重量部の混合
液にシラン化合物としてビニルトリエトキシシラン6重
量部を混合してなるカップリング剤液を用いた以外、実
施例64と同様に操作を行った。
【0425】工程iii)では、実施例64と同様に操作を
行った。 工程iv) では、実施例64と同様に操作を行った。
【0426】実施例66 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0427】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、トルエン95重量部にビニルトリメトキシシ
ラン5重量部を混合してなるカップリング剤液を用い
た。このカップリング剤液を50℃に加温しながら30
分間攪拌した後、スピンコーティング法を用いて上記金
属酸化物被覆プラスチック基板の表面に塗布した。この
スピンコーティング法における回転数は毎分2000
回、回転時間は5秒とした。塗布後、処理済みプラスチ
ック基板を定温乾燥器内に入れ、110℃で2時間乾燥
させた。
【0428】工程iii)では、実施例64と同様に操作を
行った。 工程iv) では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施例64
と同様に操作を行った。
【0429】実施例67 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0430】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水47重量部とエタノール47重量部の混合
液にシラン化合物としてビニルトリエトキシシラン6重
量部を混合してなるカップリング剤液を用いた以外、実
施例66と同様に操作を行った。
【0431】工程iii)では、実施例64と同様に操作を
行った。 工程iv) では、実施例66と同様に操作を行った。
【0432】実施例68 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例64と
同様に操作を行った。
【0433】実施例69 工程i)では、実施例6と同様に操作を行った。
【0434】工程ii) において、シランカップリング剤
液として、水47重量部とエタノール47重量部の混合
液にシラン化合物としてビニルトリ(β−メトキシエト
キシ)シラン6重量部を混合してなるカップリング剤液
を用いた以外、実施例65と同様に操作を行った。
【0435】工程iii)では、実施例64と同様に操作を
行った。 工程iv) では、実施例68と同様に操作を行った。
【0436】実施例70 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。
【0437】iii)ビニル基の酸化 ついで、0〜5℃に冷却したNaOHアルカリ性過マン
ガン酸カリ水溶液中に上記プラスチックを浸漬し、反応
終了まで攪拌した後、希HCl水溶液と蒸留水で水洗し
た後、減圧下60℃で2時間乾燥させた。
【0438】iv) 親水性有機物層の形成 ついで、緩衝液として0.1NのMES水溶液を調製
し、これを冷却槽に入れて液温を0〜4℃に維持すると
共に、NaOH水溶液およびHCl水溶液でpHを4.
2〜5.0に調整した。
【0439】この緩衝液に、カルボキシル基の活性化縮
合剤としてWSCI、および反応促進剤としてHOBt
の混合水溶液を、WSCIおよびHOBtの濃度が共に
0.5Nになるように添加し、NaOH水溶液およびH
Cl水溶液でpHを4.2〜5.0に調整した。この溶
液に上記プラスチック基板を浸漬し、液温を0〜4℃に
維持しながら3時間攪拌した。
【0440】次に、この溶液にグルコサミン塩酸塩を濃
度が1Nになるように添加し、液温を0〜4℃に維持し
ながら反応終了まで同液を攪拌した。
【0441】反応終了後、プラスチック基板を液から取
り出し、未反応物を蒸留水で洗い流し、同基板を乾燥器
中で60℃で乾燥した。
【0442】こうして、添付図面に示すように、外表面
に親水性有機物層を備えた防曇性プラスチックが得られ
る。
【0443】実施例71 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例65と同様に操作を行った。 工程iii)において、ビニル基の酸化方法として、四酸化
オスミウム酸化処理を行った以外、実施例70と同様に
操作を行った。 工程iv) では、実施例70と同様に操作を行った。
【0444】実施例72 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例66と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−ガラクトサミン塩酸塩を用いた以外、実施例70
と同様に操作を行った。
【0445】実施例73 工程i)では、実施例8と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例67と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例72と同様に操作を行った。
【0446】実施例74 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、アミノ基を有する環状サッカライドとし
てD−マンノサミン塩酸塩を用いた以外、実施例70と
同様に操作を行った。
【0447】実施例75 工程i)では、実施例12と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例69と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例74と同様に操作を行った。
【0448】実施例76 工程i)では、実施例56と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例70と同様に操作を行った。
【0449】比較例1 特開昭53−58492号公報記載の実施例に基づき、
以下の組成の防曇剤を調製した: C1837(CH32+ (CH23 SO3 - 1.0重量部 NaSCN 1.0重量部 C1225O(CH2 CH2 O)9.3 H 0.5重量部 エタノール 10.0重量部 イオン交換水 バランス この防曇剤を柔らかな布に含浸し、乾燥後、清浄なスラ
イドガラスに十分に擦り付けた。このスライドガラスを
試験片とした。
【0450】比較例2 特開平2−22344号公報記載の実施例に基づき、操
作を行った。
【0451】すなわち、ハイドロキノン80重量部とエ
タノール15重量部と少量の水とを混合した後、この混
合液に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して溶液の
pHを10とし、ついでこの溶液に水を加えて100重
量部の処理液を調製した。
【0452】まず、プラスチック基板としてポリカーボ
ネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で洗
浄し、この基板上に実施例6と同じ手法で真空蒸着法に
よって厚み3μmのSiO2 層を形成した。
【0453】次に、このようにしてSiO2 で被覆され
たプラスチック基板を、上記処理液中に浸漬し、液温6
0℃で30分間処理した後、処理液から取り出して、温
度60℃のオーブンで15分間乾燥させた。
【0454】比較例3 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。
【0455】この基板を真空蒸着装置(大阪光音電気社
製)に取り付け、ベルジャー内圧が1×10-5Torr
以下になるまでベルジャーを排気した。
【0456】その後、電子ビームでSiO2 (山中セミ
コンダクター社製)を加熱、溶融して、プラスチック基
板上にSiO2 層を形成した。
【0457】層形成中は、基板の強制加熱および酸素ガ
スの導入は行わなかった。層形成中の圧力は、2〜3×
10-5Torrであった。
【0458】端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、型式;Dektak3030)でSiO2 層の厚み
を測定したところ、3μmであった。
【0459】次に、SiO2 層で被覆されたプラスチッ
ク基板をスパッタリング装置(日本真空技術社製、型
式;SH−100)に取り付けた。ターゲットとしては
TiO 2 タ−ゲットを用いた。
【0460】真空槽を内圧5×10-6Torrに減圧し
た後、同槽に高純度のアルゴンガスを導入し、内圧を5
×10-3Torrとし、高周波投入電力100Wで10
分間スパッタリングを行った。端部に設けた段差より触
針法(スローン社製、型式;Dektak3030)で
TiO2 層の厚みを測定したところ、0.10μmであ
った。
【0461】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例1と同様に操作を行った。
【0462】比較例4 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。
【0463】この基板を真空蒸着装置(大阪光音電気社
製)に取り付け、ベルジャー内圧が1×10-5Torr
以下になるまでベルジャーを排気した。
【0464】その後、電子ビームでSiO2 (山中セミ
コンダクター社製)を加熱、溶融して、プラスチック基
板上にSiO2 層を形成した。
【0465】層形成中は、基板の強制加熱および酸素ガ
スの導入は行わなかった。層形成中の圧力は、2〜3×
10-5Torrであった。
【0466】端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、型式;Dektak3030)でSiO2 層の厚み
を測定したところ、3μmであった。
【0467】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例1と同様に操作を行った。
【0468】比較例5 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。この基板上に実施例44と同様の手順で真空
蒸着法によってTiO2 からなる厚み1.5μmの金属
酸化物層を形成した。
【0469】蒸発原料としては、実施例44におけるS
iO2 とTiO2 からなるペレット状物の代わりにTi
2 のみからなる蒸着用ペレット(山中セミコンダクタ
ー社製)を使用した。
【0470】工程ii) では、実施例44と同様に操作を
行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0471】比較例6 工程i)では、比較例4と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0472】比較例7 工程i)では、比較例5と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例57と同様に操作を行った。
【0473】比較例8 工程i)では、比較例4と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例57と同様に操作を行った。
【0474】比較例9 工程i)では、比較例5と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例64と同様に操作を行った。
【0475】比較例10 工程i)では、比較例4と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例64と同様に操作を行った。
【0476】実施例77 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。
【0477】この基板を真空蒸着装置(大阪光音電気社
製)に取り付け、ベルジャー内圧が1×10-5Torr
以下になるまでベルジャーを排気した。
【0478】その後、電子ビームでSiO2 (山中セミ
コンダクター社製)を加熱、溶融して、プラスチック基
板上にSiO2 層を形成した。
【0479】層形成中は、基板の強制加熱および酸素ガ
スの導入は行わなかった。層形成中の圧力は、2〜3×
10-5Torrであった。
【0480】端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、型式;Dektak3030)でSiO2 層の厚み
を測定したところ、3μmであった。
【0481】次に、SiO2 層で被覆されたプラスチッ
ク基板をスパッタリング装置(日本真空技術社製、型
式;SH−100)に取り付けた。ターゲットとして
は、SiO2 ターゲットの上にAl 23 の蒸着用ペレ
ット(10mm角×高さ5mm)を、面積比SiO2
Al 23 がほぼ20/80となるように配置したもの
を用いた。
【0482】真空槽を内圧5×10-6Torrに減圧し
た後、同槽に高純度のアルゴンガスを導入し、内圧を5
×10-3Torrとし、高周波投入電力100Wで10
分間スパッタリングを行った。端部に設けた段差より触
針法(スローン社製、型式;Dektak3030)で
SiO2 −Al 23 層の厚みを測定したところ、0.
12μmであった。
【0483】形成されたSiO2 −Al 23 層の組成
をESCAにより分析したところ、SiO2 /Al 2
3 のモル比は、23/77であった。
【0484】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例1と同様に操作を行った。
【0485】実施例78 i)金属酸化物層の形成 実施例77におけるスパッタリング工程において、ター
ゲットとしてSiO2ターゲットの上にAl 23 の蒸
着用ペレット(10mm角×高さ5mm)を、面積比S
iO2 /Al 23 がほぼ50/50となるように配置
したものを用いたこと以外は、実施例77と同様に操作
を行った。端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、型式;Dektak3030)でSiO2 −Al 2
3 層の厚みを測定したところ、0.12μmであっ
た。
【0486】形成されたSiO2 −Al 23 層の組成
をESCAにより分析したところ、SiO2 /Al 2
3 のモル比は、57/43であった。
【0487】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例1と同様に操作を行った。
【0488】実施例79 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例1と同様に操作を行った。
【0489】実施例80 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例4と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例4と同様に操作を行った。
【0490】実施例81 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例4と同様に操作を行った。
【0491】実施例82 i)金属酸化物層の形成 実施例77におけるスパッタリング工程において、ター
ゲットとしてSiO2ターゲットの上にAl 23 の蒸
着用ペレット(10mm角×高さ5mm)を、面積比S
iO2 /Al 23 がほぼ70/30となるように配置
したものを用いたこと以外は、実施例77と同様に操作
を行った。端部に設けた段差より触針法(スローン社
製、型式;Dektak3030)でSiO2 −Al 2
3 層の厚みを測定したところ、0.12μmであっ
た。
【0492】形成されたSiO2 −Al 23 層の組成
をESCAにより分析したところ、SiO2 /Al 2
3 のモル比は、79/21であった。
【0493】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例6と同様に操作を行った。
【0494】実施例83 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例6と同様に操作を行った。
【0495】実施例84 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例8と同様に操作を行った。
【0496】実施例85 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例8と同様に操作を行った。
【0497】実施例86 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例4と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例10と同様に操作を行った。
【0498】実施例87 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例10と同様に操作を行った。
【0499】実施例88 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0500】実施例89 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例12と同様に操作を行った。
【0501】実施例90 i)金属酸化物層の形成 まず、プラスチック基板としてポリカーボネート製の平
板状シートをエタノールついで蒸留水で洗浄した。
【0502】次に、このプラスチック基板をスパッタリ
ング装置(日本真空技術社製、型式;SH−100)に
取り付けた。ターゲットとしては、SiO2 ターゲット
の上にAl 23 の蒸着用ペレット(10mm角×高さ
5mm)を、面積比SiO2/Al 23 がほぼ20/
80となるように配置したものを用いた。
【0503】真空槽を内圧5×10-6Torrに減圧し
た後、同槽に高純度のアルゴンガスを導入し、内圧を5
×10-3Torrとし、高周波投入電力100Wで10
0分間スパッタリングを行った。端部に設けた段差より
触針法(スローン社製、型式;Dektak3030)
でSiO2 −Al 23 層の厚みを測定したところ、
1.1μmであった。
【0504】形成されたSiO2 −Al 23 層の組成
をESCAにより分析したところ、SiO2 /Al 2
3 のモル比は、23/77であった。
【0505】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例14と同様に操作を行った。
【0506】実施例91 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例14と同様に操作を行った。
【0507】実施例92 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例16と同様に操作を行った。
【0508】実施例93 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例16と同様に操作を行った。
【0509】実施例94 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例18と同様に操作を行った。
【0510】実施例95 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例18と同様に操作を行った。
【0511】実施例96 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例20と同様に操作を行った。
【0512】実施例97 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例21と同様に操作を行った。
【0513】実施例98 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例22と同様に操作を行った。
【0514】実施例99 i)金属酸化物層の形成 実施例90におけるスパッタリング工程において、ター
ゲットとしてSiO2ターゲットの上にAl 23 の蒸
着用ペレット(10mm角×高さ5mm)を、面積比S
iO2 /Al 23 がほぼ50/50となるように配置
したものを用いたこと以外は、実施例90と同様に操作
を行った。
【0515】形成されたSiO2 −Al 23 層の組成
をESCAにより分析したところ、SiO2 /Al 2
3 のモル比は、57/43であった。また、SiO2
Al 23 層の厚みは1.1μmであった。
【0516】工程ii) では、実施例16と同様に操作を
行った。 工程iii)では、実施例23と同様に操作を行った。
【0517】実施例100 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例24と同様に操作を行った。
【0518】実施例101 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例25と同様に操作を行った。
【0519】実施例102 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例26と同様に操作を行った。
【0520】実施例103 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例27と同様に操作を行った。
【0521】実施例104 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例28と同様に操作を行った。
【0522】実施例105 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例25と同様に操作を行った。
【0523】実施例106 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例30と同様に操作を行った。
【0524】実施例107 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例31と同様に操作を行った。
【0525】実施例108 i)金属酸化物層の形成 実施例90におけるスパッタリング工程において、ター
ゲットとしてSiO2ターゲットの上にAl 23 の蒸
着用ペレット(10mm角×高さ5mm)を、面積比S
iO2 /Al 23 がほぼ70/30となるように配置
したものを用いたこと以外は、実施例90と同様に操作
を行った。
【0526】形成されたSiO2 −Al 23 層の組成
をESCAにより分析したところ、SiO2 /Al 2
3 のモル比は、79/21であった。また、SiO2
Al 23 層の厚みは1.2μmであった。
【0527】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例32と同様に操作を行った。
【0528】実施例109 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例32と同様に操作を行った。
【0529】実施例110 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例34と同様に操作を行った。
【0530】実施例111 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例34と同様に操作を行った。
【0531】実施例112 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例36と同様に操作を行った。
【0532】実施例113 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例36と同様に操作を行った。
【0533】実施例114 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例38と同様に操作を行った。
【0534】実施例115 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例3と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例38と同様に操作を行った。
【0535】実施例116 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例16と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例40と同様に操作を行った。
【0536】実施例117 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例5と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例40と同様に操作を行った。
【0537】実施例118 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例42と同様に操作を行った。
【0538】実施例119 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例7と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例42と同様に操作を行った。 実施例120 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0539】実施例121 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例45と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0540】実施例122 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例46と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例46と同様に操作を行った。
【0541】実施例123 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例47と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例46と同様に操作を行った。
【0542】実施例124 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0543】実施例125 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例49と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例44と同様に操作を行った。
【0544】実施例126 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0545】実施例127 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例45と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0546】実施例128 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例46と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例52と同様に操作を行った。
【0547】実施例129 工程i)では、実施例77と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例47と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例52と同様に操作を行った。
【0548】実施例130 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例44と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0549】実施例131 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例49と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例50と同様に操作を行った。
【0550】実施例132 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例57と同様に操作を行った。
【0551】実施例133 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例58と同様に操作を行った。
【0552】実施例134 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例59と同様に操作を行った。
【0553】実施例135 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例60と同様に操作を行った。
【0554】実施例136 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例60と同様に操作を行った。
【0555】実施例137 工程i)では、実施例90と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例62と同様に操作を行った。
【0556】実施例138 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例64と同様に操作を行った。
【0557】実施例139 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例65と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例64と同様に操作を行った。
【0558】実施例140 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例66と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例66と同様に操作を行った。
【0559】実施例141 工程i)では、実施例82と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例67と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例66と同様に操作を行った。
【0560】実施例142 工程i)では、実施例99と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例68と同様に操作を行った。
【0561】実施例143工程i)では、実施例99と
同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例69と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例68と同様に操作を行った。
【0562】実施例144 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例70と同様に操作を行った。
【0563】実施例145 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例65と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例71と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例70と同様に操作を行った。
【0564】実施例146 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例66と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例72と同様に操作を行った。
【0565】実施例147 工程i)では、実施例78と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例67と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例72と同様に操作を行った。
【0566】実施例148 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例74と同様に操作を行った。
【0567】実施例149 工程i)では、実施例108と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例69と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例70と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例74と同様に操作を行った。
【0568】比較例11 工程i)では、まず、プラスチック基板としてポリカー
ボネート製の平板状シートをエタノールついで蒸留水で
洗浄した。この基板上に実施例6と同様の手順で真空蒸
着によってAl 23 からなる厚み1.0μmの金属酸
化物層を形成した。蒸発原料としては、実施例6におけ
るSiO2 とTiO2 からなるペレット状物の代わりに
Al 23 のみからなる蒸着用ペレットを使用した。
【0569】工程ii) では、実施例1と同様に操作を行
った。 工程iii)では、実施例20と同様に操作を行った。
【0570】比較例12 工程i)では、比較例11と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例1と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例32と同様に操作を行った。
【0571】比較例13 工程i)では、比較例11と同様に操作を行った。 工程ii) では、実施例69と同様に操作を行った。 工程iii)では、実施例64と同様に操作を行った。 工程iv) では、実施例68と同様に操作を行った。
【0572】性能試験 実施例および比較例で得られた防曇性プラスチック品に
ついて、下記の手法で性能評価を行った。
【0573】防曇性1:等級試験 JIS S−4030による評価法を用いた。
【0574】評価はI〜IVの4等級で行い、I級が最も
よく、IV級が最も悪い。ここでは、II級以上に◎を付
し、III 級以下に×を付した。
【0575】防曇性2:接触角試験 試験片に蒸留水を滴下した時の接触角を測定した。
【0576】非透水性材料の場合、接触角が10°以下
であれば防曇性を示すので、ここでは接触角10°未満
を◎、10°以上を×とした。
【0577】防曇性3:呼気試験 試験片を3℃の冷蔵室中に1時間以上放置して恒温とし
たものを、30℃、湿度90%以上の恒温恒湿室中に入
れ替え、曇らないものを◎、曇りが生じるものを×とし
た。
【0578】耐擦傷性1:スチールウール試験 #0000のスチールウールを試験片の表面に押し当
て、負荷をかけて往復20回摺動させた。
【0579】摺動により、試験片表面に傷を生じさせる
最小負荷重量(g/cm2 )を測定した。
【0580】耐負荷重量500g/cm2 以上を◎、5
00〜200g/cm2 を○、200g/cm2 未満を
×とした。
【0581】耐擦傷性2:乾式布試験 乾燥したサラシを試験片の表面に当てがい、500g/
cm2 の負荷をかけて往復3,000回摺動させた。試
験後に防曇性評価3を行い、防曇耐久性を評価した。
【0582】耐水性:洗浄試験 防曇プラスチックの試験片を30分間流水で洗浄した。
【0583】洗浄後、試験片が乾燥しないうちに耐擦傷
性試験1(スチールウール試験)を行った。さらに続い
て、防曇性評価3を行った。
【0584】耐水性:温水浸漬 防曇プラスチックの試験片を60℃の温水に4時間浸漬
した。
【0585】引上げ後、試験片が乾燥しないうちに耐擦
傷性試験2(乾式布試験)を行った。さらに続いて、防
曇性評価3を行った。
【0586】評価結果を表1にまとめて示す。
【0587】
【表1】 表1から明らかなように、この発明の方法で製造された
防曇性プラスチックは、上記の各項目においていずれも
良好な結果を示すことが認められる。
【0588】
【発明の効果】この発明の防曇性プラスチックの製造方
法によれば、プラスチック基板の外表面は親水性有機基
を有する化合物によって修飾されているので、外表面に
付着した水滴を完全に濡らすことができる。
【0589】また、この発明の方法によれば、プラスチ
ック基板表面に、SiO2 −TiO 2 系の単層、もしく
は最外層が該SiO2 −TiO2 系層である多層、また
はSiO2 −Al 23 系の単層、もしくは最外層が該
SiO2 −Al 23 系層である多層からなる金属酸化
物層を被覆するので、該金属酸化物層によって良好な耐
擦傷性が発揮され、プラスチック基板自体は傷つくこと
がない。
【0590】また、上記親水性有機物層は極めて薄いの
で、下地の金属酸化物層の硬度が反映され、この点でも
プラスチック基板に傷が付きにくい。
【0591】さらに、金属酸化物層と上記親水性有機物
層との間には、特定のシラン化合物からなるカップリン
グ層が介在されているので、これらの層は相互に共有結
合で強固に結ばれ、従来の単純な親水性有機物皮膜と比
べて、水に対する耐久性を大幅に向上することができ
る。
【0592】かくして、この発明によれば、良好な防曇
性能を保持したまま、耐久性、特に耐擦傷性と耐水性を
共に改善した防曇性プラスチックを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】防曇性プラスチックの断面図である。 (1) …プラスチック基板 (2) …金属酸化物層 (3) …シランカップリング層 (4) …親水性有機物層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 i) プラスチック基板の表面に、モル
    分率で10〜90%のTiO2 を含むSiO2 −TiO
    2 系の単層、もしくは最外層が該SiO2 −TiO2
    層である多層、またはモル分率で10〜90%のAl 2
    3 を含むSiO2 −Al 23 系の単層、もしくは最
    外層が該SiO2 −Al 23 系層である多層からなる
    金属酸化物層を被覆する工程と、 ii) 金属酸化物層の表面に、一般式 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
    ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
    キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
    よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
    基または低級アルコキシ基である。Xは末端に1級アミ
    ノ基を有する低級アルキル基である。)で表されるシラ
    ン化合物を含む液を塗布してシランカップリング層を形
    成する工程と、 iii) シランカップリング層の表面を、カルボキシル基
    を有する直鎖状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理
    して、シランカップリング層のアミノ基とサッカライド
    誘導体のカルボキシル基とのアミド化反応により表面に
    親水性有機物層を形成する工程とからなる、防曇性プラ
    スチックの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体に一
    般式 【化2】 (式中、R´は二価の有機基または単結合、nは0また
    は整数1〜6である。)で表されるα−ケト脂肪族ジカ
    ルボン酸を脱水縮合させてなるシッフ塩基を含む修飾液
    で処理して、シランカップリング層のアミノ基とシッフ
    塩基のカルボキシル基とのアミド化反応により表面に親
    水性有機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、一般式 【化3】 (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
    酸無水物を含む処理液で処理して、シランカップリング
    層のアミノ基と酸無水物とのアミド化反応によりシラン
    カップリング層の表面にカルボキシル基を導入し、さら
    に1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含む
    修飾液で処理して、シランカップリング層のカルボキシ
    ル基と環状サッカライド誘導体のアミノ基とのアミド化
    反応により表面に親水性有機物層を形成する、防曇性プ
    ラスチックの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、一般式 OHC(CH2n CHO (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
    ジアルデヒド化合物を含む処理液で処理して、シランカ
    ップリング層のアミノ基とジアルデヒド化合物の一方の
    アルデヒド基とのシッフ塩基形成によりシランカップリ
    ング層の表面に他方のアルデヒド基を導入し、さらに1
    級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾
    液で処理して、シランカップリング層の他方のアルデヒ
    ド基と環状サッカライド誘導体のアミノ基とのシッフ塩
    基形成により表面に親水性有機物層を形成する、防曇性
    プラスチックの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、1級アミノ基を有する環状サッカライド誘導体に一
    般式 OHC(CH2n CHO (式中、nは0または整数1〜4である。)で表される
    ジアルデヒド化合物の一方のアルデヒド基を脱水縮合さ
    せてなるシッフ塩基を含む修飾液で処理して、シランカ
    ップリング層のアミノ基とシッフ塩基の他方のアルデヒ
    ド誘導体のアミノ基とのシッフ塩基形成により表面に親
    水性有機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、一般式 CH2 =CHR−COOH (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基または単結合
    である。)で表される脂肪族不飽和カルボン酸を含む処
    理液で処理して、シランカップリング層のアミノ基と脂
    肪族不飽和カルボン酸のカルボキシル基とのアミド化反
    応によりシランカップリング層の表面にビニル基を導入
    し、ビニル基のエポキシ基への酸化後、さらに、1級ア
    ミノ基を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で
    処理して、シランカップリング層のエポキシ基と環状サ
    ッカライド誘導体のアミノ基との反応により表面に親水
    性有機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、一般式 CH2 =CHR−COOH (式中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基または単結合
    である。)で表される脂肪族不飽和カルボン酸に1級ア
    ミノ基を有する環状サッカライド誘導体をアミド化反応
    させさらにそのビニル基をエポキシ基へ酸化してなるエ
    ポキシ基を有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液
    で処理して、環状サッカライド誘導体のエポキシ基とシ
    ランカップリング層のアミノ基との反応により表面に親
    水性有機物層を形成する、防曇性プラスチックの製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項1の工程i) の操作の後、 ii) 金属酸化物層の表面に、一般式 【化4】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
    ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
    キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
    よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
    基または低級アルコキシ基である。Yは末端にエポキシ
    基を有する低級アルキル基である。)で表されるシラン
    化合物を含む液を塗布してシランカップリング層を形成
    する工程と、 iii) シランカップリング層の表面を、1級アミノ基を
    有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理し
    て、シランカップリング層のエポキシ基と1級アミノ基
    を有する環状サッカライド誘導体のアミノ基との反応に
    より表面に親水性有機物層を形成する工程とからなる、
    防曇性プラスチックの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8の工程i) および工程ii) の操作
    の後、工程iii)において、シランカップリング層の表面
    を、一般式 A−NH2 (式中、Aは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スル
    ホン基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの親水性
    官能基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。)で
    表される1級アミン化合物を含む修飾液で処理して、シ
    ランカップリング層のエポキシ基と1級アミン化合物の
    アミノ基との反応により表面に親水性有機物層を形成す
    る、防曇性プラスチックの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1の工程i) の操作の後、 ii) 金属酸化物層の表面に、 一般式 【化5】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
    ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
    キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
    よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
    基または低級アルコキシ基である。Yは末端にエポキシ
    基を有する低級アルキル基である。)で表されるシラン
    化合物と、一般式 A−NH2 (式中、Aは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スル
    ホン基よりなる群から選ばれる少なくとも1つの親水性
    官能基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。)で
    表される1級アミン化合物との反応物を含む修飾液で処
    理を施して、表面に親水性有機物層を形成する工程とか
    らなる、防曇性プラスチックの製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1の工程i) の操作の後、 ii) 金属酸化物層の表面に、 一般式 【化6】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、同一または異なり、
    ハロゲン原子、アミノ基、低級アルコキシ基、低級アル
    キル基またはフェニル基である。ただし、R1 、R2
    よびR3 のうち少なくとも1つはハロゲン原子、アミノ
    基または低級アルコキシ基である。Zは末端にビニル基
    を有する低級アルキル基である。)で表されるシラン化
    合物を含む液を塗布してシランカップリング層を形成す
    る工程と、 iii) シランカップリング層のビニル基をエポキシ基へ
    酸化する工程と、 iv) シランカップリング層の表面を、1級アミノ基を
    有する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理し
    て、シランカップリング層のエポキシ基とサッカライド
    誘導体のアミノ基との反応により表面に親水性有機物層
    を形成する工程とからなる、防曇性プラスチックの製造
    方法。
  12. 【請求項12】請求項11の工程i) および工程ii) の
    操作の後、工程iii)において、シランカップリング層の
    ビニル基をカルボキシル基へ酸化し、工程iv) におい
    て、シランカップリング層の表面を、1級アミノ基を有
    する環状サッカライド誘導体を含む修飾液で処理して、
    シランカップリング層のカルボキシル基とサッカライド
    誘導体のアミノ基とのアミド化反応により表面に親水性
    有機物層を形成する工程とからなる、防曇性プラスチッ
    クの製造方法。
JP4264622A 1992-10-02 1992-10-02 防曇性プラスチックの製造方法 Pending JPH06116428A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009246138A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Hirosaki Univ 固体電解コンデンサおよびその製造方法

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